このような従来のサウナ装置では加湿量を維持するために、噴出湯管105を介して複数の湯噴出口104から噴出される温水とファンユニット109により空気吸込口102から吸引された空気との接触面積、つまりは熱交換促進部材108の薄板107面積が必要となり、このため薄板107の枚数を増やすか、薄板107の1枚当たりの面積を大きくとる必要がある。また、薄板107の1枚当たりの面積を大きくとった場合、湯噴出口104から噴出された温水の薄板107上を流れる時間を多く取る必要があり、このため温水の落下方向に長い形状の熱交換促進部材108となる。
以上のことから、ファンユニット109を高速回転等行ってスチーム吹出口103からの加湿風量を増加させた場合には、薄板107間の空気の通過スピードが速くなり、大粒水滴としてスチーム吹出口103より吹き出されてしまう可能性があり、これが入浴者の体に触れて体感上好ましくないという課題があった。
本発明は、上記課題を解決するもので、サウナ対象室内の使用者の体感温度分布を均一にすることができるサウナ装置を提供することを目的としている。
本発明のサウナ装置は上記目的を達成するために、水または温水を水滴に破砕する水破砕手段と、この水破砕手段により破砕された水滴を大粒の水滴と微細な水滴とに分離する気液分離手段とを含む加湿手段と、サウナ対象室から取り込まれる空気を加熱する加熱手段と、この加熱手段により加熱される空気、または前記加湿手段により生成される前記水滴を含む空気を前記サウナ対象室に送風する送風手段とを備え、前記加熱手段と前記加湿手段と前記送風手段とを天井裏に配置することを特徴とする。
これにより、使用者に対して体感温度分布が均一で快適性の高いサウナ装置が得られる。
また、本発明のサウナ装置は、前記加熱手段と前記加湿手段と前記送風手段とを箱体内に一体にして収納したことを特徴とする。
これにより、同じ吹出口、または近い位置にある吹出口から加熱空気と加湿空気を吹き出すことができるので、混合した加熱加湿空気をサウナ対象室に吹き出すことができ、使用者の体感温度分布を均一にすることはもとより、サウナ対象室全体の温湿度分布を均一にすることができるサウナ装置が得られる。
また、本発明のサウナ装置は、前記加湿手段を、その一方側に水破砕手段を備え、他方側に気液分離手段を備えて全体として横長形状に構成することを特徴とする。
これにより、サウナ装置の高さを小さくして、天井裏空間にサウナ装置が設置することを容易にし、使用者の体感温度分布を均一にすることができるサウナ装置が得られる。
また、本発明のサウナ装置は、前記加湿手段は水破砕手段と気液分離手段と送風手段とを含み、前記水破砕手段は水または温水を噴射する噴射手段とこの噴射手段により噴射した水または温水を衝突させる衝突手段とを備えていることを特徴とする。
これにより、噴射手段および送風手段の加減により任意に加湿量が増減できるサウナ装置が得られる。
また、本発明のサウナ装置は、水または温水を水滴に破砕する水破砕手段と、この水破砕手段により破砕された水滴を大粒の水滴と微細な水滴とに分離する気液分離手段とを含む加湿手段と、サウナ対象室から取り込まれる空気を加熱する加熱手段と、この加熱手段により加熱される空気、または前記加湿手段により生成される前記水滴を含む空気を前記サウナ対象室に送風する送風手段とを備え、前記水破砕手段は水または温水を噴射する噴射手段とこの噴射手段により噴射した水または温水を衝突させ、それ自体が運動する衝突手段とを含むことを特徴とする。
これにより、噴射手段の噴射エネルギーの増減の影響を受けにくく必要な加湿量を確保できる。
また、本発明のサウナ装置は、前記水破砕手段は水または温水を噴射する噴射手段とこの噴射手段により噴射した水または温水を衝突させ、それ自体が運動する衝突手段とを含むことを特徴とする。
これにより、噴射手段の噴射エネルギーの増減の影響を受けにくく必要な加湿量を確保できる。
また、本発明のサウナ装置は、前記水破砕手段と前記気液分離手段とを水平方向に一列に配置することを特徴とする。
これにより、天井裏空間に収納容易な高さを有するサウナ装置が得られる。
また、本発明のサウナ装置は、前記衝突手段は、水または温水を水滴に破砕するとともに前記水滴を送風するファンで構成されることを特徴とする。
これにより、小型のサウナ装置が得られる。
また、本発明のサウナ装置は、前記ファンは鉛直上方から吸い込み、水平方向に吹き出すことを特徴とするものである。
これにより、ファンが回転したときファンの下方の空間は負圧になりにくいため、噴射しファンに衝突して下方に流れ出た水が滞留することなく排水することができる加湿手段が得られる。
また、本発明のサウナ装置は、前記気液分離手段と連通し、前記気液分離手段により分離された水を排出する排水口をサウナ装置の最下面より高い位置に設けたことを特徴とする。
これにより、サウナ装置からの排水口から天井までの高さ方向に距離ができるため、排水勾配をとることができるサウナ装置が得られる。
また、本発明のサウナ装置は、前記気液分離手段と連通し、前記気液分離手段により分離された水を排出する排水口を設け、前記水破砕手段から前記排水口に至る排水のための通路を下り勾配に形成したことを特徴とする。
これにより、水破砕手段および気液分離手段で回収された水が排水口から確実に回収できるサウナ装置が得られる。
また、本発明のサウナ装置は、前記気液分離手段と連通し、前記気液分離手段により分離された水を排出する排水口を設け、前記気液分離手段から前記排水口に至る通路に水位検知手段を設けたことを特徴とする。
これにより、排水不良等によりサウナ装置内部に貯水される水または温水の貯水量を検知することができるサウナ装置が得られる。
また、本発明のサウナ装置は、前記気液分離手段に対して下流側に排水ポンプを設け、前記排水ポンプの吐出側を排水口としたことを特徴とする。
これにより、強制排水することができ、排水揚程がとれない施工現場でもサウナ装置を施工することができる。
また、本発明のサウナ装置は、サウナ対象室の空気を吸い込んで屋外へ排出する排気手段を備え、前記加湿手段、前記加熱手段、および前記排気手段のそれぞれに吸い込まれる前記サウナ対象室の空気を同一の空気流入口から取り入れることを特徴とする。
これにより、加湿による結露水が加熱手段による加熱と排気手段による排気により容易に排気できるサウナ装置が得られる。
また、本発明のサウナ装置は、前記水破砕手段に水または温水を供給する給水手段と、この給水手段に供給する水を加熱する熱交換器を備えたことを特徴とする。
これにより、加湿能力を増加することができるサウナ装置が得られる。
また、本発明のサウナ装置は、サウナ対象室に面する吸込口から前記気液分離手段に至る空気流通路に発熱体を設けることを特徴とする。
これにより、供給空気を加熱することができ、加湿空気に温熱感を持たせることができるとともに加湿量が増加するサウナ装置が得られる。
また、本発明のサウナ装置は、前記気液分離手段を温水コイルで構成することを特徴とする。
これにより、温水コイルにより大粒の水滴と微細水滴とを分離することができ、一方温水コイルに温水を流すことにより加熱加湿空気を吹き出すことができるサウナ装置が得られる。
また、本発明のサウナ装置は、水破砕手段に水または温水を供給する給水手段のサウナ対象室からの給水接続口と、サウナ装置内部の水を装置外部に排出する排水口と、前記給水手段に供給する水を加熱する熱交換器に接続してなる循環温水回路のサウナ装置への入口および出口とを、サウナ装置の一側面に位置させたことを特徴とする。
これにより、サウナ装置の設置において一方向のみを施工スペースとして設ければよく設置場所の規制が緩和されるとともに施工を容易にすることができるサウナ装置が得られる。
また、本発明のサウナ装置は、気液分離手段からサウナ対象室に面した吹出口に至る流路に、一旦鉛直上方に持ち上げたのち、前記吹出口に向けて下方に降下する通風路を形成することを特徴とする。
これにより、水破砕手段と気液分離手段により回収され排水口に導かれた水が送風手段により送気される空気流にのって吹出口より吹き出すことを抑制することができるサウナ装置が得られる。
また、本発明のサウナ装置は、水破砕手段に水または温水を供給する給水手段の外部からの給水接続口と、サウナ装置内部に存在する水を外部に排出する排水口と、前記給水手段に供給する水を加熱するための熱交換器に接続する循環温水回路をサウナ装置に接続する接続口とを、前記サウナ装置を下方からみたときに、前記サウナ装置を収納するためにサウナ対象室の天井に形成した開口縁よりも内側に設けたことを特徴とする。
これにより、天井裏には漏水することがないサウナ装置が得られる。
また、本発明のサウナ装置は、前記水破砕手段に水または温水を供給する給水手段と、この給水手段に供給する水を加熱する熱交換器に接続する循環温水回路とを備え、前記循環温水回路を着脱可能に構成することを特徴とする。
これにより、安定した作業体勢でメンテナンスを行うことができるサウナ装置が得られる。
また、本発明のサウナ装置は、前記加熱手段と前記加湿手段と前記送風手段とを収納する前記箱体の下部に形成した開口よりも、前記加湿手段の断面形状を小さくしたことを特徴とする。
これにより、加湿手段を取り出すときに無理な動作を行うことのないサウナ装置が得られる。
また、本発明のサウナ装置は、前記加熱手段と前記加湿手段と前記送風手段とを収納する前記箱体の下部に形成した開口よりも、前記加熱手段の断面形状を小さくしたことを特徴とするものである。
これにより、加熱手段を取り出すときに無理な動作を行うことのないサウナ装置が得られる。
また、本発明のサウナ装置は、加熱手段、加湿手段、および送風手段の動作制御をおこなう制御手段を備え、前記制御手段は前記加熱手段、加湿手段、および送風手段より着脱可能な構成とすることを特徴とする。
これにより、電装系部品のメンテナンスや交換の作業性が向上する。
また、本発明のサウナ装置は、前記加熱手段と前記加湿手段と前記送風手段とを収納する前記箱体の下部に形成した開口よりも、前記制御手段の断面形状を小さくしたことを特徴とするものである。
これにより、制御手段を取り出すときに無理な動作を行うことのないサウナ装置が得られる。
本発明によれば、使用者に対して体感温度分布を均一にすることができる。
また、直接、サウナ対象室内にいる使用者に高温高湿の吹出し空気が当たりにくく、サウナ対象室内にムラのない湿度空間を創造することができる。
本発明の請求項1に記載のサウナ装置は、給水手段18によって給水される水または温水を噴射し水滴に破砕する水破砕手段16と、この水破砕手段16により破砕された水滴を大粒の水滴と微細な水滴とに分離する気液分離手段17と、前記微細な水滴を含む空気をサウナ対象室1に吹き出す加湿用送風手段15とを含む加湿手段11と、前記サウナ対象室1から取り込まれる空気を加熱し、この加熱した空気を前記サウナ対象室1に吹き出す加熱用送風手段27を有する加熱手段12とを備え、前記加熱手段12と前記加湿手段11とを天井裏空間2に配置し、前記加湿用送風手段15と前記加熱用送風手段27とから天井開口5を介して前記サウナ対象室1に送風する構成としたことを特徴とするものであり、天井側から前記加湿手段により微細化した水滴を含む空気を送ることにより使用者の体感温度分布を均一にし、サウナ対象室の温湿度分布が全体として向上するという作用を有する。また、天井裏に装置を隠蔽することにより意匠性に優れ、使用者の活動の邪魔になることがないという作用を有する。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のサウナ装置において、前記加熱手段12と前記加湿手段11とを、下面に開口部4を形成した箱体41内に一体にして収納し、前記箱体41は、前記天井開口5を介して前記開口部4を前記サウナ対象室1に連通させて、天井裏空間2に設けられることを特徴とするものであり、サウナ対象室内に設置スペースを必要とせず、またサウナ装置の施工を容易にすることができる。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のサウナ装置において、前記加湿手段11を、その一方側に水破砕手段16を備え、横方向の他方側に気液分離手段17を備えて全体として横長形状に構成することを特徴とするものであり、サウナ装置の高さを小さくすることができるので、高さ方向に制限のある浴室などの天井裏空間にサウナ装置が設置することができ、使用者の体感温度分布を均一にでき、サウナ対象室の温湿度分布が全体として向上する。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載のサウナ装置において、前記水破砕手段16は水または温水を噴射する噴射手段24とこの噴射手段24により噴射した水または温水が衝突する衝突手段25とから構成されることを特徴とするものであり、水または温水の衝突での拡散により前記水破砕手段と前記気液分離手段との間に構成される空気流通路が広範囲で高湿度の空間となるため、前記空気流通路全体が気体と液体の接触空間となり加湿手段を小型化することができる。
また、請求項5に記載のサウナ装置は、請求項4に記載のサウナ装置において、前記水破砕手段16は、前記衝突手段25自体が駆動されることを特徴とするものであり、衝突手段の運動エネルギーが加算されることによる水滴の微細化が促進され、噴射手段の噴射能力の影響を受けにくい。また、衝突手段の見かけの面積の増加、つまりは気体と液体の見かけの接触面積が増大するため、小型でも加湿能力を高くすることができる。
また、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のサウナ装置において、前記衝突手段25は、前記加湿用送風手段15のファン43で構成されることを特徴とするものであり、衝突手段が送風手段と水破砕手段を兼ねることもでき、小型で安価な加湿手段を備えたサウナ装置を構成することができる。
また、請求項7に記載の発明は、請求項6に記載のサウナ装置において、記ファン43は、吸込口が上向きに取り付けられ、前記噴射手段24から噴射される水または温水を鉛直上方から吸い込んで微細化して、空気流と交わる加湿空気として前記気液分離手段17へ水平方向に吹き出すことを特徴とするものであり、ファンが鉛直下方向より空気を吸込んだ場合は駆動するファンの吸込口が負圧になることにより水破砕手段で回収された排水に導かれるべきはずの水が水破砕手段の下面で滞留し排水されない現象が起こりうるが、鉛直上方向からの吸込みとしたことにより、水破砕手段で回収された水は排水口に確実に導くことができる。
また、請求項8に記載の発明は、請求項2に記載のサウナ装置において、前記気液分離手段17と連通し、前記気液分離手段17により分離された水を排出する排水口45を、前記開口部4を前記天井開口5と略一致する高さにして設けられる前記箱体41の最下面より高い位置に設けたことを特徴とするものであり、サウナ装置の最下面はサウナ対象室の天井とほぼ同位置となるので、サウナ対象室から排水口まで距離を確保することができることにより、排水口からサウナ対象室のへりまで排水勾配を形成することが可能になる。
また、請求項9に記載の発明は、請求項1〜7のいずれかに記載のサウナ装置において、前記給水手段18により給水される水を加熱する熱交換器37を備えたたことを特徴とするものであり、水破砕手段に温水供給することにより、温熱感がある加湿空気を作り出すことができ、また、加湿量を大幅に増加することができる。
また、請求項10に記載の発明は、請求項1〜9のいずれかに記載のサウナ装置において、前記気液分離手段17は、複数のフィンが配置され、加熱加湿空気が前記フィンの間を前記フィンの表面への衝突を繰り返しながら通過する気液分離用温水コイル40で構成されることを特徴とするものであり、温水コイルにより大粒の水滴と微細水滴とを分離し大粒水滴を回収することができ、一方、温水コイルに温水を流すことにより加熱加湿空気を吹き出すことができる。
また、請求項11に記載の発明は、請求項1〜10のいずれかに記載のサウナ装置において、前記気液分離手段17からサウナ対象室1に面した第一の吹出口22に至る流路に、一旦鉛直上方に持ち上げたのち、前記第一の吹出口22に向けて下方に降下する通風路を形成することを特徴とするものであり、水破砕手段と気液分離手段により回収され排水口に導かれた水が送風手段により送気される空気流にのって第一の吹出口より吹き出すことを抑制することができるため、サウナ装置の第一の吹出口からは微細な水滴のみ吹き出され、サウナ対象室にいる使用者に大粒の水滴がかかることをなくすことができる。
また、請求項12に記載の発明は、請求項1〜11のいずれかに記載のサウナ装置において、前記給水手段18の外部からの給水接続口39と、サウナ装置3内部に存在する水を外部に排出する排水口45と、前記給水手段18により供給する水を加熱するための熱交換器37に接続する循環温水回路20をサウナ装置3に接続する接続口とを、前記サウナ装置3を下方からみたときに、前記サウナ装置3を収納するためにサウナ対象室1の天井に形成した開口縁よりも内側に設けたことを特徴とするものであり、万一、配管を接続する接続口より漏水した場合でも水は全てサウナ対象室内に滴下し、天井裏には漏水することがなく、サウナ装置からの漏水による拡大被害を防ぐことができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1、図2、および図3に示すように、サウナ対象室1の天井裏空間2にサウナ装置3が設けられ、サウナ装置3の下面に形成された開口部4は天井開口5を介してサウナ対象室1に連通し、またサウナ装置3には水または温水をサウナ装置3に供給する給水管6、およびサウナ装置3から排出される水を排水する排水管7が接続され、一方、熱源である給湯器8には熱源側温水循環回路として循環温水回路往路管9と循環温水回路復路管10とが接続されている。サウナ対象室1およびサウナ装置3内部を乾燥、あるいは加熱するときには給湯器8から温水が循環温水回路往路管9を介してサウナ装置3に送り込まれ、サウナ装置3内部で熱交換された後、循環温水回路復路10を介して熱源である給湯器8に戻る動作となり、一方、サウナ対象室1またはサウナ装置3内部を加湿するときには給水管6を介して、市水がサウナ装置3に送水され一部は加湿として使用され、残った水が排水管7を介して排水されるものであり、サウナ対象室1またはサウナ装置3内部を加熱加湿する場合は給湯器8から温水が循環温水回路往路管9を介してサウナ装置3に送り込まれるとともに、給水管6を介して市水がサウナ装置3に送水され、熱源からの循環温水はサウナ装置3内部で熱交換された後、循環温水回路復路10を介して給湯器8に戻り、給水管6より供給された市水の一部は加湿として使用され、加湿に使用されなかった水が排水管7を介して排水されることとなる。
図2および図3に示すように、サウナ装置3は一開口面を有した箱体41の内部に加湿手段11と加熱手段12と制御手段13が収納されており、排気手段14は箱体41の側面に内部を連通して設けられており、制御手段13は加湿手段11と加熱手段12と排気手段14と電気的に接続されている。
加湿手段11は加湿用送風手段15と水破砕手段16と気液分離手段17と給水手段18と排水手段19と循環温水回路20から構成されている。加湿用送風手段15によりサウナ対象室1より第一の吸込口21から吸い込まれた空気が水破砕手段16を通過し、気液分離手段17を通り第一の吹出口22からサウナ対象室1に送り込まれ、一方、水破砕手段16には熱源としての給湯器8から循環温水回路往路管9を介し循環温水回路入口接続部23を通り熱交換器37に送り込まれた温水と、給水手段18により送水される市水とで熱交換が行なわれ、給水手段18と連通する水破砕手段16の構成要素である噴射手段24から温水が噴射される。噴射手段16から噴射された温水は水破砕手段16の構成要素である衝突手段25に衝突し、微細な水滴に砕かれる。砕かれた水滴は加湿用送風手段15による空気流に乗り気液分離手段17を通過するが、気液分離手段17を加湿空気が通過するとき大粒水滴と微細な水滴に分離され、微細な水滴のみが第一の吹出口22からサウナ対象室1に吹き出される。
加熱手段12は加熱用温水コイル26と加熱用送風手段27からなり、加熱用送風手段27が駆動することによりサウナ対象室1から第二の吸込口28を介して加熱手段12に送り込まれる。加熱手段12に備えた加熱用温水コイル26は給湯器8から循環温水回路往路管9を介し循環温水回路入口接続部23を通り、水の流通の開閉を行なう加熱用開閉手段30を通過し加熱用温水コイル26に温水が供給される。加熱用温水コイル26は空気−水の熱交換器であり、サウナ対象室1から送り込まれた空気と熱源から送水された温水が加熱用温水コイル26で熱交換され加熱空気として加熱用送風手段27を通り第二の吹出口29からサウナ対象室1に吹き出される。
排気手段14は換気用送風手段31が作動することによりサウナ対象室1から第一の吸込口21と第二の吸込口28より吸い込み、サウナ対象室1外へ加湿空気等を排気するものである。そして加湿手段11と排気手段14の吸込口は同じ空気流入口48であり、加湿手段11で加湿したサウナ対象室1およびサウナ装置3における加湿手段11内部の湿気も、排気手段14が動作することによりサウナ装置3の外部に排気できるものである。
制御手段13は加湿手段11、加熱手段12および排気手段14と電気的に接続されており、給湯器8と、加湿手段11における加湿用温水循環回路制御弁32と給水手段18の構成要素である給水制御弁33と加湿用送風手段15とに電気的に接続され、一方、加熱手段12とは加熱用開閉手段30と加熱用送風手段27に電気的に接続され、さらに排気手段14とは換気用送風手段31と電気的に接続され、各々に動作制御の指示を送信している。
熱源である給湯器8から循環温水回路往路管9を介してサウナ装置3へ送水される温水は循環温水回路入口接続部23を通過したあと温水循環往路分岐部35で2分岐され、一方は、加湿手段11に備えた循環温水回路20へ導かれ、加湿用温水循環回路制御弁32を通り熱交換器37へ入る。熱交換器37で給水手段18により給水された市水と熱を交換した水は再び循環温水回路20を通り、温水循環復路分岐部36で合流する。温水循環回路往路分岐部35で分岐された他方は、加熱手段12の循環温水回路20に入り加熱用開閉手段30を介し加熱用温水コイル26に導かれ、加熱用送風手段27により加熱手段12に導かれたサウナ対象室1の空気と加熱用温水コイル26で熱交換され、再び循環温水回路20に入り温水循環復路分岐部36で加湿手段11から戻ってきた温水または水と合流し循環温水回路出口接続部38を通り、循環温水回路復路管10を介し給湯器8に戻る。
給水手段18は給水管6と給水接続口39で接続されており、市水が給水管6を通じて給水手段18に導かれるものであり、給水手段18は給水の止水、通水、および流量調節をつかさどる給水制御弁33を備えており、給水制御弁33を通じて安定した流量の市水を熱交換器37に送り込み、熱交換器37で給湯器8からの温水と熱交換を行ない温水となって水破砕手段16の構成要素である噴射手段24に導かれる。噴射手段24はノズルで構成され、ノズルにより噴射された温水は衝突手段25である衝突板に衝突する。このためノズルで噴射された水滴が衝突板に衝突することによりさらに小さな水滴になり、加湿用送風手段15により送気されたサウナ対象室1の空気を加熱加湿する。一方、送気された空気に乗らない大粒の水滴は重力により回収され排水手段19の構成要素である排水路に導かれる。水破砕手段16を通過した加熱加湿空気は大粒水滴と微細水滴を分離する気液分離手段17を通過する。気液分離手段17は気液分離用温水コイル40で構成され、気液分離用温水コイル40の空気が通過する複数のフィンの形状は凹凸のあるもの、あるいは切り起こしのあるものが望ましい。フィンは縦方向に配置され、複数のフィンの間を通過する加熱加湿空気はフィンの凸凹あるいは切り起こしの形状を通過するとき、蛇行して通過することとなり、フィン表面への衝突を繰り返して通過するため、この衝突により加熱加湿空気の大粒の水滴がフィンの表面に付着し、フィンに沿って流れ落ち回収されることとなる。回収された水または温水は排水手段19であり、ファン43の下方から気液分離用温水コイル40の下方にかけて下り勾配に形成される排水路に流れ落ち、先の水破砕手段16で回収された水または温水とともに排水口45よりサウナ装置3の外部に排出される。
サウナ対象室1の天井裏空間2に設置したサウナ装置3に備えた第一の吹出口22および第二の吹出口29から吹き出された加熱加湿空気は、吹出口付近で交わり湿度成分の高い加熱加湿空気がサウナ対象室1内に拡散する。入浴をする使用者は通常座った位置で入浴するため、第一の吹出口22および第二の吹出口29から吹き出された高温高湿の空気に直接当たらずに、加熱加湿空気はサウナ対象室1内に拡散されて、使用者は均一化された温湿度を受けることとなり、サウナ対象室1が体感上非常に均一な空間となる。
以上のように本実施の形態によれば、加熱手段12、加湿手段11、および送風手段を天井裏空間2に設置することにより、直接、サウナ対象室1内にいる使用者に高温高湿の吹出し空気が当たりにくく、サウナ対象室1にムラのない湿度空間を創造することができる。
また、本実施の形態によれば、加湿手段12、加熱手段11、送風手段を一体にして箱体に収めることにより、サウナ装置の施工が容易になり、また水回路が一箇所に集中することによる装置からの水漏れ対策が容易になる。
次に、図4および図5を用いて加湿手段11の詳細構成を示す。
加湿手段11は、水破砕手段16と、気液分離手段17と、給水手段18と、温水循環手段としての循環温水回路20と、排水手段19と、加湿用送風手段15とにより構成されている。加湿手段11は、その一方側に水破砕手段16を備え、空気流通路44を間に介在させて他方側に気液分離手段17を備えて構成され、水破砕手段16、空気流通路44、および気液分離手段17は全体として横長形状となるように配置されている。
従来技術の図10に示すように、ファンユニット109による空気吸込口102からの空気流入量には上限があるので、熱交換促進部材109の薄板107の面積を大きくとる必要がある。つまり、空気吸込口102からの空気流と湯噴射口104からの温水の接触面積、要するに空気流と温水の接触時間をを多くとることができる最も安価かつ効率的な形状は、温水を高さ方向に薄板107に沿って流れ落とし空気流との接触時間を多くとる縦長の形状とすることである。しかし、このような構成では、高さ方向に制約のある場所への設置(例えば、天井裏への設置)が困難であるので、本発明の加湿手段11の有する構成がサウナ装置の高さ方向の小型化を実現できるため有効である。
水破砕手段16は噴射手段24と衝突手段25を備え、圧力を有した水または温水を供給する給水手段18は噴射手段24であるノズルに連結され、圧力を有した水または温水はノズルより衝突手段25である衝突板に向けて噴射される。ノズルは噴射した水が広角に広がるタイプが望ましく、広角に広がった水膜が衝突板の広い面積に衝突する。
加湿用送風手段15は加湿送風用電動機42と加湿送風用電動機42のシャフトに連結されたファン43とで構成され、ファン43は、例えばシロッコファンなどの遠心ファンで構成される。加湿用送風手段15は上部に設けられ、加湿送風用電動機42はその回転軸が鉛直方向に配設され、ファン43は加湿送風用電動機42よりも鉛直下方向になるように設けられ、加湿送風用電動機42の下部に吸込み口を備えて配置されている。加湿送風用電動機42が駆動するとファン43が回転し、ファン43の上部、つまり、加湿送風用電動機42とファン43との隙間より空気を吸い込み、ファン43の遠心方向に吹き出す。
一方、衝突手段25は、水または温水を衝突させて微細な水滴にする機能と送風機能とを併せ持ち、それ自体が運動するファン43で構成される。噴射手段24であるノズルから噴射された水または温水は、加湿送風用電動機42により回転するファン43に衝突するため、このとき、ノズルからの噴射によりある程度微細化した水または温水をさらに回転体であるファン43に衝突させることにより微細な水滴とするものである。ノズルに供給される水または温水の圧力が水道圧を利用する場合、ノズルのみでの水滴の微細化であると水道圧の影響を直接受け、場合によっては水滴にならない可能性もあるが、供給された水をファン43に衝突させることにより水道圧の影響が低減でき、常に微細な水滴を作り出すことができる。このようにして、ファン43は、加湿用送風手段15と衝突手段25の働きを兼ね備えるため、コストパフォーマンスがよく、また、空間を有効に活用できる水破砕手段16を構成できる。さらに、加湿用送風手段15と衝突手段25が一体のものとなることにより微細水滴と風の流れが非常によく交わり、小型の水破砕手段16でも非常に加湿能力の高いものとなる。
本実施の形態の噴射手段24はファン43の外周より噴射し衝突するものであるが、ファン43の吸込口に噴射手段24を設置し、ファン43の吸込み側より噴射する構成としてもよい。
ファン43に衝突した水または温水の一部は空気流と交わり加湿空気として気液分離手段17へ送気されるが、その他はファン43または周囲の壁面より滴下しファン43の下部に溜まる。加湿送風用電動機42は上部に取り付けられているため、ファン43の下部に溜まった水または温水が滴下または浸入してくるおそれはなく、またファン43は吸込口が上向きに取り付けられているため、ファン43の下部に溜まった水がファン43の回転により吸込口が負圧になり、このことにより水または温水がファン43の下に滞留するということがない。
水破砕手段16より発生した加熱加湿空気は加湿用送風手段15により気液分離手段17へ導かれる。気液分離手段17は気液分離用温水コイル40で構成され、気液分離用温水コイル40の空気が通過する複数のフィンの形状は凹凸のあるもの、あるいは切り起こしのあるものが望ましい。フィンは縦方向に配置され、複数のフィンの間を通過する加熱加湿空気はフィンの凸凹あるいは切り起こしの形状を通過するとき、蛇行して通過することとなり、フィン表面への衝突を繰り返して通過するため、この衝突により加熱加湿空気の大粒の水滴がフィンの表面に付着し、フィンに沿って流れ落ち回収されることとなる。
このようにして気液分離手段17を通過した加熱加湿空気は5μm以下の微細な水滴のみ含んだ加湿空気となり、第一の吹出口22よりサウナ対象室1に送風される。サウナ対象室1に吹き出される加熱加湿空気は5μm以下の微細な水滴のみであるため、非常に拡散性がよくサウナ対象室1内を均一な温湿度空間にする。また、サウナ対象室1内は高温高湿ではあるが水滴の径が小さいため、クリアな空間となる。このため、サウナ対象室1にいる使用者は、肌にべったりとまとわりつくような水滴を使用者が感じることを軽減して、快適なサウナ空間を体感できることとなる。また、使用者はサウナ入浴時に浴室テレビの観賞や読書等をすることが可能となる。
水破砕手段16と気液分離手段17は高さ方向に対して略水平に位置され、さらに気液分離部17と第一の吹出口22も略水平に位置されている。水破砕手段16から第一の吹出口22は気液分離手段17を介して空気流通路44で連通されており、空気流は加湿用送風手段15であり水破砕手段16の構成要素でもあるファン43の上部より吸い込まれ、ファン43はファンの遠心方向、つまり、水平方向に加熱加湿空気を吹き出し、加熱加湿空気は空気流通路44を水平に動き縦方向にフィンが配列された気液分離手段17である気液分離用温水コイル40を水平に通過し、排水口45の上端より高い位置に開口を設けた液巻込み防止手段46により、一度鉛直上方に導かれたのち、サウナ装置3の下部に設けられサウナ対象室1の天井開口5に通ずる第一の吹出口22に向かい鉛直下方向に吹き出される。
液巻込み防止手段46は、気液分離手段17から第一の吹出口22に至る通風路において、排水口45の開口の上端よりも鉛直上方に高い位置に延びるように形成される仕切壁により構成され、ファン43により第一の吹出口22に向かって送り込まれる水滴を拭くんだ空気流は、一旦排水口45よりも高く持ち上げられてこの仕切壁を越えると、第一の吹出口22に向かい鉛直下方に降下する。仕切壁を越えるときに空気流から離れて、仕切壁の側面に付着した水滴は、仕切壁をつたわり下方に向け流下し、排水口45から排水される。このようにして比較的大粒の水滴は第一の吹出口22まで進行しないことになり、比較的大粒の水滴が使用者に吹きつけられることを防止している。
一方、給水手段18は熱交換器37を介して噴射手段24まで水を導くものであり、熱交換器37は水と温水の熱の授受を行うもので、給湯器8から温水を供給する循環温水回路20と接続され、循環温水回路20から供給された温水は熱交換器37を通過したあと、気液分離用温水コイル40に入り給湯器8に再び戻ることとなることとなるが、給水手段18の流路の中に供給された水が熱交換器37を通過することにより熱を奪い、温水となって噴射手段24より噴射されることとなる。噴射された温水は水破砕手段16で一部は加熱加湿空気として奪われるが、その他はファン43の周囲に形成される壁面に沿って流れ落ちたり、空間を落下したりしてファン43の下方に回収される。
排水手段19としての排水路は水破砕手段16の下方から空気流通路44に沿って気液分離手段17を介し排水口45に通ずるものであり、略水平に構成されたものであるが、水破砕手段16から気液分離手段17の間は気液分離手段17に向かって下り勾配とし、気液分離手段17から排水口45の間も排水口45に向かって下り勾配となっている。このため水破砕手段16および気液分離手段17で回収された水または温水が下り勾配に沿って排水口45に導かれることとなる。
一方、排水手段19は空気流通路44と空間をともにした構造であり、このため加熱加湿空気が上部に位置する空気流通路44を通過し回収された水または温水が下部に位置した排水手段19を流れることとなるが、空気流通路44と排水手段19の排水路の接した部分では、空気流通路44内を流れる加湿加熱空気が含む大粒の水滴は流れに沿って排水手段19に回収され、空気流通路44を移動する加湿加熱空気はより微細な水滴のみを含むものとなる。気液分離手段17を通過した加熱加湿空気は液巻込み防止手段46により一度上方に向きを変えて流れるため、第一の吹出口22から吹き出される時に排水手段19を流れる水または温水をまき込む恐れはなく、また排水手段19を流れる水または温水もスムーズに排水口45に流れることとなる。
液巻込み防止手段46を通過した加熱加湿空気は、鉛直下方向で排水口45より下方に位置する第一の吹出口22から吹き出される。したがって排水口45は第一の吹出口22より高い箇所に位置し、一方、第一の吹出口22はサウナ装置3の開口部4の高さと同位置であり、開口部4はサウナ対象室1の天井面に設けられた天井開口5の高さと略一致するため、排水口45の高さはサウナ対象室1の天井面より高い位置となる。排水口45より配水される水または温水はサウナ対象室1の縁より下方に導かれ、例えばサウナ対象室1の壁面を貫通し浴槽の下に位置するドレンパンに排水することとなるが、排水口45がサウナ対象室1の天井面より確実に高い位置にあるため排水口45以降も常に下り勾配を保った排水経路を確保できる。
また、図5に示すように、排水手段19は、ファン43の下方から気液分離手段17に至る流路の下部を含み、排水口45に向かい下り勾配となっており、排水手段19の高さ方向の最下部近傍には排水手段19を流れる水または温水の量を検知する水位検知手段49が設けられている。排水口45より流れる水または温水の量より給水手段18から供給される水または温水の量が多いとき、または排水口45以降の配管施工工事不良により排水がなされないとき等、排水手段19に水が溜まることとなる。排水手段19にある一定以上の水または温水が溜まった場合、水位検知手段49が異常水位として検知し電気的に接続された制御手段13に信号を送り、制御手段13は給水制御弁33に給水を止める信号を送ることにより給水制御弁33は閉となり、給水手段18より水または温水が供給されなくなる。これより排水で異常がおきた時でもサウナ装置3から溢水することはない。
本実施の形態のサウナ装置は以下のような問題を解決することができる。図10に示す従来技術のサウナ装置においては、湯噴出口104から熱交換促進部材108上に温水を噴出する構成であるため、サウナ装置の停止時には熱交換促進部材108上、および噴出湯管104に多量の水滴が付着してしまう。このように多量の水滴が付着した状態では、装置内および浴室内にカビや菌が繁殖しやすく衛生上好ましくないものであった。
給水手段18が水または温水を噴射手段24に供給しない状態で加湿用送風手段15を駆動し、循環温水回路20に温水を流した場合に気液分離用温水コイルは放熱器となりサウナ装置3内部の空気流通路44に暖気を流通させることにより結露した空気流通路44を乾燥させ、また暖気は第一の吹出口22から吹き出されるためサウナ対象室1も乾燥させることとなる。このことにより菌・カビの増殖を抑制することができる。
また、加湿用送風手段15の吸込口側に、つまり水破砕手段16に導かれる前に発熱体47を備えた場合には、加湿用送風手段15により水破砕手段16に送られる空気は発熱体47によって加熱される。加熱された空気が水破砕手段16に入ることにより、水破砕手段16内部の空気の飽和水蒸気量が多くなり、つまりは加湿量を上げることができ、さらには発熱体47の温度を調節することにより加湿量を変化させることができる。また、給水手段18からの給水を停止した状態で加湿送風用電動機42を駆動させることにより加湿手段11内部を乾燥することができる。
なお、給水手段18から供給される水量または水温を変化させることにより加湿量が変化することはいうまでもなく、さらには加湿送風用電動機42の回転数を変化させることにより加湿量が調整できることはいうまでもない。
以上のように本実施の形態によれば、その一方側に水破砕手段16を備え、空気流通路44を間に介在させて他方側に気液分離手段17を備えて加湿手段11を構成し、水破砕手段16、空気流通路44、および気液分離手段17は全体として横長形状となるように配置されていることにより、従来高さ方向が必要であった加湿部分において、高さ方向に寸法を取らない加湿手段11を構成できるので、つまりは高さ方向の寸法が小さいサウナ装置3となることによりサウナ対象室1の天井裏空間2にサウナ装置3を設置することができる。
また、本実施の形態によれば、水破砕手段16は水または温水を噴射する噴射手段24と噴射手段24により噴射した水または温水を衝突させ、それ自体が運動する衝突手段25とを含むことにより、噴射手段24の噴射エネルギーと衝突手段25の衝突エネルギーに加え、衝突手段25自体の運動エネルギーが加算され、水または温水を微細に破砕するエネルギーが大きくなるので、水破砕手段16を構成する部分の小型化が可能となる。
また、運動する衝突手段25により供給された水または温水が微細化される構造であるため、少量の水または温水でも広範囲にわたり加湿空気となり、供給水量または供給温水量に対して効率よく加湿することとなる。このことにより水のロスの少ない、また温水を使用する場合は熱ロスの少ない、つまりはガス使用量または電気使用量の少ない高効率な加湿器となる。
また、本実施の形態によれば、水破砕手段16と気液分離手段17とを水平方向に一列に配置する構成としたので、空気と液体が水平方向に流動させることにより、サウナ装置3の高さ方向を低くすることができる。
また、本実施の形態によれば、衝突手段25は、水または温水を水滴に破砕するとともに前記水滴を送風するファン43で構成されるので、衝突手段25が送風手段と水破砕手段16を兼ねることもでき、小型で安価な加湿手段が構成できる。
また、本実施の形態によれば、ファン43は鉛直上方から吸い込む構成としているので、水破砕手段16で回収された水が水破砕手段16の下面で滞留することなく確実に排水口45に導くことができる。
また、本実施の形態によれば、気液分離手段17と連通し、気液分離手段17により分離された水を排出する排水口45を設け、気液分離手段17から排水口45に至る通路に水位検知手段34を設けたので、排水不良で回収された水が排水されない状態となった時でも、水位検知手段34によりサウナ装置3から溢水しないこととなる。
また、本実施の形態によれば、気液分離手段17から第一の吹出口22に至る通風路において、排水口45の開口の上端よりも鉛直上方に高い位置に延びる仕切壁を形成したので、サウナ装置3の吹出口からは微細な水滴のみ吹き出され、サウナ対象室1にいる使用者に大粒の水滴がかかることをなくすことができる。
次に、図6を用いて他の加湿手段の詳細構成を示す。なお、前述の図5に示す加湿手段と異なる構成のみ詳細に説明する。
図6に示すように、排水手段19は水破砕手段16から気液分離手段17の間は気液分離手段17に向かって下り勾配とし、気液分離手段17から貯水部50の間も貯水部50に向かって下り勾配となっている。このため水破砕手段16および気液分離手段17より回収された水または温水は貯水部50に導かれる。貯水部50は強制排水手段として排水ポンプ51が備えられ排水ポンプ51の吐出部は排水口45と接続されている。給水手段18より水または温水が水破砕手段16に供給され加湿に使用されなかった水または温水が貯水部50に溜まると水位検知手段49が水位を検知し排水ポンプ51を駆動させ貯水部50に溜まった水または温水を排水口45より強制的に排水する。
以上のように本実施の形態によれば、排水口45の位置に関係なく水または温水が強制的に排水されるため、サウナ装置3の排水管施工時にサウナ対象室1の天井裏空間2に備えられたダクト、配水管、電気配線等により下り勾配が取れない場合でも施工ができることになる。
また、本実施の形態によれば、気液分離手段17に対して下流側に設けた排水ポンプ51の吐出側を排水口45としたので、排水揚程が取れないような施工現場でも強制排水が行うことができる。
次に、図7、図8、および図9を用いて、サウナ装置3の内部構成を示す。
サウナ装置3は、給湯器8の循環温水回路往路管9と循環温水回路入口接続部23で接続され、循環温水回路復路管10と循環温水回路出口接続部38で接続されている。箱体41に加湿手段11および加熱手段12を収納した時に、加湿手段11の循環温水回路20の入口および出口と、加熱手段12の循環温水回路20の入口および出口は排水口45の近傍で、各々温水循環往路分岐部35および温水循環復路分岐部36で結合し、サウナ対象室1よりサウナ装置3を見て排気手段14を手前にした場合、サウナ装置3の左側面に循環温水回路入口接続部23と循環温水回路出口接続部38を備えた構成となる。
また、加湿手段11に水または温水を供給する給水手段18は、サウナ対象室1よりサウナ装置3を見て排気手段14を手前にした場合、サウナ装置3の左側面に給水接続口39を設けた構成であり、給水接続口39と排水口45と循環温水回路入口接続部23と循環温水回路出口接続部38は全てサウナ対象室1より見て排気手段14を手前にした場合、サウナ装置3の左側面に設けられており、配管施工時に一側面から全ての配管接続作業ができることとなる。
サウナ対象室1の天井開口5は、サウナ装置3の開口部4およびサウナ装置3の箱体41であるフレームつば52の面積に対し十分大きな面積を有しており、一方、給水接続口39と排水口45と循環温水回路入口接続部23と循環温水回路出口接続部38はサウナ装置3の本体側面に備え、開口部4の方向より見たときフレームつば52に隠れて見えない位置、つまりフレームつば52より内側に備えたものである。各々の接続口には給水管6、排水管7および循環温水回路往路管9と循環温水回路復路管10が接続されるため、各々の接続口は天井開口5から鉛直方向に見て内部に位置することとなる。万一、接続口より水漏れが起こった場合でも水滴は全て天井開口5を介してサウナ対象室1に滴下するため、天井裏空間2への漏水はなく、また漏水していることが使用者にも確認できるため、装置接続部の水漏れによる拡大被害を防ぐことができる。
また、サウナ装置3は一つの箱体41の内部に制御手段13と加湿手段11と加熱手段12を備えたものであり、加湿手段11と加熱手段12は循環温水回路入口接続部23と循環温水回路出口接続部38で接続されており、一方、制御手段13は加湿手段11および加熱手段12と信号線(図示せず)で接続されている。
加熱手段12の循環温水回路入口接続部23に設けられた入口側接続部53と循環温水回路出口接続部38に設けられた出口側接続部54は、サウナ装置3の開口部4方向にずらすことにより取り外すことができ、制御手段13との接続である信号線(図示せず)を取り外すと、サウナ装置3の箱体41の下部に形成した開口部4より小さい、つまりは開口部4の面積より投影断面積が小さい加熱手段12を開口部4からサウナ対象室1へ取り出すことができる。
続いて加湿手段11は給水管6との接続部である給水接続口39と排水管7を施工で取り付けた順序とは逆の手順で取り外し、制御手段13と接続されている信号線(図示せず)を取り外すことにより、サウナ装置3の開口部4の断面積より小さい、つまりは天井開口部5の断面積より投影断面積が小さい加湿手段11は、開口部4からサウナ対象室1へ取り外すことができる。
また、制御手段13は加湿手段11と加熱手段12との信号線(図示せず)が取り外されており、開口部4より小さい、つまりは開口部4の面積より投影断面積が小さい制御手段13は、開口部4からサウナ対象室1へ取り外すことができる。このように箱体41より取り外される加湿手段11、加熱手段12、または制御手段13は容易に部品交換、メンテナンス作業ができることとなる。
以上のように本実施の形態によれば、給水手段18のサウナ対象室1からの給水接続口39と、サウナ装置3内部の水を外部に排出する排水口45と、給水手段18に供給する水を加熱する熱交換器37に接続してなる循環温水回路20のサウナ装置3への入口および出口とを、サウナ装置3の一側面に位置させたことにより、一方向のみを施工スペースとして設ければよく、配管施工作業が一方向から行える。