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JP2007096040A - 太陽電池の製造方法および太陽電池 - Google Patents

太陽電池の製造方法および太陽電池 Download PDF

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Abstract

【課題】太陽電池に生じる反りを抑制することができる太陽電池の製造方法および太陽電池を提供する。
【解決手段】半導体基板の表面の一部にアルミニウムペーストを印刷する工程と、アルミニウムペーストを焼成することによってアルミニウム含有電極を形成する工程と、アルミニウム含有電極の形成後に半導体基板の表面およびアルミニウム含有電極の表面を覆う絶縁膜を形成する工程と、絶縁膜の表面の一部に銀ペーストを印刷する工程と、銀ペーストを焼成することによって銀含有電極をアルミニウム含有電極の前記表面の少なくとも一部に形成する工程と、を含む、太陽電池の製造方法とその方法により製造することができる太陽電池である。
【選択図】図1

Description

本発明は太陽電池の製造方法および太陽電池に関し、特に太陽電池に生じる反りを抑制することができる太陽電池の製造方法および太陽電池に関する。
太陽光の光エネルギを電気エネルギに変換する太陽電池は、地球環境問題に対する関心が高まるにつれ積極的に種々の構造のものが開発されている。
図8に従来の太陽電池の一例の模式的な断面図を示す。この太陽電池1においては、p型のシリコン基板2の受光面に不純物拡散層であるn+層3が形成されており、n+層3上には反射防止膜4および受光面銀含有電極7が形成されている。また、シリコン基板2の裏面には不純物拡散層であるp+層5が形成されており、p+層5上にはアルミニウム含有電極6が形成され、さらにアルミニウム含有電極6上には裏面銀含有電極8が形成されている。
この従来の太陽電池の製造工程を図9(a)〜(e)の模式的な断面図に示す。まず、たとえばワイヤソーなどを用いて多結晶のp型シリコンインゴッドを切り出すことによって図9(a)に示すp型のシリコン基板2を形成する。ここで、シリコン基板2の表面にはワイヤソーなどによってダメージ層が形成されるため、NaOH(水酸化ナトリウム)やKOH(水酸化カリウム)などの水溶液にイソプロピルアルコールを添加したアルカリ水溶液を用いたエッチングによって、ダメージ層を除去するとともにシリコン基板2の受光面に凹凸(図示せず)を形成する。
次に、シリコン基板2の受光面の全面に、拡散源としてP25(五酸化二リン)などを含むドーパント液をスピンコータなどにより塗布した後に加熱することによって、シリコン基板2の受光面にn型不純物であるリンが拡散して、図9(b)に示すように、シリコン基板2の受光面にn+層3を形成する。
次いで、図9(c)に示すように、CVD法などにより、シリコン基板2の受光面のn+層3上に反射防止膜4を形成する。続いて、スクリーン印刷法などによりシリコン基板2の裏面の略全面にアルミニウムペーストを印刷し、これを乾燥した後に焼成することによって、図9(d)に示すように、シリコン基板2の裏面にアルミニウム含有電極6を形成し、p型不純物であるアルミニウムを多量に含んだp+層5が形成される。
その後、スクリーン印刷法などにより、アルミニウム含有電極6の少なくとも一部と重なるようにして銀ペーストを印刷する。また、反射防止膜4上にもスクリーン印刷法などにより銀ペーストを印刷する。そして、これらの銀ペーストを乾燥した後に焼成することにより、図9(e)に示すように、シリコン基板2の裏面側においてはアルミニウム含有電極6上に裏面銀含有電極8が形成されるとともに、受光面側においては銀ペーストが反射防止膜4を突き抜けることによってn+層3と接触する受光面銀含有電極7が形成される。最後に、シリコン基板2を冷却して図8に示す太陽電池が完成する。
特開2004−235268号公報
このような従来の太陽電池においては、シリコン基板の裏面の略全面にアルミニウム含有電極が形成される(たとえば特許文献1参照)。しかしながら、アルミニウム含有電極形成後の冷却過程において、アルミニウム含有電極とシリコン基板との間の熱膨張係数差により、太陽電池に反りが発生するという問題があった。特に、エネルギのクリーン化のために太陽電池の普及が進み、太陽電池をさらに低コスト化することが求められており、材料コストの大部分を占めるシリコン基板の薄型化と大面積化を図る必要がある昨今においては、この問題は重要である。
そこで、本発明の目的は、太陽電池に生じる反りを抑制することができる太陽電池の製造方法および太陽電池を提供することにある。
本発明は、半導体基板の表面の一部にアルミニウムペーストを印刷する工程と、アルミニウムペーストを焼成することによってアルミニウム含有電極を形成する工程と、アルミニウム含有電極の形成後に半導体基板の表面およびアルミニウム含有電極の表面を覆う絶縁膜を形成する工程と、絶縁膜の表面の一部に銀ペーストを印刷する工程と、銀ペーストを焼成することによって銀含有電極をアルミニウム含有電極の前記表面の少なくとも一部に形成する工程と、を含む、太陽電池の製造方法である。
本発明の太陽電池の製造方法の第1の局面によれば、アルミニウム含有電極は線状に複数形成され、アルミニウム含有電極は間隔をあけて互いに平行に配置されてもよい。
ここで、本発明の太陽電池の製造方法の第1の局面においては、銀含有電極をアルミニウム含有電極に直交する線状に形成することができる。
本発明の太陽電池の製造方法の第2の局面によれば、アルミニウム含有電極は線状に複数形成され、アルミニウム含有電極同士が直交して格子を形成するように配置されてもよい。
ここで、本発明の太陽電池の製造方法の第2の局面においては、銀含有電極を格子のいずれか一方の方向に伸びるアルミニウム含有電極上のみに形成することができる。
本発明の太陽電池の製造方法の第3の局面によれば、アルミニウム含有電極は島状に複数形成され、互いに間隔をあけて配置されてもよい。
ここで、本発明の太陽電池の製造方法の第3の局面においては、銀含有電極をアルミニウム含有電極を連結するように形成することができる。
また、本発明は、半導体基板の表面の一部に形成されたアルミニウム含有電極と、半導体基板の表面の一部に形成された絶縁膜と、アルミニウム含有電極の表面の少なくとも一部に形成された銀含有電極と、を含む、太陽電池である。
ここで、本発明の太陽電池においては、半導体基板の表面を半導体基板の受光面とは反対側の裏面とすることができる。
また、本発明の太陽電池においては、アルミニウム含有電極は線状に複数形成されており、アルミニウム含有電極は間隔をあけて互いに平行に配置されていてもよい。
また、本発明の太陽電池においては、アルミニウム含有電極は線状に複数形成されており、アルミニウム含有電極はアルミニウム含有電極同士が直交して格子を形成するように配置されていてもよい。
また、本発明の太陽電池においては、アルミニウム含有電極は島状に複数形成されており、アルミニウム含有電極は互いに間隔をあけて配置されていてもよい。
また、本発明の太陽電池においては、銀含有電極は、アルミニウム含有電極の複数と接触していてもよい。
なお、本発明において「受光面」とは、太陽電池を設置して使用する際に、通常、入射光の側に向けられる半導体基板の表面のことをいう。
本発明によれば、太陽電池に生じる反りを抑制することができる太陽電池の製造方法および太陽電池を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、本発明の図面において、同一の参照符号は、同一部分または相当部分を表わすものとする。
(実施の形態1)
図1(a)に本発明の太陽電池の好ましい一例の裏面の模式的な平面図を示し、図1(b)に図1(a)のIb−Ibに沿った模式的な断面図を示す。この太陽電池1においては、図1(a)に示すように、p型のシリコン基板2の裏面に、紙面の上下方向に伸びる比較的幅の広い2本のアルミニウム含有電極6と紙面の左右方向に伸びる比較的幅の狭い18本のアルミニウム含有電極6とが直交して格子を形成するようにアルミニウム含有電極6が配置されており、裏面銀含有電極8は紙面の上下方向に伸びる比較的幅の広い2本のアルミニウム含有電極6のそれぞれの表面の一部のみに形成されている。
また、図1(b)に示すように、シリコン基板2の受光面にはn+層3が形成され、n+層3上には反射防止膜4と受光面銀含有電極7とが形成されている。また、シリコン基板2の裏面には裏面電界(Back Surface Field;BSF)層として機能するp+層5が形成されており、シリコン基板2の裏面のうちp+層5が形成されている箇所にはアルミニウム含有電極6が形成され、p+層5が形成されていない箇所には絶縁膜9が形成されている。また、アルミニウム含有電極6上には裏面銀含有電極8が形成されている。
図2(a)〜(f)に、図1(a)および図1(b)に示す太陽電池の製造工程の好ましい一例の模式的な断面図を示す。まず、図2(a)に示すp型の多結晶または単結晶からなるシリコン基板2の受光面をNaOHなどを含むアルカリ水溶液を用いてエッチングする。ここで、アルカリ水溶液の代わりに、酸を用いてもよく、NaOHまたはKOHなどのアルカリ水溶液にイソプロピルアルコールなどを加えたエッチャントに浸漬することで結晶方位に沿った異方性エッチングを行ないテクスチャ構造と呼ばれる微小なピラミッド状の凹凸を形成してもよい。
次に、このシリコン基板2について、たとえば、P25若しくはPOCl3などによる気相拡散やリン化合物を含んだ溶液を塗布して行なう拡散法などを用いてたとえば800℃以上950℃以下で5分以上30分以下熱処理することにより、図2(b)に示すように、シリコン基板2の受光面にn型不純物であるリンを拡散してn+層3を形成する。
次いで、図2(c)に示すように、n+層3上に反射防止膜4として常圧CVD法にて
たとえば60nm以上90nm以下の厚みの酸化チタン膜を形成する。ここで、酸化チタン膜の代わりに、プラズマCVD法によって形成されたたとえば70nm以上100nm以下の厚みの窒化ケイ素膜を用いてもよい。シリコン基板2が多結晶シリコンからなる場合には反射防止膜4としてプラズマCVD法によって窒化ケイ素膜を形成することにより多結晶粒界でのパッシベーション効果により太陽電池の出力を向上することができる。
続いて、シリコン基板2の裏面の一部に、スクリーン印刷法によりアルミニウムペーストを印刷する。なお、本発明において、アルミニウムペーストとしては、たとえば樹脂中にアルミニウム粉末およびガラスフリットを含むものなどの従来から公知のものを用いることができる。
その後、アルミニウムペーストを乾燥した後にたとえば500℃以上900℃以下の温度で焼成することによって、図2(d)に示すように、アルミニウム含有電極6を形成する。このとき、シリコン基板2の裏面にアルミニウムが拡散することによってp+層5が形成される。また、アルミニウム含有電極6は、シリコン基板2の裏面に図3の模式的平面図に示すパターンに形成される。
次いで、図2(e)に示すように、シリコン基板2の裏面およびアルミニウム含有電極6の表面を覆うように絶縁膜9としてCVD法によってたとえば5nm以上100nm以下の厚みの酸化ケイ素膜を形成する。ここで、絶縁膜9としては、熱酸化法によって形成されたたとえば5nm以上100nm以下の厚みの酸化ケイ素膜、プラズマCVD法によって形成されたたとえば60nm以上100nm以下の厚みの窒化ケイ素膜またはたとえば50nm以上100nm以下の厚みの酸化チタン膜であってもよい。なお、本発明において、絶縁膜9は、太陽電池の変換効率を向上する観点から、シリコン基板2の表面におけるキャリアの再結合を抑制することができるパッシベーション膜であることが好ましい。また、シリコン基板2が多結晶シリコンからなる場合には絶縁膜9としてプラズマCVD法によって窒化ケイ素膜を形成することにより多結晶粒界でのパッシベーション効果により太陽電池の出力を向上することができる。
次に、シリコン基板2の受光面側の反射防止膜4の表面の一部にスクリーン印刷法によって銀ペーストを印刷するとともに、図1(a)に示す裏面銀含有電極8のパターンとなるように、シリコン基板1の裏面の絶縁膜9の表面の一部にも銀ペーストを印刷する。
ここで、銀ペーストとしては、たとえば樹脂中に銀粉末およびガラスフリットを含むものなどの従来から公知のものを用いることができる。さらに、シリコン基板2の受光面側の反射防止膜4の表面に印刷される銀ペーストはn+層3との接触抵抗を低減するためにリンを含む添加物を含ませることもでき、シリコン基板2の裏面側の絶縁膜9の表面に印刷される銀ペーストはアルミニウム含有電極6との接触抵抗を低減する添加物やアルミニウムを含ませることもできる。
そして、上記のように印刷された銀ペーストを乾燥した後にたとえば500℃以上900℃以下の温度で焼成する。これにより、図2(f)に示すように、シリコン基板2の受光面側においては銀ペーストが反射防止膜4を突き抜けてn+層3と接触する受光面銀含有電極7が形成され、シリコン基板2の裏面側においては銀ペーストが絶縁膜9を突き抜けてアルミニウム含有電極6と接触する裏面銀含有電極8が形成される。ここで、受光面銀含有電極7および裏面銀含有電極8はそれぞれ、複数の太陽電池を直列または並列に接続するためのインターコネクタの半田付けに利用することができる。ここで、銀ペーストの焼成温度はアルミニウムペーストの焼成温度よりも低くすることが好ましい。この場合には太陽電池の出力をさらに向上することができる傾向にある。
以上の如く、図1(a)および図1(b)に示す太陽電池1が作製される。
このように、本発明においては、シリコン基板の裏面の一部にアルミニウム含有電極を形成するため、アルミニウム含有電極形成後の冷却過程においてアルミニウム含有電極とシリコン基板との間の熱膨張係数差により発生する太陽電池の反りを抑制することができる。これにより、太陽電池の割れを抑制し、歩留りを大幅に抑制することができることから、低コストで太陽電池を作製することが可能になる。
なお、上記において、受光面銀含有電極はアルミニウム含有電極を形成する時に形成してもよい。
(実施の形態2)
図4(a)に本発明の太陽電池の好ましい他の一例の裏面の模式的な平面図を示し、図4(b)に図4(a)のIVb−IVbに沿った模式的な断面図を示す。
本実施の形態の太陽電池1においては、図4(a)に示すように、p型のシリコン基板2の裏面に、紙面の左右方向に伸びる比較的幅の狭い18本のアルミニウム含有電極6が互いに間隔をあけて平行に配置されており、裏面銀含有電極8は上記のアルミニウム含有電極6のすべてと直交するように紙面の上下方向に2本伸びている。
また、図4(b)に示すように、シリコン基板2の受光面にはn+層3が形成され、n+層3上には反射防止膜4と受光面銀含有電極7とが形成されている。また、シリコン基板2の裏面には裏面電界層として機能するp+層5が形成されており、シリコン基板2の裏面のうちp+層5が形成されている箇所にはアルミニウム含有電極6が形成され、p+層5が形成されていない箇所には絶縁膜9が形成されている。また、アルミニウム含有電極6上には裏面銀含有電極8が形成されている。
実施の形態2においては、図5の模式的平面図に示すパターンにアルミニウム含有電極6が形成され、図4(a)の模式的平面図に示すパターンに裏面銀含有電極8が形成されることを特徴としており、その他の説明は実施の形態1と同様である。
(実施の形態3)
図6(a)に本発明の太陽電池の好ましいさらに他の一例の裏面の模式的な平面図を示し、図6(b)に図6(a)のVIb−VIbに沿った模式的な断面図を示す。
本実施の形態の太陽電池1においては、図6(a)に示すように、p型のシリコン基板2の裏面に、216個の島状のアルミニウム含有電極6が互いに間隔をあけて配置されており、裏面銀含有電極8は上記の島状のアルミニウム含有電極6を連結するように配置されている。
また、図6(b)に示すように、シリコン基板2の受光面にはn+層3が形成され、n+層3上には反射防止膜4と受光面銀含有電極7とが形成されている。また、シリコン基板2の裏面には裏面電界層として機能するp+層5が形成されており、シリコン基板2の裏面のうちp+層5が形成されている箇所にはアルミニウム含有電極6が形成され、p+層5が形成されていない箇所には絶縁膜9が形成されている。また、アルミニウム含有電極6上には裏面銀含有電極8が形成されている。
実施の形態3においては、図7の模式的平面図に示すパターンにアルミニウム含有電極6が形成され、図6(a)の模式的平面図に示すパターンに裏面銀含有電極8が形成されることを特徴としており、その他の説明は実施の形態1と同様である。
(実施例1)
図1(a)および図1(b)に示す太陽電池1を以下のようにして作製し、太陽電池の反りおよび出力を評価した。
まず、幅125mm×長さ125mm×厚み150μmの略正方形状の板状のp型単結晶シリコンからなるシリコン基板2を用意した。次に、このシリコン基板2の表面をNaOH水溶液を用いてエッチングして、テクスチャ構造を形成した。
次に、このテクスチャ構造が形成されたシリコン基板2の受光面に対し、リンを含む溶液を塗布した後に900℃で10分間熱処理を行なうことにより、シリコン基板2の受光面にn型不純物であるリンを拡散して深さ約0.5μmのn+層3を形成した。
次いで、n+層3上に反射防止膜4として常圧CVD法にて60nm〜90nmの厚みの酸化チタン膜を形成した。
続いて、酸化チタン膜の受光面の所定の位置にスクリーン印刷法により銀ペーストを印刷して乾燥させた。
また、シリコン基板2の裏面の所定の位置にスクリーン印刷法によりアルミニウムペーストを印刷して乾燥させた。
続いて、上記の銀ペーストおよびアルミニウムペーストを700℃〜800℃で焼成することによって、上記の銀ペーストが反射防止膜4を突き抜けてn+層3と接触する厚さ数十μmの受光面銀含有電極7が形成され、さらに上記のアルミニウムペーストからアルミニウムが分散することによってシリコン基板2の裏面に厚さ数十μmのアルミニウム含有電極6が図3に示すパターンに形成されるとともに深さ約10μmのp+層5が形成された。
その後、CVD法を用いて、シリコン基板2の裏面およびアルミニウム含有電極6の表面を覆うようにしてパッシベーション膜となる100nmの厚みの酸化ケイ素からなる絶縁膜9を形成した。
そして、絶縁膜9の表面のうちアルミニウム含有電極6が形成されている部分に相当する絶縁膜9の表面の一部に銀ペーストを印刷して乾燥させた。
次いで、絶縁膜9の表面に印刷された銀ペーストを500℃〜800℃で焼成することによって図1(a)に示すパターンに厚さ数十μmの裏面銀含有電極8を形成した。
最後に、裏面銀含有電極8の形成後のシリコン基板2を冷却することによって実施例1の太陽電池を作製した。
また、比較として、絶縁膜を全く形成せずシリコン基板の裏面の全面にアルミニウム含有電極を形成したこと以外は実施例1と同一の方法および同一の条件で比較例1の太陽電池を作製した。
実施例1の太陽電池と比較例1の太陽電池とを比較したところ、実施例1の太陽電池は比較例1の太陽電池と比べて反りが低減されていた。また、比較例1の太陽電池は、太陽電池の搬送およびモジュール化工程において割れが多発したのに対して、実施例1の太陽電池は比較例1の太陽電池と比べて大幅に割れの発生を低減することができた。さらに、実施例1の太陽電池の出力は比較例1の太陽電池の出力と略同等の値が得られた。
(実施例2)
図4(a)および図4(b)に示す太陽電池1を以下のようにして作製し、太陽電池の反りおよび出力を評価した。
まず、幅155mm×長さ155mm×厚み100μmの略正方形状の板状のp型単結晶シリコンからなるシリコン基板2を用意した。次に、このシリコン基板2の表面をNaOH水溶液を用いてエッチングして、テクスチャ構造を形成した。
次に、このテクスチャ構造が形成されたシリコン基板2の受光面に対し、リンを含む溶液を塗布した後に900℃で10分間熱処理を行なうことにより、シリコン基板2の受光面にn型不純物であるリンを拡散して深さ約0.5μmのn+層3を形成した。
次いで、n+層3上に反射防止膜4として常圧CVD法にて60nm〜90nmの厚みの酸化チタン膜を形成した。
続いて、酸化チタン膜の受光面の所定の位置にスクリーン印刷法により銀ペーストを印刷して乾燥させた。
また、シリコン基板2の裏面の所定の位置にスクリーン印刷法によりアルミニウムペーストを印刷して乾燥させた。
続いて、上記の銀ペーストおよびアルミニウムペーストを600℃〜800℃で焼成することによって、上記の銀ペーストが反射防止膜4を突き抜けてn+層3と接触する厚さ数十μmの受光面銀含有電極7が形成され、さらに上記のアルミニウムペーストからアルミニウムが分散することによってシリコン基板2の裏面に厚さ数十μmのアルミニウム含有電極6が図5に示すパターンに形成されるとともに深さ約10μmのp+層5が形成された。
その後、CVD法を用いて、シリコン基板2の裏面およびアルミニウム含有電極6の表面を覆うようにしてパッシベーション膜となる80nmの厚みの窒化ケイ素からなる絶縁膜9を形成した。
そして、絶縁膜9の表面のうちアルミニウム含有電極6が形成されている部分に相当する絶縁膜9の表面の一部に銀ペーストを印刷して乾燥させた。
次いで、絶縁膜9の表面に印刷された銀ペーストを500℃〜800℃の範囲で上記のアルミニウムペーストの焼成時の温度よりも低い温度で焼成することによって図4(a)に示すパターンに厚さ数十μmの裏面銀含有電極8を形成した。
以上の如く、実施例2の太陽電池を作製した。
また、比較として、絶縁膜を全く形成せずシリコン基板の裏面の全面にアルミニウム含有電極を形成したこと以外は実施例2と同一の方法および同一の条件で比較例2の太陽電池を作製した。
実施例2の太陽電池と比較例2の太陽電池とを比較したところ、実施例2の太陽電池は比較例2の太陽電池と比べて反りが低減されていた。また、比較例2の太陽電池は、太陽電池の搬送およびモジュール化工程において割れが多発したのに対して、実施例2の太陽電池は比較例2の太陽電池と比べて大幅に割れの発生を低減することができた。さらに、実施例2の太陽電池の出力は比較例2の太陽電池の出力と略同等の値が得られた。
(実施例3)
図6(a)および図6(b)に示す太陽電池1を以下のようにして作製し、太陽電池の反りおよび出力を評価した。
まず、幅125mm×長さ125mm×厚み50μmの略正方形状の板状のp型多結晶シリコンからなるシリコン基板2を用意した。次に、このシリコン基板2の表面をNaOH水溶液を用いて表面をエッチングして、テクスチャ構造を形成した。
次に、このエッチングされたシリコン基板2の受光面に対し、リンを含む溶液を塗布した後に900℃で10分間熱処理を行なうことにより、シリコン基板2の受光面にn型不純物であるリンを拡散して深さ約0.5μmのn+層3を形成した。
次いで、n+層3上に反射防止膜4としてプラズマCVD法にて60nm〜90nmの厚みの窒化ケイ素膜を形成した。
続いて、シリコン基板2の裏面の所定の位置にスクリーン印刷法によりアルミニウムペーストを印刷して乾燥させた。
続いて、上記のアルミニウムペーストを600℃〜800℃で焼成することによって、上記のアルミニウムペーストからアルミニウムが分散することによってシリコン基板2の裏面に厚さ数十μmのアルミニウム含有電極6が図7に示すパターンに形成されるとともに深さ約10μmのp+層5が形成された。
その後、プラズマCVD法を用いて、シリコン基板2の裏面およびアルミニウム含有電極6の表面を覆うようにしてパッシベーション膜となる80nmの厚みの窒化ケイ素からなる絶縁膜9を形成した。
そして、反射防止膜4の表面の所定の位置にスクリーン印刷法により銀ペーストを印刷した後に乾燥させた。続いて、絶縁膜9の表面のうちアルミニウム含有電極6が形成されている部分に相当する絶縁膜9の表面に銀ペーストを印刷して乾燥させた。
次いで、絶縁膜9の表面に印刷された銀ペーストを500℃〜800℃の範囲で上記のアルミニウムペーストの焼成時の温度よりも低い温度で焼成することによって、上記の銀ペーストが反射防止膜4を突き抜けてn+層3と接触する厚さ数十μmの受光面銀含有電極7が形成され、図6(a)に示すパターンに厚さ数十μmの裏面銀含有電極8を形成した。
以上の如く、実施例3の太陽電池を作製した。
また、比較として、絶縁膜を全く形成せずシリコン基板の裏面の全面にアルミニウム含有電極を形成したこと以外は実施例3と同一の方法および同一の条件で比較例3の太陽電池を作製した。
実施例3の太陽電池と比較例3の太陽電池とを比較したところ、実施例3の太陽電池は比較例3の太陽電池と比べて反りが低減されていた。また、比較例3の太陽電池は、太陽電池の搬送およびモジュール化工程において割れが多発したのに対して、実施例3の太陽電池は比較例3の太陽電池と比べて大幅に割れの発生を低減することができた。さらに、実施例3の太陽電池の出力は比較例3の太陽電池の出力と略同等の値が得られた。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明によれば、半導体基板の表面の一部にアルミニウムペーストを印刷してアルミニウム含有電極を形成するため、アルミニウム含有電極の形成後の冷却過程においてアルミニウム含有電極と半導体基板との間の熱膨張係数差により発生する太陽電池の反りを抑制することができる。これにより、太陽電池の割れを抑制し、歩留りを大幅に抑制することができることから、低コストで太陽電池を作製することが可能になる。さらに、半導体基板の裏面にCVD法などを用いて酸化ケイ素、酸化チタン、あるいは窒化ケイ素などの絶縁膜を形成することにより、半導体基板の裏面でのパッシベーション効果(半導体基板の裏面でのキャリアの再結合を抑止する効果)による太陽電池の出力を向上させることができるだけでなく、半導体基板の裏面側から直接入射した光も太陽電池内に吸収できることから、太陽電池の出力が従来の太陽電池の出力よりも向上する傾向にある。
(a)は本発明の太陽電池の好ましい一例の裏面の模式的な平面図であり、(b)は(a)のIb−Ibに沿った模式的な断面図である。 (a)は本発明に用いられるシリコン基板の一例の模式的な断面図であり、(b)は受光面にn+層が形成された(a)に示すシリコン基板の模式的な断面図であり、(c)は受光面に反射防止膜が形成された(b)に示すシリコン基板の模式的な断面図であり、(d)は裏面にアルミニウム含有電極が形成された(c)に示すシリコン基板の模式的な断面図であり、(e)は絶縁膜が形成された(d)に示すシリコン基板の模式的な断面図であり、(f)は受光面銀含有電極および裏面銀含有電極が形成された(e)に示すシリコン基板の模式的な断面図である。 本発明に用いられるシリコン基板のアルミニウム含有電極形成後の裏面の一例を示す模式的な平面図である。 (a)は本発明の太陽電池の好ましい他の一例の裏面の模式的な平面図であり、(b)は(a)のIVb−IVbに沿った模式的な断面図である。 本発明に用いられるシリコン基板のアルミニウム含有電極形成後の裏面の他の一例を示す模式的な平面図である。 (a)は本発明の太陽電池の好ましいさらに他の一例の裏面の模式的な平面図であり、(b)は(a)のVIb−VIbに沿った模式的な断面図である。 本発明に用いられるシリコン基板のアルミニウム含有電極形成後の裏面のさらに他の一例を示す模式的な平面図である。 従来の太陽電池の一例の模式的な断面図である。 (a)は従来の方法において用いられるシリコン基板の一例の模式的な断面図であり、(b)は受光面にn+層が形成された(a)に示すシリコン基板の模式的な断面図であり、(c)は受光面に反射防止膜が形成された(b)に示すシリコン基板の模式的な断面図であり、(d)は裏面にアルミニウム含有電極が形成された(c)に示すシリコン基板の模式的な断面図であり、(e)は受光面銀含有電極および裏面銀含有電極が形成された(d)に示すシリコン基板の模式的な断面図である。
符号の説明
1 太陽電池、2 シリコン基板、3 n+層、4 反射防止膜、5 p+層、6 アルミニウム含有電極、7 受光面銀含有電極、8 裏面銀含有電極、9 絶縁膜。

Claims (13)

  1. 半導体基板の表面の一部にアルミニウムペーストを印刷する工程と、
    前記アルミニウムペーストを焼成することによってアルミニウム含有電極を形成する工程と、
    前記アルミニウム含有電極の形成後に前記半導体基板の前記表面および前記アルミニウム含有電極の表面を覆う絶縁膜を形成する工程と、
    前記絶縁膜の表面の一部に銀ペーストを印刷する工程と、
    前記銀ペーストを焼成することによって銀含有電極を前記アルミニウム含有電極の前記表面の少なくとも一部に形成する工程と、
    を含む、太陽電池の製造方法。
  2. 前記アルミニウム含有電極は線状に複数形成され、前記アルミニウム含有電極は間隔をあけて互いに平行に配置されることを特徴とする、請求項1に記載の太陽電池の製造方法。
  3. 前記銀含有電極は、前記アルミニウム含有電極に直交する線状に形成されることを特徴とする、請求項2に記載の太陽電池の製造方法。
  4. 前記アルミニウム含有電極は線状に複数形成され、前記アルミニウム含有電極同士が直交して格子を形成するように配置されることを特徴とする、請求項1に記載の太陽電池の製造方法。
  5. 前記銀含有電極は、前記格子のいずれか一方の方向に伸びる前記アルミニウム含有電極上のみに形成されることを特徴とする、請求項4に記載の太陽電池の製造方法。
  6. 前記アルミニウム含有電極は島状に複数形成され、互いに間隔をあけて配置されることを特徴とする、請求項1に記載の太陽電池の製造方法。
  7. 前記銀含有電極は、前記アルミニウム含有電極を連結するように形成されることを特徴とする、請求項6に記載の太陽電池の製造方法。
  8. 半導体基板の表面の一部に形成されたアルミニウム含有電極と、前記半導体基板の前記表面の一部に形成された絶縁膜と、前記アルミニウム含有電極の表面の少なくとも一部に形成された銀含有電極と、を含む、太陽電池。
  9. 前記半導体基板の前記表面は、前記半導体基板の受光面とは反対側の裏面であることを特徴とする、請求項8に記載の太陽電池。
  10. 前記アルミニウム含有電極は線状に複数形成されており、前記アルミニウム含有電極は間隔をあけて互いに平行に配置されていることを特徴とする、請求項8または9に記載の太陽電池。
  11. 前記アルミニウム含有電極は線状に複数形成されており、前記アルミニウム含有電極は前記アルミニウム含有電極同士が直交して格子を形成するように配置されていることを特徴とする、請求項8または9に記載の太陽電池。
  12. 前記アルミニウム含有電極は島状に複数形成されており、前記アルミニウム含有電極は互いに間隔をあけて配置されていることを特徴とする、請求項8または9に記載の太陽電池。
  13. 前記銀含有電極は、前記アルミニウム含有電極の複数と接触していることを特徴とする、請求項8から12のいずれかに記載の太陽電池。
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