JP2007142771A - 画像処理方法、画像処理装置、画像形成装置及びコンピュータプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】色にじみ画素が存在すると判定されたカラー画像データに対して、有彩色か無彩色かを問わない処理が行われた場合でも、色にじみ画素を精度良く抽出することができ、形成される画像の画質低下を防止することができる画像処理方法、画像処理装置、該画像処理装置を備える画像形成装置、及び該画像処理装置を実現するためのコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】色にじみ処理部27は、画像伸張処理部26で伸張されたカラー画像データが含まれるマスク内に色にじみ画素があるか否かを判定する。色にじみ処理部27は、色にじみ画素があると判定した場合、マスク内の各画素の輝度値が輝度閾値以上の画素数を計数し、計数した画素数が画素数閾値以上である場合、輝度閾値以上の輝度値を有する画素を色にじみ画素として抽出する。
【選択図】図1
【解決手段】色にじみ処理部27は、画像伸張処理部26で伸張されたカラー画像データが含まれるマスク内に色にじみ画素があるか否かを判定する。色にじみ処理部27は、色にじみ画素があると判定した場合、マスク内の各画素の輝度値が輝度閾値以上の画素数を計数し、計数した画素数が画素数閾値以上である場合、輝度閾値以上の輝度値を有する画素を色にじみ画素として抽出する。
【選択図】図1
Description
本発明は、色にじみ画素を有するカラー画像データに対して、有彩色又は無彩色に関わらず、圧縮伸張などの処理を行った場合でも、色にじみを抑制することができる画像処理方法、画像処理装置、該画像処理装置を備える画像形成装置、及び前記画像処理装置を実現するためのコンピュータプログラムに関する。
カラー原稿を読み込んで得られたカラー画像データに基づいて、画像を形成するカラー複写機に代表される画像形成装置においては、黒文字又は黒細線を出力する場合は、その輪郭が鮮明に見えるようにブラック単色のインクを用い、その他のカラー中間調の部分を出力する場合は、C(シアン)、M(マゼンダ)、Y(イエロー)、K(ブラック)のインクを組み合わせて用いている。
画像中の黒文字、黒線の部分の検出は、エッジ検出及び有彩色・無彩色判定を組み合わせることにより行われ、エッジ検出で検出したベタの色及び黒のエッジ部分のうち、有彩色・無彩色判定で無彩色と判定された部分だけを黒文字又は黒線の部分と判定している。また、有彩色・無彩色判定において、有彩色部分には、ベタの色文字などの他に、C、M、Y、Kの網点で表現されたカラー中間調部分があるため、画素値のみで有彩色であるか無彩色であるかを判定することは困難であり、注目画素とその近傍を含む小領域ごとに平均的な彩度を算出して有彩色又は無彩色の判定が行われている。
カラー複写機などに備えられたスキャナで黒文字又は黒線などを含むカラー原稿を読み取った場合、スキャナの精度により、読み取ったカラー画像データ中の黒エッジの周囲に色にじみが発生することがある。このような色にじみが発生した場合、この部分が有彩色であると判定され、すなわち、黒文字として判定されないため、ブラック単色のインクを用いて鮮明に画像形成されないという問題があった。
そこで、原稿を読み込んで得られた入力画像信号を色変換し、注目画素が有彩色であるか無彩色であるかを判定し、有彩色と判定された画素について、原稿走査時に発生する黒エッジの色にじみ領域に含まれるか否かを判定し、有彩色と判定された画素が色にじみ領域の画素と判定された場合、有彩色と判定された画素を無彩色であると判定補正を行う画像処理装置が提案されている(特許文献1参照)。
また、原稿を読み込んで得られた入力画像信号の注目画素が黒細線の色にじみ部の画素の候補であるか否かを判定するとともに、入力画像信号の注目画素が色細線の画素の候補であるか否かを判定し、これらの判定結果により、色分離手段における判定閾値を、黒細線の色にじみ部の画素の候補であると判定された場合には、無彩色と判定しやすくなるように変更するとともに、色細線の画素の候補であると判定された場合には、有彩色と判定しやすくなるように変更する画像処理装置が提案されている(特許文献2参照)。
また、原稿を読み込んで得られた入力画像信号の注目画素を中心とする所定の領域内で黒領域が局在する場合、又は注目画素を挟んで黒領域と白領域とが存在する場合に、注目画素をスキャナで原稿を読み込んだ際の色ずれによる黒エッジの色にじみ画素と判定し、この注目画素を無彩色画素に確定するとともに、所定の領域内で黒領域から対向する非黒領域へ向かう方向へ注目画素から所定の画素数だけ延長した注目画素の周辺画素を無彩色と判定する画像処理装置が提案されている(特許文献3参照)。
特開2001−218071号公報
特開2002−262117号公報
特開2002−281335号公報
しかしながら、特許文献1〜3の画像処理装置にあっては、色にじみ画素を抽出した後に、抽出した色にじみ画素を有彩色又は無彩色と判定する処理は記載されているものの、色にじみと判定された画素を有彩色又は無彩色に割り振った後に、カラー画像データの圧縮伸張処理など、画素が有彩色であるか又は無彩色であるかに関わらず一様に行われる処理がなされた場合については記載がない。カラー画像データを圧縮伸張した場合、カラー画像データ中の輝度変化の大きい境界周辺、すなわち、エッジ周辺に細かいノイズ(モスキートノイズと称される)が現われることがある。このノイズは、エッジ付近に存在する色にじみを反映したノイズとして現われ、圧縮伸張処理前には色にじみ画素でない部分が色にじみ画素の影響を受けて、色にじみ画素となる可能性があり、出力画像の画質低下を招く虞があった。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、圧縮後伸張されたカラー画像データが含まれる画素ブロック内に色にじみ画素があると判定された場合、前記画素ブロック内の各画素の輝度値が輝度閾値値以上の画素数を計数し、計数した画素数が画素数閾値以上である場合、前記輝度閾値以上の輝度値を有する画素を色にじみ画素として抽出することにより、色にじみ画素が存在すると判定されたカラー画像データに対して、有彩色か無彩色かに関わらず一様に行われる処理(例えば、圧縮伸張処理)が行われた場合であっても、色にじみ画素を精度良く抽出することができ、形成される画像の画質低下を防止することができる画像処理方法、画像処理装置、該画像処理装置を備える画像形成装置、及び該画像処理装置を実現するコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、前記画素ブロックの大きさを、取得したカラー画像データを圧縮及び伸張する処理単位に基づいて定めることにより、色にじみ画素を精度良く抽出することができる画像処理方法、画像処理装置、該画像処理装置を備える画像形成装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、色にじみ画素として抽出された画素に対して、無彩色化処理を行うことにより、画像の画質低下を防止することができる画像処理方法、画像処理装置、該画像処理装置を備える画像形成装置を提供することにある。
本発明に係る画像処理方法は、取得したカラー画像データを圧縮し、圧縮したデータを伸張して所定の処理を行う画像処理方法において、取得したカラー画像データに基づいて、注目画素が色にじみ画素であるか否かを判定するステップと、圧縮後伸張されたカラー画像データが含まれる画素ブロック内に色にじみ画素があると判定された場合、前記画素ブロック内の各画素の輝度値を算出するステップと、算出された輝度値が輝度閾値以上である画素数を計数するステップと、計数された画素数が画素数閾値以上である場合、前記輝度閾値以上の輝度値を有する画素を色にじみ画素として抽出するステップとを備えることを特徴とする。
本発明に係る画像処理方法は、前記画素ブロックの大きさを、取得したカラー画像データを圧縮及び伸張する処理単位に基づいて定めるステップを備えることを特徴とする。
本発明に係る画像処理方法は、色にじみ画素として抽出された画素に対して、無彩色化処理を行うステップを備えることを特徴とする。
本発明に係る画像処理装置は、取得したカラー画像データを圧縮し、圧縮したデータを伸張して所定の処理を行う画像処理装置において、取得したカラー画像データに基づいて、注目画素が色にじみ画素であるか否かを判定する手段と、圧縮後伸張されたカラー画像データが含まれる画素ブロック内に色にじみ画素があると判定された場合、前記画素ブロック内の各画素の輝度値を算出する手段と、算出された輝度値が輝度閾値以上である画素数を計数する手段と、計数された画素数が画素数閾値以上である場合、前記輝度閾値以上の輝度値を有する画素を色にじみ画素として抽出する手段とを備えることを特徴とする。
本発明に係る画像処理装置は、前記画素ブロックの大きさを、取得したカラー画像データを圧縮及び伸張する処理単位に基づいて定める手段を備えることを特徴とする。
本発明に係る画像処理装置は、色にじみ画素として抽出された画素に対して、無彩色化処理を行う手段を備えることを特徴とする。
本発明に係る画像形成装置は、取得したカラー画像データを圧縮し、圧縮したデータを伸張して所定の処理を行う画像処理装置と、該画像処理装置で処理されたカラー画像データに基づき、画像の形成を行う画像形成手段とを備える画像形成装置において、前記画像処理装置は、前述の本発明のいずれか1つに係る画像処理装置であることを特徴とする。
本発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに、取得したカラー画像データを圧縮し、圧縮したデータを伸張して所定の処理を行わせるためのコンピュータプログラムにおいて、コンピュータを、取得したカラー画像データに基づいて、注目画素が色にじみ画素であるか否かを判定する手段と、圧縮後伸張されたカラー画像データが含まれる画素ブロック内に色にじみ画素があると判定された場合、前記画素ブロック内の各画素の輝度値を算出する手段と、算出された輝度値が輝度閾値以上である画素数を計数する手段と、計数された画素数が画素数閾値以上である場合、前記輝度閾値以上の輝度値を有する画素を色にじみ画素として抽出する手段として機能させることを特徴とする。
本発明にあっては、取得したカラー画像データに基づいて、注目画素が色にじみ画素であるか否かを判定する。例えば、原稿をスキャナで読み取った場合、スキャナの読み取り特性により、読み取ったカラー画像データに無彩色のエッジが存在する場合、そのエッジ周辺の注目画素に色にじみ画素が存在すると判定する。色にじみ画素が存在すると判定されたカラー画像データを圧縮し、圧縮されたデータを伸張したカラー画像データが含まれる画素ブロック内に色にじみ画素があると判定された場合、前記画素ブロック内の各画素の輝度値を算出し、算出された輝度値が輝度閾値以上である画素数を計数することにより、高輝度の画素数を計数する。例えば、色にじみ画素が存在するカラー画像データを圧縮、伸張する処理を行った場合、これらの処理は、カラー画像データが有彩色であるか無彩色であるか、文字領域か網点領域を表すものであるかに関わらず行われる一様の処理であり、エッジ周辺に細かいノイズ(モスキートノイズと称される)が色にじみを反映したノイズとして現われることがある。このノイズは、輝度が高いほど顕著になるため、高輝度の画素を計数する。計数された画素数が画素数閾値以上である場合、圧縮伸張処理により色にじみ画素がエッジ周辺にさらに発生しているとして、前記輝度閾値以上の輝度値を有する画素を色にじみ画素として抽出する。
本発明にあっては、前記画素ブロックの大きさを、取得したカラー画像データを圧縮及び伸張する処理単位に基づいて定める。例えば、取得したカラー画像データを圧縮及び伸張する場合に、M×N画素ブロック毎に圧縮及び伸張処理が行われるときは、色にじみ画素の抽出もM×N画素ブロック毎に行う。これにより、カラー画像データの圧縮及び伸張により色にじみ画素が発生した場合であっても、新たに発生する色にじみ画素は、カラー画像データの圧縮及び伸張処理が行われた画素ブロック内に限られ、色にじみ画素を確実に抽出する。
本発明にあっては、色にじみ画素として抽出された画素に対して、無彩色化処理を行う。これにより、色にじみ画素の色情報の分散を抑制する。
本発明にあっては、圧縮後伸張されたカラー画像データが含まれる画素ブロック内に色にじみ画素があると判定された場合、前記画素ブロック内の各画素の輝度値が輝度閾値以上の画素数を計数し、計数した画素数が画素数閾値以上である場合、前記輝度閾値以上の輝度値を有する画素を色にじみ画素として抽出することにより、色にじみ画素が存在すると判定されたカラー画像データに対して、有彩色か無彩色かに関わらず一様に行われる処理(例えば、圧縮伸張処理)が行われた場合であっても、色にじみ画素を精度良く抽出することができ、形成される画像の画質低下を防止するとともに、色にじみの目立たない高画質な画像を得ることができる。
本発明にあっては、前記画素ブロックの大きさを、取得したカラー画像データを圧縮及び伸張する処理単位に基づいて定めることにより、色にじみ画素を精度良く抽出することができる。
本発明にあっては、色にじみ画素として抽出された画素に対して、無彩色化処理を行うことにより、画像の画質低下を防止して、色にじみの目立たない高画質な画像を得ることができる。
以下、本発明を実施の形態を示す図面に基づいて説明する。図1は本発明に係る画像処理装置20を備える画像形成装置10の構成を示すブロック図である。画像形成装置10は、カラー画像入力装置11、画像処理装置20、画像形成手段としてのカラー画像出力装置12などを備える。カラー画像入力装置11で原稿などを読み込むことにより得られたRGB(R:赤、G:緑、B:青)のアナログ信号の画像データは、画像処理装置20へ出力され、画像処理装置20で所定の処理が行われ、CMYK(C:シアン、M:マゼンダ、Y:イエロー、K:黒)のデジタルカラー信号としてカラー画像出力装置12へ出力される。
カラー画像入力装置11は、例えば、CCD(Charged Coupled Device)を備えたスキャナであり、原稿画像からの反射光像をRGBのアナログ信号として読み取り、読み取ったRGB信号を画像処理装置20へ出力する。また、カラー画像出力装置12は、原稿画像の画像データを記録紙上に出力する電子写真方式又はインクジェット方式などのプリンタである。また、カラー画像出力装置12は、ディスプレイ等の表示装置であってもよい。
画像処理装置20は、後述する各処理部を備え、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などにより構成される。また、各処理部は、CPUにより構成される制御部35により制御される。
A/D変換部21は、カラー画像入力装置11から入力されたRGB信号を、例えば、10ビットのデジタル信号に変換し、変換後のRGB信号をシェーディング補正部22へ出力する。
シェーディング補正部22は、入力されたRGB信号に対して、カラー画像入力装置11の照明系、結像系、撮像系などで生じた各種の歪みを取り除く補正処理を行い、補正後のRGB信号を入力階調補正部23へ出力する。
入力階調補正部23は、入力されたRGB信号(RGBの反射率信号)に対して、カラーバランスを整える処理を行うとともに、濃度信号など画像処理装置20で所定の処理を行うために10ビットのRGB信号を8ビットのRGB信号に変換し、変換後のRGB信号を領域分離処理部24へ出力する。
領域分離処理部24は、入力されたRGB信号に基づき、入力された画像中の各画素が、文字領域(黒文字、色文字、色にじみ)、網点領域、その他の領域の何れであるかを分離する。領域分離処理部24は、分離結果に基づいて、各画素がどの領域に属しているかを示す領域分離信号を画像圧縮処理部25へ出力する。また、入力階調補正部23から入力されたRGB信号を領域分離信号に同期して画像圧縮処理部25へ出力する。
図2は領域分離処理部24の構成を示すブロック図である。領域分離処理部24は、文字エッジ判定部241、有彩色・無彩色判定部242、網点判定部243、総合判定部244、色にじみ判定部245などを備える。
文字エッジ判定部241は、入力されたRGB信号に基づいて、注目画素を含むM×N画素マスク(例えば、3×3)を設定し、注目画素とその近傍画素との濃度差絶対値をそれぞれ算出する。文字エッジ判定部241は、算出した濃度差絶対値の中に所定の濃度閾値以上の画素が1つでも存在する場合、注目画素はエッジ画素であると判定し、文字エッジ判定信号(例えば、「1」)を総合判定部244へ出力する。なお、注目画素とその近傍画素との濃度差絶対値を用いるのではなく、例えば、エッジ検出フィルタを用いることもできる。
有彩色・無彩色判定部242は、入力されたRGB信号に基づいて、注目画素を含むM×N画素マスク(例えば、3×3)を設定し、注目画素のRGB信号の最大値及び最小値を検出し、両者の差分値を算出する。有彩色・無彩色判定部242は、算出した差分値と所定の閾値とを比較し、差分値が閾値以下である場合は、注目画素は無彩色であると判定し、差分値が閾値以上である場合は、注目画素は有彩色であると判定し、有彩色・無彩色判定信号(例えば、無彩色:「1」、有彩色:「0」)を総合判定部244へ出力する。
網点判定部243は、網点領域において、小領域における画素の濃度の変動が大きい点、又は背景に比べて網点の濃度は高い点などの特徴を利用して網点領域を判定する。網点判定部243は、入力されたRGB信号に基づいて、注目画素を含むM×N画素マスク(例えば、3×3)を設定し、設定した画素マスク内において、RGBの色ごとに個別に以下の処理を行う。
3×3画素よりなる画素ブロック内の9画素に対して、最大濃度値Dmax、最小濃度値Dmin、平均濃度値Daveを求め、その平均濃度値を用いて画素ブロック内の各画素を二値化する。二値化されたデータに対して主走査、副走査方向で夫々「0」から「1」への変化点の数、「1」から「0」への変化点の数を求め、夫々Kr、Kvとする。B1、B2、Tr、Tvを夫々所定の閾値として、Dmax−Dave>B1、Dave−Dmin>B2、Kr>Tr、かつ、Kv>Tvである場合、注目画素は網点画素であると判定し、上記条件を満たさない場合、注目画素は非網点画素であると判定する。網点判定部243は、注目画素が網点画素であると判定した場合、網点判定信号(例えば、「1」)を総合判定部244へ出力し、注目画素が非網点画素であると判定した場合、非網点判定信号(例えば、「0」)を総合判定部244へ出力する。
総合判定部244は、文字エッジ判定部241、有彩色・無彩色判定部242、網点判定部243から入力された判定結果に基づいて、注目画素に対する判定を行い、判定結果を色にじみ判定部245へ出力する。
図3は総合判定部244の判定例を示す説明図である。図に示すように、文字エッジ判定部241、有彩色・無彩色判定部242、網点判定部243から入力された判定結果に基づいて、注目画素が網点であると判定される優先順位を高く設定することができ、例えば、文字エッジ判定信号、網点判定信号がいずれも「1」の場合、文字エッジであり、かつ網点であると判定されたことを示し、このときに、総合判定は網点と判定するようにしている。なお、図中「*」は、「1」又は「0」のいずれでもよいことを示す。
色にじみ判定部245は、総合判定部244から入力された判定結果に基づいて、注目画素が色にじみ画素であるか否かを判定する。色にじみは、黒文字のエッジの外側に色文字が存在するような場合、色にじみが存在するといえるため、総合判定部244で色文字と判定された注目画素の周囲画素(例えば、数画素程度)のいずれかに黒文字と判定された画素がある場合、その注目画素を色にじみ画素であると判定し、色文字と判定された注目画素の周囲画素のいずれにも黒文字と判定された画素がない場合、その注目画素は色にじみ画素でないと判定し、判定結果(領域分離信号)を画像圧縮処理部25へ出力する。
画像圧縮処理部25は、領域分離処理部24から入力されたRGB信号に対して非可逆的な圧縮(例えば、JPEG(Joint Photographic Image Experts Group)圧縮)を行うとともに、領域分離処理部24から入力された領域分離信号に対して可逆的な圧縮(例えば、MMR(Modified Modified READ)圧縮)を行い、圧縮したデータを記憶部34に一旦記憶する。これにより、大量の原稿を高速で読み取る必要がある場合、記録紙を複数部出力する場合などに、記憶部34に記憶された画像データを用いることにより、高速で画像を出力することができる。なお、JPEG圧縮は、所定のマスクサイズ(例えば、8×8画素ブロックなど)単位で圧縮処理が行われ、画像データ中の各画素がいずれの分離領域に含まれるものであるかを問わず(すなわち、領域分離信号の内容に関わらず)、一様に処理がなされる。
画像伸張処理部26は、記憶部34に記憶された圧縮データを記憶部34から読み出し、読み出された圧縮データに対して所定の伸張処理を行う。画像伸張処理部26は、伸張されたRGB信号及び復元された領域分離信号夫々を1画素分ずつ同期して、色にじみ処理部27へ出力する。ここで、RGB信号は、夫々8ビットで表され、0〜255の範囲の値をとることができる。また、領域分離信号は、3ビットで表され、例えば、黒文字エッジ(001=「1」)、色文字エッジ(101=「5」)、色にじみ(011=「3」)、網点(010=「2」)、その他(100=「4」)のように区分することができる。
色にじみ処理部27は、画像伸張処理部26から入力されたRGB信号、及びそれに同期した領域分離信号に基づき、色にじみ領域を抽出し、抽出した色にじみ領域に応じて、画素に対応する領域分離信号を補正する。また、色にじみ処理部27は、色にじみを抑制するための色にじみ抑制処理を行い、処理後のRGB信号を空間フィルタ処理部28へ出力するとともに、RGB信号に同期して補正された領域分離信号を空間フィルタ処理部28、黒生成下色除去部31、階調再現処理部33へ出力する。なお、色にじみ処理部27の詳細は後述する。
空間フィルタ処理部28は、色にじみ処理部27から入力されたRGB信号に対して、領域分離信号に基づいたデジタルフィルタによる空間フィルタ処理を行う。これにより、画像データの空間周波数特性が補正され、カラー画像出力装置12における出力画像のぼやけ、又は粒状性劣化を防止する。例えば、空間フィルタ処理部28は、領域分離処理部24において文字領域に分離された領域を、特に黒文字又は色文字の再現性を高めるため、鮮鋭強調処理を施し高周波成分を強調する。また、空間フィルタ処理部28は、領域分離処理部24において網点領域に分離された領域を、入力網点成分を除去するためのローパス・フィルタ処理を施す。空間フィルタ処理部28は、処理後のRGB信号を変倍処理部29へ出力する。
変倍処理部29は、空間フィルタ処理が施されたRGB信号に対して、所定倍率になるように拡大演算処理又は縮小演算処理を行い、処理後のRGB信号を色補正部30へ出力する。
色補正部30は、変倍処理部29から入力されたRGB信号をCMYの色空間に変換し、カラー画像出力装置12の特性に合わせて色補正を行い、補正後のCMY信号を黒生成下色除去部31へ出力する。
黒生成下色除去部31は、色補正部30から入力されたCMY信号に基づいて、K(黒)信号を生成するとともに、入力されたCMY信号からK信号を差し引いて新たなCMY信号を生成し、生成したCMYK信号を出力階調補正部32へ出力する。
黒生成下色除去部31における処理の一例を示す。例えば、スケルトンブラックによる黒生成を行う処理の場合、スケルトンカーブの入出力特性をy=f(x)とし、入力されるデータをC、M、Yとし、出力されるデータをC´、M´、Y´、K´とし、UCR(Under Color Removal)率をα(0<α<1)とすると、黒生成下色除去処理により出力されるデータ夫々は、K´=f{min(C、M、Y)}、C´=C−αK´、M´=M−αK´、Y´=Y−αK´で表される。
出力階調補正部32は、黒生成下色除去部31から入力されたCMYK信号に対して、カラー画像出力装置12の特性値である網点面積率に変換する出力階調補正処理を行い、出力階調補正処理後のCMYK信号を階調再現処理部33へ出力する。
階調再現処理部33は、色にじみ処理部27から入力された領域分離信号に基づいて、出力階調補正部32から入力されたCMYK信号に対して所定の処理を行う。例えば、階調再現処理部33は、色にじみ処理部27において文字領域に分離された領域を、特に黒文字又は色文字の再現性を高めるため、カラー画像出力装置12における高周波成分の再現に適するように二値化処理又は多値化処理を行う。
また、階調再現処理部33は、色にじみ処理部27において網点領域に分離された領域を、最終的に画像を画素に分離して、それぞれの階調を再現できるように階調再現処理(中間調生成)を行う。さらに、階調再現処理部33は、領域分離処理部24において網点領域に分離された領域を、カラー画像出力装置12における階調再現性に適するように二値化処理又は多値化処理を行う。
画像処理装置20は、階調再現処理部33で処理された画像データ(CMYK信号)を記憶部(不図示)に一旦記憶し、画像形成をする所定のタイミングで記憶部に記憶した画像データを読み出し、読み出した画像データをカラー画像出力装置12へ出力する。これらの制御は、制御部35により行われる。
図4は色にじみ処理部27の構成を示すブロック図である。色にじみ処理部27は、色にじみ画素判定部271、色にじみ信号補正部272、色にじみ画素抑制部273などを備えている。また、色にじみ信号補正部272は、輝度値算出部272a、計数部272b、色にじみ画素抽出部272cなどを備えている。
色にじみ画素判定部271は、画像伸張処理部26から画素毎にRGB信号に同期して入力された領域分離信号に基づいて、画像圧縮処理部25及び画像伸張処理部26における圧縮処理及び伸張処理の処理単位である所定のマスク(例えば、8×8画素ブロック)内において、色にじみ画素と判定された画素があるか否かを判定する。この場合、8×8、すなわち、64画素夫々について色にじみ画素の有無を判定する。
色にじみ画素判定部271は、1つのマスク内において、色にじみ画素がないと判定した場合、そのマスク内に色にじみ画素がないことを示すフラグ信号Fを色にじみ信号補正部272へ出力し、次のマスクについて順次同様の判定処理を繰り返す。色にじみ画素判定部271は、1つのマスク内において、色にじみ画素があると判定した場合、そのマスク内に色にじみ画素があることを示すフラグ信号Fを色にじみ信号補正部272へ出力し、次のマスクについて順次同様の判定処理を繰り返す。
例えば、マスク(8×8画素など)内の画素の位置(座標)を(x、y)で表した場合、位置(x、y)にある画素が色にじみ画素である場合、フラグ信号F(Bx、By)=1を出力し、位置(x、y)にある画素が色にじみ画素でない場合、フラグ信号F(Bx、By)=0を出力する。
色にじみ画素判定部271から出力される色にじみ画素の有無を示すフラグ信号Fは、RGB信号、及び領域分離信号のマスク毎の出力と同期して色にじみ信号補正部272へ出力される。
輝度値算出部272aは、マスク内の画素の輝度値を、RGB値に基づいて算出し、算出した輝度値を計数部272bへ出力する。例えば、RGB値の内G値が人間にとって最も視覚特性に敏感であることを考慮して、平均輝度値Lを、L=(R+2G+B)/4により算出することができる。なお、平均輝度値Lは、上述の式に限らず、他の式により算出することもできる。
計数部272bは、輝度値算出部272aから入力されたマスク内の画素毎の平均輝度値Lと予め記憶してある輝度閾値Lthとを比較し、輝度閾値Lth以上の平均輝度値Lを有する画素の数を計数し、計数結果を色にじみ画素抽出部272cへ出力する。なお、輝度閾値Lthは任意の値に設定することができるが、例えば、輝度値を8ビットで表した場合、輝度値の分布は0〜255となり、輝度閾値Lthを高輝度付近の250に設定することができる。
所定のマスクサイズ単位で行われる圧縮処理(例えば、JPEG圧縮などの非可逆な圧縮)を行った場合、マスク内の画素が有する輝度の変化が大きい境界周辺、すなわちエッジ周辺に細かいノイズが現われることが知られている。このノイズをモスキートノイズと称するが、このモスキートノイズは、エッジ付近に存在する色にじみを反映したノイズとして現われる。また、このモスキートノイズは、画素の輝度値が高いほど顕著になることが知られている。そこで、マスク内の画素の輝度値を算出し、算出された輝度値に対して閾値処理を行い、高輝度の画素を抽出し、抽出された高輝度の画素数Nを計数することにより、色にじみ画素の抽出のための前処理を行う。
色にじみ画素抽出部272cは、計数部272bから入力された計数結果に基づいて、高輝度の画素数Nと予め定められた画素数閾値Nthとを比較し、高輝度の画素数Nが画素数閾値Nth以上である場合、色にじみ画素であると判定し、マスク内の高輝度の画素すべての領域分離信号を色にじみ画素を占めす信号(色にじみ画素信号)に補正する。なお、画素数閾値Nthは任意の値に設定することができるが、例えば、マスクサイズが8×8(64画素)であるから、その半分以上が高輝度である場合を判定基準とすれば、画素数閾値Nthを33に設定することができる。
色にじみ画素抽出部272cは、マスク内の画素毎のRGB信号、補正されていない領域分離信号、及び色にじみ画素信号(補正された領域分離信号)を色にじみ画素抑制部273へ出力する。
色にじみ画素抑制部273は、色にじみ画素信号を有する画素のRGB信号に対して、色にじみを抑制するように、例えば、RGBすべての色情報を平均輝度値Lで置き換えることにより無彩色化処理を行い、色にじみを抑制された画像データを空間フィルタ処理部28へ出力する。なお、色にじみ画素抑制部273で行われる色にじみ抑制処理は、実際の出力画像を見ながら、必要に応じて画像処理装置20に搭載することができ、色にじみが少なければ、色にじみ画素抑制部273に代えて、空間フィルタ処理部28又は黒生成下色除去部31で同様の色にじみ抑制処理を行うこともできる。
次に本発明に係る画像処理装置20の動作について説明する。図5は色にじみ処理の手順を示すフローチャートである。なお、色にじみ処理は、ASICにより実現される構成でもよく、またCPUで実行されるコンピュータプログラムにより実現される構成でもよい。色にじみ処理部27は、制御部35の制御のもと、画像伸張処理部26から画素毎にRGB信号に同期して入力された領域分離信号に基づいて、画像圧縮処理部25及び画像伸張処理部26における圧縮処理及び伸張処理の処理単位である所定のマスク内において、色にじみ画素と判定された画素があるか否かを判定する色にじみ画素判定処理を行う(S1)。
色にじみ処理部27は、マスク内の画素の輝度値が所定以上の高輝度であって、高輝度の画素数が所定値以上あるか否かに基づいて、マスク内の高輝度の画素に対応する領域分離信号を色にじみ画素信号に補正する色にじみ信号補正処理を行う(S2)。
色にじみ処理部27は、色にじみ画素信号を有する画素のRGB信号に対して、色にじみ画素抑制処理を行い(S3)、処理を終了する。
次に、上記各処理について具体的に説明する。図6は色にじみ画素判定処理の手順を示すフローチャートである。色にじみ画素判定部271は、制御部35の制御のもと、マスク内の画素夫々に対応するRGB信号及び領域分離信号をマスクサイズ分取得する(S11)。色にじみ画素判定部271は、マスク内の画素に色にじみ画素があるか否かを判定する(S12)。
色にじみ画素がある場合(S12でYES)、色にじみ画素判定部271は、マスク内に色にじみ画素があることを示すフラグ信号を出力し(S13)、次のマスクに対して同様の処理を行うべく、すべての画素の処理が終了したか否かを判定する(S14)。
色にじみ画素がない場合(S12でNO)、色にじみ画素判定部271は、色にじみ画素がないことを示すフラグ信号を出力し(S15)、次のマスクに対して同様の処理を行うべく、ステップS14以降の処理を続ける。すべての画素の処理が終了していない場合(S14でNO)、色にじみ画素判定部271は、ステップS11以降の処理を続ける。すべての画素の処理が終了した場合(S14でYES)、色にじみ画素判定部271は、処理を終了する。
図7は色にじみ信号補正処理の手順を示すフローチャートである。色にじみ信号補正部272は、制御部35の制御のもと、マスク内の画素夫々に対応するRGB信号及び領域分離信号をマスクサイズ分取得する(S21)。色にじみ信号補正部272は、マスク内の画素に色にじみ画素があるか否かを示すフラグ信号を取得する(S22)。
色にじみ信号補正部272は、取得したフラグ信号に基づいて、マスク内の画素に色にじみ画素があるか否かを判定し(S23)、色にじみ画素がある場合(S23でYES)、マスク内の画素の輝度値(例えば、平均輝度値)を算出する(S24)。色にじみ信号補正部272は、算出した輝度値が所定の輝度閾値以上である高輝度の画素の数を計数する(S25)。
色にじみ信号補正部272は、計数値が所定の画素数閾値以上であるか否かを判定する(S26)。計数値が所定の画素数閾値以上である場合(S26でYES)、色にじみ信号補正部272は、高輝度の画素に対応する領域分離信号を色にじみ信号(011=「3」)に変更して色にじみ画素を抽出する(S27)。
色にじみ信号補正部272は、次のマスクに対して同様の処理を行うべく、すべての画素の処理が終了したか否かを判定する(S28)。すべての画素の処理が終了していない場合(S28でNO)、色にじみ信号補正部272は、ステップS21以降の処理を続ける。一方、色にじみ画素がない場合(S23でNO)、色にじみ信号補正部272は、ステップS28以降の処理を続ける。また、計数値が所定の画素数閾値以上でない場合(S26でNO)、色にじみ信号補正部272は、ステップS28以降の処理を続ける。すべての画素の処理が終了した場合(S28でYES)、色にじみ信号補正部272は、処理を終了する。
図8は色にじみ画素抑制処理の手順を示すフローチャートである。色にじみ画素抑制部273は、制御部35の制御のもと、1画素に対応するRGB信号及び領域分離信号を取得する(S31)。色にじみ画素抑制部273は、画素に対応する領域分離信号に基づいて、画素が色にじみ画素であるか否かを判定し(S32)、画素が色にじみ画素である場合(S32でYES)、無彩色化処理を行う(S33)。
色にじみ画素抑制部273は、次の画素に対して同様の処理を行うべく、すべての画素の処理が終了したか否かを判定する(S34)。すべての画素の処理が終了していない場合(S34でNO)、色にじみ画素抑制部273は、ステップS31以降の処理を続ける。画素が色にじみ画素でない場合(S32でNO)、色にじみ画素抑制部273は、ステップS34以降の処理を続ける。すべての画素の処理が終了した場合(S34でYES)、色にじみ画素抑制部273は、処理を終了する。
次に、上述の各処理に応じて、RGB信号及び領域分離信号(カラー画像データ)がどのように変遷するかを説明する。図9は圧縮処理前の8×8マスク内のカラー画像データの例を示す模式図である。図に示すように、1マスク内には、8×8、合計で64画素夫々について、R、G、B及び領域分離の各信号に関する情報が含まれている。R、G、B信号夫々は、8ビットで表され、領域分離信号は3ビットで表されている。また、マスク内の左上の画素を(1、1)、右上の画素を(1、8)、左下の画素を(8、1)、右下の画素を(8、8)のように表す。
例えば、マスク内の最初の画素(1、1)は、R値が255、G値が246、B値が255、領域分離信号が3の各値を有しており、横方向に隣接する画素(1、2)は、R値が255、G値が255、B値が255、領域分離信号が4の各値を有している。
図10は圧縮伸張処理後の8×8マスク内のカラー画像データの例を示す模式図である。すなわち、図10は図9で示すマスク内のカラー画像データが圧縮伸張処理された後のカラー画像データの一例を示す。圧縮伸張処理は、1マスク単位、すなわち、8×8画素のブロック単位で処理される。図10において、図9と比較してRGBのカラー画像データが異なっている部分が圧縮伸張処理によってカラー画像データに劣化が生じている部分である。なお、領域分離信号については、可逆的な圧縮伸張処理がなされるので、圧縮伸張後であっても元の領域分離信号が復元される。
例えば、マスク内の最初の画素(1、1)は、R値が255、G値が237、B値が255、領域分離信号が3の各値を有しており、横方向に隣接する画素(1、2)は、R値が255、G値が254、B値が255、領域分離信号が4の各値を有している。この場合、各画素のG値が異なっている。
色にじみ処理部27には、図10に示すようなカラー画像データが出力される。色にじみ処理部27は、取得したマスク分のカラー画像データ内に、色にじみ画素が存在するか否かをマスク内の領域分離信号により判定する。具体的には、8×8の画素のブロックの左上の画素に対応する領域分離信号の値から色にじみ信号(011=「3」)であるか否かを判定し、色にじみ信号が1画素分でもあれば、色にじみ信号ありのフラグ信号を出力する。
図10の例では、画素(1、1)に対応する領域分離信号が色にじみ信号(011=「3」)であるので、最初の画素を判断した時点で、マスクに色にじみ画素があると判定されることになる。同様の処理は、マスク毎に繰り返し行われる。
図11は圧縮伸張後のカラー画像データの輝度信号の例を示す模式図である。マスク内の各画素の輝度値L(例えば、平均輝度値)を、L=(R+2G+B)/4により算出する場合、画素(1、1)の輝度値Lは、L=(255+2×237+255)/4=246となる。なお、輝度値を算出する場合、RGB値の合算値を4で除算するときには、合算値に対して2ビット右にシフトすることにより算出することができ、除算を用いた平均値算出回路がビットシフトの演算回路で実現でき、回路規模を小さくすることができる。
図12は閾値処理後の輝度信号の例を示す模式図である。図11において、各画素の算出された輝度値(平均輝度値)に対して、輝度閾値として例えば、高輝度の付近である250に設定した場合、輝度閾値以上の輝度値を有する画素は、図12に示すようになる。図12において、輝度閾値以上の輝度値を有する画素の数を計数し、例えば、画素数閾値を64画素の半分以上を示す33に設定した場合、44個の画素が輝度閾値以上の輝度値を有することになり、この44個の画素に対応する領域分離信号をすべて色にじみ画素信号(011=「3」)に補正する。このような処理をマスク単位で繰り返し行う。
図13は色にじみ信号補正後の8×8マスク内のカラー画像データの例を示す模式図である。図に示すように、輝度閾値以上の輝度値を有する44個の画素に対する領域分離信号は、色にじみ画素信号(011=「3」)に補正されている。
図14は色にじみ処理後の8×8マスク内のカラー画像データの例を示す模式図であり、図15は色にじみ処理後の8×8マスク内の画素の輝度情報の例を示す模式図である。図に示すように、色にじみ処理では、色にじみ画素信号を有するすべての画素のR、G、B値は、算出された輝度値Lで置き換える。これにより、RGBの輝度値が同一となり、無彩色画像となる。これにより、色にじみ処理が完了する。
以上説明したように、本発明にあっては、圧縮後伸張されたカラー画像データが含まれるマスク内に色にじみ画素があると判定された場合、マスク内の各画素の輝度値が輝度閾値以上の画素数を計数し、計数した画素数が画素数閾値以上である場合、輝度閾値以上の輝度値を有する画素を色にじみ画素として抽出する。これにより、色にじみ画素が存在すると判定されたカラー画像データに対して、有彩色か無彩色かに関わらず一様に行われる処理(例えば、圧縮伸張処理)が行われることにより、色にじみ画素が存在する周辺に無彩色のエッジが存在する場合には、その画素を含めてエッジ周辺全体に色にじみが発生している可能性が高く、その発生した色にじみ画素を精度良く抽出することができる。
また、色にじみ画素として抽出された画素に対して、無彩色化処理を行うことにより、エッジ周辺が高輝度であれば、特にその色にじみが顕著に現われ、画質低下を招くことから、その色にじみを確実に抑制するために、エッジ周辺の画素で、各色情報の平均輝度値が所定の輝度閾値以上の画素すべてを色にじみ画素として、色にじみ画素とされたすべての画素に対してRGB値を平均輝度値に置き換えて、形成される画像の画質低下を防止するとともに、色にじみの目立たない高画質な画像を得ることができる。
なお、上述の実施形態の処理をASICなどに代えて、コンピュータにおいて実行可能なコンピュータプログラムとして構成し、そのコンピュータプログラムを記録媒体(不図示)に格納するとともに、そのコンピュータプログラムをCPUで実行することにより、上述の処理を制御する構成とすることもできる。記録媒体としては、コンピュータ本体に備えられたROM、RAM、ハードディスク装置などであってもよく、また、コンピュータ本体と分離可能な記録媒体、例えば、磁気テープ又はカセットテープ等のテープ系、フロッピーディスク(登録商標)、外部ハードディスクなどの磁気ディスク、CD−ROM、MO、MD、DVD等の光ディスクなどのディスク系、ICカード(メモリカードを含む)、光カード等のカード系などであってもよい。また、マスクROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、フラッシュROM等の半導体メモリを含めた固定的にコンピュータプログラムを担持する媒体であってもよい。これにより、色にじみ処理を行うコンピュータプログラムを記録した記録媒体を持ち運び自在に提供することができる。
また、記録媒体に格納されているコンピュータプログラムは、マイクロプロセッサがアクセスして実行させる構成であってもよく、あるいはコンピュータプログラムを読み出し、読み出したコンピュータプログラムをコンピュータのプログラム記憶領域(不図示)にインストールし、そのコンピュータプログラムを実行させる構成でもよい。
また、本実施の形態においては、インターネットを含む通信ネットワーク(不図示)を接続可能なシステムに構成することも可能であり、通信ネットワークからコンピュータプログラムをダウンロードするように流動的にコンピュータプログラムを担持する媒体であってもよい。なお、通信ネットワークからコンピュータプログラムをダウンロードする場合は、ダウンロード用のコンピュータプログラムを予めコンピュータ本体に格納しておくか、あるいは別の記録媒体からインストールされるものでもよい。
上述のコンピュータプログラムは、本実施の形態の色にじみ処理のみを実行するものではなく、画像処理装置20の他の処理を含めて統括的に実行するように構成されたものであってもよい。
また、カラー画像入力装置11としては、例えば、フラットベッドスキャナ、フィルムスキャナ、デジタルカメラ、携帯電話機などが用いられる。カラー画像出力装置12としては、例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイなどの画像表示装置、処理結果を記録紙などに出力する電子写真方式又はインクジェット方式のプリンタなどが用いられる。さらに画像形成装置10としては、ネットワークを介してサーバ装置などに接続するための通信手段としてのモデムなどを備えることもできる。また、カラー画像入力装置11からカラー画像データを取得する代わりに、ネットワークを介して外部記憶装置、サーバ装置などからカラー画像データを取得する構成であってもよい。
上述の実施の形態では、RGB値で色にじみ信号補正処理、色にじみ画素抑制処理を行う構成であったが、これに限定されるものではなく、検出精度又は画像処理構成などに応じて別の色空間(例えば、CMYK、CIELABなど)を行ってよい。この場合、輝度情報と色情報が混在する色空間(CMYKなど)では、RGB値での処理と同様に行えばよく、輝度情報と色情報が分離された色空間(CIELABなど)では、輝度を中心とした処理を行い、補充する形で色情報も用いるような構成にしてもよい。
10 画像形成装置
11 カラー画像入力装置
12 カラー画像出力装置
20 画像処理装置
24 領域分離処理部
25 画像圧縮処理部
26 画像伸張処理部
27 色にじみ処理部
35 制御部
271 色にじみ画素判定部
272 色にじみ信号補正部
273 色にじみ画素抑制部
11 カラー画像入力装置
12 カラー画像出力装置
20 画像処理装置
24 領域分離処理部
25 画像圧縮処理部
26 画像伸張処理部
27 色にじみ処理部
35 制御部
271 色にじみ画素判定部
272 色にじみ信号補正部
273 色にじみ画素抑制部
Claims (8)
- 取得したカラー画像データを圧縮し、圧縮したデータを伸張して所定の処理を行う画像処理方法において、
取得したカラー画像データに基づいて、注目画素が色にじみ画素であるか否かを判定するステップと、
圧縮後伸張されたカラー画像データが含まれる画素ブロック内に色にじみ画素があると判定された場合、前記画素ブロック内の各画素の輝度値を算出するステップと、
算出された輝度値が輝度閾値以上である画素数を計数するステップと、
計数された画素数が画素数閾値以上である場合、前記輝度閾値以上の輝度値を有する画素を色にじみ画素として抽出するステップと
を備えることを特徴とする画像処理方法。 - 前記画素ブロックの大きさを、取得したカラー画像データを圧縮及び伸張する処理単位に基づいて定めるステップを備えることを特徴とする請求項1に記載の画像処理方法。
- 色にじみ画素として抽出された画素に対して、無彩色化処理を行うステップを備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像処理方法。
- 取得したカラー画像データを圧縮し、圧縮したデータを伸張して所定の処理を行う画像処理装置において、
取得したカラー画像データに基づいて、注目画素が色にじみ画素であるか否かを判定する手段と、
圧縮後伸張されたカラー画像データが含まれる画素ブロック内に色にじみ画素があると判定された場合、前記画素ブロック内の各画素の輝度値を算出する手段と、
算出された輝度値が輝度閾値以上である画素数を計数する手段と、
計数された画素数が画素数閾値以上である場合、前記輝度閾値以上の輝度値を有する画素を色にじみ画素として抽出する手段と
を備えることを特徴とする画像処理装置。 - 前記画素ブロックの大きさを、取得したカラー画像データを圧縮及び伸張する処理単位に基づいて定める手段を備えることを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
- 色にじみ画素として抽出された画素に対して、無彩色化処理を行う手段を備えることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の画像処理装置。
- 取得したカラー画像データを圧縮し、圧縮したデータを伸張して所定の処理を行う画像処理装置と、該画像処理装置で処理されたカラー画像データに基づき、画像の形成を行う画像形成手段とを備える画像形成装置において、
前記画像処理装置は、
請求項4乃至請求項6のいずれか1つに記載の画像処理装置であることを特徴とする画像形成装置。 - コンピュータに、取得したカラー画像データを圧縮し、圧縮したデータを伸張して所定の処理を行わせるためのコンピュータプログラムにおいて、
コンピュータを、
取得したカラー画像データに基づいて、注目画素が色にじみ画素であるか否かを判定する手段と、
圧縮後伸張されたカラー画像データが含まれる画素ブロック内に色にじみ画素があると判定された場合、前記画素ブロック内の各画素の輝度値を算出する手段と、
算出された輝度値が輝度閾値以上である画素数を計数する手段と、
計数された画素数が画素数閾値以上である場合、前記輝度閾値以上の輝度値を有する画素を色にじみ画素として抽出する手段と
して機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。
Priority Applications (1)
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JP2005333271A JP2007142771A (ja) | 2005-11-17 | 2005-11-17 | 画像処理方法、画像処理装置、画像形成装置及びコンピュータプログラム |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2020141378A (ja) * | 2019-03-01 | 2020-09-03 | キヤノン株式会社 | 画像符号化装置及びその制御方法及びプログラム |
-
2005
- 2005-11-17 JP JP2005333271A patent/JP2007142771A/ja active Pending
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