JP2007149758A - 固体撮像素子およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】暗い撮影環境、すなわち低照度時においても、安定して、歩留まりよく、水平電荷転送路から出力アンプへの電荷の転送速度の向上をはかることのできる固体撮像素子を提供する。
【解決手段】水平電荷転送路中のフローティングディフュージョンと隣接する位置に設けられ、水平電荷転送路中の電荷をフローティングディフュージョンに転送するための下り勾配のポテンシャルを有するポテンシャル傾斜部を、第1層電荷転送電極の形成後に、低濃度から順次高濃度となるように追加イオン注入によって形成するようにし、制御性よくイオン注入を行う。
【選択図】図1
【解決手段】水平電荷転送路中のフローティングディフュージョンと隣接する位置に設けられ、水平電荷転送路中の電荷をフローティングディフュージョンに転送するための下り勾配のポテンシャルを有するポテンシャル傾斜部を、第1層電荷転送電極の形成後に、低濃度から順次高濃度となるように追加イオン注入によって形成するようにし、制御性よくイオン注入を行う。
【選択図】図1
Description
本発明は、固体撮像素子およびその製造方法に係り、特に、水平電荷転送路の最終段におけるポテンシャル段差の形成に関する。
近年、ビデオカメラや電子スチルカメラ等の撮像デバイスとして、CCDを用いた固体撮像素子が広く用いられており、更なる高性能化、つまり、高画質化、使用可能な時間の向上、連写スピード性向上、軽量化等のため、固体撮像素子に対して多画素化、低消費電力化、高速化、小型化等が求められている。
この固体撮像素子は、入力した光を信号電荷に変換して蓄積するフォトダイオードで構成された光電変換部を2次元配置してなり、蓄積された信号電荷を垂直電荷転送路(VCCD)及び水平電荷転送路(HCCD)を通して取り出すものである。
固体撮像素子においては、半導体基板1上に多数の画素が水平方向及び垂直方向に整列して配置されている。複数本の垂直電荷転送路5が、垂直方向に整列された複数の画素列間に形成されている。垂直電荷転送路の一端には、水平電荷転送路が形成されている。
そして水平電荷転送路の一端にアンプが形成されている。画素3の形成される領域の半導体基板1上に、フォトダイオード(光電変換素子)が形成されている。そしてフォトダイオードと垂直電荷転送路との間には、読み出しゲート(トランスファーゲート)が形成されている。
フォトダイオードにより光電変換された電気信号は、読み出しゲートを通って垂直電荷転送路に転送される。垂直電荷転送路内に転送された電荷は、例えば4相駆動方式により垂直方向に転送され、水平電荷転送路内に入る。水平電荷転送路内に転送された電荷は、例えば2相駆動方式によりアンプまで転送される。そしてアンプにより電気信号を増幅して外部に画像情報を出力するように構成されている。
このような固体撮像素子においては、画素信号の読み出し速度の高速化の要求に伴って、水平転送路から出力アンプへの電荷の転送速度の向上が必要となってきている。
特に、暗い撮影環境、すなわち低照度時には、画素から転送される電荷の量が全体として非常に少なくなる。
特に、暗い撮影環境、すなわち低照度時には、画素から転送される電荷の量が全体として非常に少なくなる。
水平電荷転送路の最終段からフローティングディフュージョンに向けて電荷を転送する際のポテンシャルは水平電荷転送路からフローティングディフュージョンFDに向けて階段状に低くなる形状となる。ところが、アンプ側に向けてポテンシャルが持ち上がることがあり、ポテンシャルの逆勾配が生じると、電荷の転送効率が低下する。特に低照度の場合、すなわち転送する電荷の量が少ない場合には影響が大きい。
そこで、転送効率を上げるために、水平電荷転送路からアンプへの転送効率を上げるために水平電荷転送路の最終段でポテンシャル段差を設けており、狭チャネル効果の影響を低減するようにした構造が提案されている(特許文献1)。
しかしながら、従来、水平電荷転送路最終段のポテンシャル勾配形成のためのイオン注入は、砒素とボロンを用いて行っていた。ボロンは拡散係数が大きく、ボロンが酸化膜に取り込まれ、偏析現象が起こり易いこともありポテンシャルのばらつきが生じる原因となり、これが歩留まり低下につながっていた。
本発明は、前記実情に鑑みてなされたもので、暗い撮影環境、すなわち低照度時においても、安定して、歩留まりよく、水平電荷転送路から出力アンプへの電荷の転送速度の向上をはかることのできる固体撮像素子を提供することを目的とする。
そこで本発明では、水平電荷転送路中のフローティングディフュージョンと隣接する位置に設けられ、水平電荷転送路中の電荷をフローティングディフュージョンに転送するための下り勾配のポテンシャルを有するポテンシャル傾斜部を、第1層電荷転送電極の形成後に、低濃度から順次高濃度となるように追加イオン注入によって形成するようにし、制御性よくイオン注入を行うようにしたことを特徴とする。
すなわち、本発明は、半導体基板上に形成され、垂直方向及び水平方向に整列配置された複数の光電変換素子と、垂直方向に整列した前記光電変換素子に隣接して形成され、垂直方向に電荷を転送する複数の垂直電荷転送路と、前記光電変換素子と隣接する前記垂直電荷転送路との間に形成され、前記光電変換素子から隣接する前記垂直電荷転送路に電荷を読み出す読み出しゲートと、複数の前記垂直電荷転送路の下端に設けられ、前記垂直電荷転送路から転送された電荷を受けてこれを水平方向に転送する水平電荷転送路と、前記半導体基板上に前記水平電荷転送路に隣接して形成されるフローティングディフュージョンと、前記水平電荷転送路中の前記フローティングディフュージョンと隣接する位置に設けられ、前記水平電荷転送路中の電荷を前記フローティングディフュージョンに転送する出力ゲート部と、前記フローティングディフュージョンと隣接する領域に設けられ、前記フローティングディフュージョンに向けて下り勾配のポテンシャルを有するポテンシャル傾斜部とを備えた固体撮像素子であって、前記ポテンシャル傾斜部が、一導電型の不純物によってのみ形成される。
この構成によれば、ポテンシャル傾斜部が、逆導電型のイオン注入を用いることなく一導電型の不純物によってのみ形成されるため、濃度のばらつきを低減し、高精度で信頼性の高い固体撮像素子の製造方法を形成することが可能となる。
この構成によれば、ポテンシャル傾斜部が、逆導電型のイオン注入を用いることなく一導電型の不純物によってのみ形成されるため、濃度のばらつきを低減し、高精度で信頼性の高い固体撮像素子の製造方法を形成することが可能となる。
また、本発明は、上記固体撮像素子において、ポテンシャル傾斜部を構成する前記不純物が、砒素であるものを含む。
この構成により、砒素はボロンに比べて、拡散係数も小さく、偏析も小さいためポテンシャルのばらつきを防止することができる。
この構成により、砒素はボロンに比べて、拡散係数も小さく、偏析も小さいためポテンシャルのばらつきを防止することができる。
また、本発明は、上記固体撮像素子において、前記ポテンシャル傾斜部は、前記フローティングディフュージョンを介してアンプに接続されるものを含む。
また、本発明は、半導体基板上に形成され、垂直方向及び水平方向に整列配置された複数の光電変換素子と、垂直方向に整列した前記光電変換素子に隣接して形成され、垂直方向に電荷を転送する複数の垂直電荷転送路と、前記光電変換素子と隣接する前記垂直電荷転送路との間に形成され、前記光電変換素子から隣接する前記垂直電荷転送路に電荷を読み出す読み出しゲートと、複数の前記垂直電荷転送路の下端に設けられ、前記垂直電荷転送路から転送された電荷を受けてこれを水平方向に転送する水平電荷転送路と、前記半導体基板上に前記水平電荷転送路に隣接して形成されるフローティングディフュージョンと、前記水平電荷転送路中の前記フローティングディフュージョンと隣接する位置に設けられ、前記水平電荷転送路中の電荷を前記フローティングディフュージョンに転送する出力ゲート部と、前記フローティングディフュージョンと隣接する領域に設けられ、前記フローティングディフュージョンに向けて下り勾配のポテンシャルを有するポテンシャル傾斜部とを備えた固体撮像素子の製造方法であって、前記水平転送路を構成する第1層電荷転送電極の形成後に、順次、一導電型の不純物を注入し、前記フローティングディフュージョンおよび前記出力ゲート部下を所望の不純物濃度となるように、順次高濃度となる領域を形成するようにイオン注入する工程を含む。
この構成によれば、順次、一導電型の不純物を注入し、前記フローティングディフュージョンおよび前記出力ゲート部下を所望の不純物濃度となるように、順次高濃度となる領域を形成するため、濃度のばらつきを低減し、高精度で信頼性の高い固体撮像素子の製造方法を形成することが可能となる。
この構成によれば、順次、一導電型の不純物を注入し、前記フローティングディフュージョンおよび前記出力ゲート部下を所望の不純物濃度となるように、順次高濃度となる領域を形成するため、濃度のばらつきを低減し、高精度で信頼性の高い固体撮像素子の製造方法を形成することが可能となる。
また、本発明は、上記固体撮像素子の製造方法において、前記イオン注入する工程が、前記第1層電荷転送電極をマスクとして、前記水平転送路の端部の第1の領域に、バリアゲート(BA)領域の濃度となるように一導電型の不純物を注入するバリアゲート形成工程と、前記第1の領域内の一部である第2の領域に埋め込みチャネル(BC)領域の濃度となるように前記一導電型の不純物を追加注入する埋め込みチャネル形成工程と、前記第2の領域内の一部である第3の領域にアウトプットゲートインプラ(OGI)領域の濃度となるようにさらに前記一導電型の不純物を追加注入するOGI形成工程と、前記第3の領域内の一部である第4の領域にポテンシャル傾斜部の濃度となるようにさらに前記一導電型の不純物を追加注入するポテンシャル傾斜部形成工程と、さらに、前記ポテンシャル傾斜部に当接するように第5の領域に前記一導電型の不純物を注入し、フローティングゲートを形成する形成工程とを含む。
この構成によれば、逆導電型のイオン注入を行うことなく形成することができるため、不純物濃度プロファイルのばらつきを低減し、精度よくポテンシャルを形成することができる。
この構成によれば、逆導電型のイオン注入を行うことなく形成することができるため、不純物濃度プロファイルのばらつきを低減し、精度よくポテンシャルを形成することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
本実施の形態の固体撮像素子は、図1(a)乃至(c)に示すように、水平電荷転送路中のフローティングディフュージョンと隣接する位置に設けられ、水平電荷転送路中の電荷をフローティングディフュージョンに転送するための下り勾配のポテンシャルを有するポテンシャル傾斜部を、第1層電荷転送電極の形成後に、低濃度から順次高濃度となるように追加イオン注入によって形成するようにし、不純物濃度プロファイルを高精度に制御するようにしたことを特徴とする。図1(a)は、本実施の形態の固体撮像素子の水平電荷転送路の最終段近傍を示す断面図、図1(b)は、B−B’線から見た対応領域のポテンシャル図、図1(c)はn型不純物濃度を示す図である。
本実施の形態の固体撮像素子は、図1(a)乃至(c)に示すように、水平電荷転送路中のフローティングディフュージョンと隣接する位置に設けられ、水平電荷転送路中の電荷をフローティングディフュージョンに転送するための下り勾配のポテンシャルを有するポテンシャル傾斜部を、第1層電荷転送電極の形成後に、低濃度から順次高濃度となるように追加イオン注入によって形成するようにし、不純物濃度プロファイルを高精度に制御するようにしたことを特徴とする。図1(a)は、本実施の形態の固体撮像素子の水平電荷転送路の最終段近傍を示す断面図、図1(b)は、B−B’線から見た対応領域のポテンシャル図、図1(c)はn型不純物濃度を示す図である。
すなわち、シリコン基板101内にイオン注入する工程が、図4乃至図7に示すように前記第1層電荷転送電極103aをマスクとして、前記水平転送路の端部の第1の領域に、バリアゲート(BA)領域104の濃度となるように一導電型の不純物を注入してバリアゲート形成工程と、前記第1の領域内の一部である第2の領域に埋め込みチャネル(BC)領域105の濃度となるように前記一導電型の不純物を追加注入する埋め込みチャネル形成工程と、前記第2の領域内の一部である第3の領域にアウトプットゲートインプラ(OGI)領域の濃度となるようにさらに前記一導電型の不純物を追加注入するOGI106Sを形成する工程と、前記第3の領域内の一部である第4の領域にポテンシャル傾斜部の濃度となるようにさらに前記一導電型の不純物を追加注入するポテンシャル傾斜部105Sを形成する工程と、さらに、前記ポテンシャル傾斜部に当接するように第5の領域に前記一導電型の不純物を注入し、フローティングディフュージョン107を形成する形成工程とを含む。
まず図2に本発明の実施の形態1による固体撮像素子の平面図を示す。
本実施の形態の固体撮像素子においては、半導体基板1上に多数の画素3が水平方向及び垂直方向に整列して配置されている。複数本の垂直電荷転送路5が、垂直方向に整列された複数の画素列間に形成されている。垂直電荷転送路5の一端には、水平電荷転送路7が形成されている。そして水平電荷転送路7の最終端にはアンプ11が形成されている。
本実施の形態の固体撮像素子においては、半導体基板1上に多数の画素3が水平方向及び垂直方向に整列して配置されている。複数本の垂直電荷転送路5が、垂直方向に整列された複数の画素列間に形成されている。垂直電荷転送路5の一端には、水平電荷転送路7が形成されている。そして水平電荷転送路7の最終端にはアンプ11が形成されている。
また、画素3内には、フォトダイオード(光電変換素子)3aが形成されており、フォトダイオード3aと垂直電荷転送路5との間には、読み出しゲート(トランスファーゲート)3bが形成されている。垂直電荷転送路5は、例えば半導体基板1内に形成されたn型導電層(第1のn型半導体層)である。
そして、水平電荷転送路7は、例えば半導体基板1内に形成されたn型領域である。水平電荷転送路7を形成するn型領域は、例えばn型不純物のドーピング量が異なる領域を電荷の転送方向(水平方向)に交互に有する。このため、ポテンシャルバリア層104とポテンシャルウェル層105とが交互に形成される。
フォトダイオード3aにより光電変換された電気信号は、読み出しゲート3bを通って垂直電荷転送路5に転送される。垂直電荷転送路5内に転送された電荷は、例えば4相駆動方式により垂直方向に転送され、水平電荷転送路7内に入る。水平電荷転送路7内に転送された電荷は、例えば2相駆動方式によりアンプ11が接続されるフローティングディフュージョンFDまで転送される。アンプ11は、フローティングディフュージョンFDの電位の変化を増幅し外部に画像情報を出力する。
図3に、上記固体撮像素子のうち水平電荷転送路7とフローティングディフュージョンFDとの間の部分を中心とした要部の拡大図を示す。
半導体基板1内には、水平電荷転送路7からフローティングディフュージョンFDまで連続してn型の半導体層が形成されている。
そして水平電荷転送路7に含まれるn型半導体層8は、一定の幅を有する帯状部8aと、帯状のn型半導体領域8aに続き、徐々に幅が狭くなるテーパ部8bとを含む。テーパ部8bに隣接して、n型半導体領域8よりも高いn型不純物濃度を有するとともに、ほぼ一定の幅Wを有するフローティングディフュージョンFDが半導体基板1上に形成されている。
一方、出力アンプ11の入力端子は、フローティングディフュージョンFDに接続されている。また、水平電荷転送路7を形成するn型半導体層8上には、水平方向に連続して配置されている水平電荷転送電極21(21−1、21−2、21−3、21−4、・・・)が形成されている。
なお、水平方向に隣接する水平電荷転送電極21は、例えば層間絶縁膜を介して電気的に絶縁された第一層目のポリシリコンと第二層目のポリシリコンとで形成される。水平方向に隣接する2つの水平電荷転送電極21、21が1組となって、これら1組の水平電荷転送電極同士が共通に接続されている。
共通に接続された1組の水平電荷転送電極と、これと水平方向に隣接する他の1組の水平電荷転送電極とに対して、φ1とφ2との電圧が印加される。2相駆動方式により電荷をフローティングディフュージョンFDの方向へと転送する。
出力ゲートOGは、テーパ部8b上においてフローティングディフュージョンFDと隣接する領域上に形成される。
出力ゲートOGは、水平電荷転送路7からフローティングディフュージョンFDへの電荷の転送を制御する。出力ゲートOGにより水平電荷転送路7内の電荷を、フローティングディフュージョンFDまで転送する。フローティングディフュージョンFDの電位の変化をアンプ11により増幅し、外部に画像情報として取り出すように構成されている。
図1は、前述したように、図2及び図3に示す固体撮像素子の要部に対応する断面図と、B−B’線から見たポテンシャル分布を示した図である。テーパ部8bのうちAsイオンの注入のみによって形成されたn型不純物領域からなる、ポテンシャル傾斜部105Sが形成されている。ポテンシャル傾斜部105Sのポテンシャルは、フローティングディフュージョン領域FD107に向けて下り勾配となる。水平電荷転送路7側から転送された電荷は、ポテンシャル傾斜部105Sに形成される下り勾配のポテンシャルプロファイルに沿って容易にフローティングディフュージョン領域FDに転送される。
かかる構成により、ポテンシャル傾斜部105Sの不純物プロファイルは高精度に制御され、テーパ部8bを形成するn型半導体層からフローティングディフュージョンFDへの電荷の転送効率が向上する。
次に、本実施の形態の固体撮像素子の製造方法について、図4乃至図7を参照しつつ水平電荷転送部近傍を中心に説明する。
まず、図4(a)に示すように、不純物濃度8E15cm−3程度のn型のシリコン基板1表面に、最終的に5E16cm−3となるように第1のレジストパターンR1をマスクとして砒素イオンをイオン注入し、熱処理を行うことにより埋め込みチャネルBC領域105を形成する。
そして、図4(b)に示すように、第2のレジストパターンR2をマスクとしてこの埋め込みチャネル105内にさらに砒素イオンをイオン注入し、熱処理を行うことにより、最終的に7E16cm−3となるようにアウトプットゲート用不純物層OGI106を形成する。
この後、図4(c)に示すように、前記シリコン基板1表面にゲート酸化膜を介して、第1層多結晶シリコン膜を形成しフォトリソグラフィによりパターニングし、第1層電荷転送電極103aを形成する。
そして、図5(a)に示すように、104、105s、106sの上部と104、105s、106sを完全に被覆するために第1層電荷転送電極103aとオーバラップを確保した第3のレジストパターンR3で被覆し、この第3のレジストパターンR3をマスクとしてこの埋め込みチャネル105内にボロンイオンをイオン注入し、熱処理を行うことにより、最終的にn型不純物濃度が1E16cm−3となるようにし、水平電荷転送ポテンシャルバリア形成用不純物層(バリア層)BA104を形成する。
さらに、図5(b)に示すように、第1層電荷転送電極の端部よりも外側端が露呈するように形成された第4のレジストパターンR4をマスクとして前記シリコン基板1内に砒素イオンをイオン注入し、熱処理を行うことにより、最終的に1E16cm−3となるようにバリア層BA104を形成する。
そして、図6(a)に示すように、水平電極ポテンシャルバリア形成用不純物層104の上部、およびオーバラップマージンを確保するため電荷転送電極103の一部を被覆する第4のレジストパターンR4で被覆し、この第4のレジストパターンR4をマスクとしてこの1E16cm−3のバリア層BA104内にAsイオンをイオン注入し、熱処理を行うことにより、最終的にn型不純物濃度が5E16cm−3となるようにし、このポテンシャル傾斜部としての最終段の埋め込みチャネルBC領域105Sを形成する。
さらに、図6(b)に示すように、104,105,105sの上部を被覆する第5のレジストパターンR5をマスクとして埋め込みチャネルBC領域105S内に砒素イオンをイオン注入し、熱処理を行うことにより、最終的に7E16cm−3となるように最終段のアウトプットゲート用不純物層OGI106Sを形成する。
そして、図7(a)に示すように、この第1層電荷転送電極表面を酸化し、酸化シリコン膜102を形成した後、第2層多結晶シリコン層を形成し、フォトリソグラフィによりパターニングし、第2層電極としてのアウトプットゲートOG電極103bを形成する。
そして最後に、図7(b)に示すように、アウトプットゲートOG電極103bよりも外側に開口を形成した第6のレジストパターンR6で被覆し、この第6のレジストパターンR6をマスクとして最終段の埋め込みチャネルBC領域105S内にAsイオンをイオン注入し、熱処理を行うことにより、最終的にn型不純物濃度が1E20cm−3のフローティングディフュージョン層FD107を形成する。
このようにして、ポテンシャル傾斜部105Sは、追加イオン注入によって形成されるため、高精度の不純物プロファイルを維持することができ、ポテンシャルのポケットを生じることもない。
なお、図7(b)に示すように、埋め込みチャネル105内に逆導電型であるボロンイオンをイオン注入して形成した水平電荷転送ポテンシャルバリア形成用不純物層(バリア層)BA104では、境界部にポテンシャルのポケットを生じるおそれがあるが、この領域はアウトプットゲート電極103bへの電圧印加により、ポケットはつぶれ電荷転送に支障をきたすことはない。
尚、本実施の形態においては、ポテンシャル傾斜部105Sの形状及びその形成方法は、前記実施の形態に限定されることなく種々の変形が可能である。
上記の構造を有する固体撮像素子では、出力ゲートOG103b下のn型導電層8bのうち水平電荷転送路7のフローティングディフュージョン側の領域に、フローティングディフュージョン領域FD側に向けて下り勾配のポテンシャル傾斜部105Sが形成される。なおここでは、フローティングディフュージョン領域FD107側に向けてn型導電層8bの幅が狭くなることに起因して生じる狭チャネル効果の影響も低減することができる。
以上に説明したように、本実施の形態による固体撮像素子においては、水平電荷転送路からフローティングディフュージョンに向けての電荷の転送効率が向上する。特に、低照度時には電子数が少ないが、そのような場合でも電子を滞りなくアンプまで転送することが可能である。
その他、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者には自明であろう。
以上説明してきたように、本発明の固体撮像素子によれば、水平電荷転送路から出力アンプへ向けての電荷の転送効率が向上することから、CCD(Charge Coupled Device)を含む固体撮像素子は、携帯電話やデジタルカメラなど種々の電子部品に適用可能である。
1 シリコン基板
102 酸化シリコン膜
103a 第1層電荷転送電極
103b 第2層電荷転送電極(アウトプットゲート)
104 バリアゲート(BA)領域の濃度となるように一導電型の不純物を注入してバリ105 埋め込みチャネル(BC)領域
106 アウトプットゲートインプラ(OGI)領域
107 フローティングディフュージョン
102 酸化シリコン膜
103a 第1層電荷転送電極
103b 第2層電荷転送電極(アウトプットゲート)
104 バリアゲート(BA)領域の濃度となるように一導電型の不純物を注入してバリ105 埋め込みチャネル(BC)領域
106 アウトプットゲートインプラ(OGI)領域
107 フローティングディフュージョン
Claims (6)
- 半導体基板上に形成され、垂直方向及び水平方向に整列配置された複数の光電変換素子と、垂直方向に整列した前記光電変換素子に隣接して形成され、垂直方向に電荷を転送する複数の垂直電荷転送路と、前記光電変換素子と隣接する前記垂直電荷転送路との間に形成され、前記光電変換素子から隣接する前記垂直電荷転送路に電荷を読み出す読み出しゲートと、複数の前記垂直電荷転送路の下端に設けられ、前記垂直電荷転送路から転送された電荷を受けてこれを水平方向に転送する水平電荷転送路と、前記半導体基板上に前記水平電荷転送路に隣接して形成されるフローティングディフュージョンと、前記水平電荷転送路中の前記フローティングディフュージョンと隣接する位置に設けられ、前記水平電荷転送路中の電荷を前記フローティングディフュージョンに転送する出力ゲート部と、
前記フローティングディフュージョンと隣接する領域に設けられ、前記フローティングディフュージョンに向けて下り勾配のポテンシャルを有するポテンシャル傾斜部とを備えた固体撮像素子であって、
前記ポテンシャル傾斜部が、一導電型の不純物によってのみ形成された固体撮像素子。 - 請求項1に記載の固体撮像素子であって、
前記ポテンシャル傾斜部を構成する前記不純物は、砒素である固体撮像素子。 - 請求項1に記載の固体撮像素子であって、
前記ポテンシャル傾斜部は、前記フローティングディフュージョンを介してアンプに接続される固体撮像素子。 - 半導体基板上に形成され、垂直方向及び水平方向に整列配置された複数の光電変換素子と、垂直方向に整列した前記光電変換素子に隣接して形成され、垂直方向に電荷を転送する複数の垂直電荷転送路と、前記光電変換素子と隣接する前記垂直電荷転送路との間に形成され、前記光電変換素子から隣接する前記垂直電荷転送路に電荷を読み出す読み出しゲートと、複数の前記垂直電荷転送路の下端に設けられ、前記垂直電荷転送路から転送された電荷を受けてこれを水平方向に転送する水平電荷転送路と、前記半導体基板上に前記水平電荷転送路に隣接して形成されるフローティングディフュージョンと、前記水平電荷転送路中の前記フローティングディフュージョンと隣接する位置に設けられ、前記水平電荷転送路中の電荷を前記フローティングディフュージョンに転送する出力ゲート部と、
前記フローティングディフュージョンと隣接する領域に設けられ、前記フローティングディフュージョンに向けて下り勾配のポテンシャルを有するポテンシャル傾斜部とを備えた固体撮像素子の製造方法であって、
前記水平転送路を構成する第1層電荷転送電極の形成後に、順次、一導電型の不純物を注入し、前記フローティングディフュージョンおよび前記出力ゲート部下を所望の不純物濃度となるように、順次高濃度となる領域を形成する、イオン注入工程を含む固体撮像素子の製造方法。 - 請求項4に記載の固体撮像素子の製造方法であって、
前記イオン注入する工程が、
前記第1層電荷転送電極をマスクとして、前記水平転送路の端部の第1の領域に、バリアゲート(BA)領域の濃度となるように一導電型の不純物を注入するバリアゲート形成工程と、
前記第1の領域内の一部である第2の領域に埋め込みチャネル(BC)領域の濃度となるように前記一導電型の不純物を追加注入する埋め込みチャネル形成工程と、
前記第2の領域内の一部である第3の領域にアウトプットゲートインプラ(OGI)領域の濃度となるようにさらに前記一導電型の不純物を追加注入するOGI形成工程と、
前記第3の領域内の一部である第4の領域にポテンシャル傾斜部の濃度となるようにさらに前記一導電型の不純物を追加注入するポテンシャル傾斜部形成工程と、
さらに、前記ポテンシャル傾斜部に当接するように第5の領域に前記一導電型の不純物を注入し、フローティングディフュージョンを形成する工程とを含む固体撮像素子の製造方法。 - 請求項4または5に記載の固体撮像素子の製造方法であって、
前記一導電型の不純物は砒素である固体撮像素子の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005338831A JP2007149758A (ja) | 2005-11-24 | 2005-11-24 | 固体撮像素子およびその製造方法 |
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