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JP2006511236A - ネコ用の食品プロファイル - Google Patents

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JP2006511236A JP2005502585A JP2005502585A JP2006511236A JP 2006511236 A JP2006511236 A JP 2006511236A JP 2005502585 A JP2005502585 A JP 2005502585A JP 2005502585 A JP2005502585 A JP 2005502585A JP 2006511236 A JP2006511236 A JP 2006511236A
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Abstract

本発明は、食品に特定の多量養素の含有量パラメータを与えることにより、その食品のネコへの受けを確実にする方法に関する。本発明は、食品のネコへの受けを確実にする方法であって、40から60%のタンパク質エネルギー比、25%以下の炭水化物エネルギー比、および15から60%の脂質エネルギー比を有する食品をネコに給餌する工程を有してなり、エネルギー比が食品の総エネルギー量基準である方法を提供する。

Description

本発明は、食品に特定の多量養素の含有量パラメータを与えることにより、その食品のネコへの受けを確実にする方法に関する。
本発明は、動物は、食べ物を食べるときに、所定の期間内で三種類の多量養素(タンパク質、炭水化物、脂質)の各々の目的摂取量に到達するように試みるという観察に基づいている。
本発明は、動物に健康の恩恵を与え、特に、食餌における受け/享受を増大させながら、ネコ科の動物用の美味しい食品を提供する課題に対処するものである。
歴史的に、「美味しさ」(異なる食品に関する相対的な受けと好み)への研究作業の大部分は、食品の官能品質を最適化することに集中していた。食品の受けおよびある食品を別の食品より好むことは、食品の味覚とテキスチャーにより主に駆りたてられていると推測されてきた。食品の栄養含有量が動物の最小限の要件を超えている限り、食餌の味覚やテキスチャーへの間接的な影響がなければ、異なる栄養プロファイルの食餌間では区別がないと推測されてきた。本発明は、そうではないことを示すデータに基づいている。多量養素の含有量が異なる食品を提供することにより、そうする機会が与えられたとき、動物は、最適な比率に到達するために、各多量養素の消費を調節するようにそれらの食品の中で選択を行う。
本発明は、ネコが好みの食品において受け入れる炭水化物の量には制限があることを発見した。本発明はまた、ネコが最も享受し受け入れると見出した、三種類の多量養素成分により与えられたエネルギー比の注意深いバランスがあることを発見した。
異なる種および血統の動物を含む異なる動物は、それぞれの食餌について異なる最適な多量養素の含有量を有する。さらに、個々の動物は、ライフ・ステージ、性別、性的活動、病気、季節的変動、環境、ストレス・レベルなどの要因に依存して、ある範囲内で、それぞれの食餌の変化する最適多量養素含有量を有するであろう。
本発明は、公知の食品から、公知の動物にとっての、一般に、ネコにより最も好まれる特定の範囲の多量養素を選択する。
したがって、本発明は、食品のネコへの受けを確実にする方法であって、40から60%のエネルギー比のタンパク質、25%以下のエネルギー比の炭水化物、および15から60%のエネルギー比の脂質を有する食品をネコに給餌する工程を有してなり、エネルギー比が食品の総エネルギー量基準である方法を提供する。本文において、「食品の受けを確実にする方法」という語句は、食品の受けを増大させる方法も含む。また、本文において、「受け(acceptance)」という用語は、享受(すなわち、食品の享受)も含む。
食品(foodstuffs)は、それ自体が食物(food product)であることが好ましい。それぞれは、ドライ、セミモイストまたはモイスト(ウェット)タイプの製品であってよい。ウェット・フードは、缶詰、パウチまたはトレーなどの容器に入れられて通常販売され、70%から90%の含水量を有するフードを含む。ドライ・フードは、同様の組成を有するが、水分が5%から15%であり、キブルのような小さなビスケットとして与えられるフードを含む。セミモイスト・フードは、15%を超え70%までの含水量を有するフードを含む。どのような製品における水分量も、使用できるまたは要求される包装のタイプに影響を与えるであろう。どのような水分レベルの食物も、すぐ食べられるタイプのものであってよい。
食品は、ネコが食べる食餌中に含まれるどのような食物も包含する。それゆえ、食品は、フード・スナック(例えば、スナック・バー、シリアル・バー、スナック、おやつ(treats)、ビスケットおよび甘いお菓子)などの、標準的な食物並びにコンパニオン動物用の食物を含んでよい。食品は、調理済み食物であってもよい。食品は、肉または動物由来の素材(ビーフ、チキン、ターキー、ラム、魚類、血漿、髄骨等、またはそれらの組合せなど)を含んでもよい。あるいは、食品は、肉を含まなくてもよい(タンパク質を提供するために、大豆、トウモロコシグルテンまたは大豆製品などの肉代替物を含むことが好ましい)。食品は、大豆タンパク濃縮物、ミルク、タンパク質、グルテンなどの追加のタンパク源を含有してもよい。食品は、一種類以上の穀物(例えば、小麦、トウモロコシ、米、オート麦、大麦等)などのデンプンを含有しても、またはデンプンを含まなくてもよい。食品は、ゲル化されたデンプン基質を含んでも、その基質であってもよい。食品は、砂糖大根パルプ、チコリパルプ、チコリ、ココナツの内乳繊維、小麦繊維などの一種類以上の繊維を含んでもよい。クリームまたはチーズソースを含む食物などの乳製品も適しているであろう。食品は、現在市販されていない新たに設計された製品であってよい。最も適した製品は、ペットフード、特に、家ネコ用のペットフードとして販売されている、ここに記載した製品であろう。乾燥したすぐに食べられる形態のシリアル製品(キブルと称されることが多い)などのドライ形態で食品を提供することが都合よいであろう。
本発明の第1の態様における食品は、本発明の実施によって、動物のための適切な栄養的な完全な食餌が提供されるように栄養的に完全であることが好ましい。
必要に応じて、食品は多成分であってもよい。多成分食品は、乾燥したすぐに食べられる形態のシリアル製品を有してなっていてよい。多成分食品は、そのような乾燥したすぐに食べられる形態のシリアル製品のみからなっいてもよい。あるいは、多成分食品は、乾燥したすぐに食べられる形態のシリアル製品およびウェットまたはセミモイストタイプの製品を含んでいてもよい。多成分食品内の個々の食物は、必ずしも、本発明により特定された多量養素含有量を有している必要はない。しかしながら、多成分食品の全食物組成は、本発明による多量養素含有量を有さなければならない(40から60%のPER、15から60%のFERおよび25%以下のCER)。多成分食品は、1日、2日または1週間などのある期間に亘り個々のパッケージが全て給餌された場合に、本発明による多量養素含有量を提供する個々のパッケージの食品を有してなってよい。個々の製品は、以下に論じるように包装してよい。
食品を包装することが好ましい。このようにして、消費者は、パッケージから、製品の成分および多量養素含有量を特定し、その製品が問題の特定の動物に適していることを確認できる。パッケージは、金属(通常は、缶詰またはフレキシホイルの形態で)、プラスチック(通常は、パウチまたはボトルの形態で)、紙またはボール紙であってよい。任意の製品中の水分量は、使用できるかまたは要求されるパッケージのタイプに影響を与えるであろう。食品は、異なるか同じ食品組成物が個別に包装され、例えば、箱内および/または食品組成物の二つ以上のパッケージのための包括的パッケージで、これらのパッケージが何らかの形で一緒に接続されている「キット」または「パック」として入手できるであろう。個別に包装された食品は、本発明による多量養素含有量の範囲に入るであろう。あるいは、食品(多成分食品の形態にある)の組み合わされた個別の小包が、本発明による多成分食品を提供してもよい。この場合、食品の組み合わされた個々の小包が、1日、2日または1週間などのある期間に亘り給餌されたときに、本発明の多量養素含有量を提供するであろう。
本発明の第1の態様の多量養素含有量の比率は以下のとおりである:
タンパク質: PER=40から60%
脂質: FER=15から60%
炭水化物: CER=25%以下
全ては食品のPME基準
ここで、PER=タンパク質:全エネルギー比から導かれたエネルギー
FER=脂質:全エネルギー比から導かれたエネルギー
CER=炭水化物:全エネルギー比から導かれたエネルギー
PME=予測した代謝エネルギー。
本発明は、ネコに対する受けを確実にするのに使用するためのネコ用食品すなわちキャットフードを提供する。そのような選択は、図1の三角形(様々な多量養素プロファイルの食餌を表す)により表すことができる。本発明の第1の態様による方法によって、動物が食べることの受けを確実にすることができる。食べることの受けを確実にすることは、食べることの受けを最適化することであろう。
「給餌」を説明する本発明の態様において、給餌は、動物に本発明の食品に到達させ、そこから食べさせることを意味する。
本発明は、動物が、食品を食べるときに、所定の期間内で三種類の多量養素(タンパク質、炭水化物および脂質)の各々の目的とする摂取量に到達しようと試みるという観察に基づく。本発明は、ネコが好みの食品に直ちに到達できるようにする食品を説明する。
本発明は、動物にとって美味しい食品を提供し、かつ給餌における受けを確実にする利点を動物に与えるという課題に対する解決策を提供する。さらに、本発明は、ペット(コンパニオン)動物の世話人/飼い主による享受/満喫を増大させる。
受け/美味しさにおける増大および/または動物の享受は、例えば、以下の内の一つ以上:
− 食品の消費量の増加、
− 長期に亘る、食べることを拒絶する頻度の減少、
− 食餌を始めるのにかかる時間の減少および/または食品が食べられる速度の増加により表される、食餌中の熱中の増加、
− 動物が別の食品よりもその食品を選ぶこと、
− 動物が他の食品を拒絶すること、
によって、または
飼い主/世話人により食品の満喫の表れであると思われるペット動物による任意の他の挙動、例えば、
− 動物が、食品を給餌するときに、飼い主/世話人の周りにすり寄ること、
− 動物が、食餌後におとなしくなる/休むまたは寝ること、
− 動物が、食事後に自身を舐めるまたは洗うこと、
によって、判定できる。
食品中のタンパク質:エネルギー比が50%以上であることが好ましい。
好ましい炭水化物:エネルギー比は、20%以下、または15%以下、または10%以下である。適切な範囲は、5から15%である。
好ましい脂質:エネルギー比は50%以下である。
本発明は、特に、ネコへの食品の長期に亘る受けを確実にすることに関する。長期とは、2から7日間、2または4週間の任意の期間を意味する。
本発明の第2の態様によれば、ネコへの食品の受けを増大させるために、40から60%のエネルギー比のタンパク質、25%以下のエネルギー比の炭水化物、および15から60%のエネルギー比の脂質を有する、エネルギー比が食品の総エネルギー量基準である食品の製造において、脂質、タンパク質および必要に応じての炭水化物の供給源の使用が提供される。
本発明の第1の態様の全ての好ましい特徴が第2の態様にも当てはまる。
本発明を、以下に図面を参照して説明する。
実施例1
ウェットタイプのキャットフードの受けへの多量養素プロファイルの影響:
様々な炭化水素、脂質およびタンパク質のエネルギー比の影響を調査するため
概要
この試行は、異なる多量養素プロファイルを有するように設計された三種類の均質化された食餌を給餌したネコのグループ(n=10)で構成された。食餌は、タンパク質、脂質または炭水化物が多い食餌を得るために、加工済み鶏胸肉、ラードおよび小麦粉を用いて調製した。全てのネコは、これらの食餌の経験がなかった。
この研究は、ネコをこの均質化した「ポリッジ・タイプ」の食餌形態に導入するように設計された、食餌の給餌に基づく試行に従った。この試行は、以下の給餌体制に従った:7日間の「未経験」の自己選択(三種選択)、その後の24日間の単一学習(一日に一種類の食餌)、そして最終7日間の「経験後」自己選択(三種選択)。ネコは、試行期間中に毎日食品に約22時間に亘り到達できた。10匹のネコの内2匹は試行を完了せず、分析には含まれていない。
未経験の自己選択フェーズ中、高脂質および高炭水化物の食餌と比較して、高タンパク質の食餌が好まれたことが分かった(平均摂取160.7g)。学習フェーズ中、ネコは、選択の余地なく高炭水化物の食餌を食べるようにし向けられたが(平均121.4g)、高タンパク質の食餌と高脂質の食餌の摂取のほうが多いことが分かった。ネコの三種類の食餌に対する経験後の自己選択応答は、高タンパク質の食餌(平均摂取194.4g)が、高炭水化物の食餌および高脂質の食餌よりも好まれたことが分かった(表2)。未経験の自己選択と経験後の自己選択の間で、脂質の消費が明らかに増加した。
未経験の自己選択フェーズにおけるPER/FER/CERの平均エネルギー摂取の調査は、ネコが50.2%のPER、42.3%のFER、7.5%のCERを消費したことを示した。経験後の自己選択フェーズにおけるPER/FER/CERの同じ分析は、平均エネルギー摂取が、48.6%のPER、46.9%のFER、4.5%のCERを示した(表4)。高タンパク質の食餌が、三つのフェーズ中全てで他の二つの食餌よりも好まれたようであった。
試行中の体重の平均百分率変化は、研究を完了したネコについて、−0.9%であった。
背景
先の一連の試行は、ドライタイプの食餌の多量養素プロファイルに対する応答が、単一の学習期間によって変更できるか否かを確認することを求めたものであった。試験的な研究は、食餌における高脂質、高タンパク質または高炭水化物の三種類の極端な多量養素の影響を調査した。ドライタイプの食餌だけを給餌したネコを用いた試行では、一つの多量養素が同じレベルで存在し、他の二つの多量養素が異なるレベルで与えられたときの給餌の好みを調査した。ドライタイプの食餌は、ビスケット状のキブル形態であり、それゆえ、レシピ中に炭水化物を含ませる必要があったが、これは、25から30%辺りにまで減少させることができたが、完全には除去できなかった。
この研究の目的は、極端な多量養素プロファイルを有するウェットタイプの食餌を評価することがあった:高タンパク質、高脂質または高炭水化物のエネルギー比(表1)。ウェットタイプの食餌の組成により、炭水化物のレベルを、ドライタイプの食餌に可能であったよりもさらに減少させることができた(0%)。
動物
試行の食餌と同様の形態の食餌を先に給餌したネコから、10匹のネコを選択した。これらのネコに個別に家を与え、毎日、グループとして活動させた。
食餌
NRCのガイドラインを満たすようにミネラル類およびビタミン類を添加した、加工した鶏の胸肉、ラードおよび小麦粉からなる三種類の均質化モデルの食餌を毎日新たに作製した。これらの食餌のレシピは全て、予測したレベルのPER、FER、CERを含有するように設計された。一つの食餌はタンパク質が豊富であり、一つは脂肪が、一つは炭化水素が豊富であった。試行用食餌の試料をフェーズ2において三日間連続で採取し、各食餌のタンパク質、脂質、灰分および含水量を分析し、各食餌の全エネルギー(PME)に対する各多量養素の比率:PER/FER/CERを提供するように計算した(表1)。
Figure 2006511236
給餌体制
3フェーズからなる給餌計画
フェーズ1: 未経験の自己選択/三種選択フェーズ(7日間)。各ネコは、水と三種類の食餌全てに自由に到達できた:午前10:30に各食餌が190gずつ出され、午後3:30に別の190gにより置き換えられ、これが翌日の午前8:30まで小屋の中に残され、各ネコは22時間に亘り食餌にさらされた。この給餌周期は7日間に亘り繰り返された。食餌の位置は、位置による偏りを避けるために毎日交替した。
フェーズ2: 学習/単一フェーズ(24日間)。各ネコに、毎日一つの試験用食餌を与た(2食で任意に)。ネコは、各グループで3日間の周期で異なる交替順序で食餌が与えられる6グループの内の一つに無作為に割り当てられた。したがって、各ネコは各試験用食餌を8回経験した。
フェーズ3: 経験後の自己選択/三種選択(7日間)。フェーズ1と同様であるが、これらの食餌の経験がある。
三つのフェーズ全てに関して、食品を交換した毎に、食品の摂取を手作業で記録した。
結果とデータ分析
研究を開始した10匹のネコの内、8匹が研究を完了した。2匹のネコは、健康に関する問題のために、研究を完了しなかった。
図2は、試行の間中の平均周期摂取を示すグラフである。三つのフェーズは以下のように特定される:
未経験 =1から7日目
学習 =8から15周期
経験後 =32から38日目
このグラフから、自己選択の未経験フェーズ中に全ての食餌を試食したネコは、高タンパク質の食餌を優先して、高炭水化物の食餌と高脂質の食餌を拒絶したことが明らかである。好まれた食餌は、三つのフェーズ全てで高タンパク質の食餌であったが、未経験フェーズと比較して、経験後フェーズにおいては、高脂質の食餌の受けが増えた。単一フェーズにおける周期毎の合計平均摂取は、自己選択フェーズと比較して減少したが、全ての食餌に3回さらした後には、高タンパク質の食餌と高脂質の食餌の摂取が増加したために、改善し始めたが、高炭水化物の食餌の摂取は変化しなかった。
未経験の自己選択フェーズ:
統計分析は、食餌GおよびJと、食餌Hとの間に有意差があることを示している(ANOVA、p<0.001)。
学習フェーズ:
統計分析は、三種類の食餌間に有意差があることを示している(ANOVAa、p<0.001)。複数の範囲試験も、食餌G、HおよびJは、互いに著しく異なることを示している。
経験後の自己選択フェーズ:
統計分析は、三種類の食餌間に有意差があることを示している(ANOVAa、p<0.001)。複数の範囲試験も、食餌G、HおよびJは、互いに著しく異なることを示している。
経験後の自己選択フェーズにおける個々のネコについての摂取データを分析すると、あるネコは、高脂肪の食餌を多く摂取し、高タンパク質の食餌と高炭水化物の食餌を少なく摂取して、各食餌について残りのネコと著しく異なったことが明らかである。他のネコも、そのグループに対して著しく異なるように摂取した。あるネコは、高炭水化物の食餌を多く摂取し、またあるネコは高タンパク質の食餌を多く摂取した。
Figure 2006511236
高炭水化物の食餌は、他の二種類の食餌が好まれるために拒絶されると予測されたが、実際には、三種類の食餌の全てから選択する機会が与えられた場合でさえも、ネコはそれでも、高炭水化物の食餌をいくつか食べた。
Figure 2006511236
ネコの体重を、試行の初日に測定し、その後、二週間に一度測定した。試行の開始から試行の終わりまでの体重の平均百分率変化は−0.3%であった。単一フェーズ中には−2.7%までの全体的な体重減少があったが、これは、経験後フェーズ中に回復した。2匹のネコは、試行の終わりでも体重が減少していたが、それらは大きなネコだったので、体調スコアには変化がなかった。このことは、単一給餌状況において、ネコは、炭水化物を摂取し過ぎるよりもむしろ、体重を維持するのに必要なよりも少なくしか高炭化水素の食餌を食べないことを示した。
多量養素選択の潜在的なドライバとしてのP/F/CER選択
平均PER摂取を、以下の計算式:
Figure 2006511236
*自己選択フェーズ(未経験/経験後)=一日当たりに食べられた三種類の試験食餌の合計(g)
*学習フェーズ=3日周期に亘り食べられた三種類の試験食餌の合計
を用いて、食品摂取データから試行の各フェーズに関する各ネコについて計算した。
それゆえ、毎日の、周期当たりの、PER/FER/CERの平均百分率を計算した(表4)。
Figure 2006511236
実施例2
ネコにおける多量養素摂取の調節
理論的説明
ウェットタイプの食餌の多量養素プロファイルに対するネコの長期の給餌応答を調査する一連の試行を行った。これらの試行の結果から、成ネコは、標的のまたは好ましい多量養素の摂取を有することが確認された。この情報に基づいて、缶詰キャットフード(ゼリー中の肉状塊)製品を、成ネコのための標的の多量養素摂取内に入るように配合し、これらの試行は、この製品の給餌性能を新規のヒト向け食品、すなわち、焼きたての鶏の胸肉(ローストチキン)および缶詰の鱈の切り身と比較した。これらのヒト向け食品の各々は、ネコにとって非常に美味しいと一般に考えられ、標的の多量養素範囲内に入るように配合された製品よりも高いPERを有するので選択した。適切な学習期間後、ネコは、それらの食品の享楽と考えられている魅力にもかかわらず、それらの標的の多量養素摂取を満たさない、提供された食品よりも、標的の多量養素範囲内に入るように配合された製品を好むであろうと仮定した。長期の給餌応答を調査するために開発された確立された方法論を用いて、ネコ(研究当たりn=12)に給餌した。
食餌
第1の食餌(A)は、焼きたての鶏の胸肉であった。皮の付いたままで鶏の胸肉を焼いたが、給餌前に皮は取った。第2の食餌(B)は、缶詰の鱈の切り身であった。これは、鱈の角切り片であった。第3の食餌(W)は、成ネコに関する現在許容されている標的範囲内でPER/FERおよびCERを含有するようにゼリー中の肉状塊のレシピを用いて配合した缶詰キャットフードであった。食餌のさらなる詳細が以下の表に列記されている。
Figure 2006511236
給餌計画
各研究の給餌計画は三種類の異なる給餌体制からなった:最初の選択フェーズ(7日間)、単一フェーズ(16日間)および最後の自己選択フェーズ。自己選択フェーズ(未経験および経験後)中、ネコは、毎日約22時間に亘り両方の実験用食餌に自由に到達できた。単一フェーズ中、ネコは、毎日約22時間に亘り単一の食餌に自由に到達できた。潜在的な偏りを避けるために、食餌の位置を毎日交替した。
結果
ネコにおける食餌の選択への多量養素プロファイルの影響;焼きたての鶏対標的多量養素範囲内の缶詰キャットフード(ゼリー中の肉状塊)レシピ
試行の全てのフェーズ中ずっと、ネコは、ローストチキンよりも、成ネコのための標的の多量養素範囲内であるように配合された缶詰キャットフード(ゼリー中の肉状塊)食餌を好んだ(g/日に食べられた量として測定した)。しかしながら、この好みは、ローストチキンよりも、缶詰キャットフード(ゼリー中の肉状塊)を約2倍半多く食べた経験後自己選択フェーズのほうが、未経験の自己選択フェーズよりも著しかった(図3参照)。これは、図4にも示されている。未経験の自己選択フェーズ中、平均で、毎日の摂取の合計の37%がローストチキンであり、63%が缶詰キャットフード(ゼリー中の肉状塊)食餌であった。経験後の自己選択フェーズ中、缶詰キャットフード(ゼリー中の肉状塊)食餌の毎日の摂取の合計の比率は70%まで増加し、ローストチキンのは30%まで減少した。
未経験の自己選択フェーズ中、12匹のネコの内8匹が、ローストチキンよりも、成ネコのための標的の多量養素範囲内にあるように配合された缶詰キャットフード(ゼリー中の肉状塊)食餌を個々に好んだ(60:40の比より大きい)。12匹のネコの内2匹がローストチキンを好み、残りの2匹のネコは、このフェーズにおいてどの食餌にも異なる好みを示さなかった。単一フェーズ中、12匹のネコの内5匹が、ローストチキンよりも、成ネコのための標的の多量養素範囲内にあるように配合された缶詰キャットフード(ゼリー中の肉状塊)食餌を好んだ。残りの7匹のネコは、このフェーズにおいてどの食餌にも好みを示さなかった。経験後の自己選択フェーズ中、12匹のネコの内10匹が、ローストチキンよりも、成ネコのための標的の多量養素範囲内にあるように配合された缶詰キャットフード(ゼリー中の肉状塊)食餌を個々に好んだ(図5参照)。残りの2匹のネコは、このフェーズにおいてどの食餌にも好みを示さなかった。このフェーズにおいては、どのネコもローストチキンを好まなかった。
ネコにおける食餌の選択への多量養素プロファイルの影響;鱈の缶詰対標的多量養素範囲内の缶詰キャットフード(ゼリー中の肉状塊)レシピ
未経験の自己選択フェーズ中、ネコは、どの食餌にも好みを示さなかった(食べられた量はほぼ同じであった)。単一フェーズ中、缶詰キャットフード(ゼリー中の肉状塊)食餌の摂取は、鱈の切り身のものよりもわずかに多かった。重要なことに、経験後の自己選択フェーズ中、缶詰キャットフード(ゼリー中の肉状塊)食餌の摂取は、鱈の切り身のものより1倍半多かった。これが図7にも示されている。未経験の自己選択フェーズ中、平均で、毎日の摂取の合計の51%が鱈の切り身であり、49%が缶詰キャットフード(ゼリー中の肉状塊)食餌であった。経験後の自己選択フェーズ中、缶詰キャットフード(ゼリー中の肉状塊)食餌の毎日の摂取の合計の比率は61%まで増加し、鱈の切り身のは39%まで減少した。
未経験の自己選択フェーズ中、12匹のネコの内3匹が、鱈の切り身よりも、成ネコのための標的の多量養素範囲内にあるように配合された缶詰キャットフード(ゼリー中の肉状塊)食餌を個々に好んだ(60:40の比より大きい)。12匹のネコの内4匹が鱈の切り身を好み、残りの5匹のネコは、このフェーズにおいてどの食餌にも異なる好みを示さなかった。単一フェーズ中、12匹のネコの内1匹が、鱈の切り身よりも、成ネコのための標的の多量養素範囲内にあるように配合された缶詰キャットフード(ゼリー中の肉状塊)食餌を好み、12匹のネコの内1匹が鱈の切り身をわずかに好んだ。残りの10匹のネコは、このフェーズにおいてどの食餌にも好みを示さなかった。経験後の自己選択フェーズ中、12匹のネコの内7匹が、鱈の切り身よりも、成ネコのための標的の多量養素範囲内にあるように配合された缶詰キャットフード(ゼリー中の肉状塊)食餌を個々に好んだ(図8参照)。残りの5匹のネコは、このフェーズにおいてどの食餌にも好みを示さなかった。このフェーズにおいては、どのネコも鱈の切り身を好まなかった。
結論
1. 適切な学習期間後、ネコの大半は、両方とも標的の多量養素範囲から外れている、ローストチキンや鱈の切り身よりも、成ネコのための標的の多量養素範囲内にあるように配合された缶詰キャットフード(ゼリー中の肉状塊)食餌を好んだ。
2. 経験後の自己選択フェーズ中、缶詰キャットフード(ゼリー中の肉状塊)食餌の摂取は、ローストチキンのものよりも2倍半多かった。
3. 経験後の自己選択フェーズ中、缶詰キャットフード(ゼリー中の肉状塊)食餌の摂取は、鱈の切り身のものよりも1倍半多かった。
4. 平均で、経験後の自己選択フェーズ中、毎日の摂取の合計の比率は、缶詰キャットフード(ゼリー中の肉状塊)対ローストチキンが70:30であり、缶詰キャットフード(ゼリー中の肉状塊)対鱈の切り身が61:39であった。
実施例3
ネコにおける多量養素摂取の調節
表5(以下参照)に詳述したような、典型的なタンパク質、脂質および炭水化物のエネルギー比(PER、FERおよびCER)の食餌を、約11ヶ月の期間に亘り、12匹の成ネコのグループに自己選択体制で給餌した。
Figure 2006511236
動物は、日ごとの基準で標的の多量養素摂取を満たすことができるようにこれらの食餌の摂取を個別の調節するために、食べるとき毎にこれらの三種類の食餌全てに自由に到達できるようにした。
長期に亘る各食餌の摂取の展開と長期に亘るPER/FER/CERの展開が、それぞれ、図9および10に示されている。
研究の開始時に、ネコは、全ての食餌に未経験であり、高タンパク質の食餌または高炭水化物の食餌よりも、高脂質の食餌をより多く食べるという食餌の享楽に基づく選択を行った。やがて、ネコは、食品の栄養組成について学習し、高タンパク質の食餌または高炭水化物の食餌の摂取が増加し、高脂質の食餌の摂取が減少した。約35日後に、高タンパク質の食餌または高炭水化物の食餌の摂取が、高脂質の食餌の摂取よりも多くなった。この食餌の選択は、次の15日間に亘りよりはっきりし、次いで、50日目からは著しく安定したままであった。この食餌の選択は、著しい安定性を示し続ける。同じ時間スケールに亘り、ネコにより選択されたPER、FERおよびCERは、食餌の選択におけるこれらの変化を反映している。一旦、ネコが栄養の学習を示し、それらの食餌の選択が安定化したら、ネコにより選択されたPER、FERおよびCERは、約52/36/12であった。
広く記載された本発明の精神すなわち範囲から逸脱せずに、特定の実施の形態に示したような本発明に様々な変更および/または改変を行ってもよく、したがって、へ波の実施の形態は、全ての点で、説明であって、制限ではないと考えるべきであることが当業者には明らかであろう。
図1は、食品の多量養素含有量を示すグラフである。本発明の食品が斜線の標的区域として示されている。 図2は、ある期間に亘る食品の平均周期摂取のグラフである。 図3は、ある期間に亘るグループ平均の食品摂取(g/日)のグラフである。 図4は、ある期間に亘る一日毎に食べられた合計のグループ平均%のグラフである。 図5は、経験した自己選択フェーズ中に食べられた合計の個々の平均%のグラフである。各ネコの名前のイニシャルが示されている。 図6は、ある期間に亘るグループ平均の食品摂取(g/日)のグラフである。 図7は、ある期間に亘る一日毎に食べられた合計のグループ平均%のグラフである。 図8は、経験した自己選択フェーズ中に食べられた合計の個々の平均%のグラフである。各ネコの名前のイニシャル(または最初の二文字)が示されている。 図9は、ある期間(数日)に亘る摂取(g/ネコ/日)のグラフである。 図10は、ある期間(数日)に亘る食餌のエネルギー比(%)のグラフである。

Claims (10)

  1. ネコへの食品の長期の受けを確実にする方法であって、40から60%のタンパク質エネルギー比、25%以下の炭水化物エネルギー比、および15から60%の脂質エネルギー比を有する食品をネコに給餌する工程を有してなり、前記エネルギー比が前記食品の総エネルギー量基準である方法。
  2. 前記タンパク質エネルギー比が50%以上であることを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 前記炭水化物エネルギー比が20%以下、または15%以下、好ましくは5から15%であることを特徴とする請求項1または2記載の方法。
  4. 前記脂質エネルギー比が50%以下であることを特徴とする請求項1から3いずれか1項記載の方法。
  5. 前記食品が、ウェットタイプ、セミモイストタイプまたはドライタイプの食品であることを特徴とする請求項1から4いずれか1項記載の方法。
  6. エネルギー比が食品の総エネルギー量基準で、40から60%のタンパク質エネルギー比、25%以下の炭水化物エネルギー比、および15から60%の脂質エネルギー比を有する食品の製造において、ネコに対する食品の受けを確実にするために、脂質、タンパク質および必要に応じての炭水化物の供給源を使用する方法。
  7. 前記タンパク質エネルギー比が50%以上であることを特徴とする請求項6記載の方法。
  8. 前記炭水化物エネルギー比が20%以下、または15%以下、好ましくは5から15%であることを特徴とする請求項6または7記載の方法。
  9. 前記脂質エネルギー比が50%以下であることを特徴とする請求項6から8いずれか1項記載の方法。
  10. 実施例を参照して実質的にここに記載したような、ネコに対する受けを確実するためのキャットフード。
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