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JP2006336775A - 一方向クラッチ内蔵型プーリ装置 - Google Patents

一方向クラッチ内蔵型プーリ装置 Download PDF

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JP2006336775A
JP2006336775A JP2005162977A JP2005162977A JP2006336775A JP 2006336775 A JP2006336775 A JP 2006336775A JP 2005162977 A JP2005162977 A JP 2005162977A JP 2005162977 A JP2005162977 A JP 2005162977A JP 2006336775 A JP2006336775 A JP 2006336775A
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修 森田
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Abstract

【課題】グリースを封入できるクラッチ空間を拡大し、封入量を増加することでグリース寿命を延ばし、クラッチの耐久寿命を向上することができる一方向クラッチ内蔵型プーリ装置を提供する。
【解決手段】一方向クラッチ内蔵型プーリ装置10は、スリーブ11と、スリーブ11の周囲にスリーブ11と同心に配置されるプーリ12と、スリーブ11とプーリ12との間に配置される一方向クラッチ13とサポート軸受14とを備える。一方向クラッチ13は、ころと、ころが転接可能なクラッチ内輪軌道面を有し、スリーブ11と一体或いは別体に形成されるクラッチ内輪とを少なくとも備える。スリーブ11とクラッチ内輪21の少なくとも一方は、軸方向におけるころ22とサポート軸受14の玉17との間に、クラッチ内輪軌道面と軸方向において重なる部分より小径である縮径部26を有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、一方向クラッチ内蔵型プーリ装置に関するものであり、特に、自動車補機であるスタータ、オルタネータ、クランクプーリ、コンプレッサや、エンジンアイドルストップ時のモータによる補機駆動用またはエンジン始動用等として使用する一方向クラッチ内蔵型プーリ装置に関するものである。
例えば、近年のオルタネータでは、高性能・高出力化がますます進み、高回転・高荷重・高温・振動等が過酷になっており、エンジンの高出力化に伴いベルトの種類も様々であるが、更に条件が厳しい状況にある。また、エンジン等の微小角速度変動は、ベルトのばたつきやベルト鳴きを発生させる。このため、ベルト寿命の向上・異音問題を解決する一方向クラッチ内蔵型プーリ装置は、市場において需要が高まりつつあるのが現状である(例えば、特許文献1参照。)。
図9に示すように、例えば、特許文献1に記載のオルタネータに組み込まれる一方向クラッチ内蔵型プーリ装置100は、エンジンのクランク軸に固定された駆動プーリからの駆動ベルトが掛け渡される従動プーリ101と、オルタネータの回転軸に固定されるスリーブ102とを備え、従動プーリ101とスリーブ102との間に、一方向クラッチ103及び一対のサポート軸受104が配置されている。
一方向クラッチ103は、従動プーリ101の軸方向中間部の内周面に内嵌されるクラッチ外輪105と、スリーブ102の軸方向中間部の外周面に外嵌され、外周面にカム面(図示せず)が形成されるクラッチ内輪106と、クラッチ外輪105の内周面とクラッチ内輪106のカム面とのくさび空間に回動自在に配設される複数のころ107とを備えている。また、一方向クラッチ103は、各ころ107を個別に収容する複数のポケットを有するクラッチ保持器108と、クラッチ保持器108に支持され、各ころ107をロック方向に弾性的に押圧するばね(図示せず)とを備えている。
そして、従動プーリ101の回転角速度がオルタネータの回転軸の回転角速度より速い場合には、一方向クラッチ103のころ107のくさび作用によって、従動プーリ101とスリーブ102とが相対回転不能(ロック状態)になり、エンジンの回転力がオルタネータの回転軸に伝達される。一方、速度変動や微小角速度変動等、従動プーリ101の回転角速度がオルタネータの回転軸の回転角速度より遅い場合には、従動プーリ101とスリーブ102との相対回転が自在(オーバーラン状態)となる。従って、クランク軸の回転角速度が変動した場合でも、一方向クラッチ103の作用により、駆動ベルトと従動プーリ101が擦れ合うことが防止され、鳴きと呼ばれる異音の発生や摩耗による駆動ベルトの寿命低下を防止すると共に、オルタネータの発電効率が低下することを防止できる。
また、このような一方向クラッチ103の潤滑にはグリース潤滑が多用されており、グリースは、クラッチ保持器108、ばね、ころ107の各部品を除いた空間に充填されている。
特開2001―32910号公報
ところで、上記のようなグリース潤滑による一方向クラッチは、グリースが劣化して潤滑性が損なわれるとクラッチ係合面の摩耗が急速に進行し、プーリ装置が耐久寿命を迎える場合がある。このため、プーリ装置の耐久性向上には、グリース寿命の向上が有効であり、グリース寿命を確保するためにクラッチ空間内に封入するグリース量を出来るだけ多くすることが望ましい。しかしながら、グリースは、クラッチ保持器、ばね、ころの各部品を除いた空間に充填されるため、封入可能なグリース量には制約がある。
本発明は、上述したような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、グリースを封入できる空間を拡大し、封入量を増加することでグリース寿命を延ばし、クラッチの耐久寿命を向上することができる一方向クラッチ内蔵型プーリ装置を提供することにある。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1) スリーブと、
該スリーブの周囲に該スリーブと同心に配置されるプーリと、
前記スリーブと前記プーリとの間に配置され、前記スリーブと前記プーリの一方が他方に対して所定方向に相対回転する傾向となる場合にのみ、前記スリーブと前記プーリとの間で回転力を伝達する一方向クラッチと、
前記スリーブと前記プーリとの間に配置され、前記スリーブと前記プーリとの相対回転を自在とするサポート軸受と、
を備える一方向クラッチ内蔵型プーリ装置であって、
前記一方向クラッチは、係合子と、該係合子が転接可能なクラッチ内輪軌道面を有して、前記スリーブと一体或いは別体に形成されるクラッチ内輪とを少なくとも備え、
前記スリーブと前記クラッチ内輪の少なくとも一方は、軸方向における前記係合子と前記サポート軸受の転動体との間に、前記クラッチ内輪軌道面と軸方向において重なる部分より小径である縮径部を有することを特徴とする一方向クラッチ内蔵型プーリ装置。
なお、クラッチ内輪軌道面と軸方向において重なる部分とは、クラッチ内輪の場合には、クラッチ内輪軌道面が形成される軸方向における部分を意味し、クラッチ内輪とスリーブが一体に形成される場合も含む。
本発明によれば、スリーブとクラッチ内輪の少なくとも一方が、軸方向における係合子とサポート軸受の転動体との間に、クラッチ内輪軌道面と軸方向において重なる部分より小径である縮径部を有するので、縮径部の径方向外方に形成される空間を潤滑剤溜りとして利用することができ、従来、クラッチのサイズにより制約のあった潤滑剤の封入量を増加することができ、潤滑剤の寿命を延ばし、一方向クラッチの耐久寿命を向上することができる。また、一方向クラッチの内径側に潤滑剤溜りが設けられるので、そこに保持された潤滑剤が使用時の回転遠心力により、容易にクラッチ空間に染み出て良好な潤滑を行うことができる。
以下、本発明の各実施形態に係る一方向クラッチ内蔵型プーリ装置について図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
図1(a)は、本発明の一方向クラッチ内蔵型プーリ装置として、第1実施形態のオルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置を説明するための部分縦断面図であり、図1(b)は、(a)のI−I線に沿った部分断面図である。
図1に示されるように、第1実施形態の一方向クラッチ内蔵型プーリ装置10は、オルタネータ等の補機を駆動するためのもので、図示されない回転軸が内嵌されるスリーブ11を有する。スリーブ11の周囲には、外周面にベルト溝12aが形成されたプーリ12がスリーブ11と同心に配置されている。また、スリーブ11の外周面とプーリ12の内周面との間で、この間に形成される環状空間の軸方向中間部には、一方向クラッチ13が配置されており、上記環状空間の軸方向両端部には、一方向クラッチ13を挟持するようにして、例えば、深溝玉軸受等の一対のサポート軸受14a,14bが配設されている。なお、ベルト溝12aの形状は、V溝、ポリV溝、歯型溝等の任意の形状に設計可能である。また、スリーブ11の外周面は段差を持って形成されており、スリーブ11の外周面は、軸方向中間部を大径部11aとし、軸方向両端部を小径部11bとする。
一方向クラッチ13は、プーリ12がスリーブ11に対して所定方向に相対回転する傾向となる場合にのみプーリ12からスリーブ11への回転力を伝達する。また、一対のサポート軸受14a,14bは、プーリ12に加わるラジアル荷重を支承しつつ、スリーブ11とプーリ12との相対回転を可能とする。
各サポート軸受14a,14bは、スリーブ11の小径部11bの外周面に外嵌される内輪15と、プーリ12の内周面に内嵌される外輪16と、内輪15と外輪16の両軌道面間に配置された転動体である複数の玉17と、玉17を転動自在に保持する保持器18とを備えている。また、サポート軸受14a,14bは、これらの軸方向両側に配置され、外部からの異物の浸入や内部からのグリース等の潤滑剤の漏洩を防止するシール部材19を有している。
一方向クラッチ13は、プーリ12の内周面に圧入固定されるクラッチ外輪20と、スリーブ11の大径部の外周面に圧入固定されるクラッチ内輪21と、クラッチ外輪20とクラッチ内輪21との間に回動自在に配設された係合子である複数のころ22とを備えている。クラッチ内輪21の外周面は、複数のランプ面21aが円周方向に所定の間隔で設けられたクラッチ内輪軌道面であるカム面を形成する。ころ22は、各ランプ面21aとクラッチ外輪20の内周面に形成された円筒面20aとから構成される楔空間に回転自在に保持されている。
また、一方向クラッチ13は、各ころ22を個別に収容する複数のポケットを有するクラッチ保持器23と、各ころ22をロック方向に弾性的に押圧するばね24(図1(b)参照。)とを備えている。
上記のように構成される一方向クラッチ内蔵型プーリ装置10では、プーリ12の回転角速度が、例えばオルタネータの回転軸の回転角速度より速い場合には、一方向クラッチ13のころ22がくさび作用によってクラッチ内輪21のランプ面21aとクラッチ外輪20の円筒面20aとの間に噛み込まれて、プーリ12とスリーブ11とが相対回転不能(ロック状態)となり、エンジンの回転力がオルタネータの回転軸に伝達される。一方、プーリ12の回転角速度がオルタネータの回転角速度より遅い場合には、ころ22の噛み込みが解除されて、プーリ12とスリーブ11との相対回転が自在(オーバーラン状態)となる。
ここで、本実施形態において、クラッチ内輪21には、円周方向で各ランプ面21aの最深部分に対応する位置で、且つ、クラッチ内輪21の略軸方向中間部に、径方向に貫通する複数の貫通孔25が形成されている。
また、スリーブ11の大径部11aには、複数の貫通孔25とそれぞれ連通する複数の潤滑剤溜りであるグリース溜り26と、複数のグリース溜り26同士を連通する供給溝27が形成されている。グリース溜り26は、貫通孔25と同様、各ランプ面21の最深部分に対応する位置に配置され、円周方向において貫通孔25の周方向寸法より大きな周方向幅を有し、軸方向において大径部11aの軸方向長さより小さく、且つ、クラッチ内輪22の軸方向長さより大きく設計されている。これにより、スリーブ11に形成される潤滑剤溜り26は、軸方向におけるころ22とサポート軸受14a,14bの玉17との間に、カム面21aと軸方向において重なる部分より小径である縮径部を構成する。
また、供給溝27は、貫通孔25の軸方向寸法より大きな軸方向幅を持って軸方向中間部に位置し、また、グリース溜り26より浅い所定の深さで、円周方向に亘って形成されている。
本実施形態の一方向クラッチ13では、クラッチ外輪20と、クラッチ外輪21或いはスリーブ11の大径部11aとの間で、ころ22、クラッチ保持器23、ばね24を除いたクラッチ空間に加えて、スリーブ11に形成された縮径部としてのグリース溜り26にもグリースが充填されるので、従来に比べてグリース封入量を増加することができる。
また、グリース溜り26に充填されたグリースは、回転軸とともにスリーブ11が回転することで回転遠心力が作用し、クラッチ内輪21の軸方向中央部に形成された貫通孔25や軸方向両側部から容易にクラッチ空間に染み出て良好な潤滑を行うことができる。さらに、供給溝27を設けることで、グリースが均一にグリース溜り26に充填されるので、すべてのランプ面に対してグリースを供給することができる。
従って、本実施形態の一方向クラッチ内蔵型プーリ装置10によれば、スリーブ11は、グリース溜り26を有し、このグリース溜り26は、軸方向におけるころ22とサポート軸受14a,14bの玉17との間に、ランプ面21aと軸方向において重なる部分より小径である縮径部を少なくとも構成する。これにより、縮径部の径方向外方に形成される空間を含むグリース溜り26の容積によってグリースの封入量を増加することができ、グリースの寿命を延ばし、一方向クラッチ13の耐久寿命を向上することができる。また、一方向クラッチ13の内径側にグリース溜り26が設けられるので、そこに保持されたグリースが使用時の回転遠心力により、容易にクラッチ空間に染み出て良好な潤滑を行うことができる。
なお、本実施形態では、クラッチ内輪21に貫通孔25が形成されているが、貫通孔25の形成は任意であり、貫通孔25を形成せずにグリース溜り26に充填されたグリースをクラッチ内輪21の軸方向両側部からクラッチ空間に供給するようにしてもよい。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態における一方向クラッチ内蔵型プーリ装置について図2を参照して説明する。なお、第1実施形態と同等部分については同一符号を付して、説明を省略或いは簡略化する。
本実施形態の一方向クラッチ内蔵型プーリ装置30では、スリーブ31の大径部11aに形成されるグリース溜り32及び供給溝33の形状において第1実施形態のものと異なる。複数のグリース溜り32は、ランプ面21aの位置に関わらず円周方向に所定の間隔で形成されている。なお、図示されていないが、グリース溜り32の軸方向寸法は、第1実施形態同様、大径部11aの軸方向長さより小さく、且つ、クラッチ内輪22の軸方向長さより大きく設計されている。これにより、グリース溜り32も、軸方向におけるころ22とサポート軸受14a,14bの玉17との間に、ランプ面21aと軸方向において重なる部分より小径である縮径部を構成する。
また、円周方向に亘って形成される供給溝33は、貫通孔25の軸方向寸法より大きな軸方向幅を持って軸方向中間部に位置しており、その底面は、隣接するグリース溜り32から径方向外側に傾斜して延びる傾斜面33aと、傾斜面33a間で所定の深さを有する円弧面33bによって構成されている。
このように構成された一方向クラッチ内蔵型プーリ装置30においても、スリーブ31は、少なくとも縮径部を構成するグリース溜り32を有するので、縮径部の径方向外方に形成される空間を含むグリース溜り32の容積によってグリースの封入量を増加することができ、グリースの寿命を延ばし、一方向クラッチ13の耐久寿命を向上することができる。また、一方向クラッチ13の内径側にグリース溜り32が設けられるので、そこに保持されたグリースが使用時の回転遠心力により、容易にクラッチ空間に染み出て良好な潤滑を行うことができる。
なお、その他の構成及び作用については第1実施形態のものと同様である。
また、本実施形態の変形例として、グリース溜り32’及び供給溝33’を有するスリーブ31’は、図3に示すように形成されてもよい。即ち、グリース溜り32’を円周方向に所定の間隔で4箇所に配置するようにしてもよく、供給溝33’は、第2実施形態と同様に、傾斜面33a’と円筒面33b’とで構成される。また、グリース溜り32’の軸方向寸法は、大径部11aの軸方向長さと略等しい長さを有するので、軸方向におけるころ22とサポート軸受14a,14bの玉17との間に、ランプ面21aと軸方向において重なる部分より小径である縮径部が構成される。
なお、図3に示すスリーブ31’では、内周面を円筒空間としているが、図2に示すように、補機へ取り付けるためのねじ山や工具孔が適宜加工される。また、上記実施形態において、環状の供給溝は軸方向中間部に1つ形成されているが、複数形成されてもよい。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態における一方向クラッチ内蔵型プーリ装置について図4を参照して説明する。なお、第1実施形態と同等部分については同一符号を付して、説明を省略或いは簡略化する。
本実施形態の一方向クラッチ内蔵型プーリ装置40では、スリーブ11のグリース溜り26内にスポンジ状の潤滑剤吸収部材41が収容される点において第1実施形態のものと異なる。この潤滑剤吸収部材41は、グリースや潤滑油等の潤滑剤を予めしみ込ませている。そして、プーリ装置40の回転時には、遠心力により潤滑剤がクラッチ側に移動して一方向クラッチ13の潤滑を行う。また、プーリ装置40の停止時には、潤滑剤が潤滑剤吸収部材41に吸い取られ、一方向クラッチ13の外部に流出するのを防止することができる。
なお、その他の構成及び作用については、第1実施形態のものと同様である。また、潤滑剤吸収部材41は、グリース溜り26に加え、スリーブ11の供給溝27やクラッチ内輪21の貫通孔25にも収容してもよい。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態における一方向クラッチ内蔵型プーリ装置について図5を参照して説明する。なお、第1実施形態と同等部分については同一符号を付して、説明を省略或いは簡略化する。
本実施形態の一方向クラッチ内蔵型プーリ装置50では、スリーブ51の大径部51a及び、一方向クラッチ13のクラッチ内輪52の形状において第1実施形態のものと異なる。具体的に、スリーブ51の大径部51aには、クラッチ内輪52と嵌合する嵌合部51bの軸方向両端部にスリーブ縮径部51cが形成されており、クラッチ内輪52には、カム面21aの軸方向両端部に内輪縮径部52aが形成されている。
スリーブ縮径部51cの外径は、サポート軸受14a,14bの面取り終端部の径dより大きく、嵌合部51bの外径より小さく設定されている。また、スリーブ縮径部51cの軸方向長さlは、縮径部51cの外周面がクラッチ内輪52に入り込まないように適宜設定される。また、内輪縮径部52aの軸方向長さlは、カム面21aのころ22が転接する部分に入り込まないように設定され、肉厚tは、クリープを生じない圧入力が確保できるように、適宜設定される。
従って、軸方向におけるころ22とサポート軸受14a,14bの玉17との間に、カム面21aと軸方向において重なる部分(本実施形態では、クラッチ内輪の52のカム面21aが形成される部分と、大径部51aの部分)より小径であるスリーブ縮径部51c及び内輪縮径部52aを有するので、スリーブ縮径部51c及び内輪縮径部52aの径方向外方に形成される空間をグリース溜りとして利用することによってグリースの封入量を増加することができ、グリースの寿命を延ばし、一方向クラッチ13の耐久寿命を向上することができる。また、一方向クラッチ13の内径側にグリース溜りが設けられるので、そこに保持されたグリースが使用時の回転遠心力により、容易にクラッチ空間に染み出て良好な潤滑を行うことができる。
また、スリーブ11のスリーブ縮径部51と小径部11bとの間には、サポート軸受14a,14bが突き当たる段差が形成されるので、サポート軸受14a,14bは軸方向に確実に位置決めされる。
なお、その他の構成及び作用については、第1実施形態のものと同様である。また、本実施形態のスリーブ51及びクラッチ内輪52は、第1〜第3実施形態のグリース溜り、供給溝、貫通孔と組み合わせて形成されてもよい。
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態における一方向クラッチ内蔵型プーリ装置について図6を参照して説明する。なお、第4実施形態と同等部分については同一符号を付して、説明を省略或いは簡略化する。
本実施形態の一方向クラッチ内蔵型プーリ装置60では、スリーブ61の大径部61a及び、一方向クラッチ13のクラッチ内輪62の形状において第4実施形態のものと異なる。具体的に、スリーブ61の大径部61aにおいて、クラッチ内輪62と嵌合する嵌合部61bの軸方向両端部に形成されるスリーブ縮径部61cは、サポート軸受14a,14bの面取り終端部の径より大きな鍔部61dを有して、残りの部分を小径部11bの外径より小径に形成される。また、クラッチ内輪62において、カム面21aの軸方向両端部に形成される内輪縮径部62aは、軸方向外側に向かって徐々に外径が小さくなるように設定される。
従って、第4実施形態同様、軸方向におけるころ22とサポート軸受14a,14bの玉17との間に、カム面21aと軸方向において重なる部分より小径であるスリーブ縮径部61c及び内輪縮径部62aを有するので、スリーブ縮径部61c及び内輪縮径部62aの径方向外方に形成される空間をグリース溜りとして利用することによってグリースの封入量を増加することができ、グリースの寿命を延ばし、一方向クラッチ13の耐久寿命を向上することができる。また、一方向クラッチ13の内径側にグリース溜りが設けられるので、そこに保持されたグリースが使用時の回転遠心力により、容易にクラッチ空間に染み出て良好な潤滑を行うことができる。
また、スリーブ11のスリーブ縮径部61と小径部11bとの間には、サポート軸受14a,14bが突き当たる鍔部61dが形成されるので、サポート軸受14a,14bは軸方向に確実に位置決めされる。
なお、その他の構成及び作用については、第4実施形態のものと同様である。
(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態における一方向クラッチ内蔵型プーリ装置について図7を参照して説明する。なお、第1実施形態と同等部分については同一符号を付して、説明を省略或いは簡略化する。
本実施形態の一方向クラッチ内蔵型プーリ装置70では、一方向クラッチ13のクラッチ内輪がスリーブ71と一体に形成されている。即ち、スリーブ71の大径部71aには、クラッチ内輪軌道面であるカム面21aが形成され、このカム面21aの軸方向両端部に小径部11bより小径であるスリーブ縮径部71bが形成される。スリーブ縮径部71bは、ころ22の端面近傍位置からサポート軸受14a,14bの端面近傍位置まで形成されており、サポート軸受14a,14bは治具等を用いることで位置決めされる。
従って、本実施形態の一方向クラッチ内蔵型プーリ装置70では、スリーブ71は、軸方向におけるころ22とサポート軸受14a,14bの玉17との間に、カム面21aと軸方向において重なる大径部71aより小径であるスリーブ縮径部71bを有するので、スリーブ縮径部71bの径方向外方に形成される空間をグリース溜りとして利用することによってグリースの封入量を増加することができ、グリースの寿命を延ばし、一方向クラッチ13の耐久寿命を向上することができる。また、一方向クラッチ13の内径側にグリース溜りが設けられるので、そこに保持されたグリースが使用時の回転遠心力により、容易にクラッチ空間に染み出て良好な潤滑を行うことができる。
なお、その他の構成及び作用については、第5実施形態のものと同様である。
(第7実施形態)
次に、本発明の第7実施形態における一方向クラッチ内蔵型プーリ装置について図8を参照して説明する。
図8に示されるように、第7実施形態の一方向クラッチ内蔵型プーリ装置80では、スタータモータ等の補機の回転軸Sに固定されるスリーブ81と、スリーブ81の径方向外側にスリーブ81と同芯に配設され、外周面に無端ベルトBが懸架されるベルト溝82aが形成されたプーリ82との間に、一方向クラッチ83と一対のサポート軸受84a,84bが配置される。
この一方向クラッチ83は、エンジン起動時、スタータモータの回転軸Sの回転角速度がエンジンのクランク軸の回転角速度より速い場合、即ち、スリーブ81がプーリ82に対して所定方向に相対回転する傾向となる場合にのみ、スリーブ81とプーリ82との間で回転力を伝達する。このため、ランプ面82bはクラッチ外輪に、クラッチ内輪軌道面である円筒面81aはクラッチ内輪に形成されるが、本実施形態では、クラッチ外輪はプーリ82に、クラッチ内輪はスリーブ81に一体に形成されているため、ランプ面82bと円筒面81aはプーリ82とスリーブ81にそれぞれ形成されている。なお、一方向クラッチ83は、第1実施形態同様、ころ85、保持器86とばね(図示せず)をさらに備える。
また、本実施形態のサポート軸受84a,84bは、転動体をころ87としたころ軸受と、転動体を玉88とした玉軸受の組合せからなる。これらサポート軸受84a,84bでは、いずれの外輪及び内輪もプーリ82及びスリーブ81と一体に形成されており、外輪軌道面82c、82d及び内輪軌道面81b、81cはプーリ82及びスリーブ81にそれぞれ形成される。なお、サポート軸受84a,84bも、第1実施形態同様、保持器89とシール部材90をさらに備える。
このように構成される一方向クラッチ内蔵型プーリ装置80においても、スリーブ81は、軸方向におけるころ85とサポート軸受84a,84bのころ87や玉88との間に、円筒面81aが形成される部分より小径であるスリーブ縮径部81d,81eが形成されている。このため、スリーブ縮径部81d,81eの径方向外方に形成される空間をグリース溜りとして利用することによってグリースの封入量を増加することができ、グリースの寿命を延ばし、一方向クラッチ83の耐久寿命を向上することができる。また、一方向クラッチ83の内径側にグリース溜りが設けられるので、そこに保持されたグリースが使用時の回転遠心力により、容易にクラッチ空間に染み出て良好な潤滑を行うことができる。
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良等が可能である。
本実施形態では、サポート軸受は、軸方向両端部に配置されているが、サポート軸受は、軸方向片側のみに配置されてもよい。
また、本発明の一方向クラッチは、本実施形態のように係合子をころとしたローラクラッチや、係合子をスプラグとしたスプラグクラッチ、係合子をカムとしたカムクラッチであってもよい。
また、一方向クラッチ内蔵型プーリ装置がエンジンアイドルストップ機構の補機駆動用として適用される場合には、エンジン停止時にコンプレッサ等の補機を専用のモータにて駆動するため、エンジンの回転変動は受けないが、補機駆動用モータから発生する回転変動を受ける構成となる。
(a)は、本発明の第1実施形態に係る一方向クラッチ内蔵型プーリ装置の縦断面図であり、(b)は、(a)のI−I線に沿った部分断面図である。 (a)は、本発明の第2実施形態に係る一方向クラッチ内蔵型プーリ装置の縦断面図であり、(b)は、(a)のII−II線に沿った部分断面図である。 (a)は、第2実施形態の変形例に係るスリーブを一部切欠いた斜視図であり、(b)はスリーブの縦断面図であり、(c)はスリーブの横断面図である。 (a)は、本発明の第3実施形態に係る一方向クラッチ内蔵型プーリ装置の縦断面図であり、(b)は、(a)のIV−IV線に沿った部分断面図である。 (a)は、本発明の第4実施形態に係る一方向クラッチ内蔵型プーリ装置の縦断面図であり、(b)は、(a)のV部拡大断面図である。 本発明の第5実施形態に係る一方向クラッチ内蔵型プーリ装置の部分断面図である。 本発明の第6実施形態に係る一方向クラッチ内蔵型プーリ装置の部分断面図である。 本発明の第7実施形態に係る一方向クラッチ内蔵型プーリ装置の縦断面図である。 従来の一方向クラッチ内蔵型プーリ装置の断面図である。
符号の説明
10,30,40,50,60,70,80 一方向クラッチ内蔵型プーリ装置
11,31,31’,51,61,71,81 スリーブ
12,82 プーリ
13,83 一方向クラッチ
14a,14b,84a,84b サポート軸受
17,88 玉(転動体)
87 ころ(転動体)
20 クラッチ外輪
21,52,62 クラッチ内輪
22,85 ころ(係合子)
23,86 クラッチ保持器
24 ばね
25 貫通孔
26,32,32’ グリース溜り(縮径部)
27,33,33’ 供給溝
41 潤滑剤吸収部材
51c,61c,71b,81d,81e スリーブ縮径部
52a,62a 内輪縮径部

Claims (1)

  1. スリーブと、
    該スリーブの周囲に該スリーブと同心に配置されるプーリと、
    前記スリーブと前記プーリとの間に配置され、前記スリーブと前記プーリの一方が他方に対して所定方向に相対回転する傾向となる場合にのみ、前記スリーブと前記プーリとの間で回転力を伝達する一方向クラッチと、
    前記スリーブと前記プーリとの間に配置され、前記スリーブと前記プーリとの相対回転を自在とするサポート軸受と、
    を備える一方向クラッチ内蔵型プーリ装置であって、
    前記一方向クラッチは、係合子と、該係合子が転接可能なクラッチ内輪軌道面を有して、前記スリーブと一体或いは別体に形成されるクラッチ内輪とを少なくとも備え、
    前記スリーブと前記クラッチ内輪の少なくとも一方は、軸方向における前記係合子と前記サポート軸受の転動体との間に、前記クラッチ内輪軌道面と軸方向において重なる部分より小径である縮径部を有することを特徴とする一方向クラッチ内蔵型プーリ装置。
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JP2015209946A (ja) * 2014-04-28 2015-11-24 本田技研工業株式会社 車両用動力伝達装置

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