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JP2007035493A - 燃料電池の電圧調整装置 - Google Patents

燃料電池の電圧調整装置 Download PDF

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JP2007035493A JP2005218544A JP2005218544A JP2007035493A JP 2007035493 A JP2007035493 A JP 2007035493A JP 2005218544 A JP2005218544 A JP 2005218544A JP 2005218544 A JP2005218544 A JP 2005218544A JP 2007035493 A JP2007035493 A JP 2007035493A
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Abstract

【課題】電圧の低下する原因を検知判断し、その原因に応じた適切な処置を施して電圧を復帰させる燃料電池の電圧調整装置を提供する。
【解決手段】空気極と水素極とに挟まれた電解質膜を含む単セルを複数積層し、空気極側に空気が通流するとともに、水素極側に水素が通流して発電する燃料電池スタックを制御する燃料電池の電圧調整装置であって、単セルの電圧を計測するセル電圧計測手段と、セル電圧計測手段によって計測された電圧が低下したときに、電圧の低下した単セルが配置された領域に応じて異なる態様でセル電圧を復帰させるセル電圧復帰手段(S40,S90,S100,S110)とを備える。
【選択図】図5

Description

本発明は、燃料電池の電圧調整装置に関する。
固体高分子電解質型燃料電池では、電解質膜の乾燥によって導電率が低下する。そのため、電解質膜は水素と酸素といった作動ガスを加湿して供給することによって湿潤状態を保つ。しかし、加湿量が過剰の場合にはガス流路内に凝縮水が発生する。さらに、燃料電池は水素と酸素の電気化学反応によって空気極側に水を生成する。この生成水は、電解質膜の中を拡散して水素極側にも蓄積する。このような凝縮水や生成水は、ガス流路内に蓄積して起電力を低下させる。
また、セルを積層して構成する燃料電池では、複数のセルを直列に接続して必要な電力を確保する。しかし、前述のように凝縮水がガス流路内の作動ガスの流れを阻害すると、セルの起電力にばらつきが生じる。起電力にばらつきが生じると、起電力の低下していないセルに高負荷がかかって破損してしまうおそれがある。
そこで、セルに電圧検出部を設けて電圧が低下する異常を早期に発見し、システム全体を停止させて、セルの破損を防止する燃料電池の制御装置が提案されている(特許文献1参照)。
特開2002−313396号公報
しかし、上述の特許文献1に開示された燃料電池の制御装置では、電圧の低下のみを判断指標としている。また、従来技術では電圧が低下する要因をすべて水詰まりによるものと判断していた。そのため、膜の乾燥などの水詰まり以外の原因による電圧低下も水詰まりと誤診断してしまった。したがって、セルの電圧低下に対して適切な処置を行なうことができない場合があった。また、セルの電圧降下に対してシステム全体を停止させるため、安定した発電を行うことができなかった。
本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたものであり、電圧が低下する原因を検知判断し、その原因に応じて適切な処置を施して電圧を復帰させる制御を行う燃料電池の電圧調整装置を提供することを目的としている。
本発明は以下のような解決手段によって前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために本発明の実施形態に対応する符号を付するが、これに限定されるものではない。
本発明は、空気極と水素極とに挟まれた電解質膜を含む単セル(11)を複数積層し、前記空気極側に空気が通流するとともに、前記水素極側に水素が通流して発電する燃料電池スタック(10)を制御する燃料電池の電圧調整装置(20)であって、前記単セルの電圧を計測するセル電圧計測手段(13)と、前記セル電圧計測手段(13)によって計測された電圧が低下したときに、電圧の低下した単セルが配置された領域に応じて異なる態様でセル電圧を復帰させるセル電圧復帰手段(30;ステップS40,S90,S100,S110)とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、単セルの電圧を計測して電圧の低下した単セルを検出し、この単セルの位置や電流・電圧の変化など要因を考慮して電圧の低下した原因を診断する。そして、診断結果に応じて作動ガスの加湿や供給量の調節などの制御を行うことによって電圧を復帰させ、安定した発電を行なうことができる。
以下では図面等を参照して本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。
図1は、本発明による制御装置を搭載した燃料電池自動車向けの燃料電池システム1の概略構成図である。
燃料電池システム1は、燃料電池スタック10と、電圧検出装置20と、制御装置30とを有する。また、燃料電池システム1には発電した電力を充電する二次電池33や発電した電力によって駆動するモータ34などを備える。
燃料電池スタック10は、内部に備える電解質膜に水素や空気(酸素)といった作動ガスの供給を受けて、電気化学反応を起こして発電する。燃料電池スタック10内部の温度は、温度調整装置23によって調整される。また、燃料電池スタック10内部の圧力は、圧力調整装置24によって調整される。
燃料電池スタック10には、水素を供給する水素経路と、空気を供給する空気経路が連結される。水素供給装置21は、水素経路の最上流部に設けられる。水素供給装置21は、水素タンク27から水素を供給する。水素タンク27には、水素吸蔵合金等の水素貯蔵材を内蔵して純水素を貯蔵するものなどがある。また、空気供給装置25は空気経路の最上流部に設けられる。空気供給装置25は、燃料電池スタック10に空気を送り込むコンプレッサである。
燃料電池スタック10の電解質膜は、効率的な発電を行なうために適度に湿潤状態にする必要がある。電解質膜は、乾燥すると膜抵抗が上昇し、発熱することによって破損するおそれがあるからである。このため、水素経路には燃料電池スタック10に供給する水素を加湿する加湿装置22が設けられる。また、空気経路には水交換器26が備えられ、発電にともなって生成された水が燃料電池スタック10から供給されて空気を加湿する。一方、電解質膜に過剰に水分を含む場合には、作動ガスの拡散が阻害されて起電力が低下する。
電圧検出装置20は、燃料電池スタック10が発電した電力の電圧を測定する。
制御装置30は、電圧検出装置20や二次電池33などからのセンサ信号が入力される。また、制御装置30は、インバータ31、水素供給装置21及び空気供給装置25などに対して制御信号を出力する。さらに、制御装置30は加湿装置22や水交換器26を制御して電解質膜の湿潤状態を適切な状態に保つ。
制御装置30は、電圧検出装置20から入力された電圧が低下した場合に、その原因を診断する機能を備える。さらに、制御装置30は電圧が低下した原因に応じて温度調整装置23や圧力調整装置24などを制御することによって、低下した電圧を復帰させる。これらの診断方法や電圧復帰方法の詳細は後述する。
燃料電池スタック10が発電した電力は、インバータ31や補機類に供給される。インバータ31は、燃料電池スタック10から供給された直流電流を交流電流に変換してモータ34に供給する。また、DC/DCコンバータ32は電圧調整手段である。DC/DCコンバータ32は、燃料電池スタック10と二次電池33とを並列に接続する。燃料電池スタック10が発電した余剰電力は、二次電池33に充電される。二次電池33は、燃料電池スタック10の出力が不足する場合には、充電した電力で不足分を補う。
図2は、本発明による燃料電池スタック10を示す図であり、図2(A)は単セル11を積層してスタックを構成した図、図2(B)は単セル11の拡大図である。
図2(A)に示すように、燃料電池スタック10は複数の単セル11を積層して構成される。単セル11は、アノードセパレータ111とカソードセパレータ113との間にMEAプレート112を挟み込んで構成される。燃料電池スタック10には、水素や空気及び冷却水が通流するマニホールド14が形成されている。マニホールド14は、積層された単セル11を貫通するように形成される。
図2(B)に示すように、単セル11は長方形のプレート状に形成される。単セル11は、短辺に沿って作動ガスや冷却水が通流するマニホールド14を形成する連通孔を備える。これらの連通孔は、水素入口孔114、冷却水出口孔115、空気出口孔116、空気入口孔117、冷却水入口孔118及び水素出口孔119である。水素入口孔114と水素出口孔119とは、対角に位置する。同様に空気入口孔117と空気出口孔116とについても、対角に位置する。例えば、図2(B)に示すように水素入口孔114が単セル11の左上方に位置する場合には、右下方に水素出口孔119が位置する。同様に冷却水入口孔118は、空気入口孔117と水素出口孔119との間に形成される。冷却水出口孔115は、水素入口孔114と空気出口孔116との間に形成される。
水素は、図2(A)の左側のマニホールド14に矢印Cの方向から供給される。そして水素は、アノードセパレータ111とMEAプレート112との間を通流して右側のマニホールド14から矢印Dの方向に排出される。また、空気は右側のマニホールド14から供給され、MEAプレート112とカソードセパレータ113との間を通流して左側のマニホールド14から排出される。図2(A)の矢印Eは、供給される作動ガスの通流する方向を示し、上流から下流に向かうことを示している。MEAプレート112とアノードセパレータ111及びカソードセパレータ113との間は、水素と空気と冷却水と大気とが互いに接触することを防ぐためにそれぞれシールされる。
図3は、燃料電池スタック10を構成する単セル11を示す図であり、MEAプレート112とアノードセパレータ111との間を通流する水素の流路及びMEAプレート112とカソードセパレータ113との間を通流する空気の流路を示す図である。マニホールド14を形成する連通孔は、図2(B)に示したように長辺方向両端に3箇所ずつ形成されているが、図3では単セル11内部の水素及び空気の通流方向を明確に示すために連通孔は両端に1箇所ずつ表示する。
MEAプレート112は、中央に膜−電極接合体12(Membrane Electrode Assemblies、以下「MEA」と略す)を備える。MEA12は、電解質膜の両側に電極を挟み込んで構成する。これらの電極は、アノードセパレータ111側に水素極、カソードセパレータ113側に空気極が配置される。これらの電極は、触媒層とガス拡散層とを有する。触媒層は、電解質膜と接触する側に位置する。ガス拡散層は、触媒層の外側に配置され、セパレータと接触する。
アノードセパレータ111は、MEAプレート112との接触面に水素の流路として多数の溝が形成される。また、カソードセパレータ113にも同様にMEAプレート112との接触面に空気の流路として多数の溝が形成される。
MEA12のアノードセパレータ111側には水素が、カソードセパレータ113側には空気が、それぞれMEA12と接触する。MEA12と接触した水素は、ガス拡散層で拡散して触媒層に到達し、水素イオンと電子とに分離する。また、空気に含まれる酸素はガス拡散層で拡散して触媒層に到達し、電解質膜を通過した水素イオンと電子と反応して水を生成する。この反応の際の電子の移動によって電流が流れる。
また、作動ガス流路の入口から出口に向かって十分な作動ガスが存在すれば、セパレータの面全体で一様な起電力が発生する。一方、作動ガスの流量が不足すると、上流で作動ガスが発電に消費されるため、出口付近において特に起電力が弱まる。さらに、水詰まりによって作動ガスの通流が阻害された場合にも同様に作動ガス流路の出口付近で最も電圧が低下する。
アノードセパレータ111及びカソードセパレータ113は、カーボンなどの導電性を有する材料で形成される。アノードセパレータ111及びカソードセパレータ113は面方向の距離が長くなると抵抗成分が大きくなる。したがって、単セル11の作動ガス流路の出口付近では、セパレータの面方向の抵抗成分によるIR損失も含めて電圧が計測される。
そこで、単セル11の作動ガス流路の出口付近に電圧計測端子13を設けることによって、いずれかの単セル11で電圧低下が生じた場合に、いち早く検出することできる。本実施形態では図3に示すように、電圧計測端子13をカソードセパレータ113の空気出口付近に設ける。
図4は、燃料電池スタック10を通流する作動ガスの分配性能を示すグラフである。縦軸は分配性能、横軸は作動ガスの通流方向を示している。作動ガスの通流方向は、積層された単セルの位置と対応する。分配性能とは、平均ガス流量を100%としたときのセルを通流する作動ガスの流量であり、この値が大きくなるとセルを通流する作動ガスの流量も大きくなる。また、平均ガス流量とは単セル1枚を通流する作動ガスの平均流量であって、燃料電池スタック11に投入された全作動ガスの流量を単セルの総数で割った量である。
図4に示すように、燃料電池スタック10は、作動ガスの流れる方向に対してセルが上流に位置するほど分配性能が大きくなる傾向を示している。そこで、本実施形態では100%以上の分配性能を有する位置を上流とし、100%未満の位置を下流と定義することができる。なお、横軸は図2(A)の矢印Eの示す上流・下流と対応する。
また、単セルの位置と作動ガスの流量との関係を表すマップは、図4に示すグラフから導出することができる。制御装置30は、このマップをあらかじめ備えておくことによって、電圧の低下した単セルの位置から単セルを通流する作動ガスの流量を求めることができる。
前述のように、単セルが下流に位置するほど通流するガス流量が少なくなっている。したがって、電解質膜を覆うガス拡散層の表面に付着した水滴は、ガス流路の下流においてガスの通流によって受ける力が弱くなる。そのため、水滴が外部に排出されにくくなり、水詰まりが発生しやすくなる。よって、作動ガスの流路の下流で電圧が大きく低下した場合には、水詰まりが発生したものと判断できる。一方、電圧降下が作動ガスの流路の上流で起こった場合には、膜乾燥など水詰まり以外の要因によるものと判断できる。
本願発明における燃料電池の制御装置30の制御を図5のフローチャートに基づいて説明する。本ルーチンの実行に先立って、制御装置30はアクセル開度などの情報をもとに必要な出力を算出する。制御装置30は、必要な出力に応じた水素流量、空気流量、電流、作動圧力、作動温度を設定して発電を開始する。本ルーチンは、発電開始後に制御装置30によって所定時間毎(例えば10ミリ秒)に周期的に実行される。以下、フローチャートに従って本ルーチンの詳細を説明する。
ステップS10において、制御装置30は、電流値の時間変動を検出する。
ステップS20において、制御装置30は、燃料電池が定常状態であるか否かを判定する。ステップ10において検出した電流値の時間変動が大きい場合には、過渡状態にあるものとしてステップS30に進み、電流値の時間変動が小さく定常状態と判断した場合には、ステップS50に進む。
ステップS30において、制御装置30は、燃料電池全体の発電する電力について総電圧が所定値よりも低下しているか否かを判定する。総電圧が所定値よりも低下している場合にはステップS40に進む。この所定値は、燃料電池が要求されている出力から算出する。また、総電圧が所定値よりも低下していない場合には、過渡的な電圧降下が起こったために一時的に電圧が低下したものとして、電圧の復帰処理を行わずに本ルーチンを抜ける。
ステップS40において、制御装置30は、電流値を低く設定することによって電圧を安定させ、本ルーチンを抜ける。
ステップS50において、制御装置30は、特定セルの電圧が所定値よりも低下しているか否かを判定する。この値は、燃料電池全体に要求した総電圧から計算できる単セル1枚あたりの電圧の平均値から導出する。特定セルの電圧が所定値よりも低下していない場合には、正常に運転しているものとして本ルーチンを抜ける。一方、特定セルの電圧が所定値よりも低下した場合には、ステップS60に進む。
ステップS60において、制御装置30は、総電圧が所定値よりも低下しているか否かを判定する。総電圧が所定値よりも低下していない場合には、ステップS70に進む。総電圧が所定値よりも低下した場合には、ステップS40に進む。この状態を長時間放置すると、発電によって発熱量が増大して作動温度が上昇し、電解質膜を劣化させる可能性がある。そこで、制御装置30は、ステップS40において、電流値を低く設定して電圧を安定させる。
ステップS70において、制御装置30は、電圧が低下したセルが下流に位置しているか否かを判定する。電圧が低下したセルが下流に位置している場合には、水詰まりを原因とする電圧低下と判断し、ステップS80に進む。一方、電圧が低下したセルが上流に位置している場合には、膜乾燥と判断してステップS110に進む。
ステップS80において、制御装置30は、セル電圧が脈動しているか否かを判定する。セル電圧が脈動していない場合には、ステップS90に進み、セル電圧が脈動している場合には、ステップS100に進む。
ステップS90において、制御装置30は、空気の流量を増大させる。セル電圧の原因は、水詰まりによる電圧降下と判断されているため、空気の流量を増大させて、電解質膜を覆うガス拡散層の表面に付着した水を飛散させることによって水詰まりを解消させることができる。
ステップS100において、制御装置30は、燃料電池スタック11内部の作動圧力を低下させて作動温度を上昇させる。セル電圧の脈動は、ガス拡散層や触媒層の表面に形成された細孔(ポア)内に水滴が詰まったり、離れたりすることによって発生する。例えば、ガス拡散層のポアに詰まった水滴が作動ガスの通流などによって離れると、ガス拡散性が復帰してセル電圧が上昇する。一方、ポアから離れた水滴が別のポアに詰まってしまうと、ガス拡散性が悪化して電圧が降下する。そこで、燃料電池スタック10内の作動圧力を低下させたり作動温度を上昇させることによって、水滴の蒸発を促進させてポアに詰まった水滴を効果的に除去することができる。ポア内に詰まった水は、作動ガスの流体力によって除去することが困難であるため、このように蒸発による拡散が最も効果的な除去方法となる。
ステップS110において、制御装置30は、空気の流量低下、水素の加湿、作動圧力の上昇及び作動温度の低下を実行する。これにより、電解質膜に含まれる水分を増量させるとともに蒸発を抑えて、電解質膜を湿潤状態として乾燥を防ぐことができる。
本実施形態によれば、電圧の低下した単セルを検出するとともに電圧の低下した単セルの位置や電圧の変化などから電圧の低下した原因を判断することができる。したがって、電圧の低下した原因に応じた電圧の復帰処理を適切に行うことができ、安定した発電を行なうことができる。
また、本実施形態によれば、総電圧が低下した場合に局所的に大きな電圧がかかることによってMEAの劣化を招くおそれがあるが、負荷電流を低下させることによって局所的な負荷の増大を抑制し、MEAの劣化を最小限に抑えることができる。
さらに、本実施形態によれば、過渡応答時の総電圧低下やセル電圧の低下を検知判断することによって診断精度を向上させ、安定した発電を行うことができる。
以上説明した実施形態に限定されることなく、その技術的思想の範囲内において種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明と均等であることは明白である。
例えば、電圧計測端子はすべての単セルに設けてもよいし、一定枚数ごとに設けてもよい。また、電圧計測端子を設けた単セルは、水詰まりや膜乾燥の発生しやすい位置に重点的に配置してもよい。
本発明による燃料電池制御装置を採用した燃料電池車両の概略構成図である。 本発明による燃料電池制御装置が制御する燃料電池スタックである。 本発明による燃料電池制御装置が制御する燃料電池スタックに用いられるセルの詳細図である。 本発明による燃料電池制御装置の制御対象である燃料電池スタックを通流する作動ガスの流量の分配性能を示すグラフである。 本発明による燃料電池制御装置の制御を示すフローチャートである。
符号の説明
10 燃料電池スタック
11 単セル
12 MEA(電解質膜、水素極、空気極)
13 電圧計測端子(セル電圧検出手段)
20 電圧検出装置
30 制御装置(電圧調整装置)
ステップS40,S90,S100,S110 電圧復帰手段

Claims (14)

  1. 空気極と水素極とに挟まれた電解質膜を含む単セルを複数積層し、前記空気極側に空気が通流するとともに、前記水素極側に水素が通流して発電する燃料電池スタックを制御する燃料電池の電圧調整装置であって、
    前記単セルの電圧を計測するセル電圧計測手段と、
    前記セル電圧計測手段によって計測された電圧が低下したときに、電圧の低下した単セルが配置された領域に応じて異なる態様でセル電圧を復帰させるセル電圧復帰手段と、
    を備える燃料電池の電圧調整装置。
  2. 前記セル電圧復帰手段は、単セルの配置と単セルを通流する空気又は水素の流量との関係を表したマップをあらかじめ備え、
    前記マップに基づいて、電圧の低下した単セルが、単セル1枚あたりに通流する空気又は水素の平均流量よりも多くの空気又は水素が通流する領域に配置されているか否かによって異なる態様でセル電圧を復帰させる、
    ことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池の電圧調整装置。
  3. 前記セル電圧計測手段は、通流する空気又は水素の流量が平均流量よりも少ない領域に配置された単セルに設けられる、
    ことを特徴とする請求項2に記載の燃料電池の電圧調整装置。
  4. 前記セル電圧計測手段は、通流する空気又は水素の流量が平均流量よりも多い領域に配置された単セルに設けられる、
    ことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の燃料電池の電圧調整装置。
  5. 前記セル電圧復帰手段は、電圧の低下した単セルが、通流する空気又は水素の流量が平均流量よりも少ない領域に配置されているときに、前記燃料電池スタックに供給する空気又は水素の流量を増量する、
    ことを特徴とする請求項2から請求項4までのいずれか1項に記載の燃料電池の電圧調整装置。
  6. 前記セル電圧復帰手段は、電圧の低下した単セルが、通流する空気又は水素の流量が平均流量よりも少ない領域に配置され、さらにセル電圧の脈動を起こしているときに、前記燃料電池スタック内部の作動圧力を低下させる、
    ことを特徴とする請求項2から請求項5までのいずれか1項に記載の燃料電池の電圧調整装置。
  7. 前記セル電圧復帰手段は、電圧の低下した単セルが、通流する空気又は水素の流量が平均流量よりも少ない領域に配置され、さらにセル電圧の脈動を起こしているときに、前記燃料電池スタック内部の作動温度を上昇させる、
    ことを特徴とする請求項2から請求項6までのいずれか1項に記載の燃料電池の電圧調整装置。
  8. 前記セル電圧復帰手段は、電圧の低下した単セルが、通流する空気又は水素の流量が平均流量よりも多い領域に配置されているときに、前記燃料電池スタックに供給する空気又は水素の流量を減量する、
    ことを特徴とする請求項2から請求項7までのいずれか1項に記載の燃料電池の電圧調整装置。
  9. 前記セル電圧復帰手段は、電圧の低下した単セルが、通流する空気又は水素の流量が平均流量よりも多い領域に配置されているときに、前記燃料電池スタックに供給する空気又は水素の加湿量を増量する、
    ことを特徴とする請求項2から請求項8までのいずれか1項に記載の燃料電池の電圧調整装置。
  10. 前記セル電圧復帰手段は、電圧の低下した単セルが、通流する空気又は水素の流量が平均流量よりも多い領域に配置されているときに、前記燃料電池スタック内部の作動圧力を上昇させる、
    ことを特徴とする請求項2から請求項9までのいずれか1項に記載の燃料電池の電圧調整装置。
  11. 前記セル電圧復帰手段は、電圧の低下した単セルが、通流する空気又は水素の流量が平均流量よりも多い領域に配置されているときに、前記燃料電池スタック内部の作動温度を低下させる、
    ことを特徴とする請求項2から請求項10までのいずれか1項に記載の燃料電池の電圧調整装置。
  12. 前記セル電圧復帰手段は、セル電圧が低下するとともに総電圧が所定値よりも低下したときには、電流値を低く設定する、
    ことを特徴とする請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載の燃料電池の電圧調整装置。
  13. 電流値の時間変動をともないながら総電圧が所定値よりも低下したときに、電流値を低く設定する、
    ことを特徴とする請求項1から請求項12までのいずれか1項に記載の燃料電池の電圧調整装置。
  14. 電流値の時間変動をともないながらも総電圧が所定値よりも大きいときには、過渡応答遅れと判断して定常状態となるまで待機する、
    ことを特徴とする請求項1から請求項13までのいずれか1項に記載の燃料電池の電圧調整装置。
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