JP2007057340A - 発振回路及び角速度センサ - Google Patents
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Abstract
【課題】 振動子の特性のばらつきに幅広く対応する安定度にすぐれた発振回路を実現すると共に、この発振回路を用いた高精度の角速度センサを提供する。
【解決手段】 駆動電極3,4を有する水晶振動子2と、この水晶振動子2の駆動電極からの出力電流を交流電圧に変換する電流/電圧変換回路7と、この電流/電圧変換回路7からの交流信号を増幅する利得可変増幅器10と、電流/電圧変換回路7からの交流信号を増幅する利得固定増幅器11と、水晶振動子からの出力電流を一定に制御するAGC回路9とを有し、利得固定増幅器11は、少なくとも2つの利得を切り替える切替回路を設けた発振回路の構成とした。これにより、安定した発振回路を実現出来る。
【選択図】 図1
【解決手段】 駆動電極3,4を有する水晶振動子2と、この水晶振動子2の駆動電極からの出力電流を交流電圧に変換する電流/電圧変換回路7と、この電流/電圧変換回路7からの交流信号を増幅する利得可変増幅器10と、電流/電圧変換回路7からの交流信号を増幅する利得固定増幅器11と、水晶振動子からの出力電流を一定に制御するAGC回路9とを有し、利得固定増幅器11は、少なくとも2つの利得を切り替える切替回路を設けた発振回路の構成とした。これにより、安定した発振回路を実現出来る。
【選択図】 図1
Description
本発明は、特性のばらついた水晶振動子等の圧電振動子を安定に発振させる発振回路と、この発振回路を用いた角速度センサに関する。
従来から圧電振動子等を用いた角速度センサは、カーナビゲーション・システムやロボットの姿勢制御等を行うために不可欠なセンサであり、カーナビゲーション・システムやロボット等の需要が増加するに従って、使用温度範囲が広く高精度の角速度センサが益々要求されている。これらの要求に対応するために、周囲温度が変化しても振動子の振動振幅を一定に制御する自動利得制御回路を備えた角速度センサとしての振動制御装置が開示されている(例えば特許文献1参照)。
以下、従来の技術である特許文献1を図面に基づいて説明する。図10は角速度を検出する従来の振動制御装置のブロック図である。50は振動制御装置であり、内蔵する駆動装置60の出力信号P50は、帰還増幅器51、52の非反転入力端子にそれぞれ接続され、帰還増幅器51、52の反転入力端子は、振動子53に形成される圧電素子53a、53bの一方の電極にそれぞれ接続される。圧電素子53a、53bの他方の電極は、帰還抵抗54aを有する和動増幅器54の反転入力端子に接続されて、その出力端子から圧電素子53a、53bを通過する合成電流と帰還抵抗54aとの積に対応する自励信号P51が出力して駆動装置60の入力端子60aに印加され、振動子53は自励振動される。
図11は駆動装置60の一例の構成を示すものである。この駆動装置60は、自動利得制御回路(以下、AGC回路と略す)61、利得固定増幅器としての非反転増幅器64及び反転増幅器65を有する。AGC回路61は比較器62および振幅制御器63を有し、比較器62は入力端子60aからの自励信号P51を直流化して基準レベルと比較し、その比較結果に応じた比較信号P52を生成して、振幅制御器63に供給する。
振幅制御器63は、入力端子60aからの自励信号P51を入力し、比較器62からの比較信号P52に基づいて自励信号P51の振幅を制御してAGC信号P53を出力する。AGC信号P53は、非反転増幅器64で所定の大きさに増幅された後、反転増幅器65で反転され出力端子60bより出力信号P50として出力される。
このようにして振動子53は駆動装置60によって振幅制御されながら自励振動を継続し、帰還増幅器51、52の反転入力端子には、それぞれの圧電素子53a、53bの等価抵抗等に流れる電流値に対応した電圧が印加されるので、帰還増幅器51、52の帰還抵抗51a、52aには、コリオリの力に対応した電流のみが流れることになる。これにより、帰還増幅器51、52の出力を差動増幅器55で増幅することにより、入力角速度に対応した位相成分を増幅できるので、出力端子56より検出した角速度に応じた信号を出力出来る。
以上の構成により、振動子53の等価抵抗が周囲温度変化によって変動しても、圧電素子53a、53bを通過する合成電流が一定に維持されるように動作するので、振動子53は一定の振幅で自励振動を継続し、この結果、周囲温度変化の影響が少ない角速度検出が可能となる。
しかしながら、振動子53は製品形状のばらつき等によって、等価抵抗値にばらつきが発生するが、その等価抵抗値のばらつき量は振動子53の製造ロットによって様々に変化し、小さなばらつきのロットもあれば、大きくばらついてしまうロットもある。ここで、この振動子53の等価抵抗値のばらつき量が小さい場合は、AGC回路61の動作によって吸収されるが、そのばらつき量が大きいと、AGC回路61の振幅制御器63の増幅率の可変範囲には限界があるので、等価抵抗値のばらつきに対応出来ない状況が発生する。このような場合には、予め振動子53の仕分け作業を行い、等価抵抗値のばらつき量が小さい振動子のみを使用することにして、適さない振動子は廃棄処分となっていた。
しかし、特に振動子が水晶振動子の場合には、形状の僅かなばらつきによって等価抵抗であるクリスタルインピーダンス(以下CI値と略す)が大きくばらつくので、従来技術の構成に適用すると、廃棄処分となる水晶振動子が大量に発生し、水晶振動子の量産効率が著しく低下して水晶振動子の大幅なコストアップという大きな問題が生じる。
また、振幅制御器63の増幅率の可変範囲を最大限に大きくすれば、廃棄処分になる振動子をある程度少なく出来るが、増幅率の可変範囲を大きくすると振幅制御器63の安定性が悪化し、また、ノイズの低減維持が出来なくなってしまうという新たな問題が発生する。
本発明の目的は上記課題を解決し、振動子の特性のばらつきに幅広く対応し安定度にすぐれた発振回路を実現すると共に、この発振回路を用いた高精度の角速度センサを提供することである。
上記課題を解決するために、本発明の発振回路及び角速度センサは、下記記載の構成を採用する。
本発明の発振回路は、駆動電極を有し、この駆動電極に印加される駆動電圧によって励振する圧電振動子と、この圧電振動子の前記駆動電極からの出力電流を交流電圧に変換する電流/電圧変換回路と、この電流/電圧変換回路からの交流信号を増幅し増幅率を可変できる利得可変増幅器と、前記電流/電圧変換回路からの交流信号を増幅し増幅率が固定された利得固定増幅器と、前記駆動電極からの出力電流を整流する整流回路と、前記整流回路から出力される信号と所定の基準信号とを比較し前記整流回路の出力信号の変動に応じて制御電圧を出力する比較回路とを備え、前記比較回路から出力される前記制御電圧に基づいて前記圧電振動子の駆動電極に印加される駆動電圧を制御すると共に、前記圧電振動子からの出力電流を一定に維持して制御する自動利得制御回路と、を有する発振回路であって、前記利得固定増幅器は少なくとも2つの利得を有し、この少なくとも2つの利得を所定の状況に応じて切り替え動作する切替手段を設けたことを特徴とする。
これにより、利得固定増幅器の利得を状況に応じて切り替えることによって、利得可変増幅器の可変範囲を最大限にする必要がなく、ノイズの少ない安定した発振回路を実現出来る。また、利得固定増幅器の利得を切り替えることにより、従来まで廃棄していた圧電振動子も使用することが出来るので、圧電振動子の大量生産、及び、生産効率のアップによるコストダウンを実現出来る。
また、前記切替手段は、抵抗素子とスイッチとを有することを特徴とする。
これにより、スイッチによって抵抗素子を切り替えることで、利得固定増幅器の利得を簡単に、また、確実に切り替えることが出来る。
また、前記切替手段は、コンデンサとスイッチとを有することを特徴とする。
これにより、ICに内蔵されるコンデンサは、相対精度が良く、また、温度特性も優れているので、切替手段を発振回路と共にIC化することが容易であり、高精度で温度特性にも優れた発振回路を実現出来る。
また、前記スイッチは、MOS型トランジスタであることを特徴とする。
これにより、CMOS構造の発振回路のICに、切替手段のスイッチをMOS型トランジスタとして内蔵させることが可能となり、小型で信頼性に優れた発振回路を実現出来る。
また、前記圧電振動子は、水晶振動子であることを特徴とする。
これにより、水晶振動子は、セラミック等を用いた振動子よりもQ値が極めて高く温度特性も良好であるので、安定性に優れた高性能な発振回路を実現出来る。
本発明の角速度センサは、上記記載の発振回路と、圧電振動子に設けた検出電極により前記圧電振動子に生じたコリオリの力による応力を電荷として検出し、前記発振回路の電流/電圧変換回路からの交流信号、または前記圧電振動子の駆動電極に印加される駆動電圧で同期検波して、角速度に応じた検出信号を出力する検出回路と、を備えたことを特徴とする。
これにより、発振回路の圧電振動子に設けた検出電極によって圧電振動子に生じるコリオリの力を検出し、効率良く同期検波するので、安定性に優れた高精度の角速度センサを実現することが出来る。
上記の如く本発明の発振回路は、利得固定増幅器の利得を状況に応じて切り替えるので、利得可変増幅器の可変範囲を最大限にする必要がなく、安定した発振回路を実現出来る。また、利得固定増幅器の利得を切り替えることにより、圧電振動子のばらつきに幅広く対応出来るので、従来まで廃棄していた圧電振動子も使用することが可能となり、圧電振動子の大量生産、及び、生産効率のアップによるコストダウンを実現出来る。
以下図面により本発明の実施の形態を詳述する。図1は本発明の発振回路の概略を示すブロック図である。図2は本発明の発振回路の水晶振動子の電極構造を示す断面図である。図3は本発明の発振回路の利得可変増幅器の増幅率特性を説明するグラフである。図4は本発明の発振回路を構成する利得固定増幅器の抵抗とスイッチを用いた一例を示す回路図である。図5(a)は本発明の発振回路の利得固定増幅器の切替動作範囲の一例を示す表である。図5(b)は従来の利得固定増幅器の動作範囲の一例を示す表である。
図6は本発明の発振回路を構成する利得固定増幅器の抵抗とスイッチを用いた他の例を示す回路図である。図7は本発明の発振回路を構成する利得固定増幅器のコンデンサとスイッチを用いた一例を示す回路図である。図8は本発明の発振回路を構成する利得固定増幅器のコンデンサとスイッチを用いた他の例を示す回路図である。図9は本発明の角速度
センサの概略を示すブロック図である。
センサの概略を示すブロック図である。
本発明の発振回路の構成を図1に基づいて説明する。図1に於いて、1は本発明の発振回路である。2は圧電振動子としての水晶振動子であり、対となる駆動電極3、4を備えている。7は電流電圧変換回路(以下、I/V変換回路と略す)であり、水晶振動子2の一方の駆動電極4からの流れ出す出力電流Ioutを入力して交流信号V1を出力する。
8はローパスフィルタ(以下、LPFと略す)であり、交流信号V1を入力してフィルタ出力信号V2を出力する。9は自動利得制御回路(以下、AGC回路と略す)であり、整流回路9a、基準信号源9b、比較回路9cによって構成される。整流回路9aは交流信号V1を入力して直流信号V3を出力し、比較回路9cは直流信号V3と基準信号源9bの出力である所定の基準信号V4を入力して制御電圧V5を出力する。
10は利得可変増幅器であり、LPF8からのフィルタ出力信号V2を入力し、制御電圧V5に基づいて増幅信号V6を出力する。11は利得固定増幅器であり、増幅器12と利得を切り替える切替手段としての切替回路13によって構成される。増幅器12は利得可変増幅器10からの増幅信号V6を入力し、切替回路13からの切替信号V7に基づいて増幅率を切り替え、駆動電圧Voutを出力し、水晶振動子2の駆動電極3に印加する。
14は不揮発性メモリ等によってなる記憶回路であり、切替制御信号V8を出力して切替回路13に入力する。尚、切替制御信号V8は、発振回路の仕様に応じて1ビットでも2ビット以上の複数ビットでも良い。15はオールパスフィルタ回路によって成る位相回路であり、I/V変換回路7の出力電圧である交流信号V1を入力して位相調整を行い、検波制御信号V9を出力する。尚、位相回路15は駆動電圧Voutを入力しても良い。
次に、水晶振動子2の電極構造の一例を図2の断面図に基づいて説明する。図2に於いて、水晶振動子2は共振周波数が数十KHzの振動子であり、二つの駆動用枝2a、2bと一つの検出用枝2cの3本の枝を有する三又振動子である。駆動用枝2a、2bには対となる駆動電極3、4が形成されており、駆動電極3は、駆動用枝2aの対向する2面に形成される駆動電極3a、3bと、駆動用枝2bの対抗する2面に形成される駆動電極3c、3dによって成る。
又、駆動電極4は、駆動用枝2aの対向する他の2面に形成される駆動電極4a、4bと、駆動用枝2bの対抗する他の2面に形成される駆動電極4c、4dによって成る。駆動電極3a、3b、3c、3dはそれぞれ電気的に接続されて駆動電極3として外部と接続され、駆動電極4a、4b、4c、4dもそれぞれ電気的に接続されて駆動電極4として外部と接続される。
検出用枝2cには、対となる検出電極5、6が形成されており、検出電極5は、検出用枝2cの対向する面の一部に形成される検出電極5a、5bによって成り、検出電極6も、検出用枝2cの対向する面の一部に形成される検出電極6a、6bによって成る。検出電極5a、5bはそれぞれ電気的に接続されて検出電極5として外部と接続され、また検出電極6a、6bもそれぞれ電気的に接続されて検出電極6として外部と接続される。尚、水晶振動子2の構造は、図2で示すような三又振動子には限定されず、例えば、二又の音叉型振動子でも良い。
次に、本発明の発振回路1の動作を図1と図2に基づいて説明する。水晶振動子2は、駆動電極3に印加される交流の駆動電圧Voutによって励振し、駆動電極4からは交流の出力電流Ioutが流れ出る。I/V変換回路7は、水晶振動子2からの数十KHzの
出力電流Ioutを交流電圧に変換し、交流信号V1として出力する。LPF8は交流信号V1の位相調整をして発振の位相条件を成立させると共に、高周波成分を除去する。
出力電流Ioutを交流電圧に変換し、交流信号V1として出力する。LPF8は交流信号V1の位相調整をして発振の位相条件を成立させると共に、高周波成分を除去する。
AGC回路9の整流回路9aは、交流信号V1の全波整流、または半波整流を行い、交流信号V1の大きさに準じた直流信号V3を出力する。比較回路9cは、直流信号V3と所定の大きさの基準信号V4を比較し、直流信号V3の変動に応じた制御電圧V5を出力する。利得可変増幅器10は、制御電圧V5に基づいて増幅率を例えば、1〜5程度までに可変し、水晶振動子2からの交流信号V1に基づいたフィルタ出力信号V2を可変増幅する。
記憶回路14は、使用する水晶振動子2のCI値に基づいた情報を、例えば発振回路1の製造段階で記憶し、切替制御信号V8として利得固定増幅器11に出力する。利得固定増幅器11の切替回路13は、切替制御信号V8に基づいて内部のスイッチを動作させ、増幅器12の利得を切り替えるために切替信号V7を出力し、増幅器12の利得を少なくても2段階に切り替える。尚、利得固定増幅器11の詳細な構成と動作は後述する。
以上の動作により、水晶振動子2は利得固定増幅器11の出力である駆動電圧Voutによって駆動され、共振周波数に等しい周波数で自励発振が継続される。そして、水晶振動子2が発振を継続すると、図2で示す駆動用枝2a、2bは矢印X方向に振動し、また、検出用枝2cも駆動用枝2a、2bに同期して矢印X方向に振動する。
ここで、温度変化等によって水晶振動子2のCI値が大きくなったとすると、水晶振動子2に流れる出力電流Ioutは減少するので、I/V変換回路7の出力である交流信号V1は小さくなる。これにより、整流回路9aの出力である直流信号V3のレベルが下がり、この直流電圧V3と基準信号V4を比較する比較回路9cの出力である制御電圧V5のレベルが上昇する。この結果、利得可変増幅器10の増幅率が上昇し、その出力である増幅信号V6が大きくなるので駆動電圧Voutも大きくなり、水晶振動子2のCI値の増加を補って、水晶振動子2に流れる出力電流Ioutの減少を防ぎ出力電流Ioutを一定に保つ。
また、同様に温度変化等によって水晶振動子2のCI値が小さくなったとすると、水晶振動子2に流れる出力電流Ioutは増加するので、I/V変換回路7の出力である交流信号V1は大きくなる。これにより、整流回路9aの出力である直流信号V3のレベルが上がり、この直流電圧V3と基準信号V4を比較する比較回路9cの出力である制御電圧V5のレベルが降下する。この結果、利得可変増幅器10の増幅率が低下し、その出力である増幅信号V6が小さくなるので駆動電圧Voutも小さくなり、水晶振動子2のCI値の低下を補って、水晶振動子2に流れる出力電流Ioutの増加を防ぎ出力電流Ioutを一定に保つ。
図3は、利得可変増幅器10の増幅率が制御電圧V5によって可変する増幅率特性を示しており、図3によって、利得可変増幅器10の増幅率が水晶振動子のCI値の変動によって、どのように推移するかの一例を説明する。ここで利得可変増幅器10は、制御電圧V5が0ボルトのとき増幅率は約1倍であり、また、制御電圧V5が最大のVmaxのとき増幅率は約5倍であるとする。
ここで例えば、標準的なCI値の水晶振動子を用いて発振が継続され、そのときの利得可変増幅器10の増幅率がG1(すなわち、約3倍)で発振回路1が安定動作しているとする。このとき、温度変化等で水晶振動子のCI値が増加したとすると、前述した如く、AGC回路9からの制御電圧V5は上昇するので利得可変増幅器10の増幅率はG2(約4倍に近づく)となる。
また、同様に温度変化等で水晶振動子のCI値が低下したとすると、前述した如く、AGC回路9からの制御電圧V5は降下するので利得可変増幅器10の増幅率はG3(約2倍に近づく)となる。このように、温度変化等によって水晶振動子2のCI値が変動しても、AGC回路9によって利得可変増幅回路10の増幅率を可変し、水晶振動子2に流れる出力電流Ioutを一定に保つことが出来るので、水晶振動子2の振動振幅が常に一定となり、安定した発振を継続することが出来る。
尚、利得可変増幅回路10は、前述した如く、1〜5倍程度の範囲で増幅率を可変することが出来るが、増幅率が低い領域や高い領域では、制御電圧V5に対してリニアリティが悪く、また、AGC回路9のロック時間が長くなる、また、ノイズが発生しやすい等の不具合が生じるので、利得可変増幅回路10の増幅率は、図3で示すように2〜4倍程度の増幅率範囲が推奨される動作範囲である。
次に、利得固定増幅器11の詳細な回路構成を図4に基づいて説明する。図4に於いて、増幅器12はプラス入力端子とマイナス入力端子を備えた差動増幅回路12aと、この差動増幅回路12aのマイナス入力端子と出力端子とを結んだ抵抗素子としての帰還抵抗Rf、及び、差動増幅回路12aのマイナス入力端子に一端が接続された抵抗素子としての分割抵抗R1によって構成される。切替回路13は、スイッチとしてのMOS型トランジスタSW1と、このMOS型トランジスタSW1のドレイン端子D1とソース端子S1とを結ぶ抵抗素子としての分割抵抗R2によって構成される。
MOS型トランジスタSW1のドレイン端子D1は、切替信号V7として増幅器12の分割抵抗R1の他端に接続され、MOS型トランジスタSW1のソース端子S1は、回路のGNDに接続され、MOS型トランジスタSW1のゲート端子G1は、記憶回路14からの切替制御信号V8に接続される。また、差動増幅回路12aのプラス入力端子は利得可変増幅器10からの増幅信号V6を入力し、差動増幅回路12aの出力端子は、駆動電圧Voutを出力する。
次に、固定利得増幅器11の動作を説明する。切替制御信号V8は、論理“0”又は論理“1”によって成るデジタル信号であり、例えば、切替制御信号V8が論理“0”のとき、MOS型トランジスタSW1はOFFとなるので、差動増幅回路12aのマイナス入力端子とGND間の抵抗値は、R1+R2となり、増幅器12の利得Gは、図4に示す式1となる。また、切替制御信号V8が論理“1”のとき、MOS型トランジスタSW1はONとなるので分割抵抗R2は電気的にシュート状態となり、差動増幅回路12aのマイナス入力端子とGND間の抵抗値は分割抵抗R1となって、増幅器12の利得Gは、図4に示す式2となる。
ここで一例として、帰還抵抗Rfが40KΩ、分割抵抗R1が10KΩ、分割抵抗R2が30KΩであるとすると、MOS型トランジスタSW1がOFFのときの利得(式1)は2倍となり、MOS型トランジスタSW1がONのときの利得(式2)は5倍となる。
以上の動作により、固定利得増幅器11は切替制御信号V8の論理によって二つの利得を切り替えることが出来る。この固定利得増幅器11の利得を切り替えることによって、水晶振動子2のCI値のばらつきを吸収し、安定した発振回路を実現することが、本発明の主要な目的である。
次に、図5(a)に基づいて、利得固定増幅器11の利得の切り替えと、水晶振動子2のCI値の選択範囲との関係を説明する。ここで、水晶振動子2は、製造段階に於いて個々のCI値を測定し、例えば、CI値が極端に小さい領域の水晶振動子をグループA、C
I値がやや小さい領域の水晶振動子をグループB、CI値がやや大きい領域の水晶振動子をグループC、CI値が極端に大きい領域の水晶振動子をグループDとして、四つのグループに分類する。
I値がやや小さい領域の水晶振動子をグループB、CI値がやや大きい領域の水晶振動子をグループC、CI値が極端に大きい領域の水晶振動子をグループDとして、四つのグループに分類する。
そして、CI値が極端に小さいグループAとCI値が極端に大きいグループDの水晶振動子については、発振回路の動作が不安定で、且つ、ノイズも増加するので破棄するが、CI値がやや小さいグループBの水晶振動子と、CI値がやや大きいグループCの水晶振動子については、利得固定増幅回路11の利得を切り替えることによって対応する。
具体的には、CI値がやや小さいグループBの水晶振動子を発振回路1に用いる場合は、記憶回路14に論理“0”を記憶させて切替制御信号V8が論理“0”となるようにする。これにより、利得固定増幅器11の切替回路13のMOS型トランジスタSW1はOFFとなるので、利得固定増幅器11の利得は小さい利得(例えば2倍)が選択される。
また、CI値がやや大きいグループCの水晶振動子を発振回路1に用いる場合は、記憶回路14に論理“1”を記憶させて切替制御信号V8が論理“1”となるようにする。これにより、利得固定増幅器11の切替回路13のMOS型トランジスタSW1はONとなるので、利得固定増幅器11の利得は大きい利得(例えば5倍)が選択される。
この結果、水晶振動子でグループB、グループCのどちらを採用しても、利得固定増幅器11の利得を切り替えることによってCI値の違いを見かけ上キャンセル出来るので、利得可変増幅器10の増幅率は、図3で示した増幅率G1とほぼ等しい動作点となり、温度変化等によって水晶振動子のCI値が変化しても、利得可変増幅器10の増幅率は推奨動作範囲内に収まり、安定した発振を継続することが出来る。
次に、図5(b)は、従来の利得固定増幅器を使用した場合の水晶振動子のCI値の選択範囲例を説明している。この場合は、利得固定増幅器は利得を切り替えることが出来ないので、水晶振動子のCI値のばらつき範囲が広いと、図3で示した利得可変増幅器10の推奨動作範囲を超えてしまい、発振が不安定になる等の不具合が発生する。このため、水晶振動子はCI値のばらつき範囲が狭い製品しか使用することが出来ず、例えば、図5(b)で示すようにCI値の範囲がグループBだけしか使用することが出来ないので、グループA、C、及びグループDは破棄されなければならず、廃棄処分となる水晶振動子が大量に発生してしまう。
以上のように、本発明の発振回路を採用することにより、利得固定増幅器の利得を使用する水晶振動子のCI値に応じて切り替えるので、温度変化等によってCI値が変動したとしても、利得可変増幅器10の増幅率を推奨動作範囲内で動作させることが可能となり、この結果、水晶振動子2を駆動する出力電流Ioutの値が周囲温度等に影響されず常に一定となるので、水晶振動子2の振動振幅は変動することなく常に安定した発振を持続することが出来る。
また、利得固定増幅器の利得を切り替えることにより、水晶振動子のCI値のばらつきに幅広く対応出来るので、従来まで廃棄していた水晶振動子も使用することが可能となり、水晶振動子の大量生産が容易で、また、生産効率のアップによる水晶振動子のコストダウンを実現出来る。また、切替回路13のスイッチはMOS型トランジスタを用いているので、CMOS構造の発振回路のICに利得固定増幅器11の切替回路13を内蔵させてワンチップICを実現でき、小型で信頼性に優れた発振回路を提供出来る。更に、圧電振動子として、Q値が極めて高い水晶振動子を用いているので、温度特性が良く、安定性に優れた高性能な発振回路を実現することが出来る。
次に、利得固定増幅器の他の実施例を図6に基づいて説明する。図6の利得固定増幅器11は、切替回路13のスイッチとしてのMOS型トランジスタを二個有しており、利得を3段階に切り替えられることが特徴である。尚、図4の利得固定増幅器と同一要素には同一番号を付し重複する説明は一部省略する。
図6に於いて、増幅器12は図4で示した構成と同等であるので説明は省略する。切替回路13は、スイッチとして二つのMOS型トランジスタSW1、SW2を有している。MOS型トランジスタSW1のドレイン端子D1とソース端子S1は抵抗素子としての分割抵抗R3の両端に接続され、ソース端子S1は回路のGNDに接続される。
MOS型トランジスタSW2のドレイン端子D2は分割抵抗R2の一端と増幅器12の分割抵抗R1の一端に接続され、ソース端子S2は回路のGNDに接続される。ここで、ドレイン端子D2と分割抵抗R1の一端とを結ぶラインが切替信号V7として機能する。分割抵抗R2の他端は、MOS型トランジスタSW1のドレイン端子D1に接続される。
この結果、増幅器12の差動増幅回路12aのマイナス入力端子とGNDの間は、分割抵抗R1、R2、R3がシリーズに接続されることになる。尚、MOS型トランジスタSW1、SW2のゲート端子G1、G2は、記憶回路14の出力である2ビット構成の切替制御信号V8a、V8bにそれぞれ接続される。
次に、図6に基づいて他の実施例である利得固定増幅器11の動作を説明する。ここで、二つの切替制御信号V8a、V8bが共に論理“0”のときは、二つのMOS型トランジスタSW1、SW2は共にOFFとなるので、差動増幅回路12aのマイナス入力端子とGND間の抵抗値は、R1+R2+R3となり、増幅器12の利得Gは、図6に示す式3となる。また、切替制御信号V8aが論理“1”、切替制御信号V8bが論理“0”のときは、MOS型トランジスタSW1がON、MOS型トランジスタSW2がOFFとなるので、分割抵抗R3のみがショート状態となって差動増幅回路12aのマイナス入力端子とGND間の抵抗値は、R1+R2となり、増幅器12の利得Gは、図6に示す式4となる。
また、切替制御信号V8bが論理“1”のときは、MOS型トランジスタSW2がONとなるので、分割抵抗R2、R3は共にシュート状態となって差動増幅回路12aのマイナス入力端子とGND間の抵抗値は分割抵抗R1となり、増幅器12の利得Gは、図6に示す式5となる。尚、切替制御信号V8bが論理“1”のときは、切替制御信号V8aは論理“0”または論理“1”のどちらでも良い。
ここで一例として、帰還抵抗Rfが50KΩ、分割抵抗R1とR2が10KΩ、分割抵抗R3が30KΩであるとすると、MOS型トランジスタSW1、SW2が共にOFFのときの利得(式3)は2倍となり、MOS型トランジスタSW1がON、MOS型トランジスタSW2がOFFのときの利得(式4)は3.5倍となり、MOS型トランジスタSW2がONのときの利得(式5)は6倍となる。
以上の動作により、図6で示す利得固定増幅器11は2ビットの切替制御信号V8a、V8bの論理によって三つの利得を切り替えることが出来るので、水晶振動子のCI値のばらつきを更に大きく吸収することが可能であり、廃棄処分となる水晶振動子を更に減らし、水晶振動子の生産効率を一層向上させることが出来る。
次に、利得固定増幅器の他の実施例を図7に基づいて説明する。図7の利得固定増幅器11は、切替手段としての切替回路13がコンデンサとMOS型トランジスタとを組み合わせて利得を切り替えことを特徴としている。尚、図4の利得固定増幅器と同一要素には
同一番号を付し重複する説明は一部省略する。図7に於いて、増幅器12はプラス入力端子とマイナス入力端子を備えた差動増幅回路12aと、この差動増幅回路12aのマイナス入力端子と出力端子とを結んだ帰還コンデンサCf、及び、差動増幅回路12aのマイナス入力端子と回路のGNDとを結んだ分割コンデンサC1によって構成される。
同一番号を付し重複する説明は一部省略する。図7に於いて、増幅器12はプラス入力端子とマイナス入力端子を備えた差動増幅回路12aと、この差動増幅回路12aのマイナス入力端子と出力端子とを結んだ帰還コンデンサCf、及び、差動増幅回路12aのマイナス入力端子と回路のGNDとを結んだ分割コンデンサC1によって構成される。
切替回路13は、スイッチとしてのMOS型トランジスタSW1と、このMOS型トランジスタSW1のドレイン端子D1と差動増幅回路12aのマイナス入力端子とを結ぶ分割コンデンサC2によって構成される。この分割コンデンサC2と差動増幅回路12aのマイナス入力端子とを結ぶラインが切替信号V7として機能する。また、MOS型トランジスタSW1のソース端子S1は回路のGNDに接続され、MOS型トランジスタSW1のゲート端子G1は、記憶回路14からの切替制御信号V8に接続される。
次に、図7に基づいて他の実施例である利得固定増幅器11の動作を説明する。切替制御信号V8が論理“0”のとき、MOS型トランジスタSW1はOFFとなるので、差動増幅回路12aのマイナス入力端子とGND間の容量値は分割コンデンサC1のみとなり、増幅器12の利得Gは図7に示す式6となる。また、切替制御信号V8が論理“1”のとき、MOS型トランジスタSW1はONとなるので、差動増幅回路12aのマイナス入力端子とGND間の容量値は分割コンデンサC1+C2となり、増幅器12の利得Gは図7に示す式7となる。
ここで一例として、帰還コンデンサCfが100pF、分割コンデンサC1が100pF、分割コンデンサC2が300pFであるとすると、MOS型トランジスタSW1がOFFのときの利得(式6)は2倍となり、MOS型トランジスタSW1がONのときの利得(式7)は5倍となる。
以上の動作により、利得固定増幅器11は切替制御信号V8の論理によって二つの利得を切り替えることが出来るので、図4で示した利得固定増幅器11と同様に水晶振動子のCI値のばらつきを吸収し、安定した発振回路を実現すること出来る。また、ICに内蔵されるコンデンサは、相対精度が良く、また、温度特性も優れているので、利得の精度が高く温度特性に優れた固定利得増幅器を発振回路に内蔵してIC化することが容易に実現出来る。
次に、利得固定増幅器の他の実施例を図8に基づいて説明する。図8の利得固定増幅器11は、切替回路が二つのコンデンサと二つのMOS型トランジスタを有しており、利得を3段階に切り替えられることが特徴である。尚、図7の利得固定増幅器と同一要素には同一番号を付し重複する説明は一部省略する。図8に於いて、増幅器12は図7で示した構成と同等であるので説明は省略する。
切替回路13は、スイッチとしてのMOS型トランジスタSW1、SW2と、MOS型トランジスタSW1のドレイン端子D1と差動増幅回路12aのマイナス入力端子とを結ぶ分割コンデンサC2と、MOS型トランジスタSW2のドレイン端子D2と差動増幅回路12aのマイナス入力端子とを結ぶ分割コンデンサC3とによって構成される。この分割コンデンサC2、C3と差動増幅回路12aのマイナス入力端子とを結ぶ二つのラインが切替信号V7として機能する。
また、MOS型トランジスタSW1、SW2のそれぞれのソース端子S1、S2は回路のGNDに接続され、MOS型トランジスタSW1、SW2のゲート端子G1、G2は、記憶回路14からの出力である2ビット構成の切替制御信号V8a、V8bにそれぞれ接続される。
次に、図8に基づいて他の実施例である固定利得増幅器11の動作を説明する。ここで、二つの切替制御信号V8a、V8bが共に論理“0”のときは、二つのMOS型トランジスタSW1、SW2は共にOFFとなるので、差動増幅回路12aのマイナス入力端子とGND間の容量値は分割コンデンサC1のみとなり、増幅器12の利得Gは図8に示す式8となる。また、切替制御信号V8aが論理“1”、切替制御信号V8bが論理“0”のときは、MOS型トランジスタSW1はON、MOS型トランジスタSW2はOFFとなるので、差動増幅回路12aのマイナス入力端子とGND間の容量値は分割コンデンサC1+C2となり、増幅器12の利得Gは図8に示す式9となる。
また、切替制御信号V8a、V8bが共に論理“1”のときは、MOS型トランジスタSW1、SW2は共にONとなるので、差動増幅回路12aのマイナス入力端子とGND間の容量値は分割コンデンサC1+C2+C3となり、増幅器12の利得Gは図8に示す式10となる。
ここで一例として、帰還コンデンサCfが100pF、分割コンデンサC1が100pF、分割コンデンサC2が150pF、分割コンデンサC3が250pFであるとすると、MOS型トランジスタSW1、SW2が共にOFFのときの利得(式8)は2倍となり、MOS型トランジスタSW1がON、MOS型トランジスタSW2がOFFのときの利得(式9)は3.5倍となり、MOS型トランジスタSW1、SW2が共にONのときの利得(式10)は6倍となる。
以上の動作により、図8で示す利得固定増幅器11は2ビットの切替制御信号V8a、V8bの論理によって三つの利得を切り替えることが出来るので、図6で示した抵抗の切り替えによる利得固定増幅器11と同様に、水晶振動子のCI値のばらつきを更に大きく吸収することが可能であり、廃棄処分となる水晶振動子を更に減らし、水晶振動子の生産効率を一層向上させることが出来る。
尚、図4、図6、図7、図8で示した切替回路13のMOS型トランジスタSW1、SW2は、電気的なスイッチであればどのような形態でも良く、例えば、バイポーラトランジスタや機械式スイッチ、またはプリント基板のパターンカット等でも良い。また、スイッチの数、及び分割抵抗や分割コンデンサの数は、発振回路の仕様によって任意に増減して良い。また、切替制御信号V8を出力する記憶回路14も不揮発性メモリ等に限定されず、論理を記憶するものであれば、どのようなものを用いても良い。
次に、本発明の発振回路を用いた角速度センサについて図9に基づいて説明する。20は本発明の角速度センサであり、発振回路1と、水晶振動子2の検出電極5、6からコリオリの力を検出する検出回路30とによって構成される。発振回路1の構成及び動作は前述したので省略し、検出回路30の構成と動作について以下説明する。
図9に於いて、31と32は二つのI/V変換回路であり、それぞれ水晶振動子2の検出電極5、6に接続され、検出電流I1、I2を入力して、検出電圧V10、V11を出力する。33は差動増幅回路であり、I/V変換回路31、32からの検出電圧V10、V11を入力して差動出力V12を出力する。34は同期検波回路であり、差動出力V12を入力して、発振回路1からの検波制御信号V9に基づいて同期検波を行い、検波出力V13を出力する。35はLPFであり、検波出力V13を入力して角速度検出信号V14を出力する。
次に、角速度センサ20の角速度検出動作を図2と図9に基づいて説明する。ここで、前述した如く、水晶振動子2は、発振回路1によって一定振幅で発振が継続されているが、このとき、水晶振動子2が角速度ωで回転されたとすると、図2で示すX方向の振動に
対して直角なZ方向に角速度ωに比例したコリオリの力Fが働く。
対して直角なZ方向に角速度ωに比例したコリオリの力Fが働く。
このコリオリの力Fは、F=2・m・ω・Vで表され、mは駆動用枝2a、2b、または検出用枝2cの等価質量であり、Vは共振周波数f0(Hz)で振動する速度である。このコリオリの力Fによる応力によって水晶振動子2は、図2で示すZ方向に共振周波数に等しい周波数で振動が励起され、この振動によって検出用枝2cに形成された検出電極5、6に圧電歪効果による電荷が発生する。
この発生した電荷により、検出電極5、6に微小な逆相の電流である検出電流I1、I2が流れる。検出回路30のI/V変換回路31、32は、この検出電流I1、I2をそれぞれ電流電圧変換して検出電圧V10、V11を出力し、差動増幅器33は、検出電圧V10、V11の差分を増幅して差動出力V12を出力する。同期検波回路34は、差動出力V12を入力して発振回路1から出力される検波制御信号V9のタイミングに合わせて効率良く同期検波を行い、直流に変換された検波出力V13を出力する。LPF35は、検波出力V13の交流成分をカットし、角速度に応じた直流電圧である角速度検出信号V14を出力する。
ここで、角速度検出信号V14の検出精度を高めるには、前述したコリオリの力Fは水晶振動子の振動速度Vに依存するので、振動速度Vを安定化させることが極めて重要である。このため、本発明の発振回路1は、利得固定増幅器11の利得を使用する水晶振動子のCI値に応じて切り替えることにより、温度変化等によってCI値が変動したとしても、利得可変増幅器10の増幅率を推奨動作範囲内で動作させることが出来るので、水晶振動子2に流れる出力電流Ioutを常に一定に保つことが出来る。
この結果、水晶振動子2の振動振幅が常に一定となり、安定した振動速度Vを実現することが出来る。これにより、本発明の発振回路を用いた角速度センサは、極めて安定性に優れた高精度の角速度を検出することが出来る。尚、本発明の実施例で示した各ブロック図や回路図等は限定されるものではなく、機能を満たすものであれば任意に変更して良い。
1 発振回路
2 水晶振動子
2a、2b 駆動用枝
2c 検出用枝
3、4 駆動電極
5、6 検出電極
7、31、32 I/V変換回路
8、35 LPF
9、61 AGC回路
9a 整流回路
9b 基準信号源
9c 比較回路
10 利得可変増幅器
11 利得固定増幅器
12 増幅器
12a、33 差動増幅回路
13 切替回路
14 記憶回路
15 位相回路
20 角速度センサ
30 検出回路
34 同期検波回路
50 振幅制御装置
51、52 帰還増幅器
53 振動子
54 和動増幅器
55 差動増幅器
60 駆動装置
62 比較器
63 振幅制御器
64 非反転増幅器
65 反転増幅器
Rf 帰還抵抗
R1、R2、R3 分割抵抗
Cf 帰還コンデンサ
C1、C2、C3 分割コンデンサ
SW1、SW2 MOS型トランジスタ
Iout 出力電流
I1、I2 検出電流
V1 交流信号
V2 フィルタ出力信号
V3 直流信号
V4 基準信号
V5 制御電圧
V6 増幅信号
V7 切替信号
V8 切替制御信号
V9 検波制御信号
V10、V11 検出電圧
V12 差動出力
V13 検波出力
V14 角速度検出信号
Vout 駆動電圧
2 水晶振動子
2a、2b 駆動用枝
2c 検出用枝
3、4 駆動電極
5、6 検出電極
7、31、32 I/V変換回路
8、35 LPF
9、61 AGC回路
9a 整流回路
9b 基準信号源
9c 比較回路
10 利得可変増幅器
11 利得固定増幅器
12 増幅器
12a、33 差動増幅回路
13 切替回路
14 記憶回路
15 位相回路
20 角速度センサ
30 検出回路
34 同期検波回路
50 振幅制御装置
51、52 帰還増幅器
53 振動子
54 和動増幅器
55 差動増幅器
60 駆動装置
62 比較器
63 振幅制御器
64 非反転増幅器
65 反転増幅器
Rf 帰還抵抗
R1、R2、R3 分割抵抗
Cf 帰還コンデンサ
C1、C2、C3 分割コンデンサ
SW1、SW2 MOS型トランジスタ
Iout 出力電流
I1、I2 検出電流
V1 交流信号
V2 フィルタ出力信号
V3 直流信号
V4 基準信号
V5 制御電圧
V6 増幅信号
V7 切替信号
V8 切替制御信号
V9 検波制御信号
V10、V11 検出電圧
V12 差動出力
V13 検波出力
V14 角速度検出信号
Vout 駆動電圧
Claims (6)
- 駆動電極を有し、この駆動電極に印加される駆動電圧によって励振する圧電振動子と、
この圧電振動子の前記駆動電極からの出力電流を交流電圧に変換する電流/電圧変換回路と、
この電流/電圧変換回路からの交流信号を増幅し増幅率を可変できる利得可変増幅器と、
前記電流/電圧変換回路からの交流信号を増幅し増幅率が固定された利得固定増幅器と、
前記駆動電極からの出力電流を整流する整流回路と、前記整流回路から出力される信号と所定の基準信号とを比較し前記整流回路の出力信号の変動に応じて制御電圧を出力する比較回路とを備え、前記比較回路から出力される前記制御電圧に基づいて前記圧電振動子の駆動電極に印加される駆動電圧を制御すると共に、前記圧電振動子からの出力電流を一定に維持して制御する自動利得制御回路と、
を有する発振回路であって、
前記利得固定増幅器は少なくとも2つの利得を有し、この少なくとも2つの利得を所定の状況に応じて切り替え動作する切替手段を設けたことを特徴とする発振回路。 - 前記切替手段は、抵抗素子とスイッチとを有することを特徴とする請求項1に記載の発振回路。
- 前記切替手段は、コンデンサとスイッチとを有することを特徴とする請求項1に記載の発振回路。
- 前記スイッチは、MOS型トランジスタであることを特徴とする請求項2または3に記載の発振回路。
- 前記圧電振動子は、水晶振動子であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の発振回路。
- 上記請求項1から5のいずれか一項に記載された発振回路と、
圧電振動子に設けた検出電極により前記圧電振動子に生じたコリオリの力による応力を電荷として検出し、前記発振回路の電流/電圧変換回路からの交流信号、または前記圧電振動子の駆動電極に印加される駆動電圧で同期検波して、角速度に応じた検出信号を出力する検出回路と、
を備えたことを特徴とする角速度センサ。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2005242031A JP2007057340A (ja) | 2005-08-24 | 2005-08-24 | 発振回路及び角速度センサ |
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JP2005242031A JP2007057340A (ja) | 2005-08-24 | 2005-08-24 | 発振回路及び角速度センサ |
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-
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- 2005-08-24 JP JP2005242031A patent/JP2007057340A/ja active Pending
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