JP2007079173A - 電源回路並びにそれを用いた半導体集積回路装置及び電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】大電圧をスイッチングして出力するにあたって、トランジスタサイズが小さく、動作マージンを大きくできる電源回路を提供すること。
【解決手段】第1電圧MVをアクティブ論理とする第1信号S1に基づいて、第2電圧MVをアクティブ論理とする第2信号S2にレベルシフトする第1レベルシフタ700と、第3電圧VERより降圧され、第2電圧よりも高い降圧電圧を生成する降圧回路730と、第2信号S2に基づいて、前記降圧電圧をアクティブ論理とする第3信号S3にレベルシフトする第2レベルシフタ720と、第3信号S3に基づいて、第3電圧VERまたは接地電圧VSSに切り換えて出力する第3レベルシフタ730とを有する。
【選択図】図30
【解決手段】第1電圧MVをアクティブ論理とする第1信号S1に基づいて、第2電圧MVをアクティブ論理とする第2信号S2にレベルシフトする第1レベルシフタ700と、第3電圧VERより降圧され、第2電圧よりも高い降圧電圧を生成する降圧回路730と、第2信号S2に基づいて、前記降圧電圧をアクティブ論理とする第3信号S3にレベルシフトする第2レベルシフタ720と、第3信号S3に基づいて、第3電圧VERまたは接地電圧VSSに切り換えて出力する第3レベルシフタ730とを有する。
【選択図】図30
Description
本発明は、電源回路並びにそれを用いた半導体集積回路装置及び電子機器に関する。
液晶パネルなどの表示パネルを駆動する半導体集積回路装置として表示ドライバ(LCDドライバ)がある。この表示ドライバでは、低コスト化のためにチップサイズの縮小が要求される。
しかしながら、携帯電話機などに組み込まれる表示パネルの大きさはほぼ一定である。従って、微細プロセスを採用し、表示ドライバの半導体集積回路装置を単純にシュリンクしてチップサイズを縮小しようとすると、実装が困難になるなどの問題を招く。
また、ユーザが表示ドライバを液晶パネルに実装して表示装置を製造するにあたり、表示ドライバ側にて種々の調整が必要である。例えば、表示ドライバをパネルの仕様(アモルファスTFT、低温ポリシリコンTFT、QCIF、QVGA、VGA等)や駆動条件の仕様に合わせる調整や、あるいはパネル間の表示特性にばらつきがないように調整することである。ICメーカ側でも、IC検査時に、発振周波数、出力電圧の調整や、冗長メモリへの切換などが必要となっている。
従来は、ユーザ側の調整は、外付けのE2PROM(ELECTRICAL ERASABLE PROGRAMABLE READ ONLY MEMORY)、外付けのトリマ抵抗(可変抵抗)により行なわれていた。ICメーカ側での冗長メモリへの切換などは、半導体集積回路装置内に設けたヒューズ素子の溶断により行なわれていた。
しかし、部品の外付け作業はユーザにとって煩雑であり、トリマ抵抗は高価でサイズも大きく、壊れ易いと言う欠点もある。ICメーカ側にとっても、ヒューズ素子の切断、その後の動作確認の作業も煩雑である。
ここで、二層のゲートを要するスタックゲート型の不揮性記憶装置と比して、簡易な製造工程で、かつ安価なコストで製造できる不揮発性記憶装置として、特許文献1に記載の不揮発性記憶装置が提案されている。特許文献1に記載の不揮発性記憶装置は、コントロールゲートが半導体層内のN型の不純物領域であり、フローティングゲート電極が、一層のポリシリコン層などの導電層からなる(以下、「単層ゲート型の不揮発性記憶装置」ということもある)。このような単層ゲート型の不揮発性記憶装置は、ゲート電極を積層する必要がないため、通常のCMOSトランジスタのプロセスと同様にして形成することができる。
この種の不揮発性記憶装置では、比較的大電圧である消去電圧により、メモリセルのデータを消去している。
特開昭63−166274号公報
本発明の目的は、消去電圧等の大電圧をスイッチングして出力するにあたって、トランジスタサイズが小さく、動作マージンを大きくできる電源回路並びにそれを用いた半導体集積回路装置及びこれを含む電子機器を提供することにある。
本発明の一態様は、接地電圧より順次高い第1電圧、第2電圧及び第3電圧が入力され、前記第3電圧と前記第2電圧との間の正の第1電圧差は、前記第2電圧と前記第1電圧との間の正の第2電圧差より大きく、前記第1電圧をアクティブ論理とし、かつ前記接地電圧をノンアクティブ論理とする第1信号に従って、前記第3電圧または前記接地電圧に切り換えて出力する電源回路において、前記第2電圧と前記接地電圧とが供給され、前記第1信号に基づいて、前記第2電圧をアクティブ論理とする第2信号にレベルシフトする第1レベルシフタと、前記第3電圧より降圧され、前記第2電圧よりも高い降圧電圧を生成する降圧回路と、前記降圧回路からの降圧電圧と、前記接地電圧とが供給され、前記第2信号に基づいて、前記降圧電圧をアクティブ論理とする第3信号にレベルシフトする第2レベルシフタと、前記第3電圧と前記接地電圧とが供給され、前記第3信号に基づいて、前記第3電圧または前記接地電圧に切り換えて出力する第3レベルシフタと、を有することを特徴とする。
本発明の一態様では、第1レベルシフタと第3レベルシフタとの間に、第2電圧−降圧電圧の間でレベルシフトさせる第2レベルシフタを設けているので、第3レベルシフタでは降圧電圧−第3電圧の間でレベルシフトすればよく、従来のように第2電圧−第3電圧の間で一気にレベルシフトしなくて済む。このため、第3レベルシフタのトランジスタのうち、第2電圧よりも大きな降圧電圧で作動するトランジスタは、ゲート電圧が大きいためトランジスタサイズから定まる能力を小さくしても反転動作が可能となり、動作マージンを大きくすることができる。また、ゲート電圧を大きくして能力を上げているので、トランジスタサイズが小さくて済む。
本発明の一態様では、前記第1〜第3レベルシフタの各々は、第1のP型MOSトランジスタ及び第1のN型MOSトランジスタを直列接続した第1のCMOSトランジスタと、第2のP型MOSトランジスタ及び第2のN型MOSトランジスタを直列接続した第2のCMOSトランジスタと、前記第1のN型MOSトランジスタのゲートに接続された信号入力線と、前記信号入力線と前記第2のN型MOSトランジスタのゲートとの間に設けられたインバータとを有し、前記第1のCMOSトランジスタのドレインが前記第2のP型MOSトランジスタのゲートに接続され、前記第2のCMOSトランジスタのドレインは、前記第1のP型MOSトランジスタのゲート及び信号出力線に接続されると共に、前記第1及び第2レベルシフタの前記信号出力線は、前記第2及び第3レベルシフタの前記信号入力線にそれぞれ接続され、前記第3レベルシフタの前記第1及び第2のP型MOSトランジスタのソースに前記第3電圧が供給され、前記第3レベルシフタの前記第1及び第2のN型MOSトランジスタのソースには前記接地電圧が供給され、前記第3レベルシフタの前記インバータには前記降圧電圧を供給することができる。
このように、第3レベルシフタの第1及び第2のN型MOSトランジスタのゲートには、第2レベルシフタの出力電圧(降圧電圧)が印加される。よって、トランジスタサイズを小さくしても、ゲート電圧としきい値との差の二乗に比例するトランジスタ能力が高まり、動作マージンを大きくできる。
本発明の一態様では、前記第1レベルシフタの前記第1及び第2のP型MOSトランジスタのソースに前記第2電圧が供給され、前記第2レベルシフタの前記第1及び第2のP型MOSトランジスタのソースに前記降圧電圧が供給され、前記第1及び第2レベルシフタの前記第1及び第2のN型MOSトランジスタのソースには前記接地電圧が供給され、前記第1レベルシフタのインバータには前記第1電圧を、前記第2レベルシフタの前記インバータには前記第2電圧を、それぞれ供給することができる。
こうして、第1,第2レベルシフタを駆動することで、第3レベルシフタでの上述した動作を担保できる。
本発明の他の態様に係る半導体集積回路装置は、複数のメモリセルを含む不揮発性メモリと、前記複数のメモリセルに消去電圧を供給する電源回路とを有し、この電源回路として上述の回路を用いることができる。
こうすると、第2レベルシフタと降圧回路を増設しても、第3レベルシフタの第1,第2のN型MOSトランジスタを小型化できるので、電源回路全体としてレイアウト面積を小さくすることができる。よって、不揮発性メモリに消去電圧を供給する電源回路が、半導体集積回路装置内にて占める面積を小さくできる。
本発明の他の態様では、前記複数のメモリセルの各々は、半導体基板に形成された書き込み/読み出しトランジスタ及び消去トランジスタと、前記書き込み/読み出しトランジスタ及び前記消去トランジスタの各ゲートに共用されるフローティングゲートと、前記半導体基板に形成されており、前記フローティングゲートが絶縁層を介して対向する位置に形成された不純物領域にて形成されるコントロールゲートと、を有することができる。
本発明の一態様でも、フローティングゲートのみの「単層ゲート」構造であるが、書き込みと消去とをチャネルの導電型が異なるMOSトランジスタで行なっている点が従来技術と異なる。書き込み領域と同一の箇所で消去をする場合と比して消去の電圧に対する耐圧を向上させることができる。
また本発明のさらに他の態様は、上記のいずれかに記載の半導体集積回路装置と、前記半導体集積回路装置により駆動される表示パネルとを含む電子機器を定義している。
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお以下に説明する本実施形態は特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
1.半導体集積回路装置の構成
本実施形態の半導体集積回路装置10の構成例を図1に示す。本実施形態では、半導体集積回路装置10の短辺である第1の辺SD1から対向する第3の辺SD3へと向かう方向を第1の方向D1とし、D1の反対方向を第3の方向D3としている。また半導体集積回路装置10の長辺である第2の辺SD2から対向する第4の辺SD4へと向かう方向を第2の方向D2とし、D2の反対方向を第4の方向D4としている。なお、図1では半導体集積回路装置10の左辺が第1の辺SD1で、右辺が第3の辺SD3になっているが、左辺が第3の辺SD3で、右辺が第1の辺SD1であってもよい。
本実施形態の半導体集積回路装置10の構成例を図1に示す。本実施形態では、半導体集積回路装置10の短辺である第1の辺SD1から対向する第3の辺SD3へと向かう方向を第1の方向D1とし、D1の反対方向を第3の方向D3としている。また半導体集積回路装置10の長辺である第2の辺SD2から対向する第4の辺SD4へと向かう方向を第2の方向D2とし、D2の反対方向を第4の方向D4としている。なお、図1では半導体集積回路装置10の左辺が第1の辺SD1で、右辺が第3の辺SD3になっているが、左辺が第3の辺SD3で、右辺が第1の辺SD1であってもよい。
図1に示すように本実施形態の半導体集積回路装置10は、D1方向に沿って配置される第1〜第Nの回路ブロックCB1〜CBN(Nは2以上の整数)を含む。本実施形態では回路ブロックCB1〜CBNがD1方向に並んでいる。
また半導体集積回路装置10は、第1〜第Nの回路ブロックCB1〜CBNのD2方向側に辺SD4に沿って設けられる出力側I/F領域12(広義には第1のインターフェース領域)を含む。また第1〜第Nの回路ブロックCB1〜CBNのD4方向側に辺SD2に沿って設けられる入力側I/F領域14(広義には第2のインターフェース領域)を含む。
また第1〜第Nの回路ブロックCB1〜CBNは、少なくとも2つ(或いは3つ)の異なる回路ブロック(異なる機能を持つ回路ブロック)を含むことができる。半導体集積回路装置10が表示ドライバである本実施形態では、プログラマブルROMブロック(広義には不揮発性メモリ)は必須であり、そのプログラマブルROMブロックからのデータの行く先の回路ブロック、例えばロジック回路(ゲートアレイブロック)あるいは電源回路ブロックが必須である。
例えば図2に種々のタイプの表示ドライバとそれが内蔵する回路ブロックの例を示す。
図3(A)(B)に本実施形態の表示ドライバの半導体集積回路装置10の平面レイアウトの例を示す。図3(A)(B)は、メモリ内蔵のアモルファスTFTパネル用の例であり、図3(A)は例えばQCIF、32階調用の表示ドライバをターゲットとし、図3(B)はQVGA、64階調用の表示ドライバをターゲットとしている。
図3(A)では、プログラマブルROM20は、電源回路PB及びロジック回路LBの間にある。換言すれば、プログラマブルROM20は、D1方向にて電源回路PB及びロジック回路LBの各ブロックに隣接している。
一方、図3(B)では、プログラマブルROM20のブロックは、D1方向にて電源回路PBのブロックに隣接している。
この理由は、プログラマブルROM20から読み出されるデータの主たる行く先が、電源回路PB及び/またはロジック回路LBだからである。つまり、プログラマブルROM20からのデータをショートパスで電源回路PB及び/またはロジック回路LBに供給できる。なお、プログラマブルROM20から読み出されるデータについては後述する。
図3(A)(B)では、上述した3つのブロック以外に、表示データが記憶されるメモリMB1〜MB4と、その各メモリに隣接して配置されるデータドライバDB1〜DB4と、階調電圧生成回路GBと、1または2個の走査ドライバSB(またはSB1,SB2)を含む。
図4(A)に本実施形態の半導体集積回路装置10のD2方向に沿った断面図の例を示す。ここでW1、WB、W2は、各々、出力側I/F領域12、回路ブロックCB1〜CBN、入力側I/F領域14のD2方向での幅である。またWは半導体集積回路装置10のD2方向での幅である。
本実施形態では図4(A)に示すように、D2方向において、回路ブロックCB1〜CBNと出力側、入力側I/F領域12、14との間に他の回路ブロックが介在しない構成にできる。従って、W1+WB+W2≦W<W1+2×WB+W2とすることができ、細長の半導体集積回路装置を実現できる。具体的には、D2方向での幅Wは、W<2mmとすることができ、更に具体的にはW<1.5mmとすることができる。なおチップの検査やマウンティングを考慮すると、W>0.9mmであることが望ましい。また長辺方向での長さLD(図3(A)(B)参照)は、15mm<LD<27mmとすることができる。またチップ形状比SP=LD/Wは、SP>10とすることができ、更に具体的にはSP>12とすることができる。
図4(B)は、2以上の複数の回路ブロックがD2方向に沿って配置される比較例を示す。またD2方向において、回路ブロック間や、回路ブロックとI/F領域の間に配線領域が形成される。従って半導体集積回路装置500のD2方向(短辺方向)での幅Wが大きくなり、スリムな細長チップを実現できない。従って微細プロセスを利用してチップをシュリンクしても、D1方向(長辺方向)での長さLDも短くなってしまい、出力ピッチが狭ピッチになるため、実装の困難化を招く。
また本実施形態では複数の回路ブロックCB1〜CBNがD1方向に沿って配置されるため、製品の仕様変更等に容易に対応できる。即ち共通のプラットフォームを用いて様々な仕様の製品を設計できるため、設計効率を向上できる。
2.プログラマブルROMのデータ
2.1.階調電圧データ
本実施形態の半導体集積回路装置では、プログラマブルROM20に記憶されるデータは、階調電圧を調整する調整データであってもよい。そして、階調電圧生成回路(γ補正回路)は、プログラマブルROM20に記憶された調整データに基づいて、階調電圧を生成する。以下、階調電圧生成回路(γ補正回路)の動作について説明する。
2.1.階調電圧データ
本実施形態の半導体集積回路装置では、プログラマブルROM20に記憶されるデータは、階調電圧を調整する調整データであってもよい。そして、階調電圧生成回路(γ補正回路)は、プログラマブルROM20に記憶された調整データに基づいて、階調電圧を生成する。以下、階調電圧生成回路(γ補正回路)の動作について説明する。
図5は、図3(A)に示す回路ブロックのうち、プログラマブルROM20、ロジック回路LB及び階調電圧生成回路(γ補正回路)GBを示している。
プログラマブルROM20には、階調電圧を調整するための調整データが、例えばユーザ(表示装置製造メーカ)により入力される。調整レジスタ126は、ロジック回路LB内に設けられている。調整レジスタ126は、、階調電圧を調整可能な種々の設定データを設定することができる。プログラムROM20に記憶された調整データを調整レジスタ126へ読み出すことにより、設定データが出力される。調整レジスタ126から読み出された設定データが、階調電圧生成回路GBに供給される。
階調電圧生成回路GBは、選択用電圧生成回路122と、階調電圧選択回路124とを有する。選択用電圧生成回路122(電圧分割回路)は、電源回路PBで生成された高電圧の電源電圧VDDH、VSSHに基づいて、選択用電圧を出力する。具体的には選択用電圧生成回路122は、直列に接続された複数の抵抗素子を有するラダー抵抗回路を含む。そしてVDDH、VSSHを、このラダー抵抗回路により分割した電圧を、選択用電圧として出力する。階調電圧選択回路124は、調整レジスタ126より供給された階調特性の設定データに基づいて、選択用電圧の中から、例えば64階調の場合には64個の電圧を選択して、階調電圧V0〜V63として出力する。このようにすれば表示パネルに応じた最適な階調特性(γ補正特性)の階調電圧を生成できる。
調整レジスタ126は、振幅調整レジスタ130、傾き調整レジスタ132、微調整レジスタ134を含んでいてもよい。振幅調整レジスタ130、傾き調整レジスタ132、微調整レジスタ134には、階調特性のデータが設定されている。
例えば、プログラマブルROM20に記憶された5ビットの設定データを振幅調整レジスタ130へ読み出すことで、図6(A)のB1、B2に示すように電源電圧VDDH、VSSHの電圧レベルが変化し、階調電圧の振幅調整が可能になる。
また、プログラマブルROM20に記憶された設定データを傾き調整レジスタ132へ読み出すことで、図6(B)のB3〜B6に示すように、階調レベルの4ポイントにおける階調電圧が変化し、階調特性の傾き調整が可能になる。即ち傾き調整レジスタ132に設定される各4ビットの設定データVRP0〜VRP3に基づいて、ラダー抵抗を構成する抵抗素子RL1,RL3,RL10,RL12の抵抗値が変化し、B3に示すような傾き調整が可能になる。
また、プログラマブルROM20に記憶された微調整レジスタ134へ読み出すことで、図6(C)のB7〜B14に示すように、階調レベルの8ポイントにおける階調電圧が変化し、階調特性の微調整が可能になる。即ち微調整レジスタ134に設定される各3ビットの設定データVP1〜VP8に基づいて、8to1セレクタ141〜148が、8つの抵抗素子RL2,RL4〜RL9,RL11の各8個のタップのうちから1つのタップをそれぞれ選択し、選択されたタップの電圧をVOP1〜OP8として出力する。これにより図6(C)のB7〜B14に示すような微調整が可能になる。
階調アンプ部150は、8to1セレクタ142〜148の出力VOP1〜VOP8やVDDH、VSSHに基づいて、階調電圧V0〜V63を出力する。具体的には階調アンプ部150は、VOP1〜VPOP8が入力される第1〜第8のインピーダンス変換回路(ボルテージフォロワ接続された演算増幅器)を含む。そして例えば第1〜第8のインピーダンス変換回路のうちの隣り合うインピーダンス変換回路の出力電圧を抵抗分割することで、階調電圧V1〜V62が生成される。
以上のような調整を行えば、表示パネルの種類に応じた最適な階調特性(γ特性)を得ることができ、表示品質を向上できる。そして、本実施形態では、プログラマブルROM20には、表示パネルの種類に応じた最適な階調特性(γ特性)を得るための調整データが記憶されている。そのため、表示パネルの種類毎に最適な階調特性(γ特性)を得ることができ、表示品質を向上することができる。
また、本実施の形態では、プログラマブルROM20と、ロジック回路ブロックLBとは、第1の方向D1に沿って隣接して配置されてなる。このようにすれば、プログラマブルROM20からの調整データの信号線をショートパスでロジック回路ブロックLBに接続できるため、配線領域を原因とするチップ面積の増加を防止できる。
さらに、本実施形態では図3(A)に示すようにロジック回路ブロックLBと階調電圧生成回路ブロックGBをD1方向に沿って隣接して配置させてもよい。このようにすれば、ロジック回路ブロックLBからの信号線を、ショートパスで階調電圧生成回路ブロックGBに接続できるため、配線領域を原因とするチップ面積の増加を防止できる。
2.2.パネル設定電圧データ
本実施形態の半導体集積回路装置では、プログラマブルROM20に記憶されるデータは、パネル電圧を調整する調整データであってもよい。該パネル電圧を調整する調整データは、例えば、対向電極VCOMに与えられる電圧を調整するためのデータであってもよい。
本実施形態の半導体集積回路装置では、プログラマブルROM20に記憶されるデータは、パネル電圧を調整する調整データであってもよい。該パネル電圧を調整する調整データは、例えば、対向電極VCOMに与えられる電圧を調整するためのデータであってもよい。
図7に、電気光学装置を含む表示装置の構成例のブロック図を示す。図7の表示装置は、液晶装置としての機能を実現する。そして、電気光学装置は、液晶パネルとしての機能を実現する。
液晶装置160(広義には表示装置)は、スイッチング素子としてTFTを用いた液晶パネル(広義には表示パネル)162、データ線駆動回路170、走査線駆動回路180、コントローラ190、電源回路192を含む。
TFTのゲート電極は走査線Gに接続され、TFTのソース電極はデータ線Sに接続され、TFTのドレイン電極は画素電極PEに接続されている。この画素電極PEと、液晶素子(広義には電気光学物質)を挟んで対向する対向電極VCOM(コモン電極)との間には、液晶容量CL(液晶素子)及び補助容量CSが形成されている。そして、TFT、画素電極PE等が形成されるアクティブマトリクス基板と、対向電極VCOMが形成される対向基板との間に液晶が封入され、画素電極PEと対向電極VCOMの間の印加電圧に応じて画素の透過率が変化するようになっている。
本実施の形態では、プログラマブルROM20には、対向電極VCOMに与えられる電圧を調整する調整データが記憶されていてもよい。そして、該調整データに基づいて、電源回路192の電圧が調整され、対向電極VCOMに与えられる。該調整データを、表示パネル毎に設定することで、表示品質を向上することができる。
本実施の形態では、図3(A)に示すように、プログラマブルROM20と電源回路ブロックPBとは、第1の方向D1に沿って隣接して配置されてなる。このようにすれば、プログラマブルROM20からの調整データの信号線を、ショートパスで電源回路ブロックPBに接続できるため、配線領域を原因とするチップ面積の増加を防止できる。
2.3.その他のユーザ設定情報
本実施の形態の半導体集積回路装置では、プログラマブルROM20に記憶されるデータはこれらに限られるものではない。例えば、プログラマブルROM20には、表示ドライバ調整データとして、所与のタイミングを調整する調整データが記憶されていてもよい。すなわち、該調整データに基づいて、メモリのリフレッシュ周期や表示タイミングを制御する各種の制御信号が生成されてもよい。あるいは、プログラマブルROM20には、表示ドライバ調整データとして、半導体集積回路装置の起動シーケンス設定を調整する調整データが記憶されていてもよい。
本実施の形態の半導体集積回路装置では、プログラマブルROM20に記憶されるデータはこれらに限られるものではない。例えば、プログラマブルROM20には、表示ドライバ調整データとして、所与のタイミングを調整する調整データが記憶されていてもよい。すなわち、該調整データに基づいて、メモリのリフレッシュ周期や表示タイミングを制御する各種の制御信号が生成されてもよい。あるいは、プログラマブルROM20には、表示ドライバ調整データとして、半導体集積回路装置の起動シーケンス設定を調整する調整データが記憶されていてもよい。
以上の調整データは、ユーザによりプログラミングされるものであるが、ICメーカがIC製造・検査過程で調整するデータを記憶させても良い。
3.プログラマブルROM
3.1.プログラマブルROMの全体構成
図8は、半導体集積回路装置10内に配置されたプログラマブルROM20を示している。プログラマブルROM20は、大別して、メモリブロック200と、コントロール回路ブロック202とを有している。メモリブロック200とコントロール回路ブロック202とは、半導体集積回路装置10の長辺方向であるD1方向にて隣接している。
3.1.プログラマブルROMの全体構成
図8は、半導体集積回路装置10内に配置されたプログラマブルROM20を示している。プログラマブルROM20は、大別して、メモリブロック200と、コントロール回路ブロック202とを有している。メモリブロック200とコントロール回路ブロック202とは、半導体集積回路装置10の長辺方向であるD1方向にて隣接している。
メモリブロック200には、複数のワード線WLと複数のビット線BLとが設けられている。複数のワード線WLは、半導体集積回路装置10の短辺方向であるD2方向に沿って延びている。複数のビット線BLは、半導体集積回路装置10の長辺方向であるD1方向に沿って延びている。この理由は次の通りである。
プログラマブルROM20の記憶容量は、ユーザ側の仕様等により機種毎に増減可能である。本実施形態では、記憶容量の増減は、ワード線WLの本数を変更することで対処する。つまり、ワード線WLの長さは、記憶容量が変更されても一定である。この結果、1本のワード線WLに接続されるメモリセルの個数は固定となる。ワード線WLの本数を増やせば、プログラムROM20の記憶容量は増大される。プログラムROM20の記憶容量を増大させても、メモリブロック200は、半導体集積回路装置10の短辺方向(D2方向)には長くならない。よって、図1にて説明したスリムな形状を維持できる。
他の理由として、プログラマブルROM20の記憶容量を増減させても、コントロール回路ブロック202は、半導体集積回路装置10の短辺方向(D2方向)には長くならない。よって、図1にて説明したスリムな形状を維持できる。比較例である図9では、プログラムROM20の記憶容量を増大させた結果、メモリブロック200が半導体集積回路装置10の短辺方向(D2方向)に長くなる。この場合、コントロール回路ブロック202の回路設計をやり直さなければならない。しかし、比較例である図9のレイアウトを90°回転させた本実施形態の図8のレイアウトでは、その必要はない。よって、プログラマブルROM20の記憶容量を増減させても、特にコントロール回路ブロック202の設計の効率化を実現できる。
さらに他の理由として、ビット線BLが半導体集積回路装置10の長辺方向であるD1方向に沿って延びており、そのビット線BLの延長線上にコントロール回路ブロック202を配置できる。コントロール回路ブロック202の一つの機能は、ビット線BLを介して読み出されたデータをセンスアンプにて検出し、他の回路ブロックに供給するものである。上述のレイアウトにより、図9の比較例と比べれば、メモリブロック200から読み出されたデータをショートパスでコントロール回路ブロック202へ供給できる。
3.2.単層ゲートのメモリセル
図10は、図8に示すメモリブロック200に配置される単層ゲートのメモリセルMCの平面図である。図11は、単層ゲートのメモリセルMCの等価回路図である。
図10は、図8に示すメモリブロック200に配置される単層ゲートのメモリセルMCの平面図である。図11は、単層ゲートのメモリセルMCの等価回路図である。
図10において、このメモリセルMCは、コントロールゲート部分210と、書き込み/読み出しトランジスタ220と、消去トランジスタ230とを有し、この3つの領域にポリシリコンにて形成されたフローティングゲートFGが延びている。図11に示すように、このメモリセルMCは、書き込み/読み出しトランジスタ220のドレインとビット線BLとの間に設けられたトランスファーゲート240を有する。トランスファーゲート240は、サブワード線SWLの論理と、反転サブワード線XSWLとの論理により、書き込み/読み出しトランジスタ220のドレインとビット線BLとの接続/非接続を行う。このトランスファーゲート240は、P型MOSトランジスタXfer(P)と、N型MOSトランジスタXfer(N)とで構成される。なお、ワード線を階層化しない場合は、トランスファーゲート240は、ワード線及び反転ワード線の各論理により制御される。
単層ゲートとは、コントロールゲートCGが、半導体基板(例えばP型、広義には第1導電型)のP型ウェルPWEL内に形成されたN型(広義には第2導電型)不純物層NCUにて形成されているため、ポリシリコンのフローティングゲートFGが一層のみ形成されていることを意味する。つまり、コントロールゲートCG及びフローティングゲートFGの二層ゲートをポリシリコンで形成するものではない。このコントロールゲートCGと、それに対向するフローティングゲートFGとにより、カップリング容量が形成される。
本発明の一態様でも、フローティングゲートのみの「単層ゲート」構造であるが、書き込みと消去とをチャネルの導電型が異なるMOSトランジスタで行なっている点が従来技術と異なる。このように、書き込みと消去とを異なるMOSトランジスタで行う利点は以下の通りである。消去は、容量結合の小さい箇所に電圧を印加して、容量結合の大きい箇所を0Vにすることで、FNトンネル電流によりフローティングゲートに注入されている電子を引き抜くことで行われる。従来例としてあげられる単層ゲート型の不揮発性記憶装置としては、書き込みと消去とを同一のMOSトランジスタ(同一箇所)で行うタイプのものがある。単層ゲート型の不揮発性記憶装置では、コントロールゲートとフローティングゲート電極との間の容量を書き込みの領域の容量と比して大きくする必要があるため、書き込み領域の容量が小さくなるように設計されている。つまり、消去の際には、容量結合の小さい箇所に消去のための大きな電圧を印加しなくてはならないことになる。
しかし、特に、微細な不揮発性記憶装置の場合には、消去の際に印加する電圧に対して十分な耐圧を確保することができず、MOSトランジスタが破壊されてしまうことがある。そのため、本実施形態に係る不揮発性メモリでは、書き込みと消去とを異なるMOSトランジスタで行い、かつ、それぞれのMOSトランジスタのチャネルの導電型を異ならせている。消去を行うMOSトランジスタとして、例えばPチャネル型のMOSトランジスタを形成すると、この消去のためのMOSトランジスタは、N型ウェルの上に形成されることになる。そのため、消去の際に、N型ウエルと、基板(半導体層)のジャンクション耐圧までの電圧を印加することができることになる。その結果、書き込み領域と同一の箇所で消去をする場合と比して消去の電圧に対する耐圧を向上させることができ、微細化が図られ信頼性が向上する。
なお、本実施形態の半導体集積回路装置10では、LV(Low Voltage)系(例えば1.8V)、MV系(Middle Voltage)系(例えば3V)及びHV(High Voltage)系(例えば20V)が存在するが、メモリセルMCはMV系の耐圧構造である。書き込み/読み出しトランジスタ220及びN型MOSトランジスタXfer(N)はMV系のN型MOSトランジスタであり、消去トランジスタ230及びP型MOSトランジスタXfer(P)はMV系のP型MOSトランジスタである。
図12は、メモリセルMCへのデータ書き込み(プログラム)動作を示している。コントロールゲートCGに例えば8Vを印加し、書き込みトランジスタ220のドレインにビット線BL及びトランスファーゲート240を介して例えば8Vを印加する。書き込み/読み出しトランジスタ220のソース及びP型ウェルPWELの電位は0Vである。それにより、書き込み/読み出しトランジスタ220のチャネルでホットエレクトロンを発生させて、その電子を書き込み/読み出しトランジスタ220のフローティングゲートに引き込む。この結果、書き込み/読み出しトランジスタ220のしきい値Vthは、図13に示すように初期状態より高くなる。
一方、消去時には、図14に示すようにコントロールゲートCGは例えば接地され、消去トランジスタ230のN型ウェルNWELの電位は例えば20V(消去電圧)である。こうすると、コントロールゲートCGとN型ウェルNWELとの間に高い電圧がかかるために、フローティングゲートFGの電子をN型ウェルNWEL側に引き込む。このFN(Fowler-Nordheim)トンネル電流により、データが消去される。このとき、図15に示すように、書き込み/読み出しトランジスタ220のしきい値Vthは、初期状態よりも低い負のしきい値となる。なお、消去時には、消去トランジスタ230のP型不純物層(ソース・ドレイン)にも20V(消去電圧)が印加され、P−N接合部の耐圧を確保している。
データ読み出し時には、図16及び図17に示すように、コントロールゲートCGを接地し、書き込み/読み出しトランジスタ220のドレインに例えば1Vを印加する。このとき、書き込み/読み出しトランジスタ220のソース及びP型ウェルPWELの電位は0Vである。図16に示す書き込み状態では、フローティングゲートFGは電子過剰なので、チャネルに電流は流れない。一方、図17に示す消去状態では、フローティングゲートFGは正孔過剰なのでチャネルに電子が流れる。その電流の有無で、データ読み出しが可能となる。
なお、本実施形態のプログラマブルROM20は、上述したように主としてユーザが従来のE2PROMやトリマ抵抗の代わりとして調整データを記憶させ、あるいはICメーカが製造・検査段階にて調整データを記憶させる不揮発性メモリとして使用される。このため、書き換え回数を5回程度補償すれば足りるものである。
3.3.メモリブロック
3.3.1.平面レイアウト
図18は、メモリブロック200及びその一部を拡大して示す平面図である。メモリブロック200は、半導体集積回路装置10の短辺方向(D2方向)の中心位置に、メインワード線ドライバMWLDrv及びコントロールゲート線ドライバCGDrvの形成領域250が設けられる。この形成領域250を境に、メモリブロック200は第1,第2のメモリセルアレイブロック252,254に2分割されている。本実施形態では、第1,第2のメモリセルアレイブロック252,254の各々に8個のカラムブロックが設けられ、計16個のカラムブロック0〜カラムブロック15が設けられている。1カラムブロック内にはD2方向にて8個のメモリセルMCが配置されている。本実施形態では、図3(A)に示す半導体集積回路装置10の短辺の長さWを800μmとし、一メモリセルMCのD2方向の長さに基づいて、長さWに納められるメモリセルMCの個数として、16カラム×8メモリセルの設計となった。プログラマブルROM20の記憶容量を増減するには、ワード線の数を増減させれば良い。また、メインワード線ドライバMWLDrv及びコントロールゲート線ドライバCGDrvは、2分割された領域毎に一つずつ、計各2つが設けられている。
3.3.1.平面レイアウト
図18は、メモリブロック200及びその一部を拡大して示す平面図である。メモリブロック200は、半導体集積回路装置10の短辺方向(D2方向)の中心位置に、メインワード線ドライバMWLDrv及びコントロールゲート線ドライバCGDrvの形成領域250が設けられる。この形成領域250を境に、メモリブロック200は第1,第2のメモリセルアレイブロック252,254に2分割されている。本実施形態では、第1,第2のメモリセルアレイブロック252,254の各々に8個のカラムブロックが設けられ、計16個のカラムブロック0〜カラムブロック15が設けられている。1カラムブロック内にはD2方向にて8個のメモリセルMCが配置されている。本実施形態では、図3(A)に示す半導体集積回路装置10の短辺の長さWを800μmとし、一メモリセルMCのD2方向の長さに基づいて、長さWに納められるメモリセルMCの個数として、16カラム×8メモリセルの設計となった。プログラマブルROM20の記憶容量を増減するには、ワード線の数を増減させれば良い。また、メインワード線ドライバMWLDrv及びコントロールゲート線ドライバCGDrvは、2分割された領域毎に一つずつ、計各2つが設けられている。
図18では、一つのメインワード線ドライバMWLDrvにより駆動されるメインワード線MWLは計34本設けられている。2本はICメーカのテストビット用のメモリセルに接続されたテスト用メインワード線T1,T0であり、残りの32本がユーザ用のメインワード線MWL0−MWL31である。また、一つのコントロールゲート線ドライバCGDrvにより駆動されるコントロールゲート線CG(図10に示すN型不純物層NCU)が、メインワード線MWLと平行に延びている。
16個のカラムブロック0〜カラムブロック15の各々は、メモリセル領域260とサブワード線デコーダ領域270を有する。サブワード線デコーダ領域270には、各メインワード線MWLに接続されたサブワード線デコーダSWLDecが設けられている。また、コントロール回路ブロック202の領域には、各サブワード線デコーダ領域270毎に、カラムドライバCLDrvが設けられている。各サブワード線デコーダ領域270に配置された全サブワード線デコーダSWLDecに、カラムドライバCLDrvの出力線が共通接続されている。
一つのサブワード線デコーダSWLDecより、隣接するメモリセル領域260内に向けて、サブワード線SWLと反転サブワード線XSWLが延びている。一つのカラムブロック内では、メモリセル領域260内に、サブワード線SWLと反転サブワード線XSWLとに共通接続された例えば8個のメモリセルMCが配置されている。
図18に示すレイアウトでは、メインワード線ドライバMWLDrvにより1本のメインワード線MWLが選択され、かつ、カラムデコーダCLDrvにより1つのカラムブロックが選択されることで、一つのサブワード線デコーダSWLDecが選択される。この選択されたサブワード線デコーダSWLDecに接続された8個のメモリセルMCが選択セルとなり、データのプログラム(書き込み)または読み出しが行われる。データの消去時には、全てのメモリセルが選択され、一括で消去される。
3.3.2メモリセル領域及びサブワード線デコーダ領域のウェルレイアウト
図18には、メモリセル領域260及びサブワード線デコーダ領域270に共通のウェルレイアウトが図示されている。メモリセル領域260内の一つのメモリセルMCを形成するために、3つのウェルが用いられている。一つは、メインワード線MWLに沿った方向(D2方向)に延びるP型ウェルPWEL(広義には第1導電型の表層ウェル)であり、他の一つはそのP型ウェルPWELを囲む環状N型ウェルNWEL1(広義には第2導電型の環状表層ウェル)であり、さらに他の一つが環状N型ウェルNWEL1の側方にてメインワード線MWLに沿った方向(D2方向)に延びる帯状N型ウェルNWEL2(広義には第2導電型の帯状表層ウェル)である。なお、環状N型ウェルNWEL1の一方の長辺領域をNWEL1−1とし、他方の長辺領域(NWEL2側)をNWEL1−2とする。
図18には、メモリセル領域260及びサブワード線デコーダ領域270に共通のウェルレイアウトが図示されている。メモリセル領域260内の一つのメモリセルMCを形成するために、3つのウェルが用いられている。一つは、メインワード線MWLに沿った方向(D2方向)に延びるP型ウェルPWEL(広義には第1導電型の表層ウェル)であり、他の一つはそのP型ウェルPWELを囲む環状N型ウェルNWEL1(広義には第2導電型の環状表層ウェル)であり、さらに他の一つが環状N型ウェルNWEL1の側方にてメインワード線MWLに沿った方向(D2方向)に延びる帯状N型ウェルNWEL2(広義には第2導電型の帯状表層ウェル)である。なお、環状N型ウェルNWEL1の一方の長辺領域をNWEL1−1とし、他方の長辺領域(NWEL2側)をNWEL1−2とする。
一つのメモリセルMCは、図18に示す1メモリセルの長さ領域Lに亘って、3つのウェル(PWEL,NWEL1,NWEL2)上に形成される。また、各メモリセル領域260内の長さ領域Lには、図18に示すように、一つのサブワード線デコーダSWLDecに共通接続される8個のメモリセルMCが形成される。
なお、図18において、環状N型ウェルNWEL1と、帯状N型ウェルNWEL2とをそれぞれ囲むP型不純物リング280(広義には第1導電型の不純物リング)が設けられているが、これについては後述する。
図18において、サブワード線デコーダ領域270にも上述した3つのウェル(PWEL,NWEL1,NWEL2)が形成される。ただし、サブワード線デコーダSWLDecを構成するトランジスタの形成領域は、図18にてドット領域として示すP型ウェルPWEL及び帯状N型ウェルNWEL2上であり、環状N型ウェルNWEL1上には形成されない。
3.3.3.メモリセルの平面レイアウト及び断面構造
図19は、図18にて隣り合う2つのメモリセルMCの平面レイアウトである。図20は、図19のC−C’断面を示し、一つのメモリセルMCの断面図である。なお、図19のC−C’の破断線のうち、D2方向の破線で示す断面は図20では省略されている。また、図19のC−C’破断線のうちD1方向の寸法と、図20のD1方向の寸法とは、必ずしも一致していない部分がある。
図19は、図18にて隣り合う2つのメモリセルMCの平面レイアウトである。図20は、図19のC−C’断面を示し、一つのメモリセルMCの断面図である。なお、図19のC−C’の破断線のうち、D2方向の破線で示す断面は図20では省略されている。また、図19のC−C’破断線のうちD1方向の寸法と、図20のD1方向の寸法とは、必ずしも一致していない部分がある。
図19において、2つのメモリセルMCは、平面視でミラー配置される。図19に示すように、メモリセルMCは、3つのウェル(PWEL,NWEL1,NWEL2)に跨って形成されることは上述した。環状N型ウェルNWEL1の外縁領域内側の下層と、帯状N型ウェルNWEL2の下層には、図20に示すように、深層N型ウェルDNWEL(広義には第2導電型の深層ウェル)が設けられている。図20に示すように、深層N型ウェルDNWEL上の3つのウェル(PWEL,NWEL1,NWEL2)内にはP型またはN型の不純物領域(広義には最表層不純物領域)が設けられるので、本実施形態のメモリセルMCはトリプルウェル構造である。これにより、P型基板PsubとP型ウェルPWELとを別電位に設定できる。なお、P型基板Psub上にはプログラマブルROM20だけが形成されるのでなく、他の回路ブロックも形成され、バックゲート電圧印加等のニーズがあるので、必ずしもP型基板Psubの電位を接地電位に固定するとは限らない。
図19及び図20に示すように、環状N型ウェルNWEL1の一方の長辺領域NWEL1−1と、P型ウェルPWELの上層には、図示しない絶縁膜を介して、ポリシリコンによるフローティングゲートFGが形成されている。このフローティングゲートFGは、PWELに形成された書き込み/読み出しトランジスタ220と、環状N型ウェルNWEL1の一方の長辺領域NWEL1−1に形成された消去トランジスタ230の共通ゲートとして機能する。さらに、フローティングゲートFGと絶縁膜を介して対向するP型ウェルPWEL領域には、N型不純物領域NCUが形成される。このN型不純物領域NCUは、コントロールゲート電圧VCGが印加されて、コントロールゲートCGとして機能する。
P型ウェルPWELには、図11に示すトランスファーゲート240のN型MOSトランジスタXfer(N)が設けられている。また、帯状N型ウェルNWEL2には、トランスファーゲート240のP型MOSトランジスタXfer(P)が設けられている。なお、図19に示すようにP型MOSトランジスタXfer(P)は複数設けられ、これらは並列接続されることでゲート幅を確保してドライブ能力を確保している。
なお、環状N型ウェルNWEL1の他方の長辺領域NWEL1−2には、N型不純物領域が設けられるだけで、アクティブ素子は設けられない。この他方の長辺領域NWEL1−2は、一方の長辺領域NWEL1−1と連結されてP型ウェルPWELを環状に囲むためだけに設けられている。他方の長辺領域NWEL1−2が形成されないと、たとえ深層N型ウェルDNWELを配置したとしても、P型ウェルPWELをP型基板Psubと電気的に分離できないからである。
本実施形態では、深層N型ウェルDNWELの上層であって、P型ウェルPWELと、その外側の環状N型ウェルNWEL1とは離間されている。この離間スペースG1は、消去時に20Vが印加される環状N型ウェルNWEL1と、VSS電位に設定されるP型ウェルPWELとの間で20Vの耐圧確保のためである。本実施形態では、離間スペースの距離G1を1μmとした。なお、環状N型ウェルNWEL1とP型ウェルPWELとの間で耐圧が確保されれば、離間スペースG1は必要ではない。例えば、設計ルールが0.25μmであれば離間スペースG1は不要であるが、0.18μmの設計ルールでは離間スペースG1により耐圧を確保しても良い。
次に、環状N型ウェルNWEL1と、帯状N型ウェルNWEL2との間にも、離間スペースG2が設けられている。特に、この離間スペースG2の領域には、環状N型ウェルNWEL1と帯状N型ウェルNWEL2とを電気的に分離するために、深層N型ウェルDNWELも配置されない。代りに、深層P型ウェルDPWEL(広義には、第1導電型の環状深層ウェル)が形成されている。この深層P型ウェルDPWELは、P型基板Psbよりも不純物濃度が若干濃く、表層のP型ウェルPWELよりも濃度は薄くして、環状N型ウェルNWEL1と帯状N型ウェルNWEL2との間の耐圧を上げるために設けられている。なお、この深層P型ウェルDPWELは、図18の環状N型ウェルNWEL1と、帯状N型ウェルNWEL2とを囲って環状に配置される。
加えて、本実施形態では、離間スペースG2の表層に、平面視でリング状にP型不純物層(P型リング、広義には第1導電型の不純物リング)280を配置した。このP型リング280の形成領域は図18に示す通り、環状N型ウェルNWEL1及び帯状N型ウェルNWEL2の双方を囲っている。
このP型リング280を設けることで、離間スペースG2の上を寄生トランジスタのゲートとなり得る金属配線が跨いだとしても、寄生トランジスタがオンして離間スペースG2内の電位が反転することを防止するためである。なお、本実施形態では離間スペースG2の長さ=4.5μmとし、離間スペースG2の中心に位置するP型リング280の幅は0.5μmとした。ただし、電位反転防止の観点からは、寄生トランジスタのゲートとなり得るポリシリコン層や第1層金属配線は、離間スペースG2を跨いで形成されないこことした。第二層以上の金属配線は、離間スペースG2を跨いでも良い設計とした。
図20の変形例として、図21を挙げることができる。図21では、離間スペースG2に環状の深層P型ウェルDPWELを設けずに、代りに環状の表層P型ウェルSPWEL(広義には第1導電型の環状表層ウェル)を設けた。P型リング280は、環状の表層P型ウェルSPWEL内に形成されている。なお、環状N型ウェルNWEL1の他方の長辺領域NWEL1−1と表層P型ウェルSPWELとの離間スペースG1(例えば1μm)は、上述と同じ理由で20Vの耐圧確保のために設けられている。
3.3.4.コントロール回路ブロック
次に、図8に示すコントロール回路ブロック202について説明する。図22はコントロール回路ブロック202のブロック図であり、図23はコントロール回路ブロック202のレイアウト図である。コントロール回路ブロック202は、メモリブロック200内のメモリセルMCへのデータのプログラム(書き込み)、読み出し及び消去を制御するための回路ブロックである。このコントロール回路ブロック202には、図22に示すように、電源回路300、コントロール回路302、Xプリデコーダ304、Yプリデコーダ306、センスアンプ回路308、データ出力回路310、プログラムドライバ312、データ入力回路314及び上述したカラムドライバ316(CLDrv)を有している。なお、図23に示すインプット/アウトプットバッファ318は、図22のデータ出力回路310及びデータ入力回路314を含んでいる。電源回路300は、VPPスイッチ300−1、VCGスイッチ300−2及びERS(消去)スイッチ300−3を有している。
次に、図8に示すコントロール回路ブロック202について説明する。図22はコントロール回路ブロック202のブロック図であり、図23はコントロール回路ブロック202のレイアウト図である。コントロール回路ブロック202は、メモリブロック200内のメモリセルMCへのデータのプログラム(書き込み)、読み出し及び消去を制御するための回路ブロックである。このコントロール回路ブロック202には、図22に示すように、電源回路300、コントロール回路302、Xプリデコーダ304、Yプリデコーダ306、センスアンプ回路308、データ出力回路310、プログラムドライバ312、データ入力回路314及び上述したカラムドライバ316(CLDrv)を有している。なお、図23に示すインプット/アウトプットバッファ318は、図22のデータ出力回路310及びデータ入力回路314を含んでいる。電源回路300は、VPPスイッチ300−1、VCGスイッチ300−2及びERS(消去)スイッチ300−3を有している。
図23に示すように、メモリブロック200とコントロール回路ブロック202は、D1方向で隣接している。そして、メモリブロック200より読み出されるデータは、コントロール回路ブロック202を経由して、コントロール回路ブロック202内のインプット/アウトプットバッファ318を介して、メモリブロック200のビット線BLが延びる方向(D1方向)に沿って出力される。
ここで、図3(A)(B)にて説明したように、プログラマブルROM20は、そのデータの転送先であるロジック回路LBか電源回路PBのブロックに対して、D1方向にて隣接配置される。さらに加えて、プログラマブルROM20のコントロール回路ブロック202が、データの転送先であるロジック回路LBか電源回路PBのブロックに対して、D1方向にて隣接配置されれば、よりショートパスにてデータを供給できる。
3.3.5.メモリセルアレイブロックへの電圧供給とプログラマブルROMの動作例
図24は、第1,第2のメモリセルアレイブロック252,254への電圧供給を説明するためのブロック図である。図24において、駆動電圧供給ブロック250に配置されるメインワード線ドライバ600と、コントロールゲート線ドライバ610と、メインワード線デコーダ620と、コントロールゲート線デコーダ630を示している。
図24は、第1,第2のメモリセルアレイブロック252,254への電圧供給を説明するためのブロック図である。図24において、駆動電圧供給ブロック250に配置されるメインワード線ドライバ600と、コントロールゲート線ドライバ610と、メインワード線デコーダ620と、コントロールゲート線デコーダ630を示している。
メインワード線デコーダ620及びコントロールゲート線デコーダ630は、プリデコード信号と電源電圧VDD(3V)及びVSS電圧(0V)とに基づいて、デコード信号をメインワード線ドライバ600及びコントロールゲート線ドライバ610に出力する。
メインワード線ドライバ600は、メインワード線デコーダ620からのデコード信号と、コントロール回路ブロック202内のVPPスイッチ300−1から供給される電圧VPPと電圧VSSとに基づいて、複数のメインワード線MWLを駆動する。
コントロールゲート線ドライバ610は、コントロールゲートデコーダ630からのデコード信号と、コントロール回路ブロック202内のVCGスイッチ300−2から供給される電圧VCGと電圧VSSとに基づいて、複数のメモリセルMCに接続されたコントロールゲートCGを駆動する。
図25は、スタンバイ(Stdby)、消去(Ers)、プログラム(Pgm)及びリード(Read)の各モードの時の選択メモリセルへの印加電圧を示している。図26は、非選択メインワード線に接続された選択カラム内のメモリセルへの各モード時の印加電圧を示している。図27は、選択メインワード線に接続された非選択カラム内のメモリセルへの各モード時の印加電圧を示している。
ここで、各図における電圧VPPは、プログラマブルROM20の外部から供給される電圧であり、本実施形態では3V、8Vに変化する。外部から供給される電圧VPPに基づいて、コントロール回路ブロック202内のVPPスイッチ300−1にて0V(VSS)または電圧VPPに切り換えられて、メインワード線ドライバ600に供給され、メインワード線MWL及び反転メインワード線XWLを駆動する。コントロール電圧VCGも、プログラマブルROM20の外部から供給される電圧である。この外部からの電圧VCGに基づいて、コントロール回路ブロック202内のVCGスイッチ300−2にて0Vまた8Vに切り換えられて、コントロールゲート線ドライバ610に供給され、各メモリセルMCのコントロールゲートCGに供給される。消去電圧VER(20V)も、プログラマブルROM20の外部から供給される電圧である。この外部からの電圧VERに基づいて、コントロール回路ブロック202内のVERスイッチ300−3にて0Vまたは20Vに切り換えられて、各メモリセルMCの消去トランジスタ230に供給される。
これらの動作電圧のうち、消去、プログラム及びリード時の動作電圧は、図12、図14、図16及び図17にて説明した通りである。スタンバイ時では、いずれのメモリセルに対しても、メインワード線、サブワード線、カラムは非選択状態であり、コントロールゲート電圧CG、消去電圧ERS及びビット線電圧BLのいずれも0Vとなる。なお、図25に示す選択メモリセルのプログラム(Pgm)時には、P型MOSトランジスタXfer(P)とN型MOSトランジスタXfer(N)とに同一論理の電圧0Vを印加している。これは、プログラム時にN型MOSトランジスタXfer(N)をオフさせて、プログラム時にN型MOSトランジスタXfer(N)の耐圧を保障するためである。
3.3.6.メモリブロックのウェル構造
図28は、メモリブロック200のウェルレイアウトを示している。第1,第2のメモリセルアレイブロック252,254のウェル構造は図20に示す通りである。図28では、第1,第2のメモリセルアレイブロック252,254の領域には、深層N型ウェルDWEL上に形成されているP型表層ウェルPWELと、N型表層WEL1と、N型帯状ウェルWEL2が形成されている(これらを第1のウェル群と称する)。図28から明らかなように、第1のウェル群の長手方向は、図18に示すメインワード線MWL及びコントロールゲート線CGが延びる方向D2と平行である。
図28は、メモリブロック200のウェルレイアウトを示している。第1,第2のメモリセルアレイブロック252,254のウェル構造は図20に示す通りである。図28では、第1,第2のメモリセルアレイブロック252,254の領域には、深層N型ウェルDWEL上に形成されているP型表層ウェルPWELと、N型表層WEL1と、N型帯状ウェルWEL2が形成されている(これらを第1のウェル群と称する)。図28から明らかなように、第1のウェル群の長手方向は、図18に示すメインワード線MWL及びコントロールゲート線CGが延びる方向D2と平行である。
図28において、駆動電圧供給ブロック250は、印加電圧の種類に応じて、3つのウェル領域に分離されている。すなわち、コントロールゲート線ドライバ610が形成される第1のドライバウェルD1WELと、メインワード線ドライバ600が形成される第2のドライバウェルD2WELと、メインワード線デコーダ620及びコントロールゲートデコーダ630が形成されるデコーダウェルDecWELとに分離されている。
駆動電圧供給ブロック250に配置される第1のドライバウェルD1WEL、第2のドライバウェルD2WEL及びデコーダウェルDecWEL(これらを第2のウェル群と称する)の長手方向は、第1,第2のメモリアレイブロック252,254内の第1のウェル群の長手方向と直交している。
第2のウェル群は、D1方向にて間隔をあけて配置され、D2方向に沿って延びるメインワード線MWL及びコントロールゲート線CGに電圧を供給する回路のためのウェルである。よって、第2のウェル群の長手方向をD1方向と一致させて、長手方向で多数のランジスタを形成すれば、効率よくメインワード線MWL及びコントロールゲート線CGに電圧を供給することができる。
ここで、駆動電圧供給ブロック250では、第1のドライバウェルD1WELと第2のドライバウェルD2WELとの間に、デコーダウェルDecWELを有する。こうすると、中央領域のデコーダウェルDecWELに形成されるデコーダ620,630は、その側方の第1のドライバウェルD1WELに形成されるコントロールゲート線ドライバ610と、他の側方の第2のドライバウェルD2WELに形成されるメインワード線ドライバ600とに、ショートパスにて信号を供給できる。
また、駆動電圧供給ブロック250に配置される第1のドライバウェルD1WEL、第2のドライバウェルD2WEL及びデコーダウェルDecWELの各々は、メモリアレイブロック252,254と同じトリプルウェル構造である。
図29は、図28に示すD−D‘断面を示している。なお、図28のD−D’破断線のうちのD2方向の寸法と、図29のD2方向の寸法とは、必ずしも一致していない部分がある。図29に示すように、駆動電圧供給ブロック250に配置される第1のドライバウェルD1WEL、第2のドライバウェルD2WEL及びデコーダウェルDecWELの各々に対応して、半導体基板Psubに深層N型ウェルDWEL上が設けられている。そして、この各深層ウェルDWEL上に、図28及び図29に示すように、P型表層ウェルPWEL及びN型表層WEL1がそれぞれ設けられている。さらに、P型表層ウェルPWEL及びN型表層WEL1にそれぞれ不純物領域が設けられ、これを利用してP型及びN型トランジスタを形成できる。
また、図20と同様に、駆動電圧供給ブロック250に配置される第1のドライバウェルD1WEL、第2のドライバウェルD2WEL及びデコーダウェルDecWELは、印加電圧がそれぞれ異なるために、それぞれ離間して配置されている。そして、図20と同様に、第1のドライバウェルD1WEL、第2のドライバウェルD2WEL及びデコーダウェルDecWELの周囲の領域に、P型環状深層ウェルDPWELが形成されている。加えて、図20と同様に、P型環状深層ウェルDPWELが形成されている領域の最表層に、P型不純物リング280が形成されている。このP型環状深層ウェルDPWELとP型不純物リング280を設けた理由は、図20の場合と同じである。
3.3.7.電源回路中のERSスイッチ
図30は、図22に示すERS(消去)スイッチ300−3のブロック図、図31は図30の一例を示す回路図、図32は比較例のブロック図、図33は図32の回路図である。
図30は、図22に示すERS(消去)スイッチ300−3のブロック図、図31は図30の一例を示す回路図、図32は比較例のブロック図、図33は図32の回路図である。
図30及びその比較例である図32に示すように、このERSスイッチ300−3には、接地電圧VSSより高いLV系のロジック電圧(例えばLV=1.8V、広義には第1電圧)、MV系電圧(例えばMV=3V、広義には第2電圧)及び消去電圧ERS(例えばERS=20V、広義には第3電圧)が入力される。
ここで、第3電圧と第2電圧との間の正の第1電圧差(本例では20−3=17V)は、第2電圧と第1電圧との間の正の第2電圧差(本例では3−1.8=1.2V)より大きくなっている。
図30及びその比較例である図32では共に、1.8V(第1電圧)をアクティブ論理(High)とし、かつ接地電圧(0V)をノンアクティブ論理(Low)とするロジック信号(広義には第1信号)S1に従って、消去電圧20V(第3電圧)または接地電圧VSS(0V)に切り換えて出力するものである。
図30では、第1〜第3レベルシフタ700,710,720と降圧回路730が設けられている。第1レベルシフタ700は、3V(第2電圧)と接地電圧VSSとが供給され、第1信号S1に基づいて、3V(第2電圧)をアクティブ論理(High)とする第2信号S2にレベルシフトするものである。降圧回路730は、消去電圧20V(第3電圧)より降圧され、MV系電圧3Vよりも高い降圧電圧(例えば6V)を生成するものであり、この降圧電圧は図31に示すように例えば抵抗分割回路の分圧として生成される。
第2レベルシフタ710は、降圧回路730からの降圧電圧と、接地電圧VSSとが供給され、第1レベルシフタ700からの第2信号S2に基づいて、降圧電圧をアクティブ論理(High)とする第3信号S3にレベルシフトするものである。
第3レベルシフタ720は、消去電圧20V(第3電圧)と接地電圧VSSとが供給され、第2レベルシフタ710からの第3信号S3に基づいて、消去電圧20Vまたは接地電圧VSSに切り換えて出力するものである。
この第1〜第3レベルシフタ700,710,720の各々は、図31に示すように、第1のP型MOSトランジスタPMOS1及び第1のN型MOSトランジスタNMOS1を直列接続した第1のCMOSトランジスタCMOS1と、第2のP型MOSトランジスタPMOS2及び第2のN型MOSトランジスタNMOS2を直列接続した第2のCMOSトランジスタCMOS2とを共通に有する。ただし、第1〜第3レベルシフタ700,710,720を構成するトランジスタの耐圧は異なる。第1レベルシフタ700はLV系トランジスタ、第2レベルシフタ710はMV系トランジスタ、第3レベルシフタはHV系トランジスタにて形成される。
第1〜第3レベルシフタ700,710,720には、第1のN型MOSトランジスタNMOS1のゲートに接続された信号入力線IN1〜IN3と、第2のN型MOSトランジスタNMOS2の各ゲートとの間に設けられたインバータINVが設けられている。
さらに、第1〜第3レベルシフタ700,710,720では、第1のCMOSトランジスタCMOS1のドレインが第2のP型MOSトランジスタPMOS2のゲートに接続され、第2のCMOSトランジスタCMOS2のドレインは、第1のP型MOSトランジスタPMOS1のゲート及び信号出力線OUT1〜OUT3に接続されている。また、第1及び第2レベルシフタ700,710の信号出力線OUT1,OUT2は、第2及び第3レベルシフタの信号入力線IN2,IN3にそれぞれ接続されている。
第1レベルシフタ700の第1及び第2のP型MOSトランジスタPMOS1,PMOS2のソースにMV系電圧3Vが供給され、第2レベルシフタ720の第1及び第2のP型MOSトランジスタPMOS1,PMOS2のソースに降圧電圧6Vが供給され、第3レベルシフタ730の第1及び第2のP型MOSトランジスタPMOS1,PMOS2のソースに消去電圧20Vが供給されている。なお、第1〜第3レベルシフタ700,710,720の第1及び第2のN型MOSトランジスタNMOS1,NMOS2のソースには接地電圧VSSが供給される。
さらに、第1レベルシフタ700のインバータINVにはLV系電圧1.8Vが、第2レベルシフタ710のインバータINVにはMV系電圧3Vが、第3レベルシフタ720のインバータINVには降圧電圧6Vが、それぞれ供給される。よって、第1レベルシフタ700のインバータINVはLV系トランジスタ、第2レベルシフタ710のインバータINVはMV系トランジスタで形成される。また、第3レベルシフタ720のインバータINVは、第3レベルシフタ720中の他のトランジスタPM0S1,2及びNMOS1,2のようにHV系トランジスタで形成する必要はない。
ここで、本実施形態の図31の回路図と、その比較例である図33の回路図とを対比する。図31では、第1レベルシフタ700にて第1信号S1を1.8V→3Vにレベルシフトした第2信号S2を生成し、さらに第2レベルシフタ710にて第2信号S2を3V→6Vにレベルシフトさせた第3信号S3を生成している。そして、最後段の第3レベルシフタ720にて、第3信号を6V→20Vにレベルシフトさせた出力(消去電圧20Vまたは接地電圧VSS)を得ている。
一方、比較例である図33では、第1レベルシフタ700で得た第2信号S2を、最終段の第2レベルシフタ740にて、一気に3V→20Vにレベルシフトさせて出力を得ている。この場合、第2レベルシフタ740の第1,第2のN型MOSトランジスタNMOS1,NMOS2には、ゲート電圧として3Vしか印加されないので、第2レベルシフタ740の第1,第2のN型MOSトランジスタNMOS1,NMOS2には相当の能力が備えられないと、0V→20Vの切り換えを速やかに行なうことができない。第1,第2のN型MOSトランジスタNMOS1,NMOS2の能力を大きくするには、チャネル幅を大きくする必要があり、結局大面積化してしまう。また、トランジスタサイズを抑えてぎりぎりの能力を持たせると、動作マージンは低下してしまう。
これに対して、本実施形態の図31の回路図では、最終段の第3レベルシフタ720の第1,第2のN型MOSトランジスタNMOS1,NMOS2には、ゲート電圧として6Vが印加される。
ここで、トランジスタの能力は、(ゲート印加電圧−しきい値)2に比例する。計算の便宜上、仮に、しきい値を1Vとすると、図33に示す最終段の第2レベルシフタ740における第1,第2のN型MOSトランジスタNMOS1,NMOS2の能力は、(3−1)2=4であるのに対して、図31に示す最終段の第3レベルシフタ720における第1,第2のN型MOSトランジスタNMOS1,NMOS2の能力は、(6−1)2=25と格段に大きくなる。
結局、図31に示す最終段の第3レベルシフタ720における第1,第2のN型MOSトランジスタNMOS1,NMOS2は、ゲート電圧が高い分能力が高まるので、図33に示す最終段の第2レベルシフタ740における第1,第2のN型MOSトランジスタNMOS1,NMOS2よりも小サイズ化しても、充分な反転能力を持たせることができるし、動作マージンも大きくできる。
このように、本実施形態では、電源回路300における消去スイッチ300−3として、MV系トランジスタにて形成される第2レベルシフタ710と降圧回路730を増設しても、第3レベルシフタ720の第1,第2のN型MOSトランジスタNMOS1,NMOS2を小型化できるので、全体としてレイアウト面積を小さくすることができる。
4.電子機器
図34(A)(B)に本実施形態の半導体集積回路装置10を含む電子機器(電気光学装置)の例を示す。なお電子機器は図34(A)(B)に示されるもの以外の構成要素(例えばカメラ、操作部又は電源等)を含んでもよい。また本実施形態の電子機器は携帯電話機には限定されず、デジタルカメラ、PDA、電子手帳、電子辞書、プロジェクタ、リアプロジェクションテレビ、或いは携帯型情報端末などであってもよい。
図34(A)(B)に本実施形態の半導体集積回路装置10を含む電子機器(電気光学装置)の例を示す。なお電子機器は図34(A)(B)に示されるもの以外の構成要素(例えばカメラ、操作部又は電源等)を含んでもよい。また本実施形態の電子機器は携帯電話機には限定されず、デジタルカメラ、PDA、電子手帳、電子辞書、プロジェクタ、リアプロジェクションテレビ、或いは携帯型情報端末などであってもよい。
図34(A)(B)においてホストデバイス410は、例えばMPU(Micro Processor Unit)、ベースバンドエンジン(ベースバンドプロセッサ)などである。このホストデバイス410は、表示ドライバである半導体集積回路装置10の制御を行う。或いはアプリケーションエンジンやベースバンドエンジンとしての処理や、圧縮、伸長、サイジングなどのグラフィックエンジンとしての処理を行うこともできる。また図34(B)の画像処理コントローラ(表示コントローラ)420は、ホストデバイス410に代行して、圧縮、伸長、サイジングなどのグラフィックエンジンとしての処理を行う。
表示パネル400は、複数のデータ線(ソース線)と、複数の走査線(ゲート線)と、データ線及び走査線により特定される複数の画素を有する。そして、各画素領域における電気光学素子(狭義には、液晶素子)の光学特性を変化させることで、表示動作を実現する。この表示パネル400は、TFT、TFDなどのスイッチング素子を用いたアクティブマトリクス方式のパネルにより構成できる。なお表示パネル400は、アクティブマトリクス方式以外のパネルであってもよいし、液晶パネル以外のパネルであってもよい。
図34(A)の場合には、半導体集積回路装置10としてメモリ内蔵のものを用いることができる。即ちこの場合には半導体集積回路装置10は、ホストデバイス410からの画像データを、一旦内蔵メモリに書き込み、書き込まれた画像データを内蔵メモリから読み出して、表示パネルを駆動する。一方、図34(B)の場合には、半導体集積回路装置10としてメモリ非内蔵のものを用いることができる。即ちこの場合には、ホストデバイス410からの画像データは、画像処理コントローラ420の内蔵メモリに書き込まれる。そして半導体集積回路装置10は、画像処理コントローラ420の制御の下で、表示パネル400を駆動する。
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語(第1のインターフェース領域、第2のインターフェース領域等)と共に記載された用語(出力側I/F領域、入力側I/F領域等)は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また半導体集積回路装置や電子機器の構成、配置、動作も本実施形態で説明したものに限定に限定されず、種々の変形実施が可能である。
例えば、本発明では、不揮発性メモリは上述のプログラマブルROMに限らず、また、プログラマブルROMを搭載する半導体基板の第1導電型をN型とすることもできる。
10 半導体集積回路装置、20 プログラマブルROM(不揮発性メモリ)、200 メモリブロック、202 コントロール回路ブロック、210 コントロールゲート部分、220 書き込み/読み出しトランジスタ、230 消去トランジスタ、240 トランスファーゲート、300 電源回路、300−3 消去スイッチ、700 第1レベルシフタ、710 第2レベルシフタ、720 第3レベルシフタ、740 降圧回路、BL ビット線、CG(NCU) コントロールゲート、CMOS1,2 第1,第2のCMOSトランジスタ、FG フローティングゲート、IN1〜3 信号入力線、INV インバータ、NMOS1,2 第1,第2のN型MOSトランジスタ、MC メモリセル、OUT1〜3 信号出力線、PMOS1,2 第1,第2のP型MOSトランジスタ、S1〜S3 第1〜第3の信号、WL ワード線
Claims (6)
- 接地電圧より順次高い第1電圧、第2電圧及び第3電圧が入力され、前記第3電圧と前記第2電圧との間の正の第1電圧差は、前記第2電圧と前記第1電圧との間の正の第2電圧差より大きく、前記第1電圧をアクティブ論理とし、かつ前記接地電圧をノンアクティブ論理とする第1信号に従って、前記第3電圧または前記接地電圧に切り換えて出力する電源回路において、
前記第2電圧と前記接地電圧とが供給され、前記第1信号に基づいて、前記第2電圧をアクティブ論理とする第2信号にレベルシフトする第1レベルシフタと、
前記第3電圧より降圧され、前記第2電圧よりも高い降圧電圧を生成する降圧回路と、
前記降圧回路からの降圧電圧と、前記接地電圧とが供給され、前記第2信号に基づいて、前記降圧電圧をアクティブ論理とする第3信号にレベルシフトする第2レベルシフタと、
前記第3電圧と前記接地電圧とが供給され、前記第3信号に基づいて、前記第3電圧または前記接地電圧に切り換えて出力する第3レベルシフタと、
を有することを特徴とする電源回路。 - 請求項1において、
前記第1〜第3レベルシフタの各々は、
第1のP型MOSトランジスタ及び第1のN型MOSトランジスタを直列接続した第1のCMOSトランジスタと、
第2のP型MOSトランジスタ及び第2のN型MOSトランジスタを直列接続した第2のCMOSトランジスタと、
前記第1のN型MOSトランジスタのゲートに接続された信号入力線と、
前記信号入力線と前記第2のN型MOSトランジスタのゲートとの間に設けられたインバータと、
を有し、
前記第1のCMOSトランジスタのドレインが前記第2のP型MOSトランジスタのゲートに接続され、
前記第2のCMOSトランジスタのドレインは、前記第1のP型MOSトランジスタのゲート及び信号出力線に接続されると共に、前記第1及び第2レベルシフタの前記信号出力線は、前記第2及び第3レベルシフタの前記信号入力線にそれぞれ接続され、
前記第3レベルシフタの前記第1及び第2のP型MOSトランジスタのソースに前記第3電圧が供給され、前記第3レベルシフタの前記第1及び第2のN型MOSトランジスタのソースには前記接地電圧が供給され、前記第3レベルシフタの前記インバータには前記降圧電圧が、それぞれ供給されることを特徴とする電源回路。 - 請求項2において、
前記第1レベルシフタの前記第1及び第2のP型MOSトランジスタのソースに前記第2電圧が供給され、
前記第2レベルシフタの前記第1及び第2のP型MOSトランジスタのソースに前記降圧電圧が供給され、
前記第1及び第2レベルシフタの前記第1及び第2のN型MOSトランジスタのソースには前記接地電圧が供給され、
前記第1レベルシフタのインバータには前記第1電圧が、前記第2レベルシフタの前記インバータには前記第2電圧が、それぞれ供給されることを特徴とする電源回路。 - 複数のメモリセルを含む不揮発性メモリと、
前記複数のメモリセルに消去電圧を供給する電源回路と、
を有し、
前記電源回路は、接地電圧より順次高い第1電圧、第2電圧及び第3電圧が入力され、前記第3電圧が前記消去電圧であり、前記第3電圧と前記第2電圧との間の正の第1電圧差は、前記第2電圧と前記第1電圧との間の正の第2電圧差より大きく、前記第1電圧をアクティブ論理とし、かつ前記接地電圧をノンアクティブ論理とする第1信号に従って、前記第3電圧または前記接地電圧に切り換えて出力し、かつ、
前記電源回路は、
前記第2電圧と前記接地電圧とが供給され、前記第1信号に基づいて、前記第2電圧をアクティブ論理とする第2信号にレベルシフトする第1レベルシフタと、
前記第3電圧より降圧され、前記第2電圧よりも高い降圧電圧を生成する降圧回路と、
前記降圧回路からの降圧電圧と、前記接地電圧とが供給され、前記第2信号に基づいて、前記降圧電圧をアクティブ論理とする第3信号にレベルシフトする第2レベルシフタと、
前記第3電圧と前記接地電圧とが供給され、前記第3信号に基づいて、前記第3電圧または前記接地電圧に切り換えて出力する第3レベルシフタと、
を有することを特徴とする半導体集積回路装置。 - 請求項4において、
前記複数のメモリセルの各々は、
半導体基板に形成された書き込み/読み出しトランジスタ及び消去トランジスタと、
前記書き込み/読み出しトランジスタ及び前記消去トランジスタの各ゲートに共用されるフローティングゲートと、
前記半導体基板に形成されており、前記フローティングゲートが絶縁層を介して対向する位置に形成された不純物領域にて形成されるコントロールゲートと、
を有し、
前記消去電圧が前記消去トランジスタに供給されることを特徴とする半導体集積回路装置。 - 請求項4または5に記載の半導体集積回路装置と、
前記半導体集積回路装置により駆動される表示パネルと、
を含むことを特徴とする電子機器。
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