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JP2007063409A - 環状オレフィン系共重合体の製造方法 - Google Patents

環状オレフィン系共重合体の製造方法 Download PDF

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JP2007063409A
JP2007063409A JP2005251303A JP2005251303A JP2007063409A JP 2007063409 A JP2007063409 A JP 2007063409A JP 2005251303 A JP2005251303 A JP 2005251303A JP 2005251303 A JP2005251303 A JP 2005251303A JP 2007063409 A JP2007063409 A JP 2007063409A
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真実 米村
Yu Hinoto
祐 日戸
Kotohiro Nomura
琴広 野村
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Nara Institute of Science and Technology NUC
Asahi Kasei Chemicals Corp
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Abstract

【課題】エチレン及び/又は炭素数3〜20のα−オレフィンと環状オレフィン化合物から環状オレフィン系共重合体を工業的により簡便且つ効率的に製造する方法の提供。
【解決手段】特定の構造を有する4族金属錯体(好ましくはチタニウム錯体)と有機アルミニウムオキシ化合物又は有機ホウ素化合物から選ばれる1種以上の活性化剤(B)とからなる重合触媒の存在下で、エチレン及び/又は炭素数3〜20のα−オレフィンと少なくとも1種類の環状オレフィン化合物とを共重合させて、環状オレフィン系共重合体を製造する。
【選択図】なし

Description

本発明は、エチレン及び/又は炭素数3〜20のα−オレフィンと環状オレフィン化合物からなる環状オレフィン系共重合体の製造方法に関するものである。さらに詳しくは、合成が容易でかつ高い重合活性と高い共重合性を有する錯体金属触媒系を用いて環状オレフィン系共重合体を効率よく製造する方法に関するものである。
エチレン及び/又は炭素数3〜20のα−オレフィンと環状オレフィン化合物との共重合体は透明性、耐薬品性、耐水性等に優れ、近年では、環状オレフィン含量を高めることにより耐熱性を制御した光学用途素材として産業的応用が活発に行われている。また、その製造方法に関しても、(i)配位重合を利用したもの、(ii)開環メタセシス及び水素添加反応を組み合わせたものなど、種々の製造方法が提案されているが、錯体金属触媒系を用いる配位重合系が一段反応で済む点で工業的プロセスを簡便化できる利点がある。
錯体金属触媒系としては、例えば、ケイ素あるいは炭素原子等で架橋した2分子のシクロペンタジエニル骨格を有する遷移金属錯体とアルミノキサン化合物からなる、いわゆる架橋メタロセン触媒を用いる方法(例えば、特許文献1〜4参照)、また、アミド基等の供与性分子がシクロペンタジエン骨格と架橋した構造を有する、架橋型のハーフメタロセン化合物を用いて、オレフィン類と環状オレフィン化合物との共重合体を得る方法(例えば、特許文献5参照)が提案されている。
これらの製造方法は、全て架橋型のメタロセン触媒あるいは架橋型のハーフメタロセン触媒を用いるものであり、用いられる遷移金属化合物の合成はその合成経路が2〜5段階以上と多く、煩雑であり、個々の工程に技術を要することから触媒コストが高くなるという問題点がある。
一方、合成が容易な非架橋型のハーフメタロセン化合物とアルミノキサン化合物を用いてエチレン及び/又は炭素数3〜20のα−オレフィンと環状オレフィン化合部物を共重合させる方法(例えば、特許文献6、非特許文献1参照)も提案されている。
例えば、1〜3個の置換基を有する1分子のシクロペンタジエニル基と炭化水素基あるいはジケトナト基を有するハーフメタロセン化合物とアルミノキサン化合物を用いる方法、また、1分子のインデニル基若しくは置換シクロペンタジエニル基と2個以上の置換基を有する1分子のアリロキシ基を有するハーフメタロセン化合物とアルミノキサン化合物を用いる方法である。しかし、どちらの場合も重合活性、及び得られる共重合体中の環状オレフィン化合物の取り込み量(共重合性)が充分ではない。
一方、非メタロセン化合物を用いる重合方法(例えば、特許文献7参照)も提案されている。これは、2個以上の置換基を有する1分子のアニリド基と2個以上の置換基を有する1分子のアリロキシ基を有する遷移金属化合物からなる錯体金属触媒系であるが、重合様式が開環メタセシス反応であり、エチレン及び/又は炭素数3〜20のα−オレフィンと環状オレフィン化合物とを共重合し得る方法ではない。
従って、合成が容易でかつ高い重合活性と高い共重合性の両者を満足させる環状オレフィン共重合体の製造方法の開発が望まれている。
特開平3−45612号公報 特開平6−271626号公報 特開平6−271627号公報 特開2000−26518号公報 特開平11−504973号公報 特開2000−302811号公報 特開2002−53647号公報 Macromolecules, 36, 3797(2003)
本発明は工業的に用いる上でより簡単に合成でき、高い重合活性と高い共重合性を有する錯体金属触媒系を用いたエチレン及び/又は炭素数3〜20のα−オレフィンと環状オレフィン化合物からなる環状オレフィン系共重合体の製造方法を見出すことを目的とする。
本発明は、合成の容易な、シクロペンタジエニル骨格を含む配位子1分子と少なくとも1つの特定の骨格を有するアニオン性配位子1分子が周期律表4族の金属に配位した遷移金属化合物と活性化剤からなる錯体金属触媒系が、エチレン及び/又は炭素数3〜20のα−オレフィンと環状オレフィン化合物の共重合に対して、高い重合活性を有しかつその共重合性に極めて優れるという驚くべき事実に基づいてなされたものである。
すなわち、本発明は、下記(1)〜(4)の環状オレフィン系共重合体の製造方法である。
(1)下記一般式(1)で表される遷移金属化合物(A)及び有機アルミニウムオキシ化合物又は有機ホウ素化合物から選ばれる1種以上の活性化剤(B)からなる重合触媒の存在下、エチレン及び/又は炭素数3〜20のα−オレフィンと少なくとも1種類の環状オレフィン化合物との共重合を行うことを特徴とする環状オレフィン系共重合体の製造方法。
Figure 2007063409
(式中、Mは周期律表4族の遷移金属を表す。Lは周期律表15族の元素が配位原子となる1価のアニオン性配位子を表す。Xは水素、ハロゲン又は炭素数1〜20のアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリロキシ基、アラルキル基を表す。L又はXは、各々独立に、同一であっても良いし異なっていても良い。mは1〜3の整数を表す。R〜Rは各々同じでも異なっていても良く、水素、ハロゲン又は炭素数1〜20のアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリロキシ基からなり、任意の2つ又は3つが縮合し環を形成していても良い。環には共役2重結合を含んだ芳香族性を有するものも含む。)
(2)前記遷移金属化合物(A)の一般式(1)におけるLが下記一般式(2)で表される1価のアニオン性配位子であることを特徴とする上記(1)に記載の環状オレフィン系共重合体の製造方法
Figure 2007063409
(式中、Yは周期律表の15族元素、Zは周期律表の14族又は15族又は16族から選ばれる一種類の元素を表す。Rは水素、炭素数1〜20のアルキル基、アルコキシ基、アミド基、アリール基、アラルキル基、シリル基、アルキルアミド基、アルキルシリル基、アリールアミド基、シリルアミド基、ホスフィノアミド基、及びホスフィド基を表す。Rは、各々独立して互いに同一でも異なっていても良い。nはZの価数に応じた1〜3の整数を表す。またRは各々が互いに結合して環を形成しても良く、また請求項1に示すシクロペンタジエニル基と結合していても良い。)
(3)前記環状オレフィン化合物が下記一般式(3)で表される化合物であることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の環状オレフィン系共重合体の製造方法。
Figure 2007063409
(式中、R〜R17は各々独立して互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲンで置換されていてもよい炭化水素基、酸素を含む置換基または窒素原子を含む置換基を示し、R14〜R17は互いに結合して単環又は多環を形成していてよく、かつその単環または多環が二重結合を有していてもよく、またR14とR15とでアルキリデン基を形成していてもよい。nは0〜2の整数を表す。)
(4)前記環状オレフィン化合物が、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン及びシクロオクテンからなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とすることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の環状オレフィン系共重合体の製造方法。
本発明の環状オレフィン系共重合体の製造方法によれば、高い重合活性と高い共重合性を有する錯体金属触媒系、及び該錯体金属触媒系を用いることによって、エチレン及び/又は炭素数3〜20のα−オレフィンと少なくとも1つの環状オレフィン化合物とから環状オレフィン系共重合体を工業的により簡単且つ効率的に合成することできる。
以下、本発明に関わる環状オレフィン系共重合体の製造方法について詳細に説明する。
本発明で用いられるエチレン及び/又は炭素数3〜20のα−オレフィンと少なくとも1つの環状オレフィン化合物とを共重合する錯体金属触媒系の前記一般式(1)で表される遷移金属化合物(A)について説明する。
式中、Mは周期律表の4族の遷移金属を表す。Lは周期律表の15族の元素が配位原子となる1価のアニオン性配位子を表す。Xは水素、ハロゲン又は炭素数1〜20のアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリロキシ基、アラルキル基を表す。L又はXは、各々独立に、同一であっても良いし異なっていても良い。mは1〜3の整数を表す。R〜Rは各々同じでも異なっていても良く、水素、ハロゲン又は炭素数1〜20のアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリロキシ基からなり、任意の2つ又は3つが縮合し環を形成していても良い。環には共役2重結合を含んだ芳香族性を有するものも含む。
殊に、Lは前記一般式(2)で表される1価のアニオン性配位子である。式中、Yは周期律表の15族原子、Zは周期律表の14族または15族原子を表す。Rは各々独立に、同一であっても良いし異なっていても良く、水素、炭素数1〜20のアルキル基、アルコキシ基、アミド基、アリール基、アラルキル基、シリル基、アルキルアミド基、アルキルシリル基、アリールアミド基、シリルアミド基、ホスフィノアミド基、ホスフィド基を表す。nはZの価数に応じた1〜3の整数である。またRは各々が互いに結合して環を形成しても良く、またシクロペンタジエニル基と結合していても良い。
アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリロキシ基、アラルキル基、及びアルキルアミド基、アルキルシリル基、アリールアミド基のアルキル、アリール、アリロキシ部分の具体例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、sec−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、1,2−ジメチルプロピル、ネオペンチル、シクロペンチル、n−ヘキシル、イソヘキシル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、1,1−エチルメチルプロピル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、シクロヘキシル、n−ヘプチル、イソヘプチル、4−メチルヘキシル、3−メチルヘキシル、2−メチルヘキシル、1−メチルヘキシル、1,1−ジメチルペンチル、2,2−ジメチルペンチル、3,3−ジメチルペンチル、4,4−ジメチルペンチル、1,2−ジメチルペンチル、1,3−ジメチルペンチル、1,4−ジメチルペンチル、1−エチルペンチル、1−プロピルブチル、2−エチルペンチル、3−エチルペンチル、1,1−エチルメチルブチル、1,1−ジエチルプロピル、2,3−ジメチルペンチル、2,4−ジメチルペンチル、3,4−ジメチルペンチル、1−エチル−2−メチルブチル、1−エチル−3−メチルブチル、4−メチルシクロヘキシル、3−メチルシクロヘキシル、シクロヘプチル、1,1,2−トリメチルブチル、1,1,3−トリメチルブチル、2,2,1−トリメチルブチル、2,2,3−チルメチルブチル、3,3,1−トリメチルブチル、3,3,2−トリメチルブチル、1,1,2,2−テトラメチルプロピル、n−オクチル、1−メチルヘプチル、2−メチルヘプチル、3−メチルヘプチル、4−メチルヘプチル、5−メチルヘプチル、イソオクチル、1−エチルヘキシル、2−エチルヘキシル、3−エチルヘキシル、4−エチルヘキシル、1,1−ジメチルヘキシル、2,2−ジメチルヘキシル、3,3−ジメチルヘキシル、4,4−ジメチルヘキシル、5,5−ジメチルヘキシル、1,2−ジメチルヘキシル、1,3−ジメチルヘキシル、1,4−ジメチルヘキシル、1,5−ジメチルヘキシル、2,3−ジメチルヘキシル、2,4−ジメチルヘキシル、3,4−ジメチルヘキシル、2,5−ジメチルヘキシル、3,5−ジメチルヘキシル、1,1−メチルエチルペンチル、1−エチル−2−メチルペンチル、1−エチル−3−メチルペンチル、1−エチル−4−メチルペンチル、2−エチル−1−メチルペンチル、2,2−エチルメチルペンチル、3,3−エチルメチルペンチル、2−エチル−3−メチルペンチル、2−エチル−4−メチルペンチル、3−エチル−4−メチルペンチル、3−エチル−2−メチルペンチル、1,1−ジエチルブチル、2,2−ジエチルブチル、1,2−ジエチルブチル、1,1−メチルプロピルブチル、2−メチル−1−プロピルブチル、3−メチル−1−プロピルブチル、4−エチルシクロヘキシル、3−エチルシクロヘキシル、3,4−ジメチルシクロヘキシル、1,1,2−トリメチルペンチル、1,1,3−トリメチルペンチル、1,1,4−トリメチルペンチル、2,2,1−トリメチルペンチル、2,2,3−トリメチルペンチル、2,2,4−トリメチルペンチル、3,3,1−トリメチルペンチル、3,3,2−トリメチルペンチル、3,3,4−トリメチルペンチル、1,2,3−トリメチルペンチル、1,2,4−トリメチルペンチル、1,3,4−トリメチルペンチル、1,2,3−トリメチルペンチル、1,2,4−トリメチルペンチル、1,3,4−トリメチルペンチル、1,1,2,2−テトラメチルブチル、1,1,3,3−テトラメチルブチル、1,1,2,3−テトラメチルブチル、2,2,1,3−テトラメチルブチル、1−エチル−1,2−ジメチルブチル、2−エチル−1,2−ジメチルブチル、1−エチル−2,3−ジメチルブチル、n−ノニル、イソノニル、1−メチルオクチル、2−メチルオクチル、3−メチルオクチル、4−メチルオクチル、5−メチルオクチル、6−メチルオクチル、1−エチルヘプチル、2−エチルヘプチル、3−エチルヘプチル、4−エチルヘプチル、5−エチルヘプチル、1,1−ジメチルヘプチル、2,2−ジメチルヘプチル、3,3−ジメチルヘプチル、4,4−ジメチルヘプチル、5,5−ジメチルヘプチル、6,6−ジメチルヘプチル、1,2−ジメチルヘプチル、1,3−ジメチルヘプチル、1,4−ジメチルヘプチル、1,5−ジメチルヘプチル、1,6−ジメチルヘプチル、2,3−ジメチルヘプチル、2,4−ジメチルヘプチル、2,5−ジメチルヘプチル、2,6−ジメチルヘプチル、3,4−ジメチルヘプチル、3,5−ジメチルヘプチル、3,6−ジメチルヘプチル、4,5−ジメチルヘプチル、4,6−ジメチルヘプチル、5,6−ジメチルヘプチル、1,1,2−トリメチルヘキシル、1,1,3−トリメチルヘキシル、1,1,4−トリメチルヘキシル、1,1,5−トリメチルヘキシル、2,2,1−トリメチルヘキシル、2,2,3−トリメチルヘキシル、2,2,4−トリメチルヘキシル、2,2,5−トリメチルヘキシル、3,3,1−トリメチルヘキシル、3,3,2−トリメチルヘキシル、3,3,4−トリメチルヘキシル、3,3,5−トリメチルヘキシル、4,4,1−トリメチルヘキシル、4,4,2−トリメチルヘキシル、4,4,3−トリメチルヘキシル、4,4,5−トリメチルヘキシル、5,5,1−トリメチルヘキシル、5,5,2−トリメチルヘキシル、5,5,3−トリメチルヘキシル、5,5,4−トリメチルヘキシル、1,2,3−トリメチルヘキシル、2,3,4−トリメチルヘキシル、3,4,5−トリメチルヘキシル、1,3,4−トリメチルヘキシル、1,4,5−トリメチルヘキシル、2,4,5−トリメチルヘキシル、1,2,5−トリメチルヘキシル、1,2,4−トリメチルヘキシル、1,1−エチルメチルヘキシル、2,2−エチルメチルヘキシル、3,3−エチルメチルヘキシル、4,4−エチルメチルヘキシル、5,5−エチルメチルヘキシル、1−エチル−2−メチルヘキシル、1−エチル−3−メチルヘキシル、1−エチル−4−メチルヘキシル、1−エチル−5−メチルヘキシル、2−エチル−1−メチルヘキシル、3−エチル−1−メチルヘキシル、3−エチル−2−メチルヘキシル、1,1−ジエチルペンチル、2,2−ジエチルペンチル、3,3−ジエチルペンチル、1,2−ジエチルペンチル、1,3−ジエチルペンチル、2,3−ジエチルペンチル、1,1−メチルプロピルペンチル,2,2−メチルプロピルペンチル,1−メチル−2−プロピルペンチル、n−デシル、イソデシル、1−メチルノニル、2−メチルノニル、3−メチルノニル、4−メチルノニル、5−メチルノニル、6−メチルノニル、7−メチルノニル、1−エチルオクチル、2−エチルオクチル、3−エチルオクチル、4−エチルオクチル、5−エチルオクチル、6−エチルオクチル、1,1−ジメチルオクチル、2,2−ジメチルオクチル、3,3−ジメチルオクチル、4,4−ジメチルオクチル、5,5−ジメチルオクチル、6,6−ジメチルオクチル、7,7−ジメチルオクチル、1,2−ジメチルオクチル、1,3−ジメチルオクチル、1,4−ジメチルオクチル、1,5−ジメチルオクチル、1,6−ジメチルオクチル、1,7−ジメチルオクチル、2,3−ジメチルオクチル、2,4−ジメチルオクチル、2,5−ジメチルオクチル、2,6−ジメチルオクチル、2,7−ジメチルオクチル、3,4−ジメチルオクチル、3,5−ジメチルオクチル、3,6−ジメチルオクチル、3,7−ジメチルオクチル、4,5−ジメチルオクチル、4,6−ジメチルオクチル、4,7−ジメチルオクチル、5,6−ジメチルオクチル、5,7−ジメチルオクチル、n−ウンデシル、n−ドデシル、フェニル、ベンジル、p−トリル、m−トリル、キシリル、メシチリル、2,6−ジメチルフェニル、2,4,6−トリメチルフェニル、2,6−ジメトキシフェニル、2,4,6−トリメトキシフェニル、2,6−ジイソプロピルフェニル、2,4,6−トリイソプロピルフェニル、ナフチル、2−メトキシフェニル、2−イソプロポキシフェニル、2−t−ブトキシフェニル、2,6−ジ−t−ブチルフェニル、2−メチルフェニル、2−イソプロピルフェニル、2−t−ブチルフェニル、2−メチル−6−イソプロピルフェニル、2−メチル−6−t−ブチルフェニル、トリメチルシリルメチレン、ビストリメチルシリルメチンなどが挙げられる。
好ましくはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、sec−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、1,2−ジメチルプロピル、ネオペンチル、シクロペンチル、n−ヘキシル、イソヘキシル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、1,1−エチルメチルプロピル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、シクロヘキシル、n−ヘプチル、イソヘプチル、2−メチルヘキシル、1−メチルヘキシル、1,1−ジメチルペンチル、2,2−ジメチルペンチル、3,3−ジメチルペンチル、1,2−ジメチルペンチル、1,3−ジメチルペンチル、1,4−ジメチルペンチル、1−エチルペンチル、1−プロピルブチル、2−エチルペンチル、3−エチルペンチル、1,1−エチルメチルブチル、1,1−ジエチルプロピル、2,3−ジメチルペンチル、2,4−ジメチルペンチル、1−エチル−2−メチルブチル、1−エチル−3−メチルブチル、4−メチルシクロヘキシル、3−メチルシクロヘキシル、1,1,2−トリメチルブチル、1,1,3−トリメチルブチル、2,2,1−トリメチルブチル、2,2,3−チルメチルブチル、3,3,1−トリメチルブチル、3,3,2−トリメチルブチル、1,1,2,2−テトラメチルプロピル、n−オクチル、1−メチルヘプチル、2−メチルヘプチル、3−メチルヘプチル、1−エチルヘキシル、2−エチルヘキシル、1,1−ジメチルヘキシル、2,2−ジメチルヘキシル、3,3−ジメチルヘキシル、1,2−ジメチルヘキシル、1,3−ジメチルヘキシル、1,4−ジメチルヘキシル、1,5−ジメチルヘキシル、2,3−ジメチルヘキシル、2,4−ジメチルヘキシル、3,4−ジメチルヘキシル、2,5−ジメチルヘキシル、1,1−メチルエチルペンチル、1−エチル−2−メチルペンチル、1−エチル−3−メチルペンチル、1−エチル−4−メチルペンチル、2−エチル−1−メチルペンチル、2,2−エチルメチルペンチル、3,3−エチルメチルペンチル、2−エチル−3−メチルペンチル、2−エチル−4−メチルペンチル、3−エチル−4−メチルペンチル、3−エチル−2−メチルペンチル、1,1−ジエチルブチル、2,2−ジエチルブチル、1,2−ジエチルブチル、1,1−メチルプロピルブチル、2−メチル−1−プロピルブチル、3メチル−1−プロピルブチル、4−エチルシクロヘキシル、3−エチルシクロヘキシル、3,4−ジメチルシクロヘキシル、1,1,2−トリメチルペンチル、1,1,3−トリメチルペンチル、1,1,4−トリメチルペンチル、2,2,1−トリメチルペンチル、2,2,3−トリメチルペンチル、2,2,4−トリメチルペンチル、3,3,1−トリメチルペンチル、3,3,2−トリメチルペンチル、3,3,4−トリメチルペンチル、1,2,3−トリメチルペンチル、1,2,4−トリメチルペンチル、1,3,4−トリメチルペンチル、1,2,3−トリメチルペンチル、1,2,4−トリメチルペンチル、1,3,4−トリメチルペンチル、1,1,2,2−テトラメチルブチル、1,1,3,3−テトラメチルブチル、1,1,2,3−テトラメチルブチル、2,2,1,3−テトラメチルブチル、1−エチル−1,2−ジメチルブチル、2−エチル−1,2−ジメチルブチル、1−エチル−2,3−ジメチルブチル、フェニル、ベンジル、p−トリル、m−トリル、キシリル、メシチリル、2,6−ジメチルフェニル、2,4,6−トリメチルフェニル、2,6−ジメトキシフェニル、2,4,6−トリメトキシフェニル、2,6−ジイソプロピルフェニル、2,4,6−トリイソプロピルフェニル、ナフチル、2−メトキシフェニル、2−イソプロポキシフェニル、2−t−ブトキシフェニル、2,6−ジ−t−ブチルフェニル、2−メチルフェニル、2−イソプロピルフェニル、2−t−ブチルフェニル、2−メチル−6−イソプロピルフェニル、2−メチル−6−t−ブチルフェニル、トリメチルシリルメチレン、ビストリメチルシリルメチンなどが挙げられる。
前記、一般式(1)で表される具体的な遷移金属化合物(A)として、例えば、CpTi(t−BuC=N)Cl、CpTi(t−BuC=N)Cl、1,3-MeCpTi(t−BuC=N)Cl及び1,3-MeCpTi((MeSi)(t−Bu)C=N)Cl等を例示することが出来る。これらは単独で用いても良いし、組み合わせて用いても良い。ここで、Cpはシクロペンタジエニル基を、Cpはη−ペンタメチルシクロペンタジエニル基を表す。
本発明で用いることのできる有機アルミニウムオキシ化合物としては下記一般式(4)、(5)、(6)および(7)で示される有機アルミニウムオキシ化合物のうち少なくとも1つの化合物があげられる。
Figure 2007063409
Figure 2007063409
Figure 2007063409
Figure 2007063409
これら有機アルミニウムオキシ化合物の具体例としては、メチルアルミノキサン、エチルアルミノキサン、プロピルアルミノキサン、ブチルアルミノキサン、イソブチルアルミノキサン、メチルエチルアルミノキサン、メチルブチルアルミノキサン、メチルイソブチルアルミノキサン等が挙げられる。特に、メチルアルミノキサン、イソブチルアルミノキサン、メチルイソブチルアルミノキサンが好適に使用できる。これらは2種以上組み合わせて用いてもよい。
また、これら有機アルミニウムオキシ化合物には、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム等の有機アルミニウム化合物を含んでいてもよい。
また、本発明で用いることのできる有機ホウ素化合物としては下記一般式(8)または(9)で示される有機ホウ素化合物のうち少なくとも1つの化合物があげられる。
Figure 2007063409
Figure 2007063409
前記一般式(8)および(9)の炭化水素基の具体例としてはフェニル、ベンジル、p−トリル、m−トリル、キシリル、メシチリル、2,6−ジメチルフェニル,2,4,6−トリメチルフェニル,2,6−ジメトキシフェニル,2,4,6−トリメトキシフェニル,2,6−ジイソプロピルフェニル,2,4,6−トリイソプロピルフェニル、ナフチル、o−イソプロポキシフェニル、ペンタフルオロフェニル、ペンタフルオロベンジル、テトラフルオロフェニル、テトラフルオロトリル等があげられる。
また、前記一般式(9)中のQの具体例としてはピリジニウム、2,4−ジニトロ−N,N−ジエチルアニリニウム、p−ニトロアニリニウム、2,5−ジクロロアニリン、p−ニトロ−N,N−ジメチルアニリニウム,キノリニウム、N,N−ジメチルアニリニウム,メチルジフェニルアンモニウム、N,N−ジエチルアニリニウム、8−クロロキノリニウム、トリメチルアンモニウム、トリプロピルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、トリブチルアンモニウム、トリフェニルホスホニウム、アンモニウム、トリフェニルメチル、ナトリウム、リチウム、カリウム、セシウム、カルシウム、マグネシウム等があげられる。
これら有機ホウ素化合物の具体例としては、トリメチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリエチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等が挙げられる。これらは2種以上組み合わせて用いてもよい。最も好ましくはトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートが挙げられる。
本発明において使用するのに好適な触媒は(A)遷移金属化合物および(B)アルキルアルミニウムオキシ化合物または有機ホウ素化合物から選ばれる1種以上の活性化剤を任意の順序でかつ任意の好適な方法で組み合わせることによって製造される。
前記(A)成分と(B)成分の触媒組成比(モル比)は、好ましくは(A):(B)=1:0.01〜1:10000であり、更に好ましくは1:100〜1:3000である。
触媒調製はあらかじめ、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下、好適な溶媒中で混合することにより行ってもよいし、(A),(B)それぞれの成分を別々にモノマーが共存するリアクター内に打ち込んで、リアクター内において調製してもよい。触媒調製に好適な溶媒はヘキサン、シクロヘキサン等のアルカンをはじめとする炭化水素系溶媒とトルエン、ベンゼン、エチルベンゼン等の芳香族系の溶媒があげられる。またこれらの溶媒は前処理において水分等を除去しておくことが好ましい。触媒の調製温度としては、−20℃〜150℃が最適である。
本発明で使用できる炭素数3〜20のα−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン等をあげることができる。
また、本発明で使用できる環状オレフィン化合物としては、下記一般式(3)で表すことができる化合物、若しくはシクロペンテン、又はシクロヘキセン、又はシクロヘプテン、又はシクロオクテン等をあげることができる。
Figure 2007063409
(式中、R〜R17は各々独立して互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲンで置換されていてもよい炭化水素基、酸素を含む置換基または窒素原子を含む置換基を示し、R14〜R17は互いに結合して単環または多環を形成していてよく、かつその単環または多環が二重結合を有していてもよい。またR14とR15とでアルキリデン基を形成していてもよい。nは0〜2の整数を示す。)
前記一般式(3)のハロゲン原子、ハロゲンで置換されていてもよい炭化水素基としては具体的には、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン基、クロロメチル基、ブロモメチル基、クロロエチル基等の炭素数1〜20のハロゲン置換アルキル基、炭素数1〜20のハロゲン非置換アルキル基等を挙げることができる。
また、前記一般式(3)の酸素を含む置換基として具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、フェノキシ基等の炭素数1〜20のアルコキシ基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の炭素数1〜20のアルコキシカルボニル基等を挙げることができる。
さらに、前記一般式(3)の窒素原子を含む置換基としては具体的には、例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等の炭素数1〜20のアルキルアミノ基やシアノ基等を挙げることができる。
前記一般式(3)で表される環状オレフィン化合物の具体例としては、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(以下ノルボルネンと称する)、5−メチルノルボルネン、5−エチルノルボルネン、5−プロピルノルボルネン、5,6−ジメチルノルボルネン、1−メチルノルボルネン、7−メチルノルボルネン、5,5,6−トリメチルノルボルネン、5−フェニルノルボルネン、5−ベンジルノルボルネン、5−エチリデンノルボルネン、5−ビニルノルボルネン、5−クロロノルボルネン、5−シアノノルボルネン、5−フルオロノルボルネン、5,5−ジクロロノルボルネン、5,5,6−トリフルオロノルボルネン、5−メトキシノルボルネン、5−ジメチルアミノノルボルネン、5,5,6−トリフルオロ−6−メチルノルボルネン、トリシクロ[4.3.0.12.5]−3−デセン、トリシクロ[4.4.0.12.5]−3−ウンデセン、テトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン、8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン、8−エチルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン、8−プロピルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン、8−ブチルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン、8−イソブチルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン、8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン、8−クロロテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン、8−シアノテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン、8−フルオロテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン、8,8−ジクロロテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン、8−メトキシテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン、8−ジメチルアミノテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン、8,8,9−トリフルオロテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン、8,8,9−トリフルオロ−9−メチルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン、ペンタシクロ[6.5.1.13.6.02.7.09.13]−4−ペンタデセン、ペンタシクロ[6.6.1.13.6.02.7.09.14]−4−ヘキサデセン、ヘキサシクロ[6.6.1.13.6.110.13.02.7.09.14]−4−ヘプタデセン等が例示される。これらの環状オレフィン化合物は1種単独または2種以上組み合わせて用いることが出来る。これらの環状オレフィン化合物のなかで、ノルボルネン、トリシクロ[4.3.0.12.5]−3−デセン、トリシクロ[4.4.0.12.5]−3−ウンデセン、テトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセンが好ましく、特にノルボルネンが好ましい。
本発明の共重合方法は、モノマー類と錯体金属触媒系の存在下、減圧、大気圧、加圧のいずれかの条件のもと、バルク、溶液、スラリーのいずれの方法でも行うことができる。
共重合を行うのに好適な温度範囲としては−30℃〜260℃であり、好ましくは0℃〜200℃である。また、共重合においては、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で行ってもよいし、エチレン雰囲気下で行ってもよい、またエチレン及び/又は炭素数3〜20のα−オレフィン類と上記の不活性ガスの混合雰囲気下でもかまわない。さらに、分子量調節のために上記のガスに加えて、水素を共存させてもかまわない。また、触媒成分をアルミナ、塩化マグネシウム、シリカのような好適な担体に担持させて用いてもかまわない。また所望ならば、共重合に際して溶媒を用いることも出来る。共重合に用いるのに好適な溶媒としては、ヘキサン、シクロヘキサン等のアルカンをはじめとする炭化水素系溶媒とトルエン、ベンゼン、エチルベンゼン等の芳香族系の溶媒があげられる。
共重合における好適な触媒量は[(生成ポリマー重量)kg]/[触媒(A)成分1mol]=10kg/1mol〜1000000kg/1mol程度のポリマーを与える量である。本発明における共重合後のポリマーの分離方法としては、例えば共重合液にアセトンまたは酸もしくはアルカリを混合したアルコール等の貧溶媒となる極性溶媒を加えて共重合体を沈澱させて回収する方法、反応液を撹拌下、熱湯中に投入後、溶媒と共に蒸留回収する方法、または直接反応液を加熱して溶媒を留去する方法等を挙げることができる。
本発明の環状オレフィン系共重合体の製造方法において、α−オレフィン系モノマー由来の繰り返し単位及び環状オレフィン系モノマー由来の繰り返し単位は各々2種類以上の成分から構成されていてもよく、三元あるいは四元以上の共重合体の製造も可能である。
本発明の環状オレフィン系共重合体の製造方法において、上記モノマー以外にも必要に応じて、スチレンのような芳香族ビニル化合物を共重合モノマーとして共重合することも可能である。
本発明の環状オレフィン系共重合体の製造方法において、環状オレフィン系共重合体中の組成は、エチレン及び/又は炭素数3〜20のα−オレフィン類1〜99mol%に対し、環状オレフィン類99〜1mol%の範囲で共重合できる。好ましくはエチレン及び/又は炭素数3〜20のα−オレフィン類10〜75mol%に対し、環状オレフィン類90〜25mol%である。
以下実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。錯体金属触媒は、J.Am.Chem.Soc., 122, 5499(2000)及びMacromolecules, 31, 7588(1998)を参考に調製した。
重合活性は重合終了後に得られたポリマー量から求めた。ポリマー中のノルボルネン含有量はMacromolecules, 33, 8931(2000)、シクロペンテン含有量はMacromolecules, 35, 9999(2002)、及びシクロヘキセン含有量はJ.Am.Chem.Soc., 127, 4582(2005) に従い、13C−NMRスペクトルを用いて行った。NMR測定はd−ベンゼン/1,2,4−トリクロロベンゼン(1/1vol比)溶液中で行った。ポリマーのガラス転移温度(Tg)の測定は示差走査熱量計(DSC)を用い、窒素雰囲気下20℃/分の昇温速度で求めた。ポリマーの分子量はGPC法により140℃において、o−ジクロルベンゼンを測定溶媒として、RIにより検出し、ポリスチレン換算により求めた。
[参考例1]
CpTi(t−BuC=N)Cl(以下、金属錯体−1)の合成
CpTiCl(1.0g,4.55mmol)を含むトルエン溶液(30ml)中に、−78℃でt−BuC=NLi(0.67g,4.55mmol)トルエン溶液(20ml)を30分間かけて滴下した。得られた反応溶液を、攪拌しつつゆっくりと室温まで上昇させ、終夜攪拌した。反応液をろ過した後、濃縮し、次いで−30℃においてヘキサンより再結晶することにより、目的錯体を60%の収率で得た。
NMRの測定結果は次の通りであった。
H−NMR(CDCl):δ6.12(s,3H),1.04(s,18H)
13C−NMR(CDCl):δ204.1(C=N),117.1(Cp),46.71(CCH),30.16(Bu).
[実施例1]
内部を真空脱気し、窒素置換した100mlのオートクレーブに白色固体MAO(メチルアルミノキサン)(Al換算で3mmol、東ソーアクゾ社製:PMAO−Sから溶媒のトルエンとAlMeを真空下で除いて使用した。)を導入した。次いで、Na上で蒸留し脱水脱酸素処理したノルボルネンのトルエン溶液(濃度:2.5mol/l)を10ml仕込んだ。オートクレーブの内温を室温に保ち、金属錯体−1を0.01μmol含むトルエン溶液2mlをオートクレーブに加えた。直ちに0.2MPaのエチレンガスを導入し、重合反応を開始させた。オートクレーブの内温およびエチレン圧を保ちつつ、10分間重合した。重合終了後、オートクレーブの内容物を大量の塩酸酸性メタノール中に移しポリマーを析出させた。共重合活性=9.0×10kg/mol・Ti・hであった。GPC測定より、Mn=3.2×10(Mw/Mn=2.09)であった。DSC測定より、Tg=146℃であった。13C−NMRから共重合体中のノルボルネン含有量は58.8mol%と見積もられた。
[実施例2]
内部を真空脱気し、窒素置換した100mlのオートクレーブに白色固体MAO(メチルアルミノキサン)(Al換算で3mmol、東ソーアクゾ社製:PMAO−Sから溶媒のトルエンとAlMeを真空下で除いて使用した。)を導入した。次いで、Na上で蒸留し脱水脱酸素処理したノルボルネンのトルエン溶液(濃度:5.0mol/l)を10ml仕込んだ。オートクレーブの内温を室温に保ち、金属錯体−1を0.01μmol含むトルエン溶液2mlをオートクレーブに加えた。直ちに0.2MPaのエチレンガスを導入し、重合反応を開始させた。オートクレーブの内温およびエチレン圧を保ちつつ、10分間重合した。重合終了後、オートクレーブの内容物を大量の塩酸酸性メタノール中に移しポリマーを析出させた。共重合活性=8.6×10kg/mol・Ti・hであった。GPC測定より、Mn=3.4×10(Mw/Mn=2.00)であった。DSC測定より、Tg=167℃であった。13C−NMRから共重合体中のノルボルネン含有量は65.8mol%と見積もられた。
[実施例3]
内部を真空脱気し、窒素置換した100mlのオートクレーブに白色固体MAO(メチルアルミノキサン)(Al換算で3mmol、東ソーアクゾ社製:PMAO−Sから溶媒のトルエンとAlMeを真空下で除いて使用した。)を導入した。次いで、Na上で蒸留し脱水脱酸素処理したシクロペンテンのトルエン溶液(濃度:5.0mol/l)を10ml仕込んだ。オートクレーブの内温を室温に保ち、金属錯体−1を1.0μmol含むトルエン溶液2mlをオートクレーブに加えた。直ちに0.2MPaのエチレンガスを導入し、重合反応を開始させた。オートクレーブの内温およびエチレン圧を保ちつつ、10分間重合した。重合終了後、オートクレーブの内容物を大量の塩酸酸性メタノール中に移しポリマーを析出させた。共重合活性=906kg/mol・Ti・hであった。GPC測定より、Mn=1.8×10(Mw/Mn=2.01)であった。13C−NMRから共重合体中のシクロペンテン含有量は43.1mol%と見積もられた。
[実施例4]
内部を真空脱気し、窒素置換した100mlのオートクレーブに白色固体MAO(メチルアルミノキサン)(Al換算で3mmol、東ソーアクゾ社製:PMAO−Sから溶媒のトルエンとAlMeを真空下で除いて使用した。)を導入した。次いで、Na上で蒸留し脱水脱酸素処理したシクロヘキセンのトルエン溶液(濃度:5.0mol/l)を10ml仕込んだ。オートクレーブの内温を室温に保ち、金属錯体−1を1.0μmol含むトルエン溶液2mlをオートクレーブに加えた。直ちに0.2MPaのエチレンガスを導入し、重合反応を開始させた。オートクレーブの内温およびエチレン圧を保ちつつ、10分間重合した。重合終了後、オートクレーブの内容物を大量の塩酸酸性メタノール中に移しポリマーを析出させた。共重合活性=1940kg/mol・Ti・hであった。GPC測定より、Mn=0.5×10(Mw/Mn=1.83)であった。13C−NMRから共重合体中のシクロヘキセン含有量は0.3mol%と見積もられた。
[参考例2]
CpTi(2,6−PrPhO)Cl(以下、金属錯体−2)の合成
CpTiCl(1.55g,5.35mmol)を含むトルエン溶液(25ml)中に、−25℃でLiO−2,6−PrPh(0.99g,5.38mmol)トルエン溶液(15ml)を30分間かけて滴下した。得られた反応溶液を、攪拌しつつゆっくりと室温まで上昇させ、終夜攪拌した。反応液をろ過した後、濃縮し、次いで−30℃においてジクロロメタン/ヘキサンより再結晶することにより、目的錯体を60%の収率で得た。
NMRの測定結果は次の通りであった。
H−NMR(CDCl):δ6.99〜7.15(m,3H),3.44(m,2H),1.95(s,15H),1.31(d,12H).
[比較例1]
内部を真空脱気し、窒素置換した100mlのオートクレーブに白色固体MAO(メチルアルミノキサン)(Al換算で3mmol、東ソーアクゾ社製:PMAO−Sから溶媒のトルエンとAlMeを真空下で除いて使用した。)を導入した。次いで、Na上で蒸留し脱水脱酸素処理したノルボルネンのトルエン溶液(濃度:5.0mol/l)を10ml仕込んだ。オートクレーブの内温を室温に保ち、金属錯体−2を5.0μmol含むトルエン溶液2mlをオートクレーブに加えた。直ちに0.2MPaのエチレンガスを導入し、重合反応を開始させた。オートクレーブの内温およびエチレン圧を保ちつつ、10分間重合した。重合終了後、オートクレーブの内容物を大量の塩酸酸性メタノール中に移しポリマーを析出させた。共重合活性=238kg/mol・Ti・hであった。GPC測定より、Mn=5.3×10(Mw/Mn=1.63)であった。DSC測定より、Tg=83℃であった。13C−NMRから共重合体中のノルボルネン含有量は37.5mol%と見積もられた。
本発明の製造方法を用いると、高い重合活性と高い共重合性を達成でき効率的に環状オレフィン系共重合体が得られる事が判る。
本発明を好ましい実施態様に関連して説明してきたが、当業者が容易に理解されるように本発明の原理及び範囲を逸脱することなく改変及び変更を実施し得ることを理解すべきである。従って、前記改変は本発明の範囲内で実施され得る。
本発明の方法によって、透明性、熱安定性に優れた新規な環状オレフィン系共重合体を工業的に効率良く製造することが可能となった。

Claims (4)

  1. 下記一般式(1)で表される遷移金属化合物(A)及び有機アルミニウムオキシ化合物又は有機ホウ素化合物から選ばれる1種以上の活性化剤(B)からなる重合触媒の存在下、エチレン及び/又は炭素数3〜20のα−オレフィンと少なくとも1種類の環状オレフィン化合物との共重合を行うことを特徴とする環状オレフィン系共重合体の製造方法。
    Figure 2007063409
    (式中、Mは周期律表4族の遷移金属を表す。Lは周期律表15族の元素が配位原子となる1価のアニオン性配位子を表す。Xは水素、ハロゲン又は炭素数1〜20のアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリロキシ基、アラルキル基を表す。L又はXは、各々独立に、同一であっても良いし異なっていても良い。mは1〜3の整数を表す。R〜Rは各々同じでも異なっていても良く、水素、ハロゲン又は炭素数1〜20のアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリロキシ基からなり、任意の2つ又は3つが縮合し環を形成していても良い。環には共役2重結合を含んだ芳香族性を有するものも含む。)
  2. 前記遷移金属化合物(A)の一般式(1)におけるLが下記一般式(2)で表される1価のアニオン性配位子であることを特徴とする請求項1記載の環状オレフィン系共重合体の製造方法。
    Figure 2007063409
    (式中、Yは周期律表の15族元素、Zは周期律表の14族又は15族又は16族から選ばれる一種類の元素を表す。Rは水素、炭素数1〜20のアルキル基、アルコキシ基、アミド基、アリール基、アラルキル基、シリル基、アルキルアミド基、アルキルシリル基、アリールアミド基、シリルアミド基、ホスフィノアミド基、及びホスフィド基を表す。Rは、各々独立して互いに同一でも異なっていても良い。nはZの価数に応じた1〜3の整数を表す。またRは各々が互いに結合して環を形成しても良く、また請求項1に示すシクロペンタジエニル基と結合していても良い。)
  3. 前記環状オレフィン化合物が下記一般式(3)で表される化合物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の環状オレフィン系共重合体の製造方法。
    Figure 2007063409
    (式中、R〜R17は各々独立して互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲンで置換されていてもよい炭化水素基、酸素を含む置換基又は窒素原子を含む置換基を示し、R14〜R17は互いに結合して単環又は多環を形成していてもよく、かつその単環又は多環が二重結合を有していても良い。またR14とR15とでアルキリデン基を形成していても良い。nは0〜2の整数を表す。)
  4. 前記環状オレフィン化合物が、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン及びシクロオクテンからなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1又は2に記載の環状オレフィン系共重合体の製造方法。
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