JP2007083814A - ブレーキマスタシリンダ圧推定方法及びアンチロックブレーキ制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポンプ31aの駆動モータ32へ印加される駆動信号の論理値Highから論理値Lowへの立ち下がりを検出し(S200)、その立ち下がりからのブレーキマスタシリンダ1の発生圧力の変化の指標となる所定のパラメータの変化を検出し(S202〜S206)、予め求められた所定のパラメータの変化に対するブレーキマスタシリンダにおける発生圧力の相対関係を表す演算式に、その検出結果を代入し、ブレーキマスタシリンダ1における発生圧力の推定値が算出され(S208)、アンチロックブレーキ制御に供されるようになっている。
【選択図】図2
Description
このようなアンチロックブレーキ制御装置としては、例えば、ホイールシリンダのブレーキ液(ブレーキ油)を電磁弁を介してリザーバへ分流させて、ホイールシリンダへ作用する油圧を下げて車輪のロックを回避すべくブレーキの制動力を低下させる一方、ポンプ手段を用いてリザーバに流入させたブレーキ液をブレーキマスタシリンダへ返すよう構成された還流型のものが一般的に良く知られている(例えば、特許文献1等参照)。
また、部品の故障が少なく高い信頼性が求められる車両装置において、極力そのような高価なセンサを用いることなく同等の機能が果たすことのできる装置が所望される。
本発明の他の目的は、圧力センサを備えた装置において、センサ故障等により圧力検出が不可能となった際に、ブレーキ制御に支障を来すことなく、圧力センサの代替え機能を果たすことのできるブレーキマスタシリンダ圧推定方法及び装置を提供するものである。
ブレーキ操作子の操作に応じてブレーキマスタシリンダに生ずる油圧を油圧系統を介してホイールシリンダへ伝達可能に構成されてなるブレーキ制御装置に設けられ、車輪の状態に応じて前記ホイールシリンダのブレーキ液をリザーバに導き、ブレーキ力の抑圧を可能とすると共に、前記リザーバのブレーキ液をモータ駆動のポンプによって前記ブレーキマスタシリンダへ還流可能に構成されてなるアンチロックブレーキ制御装置における前記マスターシリンダの発生圧力の推定値を求めるブレーキマスタシリンダ圧推定方法であって、
前記ポンプの駆動モータへ印加される駆動信号の論理値Highから論理値Lowへの立ち下がりを検出し、当該立ち下がりからの前記ブレーキマスタシリンダの発生圧力の変化の指標となる所定のパラメータの変化を検出し、当該検出結果に基づいてブレーキマスタシリンダの発生圧力の推定値を決定するよう構成されてなるものである。
また、上記本発明の目的を達成するため、本発明に係るアンチロックブレーキ制御装置は、
ブレーキ操作子の操作に応じてブレーキマスタシリンダに生ずる油圧を油圧系統を介してホイールシリンダへ伝達可能に構成されてなるブレーキ制御装置に設けられ、車輪の状態に応じて前記ホイールシリンダのブレーキ液をリザーバに導き、ブレーキ力の抑圧を可能とすると共に、前記リザーバのブレーキ液をモータ駆動のポンプによって前記ブレーキマスタシリンダへ還流可能に構成されてなるアンチロックブレーキ制御装置であって、
当該アンチロックブレーキ制御装置は、
前記ポンプの駆動モータへ印加される駆動信号の論理値Highから論理値Lowへの立ち下がりを検出し、当該立ち下がりからの前記ブレーキマスタシリンダの発生圧力の変化の指標となる所定のパラメータの変化を検出し、当該検出結果に基づいて前記ブレーキマスタシリンダの発生圧力の推定値を求め、当該推定値をアンチロックブレーキ制御に供するよう構成されてなるものである。
また、既に圧力センサが設けられている装置であっても、本発明を適用することにより、圧力センサの故障や配線の断線等により圧力の検出が不能となった場合の代替え機能を提供することができ、装置の信頼性のさらなる向上を図ることができる。
なお、以下に説明する部材、配置等は本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
最初に、本発明の実施の形態におけるブレーキマスタシリンダ圧推定方法が実行される還流型のアンチロックブレーキ制御装置を備えた自動四輪車のブレーキ制御装置の一構成例について、図1を参照しつつ説明する。
ここで、図1は、理解を容易にする観点から、車両前輪の右側車輪36aと後輪の左側車輪36bに係るブレーキ制御系が示されたものとなっている。
そして、ブレーキマスタシリンダ1とホイールシリンダ2aは、主油圧管3aによって、また、ブレーキマスタシリンダ1とホイールシリンダ2bは,主油圧管3bによって、それぞれ接続されており、それぞれの配管途中の適宜な位置には、通常開成状態とされる第1の電磁弁4a,4bがそれぞれが設けられている。
同様にして、第1の電磁弁4bとホイールシリンダ2bの間の主油圧管3bの適宜な位置には、リザーバ接続用油圧管11bが接続されており、その配管途中には、通常閉成状態とされる第2の電磁弁12bが設けられ、リザーバ接続用油圧管11bの他端は、先のリザーバ接続用油圧管11aに第1の電磁弁4bの出口側に位置する適宜な部位で接続されてリザーバ接続用油圧管11aを介してリザーバ13aに連通するようになっている。
電子制御ユニット51は、公知・周知の構成を有してなるマイクロコンピュータ(図示せず)を中心に、RAMやROM等の記憶素子(図示せず)を備えて構成されたものとなっている。
さらに、図1に示された構成例においては、ブレーキマスタシリンダ1の油圧を検出するための圧力センサ46がブレーキマスタシリンダ1の出力端から第1の電磁弁4a至る間の配管の適宜な位置に取着された構成となっているが、この圧力センサ46は、必ずしも必須のものではない。すなわち、後述するブレーキマスタシリンダ圧推定方法を用いる構成であれば、本来的には圧力センサ46は不要となるが、システムのさらなる安全性やフェールセイフの等の観点から、圧力センサ46の故障や配線の断裂等により圧力センサ46による圧力検出ができなくなったような場合であっても、圧力センサ46に代えて後述するブレーキマスタシリンダ圧推定方法によって得られたシリンダ圧の推定値を用いるような構成としてもよく、そのような場合には圧力センサ46が従来同様設けられることとなる。
なお、上述した構成におけるブレーキ制御装置Sの基本的な動作は、この種の公知・周知のブレーキ制御装置と同様であるので、ここでの詳細な説明は省略するが、全体的な動作を概略的に説明することとする。
同時に、駆動モータ32が駆動回路41を介して電子制御ユニット51により駆動され、リザーバ13aに貯留されたブレーキ液が油圧ポンプ装置31によって吸い上げられて、ブレーキマスタシリンダ1に還流されることとなる。
まず、前提として、本発明の実施の形態において、駆動モータ32は、いわゆるオン・オフ制御による駆動が行われるものとする。すなわち、駆動モータ32への通電を制御する駆動回路41は、電子制御ユニット51から制御信号に基づいて、図3に示されたような矩形波のシリアルパルス信号を駆動信号として出力し、駆動モータ32の電源印加端子(図示せず)へ印加するものとなっている。こによって、駆動モータ32は、駆動信号のオン・オフに応じたいわゆるオン・オフ駆動がなされるものとなっている。
なお、本発明の実施の形態において、このような駆動モータ32のオン・オフ制御を行うのは、駆動モータ32の回転数が安易に必要以上に上昇しないようにして安定した回転数を得るためである。
また、変換回路42を介して駆動回路41からの駆動モータ32への印加電圧の変化を検出し、それによって判断するようにしてもよい。
なお、上述のように駆動モータ32の回転数の下降勾配とブレーキマスタシリンダ1の発生圧力の相対関係も、駆動モータ32の電源印加端子間における電圧変化の傾きとブレーキマスタシリンダ1の発生圧力の相対関係と同様であるので、駆動モータ32の電源印加端子間における電圧変化を読み込むのに代えて、駆動モータ32の回転数を読み込むようにしてもよい。この場合、駆動モータ32の回転数は、公知・周知の回転センサ(図示せず)によって検出するように構成すればよい。
この発生圧力の推定値の算出方法としては、演算式を用いる方法や、いわゆるマップを用いる方法など一般的に良く知られている手法を用いることができる。
なお、駆動モータ32の電源印加端子間における電圧変化に代えて駆動モータ32の回転数の変化を用いる場合も基本的に上述と同様にして演算式を予め設定し、それを用いてブレーキマスタシリンダ1の発生圧力の推定値を演算、算出することができる。
なお、駆動モータ32の電源印加端子間における電圧変化に代えて駆動モータ32の回転数の変化を用いる場合も基本的に上述と同様にしてマップを予め設定し、それを用いてブレーキマスタシリンダ1の発生圧力の推定値を決定することができる。
かかる構成を採ることによって、ブレーキマスタシリンダ1の発生圧力に関し、フェイルセーフ機能を備えた装置が実現されることとなる。
2a,2b…ホイールシリンダ
32…駆動モータ
41…駆動回路
42…変換回路
51…電子制御ユニット
Claims (16)
- ブレーキ操作子の操作に応じてブレーキマスタシリンダに生ずる油圧を油圧系統を介してホィールシリンダへ伝達可能に構成されてなるブレーキ制御装置に設けられ、車輪の状態に応じて前記ホィールシリンダのブレーキ液をリザーバに導き、ブレーキ力の抑圧を可能とすると共に、前記リザーバのブレーキ液をモータ駆動のポンプによって前記ブレーキマスタシリンダへ還流可能に構成されてなるアンチロックブレーキ制御装置における前記マスターシリンダの発生圧力の推定値を求めるブレーキマスタシリンダ圧推定方法であって、
前記ポンプの駆動モータへ印加される駆動信号の論理値Highから論理値Lowへの立ち下がりを検出し、当該立ち下がりからの前記ブレーキマスタシリンダの発生圧力の変化の指標となる所定のパラメータの変化を検出し、当該検出結果に基づいてブレーキマスタシリンダの発生圧力の推定値を決定することを特徴とするブレーキマスタシリンダ圧推定方法。 - 検出された所定のパラメータの変化に基づくブレーキマスタシリンダの発生圧力の推定値の決定は、予め求められた所定のパラメータの変化に対するブレーキマスタシリンダにおける発生圧力の相対関係を表す演算式に、検出された所定のパラメータの変化値を代入し、ブレーキマスタシリンダにおける発生圧力の推定値を算出することを特徴とする請求項1記載のブレーキマスタシリンダ圧推定方法。
- 検出された所定のパラメータの変化に基づくブレーキマスタシリンダの発生圧力の推定値の決定は、予め求められた所定のパラメータの変化に対するブレーキマスタシリンダにおける発生圧力の相対関係を表すマップを用い、検出された所定のパラメータの変化値に対するブレーキマスタシリンダにおける発生圧力の推定値を求めることを特徴とする請求項1記載のブレーキマスタシリンダ圧推定方法。
- 所定のパラメータは、駆動モータの電源印加端子間における電圧であることを特徴とする請求項2又は請求項3記載のブレーキマスタシリンダ圧推定方法。
- 所定のパラメータは、駆動モータの回転数であることを特徴とする請求項2又は請求項3記載のブレーキマスタシリンダ圧推定方法。
- ブレーキ操作子の操作に応じてブレーキマスタシリンダに生ずる油圧を油圧系統を介してホィールシリンダへ伝達可能に構成されてなるブレーキ制御装置に設けられ、車輪の状態に応じて前記ホィールシリンダのブレーキ液をリザーバに導き、ブレーキ力の抑圧を可能とすると共に、前記リザーバのブレーキ液をモータ駆動のポンプによって前記ブレーキマスタシリンダへ還流可能に構成されてなるアンチロックブレーキ制御装置において実行される前記ブレーキマスタシリンダの発生圧力の推定値を求めるブレーキマスタシリンダ圧推定プログラムであって、
前記ポンプの駆動モータへ印加される駆動信号の論理値Highから論理値Lowへの立ち下がりを検出する第1のステップと、
前記第1のステップにおいて駆動信号の論理値Highから論理値Lowへの立ち下がりが検出された時点から前記ブレーキマスタシリンダの発生圧力の変化の指標となる所定のパラメータの変化を検出する第2のステップと、
前記第2のステップで検出された所定のパラメータの変化に対する前記ブレーキマスタシリンダにおける発生圧力の推定値を、予め求められた所定のパラメータの変化と前記ブレーキマスタシリンダにおける発生圧力の相対関係に基づいて求める第3のステップと、
を有してなることを特徴とするブレーキマスタシリンダ圧推定プログラム。 - 第3のステップにおける所定のパラメータの変化とブレーキマスタシリンダにおける発生圧力の相対関係に基づくブレーキマスタシリンダにおける発生圧力の推定値の決定は、予め求められた所定のパラメータの変化に対するブレーキマスタシリンダにおける発生圧力の相対関係を表す演算式に、第2のステップで検出された所定のパラメータの変化値を代入し、当該所定のパラメータの変化値に対するブレーキマスタシリンダにおける発生圧力の推定値を算出することを特徴とする請求項6記載のブレーキマスタシリンダ圧推定プログラム。
- 第3のステップにおける所定のパラメータの変化とブレーキマスタシリンダにおける発生圧力の相対関係に基づくブレーキマスタシリンダにおける発生圧力の推定値の決定は、予め求められた所定のパラメータの変化に対するブレーキマスタシリンダにおける発生圧力の相対関係を表すマップを用い、第2のステップで検出された所定のパラメータの変化値に対するブレーキマスタシリンダにおける発生圧力の推定値を求めることを特徴とする請求項6記載のブレーキマスタシリンダ圧推定プログラム。
- 所定のパラメータは、駆動モータの電源印加端子間における電圧であることを特徴とする請求項7又は請求項8記載のブレーキマスタシリンダ圧推定プログラム。
- 所定のパラメータは、駆動モータの回転数であることを特徴とする請求項7又又は請求項8記載のブレーキマスタシリンダ圧推定プログラム。
- ブレーキ操作子の操作に応じてブレーキマスタシリンダに生ずる油圧を油圧系統を介してホィールシリンダへ伝達可能に構成されてなるブレーキ制御装置に設けられ、車輪の状態に応じて前記ホィールシリンダのブレーキ液をリザーバに導き、ブレーキ力の抑圧を可能とすると共に、前記リザーバのブレーキ液をモータ駆動のポンプによって前記ブレーキマスタシリンダへ還流可能に構成されてなるアンチロックブレーキ制御装置であって、
当該アンチロックブレーキ制御装置は、
前記ポンプの駆動モータへ印加される駆動信号の論理値Highから論理値Lowへの立ち下がりを検出し、当該立ち下がりからの前記ブレーキマスタシリンダの発生圧力の変化の指標となる所定のパラメータの変化を検出し、当該検出結果に基づいて前記ブレーキマスタシリンダの発生圧力の推定値を求め、当該推定値をアンチロックブレーキ制御に供するよう構成されてなることを特徴とするアンチロックブレーキ制御装置。 - 検出された所定のパラメータの変化に基づくブレーキマスタシリンダの発生圧力の推定値の決定は、予め求められた所定のパラメータの変化に対するブレーキマスタシリンダにおける発生圧力の相対関係を表す演算式に、検出された所定のパラメータの変化値を代入し、ブレーキマスタシリンダにおける発生圧力の推定値を算出することを特徴とする請求項11記載のアンチロックブレーキ制御装置。
- 検出された所定のパラメータの変化に基づくブレーキマスタシリンダの発生圧力の推定値の決定は、予め求められた所定のパラメータの変化に対するブレーキマスタシリンダにおける発生圧力の相対関係を表すマップを用い、検出された所定のパラメータの変化値に対するブレーキマスタシリンダにおける発生圧力の推定値を求めることを特徴とする請求項11記載のアンチロックブレーキ制御装置。
- 所定のパラメータは、駆動モータの電源印加端子間における電圧であることを特徴とする請求項12又は請求項13記載のアンチロックブレーキ制御装置。
- 所定のパラメータは、駆動モータの回転数であることを特徴とする請求項12又は請求項13記載のアンチロックブレーキ制御装置。
- ブレーキ操作子の操作に応じてブレーキマスタシリンダに生ずる油圧を油圧系統を介してホィールシリンダへ伝達可能に構成されてなるブレーキ制御装置に設けられ、車輪の状態に応じて前記ホィールシリンダのブレーキ液をリザーバに導き、ブレーキ力の抑圧を可能とすると共に、前記リザーバのブレーキ液をモータ駆動のポンプによって前記ブレーキマスタシリンダへ還流可能に構成されてなるアンチロックブレーキ制御装置であって、
当該アンチロックブレーキ制御装置は、
前記ブレーキマスタシリンダの圧力を検出する圧力センサを有し、当該圧力センサの検出信号が制御処理に供される一方、前記圧力センサの検出信号の異常の有無の判定を可能とし、前記圧力センサの検出信号が異常と判定された際には、前記圧力センサの検出信号に代えて所定手順により求められたブレーキマスタシリンダ圧の推定値が用いられるよう構成されてなり、
前記所定の手順は、前記ポンプの駆動モータへ印加される駆動信号の論理値Highから論理値Lowへの立ち下がりを検出し、当該立ち下がりからの前記ブレーキマスタシリンダの発生圧力の変化の指標となる所定のパラメータの変化を検出し、当該検出結果に基づいてブレーキマスタシリンダの発生圧力の推定値を決定することを特徴とすアンチロックブレーキ制御装置。
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