JP2007047460A - 液晶表示素子および投射型表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】プロジェクタ等のライトバルブに用いる液晶パネルが高温高湿環境下に置いて動作されても、液晶パネルの劣化等を防止でき、高品質の液晶表示素子およびその液晶表示装置を用いた投射型表示装置を提供する。
【解決手段】TFTアレイ基板11と対向基板12が所定間隙で対向するようにシール材15で貼り合わせた一対の基板間に垂直配向液晶層16が挟持され、シール材15は、平均粒子径が0.5μm未満の非導電性の充填剤(フィラー)を含有し、液晶層16に用いる液晶材料は室温での屈折率異方性Δnが0.07以上に設定され、TFTアレイ基板11と対向基板12との間隔であるセルギャップdが4μm以下に設定される。
【選択図】図1
【解決手段】TFTアレイ基板11と対向基板12が所定間隙で対向するようにシール材15で貼り合わせた一対の基板間に垂直配向液晶層16が挟持され、シール材15は、平均粒子径が0.5μm未満の非導電性の充填剤(フィラー)を含有し、液晶層16に用いる液晶材料は室温での屈折率異方性Δnが0.07以上に設定され、TFTアレイ基板11と対向基板12との間隔であるセルギャップdが4μm以下に設定される。
【選択図】図1
Description
本発明は、配向膜が所定間隙で対向するようにシール材で貼り合わせた一対の基板間に液晶層が挟持された液晶表示素子およびこの液晶表示素子を用いた投射型表示装置に関するものである。
液晶プロジェクタ等の投射型表示装置では、光源から出射される光を赤、緑、青に分離し、各色光を液晶表示素子(以下、LCDという)により構成される3つのライトバルブにより変調し、変調された後の色光束を再び合成して、投射面に拡大投射している。
そして、液晶プロジェクタ等に搭載されるライトバルブとしては、一般に薄膜トランジスタ(以下TFTという)駆動によるアクティブマトリクス駆動方式のLCDが用いられる。
そして、液晶プロジェクタ等に搭載されるライトバルブとしては、一般に薄膜トランジスタ(以下TFTという)駆動によるアクティブマトリクス駆動方式のLCDが用いられる。
アクティブマトリクス駆動方式の表示方式としては、90度捩れた分子配列を持つツイステッドネマティック(TN型)液晶があげられる。
ところが近年においては、液晶プロジェクタ装置の高輝度化、高コントラスト化、高精細化、高寿命化を図るべく、垂直配向型の液晶素子が検討され始めている。
ここで、垂直配向液晶材料とは、負の誘電率異方性を有する(液晶分子長軸に平行な誘電率ε=と垂直な誘電率ε⊥との差が負)液晶材料であり、液晶に印加される電圧がゼロのときに基板面にほぼ垂直に液晶分子が配向するため、この垂直配向型の液晶表示素子は、非常に高いコントラスト比を得ることができる。
この垂直配向型の液晶表示素子は、透過型及び反射型いずれにも用いられ、高寿命化を目的とした配向膜の無機化とともに、今後、液晶プロジェクタの主流となっていくと思われる。
ところが近年においては、液晶プロジェクタ装置の高輝度化、高コントラスト化、高精細化、高寿命化を図るべく、垂直配向型の液晶素子が検討され始めている。
ここで、垂直配向液晶材料とは、負の誘電率異方性を有する(液晶分子長軸に平行な誘電率ε=と垂直な誘電率ε⊥との差が負)液晶材料であり、液晶に印加される電圧がゼロのときに基板面にほぼ垂直に液晶分子が配向するため、この垂直配向型の液晶表示素子は、非常に高いコントラスト比を得ることができる。
この垂直配向型の液晶表示素子は、透過型及び反射型いずれにも用いられ、高寿命化を目的とした配向膜の無機化とともに、今後、液晶プロジェクタの主流となっていくと思われる。
アクティブマトリクス駆動方式のLCDの表示を均一に行うためには、基板表面全面に液晶分子を均一に配向させることが必要である。
配向膜が形成された2枚の電極が形成された基板は、各基板の配向膜が対向して配置されており、実際に画像が表示される画素表示領域の周囲に位置するシール領域において、シール材により貼り合わされる。基板間隙を制御するために、前述した貼り合わせ前にミクロパールとよばれる球状のスペーサが用いられる、もしくは、レジストにより形成される柱状スペーサが用いられる。
これらの工程を経ることで、空セルが製造される。その後、この空セル内に液晶が封入されて、液晶セルが製造される。
なお、前述した液晶は、数種類の単体液晶材料からなり、液晶組成物ともよばれる。製造された液晶セルに偏光板が取り付けられて液晶表示素子が製造される。
配向膜が形成された2枚の電極が形成された基板は、各基板の配向膜が対向して配置されており、実際に画像が表示される画素表示領域の周囲に位置するシール領域において、シール材により貼り合わされる。基板間隙を制御するために、前述した貼り合わせ前にミクロパールとよばれる球状のスペーサが用いられる、もしくは、レジストにより形成される柱状スペーサが用いられる。
これらの工程を経ることで、空セルが製造される。その後、この空セル内に液晶が封入されて、液晶セルが製造される。
なお、前述した液晶は、数種類の単体液晶材料からなり、液晶組成物ともよばれる。製造された液晶セルに偏光板が取り付けられて液晶表示素子が製造される。
これらの液晶パネルにおいては、シール形成時に、配向膜の一部とシールが重なると遮蔽性が低下し、シール剥がれなどの問題が発生したり、配向膜とシールの界面を通じて水分が液晶中に侵入し、液晶を劣化させるという問題があった。特に膜をスピンコートで形成する場合は、基板端部にまで膜が形成されるため問題発生が顕著である。
さらに、プロジェクタに用いる投射型LCDにおいては、拡大投影するため画質異常が目立ちやすい。またパネルに入射する光の量が直視型に比べ非常に多いのでパネルが高温になり、微量の水分進入による劣化も見えやすい方向にある。
これらの問題を解決するために、たとえば、シール材にフィラーと呼ばれる充填剤を添加することにより水分の浸入をせき止めるといった方法は一般的に行われてきた(たとえば特許文献1、特許文献2参照)。
特許文献1のLCDにおいては、平均粒子径が2μm程度でシールの粘度調整を目的にフィラーが添加されている。
また、特許文献2のLCDにおいては、トランスファー材として6.0μmあるいは6.5μmの導電性ビーズを混合し、導電性ビーズを介して対向電極間の導通をとるために平均粒径が0.1〜0.5μmの導電性フィラーが添加されている。
特開平11−15005号公報
特開平11−95232号公報
特許文献1のLCDにおいては、平均粒子径が2μm程度でシールの粘度調整を目的にフィラーが添加されている。
また、特許文献2のLCDにおいては、トランスファー材として6.0μmあるいは6.5μmの導電性ビーズを混合し、導電性ビーズを介して対向電極間の導通をとるために平均粒径が0.1〜0.5μmの導電性フィラーが添加されている。
ところで、特許文献1または2に記載のLCDにおいては、平均粒径が2μm程度のフィラーを用いたり、6.0μmあるいは6.5μmの導電性ビーズを混合し、かつ平均粒径が0.1〜0.5μmの導電性フィラーを用いると、プロジェクタのようなセルギャップを狭くする傾向にある狭ギャップの液晶パネルにおいては、ギャップ不良が発生し、信頼性不良が多発するという不利益がある。
本発明の目的は、プロジェクタ等のライトバルブに用いる液晶パネルが高温高湿環境下において動作されても、液晶パネルの劣化等を防止でき、高品質の液晶表示素子およびその液晶表示素子を用いた投射型表示装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点は、第1の基板と第2の基板を対向させ、液晶を所定方向に配向させるための配向処理が施されており、上記二枚の基板が所定間隙で対向するようにシール材で貼り合わせた一対の基板間に垂直配向液晶層が挟持された液晶表示素子であって、上記シール材は、平均粒子径が0.5μm未満で、かつ最大粒子径が1.5μm以下である充填剤を含有し、上記液晶層に用いる垂直液晶材料は室温での屈折率異方性が0.07以上であり、垂直配向液晶層の厚みが4μm以下である。
好適には、上記第1の基板および第2の基板は、光透過性電極を有する基板である。
好適には、上記第1の基板は光透過性電極を有し、上記第2の基板は光反射電極を有する。
好適には、上記シール材は平均粒子径が0.3μm未満の充填剤を含有し、上記液晶層に用いる垂直液晶材料は室温での屈折率異方性が0.07以上であり、垂直配向液晶層の厚さが2μm以下である。
好適には、上記シール材に含まれる充填剤の含有量が15〜40wt%の範囲である。
好適には、上記シール材に含まれる充填剤の比表面積が30m2/g以下である。
好適には、少なくとも一方の基板のシール下に配向膜がある。
好適には、上記配向膜材料は無機系配向膜である。
請求項1記載の液晶表示素子。
請求項1記載の液晶表示素子。
本発明の第2の観点の投射型表示装置は、光源と、上記光源から出射された光を液晶表示素子に導く集光光学系と、上記液晶表示素子で光変調した光を拡大して投射する投射光学系と、を有し、上記液晶表示素子は、第1の基板と第2の基板を対向させ、液晶を所定方向に配向させるための配向処理が施されており、上記二枚の基板が所定間隙で対向するようにシール材で貼り合わせた一対の基板間に垂直配向液晶層が挟持され、上記シール材は、平均粒子径が0.5μm未満で、かつ最大粒子径が1.5μm以下である充填剤を含有し、上記液晶層に用いる垂直液晶材料は室温での屈折率異方性が0.07以上であり、垂直配向液晶層の厚みが4μm以下である。
本発明によれば、2枚の基板が所定間隙で対向するようにシール材で貼り合わせた一対の基板間に垂直配向液晶層が挟持された液晶表示素子であって、シール材は、平均粒子径が0.5μm未満の充填剤を含有し、液晶層に用いる垂直液晶材料は室温での屈折率異方性が0.07以上であり、垂直配向液晶層の厚みが4μm以下であることを特徴とする。
充填剤の平均粒子径とは、たとえば走査電子顕微鏡(SEM)による測定でもかまわないし、レーザー散乱光法による累積重量平均粒子径でもかまわない。また、比表面積とはBET法により測定したものである。水分進入等の信頼性を目的とした充填剤の径は、より細かい方が効果がある。実験によれば、フィラーの平均粒子径は0.5μm未満、望ましくは0.3μm以下のものを用いないと水分進入により発生する信頼性不良が多発し、効果が全く見られないことがわかっている。
また、本液晶表示素子において、前記シール剤に含まれる充填剤の含有量が15−40wt%の範囲であることを特徴とする。
充填剤の含有量が15wt%未満の場合、水分進入により発生する信頼性不良に効果が全く見られず、40wt%よりも多い場合は、粘度が上昇してしまい作業性が悪化してしまうためである。
また、シール剤に含まれる充填剤の最大粒子径は1.5μm以下であることを特徴とする。
根拠としては、前述したが、大きな粒子径が混在したフィラーを用いるとプロジェクタのような狭ギャップの液晶パネルにおいては、ギャップ不良が発生してしまうためである。
また、シール材に含まれる充填剤の比表面積が30m2/g以下であることを特徴とする。
比表面積は単位重さあたりの表面積であるが、大きくなりすぎると微小粒子の割合が大きくなり、シール剤の粘度が急激に上昇する。実験によれば、30m2/g以下において、作業性に問題のないシール剤を得ることができた。これら充填剤のそれぞれの形状は球状が好ましい。理由は、球の比表面積が一番小さくシール剤に混合したときの粘度上昇が少ないからである。
また、少なくとも一方の基板のシールの下に配向膜があることを特徴とする。
配向膜とシールの一部が重なってしまうと、遮蔽性が低下し様々な問題が発生する。近年、スピンコートや蒸着による配向膜形成は、タクトタイムの縮小及び材料低減による低コストを目的として採用されているが、この場合、基板端部にまで膜が形成されるため、シールと配向膜が完全に重なってしまい、信頼性の低下は大きな問題となっている。本発明では、特にスピンコートや蒸着により形成した配向膜を採用した液晶表示素子に非常に有効である。
また、配向膜材料は無機系配向膜であることを特徴とする。
無機配向膜は、代表的に蒸着で形成されるシリコン等があげられるが、ゲルマニウムなどのIV属元素の単体または混合物または化合物、蒸着によって成膜が可能なほとんどすべての物質が使用可能であると考えられる。
その他に、印刷やスピンコート、インクジェット法で形成されるシロキ酸骨格を有する材料などもあげられる。
充填剤の平均粒子径とは、たとえば走査電子顕微鏡(SEM)による測定でもかまわないし、レーザー散乱光法による累積重量平均粒子径でもかまわない。また、比表面積とはBET法により測定したものである。水分進入等の信頼性を目的とした充填剤の径は、より細かい方が効果がある。実験によれば、フィラーの平均粒子径は0.5μm未満、望ましくは0.3μm以下のものを用いないと水分進入により発生する信頼性不良が多発し、効果が全く見られないことがわかっている。
また、本液晶表示素子において、前記シール剤に含まれる充填剤の含有量が15−40wt%の範囲であることを特徴とする。
充填剤の含有量が15wt%未満の場合、水分進入により発生する信頼性不良に効果が全く見られず、40wt%よりも多い場合は、粘度が上昇してしまい作業性が悪化してしまうためである。
また、シール剤に含まれる充填剤の最大粒子径は1.5μm以下であることを特徴とする。
根拠としては、前述したが、大きな粒子径が混在したフィラーを用いるとプロジェクタのような狭ギャップの液晶パネルにおいては、ギャップ不良が発生してしまうためである。
また、シール材に含まれる充填剤の比表面積が30m2/g以下であることを特徴とする。
比表面積は単位重さあたりの表面積であるが、大きくなりすぎると微小粒子の割合が大きくなり、シール剤の粘度が急激に上昇する。実験によれば、30m2/g以下において、作業性に問題のないシール剤を得ることができた。これら充填剤のそれぞれの形状は球状が好ましい。理由は、球の比表面積が一番小さくシール剤に混合したときの粘度上昇が少ないからである。
また、少なくとも一方の基板のシールの下に配向膜があることを特徴とする。
配向膜とシールの一部が重なってしまうと、遮蔽性が低下し様々な問題が発生する。近年、スピンコートや蒸着による配向膜形成は、タクトタイムの縮小及び材料低減による低コストを目的として採用されているが、この場合、基板端部にまで膜が形成されるため、シールと配向膜が完全に重なってしまい、信頼性の低下は大きな問題となっている。本発明では、特にスピンコートや蒸着により形成した配向膜を採用した液晶表示素子に非常に有効である。
また、配向膜材料は無機系配向膜であることを特徴とする。
無機配向膜は、代表的に蒸着で形成されるシリコン等があげられるが、ゲルマニウムなどのIV属元素の単体または混合物または化合物、蒸着によって成膜が可能なほとんどすべての物質が使用可能であると考えられる。
その他に、印刷やスピンコート、インクジェット法で形成されるシロキ酸骨格を有する材料などもあげられる。
本発明によれば、耐湿性の向上による高画質化を実現でき、高精細化に伴う高屈折率異方性液晶、狭セルギャップによる高コントラスト化を実現できる利点がある。
また、シール幅縮小が可能となり、パネル小型化もしくは有効画素領域拡大による高開口率化を実現できる。
また、プロジェクタ等の投射型LCDにおいては、ランプ高照射量可能による高輝度化を実現でき、作業性の向上、セルギャップ異常防止による高生産性、高歩留まり化を実現できる利点がある。さらに、狭セルギャップにより、応答速度が改善でき動画特性に有利であるという利点がある。
また、シール幅縮小が可能となり、パネル小型化もしくは有効画素領域拡大による高開口率化を実現できる。
また、プロジェクタ等の投射型LCDにおいては、ランプ高照射量可能による高輝度化を実現でき、作業性の向上、セルギャップ異常防止による高生産性、高歩留まり化を実現できる利点がある。さらに、狭セルギャップにより、応答速度が改善でき動画特性に有利であるという利点がある。
以下、本発明の実施の形態を図面に関連付けて説明する。
(実施形態1)液晶材料と信頼性表示異常の関係
図1は、本発明の係るアクティブマトリクス型液晶表示素子の概略構成を示す断面図である。
本実施形態に係る液晶表示素子10は、図1に示すように、対向配置された2枚の基板、すなわち、TFTアレイ基板11と、TFTアレイ基板11に対向配置される透明な対向基板12とを備えている。
TFTアレイ基板11は、たとえば透過型の場合、石英基板、反射型の場合、たとえばシリコン材料の基板からなる。対向基板12は、たとえばガラス基板や石英基板からなる。TFTアレイ基板11には、画素電極13が設けられている。
画素電極13は、透過型の場合、たとえばITO膜(インジウム・ティン・オキサイド膜)などの透明導電性薄膜からなる。反射型の場合、画素電極13としては、たとえば金属材料からなる反射電極を用いる。金属材料としては、可視域で高い反射率を有するアルミニウムを用いるのが一般的である。より詳しくは、銅やシリコンを数wt%添加したアルミニウム金属膜が一般に使用される。その他に、たとえば、白金、銀、金、タングステン、チタンなどを用いることも可能である。対向基板12には、前述した全面ITO膜14が全面に形成されている。
TFTアレイ基板11と対向基板12とには、後述するように液晶を所定方向に配向させるための図示しない配向膜が形成されており、配向膜が所定間隙で対向するようにシール材15で貼り合わせた一対の基板間に垂直配向液晶層16が挟持されている(封入されている)。
TFTアレイ基板11は、たとえば透過型の場合、石英基板、反射型の場合、たとえばシリコン材料の基板からなる。対向基板12は、たとえばガラス基板や石英基板からなる。TFTアレイ基板11には、画素電極13が設けられている。
画素電極13は、透過型の場合、たとえばITO膜(インジウム・ティン・オキサイド膜)などの透明導電性薄膜からなる。反射型の場合、画素電極13としては、たとえば金属材料からなる反射電極を用いる。金属材料としては、可視域で高い反射率を有するアルミニウムを用いるのが一般的である。より詳しくは、銅やシリコンを数wt%添加したアルミニウム金属膜が一般に使用される。その他に、たとえば、白金、銀、金、タングステン、チタンなどを用いることも可能である。対向基板12には、前述した全面ITO膜14が全面に形成されている。
TFTアレイ基板11と対向基板12とには、後述するように液晶を所定方向に配向させるための図示しない配向膜が形成されており、配向膜が所定間隙で対向するようにシール材15で貼り合わせた一対の基板間に垂直配向液晶層16が挟持されている(封入されている)。
以上の構成を有する液晶表示素子10のより具体的な構成について図5および図6に関連付けて説明する。
図2は、本実施形態に係るアクティブマトリクス型液晶表示素子の画素部の模式図であり、図3は、本実施形態のアクティブマトリクス型液晶表示素子の断面図の一例である。
液晶表示素子10は、図1に関連付けて説明したように、TFTアレイ基板11と、これに対向配置される透明な対向基板12とを備えている。TFTアレイ基板11は、たとえば石英基板からなり、対向基板12は、たとえばガラス基板や石英基板からなる。TFTアレイ基板11には、画素電極13が設けられており、たとえばITO膜(インジウム・ティン・オキサイド膜)などの透明導電性薄膜からなる。対向基板12には、前述した全面ITO膜(対向電極)14が全面に設けられている。前述した対向基板12には、さらに、各画素部の開口領域以外の領域に遮光膜17が設けられている。
そして、画素電極13と保護膜19上、並びにこれと対向する対向電極14上に、液晶16を所定方向に配向させるための配向膜20,21が液晶パネル製造時に形成される。
そして、画素電極13と保護膜19上、並びにこれと対向する対向電極14上に、液晶16を所定方向に配向させるための配向膜20,21が液晶パネル製造時に形成される。
ここで、TFTアレイ基板11の構成について簡単に説明する。
液晶表示素子10の画像表示領域を構成するマトリクス状に複数形成された画素電極13には、隣接する位置に各画素電極13をスイッチング制御する画素スイッチング用TFT22が設けられている。
画素信号が供給される信号線23が前述したTFT22のソース24に電気的に接続されている。信号線23に書き込む画素信号を供給している。
また、TFT22のゲートに走査線25が電気的に接続されており、所定のタイミングで、走査線25にパルス的に走査信号を印加するように構成されている。
液晶表示素子10の画像表示領域を構成するマトリクス状に複数形成された画素電極13には、隣接する位置に各画素電極13をスイッチング制御する画素スイッチング用TFT22が設けられている。
画素信号が供給される信号線23が前述したTFT22のソース24に電気的に接続されている。信号線23に書き込む画素信号を供給している。
また、TFT22のゲートに走査線25が電気的に接続されており、所定のタイミングで、走査線25にパルス的に走査信号を印加するように構成されている。
画素電極13は、TFT22のドレイン26に電気的に接続されており、スイッチング素子であるTFT22を一定期間だけそのスイッチを導通させることにより、信号線23から供給される画素信号を所定のタイミングで書き込む。
画素電極13を介して液晶に書き込まれた所定レベルの画素信号は、対向基板12に形成された対向電極14との間で一定期間保持される。
画素電極13を介して液晶に書き込まれた所定レベルの画素信号は、対向基板12に形成された対向電極14との間で一定期間保持される。
液晶層16は、印加される電圧レベルにより分子集合の配向や秩序が変化することにより、光を変調し、階調表示を可能にする。ノーマリホワイト表示であれば、印加された電圧に応じて入射光がこの液晶部分を通過可能とされ、全体として液晶表示素子から画素信号に応じたコントラストを持つ光が出射する。
ここで、保持された画素信号がリークされるのを防ぐために、画素電極13と対向電極14との間に形成される液晶容量と並列に蓄積容量27を付加する。これにより、保持特性はさらに改善され、コントラスト比の高い液晶表示素子が実現できる。また、このような蓄積容量27を形成するために、抵抗化されたCs線28が設けられている。なお、29は層間絶縁膜を、30は半導体層を示している。
また、前述した対向基板12に対して、図示しない柱状スペーサとなる透明レジスト層が形成される。
基板上にフォトレジストとして、PMER(東京応化工業株式会社製)をスピンコート法により3μmの厚さに塗布した後、フォトマスクを用いて紫外線照射による露光処理を行い、次いで現像して、図示しない柱状スペーサを形成した。
ここで、保持された画素信号がリークされるのを防ぐために、画素電極13と対向電極14との間に形成される液晶容量と並列に蓄積容量27を付加する。これにより、保持特性はさらに改善され、コントラスト比の高い液晶表示素子が実現できる。また、このような蓄積容量27を形成するために、抵抗化されたCs線28が設けられている。なお、29は層間絶縁膜を、30は半導体層を示している。
また、前述した対向基板12に対して、図示しない柱状スペーサとなる透明レジスト層が形成される。
基板上にフォトレジストとして、PMER(東京応化工業株式会社製)をスピンコート法により3μmの厚さに塗布した後、フォトマスクを用いて紫外線照射による露光処理を行い、次いで現像して、図示しない柱状スペーサを形成した。
次に、本実施形態において作製したセルのプロセスについて説明する。
まず、TFTアレイ基板11および対向基板12を中性洗剤を用いて洗浄後120℃20分間乾燥させた。基板の材質はともに石英基板を用いた。
次いで、各基板の配向膜形成を行った。それぞれの基板を蒸着装置に導入し、それぞれに配向膜として、SiO2を斜め蒸着して形成した。膜厚は、約50nmの厚さに塗布した。次いで注入口を除いて形成されるシールパターンを形成した。
そして、本実施形態に係る液晶表示素子10において、シール材15は、平均粒子径が0.5μm未満で非導電性の充填剤(フィラー)を含有している。
また、本実施形態に係る液晶表示素子10において、液晶層16に用いる液晶材料は、Δεが負の垂直型液晶材料で室温での屈折率異方性Δnが0.07以上に設定され、液晶層の厚みであるセルギャップdが4μm以下に設定される。
まず、TFTアレイ基板11および対向基板12を中性洗剤を用いて洗浄後120℃20分間乾燥させた。基板の材質はともに石英基板を用いた。
次いで、各基板の配向膜形成を行った。それぞれの基板を蒸着装置に導入し、それぞれに配向膜として、SiO2を斜め蒸着して形成した。膜厚は、約50nmの厚さに塗布した。次いで注入口を除いて形成されるシールパターンを形成した。
そして、本実施形態に係る液晶表示素子10において、シール材15は、平均粒子径が0.5μm未満で非導電性の充填剤(フィラー)を含有している。
また、本実施形態に係る液晶表示素子10において、液晶層16に用いる液晶材料は、Δεが負の垂直型液晶材料で室温での屈折率異方性Δnが0.07以上に設定され、液晶層の厚みであるセルギャップdが4μm以下に設定される。
以下に、本実施形態に係る液晶表示素子10の特徴である、液晶材料の屈折率異方性Δn、セルギャップd、およびシール材15に含有するフィラーの各設定値についてさらに詳細に説明する。
前述したような構成を有する液晶表示素子10は、たとえば、投射型表示装置のライトバルブとして用いられる。
液晶プロジェクタ等のライトバルブとして用いられる液晶表示素子10は、投射型表示装置の小型化に伴って小型化され、基板サイズが22.9mm(対角0.9インチ)XGAタイプでピクセルピッチは、20μm以下と、高精細化が進んでいる。
セルギャップdとコントラストや応答速度の関係について考えると、ギャップはせまいほど有利である。狭ギャップ化を実現すると、実効的な印加電圧が上昇することで、高コントラスト値を得ることが可能となり、応答速度の向上も図ることが可能となる。
液晶プロジェクタ等のライトバルブとして用いられる液晶表示素子10は、投射型表示装置の小型化に伴って小型化され、基板サイズが22.9mm(対角0.9インチ)XGAタイプでピクセルピッチは、20μm以下と、高精細化が進んでいる。
セルギャップdとコントラストや応答速度の関係について考えると、ギャップはせまいほど有利である。狭ギャップ化を実現すると、実効的な印加電圧が上昇することで、高コントラスト値を得ることが可能となり、応答速度の向上も図ることが可能となる。
次に、セルギャップdと屈折率異方性Δnとの関係について考察する。
図4は、リタデーション(Δnd)と透過率との関係を示す図である。
図4において、横軸がリタデーション(Δnd)を、縦軸が透過率をそれぞれ表している。また、図4において、Aで示す曲線が波長450nmの青(Blue)色光の特性を、Bで示す曲線が波長550の緑(Green)色光の特性を、Cで示す曲線が波長650nmの赤(Red)色光の特性を示している。
液晶表示素子10の適用したライトバルブにおいて、偏光板PLと検光板DLが直交配置で、非点灯時において黒表示であるノーマリブラック(NB)モードの場合、
T=sin2 (2Θ)sin2 (πΔnd/λ)、となる。
ここで、Θは偏光と長軸のなす角度であり、第1項は、Θ= 45°のとき最大となる。第2項は、Δnd=(2n−1) ×(λ/2)のとき最大となる
すなわち、最大透過率を得ることが出来るのはΔnd=λ/2である。
本実施形態においては、緑色光の透過率の最大値のΔnd=0.27μmを用いてセル設計を実施している。
この最大透過率を得るには、前述したセルギャップを薄くするといった対策を施した場合、液晶の屈折率異方性Δnを高くする必要がある。
すなわち、狭セルギャップdを実現するには、高Δnの条件が必要となる。
図4は、リタデーション(Δnd)と透過率との関係を示す図である。
図4において、横軸がリタデーション(Δnd)を、縦軸が透過率をそれぞれ表している。また、図4において、Aで示す曲線が波長450nmの青(Blue)色光の特性を、Bで示す曲線が波長550の緑(Green)色光の特性を、Cで示す曲線が波長650nmの赤(Red)色光の特性を示している。
液晶表示素子10の適用したライトバルブにおいて、偏光板PLと検光板DLが直交配置で、非点灯時において黒表示であるノーマリブラック(NB)モードの場合、
T=sin2 (2Θ)sin2 (πΔnd/λ)、となる。
ここで、Θは偏光と長軸のなす角度であり、第1項は、Θ= 45°のとき最大となる。第2項は、Δnd=(2n−1) ×(λ/2)のとき最大となる
すなわち、最大透過率を得ることが出来るのはΔnd=λ/2である。
本実施形態においては、緑色光の透過率の最大値のΔnd=0.27μmを用いてセル設計を実施している。
この最大透過率を得るには、前述したセルギャップを薄くするといった対策を施した場合、液晶の屈折率異方性Δnを高くする必要がある。
すなわち、狭セルギャップdを実現するには、高Δnの条件が必要となる。
ところが、液晶は、一般的に屈折率異方性Δnが高くなるに従い、耐湿性、耐熱性が悪化する方向にあり、液晶材料として選択幅が少なくなる傾向にある。
表1に、Δnと環境試験化における表示異常との関係を示す。
表1は、従来の液晶表示素子を環境試験機を用いて60°C,90%の環境下にて加速駆動試験を行った結果を示す。
表1に、Δnと環境試験化における表示異常との関係を示す。
表1は、従来の液晶表示素子を環境試験機を用いて60°C,90%の環境下にて加速駆動試験を行った結果を示す。
表1からわかるように、屈折率異方性Δnが高くなるほど、経時変化に伴い、表示異常が発生する確率が高くなる。
そこで、平均粒子径が0.5μm未満の非導電性のフィラーを添加させた本実施形態に係る液晶表示素子10に対して環境試験機を用いて60°C,90%の環境下にて加速駆動試験を行った結果を表2に示す。
そこで、平均粒子径が0.5μm未満の非導電性のフィラーを添加させた本実施形態に係る液晶表示素子10に対して環境試験機を用いて60°C,90%の環境下にて加速駆動試験を行った結果を表2に示す。
表2に示すように、本実施形態に係る液晶表示素子10は、従来例と比較して、経時変化に伴う表示異常の発生が抑止されている。
なお、表2の結果は、後で詳述する具体的な実施例に基づくものである。
なお、表2の結果は、後で詳述する具体的な実施例に基づくものである。
液晶表示素子のプロジェクタ用途の場合においては、2000万LX以上の光が照射され、かつ、動作温度も60度以上になる。
したがって、表2の結果で示すように、本実施形態に係る液晶表示素子10は、実際の厳しい条件下において使用されたとしても、経時変化に伴う表示異常が発生するおそれがない。
本実施形態に係る液晶表示素子10によれば、表2に示すように、経時変化に伴う表示異常が発生するおそれがないことから、液晶材料の選択幅が広がり、その結果、高Δn材料マージンが達成できる。以上のように、狭ギャップ化に伴い、高屈折率異方性(Δn)化が必要であり、これを達成するためにシール材15に平均粒子径が0.5μm未満の非導電性のフィラーを添加させている。
逆にいうと、本実施形態のように、高Δn化が達成できると、狭ギャップ化が実現できるということになり、実効的な印加電圧が上昇し、電界強度が上昇し、より高いコントラストを達成できる。さらに、応答速度の向上も図ることができる。
したがって、表2の結果で示すように、本実施形態に係る液晶表示素子10は、実際の厳しい条件下において使用されたとしても、経時変化に伴う表示異常が発生するおそれがない。
本実施形態に係る液晶表示素子10によれば、表2に示すように、経時変化に伴う表示異常が発生するおそれがないことから、液晶材料の選択幅が広がり、その結果、高Δn材料マージンが達成できる。以上のように、狭ギャップ化に伴い、高屈折率異方性(Δn)化が必要であり、これを達成するためにシール材15に平均粒子径が0.5μm未満の非導電性のフィラーを添加させている。
逆にいうと、本実施形態のように、高Δn化が達成できると、狭ギャップ化が実現できるということになり、実効的な印加電圧が上昇し、電界強度が上昇し、より高いコントラストを達成できる。さらに、応答速度の向上も図ることができる。
表3に、本実施形態に係る液晶表示素子10における屈折率異方性(Δn)の値と、高速応答、配向異常、信頼性試験(周辺部ムラなど)の試験結果との関係をまとめている。
なお、表3に示してあるセルギャップは、最大透過率であるΔn×ギャップ=275nmから換算した値である。
なお、表3に示してあるセルギャップは、最大透過率であるΔn×ギャップ=275nmから換算した値である。
表3からもわかるように、ギャップが小さい方が液晶応答性に有利である。また、ギャップが大きいと駆動方法にもよるが、横電界によるディスクリネーションラインが発生しやすいため、縦電界の影響を大きくするための狭ギャップ化が有利である。狭ギャップの場合、透過率特性を両立させるためにはΔnは高いほうが有利である。しかしながら、Δnを高くする液晶単体の中には、Δεを同時に大きくする材料が多い。Δεが大きいと液晶セル内の不純物を解離しやすくしてしまい、信頼性の観点から不利である。
以上の考察をふまえて、本実施形態においては、屈折率異性Δnの下限値としては、ギャップ拡大に伴う応答速度の劣化、配向異常の観点から、ギャップが4μm以下のΔn、0.07を選定している。
屈折率異方性Δnの上限値としては、Δnを高くする液晶単体の中には、Δεを同時に大きくする材料が多い。Δεが大きいと液晶セル内の不純物を解離しやすくしてしまい、信頼性の観点から不利であるという観点から、0.20を選定している。
屈折率異方性Δnの上限値としては、Δnを高くする液晶単体の中には、Δεを同時に大きくする材料が多い。Δεが大きいと液晶セル内の不純物を解離しやすくしてしまい、信頼性の観点から不利であるという観点から、0.20を選定している。
シール材15に添加するフィラー、たとえばシリガなどの大きさなばらつきが少なく、均一性のよい、小径の粒度である必要があり、本実施形態では、平均粒子径が0.5μm未満としている。
本実施形態においては、シール材15に添加するフィラーについては、以下に示すような条件を設定している。なお、以下に示す条件は、後で詳述する複数の実施例により選択した理由(根拠)が明確に裏付けされる。
すなわち、シール材15に含まれるフィラー(充填剤)の含有量が15〜40wt%の範囲である。
また、シール材15に含まれるフィラー(充填剤)の最大粒子径は1.5μm以下である。
また、シール材15に含まれるフィラー(充填剤)の比表面積が30m2/g以下である。
また、TFTアレイ基板11と対向基板12には、液晶を所定方向に配向させるための配向膜が形成されるが、本実施形態においては、TFTアレイ基板11と対向基板12の少なくとも一方の基板のシール材下に配向膜が形成されている。
本実施形態においては、シール材15に添加するフィラーについては、以下に示すような条件を設定している。なお、以下に示す条件は、後で詳述する複数の実施例により選択した理由(根拠)が明確に裏付けされる。
すなわち、シール材15に含まれるフィラー(充填剤)の含有量が15〜40wt%の範囲である。
また、シール材15に含まれるフィラー(充填剤)の最大粒子径は1.5μm以下である。
また、シール材15に含まれるフィラー(充填剤)の比表面積が30m2/g以下である。
また、TFTアレイ基板11と対向基板12には、液晶を所定方向に配向させるための配向膜が形成されるが、本実施形態においては、TFTアレイ基板11と対向基板12の少なくとも一方の基板のシール材下に配向膜が形成されている。
ここで、フィラー(充填剤)の平均粒子径とは、たとえば、走査電子顕微鏡(SEM)による測定でもかまわないし、レーザー散乱光法による累積重量平均粒子径でもかまわない。また、比表面積とはBET法により測定したものである。
水分進入等の信頼性を目的としたフィラー(充填剤)の径は、より細かい方が効果がある。実験によれば、フィラーの平均粒子径は0.5μm未満、望ましくは0.3μm以下のものを用いないと水分進入により発生する信頼性不良が多発し、効果が全く見られなくなるおそれがあることがわかっている。
また、フィラーの含有量が15−40wt%の範囲に設定したのは、フィラー(充填剤)の含有量が15wt%未満の場合、水分進入により発生する信頼性不良に効果が全く見られず、40wt%よりも多い場合は、粘度が上昇してしまい作業性が悪化してしまう。
また、シール材15に含まれるフィラー(充填剤)の最大粒子径は1.5μm以下である根拠としては、大きな粒子径が混在したフィラーを用いるとプロジェクタのようなセルギャップ4μm以下の狭ギャップの液晶パネルにおいては、ギャップ不良が発生してしまうためである。
水分進入等の信頼性を目的としたフィラー(充填剤)の径は、より細かい方が効果がある。実験によれば、フィラーの平均粒子径は0.5μm未満、望ましくは0.3μm以下のものを用いないと水分進入により発生する信頼性不良が多発し、効果が全く見られなくなるおそれがあることがわかっている。
また、フィラーの含有量が15−40wt%の範囲に設定したのは、フィラー(充填剤)の含有量が15wt%未満の場合、水分進入により発生する信頼性不良に効果が全く見られず、40wt%よりも多い場合は、粘度が上昇してしまい作業性が悪化してしまう。
また、シール材15に含まれるフィラー(充填剤)の最大粒子径は1.5μm以下である根拠としては、大きな粒子径が混在したフィラーを用いるとプロジェクタのようなセルギャップ4μm以下の狭ギャップの液晶パネルにおいては、ギャップ不良が発生してしまうためである。
また、シール材15に含まれるフィラー(充填剤)の比表面積が30m2/g以下である根拠は以下の通りである。
比表面積は単位重さあたりの表面積であるが、大きくなりすぎると微小粒子の割合が大きくなり、シール材の粘度が急激に上昇する。実験によれば、30m2/g以下において、作業性に問題のないシール材を得ることができた。
これらフィラー(充填剤)のそれぞれの形状は球状が好ましい。理由は、球の比表面積が一番小さくシール剤に混合したときの粘度上昇が少ないからである。
比表面積は単位重さあたりの表面積であるが、大きくなりすぎると微小粒子の割合が大きくなり、シール材の粘度が急激に上昇する。実験によれば、30m2/g以下において、作業性に問題のないシール材を得ることができた。
これらフィラー(充填剤)のそれぞれの形状は球状が好ましい。理由は、球の比表面積が一番小さくシール剤に混合したときの粘度上昇が少ないからである。
また、本実施形態においては、TFTアレイ基板11と対向基板12の少なくとも一方の基板のシール材下に配向膜が形成されている理由は以下の通りである。
配向膜とシール材の一部が重なってしまうと、遮蔽性が低下し様々な問題が発生する。 本実施形態においては、特にスピンコートや蒸着により形成した配向膜に有効である。 特に、無機配向膜は、代表的に蒸着で形成されるシリコン等があげられるが、ゲルマニウムなどのIV属元素の単体または混合物または化合物、蒸着によって成膜が可能なほとんどすべての物質が使用可能であると考えられる。
その他に、印刷やスピンコート、インクジェット法で形成されるシロキ酸骨格を有する材料などもあげられる。
配向膜とシール材の一部が重なってしまうと、遮蔽性が低下し様々な問題が発生する。 本実施形態においては、特にスピンコートや蒸着により形成した配向膜に有効である。 特に、無機配向膜は、代表的に蒸着で形成されるシリコン等があげられるが、ゲルマニウムなどのIV属元素の単体または混合物または化合物、蒸着によって成膜が可能なほとんどすべての物質が使用可能であると考えられる。
その他に、印刷やスピンコート、インクジェット法で形成されるシロキ酸骨格を有する材料などもあげられる。
(実施形態2)平均粒子径と信頼性表示異常の関係
配向膜形成までは、実施形態1と同様に作製し、次いで注入口を除いて形成されるシールパターンを形成した。
本実施形態で使用したシール剤の一例としては、エポキシ樹脂を主成分とするシール剤にシリカ充填剤(以下フィラー)を添加したものを用いた。
前記充填剤の例としては、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、窒化珪素等が好ましく、異なる種類の充填剤が混合されていてもかまわない。
フィラーは平均粒子径が0.3μm、0.5μm、1μm、2μmの4条件、比表面積を各々20m2/g以下にし、含有量を20wt%、最大粒子径1.0μm以下の球状のシリカを用いた。平均粒子径は、SEMによる100個の抜き取り測定、比表面積はBET法による測定、含有率は電子天秤により測定し、最大粒子径は、倍率3万倍により最大粒径の粒子を確認した。
これらのシール剤の粘度はコーンプレート型粘度計で室温にて測定したところ約20万mPa・sであった。
前記調整したシール剤を対向基板の周辺部に、注入口を除くパターンでディスペンサーにより形成し、TFTアレイ基板11と対向基板12を重ね合わせ、セルギャップを2.8μmとした。シール幅は約0.7mmであった。その後、液晶材料(Δn=0.10)を封入し、注入口を紫外線硬化樹脂により封止(図示せず)した。
本実施形態で使用したシール剤の一例としては、エポキシ樹脂を主成分とするシール剤にシリカ充填剤(以下フィラー)を添加したものを用いた。
前記充填剤の例としては、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、窒化珪素等が好ましく、異なる種類の充填剤が混合されていてもかまわない。
フィラーは平均粒子径が0.3μm、0.5μm、1μm、2μmの4条件、比表面積を各々20m2/g以下にし、含有量を20wt%、最大粒子径1.0μm以下の球状のシリカを用いた。平均粒子径は、SEMによる100個の抜き取り測定、比表面積はBET法による測定、含有率は電子天秤により測定し、最大粒子径は、倍率3万倍により最大粒径の粒子を確認した。
これらのシール剤の粘度はコーンプレート型粘度計で室温にて測定したところ約20万mPa・sであった。
前記調整したシール剤を対向基板の周辺部に、注入口を除くパターンでディスペンサーにより形成し、TFTアレイ基板11と対向基板12を重ね合わせ、セルギャップを2.8μmとした。シール幅は約0.7mmであった。その後、液晶材料(Δn=0.10)を封入し、注入口を紫外線硬化樹脂により封止(図示せず)した。
本実施形態の液晶表示素子を環境試験機を用いて60℃,90%の環境下にて加速駆動試験を行った。その結果を表4に示す。
50時間経過後に観察したところ、平均粒子径1.0μm、2.0μmにおいて、水分浸入による表示異常が発生した。傾向は、時間の経過とともに酷くなったが、平均粒子径0.5μm、0.3μmにおいては、100時間駆動後においても表示異常は発生しなかった。このように、本発明の液晶表示素子を用いることにより、より信頼性のよい高品質の液晶表示素子を得ることができる。
(実施形態3)充填剤含有量と信頼性表示異常の関係
配向膜形成までは、実施形態1と同様に作製し、次いで注入口を除いて形成されるシールパターンを形成した。
本実施形態で使用したシール剤の一例としては、エポキシ樹脂を主成分とするシール剤にシリカ充填剤(以下フィラー)を添加したものを用いた。フィラーは平均粒子径が0.3μm、比表面積を各々20m2/g、含有量を10wt%、15wt%、20wt%、30wt%、40wt%、45wt%の6条件、最大粒子径1.0μm以下の球状のシリカを用いた。
平均粒子径は、SEMによる100個の抜き取り測定、比表面積はBET法による測定、含有率は電子天秤により測定し、最大粒子径は、倍率3万倍により最大粒径の粒子を確認した。
前記調整したシール剤を対向基板の周辺部に、注入口を除くパターンでディスペンサーにより形成し、TFTアレイ基板11と対向基板12を重ね合わせ、セルギャップを2.8μmとした。シール幅は約0.7mmであった。その後、液晶材料(Δn=0.10)を封入し、注入口を紫外線硬化樹脂により封止(図示せず)した。
本実施形態の液晶表示素子を観察した。含有量45wt%のものは作業性が悪く、粘度上昇によりシール切れが発生した。次いで、本実施形態の液晶表示素子を環境試験機を用いて60℃,90%の環境下にて加速駆動試験を行った。
結果を上記表4に示す。50時間経過後に観察したところ、含有量が10wt%において水分浸入による表示異常が発生した。15wt%以上のものは発生しなかった。傾向は、時間の経過とともに酷くなったが、15wt%以上のものは、100時間駆動後に老いても表示異常は発生しなかった。
このように、本実施形態の液晶表示素子を用いることにより、より信頼性のよい高品質の液晶表示素子を得ることができる。
本実施形態で使用したシール剤の一例としては、エポキシ樹脂を主成分とするシール剤にシリカ充填剤(以下フィラー)を添加したものを用いた。フィラーは平均粒子径が0.3μm、比表面積を各々20m2/g、含有量を10wt%、15wt%、20wt%、30wt%、40wt%、45wt%の6条件、最大粒子径1.0μm以下の球状のシリカを用いた。
平均粒子径は、SEMによる100個の抜き取り測定、比表面積はBET法による測定、含有率は電子天秤により測定し、最大粒子径は、倍率3万倍により最大粒径の粒子を確認した。
前記調整したシール剤を対向基板の周辺部に、注入口を除くパターンでディスペンサーにより形成し、TFTアレイ基板11と対向基板12を重ね合わせ、セルギャップを2.8μmとした。シール幅は約0.7mmであった。その後、液晶材料(Δn=0.10)を封入し、注入口を紫外線硬化樹脂により封止(図示せず)した。
本実施形態の液晶表示素子を観察した。含有量45wt%のものは作業性が悪く、粘度上昇によりシール切れが発生した。次いで、本実施形態の液晶表示素子を環境試験機を用いて60℃,90%の環境下にて加速駆動試験を行った。
結果を上記表4に示す。50時間経過後に観察したところ、含有量が10wt%において水分浸入による表示異常が発生した。15wt%以上のものは発生しなかった。傾向は、時間の経過とともに酷くなったが、15wt%以上のものは、100時間駆動後に老いても表示異常は発生しなかった。
このように、本実施形態の液晶表示素子を用いることにより、より信頼性のよい高品質の液晶表示素子を得ることができる。
(実施形態4)最大粒子径とギャップ異常
配向膜形成までは、実施形態1と同様に作製し、次いで注入口を除いて形成されるシールパターンを形成した。
本実施形態で使用したシール剤の一例としては、エポキシ樹脂を主成分とするシール剤にシリカ充填剤(以下フィラー)を添加したものを用いた。フィラーは平均粒子径が0.3μm、比表面積を各々20m2/g以下、含有量を20wt%、最大粒子径を各々0.5μm、1.0μm、1.5μm、2.0μm、3.0μm以下の5条件の球状のシリカを用いた。平均粒子径は、SEMによる100個の抜き取り測定、比表面積はBET法による測定、含有率は電子天秤により測定し、最大粒子径は、倍率3万倍により最大粒径の粒子を確認した。
前記調整したシール剤を対向基板の周辺部に、注入口を除くパターンでディスペンサーにより形成し、TFTアレイ基板11と対向基板12を重ね合わせ、セルギャップを2.8μmとした。シール幅は約0.7mmであった。その後、液晶材料(Δn=0.10)を封入し、注入口を紫外線硬化樹脂により封止(図示せず)した。
本実施形態の液晶表示素子を観察した。その結果を表5に示す。
本実施形態で使用したシール剤の一例としては、エポキシ樹脂を主成分とするシール剤にシリカ充填剤(以下フィラー)を添加したものを用いた。フィラーは平均粒子径が0.3μm、比表面積を各々20m2/g以下、含有量を20wt%、最大粒子径を各々0.5μm、1.0μm、1.5μm、2.0μm、3.0μm以下の5条件の球状のシリカを用いた。平均粒子径は、SEMによる100個の抜き取り測定、比表面積はBET法による測定、含有率は電子天秤により測定し、最大粒子径は、倍率3万倍により最大粒径の粒子を確認した。
前記調整したシール剤を対向基板の周辺部に、注入口を除くパターンでディスペンサーにより形成し、TFTアレイ基板11と対向基板12を重ね合わせ、セルギャップを2.8μmとした。シール幅は約0.7mmであった。その後、液晶材料(Δn=0.10)を封入し、注入口を紫外線硬化樹脂により封止(図示せず)した。
本実施形態の液晶表示素子を観察した。その結果を表5に示す。
最大粒子径が2.0μm以下、3.0μm以下のフィラーを用いたものはセルギャップ異常が見られた。最大粒子径0.5μm以下、1.0μm以下、1.5μm以下の液晶表示素子においては、セルギャップ異常が見られなかった。
このように、本実施形態の液晶表示素子を用いることにより、より信頼性のよい高品質の液晶表示素子を得ることができる。
このように、本実施形態の液晶表示素子を用いることにより、より信頼性のよい高品質の液晶表示素子を得ることができる。
(実施形態5)比表面積と作業性
配向膜形成までは、実施形態1と同様に作製し、次いで注入口を除いて形成されるシールパターンを形成した。
本実施形態で使用したシール剤の一例としては、エポキシ樹脂を主成分とするシール剤にシリカ充填剤(以下フィラー)を添加したものを用いた。フィラーは平均粒子径が0.3μm、比表面積を40m2/g、30m2/g、20m2/gの3条件、含有量を20wt%、最大粒子径を1.0μm以下の球状のシリカを用いた。平均粒子径は、SEMによる100個の抜き取り測定、比表面積はBET法による測定、含有率は電子天秤により測定し、最大粒子径は、倍率3万倍により最大粒径の粒子を確認した。
前記調整したシール剤を対向基板の周辺部に、注入口を除くパターンでディスペンサーにより形成し、作業性を評価した。
比表面積を40m2/gでは作業性が悪く、粘度上昇によりシール切れが発生した。30m2/g、20m2/gでは問題なく塗布することができた。
このように、本実施形態の液晶表示素子を用いることにより、より信頼性のよい高品質の液晶表示素子を得ることができる。
本実施形態で使用したシール剤の一例としては、エポキシ樹脂を主成分とするシール剤にシリカ充填剤(以下フィラー)を添加したものを用いた。フィラーは平均粒子径が0.3μm、比表面積を40m2/g、30m2/g、20m2/gの3条件、含有量を20wt%、最大粒子径を1.0μm以下の球状のシリカを用いた。平均粒子径は、SEMによる100個の抜き取り測定、比表面積はBET法による測定、含有率は電子天秤により測定し、最大粒子径は、倍率3万倍により最大粒径の粒子を確認した。
前記調整したシール剤を対向基板の周辺部に、注入口を除くパターンでディスペンサーにより形成し、作業性を評価した。
比表面積を40m2/gでは作業性が悪く、粘度上昇によりシール切れが発生した。30m2/g、20m2/gでは問題なく塗布することができた。
このように、本実施形態の液晶表示素子を用いることにより、より信頼性のよい高品質の液晶表示素子を得ることができる。
以下に上述した特徴を有する液晶表示素子を用いた電子機器の一例として、投射型表示装置の構成について、図5の概略構成図によって説明する。
図5に示すように、投射型液晶表示装置(液晶プロジェクタ)300は、光軸Cにそって光源301と透過型の液晶表示素子302と投射光学系303とが順に配設されて構成されている。
光源301を構成するランプ304から射出された光はリフレクタ305によって後方に放射される成分が前方に集光され、コンデンサレンズ306に入射される。コンデンサレンズ306は、光をさらに集中して、入射側偏光板307を介し液晶表示素子302へ導く。
導かれた光は、シャッタもしくはライトバルブの機能を有する液晶表示素子302および射出がエア偏光板308により画像に変換される。表示された画像は、投射光学系303を介してスクリーン310上に拡大投影される。
なお、光源301とコンデンサレンズ306との間にはフィルタ314が挿入されており、光源に含まれる不用な波長の光、たとえば赤外光および紫外光を除去する。
図5に示すように、投射型液晶表示装置(液晶プロジェクタ)300は、光軸Cにそって光源301と透過型の液晶表示素子302と投射光学系303とが順に配設されて構成されている。
光源301を構成するランプ304から射出された光はリフレクタ305によって後方に放射される成分が前方に集光され、コンデンサレンズ306に入射される。コンデンサレンズ306は、光をさらに集中して、入射側偏光板307を介し液晶表示素子302へ導く。
導かれた光は、シャッタもしくはライトバルブの機能を有する液晶表示素子302および射出がエア偏光板308により画像に変換される。表示された画像は、投射光学系303を介してスクリーン310上に拡大投影される。
なお、光源301とコンデンサレンズ306との間にはフィルタ314が挿入されており、光源に含まれる不用な波長の光、たとえば赤外光および紫外光を除去する。
次に、上記の液晶表示素子を用いた電子機器の一例として、投射型表示装置の構成について、図6に関連付けて説明する。
図6に示す投射型表示装置500は、上述した液晶表示素子を3個用意し、各々RGB用の液晶表示素子562R、562Gおよび562Bとして用いた投射型液晶装置の光学系の概略構成図を示す。
図6に示す投射型表示装置500は、上述した液晶表示素子を3個用意し、各々RGB用の液晶表示素子562R、562Gおよび562Bとして用いた投射型液晶装置の光学系の概略構成図を示す。
投射型表示装置500は、光学系として、光源装置520と、均一照明光学系523が用いられている。
この均一照明光学系523から出射される光束Wを赤(R)、緑(G)、青(B)に分離する色分離手段である色分離光学系524と、各色光束R、G、Bを変調する変調手段である3つのライトバルブ525R、525G、525Bと、変調された後の色光束を再合成する色合成手段である色合成プリズム510と、合成された光束を投射面600の表面に拡大投射する投射手段である投射レンズユニット506とを備えている。さらに、青色光束Bを対応するライトバルブ525Bに導く導光系527を備えている。
この均一照明光学系523から出射される光束Wを赤(R)、緑(G)、青(B)に分離する色分離手段である色分離光学系524と、各色光束R、G、Bを変調する変調手段である3つのライトバルブ525R、525G、525Bと、変調された後の色光束を再合成する色合成手段である色合成プリズム510と、合成された光束を投射面600の表面に拡大投射する投射手段である投射レンズユニット506とを備えている。さらに、青色光束Bを対応するライトバルブ525Bに導く導光系527を備えている。
均一照明光学系523は、2つのレンズ板521、522と反射ミラー531を備えており、反射ミラー531を挟んで2つのレンズ板521、522が直交する状態に配置されている。均一照明光学系523の2つのレンズ板521、522は、それぞれマトリクス状に配置された複数の矩形レンズを備えている。
光源装置520から出射された光束は、第1のレンズ板521の矩形レンズによって複数の部分光束に分割される。
そして、これらの部分光束は、第2のレンズ板522の矩形レンズによって3つのライトバルブ525R、525G、525B付近で重なる。
したがって、均一照明光学系523を用いることにより、光源装置520が出射光束の断面内で不均一な照度分布を有している場合でも、3つのライトバルブ525R、525G、525Bを均一な照明光で照明することが可能となる。
各色分離光学系524は、青緑反射ダイクロイックミラー541と、緑反射ダイクロイックミラー542と、反射ミラー543から構成される。
まず、青緑反射ダイクロイックミラー541では、光束Wに含まれている青色光束Bおよび緑色光束Gが直角に反射され、緑反射ダイクロイックミラー542の側に向かう。赤色光束Rは、この青緑反射ダイクロイックミラー541を通過して、後方の反射ミラー543で直角に反射されて、赤色光束Rの射出部544からプリズムユニット510の側に射出される。
そして、これらの部分光束は、第2のレンズ板522の矩形レンズによって3つのライトバルブ525R、525G、525B付近で重なる。
したがって、均一照明光学系523を用いることにより、光源装置520が出射光束の断面内で不均一な照度分布を有している場合でも、3つのライトバルブ525R、525G、525Bを均一な照明光で照明することが可能となる。
各色分離光学系524は、青緑反射ダイクロイックミラー541と、緑反射ダイクロイックミラー542と、反射ミラー543から構成される。
まず、青緑反射ダイクロイックミラー541では、光束Wに含まれている青色光束Bおよび緑色光束Gが直角に反射され、緑反射ダイクロイックミラー542の側に向かう。赤色光束Rは、この青緑反射ダイクロイックミラー541を通過して、後方の反射ミラー543で直角に反射されて、赤色光束Rの射出部544からプリズムユニット510の側に射出される。
次に、緑反射ダイクロイックミラー542では、青緑反射ダイクロイックミラー541で反射された青色光束Bおよび緑色光束Gのうち、緑色光束Gのみが直角に反射されて、緑色光束Gの射出部545から色合成光学系の側に射出される。緑反射ダイクロイックミラー542を通過した青色光束Bは、青色光束Bの射出部546から導光系527の側に射出される。
ここでは、均一照明光学系523の光束Wの射出部から、色分離光学系524における各色光束の射出部544、545、546までの距離がほぼ等しくなるように設定されている。色分離光学系524の赤色光束Rの出射部544および緑色光束Gの出射部545の各射出側には、それぞれ集光レンズ551および集光レンズ552が配置されている。したがって、各射出部から射出した赤色光束R、緑色光束Gは、これらの集光レンズ551、集光レンズ552に入射して平行化される。
ここでは、均一照明光学系523の光束Wの射出部から、色分離光学系524における各色光束の射出部544、545、546までの距離がほぼ等しくなるように設定されている。色分離光学系524の赤色光束Rの出射部544および緑色光束Gの出射部545の各射出側には、それぞれ集光レンズ551および集光レンズ552が配置されている。したがって、各射出部から射出した赤色光束R、緑色光束Gは、これらの集光レンズ551、集光レンズ552に入射して平行化される。
このように平行化された赤色光束Rおよび緑色光束Gは、それぞれライトバルブ525Rおよびライトバルブ525Gに入射して変調され、各色光に対応した画像情報が付加される。すなわち、これらの液晶表示素子は、図示していない駆動手段によって画像情報に応じてスイッチング制御されて、これにより、ここを通過する各色光の変調が行われる。一方、青色光束Bは、導光系527を介して対応するライトバルブ525Bに導かれ、ここにおいて、同様に画像情報に応じて変調が施される。
なお、本例のライトバルブ525R、525G、525Bは、それぞれさらに入射側偏光手段561R、561G、561Bと、これらの間に配置された液晶表示素子562R、562G、562Bとからなる液晶ライトバルブである。
導光系527は、青色光束Bと射出部546の射出側に配置した集光レンズ554と、入射側反射ミラー571と、射出側反射ミラー572と、これらの反射ミラーの間に配置した中間レンズ573と、ライトバルブ525Bの手前側に配置した集光レンズ553とから構成されている。
集光レンズ546から射出された青色光束は、導光系527を介して液晶表示素子562Bに導かれて変調される。各色光束の光路長、すなわち、光束Wの射出部から各液晶表示素子562R、562G、562Bまでの距離は青色光束Bが最も長くなり、したがって、青色光束の光量損失が最も多くなる。
集光レンズ546から射出された青色光束は、導光系527を介して液晶表示素子562Bに導かれて変調される。各色光束の光路長、すなわち、光束Wの射出部から各液晶表示素子562R、562G、562Bまでの距離は青色光束Bが最も長くなり、したがって、青色光束の光量損失が最も多くなる。
しかし、導光系527を介在させることにより、光量損失を抑制することができる。各ライトバルブ525R、525G、525Bを通って変調された各色光束R、G、Gは、色合成プリズム510に入射され、ここで合成される。
そして色合成プリズム510によって合成された光が投射レンズユニット506を介して所定の位置にある投射面600の表面に拡大投射されるようになっている。
そして色合成プリズム510によって合成された光が投射レンズユニット506を介して所定の位置にある投射面600の表面に拡大投射されるようになっている。
なお、本発明は単純マトリクス方式だけでなく、TFTFアクティブマトリクス方式や、TFDアクティブマトリクス方式、パッシブマトリクス駆動方式、旋光モード、複屈折モードなど、いずれの方式の液晶表示素子に適用しても、上述した効果が期待できる。更に、駆動内蔵型の液晶装置のみならず、駆動回路を外付けする形の液晶表示素子や対角1インチから15インチ程度あるいはそれ以上のさまざまなサイズの液晶表示素子、投射型の液晶表示素子などに、本発明の液晶注入装置を適用しても効果が期待できる。
なお、本発明は投射型の液晶表示素子だけでなく、反射型液晶表示素子、LCOS、有機EL、いずれの方式のデバイスに適用しても上述した効果が得られる。
また、駆動内蔵型の液晶装表示素子、駆動回路を外付けする形の液晶表示素子、単純マトリクス方式、TFDアクティブマトリクス方式、パッシブマトリクス駆動方式、旋光モード、複屈折モードなど、いずれの方式の液晶表示素子に適用しても、上述した効果が期待できる。
また、駆動内蔵型の液晶装表示素子、駆動回路を外付けする形の液晶表示素子、単純マトリクス方式、TFDアクティブマトリクス方式、パッシブマトリクス駆動方式、旋光モード、複屈折モードなど、いずれの方式の液晶表示素子に適用しても、上述した効果が期待できる。
10…液晶表示素子、11…TFTアレイ基板、12…対向基板、13…画素電極、14…対向電極、15…シール材、16…液晶層、20,21…配向膜、300,500…投射型表示装置、301,520…光源、303,506…投射光学系、310,600…投射面。
Claims (22)
- 第1の基板と第2の基板を対向させ、液晶を所定方向に配向させるための配向処理が施されており、上記二枚の基板が所定間隙で対向するようにシール材で貼り合わせた一対の基板間に垂直配向液晶層が挟持された液晶表示素子であって、
上記シール材は、平均粒子径が0.5μm未満で、かつ最大粒子径が1.5μm以下である充填剤を含有し、
上記液晶層に用いる垂直液晶材料は室温での屈折率異方性が0.07以上であり、垂直配向液晶層の厚みが4μm以下である
液晶表示素子。 - 上記第1の基板および第2の基板は、光透過性電極を有する基板である
請求項1記載の液晶表示素子。 - 上記第1の基板は光透過性電極を有し、上記第2の基板は光反射電極を有する
請求項1記載の液晶表示素子。 - 上記シール材は平均粒子径が0.3μm未満の充填剤を含有し、上記液晶層に用いる垂直液晶材料は室温での屈折率異方性が0.07以上であり、垂直配向液晶層の厚さが2μm以下である
請求項3記載の液晶表示素子。 - 上記シール材に含まれる充填剤の含有量が15〜40wt%の範囲である
請求項1記載の液晶表示素子。 - 上記シール材に含まれる充填剤の比表面積が30m2/g以下である
請求項1記載の液晶表示素子。 - 少なくとも一方の基板のシール下に配向膜がある
請求項1記載の液晶表示素子。 - 上記配向膜材料は無機系配向膜である
請求項1記載の液晶表示素子。 - 上記配向膜材料は無機系配向膜である
請求項2記載の液晶表示素子。 - 上記配向膜材料は無機系配向膜である
請求項3記載の液晶表示素子。 - 上記配向膜材料は無機系配向膜である
請求項4記載の液晶表示素子。 - 光源と、
上記光源から出射された光を液晶表示素子に導く集光光学系と、
上記液晶表示素子で光変調した光を拡大して投射する投射光学系と、を有し、
上記液晶表示素子は、
第1の基板と第2の基板を対向させ、液晶を所定方向に配向させるための配向処理が施されており、上記二枚の基板が所定間隙で対向するようにシール材で貼り合わせた一対の基板間に垂直配向液晶層が挟持され、
上記シール材は、平均粒子径が0.5μm未満で、かつ最大粒子径が1.5μm以下である充填剤を含有し、
上記液晶層に用いる垂直液晶材料は室温での屈折率異方性が0.07以上であり、垂直配向液晶層の厚みが4μm以下である
投射型表示装置。 - 上記第1の基板および第2の基板は、光透過性電極を有する基板である
請求項12記載の投射型表示装置。 - 上記第1の基板は光透過性電極を有し、上記第2の基板は光反射電極を有する
請求項12記載の投射型表示装置。 - 上記シール材は平均粒子径が0.3μm未満の充填剤を含有し、上記液晶層に用いる垂直液晶材料は室温での屈折率異方性が0.07以上であり、垂直配向液晶層の厚さが2μm以下である
請求項14記載の投射型表示装置。 - 上記シール材に含まれる充填剤の含有量が15〜40wt%の範囲である
請求項12記載の投射型表示装置。 - 上記シール材に含まれる充填剤の比表面積が30m2/g以下である
請求項12載の投射型表示装置。 - 少なくとも一方の基板のシール下に配向膜がある
請求項12記載の投射型表示装置。 - 上記配向膜材料は無機系配向膜である
請求項12記載の投射型表示装置。 - 上記配向膜材料は無機系配向膜である
請求項13記載の投射型表示装置。 - 上記配向膜材料は無機系配向膜である
請求項14記載の投射型表示装置。 - 上記配向膜材料は無機系配向膜である
請求項15記載の投射型表示装置。
Priority Applications (1)
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JP2005231867A JP2007047460A (ja) | 2005-08-10 | 2005-08-10 | 液晶表示素子および投射型表示装置 |
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JP2005231867A Pending JP2007047460A (ja) | 2005-08-10 | 2005-08-10 | 液晶表示素子および投射型表示装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US9019453B2 (en) | 2012-02-22 | 2015-04-28 | Samsung Display Co., Ltd. | Liquid crystal display |
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2005
- 2005-08-10 JP JP2005231867A patent/JP2007047460A/ja active Pending
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