JP2007005492A - 絶縁ゲート型半導体装置およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来構造ではソース領域およびボディ領域(バックゲート領域)が共通のソース電極とコンタクトしており、ソース領域とバックゲート領域の電位を個別に制御することができない。従って、このようなMOSFETを双方向スイッチング素子に用いる場合には、2つのMOSFETを直列に接続し、制御回路によってMOSFETのオンオフおよび寄生ダイオードの制御を行っており、装置の小型化を阻んでいた。
【解決手段】ソース領域にコンタクトする第1電極層とボディ(バックゲート)領域にコンタクトする第2電極層を設ける。第1電極層と第2電極層は絶縁され、それぞれトレンチの延在方向と異なる方向に延在する。第1電極層と第2電極層に個別に電位を印加でき、寄生ダイオードによる逆流を防止する制御が行える。従って1つのMOSFETで双方向のスイッチング素子が実現できる。
【選択図】 図1
【解決手段】ソース領域にコンタクトする第1電極層とボディ(バックゲート)領域にコンタクトする第2電極層を設ける。第1電極層と第2電極層は絶縁され、それぞれトレンチの延在方向と異なる方向に延在する。第1電極層と第2電極層に個別に電位を印加でき、寄生ダイオードによる逆流を防止する制御が行える。従って1つのMOSFETで双方向のスイッチング素子が実現できる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、絶縁ゲート型半導体装置およびその製造方法に係り、バックゲートを分離することにより1つのチップで双方向のスイッチング動作を可能とした絶縁ゲート型半導体装置およびその製造方法に関する。
図16に、従来の半導体装置の一例としてnチャネル型のMOSFETを示す。図16(A)は平面図であり図16(B)は、図16(A)のf−f線断面図である。尚、図16(A)では層間絶縁膜を省略し、ソース電極を破線で示す。
図16(A)の如く、基板表面においてトレンチ44はストライプ状に形成され、トレンチ44に隣接してソース領域48およびボディ領域49が配置される。トレンチ44、ソース領域48、ボディ領域49は同一の方向に延在する。
図16(B)の如く、nチャネル型のMOSFETは、n+型の半導体基板41の上にn−型のエピタキシャル層からなるドレイン領域42を設け、その上にp型のチャネル層43を設ける。チャネル層43からドレイン領域42まで到達するトレンチ44を設け、トレンチ44の内壁をゲート酸化膜45で被膜し、トレンチ44にゲート電極46を埋設する。
トレンチ44に隣接したチャネル層43表面にはn+型のソース領域48が形成され、隣り合う2つのセルのソース領域48間のチャネル層43表面にはp+型のボディ領域49が形成される。トレンチ44上は層間絶縁膜50で覆い、ソース領域48およびボディ領域49とコンタクトするソース電極51を設ける。ソース電極51は、ソース領域48およびボディ領域49上に連続して設けられる。また、基板裏面にはドレイン電極52を設ける。
上記のMOSFETは、例えば二次電池の充放電のバッテリーマネージメントを行う保護回路装置に採用される。
図17は、保護回路装置の一例を示す回路図である。
二次電池LiBに直列に2個のMOSFETQ1、Q2を接続する。MOSFETQ1、Q2はドレインDを共通接続し、両端にそれぞれのソースSが配置され、各々のゲートGは制御回路ICに接続されている。制御回路ICは、二次電池LiBの電圧を検知しながら2個のMOSFETQ1、Q2のオンオフ制御を行い、過充電、過放電あるいは負荷ショートから二次電池LiBを保護している(例えば特許文献1参照。)。
例えば、制御回路ICは、電池電圧を検出し、検出した電圧が最高設定電圧よりも高いときにMOSFETQ2をオフに切り替え、二次電池LiBの過充電を阻止する。また、検出した電圧が最低設定電圧よりも低いときにMOSFETQ1をオフに切り替え、二次電池LiBの過放電を阻止する。
特開2002−118258号公報
図16の如く、従来のMOSFETは、ボディ領域49とソース領域48が共通でソース電極51に接続しており、これらの電位が固定されている。そして、MOSFETを双方向のスイッチング素子に利用する場合には、2つのMOSFETを直列に接続し、それぞれのソース電極51の電位を切り換え、双方向に電流経路を形成する。
これは、MOSFETは寄生ダイオードが内蔵されているためである。つまり、ボディ領域49(すなわちバックゲート領域)とソース領域48の電位が固定されているMOSFETでは、オフ時における寄生ダイオードの順方向動作は避けられない。
従って、MOSFETのオフ時に、寄生ダイオードによって要求しない電流経路が形成されないよう、制御する必要がある。
そのため、図17の如く、同一セル数、同一チップサイズの2つのMOSFETを直列に接続し、制御回路によってMOSFETQ1、Q2およびこれらの寄生ダイオードの制御を行う。これにより所望の電流経路を形成している。
ところで、MOSFETにおいてオン抵抗を低減するにはある程度のセル数およびチップサイズが必要となる。一方、二次電池は携帯端末のバッテリーとして普及しており、携帯端末の小型化に伴いその保護回路も小型化の要求が高まっている。しかし、2つのMOSFETQ1、Q2を直列接続する上記の保護回路では、その要求に応えるには限界があった。
本発明はかかる課題に鑑みてなされ、第1に、一導電型半導体基板に一導電型半導体層を積層したドレイン領域と、前記半導体層表面に設けた逆導電型のチャネル層と、前記半導体層表面において第1方向に延在し、チャネル層を貫通する深さを有するトレンチと、該トレンチの内壁に設けたゲート絶縁膜と、前記トレンチに埋め込まれたゲート電極と、前記トレンチに隣接し前記チャネル層表面に設けられた一導電型のソース領域と、前記トレンチおよび前記ソース領域に隣接し前記チャネル層表面に設けられた逆導電型のボディ領域と、前記ソース領域上に設けられ、前記半導体層表面において第2方向に延在する第1電極層と、前記ボディ領域上に設けられ、前記半導体層表面において第2方向に延在する第2電極層と、を具備することにより解決するものである。
第2に、一導電型の半導体基板に一導電型半導体層を積層し、該半導体層表面に逆導電型のチャネル層を形成する工程と、前記半導体層表面において第1方向に延在し、チャネル層を貫通する深さを有するトレンチを形成する工程と、前記トレンチの内壁にゲート絶縁膜を形成する工程と、前記トレンチに埋め込まれたゲート電極を形成する工程と、前記トレンチに隣接する前記チャネル層表面に一導電型のソース領域を形成する工程と、前記トレンチおよび前記ソース領域に隣接する前記チャネル層表面に逆導電型のボディ領域を形成する工程と、前記ソース領域とコンタクトし、前記半導体層表面において第2方向に延在する第1電極層を形成する工程と、前記ボディ領域とコンタクトし、前記半導体層表面において第2方向に延在する第2電極層を形成する工程と、を具備することにより解決するものである。
本実施形態によれば、第1に、ソース電極とドレイン電極を、個別にボディ領域(バックゲート領域)に接続できる。これにより、1つのMOSFETでソース領域とバックゲート領域を短絡した状態と、ドレイン領域とバックゲート領域を短絡した状態を切り換えることができる。
これにより、MOSFETのオフ時に寄生ダイオードにより形成される、要求しない電流経路(所望の電流経路に対して逆向きとなる電流経路)を遮断することができる。
従って、1つのMOSFETのチップで、双方向の電流経路を切り換え、且つ電流の逆流を防止することが可能となる。
第2に、層間絶縁膜をトレンチ内に埋め込むことにより、第1電極層および第2電極層がコンタクトする基板表面の平坦化が実現できる。すなわち層間絶縁膜によるステップカバレジが発生しない。ストライプ状に第1電極層および第2電極層が形成されるため、それぞれソース領域およびボディ領域と十分なコンタクトが取れ、高い密着性も確保できる。
第3に、ソース領域12、ボディ領域13、層間絶縁膜10の各形成工程において3枚のマスクを用いるにもかかわらず、マスク合わせずれは1枚分を考慮すればよい。すなわち、3工程で3枚分のマスク合わせずれを考慮していた従来と比較して、トレンチ間距離を近接できる。従って、動作面積の拡大が可能となる。これにより、同一チップサイズであればオン抵抗の低減が可能となり、同一セル数であればチップサイズの縮小化が可能となるものである。
第4に、1個のMOSFETのチップで双方向のスイッチング動作が可能な素子が実現でき、例えば二次電池の保護回路に採用する場合などにおいて、部品点数の削減と、装置の小型化を実現できる。
本発明の実施の形態を、図1から図15を参照し、nチャネル型のトレンチ構造のMOSFETを例に説明する。
まず、図1から図11を参照して第1の実施形態を説明する。図1は、MOSFETを示す斜視図である。図1(A)は、第1および第2電極層を配置した図であり、図1(B)は、第1および第2電極層を破線で示した図である。また、図2は断面図であり、図2(A)が図1(A)のa−a線断面図であり、図2(B)が図1(A)のb−b線断面図である。
MOSFET20は半導体基板1と、半導体層2と、チャネル層3と、トレンチ5と、ゲート絶縁膜6と、ゲート電極7と、ソース領域12と、ボディ領域13と、層間絶縁膜10と、第1電極層14と、第2電極層15、ドレイン電極16とから構成される。
基板は、n+型のシリコン半導体基板1の上にn−型のエピタキシャル層2を積層するなどしてドレイン領域を設けたものである。ドレイン領域2表面にはp型の不純物領域であるチャネル層3を設ける。
トレンチ5は、チャネル層3を貫通しドレイン領域2に達する深さに設けられる。また、n−型エピタキシャル層2(チャネル層3)表面におけるパターンは、第1方向に延在するストライプ状に形成される(図1(B)参照)。
図2を参照し、トレンチ5内壁は駆動電圧に応じたゲート絶縁膜6で被覆される。ゲート電極7は、不純物を導入して低抵抗化を図ったポリシリコンをトレンチ5内に埋設したものである。ゲート電極7は、その上部がトレンチ5開口部すなわちチャネル層3表面より数千Å程度下方に設けられる。
ソース領域12は、高濃度のn型の不純物をトレンチ5に隣接するよう拡散して設ける。ソース領域12はトレンチ5開口部の周囲のチャネル層3表面に設けられ、またその一部はトレンチ5側壁に沿ってトレンチ5深さ方向に延び、ゲート絶縁膜6を介してゲート電極7まで達する深さに設けられる。図2(A)に示す断面において、隣り合うトレンチ5間にはソース領域12のみ配置される。また、トレンチ5の延在方向に沿って隣り合うソース領域12は所定の間隔で離間して配置され、それらの間にボディ領域13が配置される。つまり、1つのソース領域12はトレンチ5の同一側壁に沿って配置される2つのボディ領域13と隣接する(図1(B)参照)。
ボディ領域13は高濃度のp型の不純物をトレンチ5に隣接するよう拡散して設ける。ボディ領域13はトレンチ5開口部の周囲のチャネル層3表面に設けられる。図2(B)に示す断面において、隣り合うトレンチ5間にはボディ領域13のみ配置される。また、トレンチ5の延在方向に沿って隣り合うボディ領域13は所定の間隔で離間して配置され、それらの間にソース領域12が配置される。つまり、1つのボディ領域13はトレンチ5の同一側壁に沿って配置される2つのソース領域12と隣接する(図1(B)参照)。
層間絶縁膜10は、その全体がトレンチ5内に埋め込まれる。ゲート電極7上端(表面)はチャネル層3表面から数千Å程度下方に位置しており、そのゲート電極7の上からチャネル層3表面までのトレンチ5内に層間絶縁膜10がすべて埋設され、基板表面に突出する部分はない(図2参照)。
第1電極層14は、ゲート電極7および層間絶縁膜10上においては、ほぼ平坦に設けられてソース領域12とコンタクトする。層間絶縁膜10がトレンチ5内に埋め込まれているため、ソース電極14は層間絶縁膜10上において段差があまりなくほぼ平坦に設けられる。第1電極層14は、ソース領域12上に設けられn−型エピタキシャル層2(チャネル層3)表面において第2方向に延在する。
第2電極層15は、ゲート電極7および層間絶縁膜10上においては、ほぼ平坦に設けられてボディ領域13とコンタクトする。層間絶縁膜10がトレンチ5内に埋め込まれているため、第2電極層15は層間絶縁膜10上において段差があまりなくほぼ平坦に設けられる。第2電極層15は、ボディ領域13上に設けられn−型エピタキシャル層2(チャネル層3)表面において第2方向に延在する。
第1電極層14および第2電極層15は交互に配置され、トレンチ5の延在方向に直交する方向に延在する。第1電極層14および第2電極層15はそれぞれ所定の間隔で離間して設けられ、これらの表面に設けられる表面保護膜(不図示)により絶縁される。また、n+型半導体基板1裏面には、金属蒸着等によりドレイン電極(不図示)が形成される。
層間絶縁膜10をトレンチ5に埋め込むことで、ゲート電極7の上方において第1電極層14がほぼ平坦にソース領域12とコンタクトし、第2電極層15がほぼ平坦にボディ領域13とコンタクトする。第1電極層14および第2電極層15が、それぞれストライプ状で離間して形成されるパターンであり、それぞれソース領域12およびボディ領域13とのコンタクト不良を低減できる。また、ステップカバレジの悪化による空隙の発生や、ワイヤボンド時のクラックを防止でき、信頼性が向上する。
本実施形態によれば、一つのチップを構成するMOSFET20において、第1電極層14に印加する電位と、第2電極層15に印加する電位をそれぞれ個別に制御できる。すなわち、ソース領域12と、ボディ領域13(以下バックゲート領域)の電位関係を個別に制御可能となる。
つまり、本実施形態のMOSFET20は、双方向の電流経路の切り換えを行う双方向スイッチング素子を1つのチップで実現できるものであり、以下これについて説明する。
図3から図5は、図1のMOSFET20を双方向スイッチング素子に用いた場合の一例を示す図である。図3は、二次電池の保護回路を示す回路図である。図4および図5はMOSFET20がオフ状態の場合を示す概要図である。
図3の如く、保護回路22は、スイッチング素子である1つのMOSFET20と、制御回路24とを備える。
MOSFET20は、二次電池21と直列に接続され、二次電池21の充電および放電を行う。MOSFET20には、双方向の電流経路が形成される。
制御回路24は、MOSFET20のゲートGに制御信号を印加する1つの制御端子29を備える。
制御回路24は、充放電動作の場合は、MOSFET20をオンに切り換え、MOSFETのソースSおよびドレインDの電位に応じて二次電池21の充電方向および二次電池21の放電方向に電流が流れるようにする。また、例えば充放電動作のオフ時や、充放電の切り換え時などには、MOSFET20はオフ状態となる。そしてこのときMOSFET20に内蔵されている寄生ダイオードによって、所望の経路と逆向きに形成される電流経路を遮断する。すなわち、MOSFET20のオフ時には、ソースSまたはドレインDのいずれか低い電位の端子をバックゲートに接続し、寄生ダイオードによる電流経路を遮断する。
具体的には、充電の場合、ドレインDを電源電位VDD、ソースSを接地電位GNDとする。そして、ゲートGに所定の電位を印可してMOSFET20をオン状態とし、充電方向(矢印X)に電流経路を形成する。
次に、放電の場合、ドレインDを接地電位GND、ソースSを電源電位VDDとする。そして、ゲートGに所定の電位を印可してMOSFET20をオン状態とし、放電方向(矢印Y)に電流経路を形成する。
図4および図5を参照し、MOSFET20のオフ状態について説明する。図4は、充電時にMOSFET20をオフした場合を示し、図5は、放電時にMOSFET20をオフした場合を示す。尚、図4および図5は図1(A)のc−c線断面に相当する概要図である。
図4の如く、充電から放電への切り換え時、または過充電時など、充電状態でMOSFET20をオフする場合には、制御回路24によってソースSとバックゲートBGをショートさせる。
この場合、ドレイン電極16(ドレインD)に電源電位VDDが印加され、第2電極層15(バックゲートBG)と第1電極層14(ソースS)がショートして接地される。ドレインDは電源電位VDDであるので、寄生ダイオードとしては逆バイアス状態となる。つまり、寄生ダイオードによる電流経路が遮断されるので逆流を防止できる。また、ドレインDがバックゲートBGより高電位であり、寄生バイポーラ動作を起こすことはない。
一方、図5の如く、放電から充電への切り換え時、または過放電時など、放電状態でMOSFET20をオフする場合には、制御回路24によってドレインDとバックゲートBGをショートさせる。
この場合、ドレイン電極16(ドレインD)と第2電極層15(バックゲートBG)とがショートして接地され、第1電極層14(ソースS)に電源電位VDDが印加される。
ソースSは電源電位VDDであるので、寄生ダイオードとしては逆バイアス状態となり、寄生ダイオードによる電流経路が遮断されるので、逆流を防止できる。また、ドレインDとバックゲートBGと同電位であり、寄生バイポーラ動作を起こすことはない。
このように、本実施形態では、ソース領域12に接続する第1電極層14と、バックゲート領域13に接続する第2電極層15が個別に形成されている。従って、第1電極層14と第2電極層15にそれぞれ所定の電位を印加し、1つのMOSFET20を用いて、双方向のスイッチングを制御することが可能となる。
次に、図6から図11を参照して第1の実施形態の絶縁ゲート型半導体装置の製造方法をnチャネル型のトレンチ構造のMOSFETを例に説明する。
第1工程(図6):一導電型の半導体基板に一導電型半導体層を積層し、半導体層表面に逆導電型のチャネル層を形成する工程。
n+型シリコン半導体基板1に、ドレイン領域となるn−型のエピタキシャル層2を積層するなどした基板を準備する。表面に酸化膜(不図示)を形成した後、予定のチャネル層3の部分の酸化膜をエッチングして基板1表面を露出する。この酸化膜をマスクとして全面に例えばドーズ量1.0×1012〜13cm-2、加速エネルギー50KeV程度でボロン等を注入した後、拡散してp型で厚み約1.5μm程度のチャネル層3を形成する。
第2工程(図7):半導体層表面において第1方向に延在し、チャネル層を貫通する深さを有するトレンチを形成する工程。
まず、全面にCVD法によりNSG(Non−doped Silicate Glass)のCVD酸化膜4を厚さ3000Åに生成する。その後レジスト膜によるマスクによりCVD酸化膜4をドライエッチングして部分的に除去し、チャネル層3を露出させ、レジスト膜を除去する。引き続き、CVD酸化膜4をマスクとして露出した基板1をCF系およびHBr系ガスにより異方性ドライエッチングし、チャネル層3を貫通してドレイン領域2まで達する約2.0μmの深さのトレンチ5を形成する。トレンチ5の幅は0.5μm程度とする
トレンチ5は、チャネル層3表面において、第1方向に延在するストライプ状にパターンニングされる。
トレンチ5は、チャネル層3表面において、第1方向に延在するストライプ状にパターンニングされる。
第3工程(図8):トレンチの内壁にゲート絶縁膜を形成する工程。
ダミー酸化をしてトレンチ5内壁とチャネル層3表面に酸化膜(不図示)を形成してドライエッチングの際のエッチングダメージを除去し、その後、この酸化膜とトレンチエッチングのマスクとなったCVD酸化膜4をエッチングにより除去する。その後、ゲート酸化膜6を形成する。すなわち、全面を熱酸化してゲート酸化膜6を、駆動電圧に応じて例えば厚み約300Å〜700Åに形成する。
第4工程(図9):トレンチに埋め込まれたゲート電極を形成する工程。
全面に高濃度不純物を含むポリシリコン層7aを堆積する、あるいは、全面にノンドープのポリシリコン層を付着し、高濃度不純物をデポジションし拡散して高導電率化を図る(図9(A))。その後、全面をマスクなしでドライエッチする。このとき、トレンチの開口部よりも下方にポリシリコン層7aの上部が位置するようにオーバーエッチングし、トレンチ5に埋設されたゲート電極7を設ける。ゲート電極7上部は、トレンチ5開口部よりも8000Å程度下方に位置し、トレンチ5開口部付近のトレンチ5側壁のゲート酸化膜6が露出する(図9(B))。
第5工程(図10および図11):トレンチに隣接するチャネル層表面に一導電型のソース領域を形成する工程、およびトレンチとソース領域に隣接するチャネル層表面に逆導電型のボディ領域を形成する工程。
ソース領域の形成領域のチャネル層3表面が露出するストライプ状のマスク(不図示)を設ける。全面に例えば砒素をドーズ量5.0×1015cm−2程度でイオン注入して、チャネル層3表面にn+型不純物をドープしてn型不純物領域12’を形成する。尚ここでは図2(A)に相当する断面図を示す(図10(A))。
次に、ボディ領域が形成される領域のチャネル層3表面が露出するようにストライプ状のマスク(不図示)を設ける。尚、ここでは、図2(B)に相当する断面図を示す。
全面に例えばボロンをドーズ量5.0×1014cm−2程度でイオン注入し、露出したチャネル層3表面にp型不純物領域13’を形成する(図10(B))。
全面にTEOS膜(不図示)を2000Å程度積層した後、BPSG(Boron Phosphorus Silicate Glass)層10aをCVD法により6000Å程度付着後、SOG(Spin On Glass)層10bを形成する。
その後、平坦化のための熱処理を行い、これにより、n型不純物領域12’およびp型不純物領域13’を拡散する。そして、図2(A)に相当する断面においてn型のソース領域12がチャネル層3表面に形成される。ソース領域12は、ゲート絶縁膜6を介してゲート電極7と隣接する(図11(A))。
同様に図2(B)に相当する断面においてもp型のボディ領域13がチャネル層3表面に形成される。ボディ領域13は、ゲート絶縁膜6を介してゲート電極7と隣接する(図11(B))。
ボディ領域13およびソース領域12は、トレンチ5の同一側壁に沿って交互に配置される。また、トレンチ5が延在する第1方向に対して直交する第2方向において、隣り合うトレンチ5間には、ソース領域12またはボディ領域13のいずれか一方のみが配置される(図1(B)参照。)。
その後、全面をエッチバックしてチャネル層3表面を露出して、トレンチ5に埋め込まれた層間絶縁膜10を形成する。ここで、エッチバックの際には、膜残り防止のため、若干オーバーエッチすることが望ましい。具体的には、終点検出を用いてチャネル層3表面のシリコンが露出するまで層間絶縁膜10をエッチングし、その後更に、オーバーエッチする。これにより、層間絶縁膜10はゲート電極7上でトレンチ5内に完全に埋設され、基板表面への突出がないため層間絶縁膜10形成後の基板表面はほぼ平坦となっている。
このように本実施形態では、マスクを設けずに層間絶縁膜10が形成できる。ここでは、図2(A)に相当する断面を示すが、図2(B)に相当する断面においても同様に層間絶縁膜10がトレンチ5内に埋設される。(図11(C))。
従来では、図16の如く、ソース領域48およびボディ領域49をトレンチ44と平行に形成していた。層間絶縁膜50の形成工程、ソース領域48およびボディ領域49の3工程では3枚のマスクが必要であり、トレンチ44−ソース領域48、およびトレンチ44−ボディ領域49の位置合わせのため、3枚分のマスク合わせずれを考慮する必要があった。
しかし、本実施形態では、トレンチ5の延在方向に対して、ソース領域12およびボディ領域13が垂直に延在するように形成する。従って、層間絶縁膜10形成工程、ソース領域12およびボディ領域13形成工程で3枚のマスクが必要であるにも関わらず、1枚分のマスク合わせずれを考慮するのみでよい。
つまり、従来と比較して、マスクの合わせずれを考慮するために確保していたトレンチ間距離を近接できる。従って、動作面積の拡大が可能となる。これにより、同一チップサイズであればオン抵抗の低減が可能となり、同一セル数であればチップサイズの縮小化が可能となるものである。
尚、ソース領域12とボディ領域13の形成順を入れ替えても良い。
第6工程(図2(A)):ソース領域とコンタクトし、前記半導体層表面において第2方向に延在する第1電極層を形成する工程。
アルミニウムをスパッタ装置で全面に付着して、所望の形状にパターンニングし、ソース領域12にコンタクトする第1電極層14を形成する。第1電極層14はソース領域12上に設けられチャネル層3表面においてトレンチ5の延在方向に対して垂直方向となる第2方向に延在する。
本実施形態では、ゲート電極7上に層間絶縁膜10が埋め込まれ、ほぼ平坦な第1電極層14が形成できるので、ステップカバレッジを改善することができる。
第7工程(図2(B)):ボディ領域とコンタクトし、半導体層表面において第2方向に延在する第2電極層を形成する工程。
アルミニウムをスパッタ装置で付着して、所望の形状にパターンニングし、ボディ領域13コンタクトする第2電極層15を形成する。第2電極層15はボディ領域13上に設けられチャネル層3表面において第2方向に延在する。第2電極層15は、第1電極層14と離間して平行に配置される。
本実施形態では、ゲート電極7上に層間絶縁膜10が埋め込まれ、ほぼ平坦な第2電極層15が形成できるので、ステップカバレッジを改善することができる。
図12から図15を参照し、本発明の第2の実施形態を説明する。
図12は第2の実施形態の構造を示す図であり、図12(A)は斜視図、図12(B)は図12(A)のd−d線断面図、図12(C)は図12(A)のe−e線断面図である。尚、図12(A)において第1電極層14および第2電極層15は破線で示す。
第2の実施形態は、層間絶縁膜10をトレンチ5内に埋め込まず、チャネル層3表面に突出させる構造である。
すなわち、トレンチ5の開口部付近までゲート電極7が埋設され、ゲート電極7と、トレンチ5周囲に設けられたソース領域12またはボディ領域13の一部を被覆して層間絶縁膜10が設けられる。
第1電極層14および第2電極層15は、チャネル層3表面に突出した層間絶縁膜10の周囲を被覆して設けられ、層間絶縁膜10の間に露出したソース領域12またはボディ領域13とコンタクトする。他の構成は第1の実施形態と同様であるので説明は省略する。
図13から図15を参照し、第2の実施形態のMOSFETの製造方法をnチャネル型を例に説明する。
第1工程から第3工程は、第1の実施形態(図6から図8)と同様であるので説明は省略する。
第4工程(図13):トレンチに埋め込まれたゲート電極を形成する工程。
全面に高濃度不純物を含むポリシリコン層7aを堆積する、あるいは、全面にノンドープのポリシリコン層を付着し、高濃度不純物をデポジションし拡散して高導電率化を図る(図13(A))。その後、全面をマスクなしでドライエッチする。これにより、トレンチ5に埋設されたゲート電極7を形成する。ゲート電極7の表面は、トレンチ5の開口部付近に位置する(図13(B))。
第5工程(図14および図15):トレンチに隣接するチャネル層表面に一導電型のソース領域を形成する工程、およびトレンチおよびソース領域に隣接するチャネル層表面に逆導電型のボディ領域を形成する工程。
ソース領域の形成領域が露出するストライプ状のマスクを設け、全面に例えば砒素をドーズ量5.0×1015cm−2程度でイオン注入して、チャネル層3表面にn+型不純物をドープして一導電型不純物領域12’を形成する。尚ここでは図12(B)に相当する断面図を示す(図14(A))。
次に、ボディ領域が形成される予定のチャネル層3表面が露出するようにストライプ状のマスク(不図示)を設ける。尚、ここでは、図12(C)に相当する断面図を示す。
全面に例えばボロンをドーズ量5.0×1014cm−2程度でイオン注入し、露出したチャネル層3表面に逆導電型型不純物領域13’を形成する(図14(B))。
その後、全面にTEOS膜(不図示)を2000Å程度積層した後、BPSG(Boron Phosphorus Silicate Glass)層10aをCVD法により6000Å程度付着後、SOG(Spin On Glass)層10bを形成し、平坦化のための熱処理(900℃程度)を行う。
この熱処理により図15(A)の如く一導電型不純物領域12’の不純物を拡散し、n型のソース領域12をチャネル層3表面に形成する。同時に図15(B)の如く、逆導電型型不純物領域13’の不純物を拡散し、p型のボディ領域13をチャネル層3表面に形成する。
ソース領域12およびボディ領域13は、ゲート絶縁膜6を介してゲート電極7と隣接する。
ボディ領域13およびソース領域12は、トレンチ5の同一側壁に沿って交互に配置される。また、トレンチ5が延在する第1方向に対して直交する第2方向において、隣り合うトレンチ5間には、ソース領域12またはボディ領域13のいずれか一方のみが配置される(図12(A)参照。)。
その後、新たなレジストによるマスク(不図示)を設け、BPSG膜10a、SOG膜10bをエッチングし、コンタクトホールCHを形成すると共に層間絶縁膜10を形成する。層間絶縁膜10は、ゲート電極7上を覆い、トレンチ5に隣接したソース領域12の一部の上を被覆する(図15(C))。尚、図示は省略するが、ボディ領域13上も同様である。
以降の工程は、第1の実施形態と同様であるので、説明は省略する。
尚、上述の如く、本発明の実施の形態ではnチャネル型MOSFETを例に説明したが、導電型を逆にしたpチャネル型のMOSFETにも適用できる。またバイポーラトランジスタとパワーMOSFETを1チップ内にモノシリックで複合化したIGBTであっても同様に実施できる。
1 n+型シリコン半導体基板
2 n−型エピタキシャル層
3 チャネル層
5 トレンチ
6 ゲート酸化膜
7 ゲート電極
10 層間絶縁膜
12 ソース領域
13 ボディ(バックゲート)領域
14 第1電極層
15 第2電極層
16 ドレイン電極
20 MOSFET
21 二次電池
22 保護回路
24 制御回路
29 制御端子
41 n+型シリコン半導体基板
42 n−型エピタキシャル層
43 チャネル層
44 トレンチ
45 ゲート酸化膜
46 ゲート電極
48 ソース領域
49 ボディ領域
50 層間絶縁膜
51 ソース電極
52 ドレイン電極
2 n−型エピタキシャル層
3 チャネル層
5 トレンチ
6 ゲート酸化膜
7 ゲート電極
10 層間絶縁膜
12 ソース領域
13 ボディ(バックゲート)領域
14 第1電極層
15 第2電極層
16 ドレイン電極
20 MOSFET
21 二次電池
22 保護回路
24 制御回路
29 制御端子
41 n+型シリコン半導体基板
42 n−型エピタキシャル層
43 チャネル層
44 トレンチ
45 ゲート酸化膜
46 ゲート電極
48 ソース領域
49 ボディ領域
50 層間絶縁膜
51 ソース電極
52 ドレイン電極
Claims (13)
- 一導電型半導体基板に一導電型半導体層を積層したドレイン領域と、
前記半導体層表面に設けた逆導電型のチャネル層と、
前記半導体層表面において第1方向に延在し、チャネル層を貫通する深さを有するトレンチと、
該トレンチの内壁に設けたゲート絶縁膜と、
前記トレンチに埋め込まれたゲート電極と、
前記トレンチに隣接し前記チャネル層表面に設けられた一導電型のソース領域と、
前記トレンチおよび前記ソース領域に隣接し前記チャネル層表面に設けられた逆導電型のボディ領域と、
前記ソース領域上に設けられ、前記半導体層表面において第2方向に延在する第1電極層と、
前記ボディ領域上に設けられ、前記半導体層表面において第2方向に延在する第2電極層と、
を具備することを特徴とする絶縁ゲート型半導体装置。 - 前記第1電極層および前記第2電極層を交互に配置することを特徴とする請求項1に記載の絶縁ゲート型半導体装置。
- 前記ゲート電極の表面は前記トレンチの開口部より下方に設けられ、前記ゲート電極上の前記トレンチ内に絶縁膜が埋設されることを特徴とする請求項1に記載の絶縁ゲート型半導体装置。
- 前記ドレイン領域に接続する第3電極層を有し、前記ゲート電極の非電圧印加時に前記第1電極層および前記第3電極層のうちいずれか一方と前記第2電極層を電気的に接続することを特徴とする請求項1に記載の絶縁ゲート型半導体装置。
- 前記第1電極層および第3電極層のうちいずれか低電位の電極層を前記第2電極層と接続することを特徴とする請求項4に記載の絶縁ゲート型半導体装置。
- 前記第1電極層および前記第3電極層のうちいずれか他方は電源電圧が印加されることを特徴とする請求項4に記載の絶縁ゲート型半導体装置。
- 前記ソース領域および前記ドレイン領域の電位に応じて、前記ゲート電極の電圧印加時に前記ソース領域および前記ドレイン領域間に双方向の電流経路が形成されることを特徴とする請求項1に記載の絶縁ゲート型半導体装置。
- 前記第1方向および前記第2方向は直交することを特徴とする請求項1に記載の絶縁ゲート型半導体装置。
- 前記ボディ領域は2つのソース領域間に配置され、該2つのソース領域は1つの前記トレンチの同一の側壁に沿って配置されることを特徴とする請求項1に記載の絶縁ゲート型半導体装置。
- 前記トレンチはストライプ状に形成されることを特徴とする請求項1に記載の絶縁ゲート型半導体装置。
- 一導電型の半導体基板に一導電型半導体層を積層し、該半導体層表面に逆導電型のチャネル層を形成する工程と、
前記半導体層表面において第1方向に延在し、チャネル層を貫通する深さを有するトレンチを形成する工程と、
前記トレンチの内壁にゲート絶縁膜を形成する工程と、
前記トレンチに埋め込まれたゲート電極を形成する工程と、
前記トレンチに隣接する前記チャネル層表面に一導電型のソース領域を形成する工程と、
前記トレンチおよび前記ソース領域に隣接する前記チャネル層表面に逆導電型のボディ領域を形成する工程と、
前記ソース領域とコンタクトし、前記半導体層表面において第2方向に延在する第1電極層を形成する工程と、
前記ボディ領域とコンタクトし、前記半導体層表面において第2方向に延在する第2電極層を形成する工程と、
を具備することを特徴とする絶縁ゲート型半導体装置の製造方法。 - 前記ゲート電極の表面は前記トレンチの開口部より下方に形成され、前記ゲート電極上の前記トレンチ内に絶縁膜を埋設することを特徴とする請求項11に記載の絶縁ゲート型半導体装置の製造方法。
- 前記ドレイン領域に電気的に接続する第3電極層を形成することを特徴とする請求項11に記載の絶縁ゲート型半導体装置の製造方法。
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