JP2007155029A - 切替バルブ構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】切替バルブ1は、軸20とともに回動する弁体10を備える。弁体10は、クーラー通路32と吸入通路50とを連通させる第1位置10xと、バイパス通路34と吸入通路50とを連通させる第2位置10yとの間を回動可能である。弁体10は、隔壁36との間の隙間を微小とする第1縁部10aおよび第2縁部10bを含む隔壁近接部10sと、ハウジング8と面をもって接触するか、またはこれとの間の隙間を微小とする第3縁部10cとを備える。
【選択図】図1
Description
EGR装置による排気ガスの循環効率を高めるために、循環経路において排気ガスを冷却して体積を小さくするEGRクーラーが設けられるが、エンジンに吸入される気体の温度が低すぎないことが好ましい場合(たとえば、寒冷地におけるエンジン始動直後等)もある。このため、EGRクーラーを通って冷却された排気ガスと、EGRクーラーをバイパスし、よって冷却されない排気ガスとを、選択的に吸気系統に循環させる、EGRクーラー通路切替バルブが必要となる。
図7は、特許文献1に記載される切替バルブ101の構成を示す図である。回動可能な軸120に弁体110が取り付けられている。弁体110が軸120に固定され、第1位置110xと第2位置110yとの間を回動して、切替バルブ101の入口106と、平行する通路の第1出口132および第2出口134の一方のみとを選択的に連通させる。
バイパス通路234が閉じられている場合、すなわち弁体210が第1位置210xにある場合、排気ガスはクーラー通路232を流れる。バイパス通路234が開かれている場合、すなわち弁体210が第2位置210yにある場合、排気ガスは流体抵抗の小さいバイパス通路234を流れる。
たとえば、図7の切替バルブ101は、弁体110の回動範囲として、第1出口132側に長さ101a×幅132aの空間を、第2出口134側に長さ101a×幅134aの空間を、それぞれ独立して確保する必要があり、小型化が困難である。
また、たとえば、図8の切替バルブ201は、クーラー通路232が垂直に分岐し、往復する構成であるため、その配管のために大きなスペースが必要となり、小型化が困難である。
この切替バルブ構造は、弁体が第1位置にあるか第2位置にあるかにかかわらず隔壁と弁体との間の隙間を微小とする、隔壁近接部を備える。
第1選択開口の開口面積と、第2選択開口の開口面積とは異なることを特徴としてもよい。
外部の第1通路および外部の第2通路は、少なくともそれぞれ第1選択開口および第2選択開口の近傍において平行であることを特徴としてもよい。
第1選択開口および第2選択開口の近傍における第1通路および第2通路の方向に垂直な断面において、常用開口が投影された領域の重心は、隔壁が投影された領域の重心とは一致しないことを特徴としてもよい。
弁体は、単一の平面状の部材を、単一の直線に沿って折り曲げた形状であることを特徴としてもよい。
隔壁近接部は、円筒の一部をなす形状である部分円筒部を備え、部分円筒部は、第1縁部および第2縁部を含むとともに、弁体が第1位置と第2位置との中間位置にあるとき、隔壁と弁体との間の隙間を微小とすることを特徴としてもよい。
隔壁近接部は、円筒の一部をなす形状である部分円筒部を備え、部分円筒部は、第1縁部および第2縁部を含むとともに、弁体が第1位置と第2位置との中間位置にあるとき、隔壁と弁体との間の隙間の幅を0.01mm〜1mmの範囲内とすることを特徴としてもよい。
隔壁近接部は、円筒の一部をなす形状である部分円筒部を備え、部分円筒部は、第1縁部および第2縁部を含むとともに、弁体が第1位置と第2位置との中間位置にあるとき、隔壁と弁体との間の隙間の面積を0.1mm2〜50mm2の範囲内とすることを特徴としてもよい。
実施の形態1.
図1〜図5に、この発明の実施の形態1に係るEGRクーラー通路切替バルブである、切替バルブ1を含む切替バルブ構造を示す。
図1に断面図として示すように、切替バルブ1は、EGRクーラー通路30と、図示しないエンジンの空気吸入管に連結された吸入通路50とを連結するものである。
図1および図5に示すように、EGRクーラー通路30は、外壁38と、内部を2つの通路に区画する隔壁36とを備える。この通路のうち第1通路がクーラー通路32であり、第2通路がバイパス通路34である。クーラー通路32は、排気ガスを冷却するためのクーラー32bを備えるが、バイパス通路34はこのようなクーラーを備えない。また、クーラー通路32の断面積は、バイパス通路34の断面積よりも大きい。
クーラー通路32とバイパス通路34とは、少なくともそれぞれクーラー側バルブ入口2およびバイパス側バルブ入口4の近傍において平行である。
また、吸入通路50にはEGR流量制御バルブ(図示せず)が設けられ、バルブ出口6および吸入通路50の入口50aを通って流れる排気ガスの量を制御する。
軸20には、弁体10が固定され、弁体10は軸20とともに回動する。この弁体10は金属で構成されており、単一の平面状の部材である平板を、軸20の中心軸線と平行な直線に沿って折り曲げた形状となっている。
この弁体10は、弁翼部10qが軸20に関してバルブ出口6側で回動する向きをもって、ねじ22によって軸20に取り付けられる。
第1位置10xは、弁体10の一部を受け止めるように構成されるハウジング8のテーパ部8b(図1参照)によって規定され、弁体10がそれ以上テーパ部8b側に回動できなくなる位置である。
第2位置10yは、図3に示すアクチュエータ60の内部ストッパによって規定されるが、アクチュエータ60については後述する。この第2位置10yは、弁体10がそれ以上テーパ部8bと反対側に回動できなくなる位置である。
弁体10は、屈曲部10rに、その回動状態に応じて隔壁縁部36aと平行に近接する直線部分である、第1縁部10aを備える。ここで、第1縁部10aは、軸20の中心軸線に垂直な断面において、隔壁縁部36aに最も近い屈曲部10r上の点の集合、すなわち、軸20の中心軸線から最も遠い屈曲部10r上の点の集合となる。
さらに、弁体10は、弁翼部10q上に、第3縁部10cを備える。この第3縁部10cは直線状ではなく、図3および図4に示すように円弧状の部分を含むとともに、その両端が軸20に達する構造となっている。
排気ガスが、ある程度より小面積あるいはある程度より狭間隔の隙間を通過すると、排気ガス中に含まれる粒子状物質がその隙間に堆積してタール状となり、周辺の部材の固着を起こす場合がある。
また、隙間を挟んで、一方に冷却されていない流体が、他方に冷却された流体が存在する場合、その隙間を介して流体の混合が発生し、温度差が小さくなる。この隙間がある程度より大面積になると、この混合によって生じる流体の温度変化が無視できなくなる。これはたとえば冷却効率の低下等を起こし得る。
本明細書において「隙間が微小である」とは、隙間の面積および形状が、上記のような固着を起こす隙間よりは大きく、かつ、上記のような無視できない温度変化を起こす隙間よりは小さい状態を意味する。なお、固着および混合による温度変化が発生する程度は、流体圧や流量等の状況によって影響を受ける可能性があるので、「隙間が微小である」状態に相当する隙間の面積および形状は、その構造のみによって定まるものではなく、周囲の状況にも依存して定まるものである。
なお、この「隙間が微小である」という状態は、流体の挙動にかかわらず、次のように数値を用いて定義されるものであってもよい。たとえば、隔壁近接部10sと隔壁縁部36aとの間の隙間が微小である状態において、図2に示される隔壁近接部10sと隔壁縁部36aとの距離、すなわち隙間の幅は0.7mmである。この幅は0.01mm〜1mmの範囲内であってもよく、また、この隙間の面積は0.1mm2〜50mm2の範囲内であってもよい。
また、図1および図4に示すように、ハウジング8には、弁体10が第2位置10yにあるときに第3縁部10cと並行する形状となるように、通路縮小部8aが形成されている。これによって、弁体10が第2位置10yにあるとき、図4に示すように、弁体10の第3縁部10cと、ハウジング8の通路縮小部8aとの間の、U字形状の細長い隙間16の開口面積が最小となる。このとき、隙間16は、切替バルブ1が使用される状況において微小となる。
アクチュエータ60が作動していない状態では、ばね部材によって出力ロッド61が図3の矢印Aの方向に附勢され、このとき弁体10は第1位置10xに保持される。
アクチュエータ60は、外部から負圧が与えられることによって作動する。この状態では、ダイヤフラムがばね部材の附勢に打ち勝って出力ロッド61をアクチュエータ60側(矢印Aと反対方向)に引き寄せる。この際の出力ロッド61の直線運動が、プレート63を含むリンク機構によって軸20の回転運動に変換され、軸20が回動する。
アクチュエータ60は、このダイヤフラムのストロークを制限する内部ストッパを備えており、この内部ストッパによって出力ロッド61のアクチュエータ60側への移動が所定位置で止められる。この位置に対応して、弁体10は第2位置10yに位置する。アクチュエータ60が作動している間、弁体10は第2位置10yに保持される。
まず、アクチュエータ60が作動していない状態では、弁体10は第1位置10xに保持される。このとき、図1に示すように、クーラー通路32の出口32a、クーラー側バルブ入口2、バルブ出口6、および吸入通路50の入口50aが連通し、冷却された排気ガスがクーラー通路32から吸入通路50へと流れる。
さらに、弁翼部10qの回動範囲に相当する空間、すなわち図1における弁翼部回動空間12は、弁体10が第1位置10xにあるか、第2位置10yにあるかにかかわらず、常に排気ガスの通路の一部として利用される。すなわち、弁翼部回動空間12は、クーラー通路32用およびバイパス通路34用に独立して設けられるのではなく、これらの間で共通となる。
また、図1のようにクーラー通路32とバイパス通路34とが平行となる構成とすることができるので、配管の垂直分岐および往復に必要なスペースを不要とし、これによって切替バルブ1を小型することができる。
これに対して、実施の形態1に係る切替バルブ1を含む切替バルブ構造では、バルブ出口6および吸入通路50の形状は、第3縁部10cの回動範囲に合わせて設計されたものであればよいが、この第3縁部10cの回動範囲(すなわち形状および回動角度)は自由に設計することができる。このため、入口側(クーラー側バルブ入口2およびバイパス側バルブ入口4)の形状と、バルブ出口6の形状とを、異なった形状とすることができ、設計の自由度を高くすることができる。
これに対して、実施の形態1に係る切替バルブ1を含む切替バルブ構造では、弁翼部10qの大きさおよび回動範囲は、バルブ出口6の形状に応じて設計されればよく、また隔壁近接部10sは、軸20と隔壁36との位置関係に応じて構成されればよい。すなわち、弁体10、クーラー側バルブ入口2、およびバイパス側バルブ入口4それぞれの形状の間に直接の関連はない。このため、クーラー側バルブ入口2とバイパス側バルブ入口4とは同一形状でなくともよく、図1に示すように異なる形状および異なる断面積とすることができる。
これに対し、実施の形態1に係る切替バルブ1を含む切替バルブ構造では、バルブ出口6を設ける位置に応じて弁翼部10qの回動範囲を設定すればよいので、バルブ出口6の位置に関する自由度がより高くなる。
また、弁体10は、一枚の平板を折り曲げることによって形成可能であるので、複雑な構造を形成するための工程を省略することができる。
この場合、第1位置10xにおいて弁翼部10qの一部とハウジング8との間の隙間が微小となるものであればよい。すなわち、第1位置10xにおいて、バイパス側バルブ入口4とバルブ出口6との間を遮断せず、隙間が微小となるものであってもよい。
この場合、第2位置10yにおいて弁翼部10qの一部とハウジング8との間の隙間が微小となるものであればよい。すなわち、第2位置10yにおいて、クーラー側バルブ入口2とバルブ出口6との間の隙間を微小とせず、これらの間を遮断するものであってもよい。
また、第1縁部10aおよび第2縁部10bが回動する軌跡は、実施の形態1では同一円周上にあるが、これは同一円周上になくともよく、それぞれ第1位置10xおよび第2位置10yにおいて弁体10と隔壁縁部36aとの間の隙間を微小とするものであればよい。
さらに、隔壁近接部10sの形状は、第1縁部10aおよび第2縁部10bに相当する部分を備えるものであれば、実施の形態1のように1つの平板を折り曲げたものでなくともよい。たとえば、隔壁近接部は、第1縁部および第2縁部を備える平板状部材と、この平板状部材の中央と軸20とを連結する支持部材とによって構成されてもよい。
図6を用いて、この発明の実施の形態2に係るEGRクーラー通路切替バルブである、切替バルブ1’を含む切替バルブ構造を説明する。
切替バルブ1’は、実施の形態1に係る切替バルブ1において、第1平板部10m、すなわち弁体10の第1縁部10aと第2縁部10bとの間の部分を、図6に示す部分円筒部10’zのように変更したものである。部分円筒部10’zは、円筒の一部をなす形状であり、第1縁部10’aおよび第2縁部10’bを含み、軸20と同軸に配置される。弁体10’は、実施の形態1に係る切替バルブ1と同様に、第1位置10’xと第2位置10’yとの間を回動する。
軸20には、図示されないアクチュエータ60’が取り付けられて、軸20とともに弁体10’を回動させる。このアクチュエータ60’は、弁体10’を、第1位置10’xおよび第2位置10’yに保持する制御に加え、それらの中間位置に保持する制御も行う。
また、中間位置においては、弁体10’の第3縁部(実施の形態1における第3縁部10cに相当する部分)は、ハウジング8に接触も近接もしない位置となる。この位置に応じて、バイパス通路34から吸入通路50へと流れる、冷却されない排気ガスの流量、および、クーラー通路32から吸入通路50へと流れる、冷却された排気ガスの流量が、それぞれ連続的に変動する。
また、中間位置においても、第1位置10’xおよび第2位置10’yと同様に、隔壁縁部36aと弁体10’との間の隙間は常に微小となるので、これらの固着を防ぎ、かつ、上記流量比率制御の精度を高く保つことができる。
Claims (9)
- 流体の通路において使用される、切替バルブ構造であって、
内部を外部から隔絶するハウジングと、
前記ハウジングに設けられ、外部の第1通路に連結される第1選択開口と、
前記ハウジングに設けられ、外部の第2通路に連結される第2選択開口と、
前記ハウジングに設けられ、前記第1選択開口および前記第2選択開口とは異なる常用開口と、
少なくとも前記第1選択開口および前記第2選択開口の近傍において、前記外部の第1通路と前記外部の第2通路とを区画する隔壁と、
回動自在な弁体と
を備え、
前記弁体は、前記回動の第1位置において、前記第1選択開口と前記常用開口とを連通させるとともに、前記第2選択通路と前記常用開口との間を遮断し、
前記弁体は、前記回動の第2位置において、前記第2選択通路と前記常用開口とを連通させるとともに、前記第1選択通路と前記常用開口との間を遮断し、
前記弁体は回転軸を挟んで弁翼部と隔壁近接部とから成り、前記隔壁近接部には屈曲部が設けられており、
前記隔壁近接部は、前記第1位置において前記隔壁との距離が最も近くなる第1縁部と、前記第2位置において前記隔壁との距離が最も近くなる第2縁部とを備える
ことを特徴とする、切替バルブ構造。 - 前記第1選択開口の形状と、前記第2選択開口の形状とは異なることを特徴とする、請求項1に記載の切替バルブ構造。
- 前記第1選択開口の開口面積と、前記第2選択開口の開口面積とは異なることを特徴とする、請求項1または2に記載の切替バルブ構造。
- 前記外部の第1通路および前記外部の第2通路は、少なくともそれぞれ前記第1選択開口および前記第2選択開口の近傍において平行であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の切替バルブ構造。
- 前記第1選択開口および前記第2選択開口の近傍における前記第1通路および第2通路の方向に垂直な断面において、前記常用開口が投影された領域の重心は、前記隔壁が投影された領域の重心とは一致しないことを特徴とする、請求項4に記載の切替バルブ構造。
- 前記弁体は、単一の平面状の部材を、単一の直線に沿って折り曲げた形状であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の切替バルブ構造。
- 前記隔壁近接部は、円筒の一部をなす形状である部分円筒部を備え、
前記部分円筒部は、前記第1縁部および前記第2縁部を含むとともに、前記弁体が前記第1位置と前記第2位置との中間位置にあるとき、前記隔壁と前記弁体との間の隙間を微小とする
ことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の切替バルブ構造。 - 前記隔壁近接部は、円筒の一部をなす形状である部分円筒部を備え、
前記部分円筒部は、前記第1縁部および前記第2縁部を含むとともに、前記弁体が前記第1位置と前記第2位置との中間位置にあるとき、前記隔壁と前記弁体との間の隙間の幅を0.01mm〜1mmの範囲内とする
ことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の切替バルブ構造。 - 前記隔壁近接部は、円筒の一部をなす形状である部分円筒部を備え、
前記部分円筒部は、前記第1縁部および前記第2縁部を含むとともに、前記弁体が前記第1位置と前記第2位置との中間位置にあるとき、前記隔壁と前記弁体との間の隙間の面積を0.1mm2〜50mm2の範囲内とする
ことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の切替バルブ構造。
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