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JP2006525308A - 耐熱性および耐湿性が改善された変性デンプンを含有する速溶性の経口消耗フィルム - Google Patents

耐熱性および耐湿性が改善された変性デンプンを含有する速溶性の経口消耗フィルム Download PDF

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JP2006525308A JP2006506579A JP2006506579A JP2006525308A JP 2006525308 A JP2006525308 A JP 2006525308A JP 2006506579 A JP2006506579 A JP 2006506579A JP 2006506579 A JP2006506579 A JP 2006506579A JP 2006525308 A JP2006525308 A JP 2006525308A
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ニーマ・マヘシュ・クルカルニ
アルバート・フランク・ソーグ
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ワーナー−ランバート カンパニー リミティド ライアビリティー カンパニー
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Abstract

変性デンプン、医薬的に活性な薬物および場合によっては少なくとも一種の水溶性重合体を含むことを特徴とするヒトを包含する温血動物の口腔に付着し、溶解するのに適合されている消耗フィルム。

Description

[優先権情報]
本件特許出願は米国仮出願第60/467,339号の優先権を主張するものである。
本発明は一般的には医薬的に活性な薬物の一種またはそれ以上を送達するための速溶性の経口消耗フィルムに関し、そして、さらに詳しくは、耐熱性および耐湿性が改善された変性デンプンを含有する速溶性の経口消耗フィルムに関する。
個人ケア製品は、様々な剤形で処方することができ、これらの剤形には錠剤、カプセル剤、口中錠または食用の薄膜組成物の細片(ストリップ)が包含される。口腔に適用される食用薄膜組成物は、治療剤を口腔粘膜に送達するようにデザインすることができる。このような例の一つが、New York、Pfizer Inc.が製造したLISTERINE POCKETPAKS(商標)ブランドのオーラルケア用の細片にした製品であり、治療剤、特に抗菌薬を精油との配合剤の形態で送達するのに有効である可食性のフィルム組成物の成功例である。
上述したタイプの速溶性の経口消耗フィルムは、最少量の熱または水分に曝される場合時間がたつと粘稠で、かつ粘着性になる。このような通常の熱および水分に曝されることにより、フィルムの物理的安定性および組成が不利な影響を受け、望ましくないテクスチャ−および外観、ならびに保存期間および製品性能の減退をもたらすものとなる。当該分野では、製品安定性および耐熱性、耐湿性が改善された消耗薄膜フィルムを開発する要望が依然として存在している。
本発明の実施態様は、ヒトを包含する温血動物の口腔で迅速に溶解するのに特に適合している消耗フィルム(コンシューマブルフィルム)(consumable film)に係る。本発明の特別な一面では、変性デンプン、医薬的に活性な薬物および場合によっては少なくとも一種の水溶性重合体を含むことを特徴とするヒトを包含する温血動物の口腔に付着し、溶解するのに適合されている消耗フィルムが提供される。
本発明はまた医薬的に活性な薬物の経口送達に特に適している柔軟な非自己接着性フィルムの製造方法に係る。本発明の方法は、水相を調製し;変性デンプンおよび場合によっては水溶性重合体少なくとも一種を包含するフィルム形成性混合物を調製し;水相とフィルム形成性混合物とを組み合わせて水和重合体ゲルを形成し;水和重合体ゲルを支持体上に流延して流延ゲルを形成し;そして流延ゲルを乾燥して消耗フィルムを形成させることからなり、ここで医薬的に活性な薬物の少なくとも一種を水相、水和重合体ゲルまたは両者に加えることからなる。
本発明の実施態様は、疾患、症候または病態に罹っているヒトを包含する温血動物の口腔で溶解しそして口腔の粘膜に付着するように特に適合されている生理学的に許容し得るフィルムに係る。このようなフィルムは罹患している温血動物を治療するのに有用な医薬的に活性な薬物を送達するのに特に適している。
本発明の一つの特徴面では、変性デンプン、医薬的に活性な薬物および場合によっては
水溶性重合体の少なくとも一種を含むことを特徴とするヒトを包含する温血動物の口腔に付着し、溶解するのに適合されている消耗フィルムが提供される。
消耗フィルムは、限定するものではないが、以下の成分の一種またはそれ以上を包含することができる:Leung他の1999年9月14日出願の同時係属中の米国特許出願第09/395,104号(その全体を参照により本明細書に組み入れる)に記載されているように、水、抗菌剤、追加のフィルム形成性薬剤または水溶性重合体、可塑剤、矯味矯臭剤、硫黄沈降剤、唾液刺激剤、冷却剤、界面活性剤、安定剤、乳化剤、増粘剤、結合剤、着色剤、トリグリセリド、ポリエチレンオキシド、プロピレングリコール、甘味剤、芳香剤、保存剤等。
本文で使用される「消耗」(consumable)なる用語は、消費者に投与されると不適当なマイナスの効果をもたらさないで、適度に許容される食用化合物を包含する物質を含むことを意図するものである。消耗フィルムはヒトを包含する温血動物の口腔に投与するために成形し、寸法が決められる。これらのフィルムは温血動物の口内で迅速に溶解するように特に適合されている。溶解フィルムは口内表面、典型的には口蓋または舌に付着し、医薬的に活性な薬物のための迅速送達システムを提供することができる。
他に特定されない限り、使用されている「質量%」なる用語は、最終生成物を製造するのに使用される処方物に対するものとして最終生成物(即ちフィルム)の総質量を基にするものであり、それで対象成分が寄与する総乾燥質量のパーセントを表す。この理論値は実験値とは異なりうるがその理由は、実際にはフィルムは典型的には若干量の水および/その他の物質、例えば最終生成物を製造するのに使用し得るアルコール(例えばエタノール)を保持しているからである。
一実施態様では、消耗フィルムは変性デンプンを包含している。変性デンプンは、生成物の性能をさらに良くしまた保存寿命を改善するために熱および水分を包含する不利な要因に対するフィルムの全体にわたる安定性および抵抗性を顕著に改善することが見いだされた。また、変性デンプンは消費し得るフィルムでさらに多くの固体(未変性デンプンで得られる量の2倍まで)の溶解を可能とする。変性デンプンは水と組み合わせてペーストにするとそれらの未変性対応品よりも粘着性がより低くなり、その結果として変性デンプンは実用粘度でさらに多くの非ゲル化デンプン(ungelatinized starch)を「担持する」ことができる。変性デンプンはペーストの安定性を改善し、また往々にして優れた物理的性質、例えば増大した溶解性、より良いフィルム形成特性、増大した白色度、改善されたゲル強度、より安定な粘度、増大した接着性、改善されたせん断抵抗性、および増大された凍結融解分解抵抗性を有する。
本発明で使用される変性デンプンは、未変性デンプンを機械的、化学的または熱で変性することにより製造できる。例えば、変性デンプンはデンプンを化学的に処理して例えば酸処理デンプン、酵素処理デンプン、酸化デンプン、架橋デンプン、およびその他のデンプン誘導体とすることによって製造することができる。変性デンプンを製造するための変性に適したデンプンは、天然産物例えばトウモロコシ、バレイショ、タピオカ、およびこれらのものの遺伝子変性形態例えば高アミロースでワキシーなコーン、およびモロコシ属変種から得ることができる。
さらに具体的には、変性デンプンは、変性トウモロコシデンプン、変性タピオカデンプン、酸加水分解トウモロコシデンプン、酸加水分解バレイショデンプン、酵素加水分解トウモロコシデンプン、酵素加水分解バレイショデンプン、次亜塩素酸酸化デンプン、酸希薄デンプン、エチル化デンプン、架橋デンプン、ヒドロキシプロピル化タピオカデンプン、ヒドロキシプロピル化トウモロコシデンプン、アルファ化変性デンプン等を包含する。好ましい変性デンプンは、プレゲル化(pregelatinized)変性トウモロコシデンプンおよびプレゲル化変性タピオカデンプンから選択される。
本発明に有用な市販の変性デンプンの代表的な例には、例えばGrain Processing Corporation、 1600 Oregon Street、Muscatine、lowa52761−1494 USA から入手可能なPURE−COTE(商標)変性デンプン、例えばPURE−COTE(商標)B793(プレゲル化変性トウモロコシデンプン)およびPURE−COTE(商標)B795(プレゲル化変性トウモロコシデンプン)が包含される。PURE−COTE(商標)B793変性デンプンは冷水可溶性であり、溶液では低粘度を示し、乾燥すると透明な、柔軟性のフィルムとなる。PURE−COTE(商標)B793変性デンプンは、冷、温または熱水に最小の泡を生じながら容易に分散し、水和し、そして出来上がった柔軟性の被膜またはフィルムは水溶性であり、強靭かつ透明であり、優れた光沢を有している。
本発明の一実施態様では、変性デンプンは、フィルムの約1質量%〜90質量%の範囲の量で、別の実施態様では、約10質量%〜90質量%の範囲の量で、またさらに別の実施態様では、約35質量%〜80質量%の範囲の量で存在する。
変性デンプンは単独でまたは場合によっては追加の水溶性フィルム形成性重合体と組み合わせてフィルム中に包含されていてよい。このような重合体は、例えばプルラン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、アルギン酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、トラガントガム、グアールガム、アカシアガム、アラビアゴム、ポリアクリル酸、メチルメタクリレート共重合体、カルボキシビニル重合体、アミロース、高アミロースデンプン、ヒドロキシプロピル化高アミロースデンプン、デキストリン、ペクチン、キチン、キトサン、レバン、エルシナン、コラーゲン、ゼラチン、ツェイン、グルテン、分離大豆タンパク質、分離ホエータンパク質、カゼインおよびこれらの組み合わせからなる群から選択される。好ましい水溶性重合体はプルランである。水溶性重合体の量は典型的にはフィルムの約99質量%まで、好ましくは約80質量%まで、さらに好ましくは約50質量%間で、そして最も好ましくは約40質量%までである。
一実施態様では、本発明の消耗フィルムは、良好なフィルム形成特性を有する水溶性フィルム形成性重合体、例えばプルランと組み合わされた変性デンプンを包含していてよく、またその他の添加剤、例えば水、抗菌剤、追加のフィルム形成性薬剤または水溶性重合体、可塑剤、矯味矯臭剤、硫黄沈降剤、唾液刺激剤、冷却剤、界面活性剤、安定剤、乳化剤、増粘剤、結合剤、着色剤、甘味剤、芳香剤、保存剤等をさらに包含していてよい。
本明細書で使用される「医薬的に活性な薬物」なる用語は、温血動物に不利な影響を与えている疾患、症候または病態を治療または予防するためにヒトを包含する温血動物に投与される食品添加物以外の薬剤を包含することを意図しているものである。特に限定されるものではないが、これらの薬剤は生理学的に許容し得るものであり、かつフィルムと相容し得るものである。適当な医薬的に活性な薬物には、限定されるものではないが、以下のものを包含している。
(a)抗菌剤、例えばトリクロサン、セチルピリジニウムクロリド、ドミフェンブロミド、第四級アンモニウム塩、亜鉛化合物、サングイナリン、フルオリド、アレクシジン、オクトニジン、EDTA等;
(b)非ステロイド系抗炎症剤、例えばアスピリン、アセトアミノフェン、イブプロフェン、ケトプロフェン、ジフルニサール、フェノプロフェンカルシウム、ナプロキセン、トルメチンナトリウム、インドメタシン、フルルビプロフェンナトリウム、セレコキシブ、
バルデコキシブ、ロフェコキシブ等;
(c)鎮咳剤、例えばベンゾナテート、カラミフェンエディシレート、メントール、デキストロメトルファンヒドロブロミド、塩酸クロフェジアノール等;
(d)うっ血除去剤、例えば塩酸プソイドエフェドリン、塩酸フェニルエフェドリン、フェニルプロパノールアミン、硫酸プソイドエフェドリン等;
(e)抗ヒスタミン剤、例えばマレイン酸ブロムフェニラミン、マレイン酸クロルフェニラミン、マレイン酸カルビノオキサミン、フマル酸クレマスチン、マレイン酸デキシクロルフェニラミン、塩酸ジフェニルヒドラミン、マレイン酸アザタジン、クエン酸ジフェンヒドラミン、塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸ジフェニルピラリン、コハク酸ドキシルアミン、塩酸プロメタジン、マレイン酸ピリラミン、クエン酸トリペレナミン、塩酸トリプロリジン、アクリバスチン、ロラタジン、デスロラタジン、ブロムフェニラミン、デクスブロフェニラミン、フェキソフェナジン、セチリジン、モンテクラストナトリウム等;
(f)去痰剤、例えばグアイフェネシン、イペカク、ヨウ化カリウム、テルピン水和物等;
(g)下痢止め剤、例えばロペラミド等;
(h)ヒスタミンII受容体アンタゴニスト、例えばファモチジン、ラニチジン等;
(i)プロトンポンプ阻害剤、例えばオメプラゾール、ランソプラゾール等;
(j)一般非選択性CNS抑制剤、例えば脂肪族アルコール、バルビツレート等;
(k)一般非選択性CNS刺激剤、例えばカフェイン、ニコチン、ストリキニン、ピクロトキシン、ペンチレンテトラゾール等;
(l)CNS機能を選択的に修飾する医薬、例えばフェニルヒダントイン、フェノバルビタール、プリミドン、カルマゼピン、エトスクシイミド、メトスクシイミド、フェノスクシイミド、トリメタジオン、ジアゼパム、ベンゾジアゼピン、フェナセミド、フェネツリド、アセタゾールアミド、スルチアンミンブロミド、ガバペンチン、フェニトイン等;
(m)抗パーキンソン剤、例えばレボドパ、アマンタジン等;
(n)麻薬性鎮痛剤、例えばモルヒネ、ヘロイン、ヒドロモルホン、メトポン、オキシモルホン、レボルファノール、コデイン、ヒドロコドン、キシコドン、ナロルフィン、ナロキソン、ナルトレキソン等;
(o)解熱鎮痛剤、例えばサリチレート、フェニルブタゾン、インドメタシン、フェナセチン等;
(p)精神薬理学的薬剤、例えばクロルプロマジン、メトトリメプラジン、ハロペリドール、クロザピン、レセルピン、イミプラミン、トラニルシプロミン、フェネルジン、リチウム含有薬剤等:
(q)抗アンギナ剤、例えばリマプロスト、ニトログリセリン、ニフェジピン、ベプリジル等;および
(r)抗片頭痛剤、例えばスマトリプタンスクシネート、ゾルミトリプタン、バルプロ酸、エレトリプタンヒドロブロミド等。
医薬的に活性な薬物は有効量で使用され、そしてこの量は、部分的には選択された薬物に基づいて、変わる。「有効量」とは、治療する疾患、症候または病態を少なくとも低減または軽減するのに十分であるが、何らかの不利な副作用を回避するのに充分な低さの活性な薬物の量であることを意味する。特別な活性薬物に加えて、医薬的に活性な薬物の有効量は、疾患、症候または病態のタイプおよび/または程度、治療している患者の年齢および身体状態、治療期間、併用療法の種類、使用する医薬的に活性な薬物の特別な形態(即ち、塩)および医薬的に活性な薬物を適用する特別な担体で変わり得る。
処方物中の医薬的に活性な薬物の量は、所定の用量の活性薬物を所定の期間にわたって(典型的には4〜24時間に変わり得る)送達するように調節することができる。例えば、本発明の好ましいフィルムは、活性薬物、例えば塩酸デキストロメトルファンの医薬的に有効な量を、例えば投与を必要としている患者に12時間の間送達するために、12時間毎に一用量を投与することができる。本発明のフィルムの医薬的に活性な薬物の典型的な成人用量は、活性薬物(例えば臭化水素酸デキストロメトルファン)約1〜130mg、好ましくは約5〜65mgを含有することができる。
迅速溶解性、消耗フィルムの一ストリップ当り送達され得る特定の医薬的に活性な薬物を含む用量の例を表Aに記載する。
〔表A〕
表A
医薬的に活性な薬物 用量
マレイン酸クロルフェニラミン 4−12mg
マレイン酸ブロムフェニラミン 4mg
デキシクロルフェニラミン 2mg
デキシブロモフェニラミン 2mg
塩酸トリプロリジン 2.5mg
セチリジン 5−10mg
アクリバスチン 8mg
マレイン酸アザタジン 1mg
ロラタジン 5−10mg
塩酸フェニルエフリン 5−10mg
デキストロメトルファンヒドロブロミド 10−30mg
シルデナフィル 25−100mg
ケトプロフェン 12.5−25mg
コハク酸スマトリプタン 35−70mg
ゾルミトリプタン 2.5mg
ロペラミド 2mg
ファモチジン 5−10mg
ニコチン 1−15mg
塩酸ジフェンヒドラミン 12.5−25mg
塩酸プソイドエフェドリン 15−60mg
アトルバスタチン 5−80mg
バルデコキシブ 5−20mg
ベシル酸アムロジピン 2.5−10mg
ロフェコキシブ 5−25mg
塩酸セトラリン 10−100mg
ジプラシドン 20−80mg
エレトリプタン 10−40mg
ニトログリセリン 0.3−0.6mg
他に注記のある場合を除いて、本発明によるフィルム中の活性薬剤の量は、フィルム処方物を乾燥し、フィルムに形成した後の質量%として表示する。一般に、フィルムで使用される活性薬剤の量は、約0.01〜約80質量%、好ましくは約2.5〜約40質量%、そしてさらに好ましくは約5〜約30質量%である。
本発明の別の実施態様では、消耗フィルムはさらに、限定されるものではないが、Leung等による1999年9月14日出願に係る同時係属中の米国特許出願第09/395,104号(その全体を参照により本明細書に組み入れる)に記載されているような精油を包含する抗菌剤を包含していてよい。このような精油は、例えばカルバクロール、チモール、ユーカリ油、メント−ル、サリチル酸メチル、オイゲノール、ゲリアノール、ベルベノン等およびこれらの組み合わせから選択することができる。精油の好ましい組み合わせの一つは、LISTERINE (登録商標)ブランドの口内洗剤およびオーラルケアストリップで使用されている;これらは、恐らくは、歯垢、歯肉炎および口臭の原因である口腔内の微生物を殺滅するのに有効であることが証明された防腐性経口組成物の最も良く知られている例である。LISTERINE (登録商標)ブランドの口内洗剤およびオーラルケアストリップは、精油の組み合わせによりそれらの抗菌効果を達成する。これらの精油は、望ましくない微生物を殺滅するのに有効な正確に釣り合った量のチモール、サリチル酸メチル、メントールおよびユーカリ油(以下[好ましい精油」と称する)を包含している。
フィルム組成物で使用される好ましい精油の量は、抗菌効能を提供するのに十分な量である限り、変えることができる。一般には、この精油の量はフィルムの約30質量%まで、好ましくは約0.05質量%〜約18質量%である。好ましい一実施態様では、チモール、サリチル酸メチルおよびユーカリ油の量はそれぞれフィルムの約0.01質量%〜約4質量%、好ましくは約0.05質量%〜約3.0質量%、さらに好ましくは約0.07質量%〜約2.0質量%である。メントールは組成物の約0.01質量%〜約15質量%、好ましくはフィルムの約2.0質量%〜約9.0質量%、さらに好ましくは約3質量%〜約9質量%で存在していてよい。好ましい精油を包含する精油の望ましく、有用な量は当業者により容易に定めることができ、総精油含量が加工処理上の問題例えば粘着性の問題を生じない限り、好ましい量を超過してもよい。ある種の実施態様では、精油は歯垢、歯肉炎および口臭の原因となる歯垢産生微生物を殺滅するのに相乗的に有効な量で組み合わせる。
精油を組み入れる実施態様では、消耗フィルム中の油が比較的高い含量であるので、過度に湿った自己接着性のフィルムの形成を避けるために、保湿剤は避けられる。一実施態様では、消費し得るフィルムは、緩和な保湿剤であるソルビトール以外の甘味剤と共に、保湿剤でもあるグリセリン以外の可塑剤を包含している。
唾液刺激剤を本発明の消耗フィルムに加えてもよい。有用な唾液刺激剤は米国特許第4,820,506号に記載され、その全体を参照により本明細書に組み入れる。
適当な甘味剤には、天然および人工両方の甘味剤が包含され、それらの例には以下のものがある:
A)単糖類、二糖類、多糖類等を包含する水溶性甘味剤、B)可溶性サッカリン塩等を包含する水溶性人工甘味剤、C)ジペプチドベースの甘味剤、例えばアスパルテーム、ネオテーム等を包含するL−アスパラギン酸誘導甘味剤、D)スクロース、スクラロース等の塩素化誘導体を包含する天然水溶性甘味剤の誘導体、E)タウマトコッカス・ダニエリ(thaumatococcous danielli)(タウマチンIおよびII)等を包含するタンパク質ベースの甘味剤、およびこれらの組み合わせ。
一般に、補助甘味剤の有効量を特別の組成物に所望される甘味の程度を提供するのに使用し、そしてこの量は選択された特別の甘味剤で変化する。有効量は、普通には、容易に抽出される甘味剤を使用した時は、消費し得るフィルムの約0.01質量%〜約10質量%である。水溶性甘味剤は、通常、消費し得るフィルムの約0.01質量%〜約10質量%の量で、好ましくは約2.0質量%〜約5.0質量%の量で使用する。水溶性甘味剤以外の上述したその他の甘味剤は、一般には、消費し得るフィルムの約0.01質量%〜約10質量%の量で、好ましくは約2質量%〜約8質量%の量でそしてさらに好ましくは約3質量%〜約6質量%の量で使用する。
消費し得るフィルムに保存剤を加えてもよい。保存剤は、消費し得るフィルムの約0.001質量%〜約5質量%の量で、好ましくは約0.01質量%〜約1質量%の量で添加する。好ましい保存剤には、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム等およびこれらの組み合わせが包含される。その他の適当な保存剤には、限定されるものではないが、エデト酸の塩、(エチレンジアミン四酢酸、またはEDTAの塩としても知られ、例えばEDTAニナトリウム)が包含される。
本発明のさらに他の実施態様は、本発明の消費し得るフィルムの製造方法に係るものである。一般には、医薬的に活性な薬物を水に溶解して水相を形成させる。水相はさらに甘味剤、染料、保存剤、食品添加物等を包含していてよい。変性デンプンおよび場合によっては少なくとも一種の水溶性重合体(例えばプルラン)を含むフィルム形成性混合物を調製する。水相とフィルム形成性混合物とを合体し、十分に混合して水和重合体ゲルを形成する。あるいはまた、医薬的に活性な薬物を水和重合体ゲルに直接添加してもよい。場合によっては、有機成分、例えば精油およびその他の油(例えば、グリセリン、オリーブ油)、矯味矯臭剤、界面活性剤(例えば、Polysorbate 80、Atmos 300、Atsurf 596K)、等を含む有機相を水相、フィルム形成性混合物または水和重合体ゲルと組み合わせてもよい。得られた水和重合体ゲルを適当な支持体に流延して流延ゲルを形成させる。次いで、流延ゲルを乾燥して消費し得るフィルムを形成させる。
消耗フィルムの好ましい製造方法では、最初に変性デンプンと場合によっては水溶性重合体とを水で水和することにより最初にフィルム形成性混合物を形成させるのが望ましい。次に、その他の水溶性成分、例えば水溶性の医薬的に活性な薬物、甘味剤、染料、食品添加物等を水に溶解して水相を形成させる。別個に、有機成分、例えば精油およびその他の油(例えば、グリセリン、オリーブ油)、矯味矯臭剤、界面活性剤(例えば、Polysorbate 80、Atmos 300、Atsurf 596K)等を一緒に混合する。次に、フィルム形成性重合体相を水相と混合し、それから有機相を加えることにより、最終処方物を製造する。合体した混合物は乳濁液または水和重合体ゲルとする。
得られた水和重合体ゲルを次に適当な支持体に流延し、そして乾燥してフィルムを形成させる。フィルムは好ましくは風乾しそして温風下に乾燥し、所望の寸法に裁断し、包装して、保存する。包装したフィルムは約0.1質量%〜約10質量%の量で、好ましくは約4質量%〜約7質量%の量で水分を含んでいてよい。
フィルム形成性混合物はさらに安定剤、例えばグアーガム、キサンタンガム、ローカストビーンガム、カラゲニン等およびこれらの組み合わせを包含していてよい。これらの成分を混合し、次いで温水、好ましくは脱イオン水でゲルが形成するまで(約30〜48時間を要する)水和する。水は好ましくは水和を促進するために約20℃〜40℃の温度に加熱する。水の量は典型的にはゲルの約40質量%〜約80質量%である。得られた水和ゲルを次いで約1〜48時間約20℃〜30℃の温度に冷却する。
水相は、医薬的に活性な薬物に加えて、その他の添加剤、例えば着色剤、グルコン酸銅および甘味剤を包含していてよい。典型的には、水相は最終ゲル混合物の総重量の約5質量%〜約80質量%を含有している。
選択された甘味剤としてサッカリンナトリウムそして選択された硫黄沈降剤としてグルコン酸銅を処方物に使用するときは、沈殿を避けるためにこれらを別々に溶液に溶解するのが好ましい。
さらに好ましい方法では、水溶性重合体は好ましくは粉末の形態であり、これを水相に加えて水和重合体ゲルを形成させる。得られた水和重合体ゲルをほぼ室温で約30分乃至48時間十分に撹拌し、次に脱気して少なくとも実質的に全ての気泡を除く。均一な混合
物を適当な支持体に流延し、その後に乾燥して所望のフィルムを形成させる。
精油を含有する消耗フィルムについては、本発明の消耗フィルムを製造する方法は、有機相に精油を添加し、そして有機相と水和重合体ゲルとを混合することをさらに包含する。特に、例えばメントールまたはチモールのような精油を、場合によっては油同士を組み合わせて、混合し油混合物を形成させることができる。次に、例えばサリチル酸メチルおよびユーカリプトールのようなその他の精油および界面活性剤を油混合物に添加することができる。次に、油混合物を水和重合体ゲルに加え、均一なゲルが形成されるまで混合する。次いで、均一なゲルを適当な支持体に流延し、その後に乾燥して消耗フィルムを形成させる。
消耗フィルムを製造する好ましい方法では、変性デンプンおよび場合による水溶性重合体を、製造方法でのエネルギーコストを低減させるために、水を加熱することなく水和することもできる。さらに、加熱によって揮発性成分の蒸発して失われるという望ましくない結果が生じる。本発明の精油含有フィルムにとっては、加熱は精油の損失により組成物の殺菌活性に影響を及ぼすこともある。精油は香りの喪失を最小限にするように添加することができる。
何らかの理論に束縛されることを所望するものではないが、例えば変性デンプンおよび場合による水溶性重合体のようなフィルム形成成分は、Donnan平衡として知られているイオン効果により、加熱することなく水和、混合され得るものと考えられる。溶液中の電解質の存在下での変性デンプンおよび場合による水溶性重合体の水和は、形成される重合体ゲルの粘度を有効に低下させ、これにより水和プロセスの効率が増大される。処方物の水溶性成分は電解質を提供し、これらの電解質は変性デンプンおよび場合による水溶性重合体に添加される前に水和溶液に溶解されている。高せん断混合はまた水和を促進し、これにより粉末の塊が砕かれ、水と接触するための表面積が一層大きくなるものである。加えて、せん断領域で生じる局所加熱効果は、塊の温度を実質的に上昇させることなく、水和のためのエネルギーを提供するものである。
実施例1
デキストロメトルファンヒドロブロミド15.0mgおよびPURE−COTE(登録商標)B793ベースを含む速溶性消費し得るフィルム
表1に列挙した成分を合体して以下の手順に従って本発明の消費し得るフィルムとした:
A)デキストロメトルファンHBrを75℃で90%の水に混和、溶解して水相とした。Amberlite IRP69を水相に加え、約70℃乃至80℃で約4乃至5時間撹拌した。ペクチンを極めてゆっくりと水相に加え、高混合速度で混合した。水相を約50℃に放冷し、適量の水で蒸発に対する損失を元に戻した。次に、ソルビン酸ナトリウムおよび染料を水相にくわえ、十分に撹拌した。
B)フィルム形成性成分、キサンタンガム、ローカストビーンガム、カラゲニンおよびPURE−COTE(商標)B793を別の容器で一緒に混合してフィルム形成性混合物を形成した。
C)フィルム形成性混合物を水相A)にゆっくりと加え、次いで低混合速度で一夜混合して水和重合体ゲルとした。
D)矯味矯臭剤、グリセリン、オリーブ油、メントール、および界面活性剤を別個の容器で合わせ、混合して溶解し、有機相を得た。
E)マンニトールおよびスクラロ−スを別個の容器で残りの10%の水で一緒に混合した。次に、スクレンセ(Succulence)を得られた混合物に加え、溶解した。
F)工程D)およびE)の混合物を水和重合体ゲルに加え、均一に混合して最終重合体ゲル混合物を得た。最終重合体ゲル混合物を型に注加し、流延して室温で所望の厚さのフ
ィルムを形成させた。フィルムを温風下に乾燥し、所望の寸法(例えば、用量および口当たりによって定めた)に裁断した。
Figure 2006525308
実施例2
デキストロメトルファンヒドロブロミド15.0mgおよびPURE−COTE(商標)B793ベースを含む速溶性消耗フィルム
Atmos300をAtsurf596Kで置換する以外は、表2に列挙した成分を合わせて実施例1の手順に従って本発明の消耗フィルムとした。
Figure 2006525308
実施例3
塩酸ファモチジン10mgおよびPURE−COTE(商標)B793ベースを含むバニラーミント風味の速溶性消耗フィルム
表3に列挙した成分を合わせて以下の手順に従って本発明の消耗フィルムとした:
A)ソルビン酸ナトリウムおよび染料を80%の水中で混合した。
B)フィルム形成性成分、キサンタンガム、ローカストビーンガム、カラゲニンおよびPURE−COTE(商標)B793を別の容器で一緒に混合してフィルム形成性混合物を形成した。
C)フィルム形成性混合物をA)の混合物にゆっくりと加え、次いで低混合速度で一夜混合して水和重合体ゲルとした。
D)マンニトールおよびスクラロ−スを別個の容器で残りの20%の水中で一緒に混合し、次に水和重合体ゲルに加え、よく混合した。
E)粉砕したファモチジンHClを水和重合体ゲルに加え、十分に混合した。
F)矯味矯臭剤、グリセリン、オリーブ油、メントール、および界面活性剤を別個の容器で合わせ、十分に混合した。
G)工程F)で得られた混合物を水和重合体ゲルに加え、均一に混合して最終重合体ゲル混合物を得た。最終重合体ゲル混合物を型に注加し、流延して室温で所望の厚さのフィルムを形成させた。フィルムを温風下に乾燥し、所望の寸法(例えば、用量および口当たりによって定めた)に裁断した。
Figure 2006525308
実施例4
塩酸ファモチジン10mgおよび変性タピオカデンプンベースを含むバニラーミント風味の速溶性消耗フィルム
PURE−COTE(商標)B793を変性タピオカデンプンで置換する以外は、表4に列挙した成分を合わせて実施例3の手順に従って本発明の消耗フィルムとした。
Figure 2006525308
前記の記載は本発明の単なる例示的な実施態様を開示、説明するものである。このような記載および付随する特許請求の範囲から、本願の請求項に定めた本発明の精神および範囲を逸脱することなく、種々の変化、変更および変形をなし得ることを当業者は容易に理解するであろう。

Claims (15)

  1. 変性デンプンおよび医薬的に活性な薬物を含むことを特徴とするヒトを包含する温血動物の口腔に付着し、溶解するのに適合されている消耗フィルム。
  2. 変性デンプンが、機械的変性デンプン、化学的変性デンプン、熱変性デンプンおよびこれらの組み合わせからなる群から選択される請求項1記載の消耗フィルム。
  3. 変性デンプンが、化学的変性デンプンから選択される請求項1記載の消耗フィルム。
  4. 変性デンプンが、変性トウモロコシデンプン、変性タピオカデンプン、酸加水分解トウモロコシデンプン、酸加水分解バレイショデンプン、酵素加水分解トウモロコシデンプン、酵素加水分解バレイショデンプン、次亜塩素酸酸化デンプン、酸希薄デンプン、エチル化デンプン、架橋デンプン、ヒドロキシプロピル化タピオカデンプン、ヒドロキシプロピル化トウモロコシデンプン、プレゲル化変性デンプンおよびこれらの組み合わせからなる群から選択される請求項1記載の消耗フィルム。
  5. 変性デンプンが、プレゲル化変性トウモロコシデンプン、プレゲル化変性タピオカデンプンおよびこれらの組み合わせからなる群から選択される請求項1記載の消耗フィルム。
  6. 変性デンプンがプレゲル化変性デンプンである請求項1記載の消耗フィルム。
  7. 変性デンプンが、消耗フィルムの総重量を基にして、約1質量%乃至約90質量%の量で存在する請求項1記載の消耗フィルム。
  8. 医薬的に活性な薬物が、ベンゾナテート、カラミフェンエディシレート、メントール、デキストロメトルファンヒドロブロミド、塩酸クロフェジアノールおよびこれらの組み合わせからなる群から選択される請求項1記載の消耗フィルム。
  9. 医薬的に活性な薬物が、塩酸プソイドエフェドリン、塩酸フェニルエフェドリン、フェニルプロパノールアミン、硫酸プソイドエフェドリンおよびこれらの組み合わせからなる群から選択される請求項1記載の消耗フィルム。
  10. 医薬的に活性な薬物が、マレイン酸ブロモフェニラミン、マレイン酸クロロフェニラミン、マレイン酸カルビノオキサミン、フマル酸クレマスチン、マレイン酸デキシクロルフェニラミン、塩酸ジフェニルヒドラミン、マレイン酸アザタジン、クエン酸ジフェンヒドラミン、塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸ジフェニルピラリン、コハク酸ドキシルアミン、塩酸塩プロメタジン、マレイン酸ピリラミン、クエン酸トリペレナミン、塩酸トリプロリジン、アクリバスチン、ロラタジン、ブロムフェニラミン、デクスブロフェニラミン、フェキソフェナジン、セチリジンおよびこれらの組み合わせからなる群から選択される請求項1記載の消耗フィルム。
  11. 医薬的に活性な薬物が、ファモチジン、ラニチジンおよびこれらの組み合わせからなる群から選択される請求項1記載の消耗フィルム。
  12. 医薬的に活性な薬物が、アスピリン、アセトアミノフェン、イブプロフェン、ケトプロフェン、ジフルニサール、フェノプロフェンカルシウム、ナプロキセン、トルメチンナトリウム、インドメタシン、フルルビプロフェンナトリウム、セレコキシブ、バルデコキシブ、ロフェコキシブおよびこれらの混合物からなる群から選択される請求項1記載の消耗フィルム。
  13. さらに少なくとも一種の水溶性重合体を包含し;ここで、この少なくとも一種の水溶性重合体が、プルラン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、アルギン酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、トラガカントガム、グアールガム、アカシアガム、アラビアゴム、ポリアクリル酸、メチルメタクリレート共重合体、カルボキシビニル重合体、アミロース、高アミロースデンプン、ヒドロキシプロピル化高アミロースデンプン、デキストリン、ペクチン、キチン、キトサン、レバン、エルシナン、コラーゲン、ゼラチン、ツェイン、グルテン、分離大豆タンパク質、分離ホエータンパク質、カゼインおよびこれらの組み合わせからなる群から選択される請求項1記載の消耗フィルム。
  14. フィルムが単層の形態である請求項1記載の消耗フィルム。
  15. 請求項1記載の消耗フィルムを、ヒトを包含する温血動物に経口投与することを特徴とする該温血動物の口腔に医薬的に活性な薬物を送達し、そしてその保持を増進する方法。
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