JP2007056917A - 電動式ディスクブレーキ - Google Patents
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Abstract
【課題】 ハーネスの張力によるパッドとディスクロータとの接触を防止しつつ現実的に車両へ搭載可能な電動式ディスクブレーキを提供する。
【解決手段】 電動モータ3は、アクスル8に対し車輪軸方向で位置不変に固定され、電動モータ3の回転軸の回転運動を車輪軸方向の直線運動へ変換し、インナパッド1aをディスクロータ2に対し強制変位させる第1運動変換手段(ピストン13とボールねじ機構17)と、アクスル8に対し車輪軸方向で相対変位可能であり、アウタパッド1bをディスクロータ2に対し変位させるブリッジ6と、電動モータ3の回転軸の回転運動を車輪軸方向の直線運動へ変換し、アウタパッド1bをディスクロータ2に対し強制変位させる方向へブリッジ6を変位させる第2運動変換手段(ボールベアリング15e,15fとボールねじ機構17)と、を備える。
【選択図】 図1
【解決手段】 電動モータ3は、アクスル8に対し車輪軸方向で位置不変に固定され、電動モータ3の回転軸の回転運動を車輪軸方向の直線運動へ変換し、インナパッド1aをディスクロータ2に対し強制変位させる第1運動変換手段(ピストン13とボールねじ機構17)と、アクスル8に対し車輪軸方向で相対変位可能であり、アウタパッド1bをディスクロータ2に対し変位させるブリッジ6と、電動モータ3の回転軸の回転運動を車輪軸方向の直線運動へ変換し、アウタパッド1bをディスクロータ2に対し強制変位させる方向へブリッジ6を変位させる第2運動変換手段(ボールベアリング15e,15fとボールねじ機構17)と、を備える。
【選択図】 図1
Description
本発明は、インナパッドとアウタパッドでディスクロータを挟持し、車輪に制動力を付与する電動式ディスクブレーキの技術分野に属する。
従来の電動式ディスクブレーキは、油圧式ディスクブレーキのフィスト式と呼ばれるインナ側のみに油圧ピストンがあるものをベースに油圧でピストンを押圧させる代わりに、電動モータの回転量に応じてピストンを移動させ、インナパッドをディスクロータに押し付けるとともに、押し付け反力によりピストンをインナパッドの移動方向と反対方向に移動させ、アウタパッドをディスクロータに押し付けている。
電動モータと車体側(例えば、アクスル)との間には、車体側から電動モータへ電源や制御信号等を供給するハーネスが設けられている。また、自動車の制動力は自家用車でも1〜2トンの重量があるものを停止させるだけの力が必要なので、かなり大きな力が必要となり、電動モータの力を減速器で増力するものの、電動モータはかなりの電流が必要となる。またハーネスの電気抵抗が大きいと、その抵抗の分、エネルギーは熱となって損失してしまうため、ハーネスは、一般家電などに比して、かなり大径のものが用いられることになる(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−55093号公報
ところで、油圧式の場合は、フィスト式であってもキャリパと車体側との間で油圧を伝達するブレーキホースは材質がゴムである上、ホースの中に入るものは液体のため、ホースによるキャリパへの張力は弱く、これによりキャリパが動いてパッドがロータと接触することはない。
しかしながら、上記従来技術にあっては、電動モータがシリンダと一体に移動するフローティング型ディスクブレーキであるため、サスペンション摺動時では、車体のハーネス固定端が絶えず上下動し、またブレーキパッドの摩耗が進むと、ピストンのイニシャル位置が変化して、硬いハーネスの張力に伴い、電動モータにハーネスの反力が入力される。これにより、車体と電動モータ(キャリパ)との相対位置が変化し、電動モータでパッドの押し付け力を発生させていないにもかかわらず、パッドが動いてディスクロータと接触し、引きずりが発生するという問題があった。
また、油圧式の場合は、フィスト式以外に対向ピストン式があり、このタイプでは、キャリパ本体は車体側に対しピストン軸方向に動く部分がないので、前述のようなパッドとロータとの接触は発生しない。ところが、電動式ディスクブレーキにこの対向ピストン式を適用しようとしても、電動式の場合はピストンに電動モータが取り付くため、インナキャリパ側、アウタキャリパ側の両方にモータを設けた場合、アウタ側がタイヤホイールと干渉するため成立しない。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、その目的とするところは、ハーネスの張力によるパッドとディスクロータとの接触を防止しつつ現実的に車両へ搭載可能な電動式ディスクブレーキを提供することにある。
上述の目的を達成するため、本発明では、
電動モータの駆動力により対向配置されたインナパッドとアウタパッドとをディスクロータへ押し付け車輪を制動する電動式ディスクブレーキにおいて、
前記電動モータは、車体側部材に対し車輪軸方向で位置不変に固定され、
前記電動モータの回転軸の回転運動を車輪軸方向の直線運動へ変換し、前記インナパッドを前記ディスクロータに対し強制変位させる第1運動変換手段と、
前記車体側部材に対し車輪軸方向で相対変位可能であり、前記アウタパッドを前記ディスクロータに対し変位させるブリッジ部と、
前記電動モータの回転軸の回転運動を車輪軸方向の直線運動へ変換し、前記アウタパッドを前記ディスクロータに対し強制変位させる方向へ前記ブリッジ部を変位させる第2運動変換手段と、
を備えることを特徴とする。
電動モータの駆動力により対向配置されたインナパッドとアウタパッドとをディスクロータへ押し付け車輪を制動する電動式ディスクブレーキにおいて、
前記電動モータは、車体側部材に対し車輪軸方向で位置不変に固定され、
前記電動モータの回転軸の回転運動を車輪軸方向の直線運動へ変換し、前記インナパッドを前記ディスクロータに対し強制変位させる第1運動変換手段と、
前記車体側部材に対し車輪軸方向で相対変位可能であり、前記アウタパッドを前記ディスクロータに対し変位させるブリッジ部と、
前記電動モータの回転軸の回転運動を車輪軸方向の直線運動へ変換し、前記アウタパッドを前記ディスクロータに対し強制変位させる方向へ前記ブリッジ部を変位させる第2運動変換手段と、
を備えることを特徴とする。
よって、本発明にあっては、電動モータを車体側部材に対し車輪軸方向で位置不変に固定したため、電動モータへハーネスの反力が入力された場合でも、車体と電動モータとの相対位置は変化せず、パッドがディスクロータと接触するのを防止できる。また、モータ回転軸の回転運動をインナパッドとアウタパッドの直線運動にそれぞれ強制変換させる第1運動変換手段と第2運動変換手段を備えるため、車体側部材に固定された1つの電動モータのみを用いて、2つのパッドでディスクロータを挟む電動式ディスクブレーキを実現できる。この結果、ハーネスの張力によるパッドとディスクロータとの接触を防止しつつ現実的に車両へ搭載可能な電動式ディスクブレーキを提供できる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、実施例1,2に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
図1は実施例1の電動式ディスクブレーキAの下面図、図2は電動式ディスクブレーキAの平面図、図3は電動式ディスクブレーキAの右側面図、図4は電動式ディスクブレーキAの左側面図、図5は電動式ディスクブレーキAの正面図、図6は電動式ディスクブレーキAの背面図である。
図1は実施例1の電動式ディスクブレーキAの下面図、図2は電動式ディスクブレーキAの平面図、図3は電動式ディスクブレーキAの右側面図、図4は電動式ディスクブレーキAの左側面図、図5は電動式ディスクブレーキAの正面図、図6は電動式ディスクブレーキAの背面図である。
実施例1の電動式ディスクブレーキAは、対向配置されたインナパッド1aとアウタパッド1bでディスクロータ2を挟持し、車輪に制動力を付与するもので、電動モータ3と、リニア駆動変換機4と、トルクメンバ5と、ブリッジ(ブリッジ部)6と、を備えている。
電動モータ(以下、モータ)3は、車体側部材であるアクスル8に対し、車輪軸方向で位置不変に固定されている。モータ3は、車両の電源供給源とブレーキ制御信号を発生する図外のECUとを結ぶハーネス7と接続されている。ハーネス7は、車両に設置されたバッテリからモータ3へ駆動電源を供給する部分と、ブレーキ操作量を検知し、モータ3の制御量を通信する制御信号線からなる部分とから構成されている。
リニア駆動変換機4は、モータ3の回転軸の回転運動を車輪軸方向の直線運動へ変換し、インナパッド1aをディスクロータ2に対し強制変位させるとともに、モータ3の回転軸の回転運動を車輪軸方向の直線運動へ変換し、アウタパッド1bをディスクロータ2に対し強制変位させる方向へブリッジ6を変位させる。
トルクメンバ5は、電動式ディスクブレーキAを車体側に固定するためのもので、アクスルフィッティングボルト5aにより、アクスル8にボルト締結されている。
ブリッジ6は、アウタパッド1bをディスクロータ2に対し変位させるもので、アウタパッド1bを支持し、トルクメンバ5に対し、車輪軸方向へ相対移動可能に支持されている。このブリッジ6の背面側および左右側面には、放熱フィン9が設けられている。この放熱フィン9は、走行時に発生する空気の流れに沿って配置されている。また、ブリッジ6には、インナパッド1a、アウタパッド1bおよびブリッジ6の車輪軸方向周りの回転を規制するとともに、車輪軸方向移動をガイドするパッドスライドガイド21が設けられている。
次に、電動式ディスクブレーキAの内部構造を説明する。
トルクメンバ5の背面には、ハーネス7が固定されたECUカバー10aが設けらている。ハーネス7は、ECUカバー10aと複数のECUカバースクリュ10bによって固定関係にあるECUハウジング10cに内蔵されたECU10に接続されている。
トルクメンバ5の背面には、ハーネス7が固定されたECUカバー10aが設けらている。ハーネス7は、ECUカバー10aと複数のECUカバースクリュ10bによって固定関係にあるECUハウジング10cに内蔵されたECU10に接続されている。
ECU10は、モータ3の駆動力源を供給する電源供給信号をモータ3に供給する。モータ3は、トルクメンバ5に固定されたモータカバー3aと、このモータカバー3a内に固定されたモータステータ3bと、モータロータ3cとを備えている。ECU10は、モータステータ3bに接続されている。モータロータ3cの出力は、モータロータ3cと一体に設けられたメインシャフト14へ伝達される。
また、ECU10は、レゾルバ11の出力信号を受信する。レゾルバ11は、ECUハウジング10cに固定されたレゾルバステータ11aと、後述するメインシャフト14と一体に回転するレゾルバロータ11bとから構成されている。
メインシャフト14は、モータカバー3aおよびECUハウジング10cに対し、ボールベアリング15a,15bを介して回動自在に支持されている。メインシャフト14の出力は、遊星ギア12へ伝達される。なお、メインシャフト14のECU10側端部には、溝14aが形成され、この溝14aに面して、ソレノイドによって駆動するラッチ機構20が設定されている。このラッチ機構20は、例えば、駐車時のように連続的に押し付け力を発生させる場合に作動させ、メインシャフト14の回転を固定することにより、モータ3が通電していない場合でも、モータ3による回転駆動力の保持を行うためのものである。
遊星ギア12は、メインシャフト14の出力を減速してインプットギア16へ出力し、トルクメンバ5に固定されたリングギア121と、メインシャフト14の回転に応じてリングギア121と噛み合いながら回転するピニオン122とを備えている。ピニオン122は、リングギア121と噛み合う第1ギア段122aと、インプットギア16と噛み合う第2ギア段122bとを有している。インプットギア16は、トルクメンバ5とボールベアリング15c,15dを介して回動自在に支持され、遊星ギア12の出力をリニア駆動変換機4へ伝達する。
リニア駆動変換機4は、ピストン(ピストン部材)13と、ボールベアリング(回転摺動部)15e,15fと、ボールねじ機構(ピストン運動変換機構およびブリッジ部運動変換機構)17と、から構成されている。ピストン13とボールねじ機構17により、電動モータ3の回転軸の回転運動を車輪軸方向の直線運動へ変換し、インナパッド1aをディスクロータ2に対し強制変位させる第1運動変換手段が構成される。また、ボールベアリング15e,15fとボールねじ機構17により、電動モータ3の回転軸の回転運動を車輪軸方向の直線運動へ変換し、アウタパッド1bをディスクロータ2に対し強制変位させる方向へブリッジ6を変位させる第2運動変換手段が構成される。
ボールねじ機構17は、ボールねじナット17aと、ボール17bと、ボールねじスクリュ17cとを備えている。ボールねじナット17aは、ボールベアリング(軸受部材)15e,15fを介してブリッジ6に支持され、互いに相対回転可能、かつ、車輪軸方向へ相対移動不能に連結されている。また、ボールねじナット17aは、インプットギア16とスプライン結合され、インプットギア16に対し車輪軸方向へ相対移動可能、かつ一体に回転可能に連結されている。
ピストン13は、インナパッド1aと一体に設けられ、外周のモータ3寄りの位置にボールねじスクリュ17c、インナパッド1a寄りの位置に摺接部13aが形成されている。摺接部13aは、ボールねじスクリュ17cの外径よりも大径に設定され、ピストン13の直線移動時、ブリッジ6の内周に形成されたシリンダ面6aを摺動する。また、摺接部13aとボールベアリング15eとの間には、ボールベアリング15eがピストン13aと接触するのを回避するための空隙が設定されており、制動時に高温となるピストン13からボールベアリング15eへ直接熱量が伝達されるのを回避している。
摺接部13aとシリンダ面6aとの間は、ダストの混入および内部の潤滑剤の流出を防止するシール18aが設定されている。また、ピストン13には、制動時、インナパッド1aがブリッジ6から脱落するのを防止するストッパ19が設けられている。
ブリッジ6とトルクメンバ5との間は、ダストの混入および内部の潤滑剤の流出を防止するシール18bが設定されている。このシール18bは、シール18aと摺動抵抗が同一となるように、シールの材質、シール幅および潰し代が設定されている。
次に、作用を説明する。
[制動力発生作用]
ECU10は、ドライバのブレーキ操作量に応じてモータステータ3bに駆動電流を供給する。この電流供給により、モータステータ3bはモータロータ3cとの間に回転駆動力を発生し、モータロータ3cと一体に設けられたメインシャフト14を回転させる。
[制動力発生作用]
ECU10は、ドライバのブレーキ操作量に応じてモータステータ3bに駆動電流を供給する。この電流供給により、モータステータ3bはモータロータ3cとの間に回転駆動力を発生し、モータロータ3cと一体に設けられたメインシャフト14を回転させる。
メインシャフト14の回転は、遊星ギア12により減速された後、インプットギア16からボールねじナット17aに伝達され、ボールねじナット17aが回転する。ここで、ピストン13の動作抵抗(摺動抵抗等)がボールねじナット17aの動作抵抗よりも小さい場合、ボールねじナット17aは車輪軸方向で位置不変のまま回転する。よって、ボールねじナット17aの回転は、ボールねじ機構17によってピストン13の直線運動に変換され、インナパッド1aがディスクロータ2へ押し付けられる。
ピストン13がディスクロータ2から押し付け反力を受け、ピストン13の動作抵抗がボールねじナット17aの動作抵抗よりも大きくなると、ピストン13は直線移動を停止するが、ボールねじナット17aは、インプットギア16に対し車輪軸方向へ相対移動可能に連結されているため、モータ3の駆動力により回転しつつ、車輪軸方向のモータ3側へ向かって直線移動を開始する。そして、ボールねじナット17aの直線運動は、ボールベアリング15fを介してブリッジ6へ伝達され、ブリッジ6と一体に設けられたアウタパッド1bがディスクロータ2へ押し付けられる。
ブリッジ6がディスクロータ2から押し付け反力を受け、ピストン13の動作抵抗がボールねじナット17aの動作抵抗よりも小さくなると、再びピストン13の直線移動によりインナパッド1aがディスクロータ2へ押し付けられる。すなわち、モータ駆動力に応じて上記動作が繰り返され、インナパッド1aとアウタパッド1bによって発生した反力により、最終的にディスクロータ2のロータ摩擦面2a,2bに対して摩擦抵抗力が発生し、車輪に制動力が付与される。この制動力は、ECU10によって検知するモータ出力電流と、レゾルバ11によって検知するモータ回転量に応じて制御される。
上記動作の後、ドライバがブレーキペダルから足を離した場合には、ECU10は、モータ3の回転方向を逆転させる。これにより、ピストン13とボールねじナット17aのうち動作抵抗が小さな方から制動時と反対の車輪軸方向へ直線移動し、最終的にインナパッド1aとアウタパッド1bがディスクロータ2から離間する。
ここで、ディスクロータ2が摩耗し、ピストン13のイニシャル位置が変化した場合には、上記レゾルバ11の回転初期位置とパッド摩耗量による回転量のズレを補正することにより、ピストン13のイニシャル位置を変更する。なお、ピストン13にはストッパ19を設けているため、インナパッド1aの交換時にピストン13がブリッジ6から脱落するのを防止できる。
制動時、ロータ摩擦面2a,2bに発生した摩擦熱は、アウタパッド1bおよびインナパッド1aへ伝達され、アウタパッド1bへ伝達された熱量は、ブリッジ6に設置された放熱フィン9により大気中へ逃がされる。一方、インナパッド1aに伝達された熱量は、ピストン13に伝達されるが、その多くが摺接部13aと接するブリッジ6に伝達され、放熱フィン9により大気中へ逃がされる。
[ハーネスの反力による引きずりの発生]
特開2000−55093号公報には、DCサーボモータのロータの回転をナット部材によりピストンの直線運動に変換し、ブレーキパッドをディスクロータに押圧することにより、制動力を発生させるフローティング型の電動式ディスクブレーキが記載されている。
特開2000−55093号公報には、DCサーボモータのロータの回転をナット部材によりピストンの直線運動に変換し、ブレーキパッドをディスクロータに押圧することにより、制動力を発生させるフローティング型の電動式ディスクブレーキが記載されている。
この電動式ディスクブレーキにおいて、キャリパ本体は、キャリアによってディスクロータの軸方向に沿って移動可能に支持されている。そして、ピストンを前進させ、一方のブレーキパッドをディスクロータの一側の摺動面に押し付けることにより、その反力によってキャリパ本体が移動し、爪部によって他方のブレーキパッドがディスクロータの他側の摺動面に押し付けられ、制動力を発生する。
図7に示すように、電動式ディスクブレーキは、車重1〜2トンの車両を停止させる制動力が必要であるため、電動モータにはかなりの電流が必要となる。またハーネスの電気抵抗が大きいと、その抵抗の分、エネルギーは熱となって損失してしまうため、ハーネスは、一般家電などに比して、かなり大径のものが用いられることになる。
上述したように、フローティング型のディスクキャリパである場合、ハーネスはホイール近傍(アクスル)に配置される電動式ディスクブレーキと車体とを連結するため、サスペンションの摺動により、電動式ディスクブレーキと車両固定端との相対位置が絶えず変化する。また、ブレーキパッドの摩耗時には電動式ディスクブレーキと電動式ディスクブレーキを固定するアクスル間とで移動が生じる。このとき、その移動量に応じてハーネスによる反力が発生し、キャリパ本体をディスクロータ軸方向に移動自由にしているキャリアに沿ってディスクロータに押し付け力を発生させる。
上記の理由から、電動式ディスクブレーキはハーネスから力を受け、ディスクロータとキャリパが接触して引きずりを発生させる。この引きずりがシミー・ジャダーの原因となる。
[引きずり防止作用]
これに対し、実施例1の電動式ディスクブレーキAでは、ハウジング(トルクメンバ5+モータカバー3a+ECUカバー10a)と、そのハウジング部にモータ3と、モータ3を制御するECU10と、車体とECU10とを繋ぐハーネス7の接続部分を、車体側のアクスル8に固定した。
これに対し、実施例1の電動式ディスクブレーキAでは、ハウジング(トルクメンバ5+モータカバー3a+ECUカバー10a)と、そのハウジング部にモータ3と、モータ3を制御するECU10と、車体とECU10とを繋ぐハーネス7の接続部分を、車体側のアクスル8に固定した。
すなわち、サスペンションが摺動することによって発生するハーネス7の反力が、ハウジング(トルクメンバ5+モータカバー3a+ECUカバー10a)に入力された後、アクスル8に入力される構成としたため、ハウジングは車輪軸方向へ移動することが無い。また、ブリッジ6とピストン13をハウジングに対し相対する方向へ移動可能に設置し、インナパッド1a,アウタパッド1bが摩耗した場合であってもハウジングがアクスル8に対して移動する必要が無いため、ハーネス7と車両との接続部分との間の相対位置関係が変化せず、ハーネス7からの反力が入力されることが無い。
また、実施例1では、モータ3の回転力を直線運動に変換し、インナパッド1aおよびアウタパッド1bをディスクロータ2に対し強制変位させるリニア駆動変換機4を設けたため、車体側部材であるアクスル8に固定された1つの電動モータのみを用いて、2つのパッド1a,1bでディスクロータ2を挟む電動式ディスクブレーキを実現できる。
すなわち、従来の電動モータとアウタパッドが一体に設けられたフローティング型ディスクブレーキでは、ドライバがブレーキ操作を止めたとき、制動時と逆方向へ電動モータを駆動することにより、インナパッドを引き側(ディスクロータから離れる方向)へ移動させることができる。ところが、アウタパッドの変位は、インナパッドのディスクロータ押し付け反力に依存するため、インナパッドに押し付け反力が入力されなくなった時点で引き側への移動が停止する。したがって、制動解除後であっても、アウタパッドがディスクロータと接触した状態となり、引きずりが発生するおそれがある。
これに対し、実施例1では、アウタパッド1bを押し側と引き側の両方でディスクロータ2に対し強制変位させることができるため、アウタパッド1bとディスクロータ2の接触による引きずりを防止することができる。
また、実施例1では、ピストン13とブリッジ6との間に設定したシール18aと、ブリッジ6とトルクメンバ5との間に設定したシール18bの摺動抵抗を同一に設定したため、インナパッド1aとアウタパッド1bのどちらか一方に摩擦力が偏ることで、インナパッド1aとアウタパッド1bの位置に偏りが生じ、引きずりが発生するのを回避できる。
[ボールベアリングの耐熱負荷抑制作用]
ディスクブレーキでは、インナパッドを押し引きするピストンはディスクロータとインナパッド,アウタパッドとの間に発生する摩擦熱によって、インナパッド,アウタパッドからの熱伝達を受け高温となる。そのため、ピストンとその推力を受けるベアリング等の軸受部材が近い場合には、ベアリングに対する耐熱性の高いものを選定する必要がある。
ディスクブレーキでは、インナパッドを押し引きするピストンはディスクロータとインナパッド,アウタパッドとの間に発生する摩擦熱によって、インナパッド,アウタパッドからの熱伝達を受け高温となる。そのため、ピストンとその推力を受けるベアリング等の軸受部材が近い場合には、ベアリングに対する耐熱性の高いものを選定する必要がある。
よって、実施例1のように、ボールベアリング15e,15fとピストン13との間に熱容量の大きなボールねじ機構17を介装することにより、ピストン13からボールねじナット17aに伝達される熱量の多くを、ボールねじ機構17から大気中へ逃がすことができ、ボールベアリング15e,15fの耐熱負荷を小さく抑えることができる。
また、実施例1では、ピストン13に、ブリッジ6と摺接する摺接部13aを設け、ボールベアリング15e,15fを、ボールねじナット17aとブリッジ6との間であって、摺接部13aよりもインナパッド1aから離れた位置に、ピストン13に対し接触不能に配置した。これにより、インナパッド1aからピストン13に伝達される熱量の多くを摺接部13aから熱容量の大きなブリッジ6へと逃がすことができるとともに、熱量がピストン13からボールベアリング15e,15fへ直接伝達されるのを回避でき、ボールベアリング15e,15fの耐熱負荷をより小さく抑えることが可能となる。
[ピストンの小型化作用]
インナパッド1aが摩耗すると、ピストン13が突出した状態でブレーキ制動を行ったとき、ピストン13にかかるモーメントをシリンダ面6aで受ける構成となっている場合、シリンダ面6a部分の強度が必要となり、ピストン13およびブリッジ6の肉厚が厚くなる問題がある。実施例1では、ピストン13にかかるモーメントを、インナパッド1aに対しシリンダ面6aよりも遠い位置にあるボールベアリング15fにて受けることが可能となり、ピストン13自身が受け持つモーメント力を低減できるため、ピストン13の小型化を図ることができる。
インナパッド1aが摩耗すると、ピストン13が突出した状態でブレーキ制動を行ったとき、ピストン13にかかるモーメントをシリンダ面6aで受ける構成となっている場合、シリンダ面6a部分の強度が必要となり、ピストン13およびブリッジ6の肉厚が厚くなる問題がある。実施例1では、ピストン13にかかるモーメントを、インナパッド1aに対しシリンダ面6aよりも遠い位置にあるボールベアリング15fにて受けることが可能となり、ピストン13自身が受け持つモーメント力を低減できるため、ピストン13の小型化を図ることができる。
[放熱フィンによる放熱作用]
特開2000−55093号公報に記載の電動式ディスクブレーキでは、ブリッジを介して摩擦熱がベアリングに伝達する構成であるのに対し、実施例1の電動式ディスクブレーキAでは、制動時のディスクロータ2からボールベアリング15e,15fへの熱伝達経路上で、ボールベアリング15e,15fよりも上流側の位置であるブリッジ6に、放熱フィン9を設けている。
特開2000−55093号公報に記載の電動式ディスクブレーキでは、ブリッジを介して摩擦熱がベアリングに伝達する構成であるのに対し、実施例1の電動式ディスクブレーキAでは、制動時のディスクロータ2からボールベアリング15e,15fへの熱伝達経路上で、ボールベアリング15e,15fよりも上流側の位置であるブリッジ6に、放熱フィン9を設けている。
すなわち、ディスクロータ2によって発生した熱は、インナパッド1a,アウタパッド1bを介してブリッジ6とピストン13に伝達する。ピストン13の摺接部13aはブリッジ6と摺動関係にあり、熱伝達を許容するため、放熱フィン9により率先的に熱は放射される。よって、ピストン13からブリッジ6を介してボールベアリング15e,15fに伝達される熱量およびブリッジ6からトルクメンバ5を介してECU10側に伝達される熱量を小さく抑えることができ、ボールベアリング15e,15fおよびECU10の熱負荷を低減することが可能となる。また、実施例1では、放熱フィン9を車両の走行時に発生する空気の流れに沿う方向に設置したため、走行時に走行風が通り抜けやすく、放熱フィン9の放熱効果がより高められる。
次に、効果を説明する。
実施例1の電動式ディスクブレーキにあっては、以下に列挙する効果が得られる。
実施例1の電動式ディスクブレーキにあっては、以下に列挙する効果が得られる。
(1) 電動モータ3の駆動力により対向配置されたインナパッド1aとアウタパッド1bとをディスクロータ2へ押し付け車輪を制動する電動式ディスクブレーキAにおいて、電動モータ3は、アクスル8に対し車輪軸方向で位置不変に固定され、電動モータ3の回転軸の回転運動を車輪軸方向の直線運動へ変換し、インナパッド1aをディスクロータ2に対し強制変位させる第1運動変換手段と、アクスル8に対し車輪軸方向で相対変位可能であり、アウタパッド1bをディスクロータ2に対し変位させるブリッジ6と、電動モータ3の回転軸の回転運動を車輪軸方向の直線運動へ変換し、アウタパッド1bをディスクロータ2に対し強制変位させる方向へブリッジ6を変位させる第2運動変換手段と、を備える。よって、ハーネス7の張力によるパッド1a,1bとディスクロータ2との接触を防止しつつ現実的に車両へ搭載可能な電動式ディスクブレーキを提供できる。
(2) 第1運動変換手段は、電動モータ3の回転軸と一体に回転するとともにモータ回転軸と軸方向に相対移動可能なピストン13と、このピストン13の回転に伴ってピストン13の回転運動を直線運動に変換するボールねじ機構17と、を備え、第2運動変換手段は、ピストン13の直線運動が制限された場合でも、ボールねじナット17aの回転運動を許容する回転摺動部と、ピストン13の直線運動が制限されたとき、電動モータ3の回転軸の回転運動をブリッジ6の車輪軸方向の直線運動へ変換するボールねじ機構17と、を備える。よって、1つの電動モータ3を用いて、インナパッド1aとアウタパッド1bとをディスクロータ2に対し押し側と引き側の両方へ強制変位させる第1および第2運動変換手段を、簡単な構成で実現できる。
(3) 回転摺動部を、ボールベアリング15e,15fとしたため、ブリッジ6に対しボールねじナット17aが回転する際の摺動抵抗を小さく抑えることができる。
(4) ピストン13は、ブリッジ6と摺接する摺接部13aを備え、ボールベアリング15e,15fは、ボールねじナット17aとブリッジ6との間であって、摺接部13aよりもインナパッド1aから離れた位置に、ピストン13に対し接触不能に配置されている。よって、インナパッド1aからピストン13に伝達された熱量の多くを、ブリッジ6と接する摺接部13aから熱容量の大きなブリッジ6へ逃がすことができるとともに、熱量がピストン13からボールベアリング15e,15fへ直接伝達されるのを回避でき、ボールベアリング15e,15fの耐熱負荷を小さく抑えることができる。
(5) ブリッジ6は、制動時のディスクロータ2からボールベアリング15e,15fへの熱伝達経路上でボールベアリング15e,15fよりも上流側の位置に放熱フィン9を備えるため、ボールベアリング15e,15f、モータ3およびECU10の熱負荷を小さく抑えることができる。
(6) 放熱フィン9を、走行時に発生する空気の流れに沿って配置したため、放熱フィン9による熱放射効果をより高めることができる。
まず、構成を説明する。
図8は実施例2の電動式ディスクブレーキBの下面図、図9は電動式ディスクブレーキBの平面図、図10は電動式ディスクブレーキBの右側面図、図11は電動式ディスクブレーキBの左側面図、図12は電動式ディスクブレーキBの正面図、図13は電動式ディスクブレーキBの背面図である。なお、実施例1と同一の構成部分については、同一符号を付して説明を省略する。
図8は実施例2の電動式ディスクブレーキBの下面図、図9は電動式ディスクブレーキBの平面図、図10は電動式ディスクブレーキBの右側面図、図11は電動式ディスクブレーキBの左側面図、図12は電動式ディスクブレーキBの正面図、図13は電動式ディスクブレーキBの背面図である。なお、実施例1と同一の構成部分については、同一符号を付して説明を省略する。
遊星ギア32は、サンギア321と、キャリア322と、リングギア323とから構成される単純遊星歯車で、サンギア321がメインシャフト31の出力と連結され、キャリア322がインプットギア33の入力と連結されている。また、リングギア323は、トルクメンバ5に固定されている。インプットギア33は、トルクメンバ5とボールベアリングを介して回動自在に支持され、遊星ギア32の出力をリニア駆動変換機34へ出力する。
リニア駆動変換機34は、ピストン(ピストン部材)35と、ボールベアリング(回転摺動部)36と、ボールねじ機構(ピストン運動変換機構およびブリッジ部運動変換機構)17と、から構成されている。ピストン35とボールねじ機構17により、電動モータ3の回転軸の回転運動を車輪軸方向の直線運動へ変換し、インナパッド1aをディスクロータ2に対し強制変位させる第1運動変換手段が構成される。また、ボールベアリング36とボールねじ機構17により、電動モータ3の回転軸の回転運動を車輪軸方向の直線運動へ変換し、アウタパッド1bをディスクロータ2に対し強制変位させる方向へブリッジ6を変位させる第2運動変換手段が構成される。
ピストン部35bは、ボールねじスクリュ部35aと、ピストン部35bとから構成されている。ボールねじスクリュ部35aは、インプットギア33とスプライン結合され、互いに軸方向へ相対移動可能、かつ一体に回転可能に連結されている。ボールねじナット17aとブリッジ6との間には、車輪軸方向へ弾性変形可能な皿ばね37が介装されている。
ピストン部35bは、インナパッド1aと一体に設けられ、ボールねじスクリュ部35aとボールベアリング36を介して連結され、両者は、互いに相対回転可能、かつ、軸方向へ相対移動不能に連結されている。このピストン部35bとブリッジ6との間は、シール18aが設定されている。
次に、作用を説明する。
[制動力発生作用]
ECU10は、ドライバのブレーキ操作量に応じてモータステータ3bに駆動電流を供給する。この電流供給により、モータステータ3bはモータロータ3cとの間に回転駆動力を発生し、モータロータ3cと一体に設けられたメインシャフト31を回転させる。
[制動力発生作用]
ECU10は、ドライバのブレーキ操作量に応じてモータステータ3bに駆動電流を供給する。この電流供給により、モータステータ3bはモータロータ3cとの間に回転駆動力を発生し、モータロータ3cと一体に設けられたメインシャフト31を回転させる。
メインシャフト31の回転は、遊星ギア32により減速された後、インプットギア33からボールねじスクリュ部35aに伝達され、ボールねじスクリュ35aが回転する。ここで、ボールねじスクリュ35aの動作抵抗(摺動抵抗)がボールねじナット17aの動作抵抗よりも小さい場合、ボールねじスクリュ35aは車輪軸方向で位置不変のまま回転する。よって、ボールねじスクリュ35aの回転は、ボールねじ機構17によってピストン部35bの直線運動に変換され、インナパッド1aがディスクロータ2へ押し付けられる。
ピストン部35bがディスクロータ2から押し付け反力を受け、ボールねじスクリュ35aの動作抵抗がボールねじナット17aの動作抵抗よりも大きくなると、ボールねじスクリュ35aは直線移動を停止するが、ボールねじスクリュ35aはピストン部35bに対しボールベアリング36によって相対回転可能であるため、モータ3の駆動力により回転し、ボールねじナット17aは、車輪軸方向のモータ3側に向かって直線移動を開始する。そして、ボールねじナット17aの直線運動は、皿ばね37を介してブリッジ6へ伝達され、ブリッジ6と一体に設けられたアウタパッド1bがディスクロータ2へ押し付けられる。
ブリッジ6がディスクロータ2から押し付け反力を受け、ボールねじスクリュ35aの動作抵抗がボールねじナット17aの動作抵抗よりも小さくなると、再びピストン部35bの直線移動によってインナパッド1aがディスクロータ2へ押し付けられる。すなわち、モータ駆動力に応じて上記動作が繰り返され、インナパッド1aとアウタパッド1bによって発生した反力により、最終的にディスクロータ2のロータ摩擦面2a,2bに対して摩擦抵抗力が発生し、車輪に制動力が付与される。
次に、効果を説明する。
実施例2の電動式ディスクブレーキBにあっては、実施例1の効果(1),(2)に加え、以下の効果が得られる。
(7) 回転摺動部を、ボールベアリング36としたため、ボールねじスクリュ部35aに対しボールねじスクリュ部35aが回転する際の抵抗を小さく抑えることができる。
実施例2の電動式ディスクブレーキBにあっては、実施例1の効果(1),(2)に加え、以下の効果が得られる。
(7) 回転摺動部を、ボールベアリング36としたため、ボールねじスクリュ部35aに対しボールねじスクリュ部35aが回転する際の抵抗を小さく抑えることができる。
(他の実施例)
以上、本発明を実施するための最良の形態を、実施例に基づいて説明したが、本発明の具体的な構成は、実施例1,2に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
以上、本発明を実施するための最良の形態を、実施例に基づいて説明したが、本発明の具体的な構成は、実施例1,2に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
例えば、実施例1,2では、電動モータとリニア駆動変換機との間に減速器として遊星ギアを設けた例を示したが、低回転高トルクの電動モータを用い、減速器を省いた構成としても良い。
また、実施例1では、ボールねじナットとブリッジとの間に2つのボールベアリングを設けた例を示したが、スラストベアリングやニードルベアリングを追加し、より大きなスラスト荷重に対応可能な構成としても良い。
実施例2では、ピストンをボールねじスクリュ部とピストン部の2つの部材で構成し、両者間にボールねじスクリュ部の回転を許容する回転摺動部を設けた例を示したが、ピストンを一体に形成し、ピストンとインナパッドとの間に回転摺動部を設けた構成としても良い。
実施例1,2では、制動開始時点で第1運動変換手段の動作抵抗が第2運動変換手段の動作抵抗よりも小さい場合を想定し、制動時の動作を説明したが、第1運動変換手段の動作抵抗よりも第2運動変換手段の動作抵抗の方が小さい場合には、まず第2運動変換手段によりブリッジ部が変位し、ブリッジ部の直線運動が制限されたとき、第1運動変換手段によりピストン部材が変位することとなる。
A 電動式ディスクブレーキ
1a インナパッド
1b アウタパッド
2 ディスクロータ
2a,2b ロータ摩擦面
3 電動モータ
3a モータカバー
3b モータステータ
3c モータロータ
4 リニア駆動変換機
5 トルクメンバ
5a アクスルフィッティングボルト
6 ブリッジ
6a シリンダ面
7 ハーネス
8 アクスル
9 放熱フィン
10a ECUカバー
10b ECUカバースクリュ
10c ECUハウジング
11 レゾルバ
11a レゾルバステータ
11b レゾルバロータ
12 遊星ギア
121 リングギア
122 ピニオン
122a 第1ギア段
122b 第2ギア段
13 ピストン
13a 摺接部
13a ピストン
13a 摺接部
14 メインシャフト
14a 溝
15a,15b,15c,15d,15e,15f ボールベアリング
16 インプットギア
17 ボールねじ機構
17a ボールねじナット
17a カット
17b ボール
17c ボールねじスクリュ
18a,18b シール
19 ストッパ
20 ラッチ機構
21 パッドスライドガイド
31 メインシャフト
32 遊星ギア
33 インプットギア
34 リニア駆動変換機
35 ピストン
35a ボールねじスクリュ部
35b ピストン部
1a インナパッド
1b アウタパッド
2 ディスクロータ
2a,2b ロータ摩擦面
3 電動モータ
3a モータカバー
3b モータステータ
3c モータロータ
4 リニア駆動変換機
5 トルクメンバ
5a アクスルフィッティングボルト
6 ブリッジ
6a シリンダ面
7 ハーネス
8 アクスル
9 放熱フィン
10a ECUカバー
10b ECUカバースクリュ
10c ECUハウジング
11 レゾルバ
11a レゾルバステータ
11b レゾルバロータ
12 遊星ギア
121 リングギア
122 ピニオン
122a 第1ギア段
122b 第2ギア段
13 ピストン
13a 摺接部
13a ピストン
13a 摺接部
14 メインシャフト
14a 溝
15a,15b,15c,15d,15e,15f ボールベアリング
16 インプットギア
17 ボールねじ機構
17a ボールねじナット
17a カット
17b ボール
17c ボールねじスクリュ
18a,18b シール
19 ストッパ
20 ラッチ機構
21 パッドスライドガイド
31 メインシャフト
32 遊星ギア
33 インプットギア
34 リニア駆動変換機
35 ピストン
35a ボールねじスクリュ部
35b ピストン部
Claims (6)
- 電動モータの駆動力により対向配置されたインナパッドとアウタパッドとをディスクロータへ押し付け車輪を制動する電動式ディスクブレーキにおいて、
前記電動モータは、車体側部材に対し車輪軸方向で位置不変に固定され、
前記電動モータの回転軸の回転運動を車輪軸方向の直線運動へ変換し、前記インナパッドを前記ディスクロータに対し強制変位させる第1運動変換手段と、
前記車体側部材に対し車輪軸方向で相対変位可能であり、前記アウタパッドを前記ディスクロータに対し変位させるブリッジ部と、
前記電動モータの回転軸の回転運動を車輪軸方向の直線運動へ変換し、前記アウタパッドを前記ディスクロータに対し強制変位させる方向へ前記ブリッジ部を変位させる第2運動変換手段と、
を備えることを特徴とする電動式ディスクブレーキ。 - 請求項1に記載の電動式ディスクブレーキにおいて、
前記第1運動変換手段は、前記電動モータの回転軸と一体に回転するとともにモータ回転軸と軸方向に相対移動可能なピストン部材と、このピストン部材の回転に伴ってピストン部材の回転運動を直線運動に変換するピストン運動変換機構と、を備え、
前記第2運動変換手段は、前記ピストン部材の直線運動が制限された場合でも、前記ピストン部材の回転運動を許容する回転摺動部と、前記ピストン部材の直線運動が制限されたとき、前記電動モータの回転軸の回転運動を前記ブリッジ部の車輪軸方向の直線運動へ変換するブリッジ部運動変換機構と、を備えることを特徴とする電動式ディスクブレーキ。 - 請求項2に記載の電動式ディスクブレーキにおいて、
前記回転摺動部を、軸受部材としたことを特徴とする電動式ディスクブレーキ。 - 請求項3に記載の電動式ディスクブレーキにおいて、
前記ピストン部材は、前記ブリッジ部と摺接する摺接部を備え、
前記軸受部材は、前記ブリッジ部運動変換機構と前記ブリッジ部との間であって、前記摺接部よりも前記インナパッドから離れた位置に、前記ピストン部材に対し接触不能に配置されていることを特徴とする電動式ディスクブレーキ。 - 請求項4に記載の電動式ディスクブレーキにおいて、
前記ブリッジ部は、制動時の前記ディスクロータから前記軸受部材への熱伝達経路上で前記軸受部材よりも上流側の位置に放熱フィンを備えることを特徴とする電動式ディスクブレーキ。 - 請求項5に記載の電動式ディスクブレーキにおいて、
前記放熱フィンを、走行時に発生する空気の流れに沿って配置したことを特徴とする電動式ディスクブレーキ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005240532A JP2007056917A (ja) | 2005-08-23 | 2005-08-23 | 電動式ディスクブレーキ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005240532A JP2007056917A (ja) | 2005-08-23 | 2005-08-23 | 電動式ディスクブレーキ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007056917A true JP2007056917A (ja) | 2007-03-08 |
Family
ID=37920582
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005240532A Pending JP2007056917A (ja) | 2005-08-23 | 2005-08-23 | 電動式ディスクブレーキ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007056917A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102518716A (zh) * | 2011-10-27 | 2012-06-27 | 奇瑞汽车股份有限公司 | 一种电制动器以及汽车 |
KR20190122758A (ko) * | 2017-10-13 | 2019-10-30 | 히다치 오토모티브 시스템즈 가부시키가이샤 | 전동 브레이크 장치 |
US10544843B2 (en) | 2015-08-21 | 2020-01-28 | Liberty Vehicle Technologies Limited | Brake calipers |
CN115071657A (zh) * | 2021-03-16 | 2022-09-20 | 株式会社万都 | 电动驻车制动器 |
-
2005
- 2005-08-23 JP JP2005240532A patent/JP2007056917A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN102518716A (zh) * | 2011-10-27 | 2012-06-27 | 奇瑞汽车股份有限公司 | 一种电制动器以及汽车 |
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KR20190122758A (ko) * | 2017-10-13 | 2019-10-30 | 히다치 오토모티브 시스템즈 가부시키가이샤 | 전동 브레이크 장치 |
KR102281170B1 (ko) | 2017-10-13 | 2021-07-22 | 히다치 아스테모 가부시키가이샤 | 전동 브레이크 장치 |
CN115071657A (zh) * | 2021-03-16 | 2022-09-20 | 株式会社万都 | 电动驻车制动器 |
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