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JP2007050735A - 車両火災警報装置 - Google Patents

車両火災警報装置 Download PDF

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JP2007050735A JP2005236231A JP2005236231A JP2007050735A JP 2007050735 A JP2007050735 A JP 2007050735A JP 2005236231 A JP2005236231 A JP 2005236231A JP 2005236231 A JP2005236231 A JP 2005236231A JP 2007050735 A JP2007050735 A JP 2007050735A
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Yuji Kobayashi
祐司 小林
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Hino Motors Ltd
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Abstract

【課題】比較的装着が容易な車両火災警報装置を得る。
【解決手段】車両火災警報装置は、車両10の後輪16周囲を含む車両の側部を撮影可能に車両のサイドミラー13に設けられ撮影した被撮影物を被撮影物の温度に応じた濃淡映像信号として出力可能な赤外線カメラ14と、赤外線カメラの濃淡映像信号から後輪16の第1温度又は後輪の周囲の第2温度のいずれか一方又は双方を推定する後輪温度推定手段18と、温度推定手段により推定された第1温度又は第2温度のいずれか一方又は双方が所定の閾値を越えたときに警報を発する第1警報手段21とを備える。赤外線カメラの濃淡映像信号から前輪17の第3温度及び前輪の周囲の第4温度のいずれか一方又は双方の温度を推定する前輪温度推定手段と、前輪温度推定手段により推定された第3温度又は第4温度のいずれか一方又は双方の温度が所定の閾値を越えたときに警報を発する第2警報手段22とを備えても良い。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車両の車輪近傍における発熱を検出して警報を発する車両火災警報装置に関するものである。
従来、車両には走行速度を減速させるためのブレーキ装置が設けられる。そして、そのブレーキ装置により車両を制動させて停止させると、車両が走行していた運動エネルギーが熱エネルギーに転換し、その車両を制動させたブレーキ装置において発熱する。特に、車両がトラックである場合にはその重量は比較的大きく、その走行に起因する運動エネルギーは比較的大きなものになる。このため、車両を制動させて停止させた際に生じる熱エネルギーも過大となり、その発熱を有効に検出して過大な発熱に起因する車両火災を有効に防止する必要がある。
また、フレーキ装置以外にも、タイヤ空気圧不足でパンクの連続走行、ダブルタイヤの複輪接触によるタイヤの発熱も火災要因として挙げられ、これらタイヤの発熱に起因した車両火災を防止する必要もある。
ここで、熱源を検出するものとしては一般的に赤外線センサが知られており、この赤外線センサを用いて車両外部の熱源を検出させ、その検出出力により熱源が生じた場合に警報を発するようにした検知装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。従って、この装置を車両に応用し、ブレーキ装置及びタイヤ近傍の発熱を赤外線センサにより検出し、異常な発熱が検出された場合に警報を発するようにすることも考えられる。
特開平11−348695号公報(特許請求の範囲、明細書[0017])
しかし、ブレーキ装置近傍の発熱を赤外線センサにより検出しようとすると、そのセンサをブレーキ装置の近傍に設ける必要が生じ、警報手段をキャブ内部に設けた場合にはセンサと警報手段を連結するワイヤハーネスを比較的長い距離で配索しなければならず、設計の自由度を制限するとともに、部品点数の増加や作業工数の増加をもたらす不具合があった。
また、タイヤの発熱を直接的に検知する方法としてタイヤ各々に赤外線センサを内蔵した無線伝送する方法も考えられるが、これもやはり部品点数の増加や作業工数の増加をもたらす。
本発明の目的は、比較的容易に装着し得る車両火災警報装置を提供することにある。
請求項1に係る発明は、図1〜図3に示すように、車両10の後輪16周囲を含む車両10の側部を撮影可能に車両10のサイドミラー13に設けられ撮影した被撮影物を被撮影物の温度に応じた濃淡映像信号として出力可能な赤外線カメラ14と、赤外線カメラ14の後輪に相当する部分A又は後輪の周囲に相当する部分Bのいずれか一方又は双方における濃淡映像信号から後輪16の第1温度又は後輪16の周囲の第2温度のいずれか一方又は双方を推定する後輪温度推定手段18と、温度推定手段18により推定された第1温度若しくは第1温度に相当する値又は第2温度若しくは第2温度に相当する値のいずれか一方又は双方が所定の閾値を越えたときに警報を発する第1警報手段21とを備えた車両火災警報装置である。
この請求項1に記載された車両火災警報装置では、赤外線カメラ14を車両10のサイドミラー13に設けるので、キャブ11内に設けられた第1警報手段21との距離はセンサを後輪におけるブレーキ装置の近傍に設ける場合に比較して短縮し、赤外線カメラ14と第1警報手段21を連結するワイヤハーネスを短縮させることができる。このため、センサを後輪におけるブレーキ装置の近傍に設ける場合に比較して設計の自由度が増加するとともに、部品点数及びワイヤハーネスを配索する作業工数がそれぞれ減少し、車両10に比較的容易に装着することができる。
一方、温度推定手段18は赤外線カメラ14が撮影した被撮影物の温度に応じた濃淡映像から後輪16の第1温度又は後輪16の周囲の第2温度を推定するのでブレーキ装置からの過大な発熱を有効に検出することができ、それらが所定の閾値を越えたときに警報手段21が警報を発するので、異常に発熱した場合を運転者に有効に知らしめることができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明であって、第1警報手段21は、温度推定手段18により推定された第1温度若しくは第1温度に相当する値又は第2温度若しくは第2温度に相当する値のいずれか一方又は双方が所定の閾値を越え、かつ車両10が所定の速度を超えたときに警報を発するように構成されたことを特徴とする。
この請求項2に記載された車両火災警報装置では、車両10を停車させることが困難な速度で走行中において、後輪16又は後輪16の周囲が異常に発熱した場合を運転者に有効に知らしめることができる。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係る発明であって、第1警報手段21は、温度推定手段18により推定された第1温度若しくは第1温度に相当する値又は第2温度若しくは第2温度に相当する値のいずれか一方又は双方が所定の閾値を越えた状態が所定の時間継続したときに警報を発するように構成されたことを特徴とする。
この請求項3に記載された車両火災警報装置では、第1温度若しくは第1温度に相当する値又は第2温度若しくは第2温度に相当する値のいずれか一方又は双方が所定時間未満の瞬間的に所定の閾値を越えた状態に警報が発せられることを防止することができる。
請求項4に係る発明は、請求項1ないし3いずれか1項に係る発明であって、後輪温度推定手段18が赤外線カメラ14の後輪に相当する部分A及び後輪の周囲に相当する部分Bの双方における濃淡映像信号から後輪16の第1温度及び後輪16の周囲の第2温度の双方の温度を推定するように構成され、第1警報手段21は温度推定手段18により推定された第1温度が所定の第1閾値を越えたときにブレーキ過熱警報を発し温度推定手段18により推定された第2温度が所定の第2閾値を越えたときに火災警報を発するように構成されたことを特徴とする。
この請求項4に記載された車両火災警報装置では、未だ火災には至っていないが、その状態を放置すると火災に至る可能性が高い状態にまでブレーキ装置が過熱した事実に対する警報と、火災が既に発生した状態に対して警報を発して火災発生に起因する延焼防止に対する警報の双方を段階的に発することができる。
請求項5に係る発明は、請求項1ないし4いずれか1項に係る発明であって、車両10の左右のサイドミラー13に赤外線カメラ14がそれぞれ設けられ、後輪温度推定手段18は左右のサイドミラー13にそれぞれ設けられた赤外線カメラ14の濃淡映像信号から左右の後輪16のそれぞれの第1温度又は左右の後輪16の周囲のそれぞれの第2温度のいずれか一方又は双方を推定するように構成され、第1警報手段21は温度推定手段18により推定された左右の後輪16のそれぞれの第1温度の差若しくは第1温度に相当する値の差又は左右の後輪16のそれぞれの第2温度の差若しくは第2温度に相当する値の差のいずれか一方又は双方が所定の値を所定時間越えたときであっても警報を発するように構成されたことを特徴とする。
この請求項5に記載された車両火災警報装置では、左右の後輪16におけるそれぞれのブレーキ装置にばらつきが生じた場合に、そのばらつきに起因する発熱量の相違から警報を発することができるので、そのばらつきに関する異常を運転者に有効に知らしめることができる。
請求項6に係る発明は、請求項1ないし5いずれか1項に係る発明であって、赤外線カメラ14は撮影する車両10の側部に車両10の前輪17周囲が含まれるように車両10のサイドミラー13に設けられ、赤外線カメラ14の前輪に相当する部分C又は前輪の周囲に相当する部分Dのいずれか一方又は双方における濃淡映像信号から前輪17の第3温度及び前輪17の周囲の第4温度のいずれか一方又は双方の温度を推定する前輪温度推定手段18と、前輪温度推定手段18により推定された第3温度又は第4温度のいずれか一方又は双方の温度が所定の閾値を越えたときに警報を発する第2警報手段22とを更に備えたことを特徴とする。
この請求項6に記載された車両火災警報装置では、前輪17におけるブレーキ装置からの過大な発熱をも有効に検出することができ、それが所定の閾値を越えたときに第2警報手段22が警報を発するので、前輪17におけるブレーキ装置の異常な発熱も運転者に有効に知らしめることができる。
請求項7に係る発明は、請求項6に係る発明であって、第2警報手段22は、温度推定手段18により推定された第3温度若しくは第3温度に相当する値又は第4温度若しくは第4温度に相当する値のいずれか一方又は双方の温度が所定の閾値を越え、かつ車両10が所定の速度を超えたときに警報を発するように構成されたことを特徴とする。
この請求項7に記載された車両火災警報装置では、車両10を停車させることが困難な速度で走行中において、前輪17又は前輪17の周囲が異常に発熱した場合を運転者に有効に知らしめることができる。
請求項8に係る発明は、請求項6又は7に係る発明であって、第2警報手段22は、温度推定手段18により推定された第3温度若しくは第3温度に相当する値又は第4温度若しくは第4温度に相当する値のいずれか一方又は双方の温度が所定の閾値を越えた状態が所定の時間継続したときに警報を発するように構成されたことを特徴とする。
この請求項8に記載された車両火災警報装置では、第3温度若しくは第3温度に相当する値又は第4温度若しくは第4温度に相当する値のいずれか一方又は双方が所定時間未満の瞬間的に所定の閾値を越えた状態に警報が発せられることを防止することができる。
請求項9に係る発明は、請求項6ないし8いずれか1項に係る発明であって、前輪温度推定手段18が赤外線カメラ14の前輪に相当する部分C又は前輪の周囲に相当する部分Dの双方における濃淡映像信号から前輪17の第3温度及び前輪17の周囲の第4温度の双方の温度を推定するように構成され、第2警報手段22は前輪温度推定手段18により推定された第3温度が所定の第1閾値を越えたときにブレーキ過熱警報を発し前輪温度推定手段18により推定された第4温度が所定の第2閾値を越えたときに火災警報を発するように構成されたことを特徴とする。
この請求項9に記載された車両火災警報装置では、未だ火災には至っていないが、その状態を放置すると火災に至る可能性が高い状態にまでブレーキ装置が過熱した事実に対する警報と、火災が既に発生した状態に対して警報を発して火災発生に起因する延焼防止に対する警報の双方を段階的に発することができる。
請求項10に係る発明は、請求項1ないし4いずれか1項に係る発明であって、車両10の左右のサイドミラー13に赤外線カメラ14がそれぞれ設けられ、前輪温度推定手段18は左右のサイドミラー13にそれぞれ設けられた赤外線カメラ14の濃淡映像信号から左右の前輪17のそれぞれの第3温度又は左右の前輪17の周囲のそれぞれの第4温度のいずれか一方又は双方を推定するように構成され、第2警報手段22は前輪温度推定手段18により推定された左右の前輪17のそれぞれの第3温度の差若しくは第3温度に相当する値の差又は左右の前輪17のそれぞれの第4温度の差若しくは第4温度に相当する値の差のいずれか一方又は双方が所定の値を所定時間越えたときであっても警報を発するように構成されたことを特徴とする。
この請求項10に記載された車両火災警報装置では、左右の前輪17におけるそれぞれのブレーキ装置にばらつきが生じた場合に、そのばらつきに起因する発熱量の相違から警報を発することができるので、そのばらつきに関する異常を運転者に有効に知らしめることができる。
本発明の車両火災警報装置では、赤外線カメラを車両のサイドミラーに設けるので、キャブ内に設けられた第1警報手段との距離はセンサを後輪におけるブレーキ装置の近傍に設ける場合に比較して短縮し、赤外線カメラと第1警報手段を連結するワイヤハーネスを短縮させることができる。このため、センサを後輪におけるブレーキ装置の近傍に設ける場合に比較して設計の自由度が増加するとともに、部品点数及びワイヤハーネスを配索する作業工数をそれぞれ減少させることができる。一方、温度推定手段は赤外線カメラが撮影した被撮影物の温度に応じた濃淡映像から後輪の第1温度又は後輪の周囲の第2温度を推定するのでブレーキ装置やタイヤからの過大な発熱を有効に検出することができ、それらが所定の閾値を越えたときに警報手段が警報を発するので、異常に発熱した場合を運転者に有効に知らしめることができる。
この場合、後輪温度推定手段が赤外線カメラにおける濃淡映像信号から後輪の第1温度及び後輪の周囲の第2温度の双方の温度を推定するように構成され、第1警報手段は第1温度が所定の第1閾値を越えたときにブレーキ過熱警報を発し、第2温度が所定の第2閾値を越えたときに火災警報を発するように構成すれば、未だ火災には至っていないが、その後火災に至る可能性が高い状態にまでブレーキ装置が過熱した事実に対する警報と、火災が既に発生した状態に対して警報を発して火災発生に起因する延焼防止に対する警報の双方を段階的に発することができる。
また、撮影する車両の側部に車両の前輪周囲が含まれるように赤外線カメラを車両のサイドミラーに設け、赤外線カメラの濃淡映像信号から前輪の第3温度及び前輪の周囲の第4温度のいずれか一方又は双方の温度を推定する前輪温度推定手段と、その第3温度又は第4温度のいずれか一方又は双方の温度が所定の閾値を越えたときに警報を発する第2警報手段とを更に備えれば、前輪におけるブレーキ装置からの過大な発熱をも有効に検出することができ、前輪におけるブレーキ装置の異常な発熱も運転者に有効に知らしめることが可能になる。
次に本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
図5に示すように、車両であるトラック10は、運転者が搭乗するキャブ11とそのキャブ11の後方に設けられ荷物を積載する荷台12を備える。そしてキャブ11の左右には運転者が後方を確認するためのサイドミラー13,13がそれぞれ設けられる。図3に示すように、この実施の形態におけるサイドミラー13,13は、図示しない鏡板と、この鏡板を前方から覆うカバー体13bと、このカバー体13bとともに鏡板をキャブ11に固定するステー13cとを備える。そして、これらのサイドミラー13,13には赤外線カメラ14,14がそれぞれ設けられる。この実施の形態における赤外線カメラ14,14はカバー体13bの下方のステー13cにこのカバー体13bに隣接して取付けられる例を示すが、赤外線カメラ14,14をカバー体13bの内部に設けるようにしてもよい。
図2及び図5に示すように、赤外線カメラ14,14はトラック10の後輪16の周囲を含むトラック10の側部のみならず、撮影するトラック10の側部にトラック10の前輪17の周囲も含まれるようにトラック10のサイドミラー13,13に設けられる。即ち、キャブ11右側のサイドミラー13に設けられた赤外線カメラ14はトラック10の右側における前後輪16,17の双方を撮影可能に設けられ、キャブ11左側のサイドミラー13に設けられた赤外線カメラ14はトラック10の左側における前後輪16,17の双方を撮影可能に設けられる。そして、それぞれの赤外線カメラ14,14は、撮影した被撮影物であるトラック10の右側部及び左側部をその温度に応じた濃淡映像信号として出力可能に構成される。
図1及び図5に示すように、この左右のサイドミラー13,13に設けられた赤外線カメラ14,14の検出出力は温度推定手段であるコントローラ18にワイヤハーネスを介して接続され、コントローラ18にはメモリ18a及びタイマ18bが内蔵される。コントローラ18にはトラック10の速度を検出する車速センサ20の検出出力が接続され、キャブ11内部には赤外線カメラ14,14が撮影した映像を表示するディスプレイ19が設けられる。そのディスプレイ19にはコントローラ18の制御出力が接続され、コントローラ18はディスプレイ19に赤外線カメラ14,14が撮影した映像をその温度に応じた濃淡映像として表示するように構成される。このディスプレイ19に表示された映像を図2に示す。このコントローラ18には、その赤外線カメラ14,14が撮影した図2に示すトラック10の後輪16に相当する部分A及びその後輪16の周囲に相当する部分Bの双方における濃淡映像信号から後輪16の第1温度及びその後輪16の周囲の第2温度の双方を推定するように構成される。また、この実施の形態におけるコントローラ18は、赤外線カメラ14,14が撮影したトラック10の前輪17に相当する部分C及び前輪17の周囲に相当する部分Dの双方における濃淡映像信号からその前輪17の第3温度及び前輪17の周囲の第4温度の双方も推定可能に構成される。
コントローラ18には第1及び第2警報手段21,22が接続される。第1警報手段21は、車速センサ20により検出されるトラック10の速度が所定の速度を超え、更に温度推定手段であるコントローラ18により推定された第1温度又は第2温度のいずれか一方又は双方が所定の閾値を越えた状態がタイマ18bにより測定される所定の時間継続したときに警報を発するものであり、図4に示すように、第1温度が所定の第1閾値を越えた状態がタイマ18bにより測定される所定の時間継続したときにブレーキ過熱警報を発し、温度推定手段により推定された第2温度が所定の第2閾値を越えた状態がタイマ18bにより測定される所定の時間継続したときに火災警報を発するように構成される。ここで、この実施の形態におけるブレーキ過熱警報は、図示しないスピーカーから発せられるチャイムであり、火災警報は運転者にその事実を確実に知らしめる必要があるため、図示しないブザーによる鳴動である。
また、第1閾値はブレーキライニング表面が300℃のときのタイヤ表面温度に相当する値であり、第2閾値はタイヤ表面が300℃のときのタイヤ周囲温度に相当する値であり、コントローラ18におけるメモリ18aに記憶される(図1)。これは後輪16の温度を示す第1温度が第1閾値を越えると未だ火災には至っていないが、その後火災に至る可能性が高い状態にまでブレーキが過熱した事実に対する警報を発することができるからである。また、後輪16の周囲の温度を示す第2温度が第2閾値を越えると火災が発生した状態を表すことになり、その火災発生に起因する延焼防止に対する警報を発することができるからである。温度に相当する値とは、赤外線カメラ14,14から得られる画像の輝度や面積を演算して得られる値を示す。例えば、平均の輝度やある輝度以上の面積値等である。また、車両の軸配列、分担荷重等によりタイヤ及びブレーキの負荷が異なるため、適用する車両に応じた値を用いる必要がある。
第2警報手段22は、車速センサ20により検出されるトラック10の速度が所定の速度を超え、更に前輪温度推定手段であるコントローラ18により推定された第3温度又は第4温度のいずれか一方又は双方の温度が所定の閾値を越えた状態がタイマ18bにより測定される所定の時間継続したときに警報を発するものであり、第3温度が所定の第3閾値を越えた状態がタイマ18bにより測定される所定の時間継続したときにブレーキ過熱警報を発し、温度推定手段により推定された第4温度が所定の第4閾値を越えた状態がタイマ18bにより測定される所定の時間継続したときに火災警報を発するように構成される。ここで、この実施の形態におけるブレーキ過熱警報は、図示しないスピーカーから発せられるチャイムであり、火災警報は図示しないブザーによる鳴動であり、コントローラ18におけるメモリ18aに記憶される。また、第3閾値はブレーキライニング表面が300℃のときのタイヤ表面温度に相当する値であり、第4閾値はタイヤ表面が300℃のときのタイヤ周囲温度に相当する値である。これは前輪17の温度を示す第3温度が第3閾値を越えると未だ火災には至っていないが、その後火災に至る可能性が高い状態までブレーキが過熱した事実に対する警報を発することができるからである。また、前輪17の周囲の温度を示す第4温度が第4閾値を越えると火災が発生した状態を表すことになり、その火災発生に起因する延焼防止に対する警報を発することができるからである。
なお、上述した実施の形態では、ブレーキ過熱警報として、図示しないスピーカーから発せられるチャイムを説明したが、フレーキ過熱警報は、図示しない警告ランプの点灯又は点滅であったり、ディスプレイ19上への表示のような警報であっても良い。これに対して火災警報は運転者にその事実を確実に知らしめる必要があるため、ブザー24による鳴動の他に、図示しないシートの振動やシートベルトの締め付けのような警報であっても良い。
このように構成された車両火災警報装置では、赤外線カメラ14をトラック10のサイドミラー13に設けるので、キャブ11内に設けられた第1警報手段21との距離はセンサを後輪におけるブレーキ装置の近傍に設ける場合に比較して短縮し、赤外線カメラ14と第1警報手段21を連結するワイヤハーネスを短縮させることができる。このため、センサを後輪におけるブレーキ装置の近傍に設ける場合に比較して設計の自由度が増加するとともに、部品点数及びワイヤハーネスを配索する作業工数をそれぞれ減少させることができる。
一方、温度推定手段18は赤外線カメラ14が撮影した被撮影物の温度に応じた濃淡映像から後輪16の第1温度又は後輪16の周囲の第2温度を推定するのでブレーキ装置からの過大な発熱を有効に検出することができ、それらが所定の閾値を越えたときに警報手段21が警報を発するので、異常に発熱した場合を運転者に有効に知らしめることができる。特に、後輪温度推定手段18が赤外線カメラ14の濃淡映像信号から後輪16の第1温度及び後輪16の周囲の第2温度の双方の温度を推定するように構成され、第1警報手段21は温度推定手段18により推定された第1温度が所定の第1閾値を越えたときにブレーキ過熱警報を発し温度推定手段18により推定された第2温度が所定の第2閾値を越えたときに火災警報を発するように構成されているので、未だ火災には至っていないが、その後火災に至る可能性が高い状態にまでブレーキ装置やタイヤが過熱した事実に対する警報と、火災が既に発生した状態に対して警報を発して火災発生に起因する延焼防止に対する警報の双方を段階的に発することができる。
また、赤外線カメラ14は撮影するトラック10の側部にトラック10の前輪17周囲が含まれるようにトラック10のサイドミラー13に設けられ、赤外線カメラ14の濃淡映像信号から前輪17の第3温度及び前輪17の周囲の第4温度のいずれか一方又は双方の温度を推定する前輪温度推定手段18と、前輪温度推定手段18により推定された第3温度又は第4温度のいずれか一方又は双方の温度が所定の閾値を越えたときに警報を発する第2警報手段22とを更に備えたので、前輪17におけるブレーキ装置からの過大な発熱をも有効に検出することができ、前輪17におけるブレーキ装置の異常な発熱も運転者に有効に知らしめることができる。
なお、上述した実施の形態では、温度推定手段18により推定された第1温度又は第2温度のいずれか一方又は双方が所定の閾値を越えたときに警報を発する第1警報手段21を説明したが、この第1警報手段21は、温度推定手段18により推定された第1温度に相当する値又は第2温度に相当する値のいずれか一方又は双方が所定の閾値を越えたときに警報を発するようにしてもよい。ここで、温度に相当する値とは、ディスプレイの該当する箇所における濃度における値が挙げられる。
また、後輪温度推定手段18は左右のサイドミラー13にそれぞれ設けられた赤外線カメラ14の濃淡映像信号から左右の後輪16のそれぞれの第1温度又は左右の後輪16の周囲のそれぞれの第2温度のいずれか一方又は双方を推定するように構成されているので、第1警報手段21は温度推定手段18により推定された左右の後輪16のそれぞれの第1温度の差若しくは第1温度に相当する値の差又は左右の後輪16のそれぞれの第2温度の差若しくは第2温度に相当する値の差のいずれか一方又は双方が所定の値を所定時間越えたときであっても警報を発するように構成しても良い。この場合には、左右の後輪16におけるそれぞれのブレーキ装置にばらつきが生じた場合に、そのばらつきに起因する発熱量の相違から警報を発することができるので、そのばらつきに関する異常を運転者に有効に知らしめることができる。
また、上述した実施の形態では、温度推定手段18により推定された第3温度又は第4温度のいずれか一方又は双方が所定の閾値を越えたときに警報を発する第2警報手段22を説明したが、この第2警報手段22は、温度推定手段18により推定された第3温度に相当する値又は第4温度に相当する値のいずれか一方又は双方が所定の閾値を越えたときに警報を発するようにしてもよい。ここで、温度に相当する値とは、ディスプレイの該当する箇所における濃度における値が挙げられる。
また、前輪温度推定手段18は左右のサイドミラー13にそれぞれ設けられた赤外線カメラ14の濃淡映像信号から左右の前輪17のそれぞれの第3温度又は左右の前輪17の周囲のそれぞれの第4温度のいずれか一方又は双方を推定するように構成されているので、第2警報手段22は前輪温度推定手段18により推定された左右の前輪17のそれぞれの第3温度の差若しくは第3温度に相当する値の差又は左右の前輪17のそれぞれの第4温度の差若しくは第4温度に相当する値の差のいずれか一方又は双方が所定の値を所定時間越えたときであっても警報を発するように構成しても良い。この場合には、左右の前輪17におけるそれぞれのブレーキ装置にばらつきが生じた場合に、そのばらつきに起因する発熱量の相違から警報を発することができるので、そのばらつきに関する異常を運転者に有効に知らしめることができる。
本発明実施形態の車両火災警報装置の構成を示す図である。 その装置のディスプレイに映し出された映像を示す図である。 その装置が設けられたトラックのキャブの斜視図である。 その装置の動作を示すフローチャートである。 その装置が設けられたトラックの平面図である。
符号の説明
10 トラック
13 サイドミラー
14 赤外線カメラ
16 後輪
17 前輪
18 後輪温度推定手段
21 第1警報手段
22 第2警報手段
A 後輪に相当する部分
B 後輪の周囲に相当する部分
C 前輪に相当する部分
D 前輪の周囲に相当する部分

Claims (10)

  1. 車両(10)の後輪(16)周囲を含む前記車両(10)の側部を撮影可能に前記車両(10)のサイドミラー(13)に設けられ撮影した被撮影物を前記被撮影物の温度に応じた濃淡映像信号として出力可能な赤外線カメラ(14)と、
    前記赤外線カメラ(14)の前記後輪に相当する部分(A)又は前記後輪の周囲に相当する部分(B)のいずれか一方又は双方における濃淡映像信号から前記後輪(16)の第1温度又は前記後輪(16)の周囲の第2温度のいずれか一方又は双方を推定する後輪温度推定手段(18)と、
    前記温度推定手段(18)により推定された前記第1温度若しくは前記第1温度に相当する値又は前記第2温度若しくは前記第2温度に相当する値のいずれか一方又は双方が所定の閾値を越えたときに警報を発する第1警報手段(21)と
    を備えた車両火災警報装置。
  2. 第1警報手段(21)は、温度推定手段(18)により推定された第1温度若しくは前記第1温度に相当する値又は第2温度若しくは前記第2温度に相当する値のいずれか一方又は双方が所定の閾値を越え、かつ車両(10)が所定の速度を超えたときに警報を発するように構成された請求項1記載の車両火災警報装置。
  3. 第1警報手段(21)は、温度推定手段(18)により推定された第1温度若しくは前記第1温度に相当する値又は第2温度若しくは前記第2温度に相当する値のいずれか一方又は双方が所定の閾値を越えた状態が所定の時間継続したときに警報を発するように構成された請求項1又は2記載の車両火災警報装置。
  4. 後輪温度推定手段(18)が赤外線カメラ(14)の後輪に相当する部分(A)及び後輪の周囲に相当する部分(B)の双方における濃淡映像信号から前記後輪(16)の第1温度及び前記後輪(16)の周囲の第2温度の双方の温度を推定するように構成され、第1警報手段(21)は前記温度推定手段(18)により推定された前記第1温度が所定の第1閾値を越えたときにブレーキ過熱警報を発し前記温度推定手段(18)により推定された前記第2温度が所定の第2閾値を越えたときに火災警報を発するように構成された請求項1ないし3いずれか1項に記載の車両火災警報装置。
  5. 車両(10)の左右のサイドミラー(13)に赤外線カメラ(14)がそれぞれ設けられ、
    後輪温度推定手段(18)は左右のサイドミラー(13)にそれぞれ設けられた赤外線カメラ(14)の濃淡映像信号から左右の後輪(16)のそれぞれの第1温度又は前記左右の後輪(16)の周囲のそれぞれの第2温度のいずれか一方又は双方を推定するように構成され、
    第1警報手段(21)は前記温度推定手段(18)により推定された前記左右の後輪(16)のそれぞれの前記第1温度の差若しくは前記第1温度に相当する値の差又は前記左右の後輪(16)のそれぞれの前記第2温度の差若しくは前記第2温度に相当する値の差のいずれか一方又は双方が所定の値を所定時間越えたときであっても警報を発するように構成された請求項1ないし4いずれか1項に記載の車両火災警報装置。
  6. 赤外線カメラ(14)は撮影する車両(10)の側部に前記車両(10)の前輪(17)周囲が含まれるように前記車両(10)のサイドミラー(13)に設けられ、
    前記赤外線カメラ(14)の前記前輪に相当する部分(C)又は前記前輪の周囲に相当する部分(D)のいずれか一方又は双方における濃淡映像信号から前記前輪(17)の第3温度及び前記前輪(17)の周囲の第4温度のいずれか一方又は双方の温度を推定する前輪温度推定手段(18)と、
    前記前輪温度推定手段(18)により推定された前記第3温度若しくは前記第3温度に相当する値又は前記第4温度若しくは前記第4温度に相当する値のいずれか一方又は双方の温度が所定の閾値を越えたときに警報を発する第2警報手段(22)と
    を更に備えた請求項1ないし5いずれか1項に記載の車両火災警報装置。
  7. 第2警報手段(22)は、温度推定手段(18)により推定された第3温度若しくは前記第3温度に相当する値又は第4温度若しくは前記第4温度に相当する値のいずれか一方又は双方の温度が所定の閾値を越え、かつ車両(10)が所定の速度を超えたときに警報を発するように構成された請求項6記載の車両火災警報装置。
  8. 第2警報手段(22)は、温度推定手段(18)により推定された第3温度若しくは前記第3温度に相当する値又は第4温度若しくは前記第4温度に相当する値のいずれか一方又は双方の温度が所定の閾値を越えた状態が所定の時間継続したときに警報を発するように構成された請求項6又は7記載の車両火災警報装置。
  9. 前輪温度推定手段(18)が赤外線カメラ(14)の前輪に相当する部分(C)又は前輪の周囲に相当する部分(D)の双方における濃淡映像信号から前記前輪(17)の第3温度及び前記前輪(17)の周囲の第4温度の双方の温度を推定するように構成され、第2警報手段(22)は前記前輪温度推定手段(18)により推定された前記第3温度が所定の第1閾値を越えたときにブレーキ過熱警報を発し前記前輪温度推定手段(18)により推定された前記第4温度が所定の第2閾値を越えたときに火災警報を発するように構成された請求項6ないし8いずれか1項に記載の車両火災警報装置。
  10. 車両(10)の左右のサイドミラー(13)に赤外線カメラ(14)がそれぞれ設けられ、
    前輪温度推定手段(18)は左右のサイドミラー(13)にそれぞれ設けられた赤外線カメラ(14)の濃淡映像信号から左右の前輪(17)のそれぞれの第3温度又は前記左右の前輪(17)の周囲のそれぞれの第4温度のいずれか一方又は双方を推定するように構成され、
    第2警報手段(22)は前記前輪温度推定手段(18)により推定された前記左右の前輪(17)のそれぞれの前記第3温度の差若しくは前記第3温度に相当する値の差又は前記左右の前輪(17)のそれぞれの前記第4温度の差若しくは前記第4温度に相当する値の差のいずれか一方又は双方が所定の値を所定時間越えたときであっても警報を発するように構成された請求項6ないし9いずれか1項に記載の車両火災警報装置。
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