JP2007090809A - Frpのプリフォームの製造方法および装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】
従来のRTM成形用プリフォームの製造方法では、プリフォーム成形後にRTM成形型のキャビティに合わせてカッター等でトリミングを行っているが、キャビティに対し、大小のズレが大きくRTM成形の精度を落としている。
【解決手段】
賦形面が凹形状および/または凸形状を有する下型に層間固着剤を有する複数枚の強化繊維基材の積層シートを載置し、上型との間ではさむことにより型に沿わせると同時にまたは直後に外周部を挟持し、かかる挟持状態の下で外周部をトリミングすることを特徴とするFRPのプリフォームの製造方法
【選択図】 図1
従来のRTM成形用プリフォームの製造方法では、プリフォーム成形後にRTM成形型のキャビティに合わせてカッター等でトリミングを行っているが、キャビティに対し、大小のズレが大きくRTM成形の精度を落としている。
【解決手段】
賦形面が凹形状および/または凸形状を有する下型に層間固着剤を有する複数枚の強化繊維基材の積層シートを載置し、上型との間ではさむことにより型に沿わせると同時にまたは直後に外周部を挟持し、かかる挟持状態の下で外周部をトリミングすることを特徴とするFRPのプリフォームの製造方法
【選択図】 図1
Description
本発明は、FRP(繊維強化プラスチック)の成形に用いるプリフォームの製造方法および製造装置に関する。詳しくは強化繊維基材を積層してなる繊維強化プラスチックのプリフォームを、早いサイクルで、しかも高精度で成形するプリフォームの製造方法および製造装置に関する。
FRPはハンドレイアップ成形法による人手作業や、半硬化状態の熱硬化性樹脂を含浸させた中間基材(プリプレグ)を積層し、オートクレーブ内で加圧加熱成形するなどの各種成形法により、一般産業用途に広く製造されていた。
しかし、最近のFRPの用途は、自動車用途など、輸送機器部材などの低コスト大量生産が必要な用途が増加し、成形サイクルの短縮・自動化などの、より一層の生産性向上が望まれている。
そのため、これまでのプリプレグを使用した成形法よりも、格段に成形サイクルが短縮できるRTM法(レジン・トランスファー・モールディング)、成形型内を真空吸引して樹脂の含浸を助けるVa−RTM法、RIM法(レジン・インジェクション・モールディング)など、樹脂が未含浸の強化繊維基材を使用してプリフォームを成形した後に樹脂を一括含浸させる成形法が盛んになってきている。
その際の課題として、最終製品たるFRP成形部材の形状とほぼ一致するサイズのプリフォームを素早く、正確にプリフォーム成形する技術が要求されている。
ここで、プリフォーム成形とは、樹脂を含浸させるFRP成形とは異なり、樹脂が未含浸のシート状の強化繊維基材を積層して、FRP成形部材の形状とほぼ一致するサイズに成形する工程をいう。
自動化されたシステムとして、平面基材の自動裁断機が用いられるが、設備投資が大きく、コスト面での成立は困難である。
このため、従来のプリフォーム成形方法は、強化繊維基材を上型と下型ではさみ、加熱賦形後金型から脱型した後、成形製品の形状にハサミやカッターを用いて手作業でトリミング切断を行っていた。この方法では、トリミング時のカッターの刃の角度や、ハサミの切断位置ズレ等により成形品状にほぼ一致する形状から大きく外れるものができることが多かった。
成形品状にほぼ一致する形状よりも大きくなると、図6のようにFRP基材を金型に載過すると上下型の間に基材を噛み込み、適正な製品を得ることが出来ず、また逆に小さくなると、図7のように基材シートの無い部分に樹脂が流れ込むことにより適正な樹脂流れが得られず、未含浸等の成形不良が発生する。このように手作業でのトリミングでは安定した寸法精度の高いプリフォームを得ることが難しく、精度を上げるのに手間がかかるためコストアップの要因ともなっている。
特開2004−322442号公報
本発明は、これら従来技術の問題点を解決すべくなされたものであって、積層基材を用いてプリフォームを成形する際に成形金型への追加機能として適用も可能な高精度のトリミング方法で、早いサイクルでのプリフォーム成形を可能にするFRPのプリフォーム製造方法および製造装置を提供することを目的とする。
本発明は、前記目的を達成するため、以下の手段を採用する。すなわち、
(1)賦形面が凹形状および/または凸形状を有する下型に層間固着剤を有する複数枚の強化繊維基材の積層シートを載置し、上型との間ではさむことにより型に沿わせると同時にまたは直後に外周部を挟持し、かかる挟持状態の下で外周部をトリミングすることを特徴とするFRPのプリフォームの製造方法
(2)上型と下型から構成されるFRPのプリフォーム製造装置において、該上型および該下型が凹形状および/または凸形状の面を含む型押し部と、該型押し部の外側に積層シートの外周部を挟持する挟持部を有し、かつ、該型押し部と該挟持部の間にトリミング手段を備えたことを特徴とするFRPのプリフォーム製造装置
(3)下型に載置した積層シートに上型が接触し型に沿わせたあと、上型に配置された打ち抜き機構により製品形状にトリミングする前記(2)に記載のFRPのプリフォーム製造装置
(4)前記上型のトリミング手段として鋼製の刃物が配置されており、型押し部と該鋼製の刃物との隙間が5mm以下である前記(3)〜(4)のいずれかに記載のFRPのプリフォーム製造装置
(5)前記下型のトリミング手段が鋼材であり、上型のトリミング手段との隙間が下型と上型の隙間および積層シートの厚みを積層数で除した値以下である前記(2)〜(4)のいずれかに記載のFRPのプリフォーム製造装置
(6)前記上型の型押し部および/または挟持部が、上型の打ち抜き機構部に吊り下げられており、下型に載置した積層シートを型押し部および/または挟持部の自重で沿わせた後、打ち抜き機構によりトリミングする前記(2)〜(5)のいずれかに記載のFRPのプリフォーム製造装置
(1)賦形面が凹形状および/または凸形状を有する下型に層間固着剤を有する複数枚の強化繊維基材の積層シートを載置し、上型との間ではさむことにより型に沿わせると同時にまたは直後に外周部を挟持し、かかる挟持状態の下で外周部をトリミングすることを特徴とするFRPのプリフォームの製造方法
(2)上型と下型から構成されるFRPのプリフォーム製造装置において、該上型および該下型が凹形状および/または凸形状の面を含む型押し部と、該型押し部の外側に積層シートの外周部を挟持する挟持部を有し、かつ、該型押し部と該挟持部の間にトリミング手段を備えたことを特徴とするFRPのプリフォーム製造装置
(3)下型に載置した積層シートに上型が接触し型に沿わせたあと、上型に配置された打ち抜き機構により製品形状にトリミングする前記(2)に記載のFRPのプリフォーム製造装置
(4)前記上型のトリミング手段として鋼製の刃物が配置されており、型押し部と該鋼製の刃物との隙間が5mm以下である前記(3)〜(4)のいずれかに記載のFRPのプリフォーム製造装置
(5)前記下型のトリミング手段が鋼材であり、上型のトリミング手段との隙間が下型と上型の隙間および積層シートの厚みを積層数で除した値以下である前記(2)〜(4)のいずれかに記載のFRPのプリフォーム製造装置
(6)前記上型の型押し部および/または挟持部が、上型の打ち抜き機構部に吊り下げられており、下型に載置した積層シートを型押し部および/または挟持部の自重で沿わせた後、打ち抜き機構によりトリミングする前記(2)〜(5)のいずれかに記載のFRPのプリフォーム製造装置
本発明は、強化繊維基材を積層した繊維強化複合材料用プリフォームを成形する際に、層間固着材を有する強化繊維基材の積層シートを上型および下型ではさんで賦形した直後または同時に製品部の外周を挟持し、その直後に製品形状にトリミングして精度の良いプリフォームを得るものである。
また、通常行われていたプリフォーム後のトリミング工程を、プリフォーム工程に含んで行うことができることから、低コストなプリフォームを得ることができ、RTM成形製品の高品質化、低コスト化が図れる。
以下、本発明の好ましい実施の形態をその一実施例の図面を参照して説明する。
まず、本発明のプリフォーム製造装置の一実施態様を説明する。図1〜3は本発明のプリフォームからトリミングまでの流れであり、図4はトリミング時の強化繊維挟持部の図である。
図1に示すように、本発明のFRPのプリフォーム製造装置は、凹形状および/または凸形状を有する下型2と、それに対応する凹形状および/凸形状を有する上型1と、上型1の外周部に強化繊維基材をトリミングする刃物部4と、刃物の外周にトリミング時に強化繊維基材のずれを防止するための挟持部3とそれらを固定する天板5とそれら上型1にかかる3〜5を昇降させる昇降装置および加圧装置6から構成されている。
下型2は複数枚の強化繊維基材の積層シートを載置するための部材であり、製品と同様に凹形状および/凸形状を有する。刃物部4は、上型1の成形部材の形状とほぼ一致する凹凸形状の外周に設けてトリミングをする刃物4bと、それを保持する固定ガイド4aで構成される。下型2の製品部の外周には上型1に配置したトリミング刃物4bの逃がし溝2aと挟持部3の受け溝2bを有している。逃がし溝2aは、トリミング刃物4bとの隙間2cが上型1と下型2の隙間および強化繊維の積層シートの厚み2d÷積層数以下となるように配置する。これにより隙間2cが強化繊維基材よりも小さくなり強化繊維基材が逃がし溝2aの中に入り込んだ時に発生する切断不良を防止することができる。
上型1は、成形部材の形状とほぼ一致しており、下型2の形状に対し強化繊維基材の積層シートの厚み分オフセットされた凹形状および/凸形状を有している。また上型1は下型2および強化繊維基材の積層シートに自重で接触し、トリミングする直前に加圧装置6により加圧されるようになっている。但し、製品が小さく、トリミング圧力が天板5の重量を下回る場合には加圧装置は無くても良い。
固定ガイド4aは上型1を保持するストッパーが上型1の外周全周に配置されている。ストッパーの配置や数量は上型1の大きさや重量により変更することが可能である。
トリミング刃物4bは、固定ガイド4aと天板5のいずれかまたは両方に固定され、刃物4bが強化繊維を押し込んだときにトリミングできず変形してしまうのを防止するため上型1の外周との隙間が5mm以下になるように配置されている。また、下型2のトリミング刃物4bの逃がし溝2aとの隙間が上型1と下型2の隙間および強化繊維の積層シートの厚み2d÷積層数以下となるように配置されている。固定ガイド4aと刃物4bはそれぞれ一体形状でも良いが、複数に分割されていても良い。
挟持部3は、下型2の受け部2bに対して強化繊維基材の積層シートを押しつける挟持部パッド3aと、トリミング直前に挟持部を加圧するダンパー3bとからなっている。挟持部3はトリミング刃物4bと近接する位置に配置されており、1体形状が好ましいが分割する事も可能である。挟持部3の強化繊維積層シートへの押し当て部は平面でも良いが、製品外周に沿ってV字カットや、凸ラインを入れることにより、挟持効果を高めることができる。また、先端部にNBRやシリコン等のゴムを用いることにより同様の効果を得ることができる。この時下型2の受け部2bは、挟持部と同形状または挟持部の形状+強化繊維機材の厚みに対応した形状にしておくのがよいが、先端部にNBRやシリコン等のゴムを用いる場合には、同形状で無くても良い。
挟持部3を加圧するダンパー3bは、天板5に取り付けられ挟持部パッド3aと連結されており、挟持部1分割に対し2本以上配置するのが好ましい。使用されるダンパー3bは押し付け時の強化繊維基材の積層シートにかかる圧力が0.1MPa以上であるものを使用する。ダンパー3bはコイルバネ、エアーダンパー、オイルダンパーが使用できる。賦形時以外の挟持部3aの位置は、上型1と同じ高さ、または上型1よりも上にあり、トリミング刃物4bよりも下に配置されている。上型1が強化繊維機材の積層シートを押した後、トリミング刃物4bがトリミングを行う直前に挟持部パッド3aが強化繊維基材の積層シートを押さえつける位置に配置されている。
天板5は、下面に挟持部3とトリミング刃物4bおよび固定ガイド4aを取付け、上面側を昇降機6に取り付けられ、賦形時には上型1も含め全面に加圧する。
昇降機および加圧装置6は、上型1にかかる固定ガイド4a、トリミング刃物4b、挟持部パッド3a、ダンパー3b、天板5を昇降させる。賦形時には挟持部の強化繊維機材積層シートへの押し付け面積×0.1MPa以上の押し付け荷重を付加できるものであるが、天板5の重量が押し付け荷重上回る場合には加圧機構は不要である。
以上が本発明の製造装置の概要である。
次に上記製造装置に用いた、本発明の製造方法を工程順に説明する。
1.強化繊維基材の積層シート7の準備工程
強化繊維機材の積層シート7は、加熱により溶融する層間固着材が層間に配置された積層シートである。
1.強化繊維基材の積層シート7の準備工程
強化繊維機材の積層シート7は、加熱により溶融する層間固着材が層間に配置された積層シートである。
まず、樹脂が未含浸の炭素繊維やガラス繊維、ポリアミド繊維などからなる強化繊維基材シート7の片面または両面に、バインダーの役目をする熱可塑性ポリマーの粒状物を、説明を省略した装置により分散・固着し、所望のプリフォームに必要な強化繊維機材シートを準備する。
強化繊維の積層シート7に用いられる強化繊維としては、高強度、高弾性率繊維が望ましく、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、ポリアミド繊維などが使用できるが、その他の材料であっても、性能面で良好な材料であれば使用可能である。また、それらを混合したものや副資材を積層したハイブリッド積層シートも使用できる。それらの強化繊維基材シートを必要数積層し、積層シートを得る。
2.積層シートの載置工程
次に、積層シートを下型2の上に載置する。
3.賦形・トリミング・固着工程
昇降機6を降下させ上型1で積層シートをはさみ賦形した直後に、外周に配置された挟持部パッド3が積層シートに接して、昇降機6により天版5および挟持部3のダンパー3bを介して挟持部パッド3aを加圧した後、天版5に取り付けられたトリミング刃物4bで積層シートをトリミングする。上型1、下型2には層間固着材を有する強化繊維機材の積層シートを賦形するため、固着材を溶解する加熱機能を有する。この状態で保持し、層間固着材の融点よりも高い温度で加熱された上型1および下型2で積層シートの層間に配された層間固着材を溶融する。層間固着材は低融点の物が良く、60℃〜120℃の物が好ましい。
4.脱型工程
上型1および下型2に挟まれて保持された積層シートから、昇降機6を上昇し上型1を剥離させる。外部から冷却エアーを吹き付け、積層シートを冷却することにより、溶融している層間固着材を固着させて強化繊維基材の層間が接着され形態を保持しうる強度を得た後、下型2から外し、取り出したプリフォーム成形品が脱型後に変形しないよう、プリフォーム成形品の形状に合ったトレー等を準備して保管する。
以上で本発明の製造方法の全工程が終了するが、本発明によればRTM成形型に対し精度が良く、安価なプリフォームを得ることが出来る。
強化繊維の積層シート7に用いられる強化繊維としては、高強度、高弾性率繊維が望ましく、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、ポリアミド繊維などが使用できるが、その他の材料であっても、性能面で良好な材料であれば使用可能である。また、それらを混合したものや副資材を積層したハイブリッド積層シートも使用できる。それらの強化繊維基材シートを必要数積層し、積層シートを得る。
2.積層シートの載置工程
次に、積層シートを下型2の上に載置する。
3.賦形・トリミング・固着工程
昇降機6を降下させ上型1で積層シートをはさみ賦形した直後に、外周に配置された挟持部パッド3が積層シートに接して、昇降機6により天版5および挟持部3のダンパー3bを介して挟持部パッド3aを加圧した後、天版5に取り付けられたトリミング刃物4bで積層シートをトリミングする。上型1、下型2には層間固着材を有する強化繊維機材の積層シートを賦形するため、固着材を溶解する加熱機能を有する。この状態で保持し、層間固着材の融点よりも高い温度で加熱された上型1および下型2で積層シートの層間に配された層間固着材を溶融する。層間固着材は低融点の物が良く、60℃〜120℃の物が好ましい。
4.脱型工程
上型1および下型2に挟まれて保持された積層シートから、昇降機6を上昇し上型1を剥離させる。外部から冷却エアーを吹き付け、積層シートを冷却することにより、溶融している層間固着材を固着させて強化繊維基材の層間が接着され形態を保持しうる強度を得た後、下型2から外し、取り出したプリフォーム成形品が脱型後に変形しないよう、プリフォーム成形品の形状に合ったトレー等を準備して保管する。
以上で本発明の製造方法の全工程が終了するが、本発明によればRTM成形型に対し精度が良く、安価なプリフォームを得ることが出来る。
さらに具体的な実施例について説明する。
成形体はここでは自動車用部材のボンネットのアウターを成形する。ボンネットのアウターの構成は、炭素繊維クロスの単板構成とする。
炭素繊維基材は、東レ株式会社製CO6343B(同社製“トレカ”T300B−3K−50Bを使用した平織りクロス)で、融点70℃の層間固着材が片面に配置された物を使用した。用意された炭素繊維基材を所定のボンネットよりも一回り大きいサイズに裁断し層間固着材が全て同じ方向になるように6枚積層する。
炭素繊維基材は、東レ株式会社製CO6343B(同社製“トレカ”T300B−3K−50Bを使用した平織りクロス)で、融点70℃の層間固着材が片面に配置された物を使用した。用意された炭素繊維基材を所定のボンネットよりも一回り大きいサイズに裁断し層間固着材が全て同じ方向になるように6枚積層する。
次に、0.5MPaに加圧された温水で100℃に加熱された下型2の上に積層された炭素繊維基材を載置した。なお、上型1、下型2、に共通して、材質はFRP、鋳物、構造用炭素鋼、アルミニウム合金、亜鉛合金、ニッケル電鋳、銅電鋳があげられる、型剛性、耐熱性、作業性の面から構造用炭素鋼が好適である。
下型2に炭素繊維基材が載置された状態で、下型2から炭素繊維基材の厚み分1.2mmオフセットされ、下型2と同様に加熱された上型1を昇降機6を用いて降下させ、載置された炭素繊維基材をはさみ賦形した。
同時に、通常時上型1の賦形面と同じ高さにセットされ、先端がシリコンゴムで5Rの凸形状の挟持部パッド3aが、炭素繊維基材に接触した直後に挟持部パッド3aと天板5を接続し、ダンパーとして使用したコイルバネ3bにより挟持部パッド3aを加圧した。この時のコイルバネ3bは、天板が最も降下した状態で最高圧力1.0MPaのものを選択した。
挟持部3により炭素繊維基材を加圧した直後、上型1の賦形面よりも10mm上に刃物の先端が配置されたトリミング刃物4bが、昇降機6から加圧され挟持された炭素繊維基材をトリミングした。この時昇降機は50tonの物を使用した。トリミング刃物4bの材質はSK材で製作され、上型1との隙間が0.2mmであった。下型2のトリミング刃物逃がし溝との隙間は、強化繊維基材の積層シートの厚み2dが1.2mmであり、積層が6層であることから0.2mmとした。
トリミング刃物4bは固定ガイド4aの外周に取り付けられている。刃物4bは、刃物に適したSK材などが使用されるが、炭素鋼鋼材、ニッケルクロム鋼、ニッケルクロムモリブデン鋼、クロム鋼、クロムモリブデン鋼、ステンレス鋼なども使用できる。また、刃物形状ではなく、強化繊維基材に剪断力が加わる様に、図8のようなトリミング刃物4cの形状を取り、いわゆる「喰い切り」によるトリミング方法でも問題ない。この場合に置いても同様の材質を使用することができる。
上型1と下型2が炭素繊維基材をはさんで賦形し、トリミング刃物が炭素繊維基材を切断した状態で、1分間保持し、昇降機に取り付けられた天板5、トリミング刃物4、挟持部3、上型1の順に上昇させ、下型2の上に賦形されたプリフォームと切断された不要なトリミング部が残った。トリミング部を排除し、0.5MPaの圧空でプリフォームを冷却しながら下型2から浮かせ脱型を完了した。
最後に、型くずれしないように製品と同形状の保管トレーの上にプリフォームを運搬してプリフォームの工程を完了し、RTM金型と同形状の精度の良いプリフォームを得た。
1:上型
2:下型
2a:トリミング刃物逃がし溝
2b:挟持部受け溝
2c:トリミング刃物と逃がし溝の隙間
3:挟持部
3a:挟持部パッド
3b:挟持部ダンパー
4a:固定ガイド
4b:トリミング刃物
4c:喰いきり刃
5:天板
6:昇降機および加圧装置
7:強化繊維基材積層シート
8:基材噛み込み部
9:型内隙間
2:下型
2a:トリミング刃物逃がし溝
2b:挟持部受け溝
2c:トリミング刃物と逃がし溝の隙間
3:挟持部
3a:挟持部パッド
3b:挟持部ダンパー
4a:固定ガイド
4b:トリミング刃物
4c:喰いきり刃
5:天板
6:昇降機および加圧装置
7:強化繊維基材積層シート
8:基材噛み込み部
9:型内隙間
Claims (6)
- 賦形面が凹形状および/または凸形状を有する下型に層間固着剤を有する複数枚の強化繊維基材の積層シートを載置し、上型との間ではさむことにより型に沿わせると同時にまたは直後に外周部を挟持し、かかる挟持状態の下で外周部をトリミングすることを特徴とするFRPのプリフォームの製造方法。
- 上型と下型から構成されるFRPのプリフォーム製造装置において、該上型および該下型が凹形状および/または凸形状の面を含む型押し部と、該型押し部の外側に積層シートの外周部を挟持する挟持部を有し、かつ、該型押し部と該挟持部の間にトリミング手段を備えたことを特徴とするFRPのプリフォーム製造装置。
- 下型に載置した積層シートに上型が接触し型に沿わせたあと、上型に配置された打ち抜き機構により製品形状にトリミングする請求項2に記載のFRPのプリフォーム製造装置。
- 前記上型のトリミング手段として鋼製の刃物が配置されており、型押し部と該鋼製の刃物との隙間が5mm以下である請求項3〜4のいずれかに記載のFRPのプリフォーム製造装置。
- 前記下型のトリミング手段が鋼材であり、上型のトリミング手段との隙間が下型と上型の隙間および積層シートの厚みを積層数で除した値以下である請求項2〜4のいずれかに記載のFRPのプリフォーム製造装置。
- 前記上型の型押し部および/または挟持部が、上型の打ち抜き機構部に吊り下げられており、下型に載置した積層シートを型押し部および/または挟持部の自重で沿わせた後、打ち抜き機構によりトリミングする請求項2〜5のいずれかに記載のFRPのプリフォーム製造装置。
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- 2005-09-30 JP JP2005286338A patent/JP2007090809A/ja active Pending
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