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JP2007091499A - 反応装置 - Google Patents

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JP2007091499A
JP2007091499A JP2005280407A JP2005280407A JP2007091499A JP 2007091499 A JP2007091499 A JP 2007091499A JP 2005280407 A JP2005280407 A JP 2005280407A JP 2005280407 A JP2005280407 A JP 2005280407A JP 2007091499 A JP2007091499 A JP 2007091499A
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carbon monoxide
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JP2005280407A
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Naotomo Miyamoto
直知 宮本
Tadao Yamamoto
忠夫 山本
Masaharu Shiotani
雅治 塩谷
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Casio Computer Co Ltd
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Casio Computer Co Ltd
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Abstract

【課題】気体流入出用として使用される管材の耐変形性能及び耐破壊性能を向上させることのできる反応装置を提供する。
【解決手段】断熱パッケージ200と、断熱パッケージ200内に収容され、反応物の反応を起こす高温反応部4と、高温反応部4よりも低温で反応物の反応を起こす低温反応部6と、高温反応部4と低温反応部6との間に架設され、高温反応部4と低温反応部6との間で反応物及び生成物を送る連結部8と、低温反応部6に接続されるとともに断熱パッケージ200を貫通して設けられ、高温反応部4又は低温反応部6に反応物の供給又は高温反応部4又は低温反応部6から生成物の排出を行う複数の管材15,17,19,21,23とを備えている。そして、複数の管材15,17,19,21,23は超弾性効果を有する材料により形成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、液体燃料を改質する反応装置、特に燃料電池に供給する水素を生成する反応装置に関する。
近年では、エネルギー変換効率の高いクリーンな電源として、燃料電池が自動車や携帯機器などに応用され始めている。燃料電池は、燃料と大気中の酸素を電気化学的に反応させて、化学エネルギーから電気エネルギーを直接取り出す装置である。
燃料電池に用いる燃料としては水素単体が挙げられるが、そのまま常温、常圧で気体であることによる取り扱いに問題がある。水素吸蔵合金によって水素を貯蔵する試みもあるが、単位体積当たりの水素の貯蔵量が少なく、特に携帯電子機器のような小型の電子機器の電源の燃料貯蔵手段としては不十分であった。これに対してアルコール類といった水素原子を有する液体燃料を改質して水素を生成する改質型燃料電池では、燃料を液体の状態で容易に保存でき、燃料の単位体積当たりの水素量も比較的多い。このような燃料電池を用いると、液体燃料を気化させる気化器、液体燃料と高温の水蒸気を反応させることによって、発電に必要な水素を取り出す改質器、改質反応の副生成物である一酸化炭素を除去する一酸化炭素除去器等が必要となることがある(例えば、特許文献1参照。)。
特開2002−356310号公報
気化器、一酸化炭素除去器、改質器は、加熱されることによって動作する。これらを少なくとも1つ備える反応装置では、熱エネルギーを有効活用するために、熱エネルギーの一部が外部に放出されないように、改質器及び一酸化炭素除去器を断熱して反応器を保温することが好ましい。そこで、本発明者らはこれら改質器及び一酸化炭素除去器を内部が減圧雰囲気の断熱パッケージに収容して封止している。断熱パッケージは、このような化学反応器に反応物の供給又は生成物の排出を行う複数の管材が貫通されている。
断熱パッケージの内部は、化学反応器の熱によって断熱パッケージの外部より高温になってしまうため、これら管材は、断熱パッケージの内部と外部で熱の不均一による膨張の差が生じてしまう。このときの応力が特に管材の接合部分近傍に集中して管材に歪みが発生し亀裂や損壊をもたらして流体が漏洩してしまうといった問題を生じる恐れがあった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、気体流入出用として使用される管材の耐変形性能及び耐破壊性能を向上させることのできる反応装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、
断熱パッケージと、
前記断熱パッケージ内に収容され、反応物の反応を起こす反応部と、
前記反応部に接続されるとともに前記断熱パッケージを貫通して設けられ、前記反応部に反応物の供給又は前記反応部から生成物の排出を行う複数の管材と、を備え、
前記複数の管材のうち少なくとも1つは、超弾性効果を有する材料により形成されていることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載の反応装置において、
前記反応部は、前記断熱パッケージと離間した状態で前記複数の管材によって支持されていることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1または2に記載の反応装置において、
前記反応部は、
反応物の反応を起こす高温反応部と、
前記高温反応部よりも低温で反応物の反応を起こす低温反応部と、
を有することを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項3に記載の反応装置において、
前記高温反応部と前記低温反応部との間に架設され、前記高温反応部と前記低温反応部との間で反応物及び生成物を送る連結部を有することを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項3または4に記載の反応装置において、
前記低温反応部は、前記断熱パッケージと離間した状態で前記複数の管材によって支持されていることを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項3〜5のいずれか一項に記載の反応装置において、
前記低温反応部は一酸化炭素除去部を有することを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項3〜6のいずれか一項に記載の反応装置において、
前記高温反応部は水素改質部を有することを特徴とする。
請求項8の発明は、請求項1〜7のいずれか一項に記載の反応装置において、
前記複数の管材の内面にメッキ処理が施されていることを特徴とする。
本発明に係る反応装置によれば、超弾性効果を有する材料で形成されている管材にかかる応力を緩和でき、耐変形性能及び耐破壊性能の向上を図ることができる。
以下に、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
図1は、斜め上から示したマイクロリアクタモジュール1の斜視図であり、図2は、斜め下から示したマイクロリアクタモジュール1の斜視図であり、図3は、マイクロリアクタモジュール1の側面図である。
このマイクロリアクタモジュール1は、ノート型パーソナルコンピュータ、PDA、電子手帳、デジタルカメラ、携帯電話機、腕時計、レジスタ、プロジェクタといった電子機器に内蔵され、燃料電池に使用する水素ガスを生成する反応装置である。マイクロリアクタモジュール1は、反応物の供給や生成物の排出が行われるパイプ群2と、後述する低温反応部6での適正反応温度範囲に対して相対的に高温な水素改質反応が起こる高温反応部4と、高温反応部4での適正反応温度範囲に対して相対的に低温な選択酸化反応が起きる低温反応部6と、高温反応部4と低温反応部6との間で反応物や生成物の流入又は流出を送るための連結管8とを具備する。
図4は、マイクロリアクタモジュール1を機能ごとに分けた場合の概略側面図である。図4に示すように、パイプ群2には主に気化器502及び第一燃焼器504が設けられている。第一燃焼器504には少なくとも一部が気化されている燃料(例えば、水素ガス、メタノールガス等)と、この燃料を燃焼するための酸素を含む空気等の酸素源となる気体と、がそれぞれ別々に或いは混合気として供給され、これらの気体が第一燃焼器504内の触媒によって燃焼して熱を発する。気化器502には水と液体燃料(例えば、メタノール、エタノール等のアルコール類、ジメチルエーテル等のエーテル類、ガソリン等の化石燃料)がそれぞれ別々に或いは混合された状態で燃料容器から供給され、第一燃焼器504における燃焼熱が気化器502内に伝搬することによって水と液体燃料が気化器502内において気化する。
高温反応部4には主に第一改質器506、第二燃焼器508及び第二改質器510が設けられている。第一改質器506及び第二改質器510は、ともに燃料を改質して水素を生成する改質器である。第一改質器506が低温反応部6寄りに配設され、第二改質器510が第一改質器506よりも低温反応部6から離れた位置に配設され、第二燃焼器508が、第一改質器506と第二改質器510の間に挟まれ、第一改質器506及び第二改質器510を適正温度範囲になるように加熱するものであり、これら第一改質器506、第二燃焼器508、第二改質器510がこの順に並んで配列されている。
第二燃焼器508には、少なくとも一部が気化されている燃料(例えば、水素ガス、メタノールガス等)と、酸素を含む空気等の酸素源となる気体と、がそれぞれ別々に或いは混合気として供給され、これらの気体が第二燃焼器508内の触媒によって燃焼して熱を発する。なお、燃料電池がマイクロリアクタモジュール1から供給された水素ガスによって電気化学反応を発生した後に燃料電池から排出されたオフガス中に未反応の水素ガスが含まれている場合があり、第一燃焼器504及び第二燃焼器508の少なくともいずれか一方は、この未反応の水素ガスを、酸素を含んだ空気等の気体で燃焼して熱を発するようにしても良い。勿論、第一燃焼器504及び第二燃焼器508の少なくともいずれか一方は、燃料容器に貯留されている液体燃料(例えば、メタノール、エタノール、ブタン、ジメチルエーテル、ガソリン等)を、別の気化器によって気化し、その気化した燃料を、酸素を含んだ空気等の気体で燃焼するようにしても良い。
第二燃焼器508が、燃料電池から排出されたオフガスを燃焼する場合、まず起動時に、第一改質器506及び第二改質器510が後述する電熱線172によって加熱され、第一改質器506及び第二改質器510が運転温度まで昇温した状態になると、これらが改質反応によって気化された燃料を水素に改質し、この水素が供給される燃料電池から水素を含むオフガスが定常的に排出されてきたら、第二燃焼器508はオフガス中の水素を燃焼して第一改質器506及び第二改質器510を加熱する。電熱線172は、第二燃焼器508が主熱源になると、補助的な熱源に切り替わるよう印加電圧を低くする。加熱された第一改質器506及び第二改質器510では水と燃料から水素ガス等が触媒反応により生成され、更に微量ながら一酸化炭素ガスが生成される。燃料がメタノールの場合には、次式(1)、(2)のような化学反応が起こる。なお、水素が生成される反応は吸熱反応であり、第二燃焼器508の燃焼熱が用いられる。
CH3OH+H2O→3H2+CO2 …(1)
2CH3OH+H2O→5H2+CO+CO2 …(2)
低温反応部6には主に一酸化炭素除去器512が設けられている。一酸化炭素除去器512は、第一燃焼器504によって加熱された状態で、第一改質器506及び第二改質器510から水素ガス、一酸化炭素ガス等を含む混合気が供給され、更に空気が供給される。一酸化炭素除去器512では混合気のうち一酸化炭素が選択的に酸化され、これにより次式(3)のような化学反応が起こり、一酸化炭素が除去される。
CO+1/2O→CO …(3)
一酸化炭素が除去された状態の水素を主体とする混合気が燃料電池の燃料極に供給される。
以下、パイプ群2、高温反応部4、低温反応部6及び連結管8の具体的な構成について図3、図5〜図9を用いて説明する。ここで、図5はマイクロリアクタモジュール1の分解斜視図であり、図6は図3の切断線VI−VIから後述する燃焼器プレート12の平面方向に沿って切断した矢視断面図であり、図7は図3の切断線VII−VIIから後述するベースプレート29(ベース部28及びベース部102)の平面方向に沿って切断した矢視断面図であり、図8は図3の切断線VIII−VIIIからベースプレート29の平面方向に沿って切断した矢視断面図であり、図9は図3の切断線IX−IXからベースプレート29の平面方向に沿って切断した矢視断面図である。
図3、図5、図6に示すように、パイプ群2は、超弾性材料又は耐腐食性に優れたステンレス鋼(SUS304)等の金属材料からなる液体燃料導入管10と、液体燃料導入管10の上端部において液体燃料導入管10を囲むように設けられた超弾性材料又はステンレス鋼(SUS304)等の金属材料からなる燃焼器プレート12と、ステンレス鋼(SUS304)等の金属材料からなり、液体燃料導入管10の周囲に配列された5本の管材15,17,19,21,23とを具備する。燃焼器プレート12は硬蝋付けによって液体燃料導入管10及び低温反応部6と接合されており、蝋剤としては、液体燃料導入管10や燃焼器プレート12を流れる流体の温度のうちの最高温度よりも高い融点であり、融点が700度以上の、金に、銀、銅、亜鉛、カドミウムを含有した金蝋や、金、銀、亜鉛、ニッケルを主成分とした蝋、或いは金、パラジウム、銀主成分とした蝋が特に好ましい。燃焼器プレート12は、液体燃料導入管10が低温反応部6に接合されるためのフランジとしても機能する。
液体燃料導入管10は、マイクロリアクタモジュール1の外部に流通する気化用導入路14が設けられている。気化用導入路14には、フェルト材、セラミック多孔質材、繊維材、カーボン多孔質材等の吸液材33が充填されている。吸液材33は液体を吸収するものであり、吸液材33としては無機繊維又は有機繊維を結合材で固めたものでもよく、無機粉末を焼結したものでもよく、無機粉末を結合材で固めたものでもよく、グラファイトとグラッシーカーボンの混合体でもよい。
管材15,17,19,21,23にはそれぞれ空気用導入路16、燃焼混合気導入路18、排ガス排出路20、燃焼混合気導入路22及び水素ガス用排出路24が設けられている。管材15,17,19,21,23は、それらのフランジによって低温反応部6の下面に接合され、低温反応部6内の各流路と連結している。
また、液体燃料導入管10及び管材15,17,19,21,23は何れの部分でも肉厚が0.1mm以上0.2mm以下とされ、好ましくは0.1mmとされている。管材15,17,19,21,23はいずれも内径が0.4mmとなっており、液体燃料導入管10の内径は管材15,17,19,21,23の内径よりも十分長い。
管材15,17,19,21,23は、超弾性材料からなる。超弾性材料とは、弾性域を超えて変形ひずみを加え通常の金属の弾性域を越えて変形をしたものが、外部応力を除くと変形ひずみが消えて元の形状に戻る性質を有している。
通常の金属材料は、弾性限界を超える外部応力を加えると、特定の結晶面を境にして原子が隣の原子との結合の手を切り離してずれ、次の原子と結合の手を結ぶ塑性変形が生じる。塑性変形が起こると、外部応力を除いても弾性変形分しかひずみが戻らず、原子がずれた分の永久変形が残る。
一方、超弾性材料は、外部応力のない状態でオーステナイト相という結晶構造をとるが、これに外部応力を加えると、応力誘起マルテンサイト相という結晶構造に相変態して変形する。オーステナイト相から応力誘起マルテンサイト相へは、結合の手を切り離すことなく相変態するため、外部応力を除くと、エネルギー的に不安定なマルテンサイト相から直ちに元のオーステナイト相に戻り、元の形状に戻る。このような超弾性材料は、外部応力により比例限界の10倍もの変形を加えた場合でも、外部応力を除くとひずみが消え、永久変形が残らないという性質(超弾性効果)を有する。
図20は、超弾性を示す材料の特性を示しており、st1以上の応力を受けて変形しても、その外部応力が小さくなるとそれに応じてひずみ量(変形量)が小さくなり、自力で元の形状に復元しようとする。かかる応力がst2以下となると元の形状と同じになり、ヒステリシスループを描く。後述するが低温反応部6と断熱パッケージ200との温度差による熱膨張によって管材15,17,19,21,23にかかる最大応力は約100MPaなので、管材15,17,19,21,23の超弾性材料は復元可能な応力の最大値stmaxが100MPa(kgf/mm2)以上の超弾性を有すればよい。つまり、管材15,17,19,21,23は、管材15,17,19,21,23にかかる最大応力に対して復元可能な応力の最大値stmaxがそれ以上であればよい。
具体的に超弾性効果を有する材料としては、Ni及びTiを含む超弾性合金(Ni−Ti合金)、特に、Ni及びTiを含む合金が、さらにクロムを含む超弾性合金(Ni−Ti−Cr合金)やニッケル−チタン−銅系の合金等がある。具体的には、NT−N(古河テクノマテリアル社製)を用いることができる。この材料は、超弾性材料に作用する応力が300〜900kgf/mm2の範囲で超弾性効果を発揮し、耐変形、耐破壊の材料となりえる。
なお、超弾性合金の中には水素を吸収し脆化してしまう化学的特性を持つものがあるため、そのような材料を用いた場合、管材15,17,19,21,23の内面には水素に対して不活性なニッケルや金によるメッキ処理が施されていることが好ましい。
燃焼器プレート12は、ステンレス鋼(SUS304)等の金属材料又は液体燃料導入管10と同様に超弾性材料からなる。燃焼器プレート12の中央部に貫通孔12Aが形成され、その貫通孔12Aに液体燃料導入管10が嵌め込まれ、液体燃料導入管10と燃焼器プレート12が接合されている。また、燃焼器プレート12の一方の面には隔壁12Bが凸設されている。隔壁12Bは一部が燃焼器プレート12の外縁全周に亘って設けられ、他の一部が径方向に亘って設けられ、燃焼器プレート12が低温反応部6の下面に接合されることによって、接合面に燃焼用流路26が形成され、液体燃料導入管10が燃焼用流路26によって囲繞されている。燃焼器プレート12は何れの部分でも肉厚が0.1mm以上0.2mm以下とされ、好ましくは0.1mmとされている。
燃焼用流路26の壁面には、燃焼混合気を燃焼させる燃焼用触媒が担持されている。燃焼用触媒としては、白金が挙げられる。なお、液体燃料導入管10内の吸液材33は燃焼器プレート12の位置まで充填されている。
図3、図5に示すように、高温反応部4、低温反応部6及び連結管8は、積層された絶縁プレート290とベースプレート29を共通の基体としている。そのため、絶縁プレート290が高温反応部4、低温反応部6及び連結管8に共通した下面となるが、連結管8の下面が高温反応部4の下面に対して面一になっているとともに、更に低温反応部6の下面に対して面一になっている。
ベースプレート29は、低温反応部6の基体となるベース部28と、高温反応部4の基体となるベース部102と、連結管8の基体となる連結ベース部7とからなり、これらを一体形成したものであり、連結ベース部7において括れた状態とされている。このベースプレート29は、ステンレス鋼(SUS304)等の金属材料からなる。絶縁プレート290は、低温反応部6の基体となるベース部296と、高温反応部4の基体となるベース部294と、連結管8の基体となる連結ベース部298とからなり、これらを一体形成したものであり、連結ベース部297において括れた状態とされている。この絶縁プレート290は、セラミック等の電気絶縁体からなり、電熱線170、電熱線172、電熱線174が導電性のベースプレート29に導通しないように介在している。
ベース部296には、液体燃料導入管10に連通するための貫通孔296Aと、管材15の空気用導入路16に連通するための貫通孔296B、管材17の燃焼混合気導入路18に連通するための貫通孔296B、管材19の排ガス排出路20に連通するための貫通孔296B、管材21の燃焼混合気導入路22に連通するための貫通孔296B、管材23の水素ガス用排出路24に連通するための貫通孔296Bと、後述するベースプレート29の貫通孔53、55に連通する貫通孔296C、296Cと、が設けられている。
そして、低温反応部6は、ベース部296、ベース部28、下部枠30、上部枠34及び蓋プレート36を下からこれらの順に積層したものであり、直方体状に呈している。下部枠30、上部枠34及び蓋プレート36は何れもステンレス鋼(SUS304)等の金属材料からなり、更に何れの部分でも肉厚が0.1mm以上0.2mm以下とされ、好ましくは0.1mmとされている。
高温反応部4は、ベース部294と、ベース部294に接合されたベース部102と、ベース部102に重ねられた改質器ベース体104と、改質器ベース体104の一部を覆った第一箱体110と、改質器ベース体104の別の一部を覆った第二箱体112と、第一箱体110と第二箱体112との間に挟まれた燃焼器プレート106,108とを備え、直方体状に呈している。改質器ベース体104、第一箱体110、第二箱体112及び燃焼器プレート106,108は何れもステンレス鋼(SUS304)等の金属材料からなり、更に何れの部分でも肉厚が0.1mm以上0.2mm以下とされ、好ましくは0.1mmとされている。
連結管8は、連結ベース部298と、連結ベース部298に接合された連結ベース部7と、連結ベース部7に接合された連結蓋280とを備える。連結蓋280は、ステンレス鋼(SUS304)等の金属材料からなり、更に何れの部分でも肉厚が0.1mm以上0.2mm以下とされ、好ましくは0.1mmとされている。連結ベース部7を連結蓋280が閉じるように接合することによって、改質燃料供給流路38、混合流路40、燃焼燃料供給流路48、及び排ガス流路50が形成される。
図10は、ベースプレート29に絶縁プレート290を接合した状態の斜視図である。図7、図10に示すように、貫通孔51,52,53,54,55,56,58,60がベースプレート29のベース部28を貫通している。ここで、貫通孔52はベース部296の貫通孔296Aに連通し、貫通孔51,54,56,58,60は、ベース部296の各貫通孔296Bに連通し、貫通孔53,55は、ベース部296の各貫通孔296Cに連通している。
したがって、図2、図3、図5〜図7、図21に示すように、絶縁プレート290のベース部296が低温反応部6の下面となり、低温反応部6の下面に管材15,17,19,21,23及び液体燃料導入管10が接合され、液体燃料導入管10の気化用導入路14が貫通孔296Aを介して貫通孔52に通じ、管材15の空気用導入路16が貫通孔296Bを介して貫通孔60に通じ、管材17の燃焼混合気導入路18が貫通孔296Bを介して貫通孔58に通じ、管材19の排ガス排出路20が貫通孔296Bを介して貫通孔56に通じ、管材21の燃焼混合気導入路22が貫通孔296Bを介して貫通孔51に通じ、管材23の水素ガス用排出路24が貫通孔296Bを介して貫通孔54に通じている。また、図2、図5、図6、図21に示すように、燃焼器プレート12が低温反応部6の下面に接合され、燃焼器プレート12の燃焼用流路26の一端部が貫通孔296Cを介して貫通孔53に通じ、燃焼用流路26の他端部が貫通孔296Cを介して貫通孔55に通じている。
図7、図10に示すように、ベースプレート29には、一方の面に改質燃料供給流路38と、混合流路40と、一酸化炭素除去用流路42と、一酸化炭素除去用流路44と、燃焼燃料供給流路47と、燃焼燃料供給流路48と、連通流路49と、排ガス流路50となる溝が形成されるように、これらの溝よりも高さが一段高くなっているステージ41及びステージ43がそれぞれベース部28及びベース部102に設けられている。
改質燃料供給流路38は、低温反応部6の貫通孔52から連結ベース部7を通って高温反応部4のベース部102の角部にまで至るよう形成されている。混合流路40は、低温反応部6の貫通孔60から連結ベース部7を通って高温反応部4のベース部102にまで至るよう形成されている。燃焼燃料供給流路48は、低温反応部6の貫通孔58から連結ベース部7を通って高温反応部4のベース部102に至るよう形成されている。排ガス流路50は低温反応部6の貫通孔56から貫通孔55に至るよう形成されているとともに、貫通孔56から連結ベース部7を通って高温反応部4のベース部102に至るように形成されている。ここで、連結ベース部7の上方には連結蓋280が接合されているが、この連結蓋280によって改質燃料供給流路38、混合流路40、燃焼燃料供給流路48及び排ガス流路50が連結ベース部7において覆われている。
連通流路49は、ベース部102において直線状の溝によって形成されている。一酸化炭素除去用流路42は、ベース部28において矩形状の溝によって形成されている。一酸化炭素除去用流路46は、貫通孔52を囲むように迂回した形状の溝によって形成され、一酸化炭素除去用流路46の一端部の底で貫通孔54が開口している。燃焼燃料供給流路47は、ベース部28において貫通孔51から貫通孔53へ至るような溝によって形成されている。
一酸化炭素除去用流路44は、ベース部28において蛇行状に形成されている。ここで、一酸化炭素除去用流路44を形成する四枚の隔壁45は、ベース部28のステージ41より一段低いベース面39に起立するように設けられている。隔壁45は、ベース部28のベース面39に蝋付けで接合されている。
図11は、ベースプレート29に改質器ベース体104、下部枠30及び連結蓋280を接合した状態の斜視図であるが、図11等に示すように、ベースプレート29のベース部28の上に下部枠30が接合されているが、隔壁45が下部枠30の内側において下部枠30の上端の高さまでわたっており、蛇行状の一酸化炭素除去用流路44が下部枠30まで吹き抜けた状態とされている。
図8、図11、図21に示すように、下部枠30の内側に隔壁31が設けられることで、下部枠30の内側が渦巻き状の一酸化炭素除去用流路64、吹抜け孔66及び一酸化炭素除去用流路44に区分けされている。一酸化炭素除去用流路64においては底板72が設けられ、ベース部28に下部枠30が接合されると、つまりその底板72がステージ41に接合されると、一酸化炭素除去用流路46及び燃焼燃料供給流路47が蓋されるとともに、改質燃料供給流路38、混合流路40、燃焼燃料供給流路48及び排ガス流路50のそれぞれの一部が蓋される。
また、一酸化炭素除去用流路64の一方の端部が一酸化炭素除去用流路44に通じ、一酸化炭素除去用流路64の中途部においてはベース部28の一酸化炭素除去用流路42に通じる吹抜け孔74が形成され、一酸化炭素除去用流路64の他方の端部においてはベース部28の一酸化炭素除去用流路46の端部に通じる吹抜け孔76が形成されている。吹抜け孔66はベース部28の混合流路40の上に位置している。
なお、平面視して、液体燃料導入管10は一酸化炭素除去用流路64の一部に重なり、一酸化炭素除去用流路64が液体燃料導入管10の周りを渦巻く。
図12は下部枠30に上部枠34を接合した状態の斜視図である。図9、図12に示すように、上部枠34は下面に底板86が設けられ、底板35の上面であって上部枠34の内側に隔壁35が設けられることで、上部枠34の内側に蛇行状の一酸化炭素除去用流路84が形成されている。また、下部枠30に上部枠34が接合されるとその底板86によって一酸化炭素除去用流路64及び一酸化炭素除去用流路44が仕切られる。また、一酸化炭素除去用流路84の一端部においては吹抜け孔88が形成され、一酸化炭素除去用流路84の他端部においては吹抜け孔90が形成されている。吹抜け孔88は下部枠30の吹抜け孔66に重なり、一酸化炭素除去用流路84が吹抜け孔88及び吹抜け孔66を介して混合流路40に通じている。吹抜け孔90が一酸化炭素除去用流路44の端部の上に位置し、一酸化炭素除去用流路84が吹抜け孔90を介して一酸化炭素除去用流路44に通じている。
図1、図3、図5等に示すように、上部枠34の上に蓋プレート36が接合されることで、一酸化炭素除去用流路84が蓋プレート36によって蓋されている。ここで、ベース面39の上面及び底板86の上下面を含む一酸化炭素除去用流路42,44,46,64,84の壁面全体には、一酸化炭素を選択的に酸化させる一酸化炭素選択酸化用触媒が担持されている。一酸化炭素選択酸化用触媒としては白金が挙げられる。
図5、図11に示すように、改質器ベース体104は、底板117の一方の面に四枚の隔壁119,121,123,125を立設したものである。底板117の他方の面をベース部102に接合することにで、底板117によってベース部102における改質燃料供給流路38、混合流路40、燃焼燃料供給流路48、連通流路49、排ガス流路50が覆われている。
底板117の角部近傍に吹抜け孔114が形成され、吹抜け孔114が改質燃料供給流路38の端部の上に位置している。底板117の別の角部近傍に吹抜け孔115が形成され、吹抜け孔115が混合流路40の端部の上に位置している。隔壁121と隔壁123の間の底板117においては吹抜け孔154が隔壁121寄りに形成され、吹抜け孔155が隔壁123寄りに形成され、吹抜け孔154が連通流路49の一端部の上に位置し、吹抜け孔155が連通流路49の他端部の上に位置しており、吹抜け孔154及び吹抜け孔155が連通流路49を介して連通している。隔壁121と隔壁123の中間においては吹抜け孔132,134が形成され、吹抜け孔132が燃焼燃料供給流路48の端部の上に位置して燃焼燃料供給流路48と連通し、吹抜け孔134が排ガス流路50の端部の上に位置して排ガス流路50と連通している。
第一箱体110は下面が開口した直方体状を呈しており、第一箱体110の開口に隔壁119,121を挿入して、第一箱体110に隔壁119,121が収容した状態で第一箱体110の開口が底板117によって閉塞され、第一箱体110が底板117に接合されている。隔壁119,121は第一箱体110の上面に接合され、隔壁119,121によって蛇行状の改質用流路116が第一箱体110の内側に形成されている。ここで、吹抜け孔114が改質用流路116の一端部にあり、吹抜け孔154が改質用流路116の他端部にある。改質用流路116の壁面、底面、天井面全体には、燃料を改質して水素を生成する改質用触媒が担持されている。メタノールの改質に用いられる改質用触媒としては、Cu/ZnO系触媒、Pt/ZnO系触媒が挙げられる。
このように第一箱体110が隔壁119,121を上から覆って底板117に接合され、第一箱体110の内部空間に改質器用触媒が設けられることで、第一改質器506が形成される。
第二箱体112は下面が開口した直方体状を呈しており、第二箱体112の開口に隔壁123,125を挿入して、第二箱体112内に隔壁123,125が収容した状態で第二箱体112の開口が底板117によって閉塞され、第二箱体112が底板117に接合されている。隔壁123,125は第二箱体112の上面に接合され、隔壁123,125によって蛇行状の改質用流路150が第二箱体112の内側に形成されている。ここで、吹抜け孔155が改質用流路150の一端部にあり、吹抜け孔115が改質用流路150の他端部にある。改質用流路150の壁面、底面、天井面全体には、燃料を改質して水素を生成する改質用触媒が担持されている。改質用触媒としては、Cu/ZnO系触媒、Pt/ZnO系触媒が挙げられる。
このように第二箱体112が隔壁123,125を上から覆って底板117に接合され、第二箱体112の内部空間に改質用触媒が設けられることで、第二改質器510が形成される。
図13は、燃焼器プレート106,108の斜視図である。図13に示すように、燃焼器プレート106の一方の面には、隔壁139が下の縁を除いた縁に沿って凸設され、更に中央には別の隔壁141が上下に延在するよう凸設されている。そして、燃焼器プレート106の隔壁139,141に燃焼器プレート108が接合されることで、燃焼室138,140がその下側を開口した状態の燃焼器用箱体が形成される。ただし、隔壁141は燃焼器プレート106上部の縁まで達していないので、隔壁141の右側の燃焼室138及び左側の燃焼室140は互いに連通している。更に、図5、図13に示すように、燃焼器プレート106,108が第一箱体110と第二箱体112の間で改質器ベース体104の底板117に接合されることで、燃焼室138,140の下側開口が底板117によって塞がれる。ここで、図8及び図9に示すように、吹抜け孔132が燃焼室138にあり、吹抜け孔134が燃焼室140にある。燃焼室138及び燃焼室140の壁面には、燃焼混合気を燃焼させる燃焼用触媒が担持されている。燃焼用触媒としては、白金等が挙げられる。
このように、燃焼器プレート106,108の間に形成された燃焼室138,140の下側開口を塞ぐように燃焼器プレート106,108が底板に接合され、燃焼室138,140に燃焼用触媒が設けられることで第二燃焼器508が形成される。
燃焼器プレート106は第一箱体110に密接し、燃焼器プレート108は第二箱体112に密接している。そのため、第一改質器506、第二改質器510が第二燃焼器508を挟んだ状態で改質器ベース体104の底板117と平行な方向に沿って積層されている。第二燃焼器508は、第一改質器506及び第二改質器510を均等に加熱するように加熱手段となる。
図1等に示すように、連結管8の外形は角柱状とされ、連結管8の幅が高温反応部4の幅及び低温反応部6の幅よりも狭く、連結管8の高さも高温反応部4及び低温反応部6の高さのいずれよりも低い。そして、連結管8は高温反応部4と低温反応部6との間に架設されているが、連結管8は高温反応部4の幅方向中央部において高温反応部4に連結しているとともに低温反応部6の幅方向中央部において低温反応部6に連結している。
なお、上述したように、連結管8には、改質燃料供給流路38、混合流路40、燃焼燃料供給流路48及び排ガス流路50が設けられている。
パイプ群2、高温反応部4、低温反応部6及び連結管8の内側に設けられた流路の経路は図14、図15に示すようになる。ここで図14、図15と図4の対応関係について説明すると、気化用導入路14が気化器502の流路に相当し、改質用流路116が第一改質器506の流路に相当し、改質用流路150が第二改質器510に相当し、一酸化炭素除去用流路84の始端から一酸化炭素除去用流路46の終端までが一酸化炭素除去器512の流路に相当し、燃焼用流路26が第一燃焼器504の流路に相当し、燃焼室138,140が第二燃焼器508の流路に相当する。
図2、図5に示すように、低温反応部6の下面つまり絶縁プレート290の下面には、電熱線170が蛇行した状態にパターニングされ、低温反応部6から連結管8を通って高温反応部4にかけてこれらの下面には、電熱線172が蛇行した状態にパターニングされている。低温反応部6の下面から燃焼器プレート12の表面を通って液体燃料導入管10の側面にかけて電熱線174がパターニングされている。電熱線170は低温反応部6を所定の適正温度範囲に加熱するためのヒータであり、電熱線172は高温反応部4を所定の適正温度範囲に加熱するためのヒータであり、電熱線172は気化器502を所定の適正温度範囲に加熱するためのヒータである。ここで、液体燃料導入管10の側面及び燃焼器プレート12の表面には、窒化シリコン、酸化シリコン等の絶縁膜が成膜され、その絶縁膜の表面に電熱線174が形成されている。絶縁膜又は絶縁プレート290に電熱線170,172,174をパターニングすることで、印加しようとする電圧が金属材料製のベースプレート29、液体燃料導入管10、燃焼器プレート12等に掛かることがなく、電熱線170,172,174の発熱効率を向上させることができる。
電熱線170,172,174は、絶縁膜又は絶縁プレート290側から密着層、拡散防止層、発熱層の順に積層したものである。発熱層は3層の中で最も低い抵抗率の材料(例えば、Au)であり、電熱線170,172,174に電圧が印加されると電流が集中的に流れて発熱する。拡散防止層には、発熱層の材料が拡散防止層や密着層に対して拡散しないように比較的融点が高く且つ反応性が低い物質(例えば、W)を用いることが好ましい。密着層は、拡散防止層が絶縁膜又は絶縁プレート290に対して密着性が優れていない場合に用いられるものであり、拡散防止層に対しても絶縁膜又は絶縁プレート290に対しても密着性に優れた材料(例えば、Ta、Mo、Ti、Cr)からなる。電熱線170は、起動時に低温反応部6を加熱し、電熱線172は、起動時に高温反応部4及び連結管8を加熱し、電熱線174は、パイプ群2の気化器502及び第一燃焼器504を加熱する。この後、マイクロリアクタモジュール1から排出された水素ガスによって発電する燃料電池から、電気化学反応に用いられずに残った水素を含むオフガスが排気される。このオフガスを第二燃焼器508に導入して燃焼させたら、電熱線172は第二燃焼器508の補助として高温反応部4及び連結管8を加熱する。同様に、燃料電池からの水素を含むオフガスが第一燃焼器504で燃焼される場合、電熱線170及び電熱線174は第一燃焼器504の補助として低温反応部6及びパイプ群2を加熱する。
また、電熱線170,172,174は温度の変化に応じて電気抵抗が変化するので、所定の印加電圧又は電流に対する抵抗値から温度を読み取ることができる温度センサとしても機能する。具体的には、電熱線170,172,174の温度は電気抵抗に比例する。
電熱線170,172,174の何れの端部も低温反応部6の下面に位置し、これら端部が燃焼器プレート12を囲むように配列されている。電熱線170の両端部にはそれぞれリード線176,178が接続され、電熱線172の両端部にはそれぞれリード線180,182が接続され、電熱線174の両端部にはそれぞれリード線184,186が接続されている。なお、図3においては、図面を見やすくするために、電熱線170,172,174及びリード線176,178,180,182,184,186の図示を省略する。
図16、図17に示すように、このマイクロリアクタモジュール1は断熱パッケージ200を具備し、高温反応部4、低温反応部6及び連結管8が断熱パッケージ200に収容されている。断熱パッケージ200は、下面が開口した長方形状のケース202と、ケース202の下面開口を閉塞したベースプレート204とを有し、ベースプレート204がケース202に接合されている。ケース202及びベースプレート204のどちらも肉厚が0.1mm〜0.2mm程度のステンレス鋼(SUS304)等の金属からなる。断熱パッケージ200は、パイプ群2、高温反応部4、低温反応部6及び連結管8からの熱輻射を反射して断熱パッケージ200の外に伝搬することを抑制する。断熱パッケージ200は内圧が1Pa以下になるように、マイクロリアクタモジュール1との間の内部空間が減圧排気されている。パイプ群2の水素ガス用排出路24の管材23は、断熱パッケージ200から露出されており、後述する発電モジュール608の燃料極に連結され、液体燃料導入管10は流量制御ユニット606を介して燃料容器604に連結されている。
リード線176,178,180,182,184,186,192,194を有する配線群197は、一部が断熱パッケージ200から露出されている。液体燃料導入管10並びにリード線176,178,180,182,184,186,192,194においてそれぞれ断熱パッケージ200から露出している部分から断熱パッケージ200内に外気が侵入して内圧が上がるような隙間が生じないように、液体燃料導入管10並びにリード線176,178,180,182,184,186,192,194は断熱パッケージ200のベースプレート204に金属蝋、ガラス材又は絶縁封止材で接合されている。断熱パッケージ200は金属性なので導電性を示すが、リード線176,178,180,182,184,186,192,194が高融点絶縁体で被覆されているので、リード線176,178,180,182,184,186,192,194が断熱パッケージ200とそれぞれ導通することはない。断熱パッケージ200の内部空間の内圧を低く維持できるので、マイクロリアクタモジュール1が発する熱を伝搬する媒体が希薄になり、内部空間でのまた熱対流が抑えられるのでマイクロリアクタモジュール1の保温効果が増える。
そして、断熱パッケージ200で封止された空間において、マイクロリアクタモジュール1の高温反応部4及び低温反応部6の間には所定の距離の連結管8が介在しているが、連結管8の容積は高温反応部4及び低温反応部6の容積に対して極めて小さいので、連結管8による高温反応部4から低温反応部6への熱の伝搬は抑えられ、高温反応部4と低温反応部6との間では、反応に必要な熱勾配を維持できるとともに高温反応部4内の温度を均等にしやすく、低温反応部6内の温度を均等にしやすくすることができる。
図3、図5に示すように、低温反応部6の表面には、経時的にマイクロリアクタモジュール1から漏洩し得る流体、経時的にマイクロリアクタモジュール1から発生する流体、また箱体202とベースプレート204との接合時に十分な減圧排気ができずに残存する外気の一部、経時的に断熱パッケージ200内に侵入する外気といった断熱パッケージ200の内部空間の圧力を上げる要因を吸着することで断熱パッケージ200の内部空間から除去するゲッター材188が設けられ、ゲッター材188には電熱材等のヒータが設けられ、このヒータには配線190が接続されている。配線190の両端部は燃焼器プレート12の周囲においてベースプレート28の下面に位置し、配線190の両端部にはそれぞれリード線192,194が接続されている。ゲッター材188は加熱されることで活性化して吸着作用をもつものであり、ゲッター材188の材料としてはジルコニウム、バリウム、チタニウム又はバナジウムを主成分とした合金が挙げられる。なお、図3においては、図面を見やすくするために、リード線192,194の図示を省略する。リード線192,194は、一部が断熱パッケージ200から露出されており、露出している部分から断熱パッケージ200内に外気が侵入して内圧が上がるような隙間が生じないように、リード線192,194は断熱パッケージ200のベースプレート204に金属、ガラス材又は絶縁封止材で接合されている。配線群197は、各リード線同士の間隔が均等となるよう離間していることが望ましく、液体燃料導入管10の周囲に配置されることが望ましい。
このように、ベースプレート204を複数の通し孔206が貫通し、管材15,17,19,21,23、液体燃料導入管10及びリード線176,178,180,182,184,186,192,194がそれぞれの通し孔206に挿通された状態で金属又はガラス封止されている。断熱パッケージ200の内部空間は密閉されているが、その内部空間が減圧とされているので、断熱効果が高いものとされている。そのため、熱損失を抑えることができる。
管材15,17,19,21,23及び液体燃料導入管10は断熱パッケージ200の内側にも外側にも突出した状態とされている。そのため、断熱パッケージ200の内側においては管材15,17,19,21,23及び液体燃料導入管10が支柱としてベースプレート204に対して立った状態とされ、高温反応部4、低温反応部6及び連結管8が管材15,17,19,21,23及び液体燃料導入管10に支持されて、高温反応部4、低温反応部6及び連結管8が断熱パッケージ200の内面から離れている。
また、液体燃料導入管10は、平面視して高温反応部4、低温反応部6及び連結管8全体の重心において低温反応部6の下面に連結していることが望ましい。
なお、仮に液体燃料導入管10、パイプ群2、配線群197が高温反応部4に設けられている場合、高温反応部4は動作時に高温に保持する必要があるため、液体燃料導入管10、パイプ群2、配線群197まで高温になってしまい、液体燃料導入管10、パイプ群2、配線群197から断熱パッケージ200に伝熱して逃げる熱量が大きくなってしまうが、液体燃料導入管10、パイプ群2、配線群197は低温反応部6に設けられているので、液体燃料導入管10、パイプ群2、配線群197から断熱パッケージ200に伝熱して逃げる熱量が小さく、液体燃料導入管10、パイプ群2、配線群197において断熱パッケージ200の外部に露出している部分から放熱される熱量も少なくて済む。
なお、ゲッター材188は低温反応部6の表面に設けられているが、ゲッター材188の設ける位置は断熱パッケージ200の内側であれば特に限定されない。
ここで、管材15,17,19,21,23の上端部は、フランジ状に形成されており、フランジ部分が低温反応部6の下面に当たるベースプレート296に固定されている。ベースプレート296は低温反応部6と同様に120℃〜200℃、さらに好ましくは140℃〜180℃に加熱され、断熱パッケージ200は80℃程度に加熱され、ベースプレート29と断熱パッケージ200とは数十℃の温度差が生じる。そのため、液体燃料導入管10を中心として周囲に正五角形状に設けられた管材15,17,19,21,23は、ベースプレート29との接続部分と、ベースプレート204との接触部分との間の部分、すなわち、断熱パッケージ200内に収容される部分に熱膨張による応力(例えば100MPa程度)がかかる。そして、この応力によって管材15,17,19,21,23には変形が生じるが、上述したように管材15,17,19,21,23は超弾性効果を有する材料により形成されているから、変形したとしても元の形状に戻り、折れ曲がることもない。液体燃料導入管10は、その管径が管材15,17,19,21,23の管径よりも長いために、応力に対する耐性が管材15,17,19,21,23よりもあるが、応力の歪みにより流体を漏洩しないように、管材15,17,19,21,23同様に超弾性材料により形成されていてもよい。同様に配線群197も配線軸を超弾性材料によって形成されていてもよい。
次に、マイクロリアクタモジュール1の動作について説明する。
まず、リード線192,194の間に電圧が印加されると、ゲッター材188がヒータによって加熱され、ゲッター材188が活性化される。これにより、断熱パッケージ200内のガス等の圧力を上げる要因がゲッター材188に吸着され、断熱パッケージ200内の減圧度が高まり、断熱効率が高まる。
また、リード線176,178の間に電圧が印加されると、電熱線170が発熱し、低温反応部6が加熱される。リード線180,182の間に電圧が印加されると、電熱線172が発熱し、高温反応部4が加熱される。リード線184,186の間に電圧が印加されると、電熱線174が発熱し、液体燃料導入管10の上部が加熱される。液体燃料導入管10、高温反応部4、低温反応部6及び連結管8が金属材料からなるため、これらの間で熱伝導しやすい。なお、電熱線170,172,174の電流・電圧が制御装置によって測定されることで、液体燃料導入管10、高温反応部4及び低温反応部6の温度が測定され、測定温度が制御装置にフィードバックされ、制御装置によって電熱線170,172,174の電圧が制御され、これにより液体燃料導入管10、高温反応部4及び低温反応部6の温度制御がなされる。
電熱線170,172,174によって液体燃料導入管10、高温反応部4及び低温反応部6が加熱された状態において、気化用導入路14に液体燃料と水の混合液がポンプ等によって連続的又は断続的に供給されると、混合液が吸液材33に吸収され、毛細管現象により混合液が気化用導入路14の上に向かって浸透する。そして、混合液が吸液材33内で加熱されて気化し、燃料と水の混合気が吸液材33から蒸散する。多孔質の吸液材33では、微細な孔に仕切られた多数の微細な液面から気化されていく。このため、各孔にはそれぞれ少量の混合液しかないので、過剰に熱量が加えられても突沸することなく定量的に安定して気化することができる。
そして、吸液材33から蒸散した混合気は貫通孔52、改質燃料供給流路38、吹抜け孔114を通って第一改質器506(改質用流路116)に流れ込む。その後、混合気は吹抜け孔154、連通流路49、吹抜け孔155を通って第二改質器510(改質用流路150)に流れ込む。混合気が改質用流路116,150を流れている際には、混合気が加熱されて触媒反応することによって、水素ガス等が生成される(燃料がメタノールの場合には、上記化学反応式(1)、(2)を参照。)。
第一改質器506及び第二改質器510で生成された混合気(水素ガス、二酸化炭素ガス、一酸化炭素ガス等を含む。)が吹抜け孔115を通って混合流路40へと流れ込む。一方、空気がポンプ等によって空気用導入路16に供給され、貫通孔60を介して混合流路40へ流れ込み、水素ガス等の混合気と空気が混合される。
そして、空気、水素ガス、一酸化炭素ガス、二酸化炭素ガス等を含む混合気が混合流路40から吹抜け孔66,88を通って一酸化炭素除去器512(一酸化炭素除去用流路84から一酸化炭素除去用流路46まで)へ流れ込む。混合気が一酸化炭素除去用流路84から、一酸化炭素除去用流路44、一酸化炭素除去用流路64(一酸化炭素除去用流路42を含む)を経由して一酸化炭素除去用流路46へ流れている時に、混合気中の一酸化炭素ガスが選択的に酸化され、一酸化炭素ガスが除去される。ここで、一酸化炭素ガスは一酸化炭素除去用流路84から一酸化炭素除去用流路46までの間で均一的に反応するのではなく、一酸化炭素除去用流路84から一酸化炭素除去用流路46までの経路のうち下流(主に、一酸化炭素除去用流路64から一酸化炭素除去用流路46にかけて)において一酸化炭素ガスの反応速度が高くなる。一酸化炭素ガスの酸化反応は発熱反応であるので、主に一酸化炭素除去用流路64から一酸化炭素除去用流路46までの部分で熱が発生する。この部分の下に液体燃料導入管10が位置するので、一酸化炭素ガスの酸化反応による熱が水と燃料の気化熱に効率よく用いられる。
そして、一酸化炭素が除去された状態の混合気が貫通孔54及び水素ガス用排出路24を通って燃料電池の燃料極等に供給される。燃料電池では水素ガスの電気化学反応により電気が生成され、未反応の水素ガス等を含むオフガスが燃料電池から排出される。
以上の動作は初期段階の動作であるが、その後も続けて混合液が気化用導入路14に供給される。そして、燃料電池から排出されたオフガスに酸素(空気でもよい)が混合され、その混合気(以下、燃焼混合気という。)が燃焼混合気導入路22及び燃焼混合気導入路18に供給される。燃焼混合気導入路22に供給された燃焼混合気は貫通孔51、燃焼燃料供給流路47、貫通孔53を通って燃焼用流路26に流れ込み、燃焼混合気が燃焼用流路26において触媒燃焼する。これにより燃焼熱が発するが、燃焼用流路26が低温反応部6の下側において液体燃料導入管10を周回しているため、燃焼熱によって液体燃料導入管10つまり気化器502が加熱されるとともに低温反応部6が加熱される。そのため、電熱線170,174の消費電力を小さくすることができ、エネルギーの利用効率が高まる。
一方、燃焼混合気導入路18に供給された燃焼混合気は貫通孔58、燃焼燃料供給流路48、吹抜け孔132を通って燃焼室138,140へ流れ込み、燃焼混合気が燃焼室138,140において触媒燃焼する。これにより燃焼熱が発するが、燃焼室138,140の両側に第一改質器506、第二改質器510が配置されているので、燃焼熱によって第一改質器506及び第二改質器510が加熱される。そのため、電熱線172の消費電力を小さくすることができ、エネルギーの利用効率が高まる。ここで、高温反応部4は低温反応部6よりも高温に保持しなければならないので、第二燃焼器508での単位時間あたりのオフガスの水素供給量を第一燃焼器504での単位時間あたりのオフガスの水素供給量より多くするか、第一燃焼器504での冷媒となる酸素(空気)の単位時間あたりの供給量を第二燃焼器508での酸素(空気)の単位時間あたりの供給量より多くするようにしてもよい。
なお、燃料容器604に貯留されている液体燃料が気化されて、その気化した燃料と空気の燃焼混合気が燃焼混合気導入路18,22に供給されるようにしても良い。
混合液が気化用導入路14に供給された状態であって、燃焼混合気が燃焼混合気導入路18,22に供給された状態において、制御装置が電熱線170,172,174の可変抵抗値によって温度を測定しながら、電熱線170,172,174の印加電圧を制御するとともに、ポンプ等を制御する。制御装置によってポンプが制御されると、燃焼混合気導入路18,22に供給される燃焼混合気の流量が制御され、これにより燃焼器504,508の燃焼熱量が制御される。このように制御装置が電熱線170,172,174及びポンプを制御することによって、それぞれ高温反応部4、低温反応部6及びパイプ群2の温度制御がなされる。ここで、高温反応部4が250℃〜400℃好ましくは300℃〜380℃、低温反応部6が高温反応部4より低い温度、具体的には120℃〜200℃、さらに好ましくは140℃〜180℃となるよう、温度制御を行う。より詳細には、図21の低温反応部6のベース部296近傍に位置する線L1が150℃、吸液材33の上端に位置する線L2が120℃、ベースプレート204の外表面の位置の線L3が80℃、吸液材33の下方に位置する線L4が65℃となるような温度分布となることが好ましい。
つまり、断熱パッケージ200内を高温に保持するとともに、断熱パッケージ200外に放熱する熱量を抑制するために断熱パッケージ200から露出している液体燃料導入管10、パイプ群2、配線群197を高温反応部4側ではなく低温反応部6側に設けている。さらに第一燃焼器504の燃焼熱が液体燃料導入管10に伝搬して、気化用導入路14内の吸液材33を下から上に向かうに従って徐々に温度が高くして効率的に燃料を気化できるように、第一燃焼器504が吸液材33の上部の周囲のみに配置されている。
図18に示すように、以上のようなマイクロリアクタモジュール1は、発電ユニット601に組み付けて用いることができる。この発電ユニット601は、フレーム602と、フレーム602に対して着脱可能な燃料容器604と、流路、ポンプ、流量センサ及びバルブ等を有する流量制御ユニット606と、断熱パッケージ200に収容された状態のマイクロリアクタモジュール1と、燃料電池、加湿器及び回収器等を有する発電セル608と、エアポンプ610と、二次電池、DC−DCコンバータ及び外部インターフェース等を有する電源ユニット612とを具備する。流量制御ユニット606によって燃料容器604内の水と液体燃料の混合気がマイクロリアクタモジュール1に供給されることで、上述のように水素ガスが生成され、水素ガスが発電セル608の燃料電池に供給され、生成された電気が電源ユニット612の二次電池に蓄電される。
図19は、発電ユニット601を電源として用いた電子機器701の斜視図である。図19に示すように、この電子機器701は、携帯型の電子機器であって、特にノート型パーソナルコンピュータである。電子機器701は、CPU、RAM、ROM、その他の電子部品から構成された演算処理回路を内蔵するとともにキーボード702を備え付けた下筐体704と、液晶ディスプレイ706を備え付けた上筐体708と、を備える。下筐体704と上筐体708はヒンジ結合されており、上筐体708を下筐体704に重ねてキーボード702に液晶ディスプレイ706を相対させた状態で折り畳むことができるように形成されている。下筐体704の右側面から底面にかけて、発電ユニット601を装着するための装着部710が凹設され、装着部710に発電ユニット601を装着すると、発電ユニット601の電気によって電子機器701が動作する。
以上のように本実施の形態によれば、複数の管材15,17,19,21,23は、超弾性効果を有する材料により形成されているので、低温反応部6と断熱パッケージ200との温度差による熱膨張により、比較的細い管材15,17,19,21,23に応力が加わり、低温反応部6のベースプレート296との接続部分と断熱パッケージ200のベースプレート204との接触部分との間で変形が生じるが、応力が除かれることにより元の形状に自力で復元する。よって、管材15,17,19,21,23の耐変形性能及び耐破壊性能を向上させることができる。
また、管材15,17,19,21,23のうち、流通する流体中に水素を含む管の内面にはメッキ処理が施されているので、水素を吸収して脆化することを抑えることができる。
改質器506、燃焼器508、改質器510が改質器ベース体104の底板117に平行な方向に積層され、箱体110,112、燃焼器プレート106,108が底板117に接合されているから、箱体110,112同士や箱体110,112と燃焼器プレート106,108を接合せずとも済み、接合面を少なくすることができる。そのため、内部の反応物や生成物が漏洩しないような反応装置を提供することができる。
また、ベースプレート29のベース部102の上に改質器ベース体104が接合され、ベースプレート29の別のベース部28の上に一酸化炭素除去器512が設けられているから、第一改質器506、第二改質器510、第二燃焼器508、一酸化炭素除去器512のベースとなる部分がベースプレート29として共有化されている。そのため、マイクロリアクタモジュール1の部品点数がその共有に係る分だけ低減され、改質器507,510と一酸化炭素除去器512との接合プロセスも不要となるから、マイクロリアクタモジュール1の製造プロセスの簡略化を図ることができる。
また、改質器ベース体104の底板117に立設された隔壁119,121,123,125に箱体110,112を覆うことで改質器506,510が設けられるから、改質器506.510の内側に流路を形成する場合に箱体110,112に隔壁を設ける必要がない。そのため、改質器506,510の接合面が減り、底板117と箱体110,112とを接合する場合に隔壁同士を接合する接合プロセスも不要となるから、改質器506,510の製造プロセスの簡略化を図ることができる。
また、断熱パッケージ200の内部空間が断熱空間となっており、高温反応部4が低温反応部6から離れ、高温反応部4から低温反応部6までの間隔が連結管8の長さ分となっている。従って、高温反応部4から低温反応部6への伝熱の経路が連結管8に限られ、高温を要しない低温反応部6への伝熱が限定される。特に、連結管8の高さ及び幅は高温反応部4と低温反応部6の高さ及び幅よりも小さいから、連結管8を通じた熱伝導も極力抑えられている。そのため、高温反応部4の適正温度及び低温反応部6の適正温度の差を保持でき、さらに高温反応部4の熱損失を抑えることができるとともに、低温反応部6が設定温度以上に昇温することも抑えることができる。即ち、1つの断熱パッケージ200内に高温反応部4と低温反応部6を収容した場合でも、高温反応部4と低温反応部6の間で適正な温度差を発生することができる。
また、低温反応部6と高温反応部4との間を通じた流路38,40,48,50を1本の連結管8にまとめた状態とされているので、連結管8等に発生する応力を小さくすることができる。つまり、高温反応部4と低温反応部6との間には温度差があるから、低温反応部6よりも高温反応部4のほうがより膨張するが、高温反応部4が連結管8との連結部以外は自由端となっているので、連結管8等に発生する応力を抑えることができる。特に、連結管8は高さや幅が高温反応部4や低温反応部6よりも小さく、更に連結管8は高温反応部4及び低温反応部6の幅方向中央部において高温反応部4及び低温反応部6に連結しているから、連結管8、高温反応部4及び低温反応部6の応力発生を抑えることができる。
管材15,17,19,21,23、液体燃料導入管10、リード線176,178,180,182,184,186,192,194は断熱パッケージ200の外側に延出しているが、これらは全て低温反応部6に連結されている。そのため、高温反応部4から断熱パッケージ200外への直接の伝熱を抑えることができ、高温反応部4の熱損失を抑えることができる。従って、1つの断熱パッケージ200内に高温反応部4と低温反応部6を収容した場合でも、高温反応部4と低温反応部6の間で温度差を発生することができる。
連結管8の下面、高温反応部4の下面及び低温反応部6の下面が面一となっているため、電熱線172を比較的簡単にパターニングすることができ、電熱線172の断線を抑えることができる。
また、液体燃料導入管10の気化用導入路14に吸液材33を充填させて、気化用導入路14を気化器502としたので、マイクロリアクタモジュール1の小型化・簡略化を図りつつ、混合液の気化に必要な温度状態(気化用導入路14の上部が120℃となる状態)とすることができる。
また、燃焼器プレート12は液体燃料導入管10の上端部において液体燃料導入管10の周囲に設けられて、更に気化用導入路14内の吸液材33が燃焼器プレート12の高さの位置まで充填されているから、第一燃焼器504における燃焼熱を混合液の気化に効率よく用いることができる。
また、第一改質器506と第二改質器510との間に第二燃焼器508を挟んだ構造としているため、第二燃焼器508の燃焼熱が第一改質器506と第二改質器510に均等に伝導し、第一改質器506と第二改質器510との間に温度差が生じない。
パイプ群2、高温反応部4、低温反応部6及び連結管8のどの部分においても、流路を仕切る隔壁が薄くされているので、これらの熱容量を小さくすることができ、動作の初期段階においてパイプ群2、高温反応部4、低温反応部6及び連結管8を室温から高温にすぐに温めることができる。更に、電熱線170,172,174の消費電力も下げることができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々の改良及び設計の変更をおこなっても良い。
上記実施形態において、管材の本数は上述の本数に限定されるものではなく、適宜変更可能である。さらに、全ての管材15,17,19,21,23が超弾性を有する材料により形成されていなくとも、少なくともいずれか1本が超弾性を有する材料により形成されていれば良い。特に各管材内に流す流体の流量が異なる場合、流量の多い管材は、径が長く応力に対して耐性があり、流量の少ない管材は、径は短く応力に対して耐性が不十分であった場合、管材の径の短いもののみ超弾性材料で形成してもよく、また、管材の肉厚が多の管材よりも薄くもののみ超弾性材料で形成してもよい。
また、上記実施形態では、底板117に燃焼器プレート106,108を接合することで第二燃焼器508を設けたが、予め下方が開口した箱体を設け、その箱体を第一改質器506と第二改質器510との間において底板117に接合することで、箱体の下側開口を底板117によって閉塞しても良い。この場合箱体の内側が燃焼室となるが、その燃焼室を隔壁によって2つ以上に仕切って、隔壁に通し孔を形成して通じるようにしても良い。
斜め上から示したマイクロリアクタモジュール1の斜視図である。 斜め下から示したマイクロリアクタモジュール1の斜視図である。 マイクロリアクタモジュール1の側面図である。 マイクロリアクタモジュール1を機能ごとに分けた場合の概略側面図である。 マイクロリアクタモジュール1の分解斜視図である。 図3の切断線VI−VIに沿った面の矢視断面図である。 図3の切断線VII−VIIに沿った面の矢視断面図である。 図3の切断線VIII−VIIIに沿った面の矢視断面図である。 図3の切断線IX−IXに沿った面の矢視断面図である。 絶縁プレート290にベースプレート29を接合した状態の斜視図である。 ベースプレート29に改質器ベース体104及び下部枠30を接合した状態の斜視図である。 改質器ベース体104に箱体110等を接合し更に下部枠30に上部枠34を接合した状態の斜視図である。 第二燃焼器508の分解斜視図である。 液体燃料と水が供給されてから、生成物である水素ガスが排出されるまでの経路を示した図面である。 燃焼混合気が供給されてから、生成物である水等が排出されるまでの経路を示した図面である。 マイクロリアクタモジュール1の断熱パッケージ200の分解斜視図である。 斜め下から示した断熱パッケージ200の斜視図である。 発電ユニット601の斜視図である。 電子機器701の斜視図である。 超弾性効果を有する材料の特性を示した図である。 図7の切断線XXI−XXIに沿った面の矢視断面図である。
符号の説明
1 マイクロリアクタモジュール
4 高温反応部
6 低温反応部
8 連結管
15,19,21,23 管材
200 断熱パッケージ

Claims (8)

  1. 断熱パッケージと、
    前記断熱パッケージ内に収容され、反応物の反応を起こす反応部と、
    前記反応部に接続されるとともに前記断熱パッケージを貫通して設けられ、前記反応部に反応物の供給又は前記反応部から生成物の排出を行う複数の管材と、を備え、
    前記複数の管材のうち少なくとも1つは、超弾性効果を有する材料により形成されていることを特徴とする反応装置。
  2. 前記反応部は、前記断熱パッケージと離間した状態で前記複数の管材によって支持されていることを特徴とする請求項1に記載の反応装置。
  3. 前記反応部は、
    反応物の反応を起こす高温反応部と、
    前記高温反応部よりも低温で反応物の反応を起こす低温反応部と、
    を有することを特徴とする請求項1または2に記載の反応装置。
  4. 前記高温反応部と前記低温反応部との間に架設され、前記高温反応部と前記低温反応部との間で反応物及び生成物を送る連結部、
    を有することを特徴とする請求項3に記載の反応装置。
  5. 前記低温反応部は、前記断熱パッケージと離間した状態で前記複数の管材によって支持されていることを特徴とする請求項3または4に記載の反応装置。
  6. 前記低温反応部は一酸化炭素除去部を有することを特徴とする請求項3〜5のいずれか一項に記載の反応装置。
  7. 前記高温反応部は水素改質部を有することを特徴とする請求項3〜6のいずれか一項に記載の反応装置。
  8. 前記複数の管材の内面にメッキ処理が施されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の反応装置。



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