本発明の請求項1記載の発明は、浴室の空気を吸引するための吸込口と、吸引した空気を搬送するための送風路と、浴室内の空気を吸引、送風するための送風手段と、前記送風路内を通過する空気を加湿するための加湿手段と、加湿された空気を浴室に噴出するための吹出口を設けた浴室サウナ装置において、前記加湿手段は、前記送風路内を通過する空気に加湿水を噴霧することで空気を加湿する方式であり、前記送風路内を通過する空気の流通方向と、前記加湿水の噴霧方向を概略同一方向としたものであり、この手段により浴室サウナ装置内において、加湿手段から噴霧された微細な水滴同士が再接触することなく送風する空気によって吹出口まで運ばれるため、微細形状を維持したまま吹出すことが可能となるという作用を有する。
また、本発明の請求項2記載の発明は、加湿手段より噴霧される加湿水を温水にしたものであり、この手段により、噴霧された加湿水が気化する際の気化潜熱を水滴に与えておくことで蒸発が促進されるため、有効な加湿量を増加させることができる。
また、本発明の請求項3記載の発明は、送風路内に空気を加熱するための加熱手段を設け、前記加熱手段により加熱した空気に加湿水を噴霧することを特徴としたものであり、この手段により、噴霧された加湿水が気化する際の気化潜熱を空気に与えておくことで蒸発が促進されるため、有効な加湿量を増加させることができる。
また、本発明の請求項4記載の発明は、吹出口より浴室に吹出される加湿空気内部に含まれる水滴の水滴径が100μm以下であることを特徴としたものであり、この手段により、浴室サウナ装置から吹出される水滴によって入浴者が不快感を感じるのを抑制することができる。
また、本発明の請求項5記載の発明は、浴室の空気を吸引するための吸込口と、吸引した空気を搬送するための送風路と、浴室内の空気を吸引、送風するための送風手段と、前記送風路内を通過する空気を加湿するための加湿手段と、加湿された空気を浴室に噴出するための吹出口を設けた浴室サウナ装置において、前記加湿手段は、前記送風路内を通過する空気に加湿水を噴霧することで空気を加湿する方式であり、前記送風路内を通過する空気の流通方向と、前記加湿水の噴霧方向を概略直行する方向としたものであり、この手段により浴室サウナ装置内において噴霧された加湿水のうち微細なものだけを送風路に送り出し、粒径が大径な水滴に関しては排水部へ導くことが可能となり、そのため従来の浴室サウナ装置内に設けられていたような通気案内板の省略もしくは簡略化を図ることができ、装置の構成を簡略化でき且つ送風路の通気抵抗を軽減することができるという作用を有する。
また、本発明の請求項6記載の発明は、加湿手段より噴霧される加湿水を温水にしたものであり、この手段により、噴霧された加湿水が気化する際の気化潜熱を水滴に与えておくことで蒸発が促進されるため、有効な加湿量を増加させることができる。
また、本発明の請求項7記載の発明は、送風路内に空気を加熱するための加熱手段を設け、前記加熱手段により加熱した空気に加湿水を噴霧することを特徴としたものであり、この手段により、噴霧された加湿水が気化する際の気化潜熱を空気に与えておくことで蒸発が促進されるため、有効な加湿量を増加させることができる。
また、本発明の請求項8記載の発明は、吹出口より浴室に吹出される加湿空気内部に含まれる水滴の水滴径が100μm以下であることを特徴としたものであり、この手段により、浴室サウナ装置から吹出される水滴によって入浴者が不快感を感じるのを抑制することができる。
また、本発明の請求項9記載の発明は、浴室の空気を吸引するための吸込口と、吸引した空気を搬送するための送風路と、浴室内の空気を吸引、送風するための送風手段と、前記送風路内を通過する空気を加湿するための加湿手段と、加湿された空気を浴室に噴出するための吹出口を設けた浴室サウナ装置において、前記加湿手段は、前記送風路内を通過する空気に加湿水を噴霧することで空気を加湿する方式であり、前記送風路内を通過する空気の流通方向と、前記加湿水の噴霧方向を概略対向する方向としたものであり、この手段により浴室サウナ装置内において、送風する空気と加湿手段から噴霧された水滴が対向するため水滴の相対速度は速まり、噴霧された水滴を更に微細な形状へ破砕することが可能となるという作用を有する。
また、本発明の請求項10記載の発明は、加湿手段より噴霧される加湿水を温水にしたものであり、この手段により、噴霧された加湿水が気化する際の気化潜熱を水滴に与えておくことで蒸発が促進されるため、有効な加湿量を増加させることができる。
また、本発明の請求項11記載の発明は、送風路内に空気を加熱するための加熱手段を設け、前記加熱手段により加熱した空気に加湿水を噴霧することを特徴としたものであり、この手段により、噴霧された加湿水が気化する際の気化潜熱を空気に与えておくことで蒸発が促進されるため、有効な加湿量を増加させることができる。
また、本発明の請求項12記載の発明は、吹出口より浴室に吹出される加湿空気内部に含まれる水滴の水滴径が100μm以下であることを特徴としたものであり、この手段により、浴室サウナ装置から吹出される水滴によって入浴者が不快感を感じるのを抑制することができる。
また、本発明の請求項13記載の発明は、送風路内の加湿手段より下流側に前記加湿手段より噴霧された大径の水滴を除去するための水滴回収手段を設けたことを特徴としたものであり、この手段により、浴室用サウナ装置から大粒の水滴が吹出すのを抑制することができ、従来の浴室サウナ装置において備えられていた通気案内板を省略もしくは簡略化した場合においても、入浴者の不快感を抑制することができる。
また、本発明の請求項14記載の発明は、水滴回収手段により100μm以上の水滴を回収することを特徴としたものであり、この手段により、浴室サウナ装置から吹出される水滴径を100μm以下に保つことができ、従来の浴室サウナ装置において備えられていた通気案内板を省略もしくは簡略化した場合においても、入浴者の不快感を抑制することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1について図面を参照しながら説明する。なお、従来の例と同一部分については同一の符号を用い、詳細な説明は省略する。
まず本発明における浴室サウナ装置の概略構成について説明する。
図1は本発明の実施の形態における浴室サウナ装置の概略構成を示す簡易的な概略図である。図1に示すように、この浴室サウナ装置1は外郭を形成する外装体2及びフロントパネル3、浴室内の空気を吸込み加熱加湿した後に再び浴室内に吹出すサウナモジュール4、プレート熱交換器5を含む熱供給部6、外装体2の一面に設けられ、送風路と連通する開口部7に接続された換気ユニット8、またこれらを制御する制御装置9から構成されている。以下にそれぞれの具体的な構成について記す。
図2に示すように外装体2の浴室側一面を形成するフロントパネル3は、浴室内の空気を吸込むための吸込口103、加熱及び加湿した空気を浴室サウナ装置1の外部に吹出すための吹出口102を備えている。また、吸込口103のサウナモジュール4側にはフィルタ10を備えており、浴室内空気を循環させる際に微細な塵や埃の侵入を防止する構造となっている。また、吹出口102部には加熱加湿された空気の吹出方向を可変させるためのルーバ11が設けられており、ルーバ11は制御装置9に接続されたルーバ駆動用モータ12により自在に稼動することで任意の方向に吹出方向を可変させることができる。
図3に示すようにサウナモジュール4内には、フロントパネル3の吸込口103および吹出口102を連結する送風路104が設けられており、送風路104の吸込口103側に備えられた、制御装置9により回転数を自在に変更可能なモータ13に接続された送風手段としてのクロスフローファン107が回転することでサウナモジュール4内に空気を送風する。クロスフローファン107の上流側には加熱手段としての空気加熱用の熱交換器であるコイル14を備えており、このコイル14に熱供給部6より温水を供給することでコイル14を通って浴室から流入する空気が加温され、高温の空気を送風することが可能となる。送風路104内のクロスフローファン107の下流側には加湿部15が設けられている。加湿部15に設けられた加湿手段としての噴出ノズル105に熱供給部6より温水(例えば40〜80℃)を供給し、供給された温水を噴出ノズル105から微細な水滴として噴霧する。噴出ノズル105の設置方向は、噴出ノズル105から噴霧する温水の噴霧方向と送風路104内を通過する空気の送風方向が概略同一方向となるようにする。ここでの概略同一方向とは、送風方向に対して、噴霧方向が45°以内であることを意味する(図4参照)。この設置方向によると、噴霧された水滴の移動方向が大きく変化しないため、噴出ノズル105から噴霧された微細な水滴同士が近接することなく送風路104を移動し、個々の水滴を再接触させることなく吹出口102まで運ぶことができるため、微細形状を維持したまま吹出すことが可能となる。この時、噴霧方向前方に噴霧水滴破砕手段16を設け、噴霧された水滴を噴霧水滴破砕手段16を用いてさらに微細な形状へと変化させる。ここで微細な水滴(例えば水滴径100μm以下)に関しては送風する空気とともに吹出口102に運ばれ浴室内を加湿し、微細な水滴に破砕することができなかった水滴に関しては、排水部112へと向かう。送風空気とともに運ばれる微細な水滴の中でも、比較的水滴径が大なる水滴(例えば水滴径10〜100μm)に関しては加湿部15の吹出口102側に設けられた水滴回収手段としてのエリミネータ17で回収され、排水部112へと向かう。エリミネータ17を通過した微細な水滴(水滴径10μm以下)はコイル14により加熱された空気とともに吹出口102より浴室に供給され、浴室内を加熱加湿する。エリミネータ17は粗いメッシュ状の素材で構成されており、従来の通気案内板113を用いた蛇行風路のような大掛かりな構成を必要とせず、且つ圧力損失も比較的小さくできる。排水部112に向かった水分は排水部112に連結されている排水管18を通り装置外部に排水される。排水部112は加湿部15の最下部に設けられるとともに、底面に排水管接続部が最下端となるように勾配を持たせており、加湿部内に余剰水を滞留させないようにしてある。この際、底面の排水勾配は角度が大きければ大きいほど良いが、望ましくは5°以上の勾配を確保することによって、加湿部内の余剰水を確実に排水することが可能となる。これと同様に、装置外部に接続される排水管18も同等の5°以上の勾配を確保して設置することで装置内への余剰水の滞留を防止することができる。また、排水部112にはフロートスイッチ19を備えており、排水部112の水位上昇を検知し、所定の水位を超えた場合には制御装置9が噴出ノズル105への給水を停止することで加湿部15からの漏水を防止する。
図5に示す熱供給部6において、熱源より供給された循環温水は、分岐部20により加熱用温水循環回路21と加湿用温水循環回路22の二つの経路に分岐される。加熱用温水循環回路21はコイル14に接続されコイル14を加温する。コイル14は図6に示すように、加熱用温水循環回路21から供給された加熱用循環温水を流通させる通水管27と、通水管27外壁部に設けられた伝熱用フィン28から構成され、通水管27内を流通する高温の加熱用循環温水により伝熱用フィン28を加熱し、伝熱用フィン28部に空気を流通させることで空気と熱交換を行い空気を加熱する。加湿用温水循環回路22はプレート熱交換器5に接続されプレート熱交換器5を加温する。プレート熱交換器5は図7に示すように、伝熱壁29によって遮られた高温側経路30と低温側経路31の2つの経路を交互に配置して構成され、加湿用循環温水を高温側経路30に流通させるとともに低温側経路31に加湿に使用する加湿水を対向する方向に流通させることで伝熱壁29を通じて熱交換を行い低温側の液体を加熱する。コイル14及びプレート熱交換器5を出た循環温水は再び加熱用温水循環回路21及び加湿用温水循環回路22を経て、合流部24へと流入し、一つの経路に合流した循環温水は熱源へと戻り、再び加熱されて供給を繰り返す。液体供給手段より供給された水道水は、給水経路23を通りプレート熱交換器5の低温側経路31に接続する。プレート熱交換器5を出た水道水は再び給水経路23を経て噴出ノズル105へと流入する。熱交換し高温となった給水経路23の水道水は噴出ノズル105から噴霧され微細な温水滴となり、加温された浴室内空気とともに浴室内に吹出する。加熱用温水循環回路21を経てコイル14に流入した温水は、コイル14内部においてクロスフローファン107により送風路104を通風する浴室内空気と熱交換を行う。熱交換し高温となった浴室内空気を浴室に再び吹出することで、浴室内を加温する。また、加熱用温水循環回路21および加湿用温水循環回路22の2つの流路には流通を遮断するための熱動弁25を設け、コイル14及びプレート熱交換器5に流入する循環温水の流量を調節することで、加熱及び加湿量を変更可能にする。熱動弁25とは電力を供給することで弁体に連結された弁支持体の温度を上昇させ、弁支持体を膨張変形させることで弁の開閉を行う方式の弁である。また、給水経路23上のプレート熱交換器5上流側には電磁弁26を設け、給水を開閉制御することで加湿水の供給量を変更可能にする。電磁弁26とは電気信号により電磁力を利用した弁が開閉する方式の弁である。
図8に示す換気ユニット8は、浴室内空気を換気ユニット8に吸込むための換気用ファン32と空気の排気経路である排気ダクト33から構成されており、外装体2の一面に設けられた開口部7とこの開口部7の開口面積を可変させるためのダンパ34を介して接続している。ダンパ34は通常サウナ運転時には閉じられているが、制御装置9に接続されたダンパ駆動用モータ35により開閉可能であり、換気用ファン32を回転させるとともにダンパ34を開くことで浴室内空気を吸込口103より換気ユニット8内に通風し、排気ダクト33より吹出することで浴室内の換気を行う。換気量の調整はダンパ34の開口面積の変更及び換気用ファン32の回転数制御により行い、これらの組み合わせにより必要とする換気量を実現する。
サウナ運転を開始すると、サウナモジュール4内のモータ13が作動することでクロスフローファン107が回転し、吸込口103より浴室内の空気を吸入し、送風路104を通り吹出口102から再び浴室内に流出することで浴室内空気を循環する。その時、加熱用温水循環回路21および加湿用温水循環回路22の開閉手段である熱動弁25、及び給水経路23の開閉手段である電磁弁26が開かれ、装置内において加熱及び加湿が開始する。この際、フロントパネル3に設けてあるルーバ11が開放し、加熱加湿された空気の吹出方向を制御する。ある程度時間経過し、浴室内の温湿度が所定の値に達したら、モータ13の回転数を変更し、加熱及び加湿量を変更する。その後、更にある程度時間経過し浴室内の温湿度が所定の値を超えたら、浴室内の温湿度を調節するためにモータ13の回転数を変更し、加熱用温水循環回路21及び加湿用温水循環回路22に備えられた熱動弁25及び給水経路23に設けられた電磁弁26の開閉繰り返すことで浴室内の温湿度の制御を行う。サウナ運転停止時には、サウナモジュール4内モータ13の運転を停止し、加熱用温水循環回路21及び加湿用温水循環回路22に備えられた熱動弁25及び給水経路23に設けられた電磁弁26を閉じる。その後、浴室内の乾燥のために換気運転を行うため、外装体2と換気ユニット8の連結部に設けられたダンパ34を開き、換気ユニット8内の換気用ファン32を回転させることで浴室サウナ装置1の吸込口103より流入した浴室内空気を排気ダクト33より浴室外へと排出する。
前述したような動作を実施することでサウナ対象室(浴室)内は高温高湿(40℃/80%程度)の状態となり、入浴者に発汗を促す程度のミストサウナ状態とすることが可能となる。また、本実施の形態の様な構成で加湿部15を形成することにより、従来の蛇行風路の様な大掛かりな構成を組まなくとも、送風路104内で大径な水滴は回収し、比較的小径な水滴のみを浴室内に吹出すことが可能となる。
なお、本実施の形態においてはサウナ対象室を浴室として説明をしたが、高湿度空間になった場合の結露等の問題を解決できるのであれば浴室に限定するものではなく、サウナ専用の空間を別途設ける構成としてもその作用効果に差異を生じない。
また、本実施の形態においてのクロスフローファン107を駆動するモータ13は制御装置9により回転数を自在に変更可能なモータ13を用いることとしたが、少なくとも2種類以上の回転数に変更可能であればよく、その作用効果に差異を生じない。なお望ましくは、回転数を線形的に任意の回転数に変化させることが可能なモータであることが好ましい。また、各種設定を変更せずに一定の条件で動作を行う場合においては、一定回転数のみで駆動するモータであっても問題なく、その作用効果に差異を生じない。
また、本実施の形態においてはクロスフローファン107を用いて送風路104内に浴室内の空気を送風したが、風量や消費電力、騒音や振動等の条件を満足するのであればシロッコファン、ターボファン、プロペラファンなどの別方式のファンであっても問題なく、その作用効果に差異を生じない。
また、本実施の形態においては送風空気を加温する加熱手段としてフィンチューブ式のコイル14を用いたが、送風空気を充分に加温できるのであれば他の加温手段を用いても全く問題は無く、クロスフローファン107の前方にヒータ、その他の熱源体を用いても、その作用効果に差異を生じない。
また、本実施の形態においては加湿部15において温水を噴霧することにより加湿を行う構成としたが、浴室が狭小(0.5坪程度)でそれほど大量な加湿を必要としない場合においては通常温度(20℃程度)の水道水などを使用してもその作用効果に差異を生じず、望ましくは浴室の広さや浴室外の温度雰囲気等に応じて浴室内が目的の温湿度となるように噴出ノズル105より噴出する加湿水の温度を適宜設定することが望ましい。
また、本実施の形態において加湿部15における送風方向に対しては定義していないが、例えば送風路104を送風方向が概略鉛直上方(鉛直方向に対して45°以内)に通風するように構成し、噴出ノズル105を噴出ノズル105から噴霧する温水の噴霧方向が概略鉛直上方になるように設置した場合、大径な水滴は重力により送風路104内の空気の送風方向に逆らい概略鉛直下方向に落下し排水部112へと向かうため、ある程度微細な水滴のみを吹出口102より噴出することができる。
また、本実施の形態において噴霧水滴破砕手段16は特に説明はしなかったが噴霧後の微細水滴をさらに細かく破砕するための手段であり、噴出ノズル105から噴霧された推進力を持った微細な水滴を回転体や形状を凸凹にした壁面、また材質を考慮した壁面に水滴を噴霧する方法により水滴を細かく破砕する手段であれば良く、その形状や材質等を限定するものではない。なお望ましくは、噴霧水破砕手段への水滴の衝突時に相対速度が極力大きくなり、なおかつ多方向に反射するような形状を取ることによってより細かい水滴に破砕することが可能になる。
また、本実施例においてはエリミネータ17を通過する水滴径を10μm以下としたが、水滴径100μm以下の水滴径であればよく、エリミネータ17を通過し、浴室内に供給される水滴径は入浴者が水滴感を感じることなく入浴できる程度の水滴径であることが望ましく、一般的には10μm以下程度の水滴径とすることでほとんどの人が水滴感を感じることなく入浴を行うことができる。
また、本実施の形態において熱交換手段としてプレート熱交換器5を用いたが、効率良く双方の熱交換ができるのであれば他の手段を用いても問題は無く、二重管式やシェルチューブ式の熱交換器等を用いてもその作用効果に差異を生じない。
また、本実施の形態においては液体供給手段として、上水道をそのまま配管で連結して用いているが、水圧の増大を図りたい場合にはポンプ等により圧力を高めて供給しても問題なく、その作用効果に差異を生じない。
また、本実施の形態においては加熱用温水循環回路21及び加湿用温水循環回路22の開閉手段として熱動弁25を用いたが、何らかの制御手段を用いて回路を開閉できるのであれば他の手段を用いても問題は無く、電磁弁26等を用いてもその作用効果に差異を生じない。なお望ましくは制御装置9による温湿度の制御が可能な流量調節弁であり且つ制御信号に対する応答性の良いものが好ましい。
また、本実施の形態においては給水経路23の開閉手段として電磁弁26を用いたが、、何らかの制御手段を用いて回路を開閉できるのであれば他の手段を用いても全く問題は無く、熱動弁25等を用いてもその作用効果に差異を生じない。なお望ましくは制御装置9による温湿度の制御が可能な流量調節弁であり且つ制御信号に対する応答性の良いものが好ましい。
(実施の形態2)
以下、本発明の実施の形態2について図面を参照しながら説明する。なお、従来の例と同一部分については同一の符号を用い、詳細な説明は省略する。
まず本発明における浴室サウナ装置の概略構成について説明する。
図1は本発明の実施の形態における浴室サウナ装置の概略構成を示す簡易的な分解図である。図1に示すように、この浴室サウナ装置1は外郭を形成する外装体2及びフロントパネル3、浴室内の空気を吸込み加熱加湿した後に再び浴室内に吹出すサウナモジュール4、プレート熱交換器5を含む熱供給部6、外装体2の一面に設けられ、送風路と連通する開口部7に接続された換気ユニット8、またこれらを制御する制御装置9から構成されている。以下にそれぞれの具体的な構成について記す。
図2に示すように外装体2の浴室側一面を形成するフロントパネル3は、浴室内の空気を吸込むための吸込口103、加熱及び加湿した空気を浴室サウナ装置1の外部に吹出すための吹出口102を備えている。また、吸込口103のサウナモジュール4側にはフィルタ10を備えており、浴室内空気を循環させる際に微細な塵や埃の侵入を防止する構造となっている。また、吹出口102部には加熱加湿された空気の吹出方向を可変させるためのルーバ11が設けられており、ルーバ11は制御装置9に接続されたルーバ駆動用モータ12により自在に稼動することで任意の方向に吹出方向を可変させることができる。
図9に示すようにサウナモジュール4内には、フロントパネル3の吸込口103および吹出口102を連結する送風路104が設けられており、送風路104の吸込口103側に備えられた、制御装置9により回転数を自在に変更可能なモータ13に接続された送風手段としてのクロスフローファン107が回転することでサウナモジュール4内に空気を送風する。クロスフローファン107の上流側には加熱手段としての空気加熱用の熱交換器であるコイル14を備えており、このコイル14に熱供給部6より温水を供給することでコイル14を通って浴室から流入する空気が加温され、高温の空気を送風することが可能となる。送風路104内のクロスフローファン107の下流側には加湿部15が設けられている。加湿部15に設けられた加湿手段としての噴出ノズル105に熱供給部6より温水(例えば40〜80℃)を供給し、供給された温水を噴出ノズル105から微細な水滴として噴霧する。噴出ノズル105の設置方向は、噴出ノズル105から噴霧する温水の噴霧方向と送風路104内を通過する空気の送風方向が概略直交する方向となるようにする。ここでの概略直行する方向とは、送風方向に直行する方向に対して、噴霧方向が45°以内であることを意味する(図10参照)。これにより、比較的細かい粒径の水滴に関しては質量が小さいため送風空気によって移動方向が変わり吹出口102へと向かい、大径の水滴に関しては質量が大きいため、送風空気により移動方向を大きく変えられることなく、排水部112へと向かう。これにより、比較的水滴径の小さな水滴のみを吹出口102より吹出すことが可能となる。この時、噴霧方向前方に噴霧水滴破砕手段16を設け、噴霧された水滴を噴霧水滴破砕手段16を用いてさらに微細な形状へと変化させる。ここで微細な水滴(例えば水滴径100μm以下)に関しては送風する空気とともに吹出口102に運ばれ浴室内を加湿し、微細な水滴に破砕することができなかった水滴に関しては、排水部112へと向かう。送風空気とともに運ばれる微細な水滴の中でも、比較的水滴径が大なる水滴(例えば水滴径10〜100μm)に関しては加湿部15の吹出口102側に設けられた水滴回収手段としてのエリミネータ17で回収され、排水部112へと向かう。エリミネータ17を通過した微細な水滴(水滴径10μm以下)はコイル14により加熱された空気とともに吹出口102より浴室に供給され、浴室内を加熱加湿する。エリミネータ17は粗いメッシュ状の素材で構成されており、従来の通気案内板113を用いた蛇行風路のような大掛かりな構成を必要とせず、且つ圧力損失も比較的小さくできる。排水部112に向かった水分は排水部112に連結されている排水管18を通り装置外部に排水される。排水部112は加湿部15の最下部に設けられるとともに、底面に排水管接続部が最下端となるように勾配を持たせており、加湿部内に余剰水を滞留させないようにしてある。この際、底面の排水勾配は角度が大きければ大きいほど良いが、望ましくは5°以上の勾配を確保することによって、加湿部内の余剰水を確実に排水することが可能となる。これと同様に、装置外部に接続される排水管18も同等の5°以上の勾配を確保して設置することで装置内への余剰水の滞留を防止することができる。また、排水部112にはフロートスイッチ19を備えており、排水部112の水位上昇を検知し、所定の水位を超えた場合には制御装置9が噴出ノズル105への給水を停止することで加湿部15からの漏水を防止する。
図5に示す熱供給部6において、熱源より供給された循環温水は、分岐部20により加熱用温水循環回路21と加湿用温水循環回路22の二つの経路に分岐される。加熱用温水循環回路21はコイル14に接続されコイル14を加温する。コイル14は図6に示すように、加熱用温水循環回路21から供給された加熱用循環温水を流通させる通水管27と、通水管27外壁部に設けられた伝熱用フィン28から構成され、通水管27内を流通する高温の加熱用循環温水により伝熱用フィン28を加熱し、伝熱用フィン28部に空気を流通させることで空気と熱交換を行い空気を加熱する。加湿用温水循環回路22はプレート熱交換器5に接続されプレート熱交換器5を加温する。プレート熱交換器5は図7に示すように、伝熱壁29によって遮られた高温側経路30と低温側経路31の2つの経路を交互に配置して構成され、加湿用循環温水を高温側経路30に流通させるとともに低温側経路31に加湿に使用する加湿水を対向する方向に流通させることで伝熱壁29を通じて熱交換を行い低温側の液体を加熱する。コイル14及びプレート熱交換器5を出た循環温水は再び加熱用温水循環回路21及び加湿用温水循環回路22を経て、合流部24へと流入し、一つの経路に合流した循環温水は熱源へと戻り、再び加熱されて供給を繰り返す。液体供給手段より供給された水道水は、給水経路23を通りプレート熱交換器5の低温側経路31に接続する。プレート熱交換器5を出た水道水は再び給水経路23を経て噴出ノズル105へと流入する。熱交換し高温となった給水経路23の水道水は噴出ノズル105から噴霧され微細な温水滴となり、加温された浴室内空気とともに浴室内に吹出する。加熱用温水循環回路21を経てコイル14に流入した温水は、コイル14内部においてクロスフローファン107により送風路104を通風する浴室内空気と熱交換を行う。熱交換し高温となった浴室内空気を浴室に再び吹出することで、浴室内を加温する。また、加熱用温水循環回路21および加湿用温水循環回路22の2つの流路には流通を遮断するための熱動弁25を設け、コイル14及びプレート熱交換器5に流入する循環温水の流量を調節することで、加熱及び加湿量を変更可能にする。熱動弁25とは電力を供給することで弁体に連結された弁支持体の温度を上昇させ、弁支持体を膨張変形させることで弁の開閉を行う方式の弁である。また、給水経路23上のプレート熱交換器5上流側には電磁弁26を設け、給水を開閉制御することで加湿水の供給量を変更可能にする。電磁弁26とは電気信号により電磁力を利用した弁が開閉する方式の弁である。
図8に示す換気ユニット8は、浴室内空気を換気ユニット8に吸込むための換気用ファン32と空気の排気経路である排気ダクト33から構成されており、外装体2の一面に設けられた開口部7と開口部7の開口面積を可変させるためのダンパ34を介して接続している。ダンパ34は通常サウナ運転時には閉じられているが、制御装置9に接続されたダンパ駆動用モータ35により開閉可能であり、換気用ファン32を回転させるとともにダンパ34を開くことで浴室内空気を吸込口103より換気ユニット8内に通風し、排気ダクト33より吹出することで浴室内の換気を行う。換気量の調整はダンパ34の開口面積の変更及び換気用ファン32の回転数制御により行い、これらの組み合わせにより必要とする換気量を実現する。
サウナ運転を開始すると、サウナモジュール4内のモータ13が作動することでクロスフローファン107が回転し、吸込口103より浴室内の空気を吸入し、送風路104を通り吹出口102から再び浴室内に流出することで浴室内空気を循環する。その時、加熱用温水循環回路21および加湿用温水循環回路22の開閉手段である熱動弁25、及び給水経路23の開閉手段である電磁弁26が開かれ、装置内において加熱及び加湿が開始する。この際、フロントパネル3に設けてあるルーバ11が開放し、加熱加湿された空気の吹出方向を制御する。ある程度時間経過し、浴室内の温湿度が所定の値に達したら、モータ13の回転数を変更し、加熱及び加湿量を変更する。その後、更にある程度時間経過し浴室内の温湿度が所定の値を超えたら、浴室内の温湿度を調節するためにモータ13の回転数を変更し、加熱用温水循環回路21及び加湿用温水循環回路22に備えられた熱動弁25及び給水経路23に設けられた電磁弁26の開閉繰り返すことで浴室内の温湿度の制御を行う。サウナ運転停止時には、サウナモジュール4内モータ13の運転を停止し、加熱用温水循環回路21及び加湿用温水循環回路22に備えられた熱動弁25及び給水経路23に設けられた電磁弁26を閉じる。その後、浴室内の乾燥のために換気運転を行うため、外装体2と換気ユニット8の連結部に設けられたダンパ34を開き、換気ユニット8内の換気用ファン32を回転させることで浴室サウナ装置1の吸込口103より流入した浴室内空気を排気ダクト33より浴室外へと排出する。
前述したような動作を実施することでサウナ対象室(浴室)内は高温高湿(40℃/80%程度)の状態となり、入浴者に発汗を促す程度のミストサウナ状態とすることが可能となる。また、本実施の形態の様な構成で加湿部15を形成することにより、従来の蛇行風路の様な大掛かりな構成を組まなくとも、送風路104内で大径な水滴は回収し、比較的小径な水滴のみを浴室内に吹出すことが可能となる。
なお、本実施の形態においてはサウナ対象室を浴室として説明をしたが、高湿度空間になった場合の結露等の問題を解決できるのであれば浴室に限定するものではなく、サウナ専用の空間を別途設ける構成としてもその作用効果に差異を生じない。
また、本実施の形態においてのクロスフローファン107を駆動するモータ13は制御装置9により回転数を自在に変更可能なモータ13を用いることとしたが、少なくとも2種類以上の回転数に変更可能であればよく、その作用効果に差異を生じない。なお望ましくは、回転数を線形的に任意の回転数に変化させることが可能なモータであることが好ましい。また、各種設定を変更せずに一定の条件で動作を行う場合においては、一定回転数のみで駆動するモータであっても問題なく、その作用効果に差異を生じない。
また、本実施の形態においてはクロスフローファン107を用いて送風路104内に浴室内の空気を送風したが、風量や消費電力、騒音や振動等の条件を満足するのであればシロッコファン、ターボファン、プロペラファンなどの別方式のファンであっても問題なく、その作用効果に差異を生じない。
また、本実施の形態においては送風空気を加温する加熱手段としてフィンチューブ式のコイル14を用いたが、送風空気を充分に加温できるのであれば他の加温手段を用いても全く問題は無く、クロスフローファン107の前方にヒータ、その他の熱源体を用いても、その作用効果に差異を生じない。
また、本実施の形態においては加湿部15において温水を噴霧することにより加湿を行う構成としたが、浴室が狭小(0.5坪程度)でそれほど大量な加湿を必要としない場合においては通常温度(20℃程度)の水道水などを使用してもその作用効果に差異を生じず、望ましくは浴室の広さや浴室外の温度雰囲気等に応じて浴室内が目的の温湿度となるように噴出ノズル105より噴出する加湿水の温度を適宜設定することが望ましい。
また、本実施の形態において加湿部15における送風方向に対しては定義していないが、空気が概略鉛直方向または概略水平方向のどの方向に通風している場合においても、噴出ノズル105より噴霧する温水の噴霧方向と送風路104内を通過する空気の送風方向が概略直行する方向であるならば、その作用効果に差異を生じない。
また、本実施の形態において噴霧水滴破砕手段16は特に説明はしなかったが噴霧後の微細水滴をさらに細かく破砕するための手段であり、噴出ノズル105から噴霧された推進力を持った微細な水滴を回転体や形状を凸凹にした壁面、また材質を考慮した壁面に水滴を噴霧する方法により水滴を細かく破砕する手段であれば良く、その形状や材質等を限定するものではない。なお望ましくは、噴霧水破砕手段への水滴の衝突時に相対速度が極力大きくなり、なおかつ多方向に反射するような形状を取ることによってより細かい水滴に破砕することが可能になる。
また、本実施例においてはエリミネータ17を通過する水滴径を10μm以下としたが、水滴径100μm以下の水滴径であればよく、エリミネータ17を通過し、浴室内に供給される水滴径は入浴者が水滴感を感じることなく入浴できる程度の水滴径であることが望ましく、一般的には10μm以下程度の水滴径とすることでほとんどの人が水滴感を感じることなく入浴を行うことができる。
また、本実施の形態において熱交換手段としてプレート熱交換器5を用いたが、効率良く双方の熱交換ができるのであれば他の手段を用いても問題は無く、二重管式やシェルチューブ式の熱交換器等を用いてもその作用効果に差異を生じない。
また、本実施の形態においては液体供給手段として、上水道をそのまま配管で連結して用いているが、水圧の増大を図りたい場合にはポンプ等により圧力を高めて供給しても問題なく、その作用効果に差異を生じない。
また、本実施の形態においては加熱用温水循環回路21及び加湿用温水循環回路22の開閉手段として熱動弁25を用いたが、何らかの制御手段を用いて回路を開閉できるのであれば他の手段を用いても問題は無く、電磁弁26等を用いてもその作用効果に差異を生じない。なお望ましくは制御装置9による温湿度の制御が可能な流量調節弁であり且つ制御信号に対する応答性の良いものが好ましい。
また、本実施の形態においては給水経路23の開閉手段として電磁弁26を用いたが、何らかの制御手段を用いて回路を開閉できるのであれば他の手段を用いても全く問題は無く、熱動弁25等を用いてもその作用効果に差異を生じない。なお望ましくは制御装置9による温湿度の制御が可能な流量調節弁であり且つ制御信号に対する応答性の良いものが好ましい。
(実施の形態3)
以下、本発明の実施の形態3について図面を参照しながら説明する。なお、従来の例と同一部分については同一の符号を用い、詳細な説明は省略する。
まず本発明における浴室サウナ装置の概略構成について説明する。
図1は本発明の実施の形態における浴室サウナ装置の概略構成を示す簡易的な分解図である。図1に示すように、この浴室サウナ装置1は外郭を形成する外装体2及びフロントパネル3、浴室内の空気を吸込み加熱加湿した後に再び浴室内に吹出すサウナモジュール4、プレート熱交換器5を含む熱供給部6、外装体2の一面に設けられ、送風路と連通する開口部7に接続された換気ユニット8、またこれらを制御する制御装置9から構成されている。以下にそれぞれの具体的な構成について記す。
図2に示すように外装体2の浴室側一面を形成するフロントパネル3は、浴室内の空気を吸込むための吸込口103、加熱及び加湿した空気を浴室サウナ装置1の外部に吹出すための吹出口102を備えている。また、吸込口103のサウナモジュール4側にはフィルタ10を備えており、浴室内空気を循環させる際に微細な塵や埃の侵入を防止する構造となっている。また、吹出口102部には加熱加湿された空気の吹出方向を可変させるためのルーバ11が設けられており、ルーバ11は制御装置9に接続されたルーバ駆動用モータ12により自在に稼動することで任意の方向に吹出方向を可変させることができる。
図11に示すようにサウナモジュール4内には、フロントパネル3の吸込口103および吹出口102を連結する送風路104が設けられており、送風路104の吸込口103側に備えられた、制御装置9により回転数を自在に変更可能なモータ13に接続された送風手段としてのクロスフローファン107が回転することでサウナモジュール4内に空気を送風する。クロスフローファン107の上流側には空気加熱用の熱交換器である加熱手段としてのコイル14を備えており、このコイル14に熱供給部6より温水を供給することでコイル14を通って浴室から流入する空気が加温され、高温の空気を送風することが可能となる。送風路104内のクロスフローファン107の下流側には加湿部15が設けられている。加湿部15に設けられた加湿手段としての噴出ノズル105に熱供給部6より温水(例えば40〜80℃)を供給し、供給された温水を噴出ノズル105から微細な水滴として噴霧する。噴出ノズル105の設置方向は、噴出ノズル105から噴霧する温水の噴霧方向と送風路104内を通過する空気の送風方向が概略対向する方向となるようにする。ここでの概略対向する方向とは、送風方向に対向する方向に対して、噴霧方向が45°以内であることを意味する(図12参照)。噴出ノズル105より噴出された水滴はより大きなエネルギーを得ることによってより小さな水滴へと分離していく。本実施の形態のように送風路104を通過する空気と噴出ノズル105から噴霧される水滴が対向する設置方向をとる場合、空気と水滴の相対速度が高まることで水滴の持つエネルギーが増大し、より微細な水滴へと分離することが可能となる。また、空気と水滴を対向させることにより熱交換率も高くなり、且つ微細な水滴に破砕したために水滴の表面積も増大するため、水滴が蒸発しやすくなり、加湿量を増加させやすくなる。この時、噴霧方向前方に噴霧水滴破砕手段16を設け、噴霧された水滴を噴霧水滴破砕手段16を用いてさらに微細な形状へと変化させる。ここで微細な水滴(例えば水滴径100μm以下)に関しては送風する空気とともに吹出口102に運ばれ浴室内を加湿し、微細な水滴に破砕することができなかった水滴に関しては、排水部112へと向かう。送風空気とともに運ばれる微細な水滴の中でも、比較的水滴径が大なる水滴(例えば水滴径10〜100μm)に関しては加湿部15の吹出口102側に設けられた水滴回収手段としてのエリミネータ17で回収され、排水部112へと向かう。エリミネータ17を通過した微細な水滴(水滴径10μm以下)はコイル14により加熱された空気とともに吹出口102より浴室に供給され、浴室内を加熱加湿する。エリミネータ17は粗いメッシュ状の素材で構成されており、従来の通気案内板113を用いた蛇行風路のような大掛かりな構成を必要とせず、且つ圧力損失も比較的小さくできる。排水部112に向かった水分は排水部112に連結されている排水管18を通り装置外部に排水される。排水部112は加湿部15の最下部に設けられるとともに、底面に排水管接続部が最下端となるように勾配を持たせており、加湿部内に余剰水を滞留させないようにしてある。この際、底面の排水勾配は角度が大きければ大きいほど良いが、望ましくは5°以上の勾配を確保することによって、加湿部内の余剰水を確実に排水することが可能となる。これと同様に、装置外部に接続される排水管18も同等の5°以上の勾配を確保して設置することで装置内への余剰水の滞留を防止することができる。また、排水部112にはフロートスイッチ19を備えており、排水部112の水位上昇を検知し、所定の水位を超えた場合には制御装置9が噴出ノズル105への給水を停止することで加湿部15からの漏水を防止する。
図5に示す熱供給部6において、熱源より供給された循環温水は、分岐部20により加熱用温水循環回路21と加湿用温水循環回路22の二つの経路に分岐される。加熱用温水循環回路21はコイル14に接続されコイル14を加温する。コイル14は図6に示すように、加熱用温水循環回路21から供給された加熱用循環温水を流通させる通水管27と、通水管27外壁部に設けられた伝熱用フィン28から構成され、通水管27内を流通する高温の加熱用循環温水により伝熱用フィン28を加熱し、伝熱用フィン28部に空気を流通させることで空気と熱交換を行い空気を加熱する。加湿用温水循環回路22はプレート熱交換器5に接続されプレート熱交換器5を加温する。プレート熱交換器5は図7に示すように、伝熱壁29によって遮られた高温側経路30と低温側経路31の2つの経路を交互に配置して構成され、加湿用循環温水を高温側経路30に流通させるとともに低温側経路31に加湿に使用する加湿水を対向する方向に流通させることで伝熱壁29を通じて熱交換を行い低温側の液体を加熱する。コイル14及びプレート熱交換器5を出た循環温水は再び加熱用温水循環回路21及び加湿用温水循環回路22を経て、合流部24へと流入し、一つの経路に合流した循環温水は熱源へと戻り、再び加熱されて供給を繰り返す。液体供給手段より供給された水道水は、給水経路23を通りプレート熱交換器5の低温側経路31に接続する。プレート熱交換器5を出た水道水は再び給水経路23を経て噴出ノズル105へと流入する。熱交換し高温となった給水経路23の水道水は噴出ノズル105から噴霧され微細な温水滴となり、加温された浴室内空気とともに浴室内に吹出する。加熱用温水循環回路21を経てコイル14に流入した温水は、コイル14内部においてクロスフローファン107により送風路104を通風する浴室内空気と熱交換を行う。熱交換し高温となった浴室内空気を浴室に再び吹出することで、浴室内を加温する。また、加熱用温水循環回路21および加湿用温水循環回路22の2つの流路には流通を遮断するための熱動弁25を設け、コイル14及びプレート熱交換器5に流入する循環温水の流量を調節することで、加熱及び加湿量を変更可能にする。熱動弁25とは電力を供給することで弁体に連結された弁支持体の温度を上昇させ、弁支持体を膨張変形させることで弁の開閉を行う方式の弁である。また、給水経路23上のプレート熱交換器5上流側には電磁弁26を設け、給水を開閉制御することで加湿水の供給量を変更可能にする。電磁弁26とは電気信号により電磁力を利用した弁が開閉する方式の弁である。
図8に示す換気ユニット8は、浴室内空気を換気ユニット8に吸込むための換気用ファン32と空気の排気経路である排気ダクト33から構成されており、外装体2の一面に設けられた開口部7と開口部7の開口面積を可変させるためのダンパ34を介して接続している。ダンパ34は通常サウナ運転時には閉じられているが、制御装置9に接続されたダンパ駆動用モータ35により開閉可能であり、換気用ファン32を回転させるとともにダンパ34を開くことで浴室内空気を吸込口103より換気ユニット8内に通風し、排気ダクト33より吹出することで浴室内の換気を行う。換気量の調整はダンパ34の開口面積の変更及び換気用ファン32の回転数制御により行い、これらの組み合わせにより必要とする換気量を実現する。
サウナ運転を開始すると、サウナモジュール4内のモータ13が作動することでクロスフローファン107が回転し、吸込口103より浴室内の空気を吸入し、送風路104を通り吹出口102から再び浴室内に流出することで浴室内空気を循環する。その時、加熱用温水循環回路21および加湿用温水循環回路22の開閉手段である熱動弁25、及び給水経路23の開閉手段である電磁弁26が開かれ、装置内において加熱及び加湿が開始する。この際、フロントパネル3に設けてあるルーバ11が開放し、加熱加湿された空気の吹出方向を制御する。ある程度時間経過し、浴室内の温湿度が所定の値に達したら、モータ13の回転数を変更し、加熱及び加湿量を変更する。その後、更にある程度時間経過し浴室内の温湿度が所定の値を超えたら、浴室内の温湿度を調節するためにモータ13の回転数を変更し、加熱用温水循環回路21及び加湿用温水循環回路22に備えられた熱動弁25及び給水経路23に設けられた電磁弁26の開閉繰り返すことで浴室内の温湿度の制御を行う。サウナ運転停止時には、サウナモジュール4内モータ13の運転を停止し、加熱用温水循環回路21及び加湿用温水循環回路22に備えられた熱動弁25及び給水経路23に設けられた電磁弁26を閉じる。その後、浴室内の乾燥のために換気運転を行うため、外装体2と換気ユニット8の連結部に設けられたダンパ34を開き、換気ユニット8内の換気用ファン32を回転させることで浴室サウナ装置1の吸込口103より流入した浴室内空気を排気ダクト33より浴室外へと排出する。
前述したような動作を実施することでサウナ対象室(浴室)内は高温高湿(40℃/80%程度)の状態となり、入浴者に発汗を促す程度のミストサウナ状態とすることが可能となる。また、本実施の形態の様な構成で加湿部15を形成することにより、従来の蛇行風路の様な大掛かりな構成を組まなくとも、送風路104内で大径な水滴は回収し、比較的小径な水滴のみを浴室内に吹出すことが可能となる。
なお、本実施の形態においてはサウナ対象室を浴室として説明をしたが、高湿度空間になった場合の結露等の問題を解決できるのであれば浴室に限定するものではなく、サウナ専用の空間を別途設ける構成としてもその作用効果に差異を生じない。
また、本実施の形態においてのクロスフローファン107を駆動するモータ13は制御装置9により回転数を自在に変更可能なモータ13を用いることとしたが、少なくとも2種類以上の回転数に変更可能であればよく、その作用効果に差異を生じない。なお望ましくは、回転数を線形的に任意の回転数に変化させることが可能なモータであることが好ましい。また、各種設定を変更せずに一定の条件で動作を行う場合においては、一定回転数のみで駆動するモータであっても問題なく、その作用効果に差異を生じない。
また、本実施の形態においてはクロスフローファン107を用いて送風路104内に浴室内の空気を送風したが、風量や消費電力、騒音や振動等の条件を満足するのであればシロッコファン、ターボファン、プロペラファンなどの別方式のファンであっても問題なく、その作用効果に差異を生じない。
また、本実施の形態においては送風空気を加温する加熱手段としてフィンチューブ式のコイル14を用いたが、送風空気を充分に加温できるのであれば他の加温手段を用いても全く問題は無く、クロスフローファン107の前方にヒータ、その他の熱源体を用いても、その作用効果に差異を生じない。
また、本実施の形態においては加湿部15において温水を噴霧することにより加湿を行う構成としたが、浴室が狭小(0.5坪程度)でそれほど大量な加湿を必要としない場合においては通常温度(20℃程度)の水道水などを使用してもその作用効果に差異を生じず、望ましくは浴室の広さや浴室外の温度雰囲気等に応じて浴室内が目的の温湿度となるように噴出ノズル105より噴出する加湿水の温度を適宜設定することが望ましい。
また、本実施の形態において加湿部15における送風方向に対しては定義していないが、例えば送風路104を送風方向が概略鉛直上方(鉛直方向に対して45°以内)に通風するように構成し、噴出ノズル105を噴出ノズル105から噴霧する温水の噴霧方向が概略鉛直下方になるように設置した場合、大径な水滴は重力により送風路104内の空気の送風方向に逆らい概略鉛直下方向に落下し排水部112へと向かうため、ある程度微細な水滴のみを吹出口102より噴出することができる。
また、本実施の形態において噴霧水滴破砕手段16は特に説明はしなかったが噴霧後の微細水滴をさらに細かく破砕するための手段であり、噴出ノズル105から噴霧された推進力を持った微細な水滴を回転体や形状を凸凹にした壁面、また材質を考慮した壁面に水滴を噴霧する方法により水滴を細かく破砕する手段であれば良く、その形状や材質等を限定するものではない。なお望ましくは、噴霧水破砕手段への水滴の衝突時に相対速度が極力大きくなり、なおかつ多方向に反射するような形状を取ることによってより細かい水滴に破砕することが可能になる。
また、本実施例においてはエリミネータ17を通過する水滴径を10μm以下としたが、水滴径100μm以下の水滴径であればよく、エリミネータ17を通過し、浴室内に供給される水滴径は入浴者が水滴感を感じることなく入浴できる程度の水滴径であることが望ましく、一般的には10μm以下程度の水滴径とすることでほとんどの人が水滴感を感じることなく入浴を行うことができる。
また、本実施の形態において熱交換手段としてプレート熱交換器5を用いたが、効率良く双方の熱交換ができるのであれば他の手段を用いても問題は無く、二重管式やシェルチューブ式の熱交換器等を用いてもその作用効果に差異を生じない。
また、本実施の形態においては液体供給手段として、上水道をそのまま配管で連結して用いているが、水圧の増大を図りたい場合にはポンプ等により圧力を高めて供給しても問題なく、その作用効果に差異を生じない。
また、本実施の形態においては加熱用温水循環回路21及び加湿用温水循環回路22の開閉手段として熱動弁25を用いたが、何らかの制御手段を用いて回路を開閉できるのであれば他の手段を用いても問題は無く、電磁弁26等を用いてもその作用効果に差異を生じない。なお望ましくは制御装置9による温湿度の制御が可能な流量調節弁であり且つ制御信号に対する応答性の良いものが好ましい。
また、本実施の形態においては給水経路23の開閉手段として電磁弁26を用いたが、、何らかの制御手段を用いて回路を開閉できるのであれば他の手段を用いても全く問題は無く、熱動弁25等を用いてもその作用効果に差異を生じない。なお望ましくは制御装置9による温湿度の制御が可能な流量調節弁であり且つ制御信号に対する応答性の良いものが好ましい。