JP2006333176A - 撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 輝度幅の広い被写体の再現を可能としつつ、被写体の低輝度部が不要に圧縮されるのを防ぎ、黒つぶれの発生を抑制することの可能な、リニアログセンサを用いた撮像装置を得る。
【解決手段】 輝度範囲検出手段により得られた輝度範囲が予め設定された第1の輝度範囲幅を越えた場合には、低輝度側の予め設定された第1の輝度範囲幅より狭い第2の輝度範囲幅が撮像素子の線形的変換領域となるように、変曲点を変更制御する撮像装置とする。
【選択図】 図8
【解決手段】 輝度範囲検出手段により得られた輝度範囲が予め設定された第1の輝度範囲幅を越えた場合には、低輝度側の予め設定された第1の輝度範囲幅より狭い第2の輝度範囲幅が撮像素子の線形的変換領域となるように、変曲点を変更制御する撮像装置とする。
【選択図】 図8
Description
本発明は、入射光量に対して線形的に変換した電気信号と、入射光量に対して対数的に変換した電気信号の出力が可能な撮像素子を有する撮像装置に関するものである。
従来より、デジタルカメラ、車載カメラ、携帯端末に内蔵されるカメラモジュール等の撮像装置には、被写体光を光電変換する撮像素子が用いられている。この撮像素子としては、CCD(Charge Coupled Device)型イメージセンサやCMOS(Complementary Metal−Oxide Semiconductor)型イメージセンサ等の固体撮像素子がある。また、これらの撮像素子は、入射光量に対して線形的に変換した電気信号を出力するものが一般的である。
この線形的に変換した電気信号を出力する撮像素子は、発生した光電荷の量に比例した信号を出力するため再現できるダイナミックレンジが狭いという欠点がある。
一方、この欠点を解消するものとして、入射光量に対して線形的に変換した電気信号と、入射光量に対して対数的に変換した電気信号の出力が可能な撮像素子(リニアログセンサ)が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
特開2002−223392号公報
特開2004−088312号公報
上記のリニアログセンサは、従来の線形的に変換するだけの撮像素子に比べ、ダイナミックレンジを格段に広くすることができ、輝度幅の広い被写体の再現に対し非常に有用なものである。
しかしながら、単純に広い輝度範囲をログ領域として、ダイナミックレンジを広くすると、被写体の低輝度部である暗部も必要以上に圧縮されて黒つぶれとなり、暗部の画像再現性が悪化することになる。また、撮影者が意図的に、被写体の暗部(シャドー部)を階調豊かに表現したい場合もある。
即ち、被写体条件や撮影者の意図に基づき、適切な変曲点を設定することが、リニアログセンサの持つ利点をより効果的に利用したものとすることができる。
本発明は上記問題に鑑み、輝度幅の広い被写体の再現を可能としつつ、被写体の低輝度部が不要に圧縮されるのを防ぎ、黒つぶれの発生を抑制することの可能な、リニアログセンサを用いた撮像装置を得ることを目的とするものである。
上記の課題は、以下の構成により解決することができる。
1) 入射光量に対して線形的に変換した電気信号と入射光量に対して対数的に変換した電気信号の出力が可能な複数の画素を有する撮像素子と、前記撮像素子に被写界の光を入射させる撮像光学系と、前記撮像素子からの電気信号出力における線形的変換領域と対数的変換領域との境界となる変曲点を変更制御する変曲点制御手段と、前記撮像素子の出力に基づいて被写界の輝度範囲を検出する輝度範囲検出手段と、を有し、前記変曲点制御手段は、前記輝度範囲検出手段により得られた輝度範囲が予め設定された第1の輝度範囲幅を越えた場合には、前記輝度範囲における低輝度側の予め設定された第1の輝度範囲幅より狭い第2の輝度範囲幅が前記撮像素子の線形的変換領域となるように、変曲点を変更制御することを特徴とする撮像装置。
2) 入射光量に対して線形的に変換した電気信号と入射光量に対して対数的に変換した電気信号の出力が可能な複数の画素を有する撮像素子と、前記撮像素子に被写界の光を入射させる撮像光学系と、前記撮像素子からの電気信号出力における線形的変換領域と対数的変換領域との境界となる変曲点を変更制御する変曲点制御手段と、前記撮像素子の出力に基づいて被写界の複数の位置の輝度を検出する輝度検出手段と、前記輝度検出手段で得られた輝度から被写界の輝度範囲を検出する輝度範囲検出手段と、を有し、前記変曲点制御手段は、前記輝度検出手段で得られた輝度の最低値が予め設定された輝度値を下回り且つ前記輝度範囲検出手段により得られた輝度範囲が予め設定された第1の輝度範囲幅を越えた場合には、前記輝度範囲における低輝度側の予め設定された第1の輝度範囲幅より狭い第2の輝度範囲幅が前記撮像素子の線形的変換領域となるように、変曲点を変更制御することを特徴とする撮像装置。
3) 前記第2の輝度範囲幅は、前記輝度範囲検出手段により得られた輝度範囲の最低輝度を含む1)又は2)の撮像装置。
4) 前記輝度範囲検出手段による輝度範囲の検出時には、全ての輝度範囲を対数変換領域となるよう変曲点を変更制御する1)〜3)のいずれかの撮像装置。
5) 前記第1の輝度範囲幅及び第2の輝度範囲幅の少なくとも一方を変更可能とした1)〜4)のいずれかの撮像装置。
上記1)〜3)の発明によれば、輝度幅の広い被写体の再現を可能としつつ、被写体の低輝度部に黒つぶれを発生させることなく、被写体の暗部(シャドー部)を階調豊かに再現できる撮像装置を得ることが可能となる。
上記4)の発明によれば、1度のサンプリングで、被写界の輝度範囲を検出することができ、撮影準備のための時間を短縮でき、シャッタチャンスを逃さない撮像装置とすることができる。
上記5)の発明によれば、撮影者の意図に応じた、被写体の暗部(シャドー部)の階調再現が可能な撮像装置を得ることができる。
以下、実施の形態により本発明を詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図1は、本実施の形態に係る撮像装置1の外観斜視図である。同図に示す撮像装置1は、デジタルカメラであり、同図(a)はカメラ前面側を示し、同図(b)はカメラ背面側を示している。
同図(a)に示すように、撮像装置1が備える筐体2の前面中央部付近には、被写体の画像光を所定の焦点に集光させるレンズユニット3が配置され、レンズユニット3の光軸が筐体2の前面に直交するように設けられている。そして、筐体2の内部であってレンズユニット3の後方には、レンズユニット3を介して入射した被写体の反射光を電気信号に光電変換する、不図示の撮像素子が設けられている。
また、筐体2の前面上端部付近には撮影時に、補助光として光を照射するフラッシュ発光部5が備えられている。本実施形態のフラッシュ発光部5は撮像装置1に内蔵されたエレクトリックフラッシュによって構成されているが、外付けのフラッシュ又は高輝度LEDによって構成してもよい。また、筐体2の前面であってレンズユニット3の上部付近には、フラッシュ発光部5から照射された光の、被写体からの反射光を受光する調光センサ6が設けられている。14aは光学式ファインダの対物側の入射窓である。
上面には、シャッタレリーズを行うためのレリーズスイッチ16が設けられている。レリーズスイッチ16は、途中まで押し込んだ「半押し状態」の操作と、更に押し込んだ「全押し状態」の操作とが可能とされている。側面には、撮像装置1をパーソナルコンピュータなどに接続するUSBケーブルを接続するためのUSB端子18が設けられている。
更に、撮像装置1が備える筐体2の内部には、不図示のシステム制御部及び信号処理部などの回路を含む回路基板が設けられている。
また、同図(b)に示すように、筐体2の背面には、画像表示用のモニタ11が設けられている。モニタ11はLCD(Liquid Crystal Display)、有機ELディスプレイなどによって構成されており、被写体のプレビュー画面や撮影画像を表示することができるようになっている。
撮像装置1の背面上端部付近には、ズームを調整するためのズームボタンW12(Wide:広角)及びズームボタンT13(Telephoto:望遠)が設けられている。また、撮像装置1の背面であってレンズユニット3が設けられている位置の上方には、筐体2の背面側から被写体を確認するための光学式のファインダ接眼部14bが配置されている。
更に、撮像装置1の背面には、モニタ11の画面上に表示されたカーソルやウィンドウの移動又はウィンドウの指定範囲の変更をするための十字キーを備えた選択用十字キー15aが設けられている。また、選択用十字キー15aの隣には、カーソルやウィンドウによって指定した内容を確定するための確定キー15bが備えられている。
また、筐体2の内部には不図示の電池及びメモリカードなどの記録部が装填されている。
なお、コンパクトカメラタイプのデジタルカメラで説明したが、本発明の撮像装置には、一眼レフタイプのデジタルカメラ、カメラ付携帯電話、車載カメラなどの撮影機能を備えた電子機器の他、携帯電話、車載カメラなどの電子機器に組み込まれるカメラユニットなども含まれるものである。
図2は、本実施の形態に係る撮像装置1の機能的構成を示すブロック図である。
上述のように、撮像装置1は筐体2の内部の回路基板上にシステム制御部7を備えている。システム制御部7は、CPU(Central Processing Unit)、書き換え可能な半導体素子で構成されるRAM(Random Access Memory)及び不揮発性の半導体メモリで構成されるROM(Read Only Memory)から構成されている。
また、システム制御部7には撮像装置1の各構成部分が接続されており、システム制御部7は、ROMに記録された処理プログラムをRAMに展開してCPUによりこの処理プログラムを実行することにより、これらの各構成部分を駆動制御するようになっている。
同図に示すように、システム制御部7には、レンズユニット3、絞り制御部19、撮像素子4、信号処理部8、タイミング生成部20、記録部10、フラッシュ発光部5、調光センサ6、モニタ11、操作部21及び変曲点変更部22が接続されている。
レンズユニット3は、被写体光像を撮像素子4の撮像面に結像する複数のレンズ及びレンズにより集光される光の量を調整する絞り部から構成されている。
絞り制御部19は、レンズユニット3においてレンズにより集光される光の量を調整する絞り部を駆動制御するようになっている。すなわち、絞り制御部19は、システム制御部7から入力される制御値に基づき、撮像素子4の撮像動作時に開口している絞り部を、所定の露光時間の経過後に閉塞させ、また、非撮像時は撮像素子4への入射光を遮断することにより、入射光量を制御するようになっている。
撮像素子4は、被写体光像であるR,G,Bの各色成分の入射光を電気信号に光電変換して取り込むようになっている。
図3は、本実施の形態に係る撮像素子の構成を示すブロック図である。
同図に示すように、撮像素子4は、行列配置(マトリクス配置)された複数の画素G11〜Gmn(但し、n,mは1以上の整数)を有している。
各画素G11〜Gmnは、入射光を光電変換して電気信号を出力するものである。これら画素G11〜Gmnは、入射光量に応じた電気信号の変換動作の切り換えが可能となっており、より詳細には、入射光を電気信号に線形変換する線形変換動作と、対数変換する対数変換動作とを切り換えるようになっている。なお、本実施形態において、入射光を電気信号に線形変換や対数変換するとは、光量の時間積分値を線形的に変化するような電気信号に変換することや、対数的に変化するような電気信号に対数変換することである。
画素G11〜Gmnのレンズユニット3側には、それぞれレッド(Red)、グリーン(Green)及びブルー(Blue)のうち何れか1色のフィルタ(図示せず)が配設されている。また、画素G11〜Gmnには、同図に示すように、電源ライン23や信号印加ラインLA1〜LAn,LB1〜LBn,LC1〜LCn、信号読出ラインLD1〜LDmが接続されている。なお、画素G11〜Gmnには、クロックラインやバイアス供給ライン等のラインも接続されているが、同図ではこれらの図示を省略している。
信号印加ラインLA1〜LAn,LB1〜LBn,LC1〜LCnは画素G11〜Gmnに対して信号φv,φVD,φVPS(図4,図5参照)を与えるようになっている。これら信号印加ラインLA1〜LAn,LB1〜LBn,LC1〜LCnには、垂直走査回路24が接続されている。この垂直走査回路24は、タイミング生成部20(図2参照)からの信号に基づいて信号印加ラインLA1〜LAn,LB1〜LBn,LC1〜LCnに信号を印加するものであり、信号を印加する対象の信号印加ラインLA1〜LAn,LB1〜LBn,LC1〜LCnをX方向に順次切り換えるようになっている。
信号読出ラインLD1〜LDmには、各画素G11〜Gmnで生成された電気信号が導出されるようになっている。これら信号読出ラインLD1〜LDmには定電流源D1〜Dm及び選択回路S1〜Smが接続されている。また、定電流源D1〜Dmの一端(図中下側の端部)には、直流電圧VPSが印加されるようになっている。
選択回路S1〜Smは、各信号読出ラインLD1〜LDmを介して画素G11〜Gmnから与えられるノイズ信号と撮像時の電気信号とをサンプルホールドするものである。これら選択回路S1〜Smには、水平走査回路25及び補正回路26が接続されている。水平走査回路25は、電気信号をサンプルホールドして補正回路26に送信する選択回路S1〜Smを、Y方向に順次切り換えるものである。また、補正回路26は、選択回路S1〜Smから送信されるノイズ信号及び撮像時の電気信号に基づき、当該電気信号からノイズ信号を除去するものである。
なお、選択回路S1〜Sm及び補正回路26としては、特開2001−223948号公報に開示のものを用いることができる。また、本実施の形態においては、選択回路S1〜Smの全体に対して補正回路26を1つのみ設けることとして説明するが、選択回路S1〜Smのそれぞれに対して補正回路26を1つずつ設けることとしても良い。続いて、撮像素子4が備える画素G11〜Gmnについて説明する。
図4は、本実施の形態に係る撮像素子が備える画素の構成を示す回路図である。
同図に示すように、各画素G11〜Gmnは、フォトダイオードP、トランジスタT1〜T6及びキャパシタCを備えている。なお、トランジスタT1〜T6は、PチャネルのMOSトランジスタである。
フォトダイオードPには、レンズユニット3を通過した光が当たるようになっている。このフォトダイオードPのカソードPkには直流電圧VPDが印加されており、アノードPAにはトランジスタT1のドレインT1Dが接続されている。
トランジスタT1のゲートT1Gには信号φSが入力されるようになっており、ソースT1SにはトランジスタT2のゲートT2G及びドレインT2Dが接続されている。
このトランジスタT2のソースT2Sには信号印加ラインLC(図3のLC1〜LCnに相当)が接続されており、この信号印加ラインLCから信号φVPSが入力されるようになっている。ここで、信号φVPSは電圧信号であり、より詳細には、入射光量が所定入射光量thを超えたときにトランジスタT2をサブスレッショルド領域で動作させるための電圧値VLと、トランジスタT2を導通状態にする電圧値VHの値をとるようになっている。
また、トランジスタT1のソースT1SにはトランジスタT3のゲートT3Gが接続されている。このトランジスタT3のドレインT3Dには、直流電圧VPDが印加されるようになっている。また、トランジスタT3のソースT3Sには、キャパシタCの一端と、トランジスタT5のドレインT5Dと、トランジスタT4のゲートT4Gとが接続されている。
キャパシタCの他端には、信号印加ラインLB(図3のLB1〜LBnに相当)が接続されており、この信号印加ラインLBから信号φVDが与えられるようになっている。ここで、信号φVDは3値の電圧信号であり、より詳細には、キャパシタCを積分動作させる際の電圧値Vhと、光電変換された電気信号読み出し時の電圧値Vmと、ノイズ信号読み出し時の電圧値Vlとの3つの値をとるようになっている。
トランジスタT5のソースT5Sには直流電圧VRGが、ゲートT5Gには信号φRSが入力されるようになっている。トランジスタT4のドレインT4Dには、トランジスタT3のドレインT3Dと同様に直流電圧VPDが印加されるようになっており、ソースT4Sには、トランジスタT6のドレインT6Dが接続されている。
このトランジスタT6のソースT6Sには、信号読出ラインLD(図3のLD1〜LDmに相当)が接続されており、ゲートT6Gには、信号印加ラインLA(図3のLA1〜LAnに相当)から信号φVが入力されるようになっている。
このような回路構成をとることにより、各画素G11〜Gmnは以下のリセット動作を行うようになっている。
図5は、本実施の形態に係る撮像素子が備える画素の動作のタイミングチャートを示す図である。
同図に示すように、垂直走査回路24が画素G11〜Gmnのリセット動作を行うようになっている。具体的には、信号φSがLow、信号φVがHi、信号φVPSがVL、信号φRSがHi、信号φVDがVhとなっている状態から、垂直走査回路24が、パルス信号φVと、電圧値Vmのパルス信号φVDとを画素G11〜Gmnに与えて電気信号を信号読出ラインLDに出力させた後、信号φSをHiとしてトランジスタT1をOFFとするようになっている。
次に、垂直走査回路24が信号φVPSをVHとすることで、トランジスタT2のゲートT2G及びドレインT2D、並びにトランジスタT3のゲートT3Gに蓄積された負の電荷を速やかに再結合させるようになっている。また、垂直走査回路24が信号φRSをLowとしてトランジスタT5をONにすることにより、キャパシタCとトランジスタT4のゲートT4Gとの接続ノードの電圧を初期化するようになっている。
次に、垂直走査回路24が信号φVPSをVLとすることで、トランジスタT2のポテンシャル状態を基の状態に戻した後、信号φRSをHiにして、トランジスタT5をOFFにする。次に、キャパシタCが積分動作を行うようになっている。これにより、キャパシタCとトランジスタT4のゲートT4Gとの接続ノードの電圧が、リセットされたトランジスタT2のゲート電圧に応じたものとなる。
次に、垂直走査回路24がパルス信号φVをトランジスタT6のゲートT6Gに与えることでトランジスタT6をONにするとともに、電圧値Vlのパルス信号φVDをキャパシタCに印加するようになっている。このとき、トランジスタT4がソースフォロワ型のMOSトランジスタとして動作するため、信号読出ラインLDにはノイズ信号が電圧信号として現れる。
そして、垂直走査回路24がパルス信号φRSをトランジスタT5のゲートT5Gに与えてキャパシタCとトランジスタT4のゲートT4Gとの接続ノードの電圧をリセットした後、信号φSをLowにしてトランジスタT1をONとするようになっている。これにより、リセット動作が完了し、画素G11〜Gmnが撮像可能状態となる。
また、各画素G11〜Gmnは以下の撮像動作を行うようになっている。
フォトダイオードPより入射光量に応じた光電荷がトランジスタT2に流れ込むと、光電荷がトランジスタT2のゲートT2Gに蓄積されるようになっている。
ここで、被写体の輝度が低く、フォトダイオードPに対する入射光量が前記所定入射光量thよりも少ない場合には、トランジスタT2はカットオフ状態であるので、トランジスタT2のゲートT2Gに蓄積された光電荷量に応じた電圧が当該ゲートT2Gに現れる。そのため、トランジスタT3のゲートT3Gには、入射光を線形変換した電圧が現れるようになっている。
一方、被写体の輝度が高く、フォトダイオードPに対する入射光量が前記所定入射光量thよりも多い場合には、トランジスタT2がサブスレッショルド領域で動作を行うようになっている。そのため、トランジスタT3のゲートT3Gには、入射光を自然対数で対数変換した電圧が現れる。
なお、本実施の形態においては、画素G11〜Gmnの間で前記所定値の値は等しくなっている。
トランジスタT3のゲートT3Gに電圧が現れると、その電圧量に応じてキャパシタCからトランジスタT3のドレインT3Dに流れる電流が増幅されるようになっている。そのため、トランジスタT4のゲートT4Gには、フォトダイオードPの入射光を線形変換又は対数変換した電圧が現れる。
次に、垂直走査回路24が信号φVDの電圧値をVmとするとともに、信号φVをLowとするようになっている。これにより、トランジスタT4のゲート電圧に応じたソース電流が、トランジスタT6を介して信号読出ラインLDへ流れる。このとき、トランジスタT4がソースフォロワ型のMOSトランジスタとして動作するため、信号読出ラインLDには撮像時の電気信号が電圧信号として現れるようになっている。ここで、トランジスタT4,T6を介して出力される電気信号の信号値はトランジスタT4のゲート電圧に比例した値となるため、当該信号値はフォトダイオードPの入射光を線形変換又は対数変換した値となる。
そして、垂直走査回路24が信号φVDの電圧値をVhとするとともに、信号φVをHiとすることにより、撮像動作が終了するようになっている。
以上のように動作するとき、撮像時の信号φVPSの電圧値VLが低くなり、リセット時の信号φVPSの電圧値VHとの差を大きくするほど、トランジスタT2のゲート・ソース間におけるポテンシャル差が大きくなって、トランジスタT2がカットオフ状態で動作する被写体輝度の割合が大きくなる。したがって、以下の図6に示すように、電圧値VLが低いほど、線形変換する被写体輝度の割合が大きくなる。このように、本実施形態に係る撮像素子4の出力信号は、入射光量に応じて線形領域及び対数領域が連続的に変化するようになっている。
そこで、例えば、被写体の輝度範囲が狭い場合は電圧値VLを低くして線形変換する輝度範囲を広くし、また、被写体の輝度範囲が広い場合は電圧値VLを高くして対数変換する輝度範囲を広くすることで、被写体の特性に合った光電変換特性とすることができる。なお、電圧値VLを最小とするとき、常に線形変換する状態とし、また、電圧値VHを最大とするとき、常に対数変換する状態とすることもできる。
このように動作する撮像素子4の画素G11〜Gmnに与える信号φVPSの電圧値VLの値を切り換えることによって、ダイナミックレンジを切り換えることが可能となっている。すなわち、システム制御部2が信号φVPSの電圧値VLの値を切り換えることによって、画素G11〜Gmnの線形変換動作から対数変換動作に切り換わる変曲点を変更することができるようになっている。
図6は、本実施の形態に係る撮像素子の露光量に対する出力を示すグラフである。同図に示すように、システム制御部2が電圧値VLの値を切り換えることにより、画素G11〜Gmnの線形変換動作から対数変換動作に切り換わる変曲点を変更することができるようになっている。
なお、本実施形態に係る撮像素子4は線形変換動作と対数変換動作とを各画素において自動的に切り換えるものであればよく、図4とは異なる構成の画素を備えた撮像素子4であってもよい。
また、本実施の形態においては撮像時の信号φVPSの電圧値VLを変更することで線形変換動作と対数変換動作とを切り換えることとしたが、リセット時の信号φVPSの電圧値VHを変更することで線形変換動作と対数変換動作との変曲点を変更してもよい。更に、リセット時間を変更することで線形変換動作と対数変換動作との変曲点を変更してもよい。
また、本実施の形態の撮像素子4は各画素にRGBフィルタを備えるものとしたが、シアン(Cyan)、マゼンタ(Magenta)、イエロー(Yellow)など他の色フィルタを備えるものとしてもよい。
図2に戻り、信号処理部8はアンプ27、A/Dコンバータ28、黒基準補正部29、AE評価値算出部30、WB処理部31、色補間部32、色補正部33、階調変換部34及び色空間変換部35から構成されている。
このうち、アンプ27は、撮像素子4から出力された電気信号を所定の規定レベルに増幅して撮影画像のレベル不足を補償するようになっている。また、A/Dコンバータ28(ADC)は、アンプ27において増幅された電気信号をアナログ信号からデジタル信号に変換するようになっている。
黒基準補正部29は、最低輝度値となる黒レベルを、基準値に補正するようになっている。すなわち、撮像素子4のダイナミックレンジにより黒レベルが異なるため、A/Dコンバータ28から出力されるRGB各信号の信号レベルに対して、黒レベルとなる信号レベルを減算することで黒基準補正が行われるようになっている。
AE評価値算出部30は、黒基準補正後の電気信号からAE(自動露出)のための、2つの機能を有している。RGBの各原色成分から成る電気信号の輝度値を確認することにより、被写体の輝度範囲を表す輝度の平均値を算出して、入射光量を設定するAE評価値としてシステム制御部7に出力する機能と、撮像素子4で得られる被写体画像全体(被写界と称す)のうち、予め決めておいた複数の位置の輝度値を演算する輝度検出部と、輝度検出部により得られた被写界の複数の位置の輝度値のうち、最低輝度値と最高輝度を検出し、最高輝度値と最低輝度値の差から得られる被写界の輝度幅を検出する輝度範囲検出部と、被写界の輝度幅が所定値を越えているかどうか判断する比較部と、最低輝度値が所定値以下かどうか判断する比較部を備えており、これらの結果をシステム制御部7に出力する機能とを有している。
システム制御部7では、得られた結果に応じて、変曲点変更部22を制御するようになっている。
WB処理部31は、黒基準補正後の電気信号から補正係数を算出することによって、撮像画像のR,G,Bの各色成分のレベル比(R/G,B/G)を調整して白色を正しく表示するようになっている。色補間部32は、撮像素子4の画素において得られる信号が原色のうち一つあるいは二つだけである場合に、各画素についてR,G,Bの各色成分値を求めることができるように、欠落する色成分を画素ごとに補間する色補間処理を行う。色補正部33は、色補間部32から入力する画像データの画素ごとの色成分値を補正して、各画素の色合いを強調した画像を生成する。階調変換部34は、画像を忠実に再現すべく、画像の入力から最終出力までにおいてガンマを1として理想階調再現特性を実現するために、画像の階調の応答特性を撮像装置1のガンマ値に応じた最適のカーブに補正するガンマ補正処理を行う。
色空間変換部35は、色空間をRGBからYUVに変換するようになっている。YUVは、輝度(Y)信号と青の色差(U、Cb)と赤の色差(V、Cr)の2つの色度で色を表現するの管理方法であり、色空間をYUVに変換することにより、色差信号のみのデータ圧縮が行いやすくなる。
タイミング生成部20は、撮像素子4による撮影動作(露光に基づく電荷蓄積や蓄積電荷の読出しなど)を制御するようになっている。すなわち、システム制御部7からの撮影制御信号に基づいて所定のタイミングパルス(画素駆動信号、水平同期信号、垂直同期信号、水平走査回路駆動信号、垂直走査回路駆動信号など)を生成して撮像素子4に出力するようになっている。また、タイミング生成部20は、A/Dコンバータ28において用いられるA/D変換用のクロックも生成する。
記録部10は、半導体メモリなどからなる記録用のメモリであり、信号処理部8から入力された画像データを記録する画像データ記録領域を有している。記録部10は、例えばフラッシュメモリなどの内蔵型メモリや、着脱可能なメモリカードであってもよく、また、ハードディスク等の磁気記録媒体などであってもよい。
フラッシュ発光部5は、被写体の撮影時に検出された周囲環境の輝度が不足する場合に、システム制御部7の制御によって所定の発光タイミングで発光するようになっている。調光センサ6は、発光量を調光するために、被写体側から反射されるフラッシュ光の反射光を受光して、受光結果をシステム制御部7に出力するようになっている。
モニタ11は、表示部としての機能を果たすものであり、被写体のプレビュー画像を表示し、システム制御部7の制御に基づいて信号処理部8で画像処理された撮影画像を表示する他、ユーザが機能選択するためのメニュー画面などのテキスト画面を表示するようになっている。すなわち、モニタ11は、静止画撮影モード又は動画撮影モードを選択する撮影モード選択画面や、オートモード、オフモード又はオンモードのいずれかを選択するストロボモード選択画面などを表示するようになっている。
操作部21は、ズームボタンW12、ズームボタンT13、選択用十字キー15a、レリーズスイッチ16及び電源スイッチ17等から構成されており、ユーザが操作部21を操作することにより、各ボタン又はスイッチの機能に対応した指示信号がシステム制御部7に送信され、この指示信号に従って撮像装置1の各構成部分が駆動制御されるようになっている。
操作部21は、ズームボタンW12、ズームボタンT13、選択用十字キー15a、レリーズスイッチ16及び電源スイッチ17等から構成されており、ユーザが操作部21を操作することにより、各ボタン又はスイッチの機能に対応した指示信号がシステム制御部7に送信され、この指示信号に従って撮像装置1の各構成部分が駆動制御されるようになっている。
このうち、選択用十字キー15aは、十字キーの押下によりモニタ11の画面上でカーソルやウィンドウを移動させる機能を果たすと共に、確定キー15bの押下によりカーソルやウィンドウによる選択内容を確定させる機能を果たしている。すなわち、選択用十字キー15aの十字キーを押下することによりモニタ11に表示されたカーソルを移動させて、メニュー画面から撮影モードの選択画面を開き、更に撮影モードの選択画面上で所望の撮影モードボタンにカーソルを移動させて、確定キー15bを押下すると、撮影モードを決定することができるようになっている。
ズームボタンW12は押下によりズームを調整して被写体を小さく写す機能を果たし、また、ズームボタンT13は押下によりズームを調整して被写体を大きく写す機能を果たしている。
レリーズスイッチ16は、静止画撮影モードにおいて半押し(以下、スイッチS1のONと称す)により撮影の準備動作を開始し、また、全押し(以下、スイッチS1のONと称す)により撮像素子4を露光して、その露光によって得られた電気信号に所定の信号処理を施して記録部10に記録するという一連の撮影動作が実行されるようになっている。電源スイッチ17は、押下により撮像装置1のON、OFFを順次繰り返すようになっている。
以上が、本実施の形態に係る撮像素子4及びこの撮像素子4を備えた撮像装置1の概略である。以下に、撮像装置1の動作について説明する。
なお、撮像装置1は、静止画撮影モード、動画撮影モード、再生モード、セットアップモード等を有するものであるが、本発明は、静止画もしくは動画撮影モードに係るものであり、以下では、静止画撮影モードを例にとり詳しく説明する。
更に、本発明は、輝度範囲検出手段により得られた輝度範囲が予め設定された第1の輝度範囲幅を越えた場合には、低輝度側の予め設定された第1の輝度範囲幅より狭い第2の輝度範囲幅が撮像素子の線形的変換領域となるように、変曲点を変更制御して撮影露光を行うものであり、このような撮影モードを本実施の形態では、シャドー部再現撮影モードと称して説明する。
図7は、静止画撮影モード時の概略の動作を示すフローチャートである。また、図8は静止画撮影モード内のシャドー部再現撮影モードが選択されている場合の概略の動作を示すフローチャートである。以下、図7及び図8に示すフローに従い説明する。
図7のフローチャートにおいて、静止画撮影モードに入ると、撮像素子、アンプ、A/Dコンバータ等の撮像部の駆動を開始し(ステップS150)、画像表示部であるモニタでライブビュー表示を行う(ステップS151)。
ここで、メインスイッチのONを判断する(ステップS152)。メインスイッチがOFFされた場合(ステップS152;No)には、ライブビュー表示を停止させ(ステップS180)、撮像部の駆動を停止(ステップS185)させて終了する。
メインスイッチがONの場合(ステップS152;Yes)には、再度、静止画撮影モードであるか判断する(ステップS153)。静止画撮影モード以外のモードに切り替えられた場合(ステップS153;No)には、他の切り替えられたモードへ移行する(ステップS170)。
静止画撮影モードである場合(ステップS153;Yes)は、次にシャドー部再現撮影モードが予め設定されているか判断する(ステップS154)。
このシャドー部再現撮影モードの設定は、例えば図1及び図2で説明したように、モニタ11にメニュー画面から撮影モードの選択画面を開き、更に撮影モードの選択画面上で、選択用十字キー15aの十字キーを押下することにより、モニタ11に表示されたシャドー部再現撮影モードにカーソルを移動させて、確定キー15bを押下すると、シャドー部再現撮影モードが設定されるようになっている。
ここで、シャドー部再現撮影モードが予め設定されている場合(ステップS154;Yes)は、シャドー部再現撮影モードへ移行する(ステップS200)。このシャドー部再現撮影モードの動作概略について、先に説明する。
図8は、静止画撮影モード内のシャドー部再現撮影モード時の概略の動作を示すフローチャートである。
図8のフローチャートにおいて、シャドー部再現撮影モードに入ると、まずスイッチS1がONされているか判断する(ステップS201)。
スイッチS1がONされていない場合(ステップS201;No)は、図7に示すステップS152へ戻る。即ち、スイッチS1がONされるまで、ライブビュー表示をおこないつつ、メインスイッチ、モード選択、スイッチS1のいずれかが操作されるのを待機する。
スイッチS1がONされる(ステップS201;Yes)と、例えば、所定の露光時間、絞り値で撮像素子出力が全ての輝度に対し対数的変換がされるよう変曲点を設定する(ステップS202)。これは、システム制御部7が変曲点変更部22を制御することで行われる(図2参照)。
次いで、被写界の画像を対数的変換領域での画像データとして取り込む(ステップS203)。次に、得られた被写界の画像データのうち、予め決められた複数の位置の輝度値を演算により求める(ステップS204)。
これは、例えば、以下のようにして求めることができる。例えば画像データが1600画素×1200画素の解像度の画像の場合、得られた被写界の画像データを長辺方向200、短辺方向150の30000のブロックに分割し、それぞれのブロック内の8画素×8画素の64画素から、R(赤)の16画素の平均値AveR、G(緑)の32画素の平均値AveG、B(青)の16画素の平均値AveBを算出し、対数的変換データを線形的変換データに換算した後、輝度Yとし、K1、K2、K3を重み付け係数とすると、以下の式、
Y=AveR×K1+AveG×K2+AveB×K3
で求められる。これを被写界の分割された各ブロックについて同様に輝度Yを求める。
Y=AveR×K1+AveG×K2+AveB×K3
で求められる。これを被写界の分割された各ブロックについて同様に輝度Yを求める。
次いで、得られた各ブロック、即ち被写界の各位置の輝度Yのうち、最高輝度値と最低輝度値を抽出し、その差、即ち被写界の輝度幅を求め、この輝度幅が所定の輝度幅以上かどうか判断する(ステップS205)。この所定の輝度幅(第1の輝度範囲幅に相当)は、例えば撮像素子の線形的変換により得られるダイナミックレンジ以上の値、例えばEV値差で3.5程度の値が用いられる。輝度幅が所定の輝度幅を越えていない場合(ステップS205;No)は、後述の図7に示すステップS156へ移行する。
輝度幅が所定の輝度幅を越えている場合(ステップS205;Yes)は、最低輝度値が予め決められた所定値以下かどうか判断する(ステップS206)。この予め決められた所定値は、例えばISO感度100換算でEV9程度の値が用いられる。最低輝度値が予め決められた所定値以下でない場合(ステップS206;No)は、後述の図7に示すステップS156へ移行する。
最低輝度値が予め決められた所定値以下の場合(ステップS206;Yes)には、AF動作である焦点合わせを行うと共に、絞り値、シャッター速度を決定し、低輝度側の設定された輝度幅が線形的変換領域となるように変曲点を変更制御する(ステップS207)。この線形的変換領域となる設定された低輝度側の輝度幅(第2の輝度範囲幅に相当)は、例えばEV値差で2程度の値が用いられる。
次いで、再度スイッチS1がONされているか判断(ステップS208)し、スイッチS1がONでない、即ちOFFされている場合(ステップS208;No)には、図7に示すステップS152へ戻り、
スイッチS1がONされている場合(ステップS208;Yes)には、スイッチS2がONされるのを待機する(ステップS209)。スイッチS2がONされていない場合(ステップS209;No)には、ステップS208へ戻る。
スイッチS1がONされている場合(ステップS208;Yes)には、スイッチS2がONされるのを待機する(ステップS209)。スイッチS2がONされていない場合(ステップS209;No)には、ステップS208へ戻る。
スイッチS2がONされた場合(ステップS209;Yes)には、ステップS207で決定された撮影条件で撮影動作が実行され(ステップS210)、図7に示すステップS161へ移行し、メモリーカードに撮影した画像データを記録する。
図7の、ステップS154へ戻り、シャドー部再現撮影モードに設定されていない場合(ステップS154;No)には、ステップS155へ移行し、スイッチS1がONされているか判断する(ステップS155)。スイッチS1がONされていない場合(ステップS155;No)は、ステップS152へ戻る。
スイッチS1がONされる(ステップS155;Yes)と、AF動作とAE準備動作(ステップS156)を行う。ここでのAE準備動作とは、例えば、被写界全体の輝度が全て再現可能となるように変曲点を変更制御し、絞り値、露光時間であるシャッター速度を決定することである。
この後、再度スイッチS1がONされているか確認する(ステップS157)。スイッチS1がONされていない場合(ステップS157;No)には、ステップS152へ戻る。スイッチS1がONされている場合(ステップS157;Yes)には、スイッチS2がONされるのを待機する(ステップS158)。スイッチS2がONされていない場合(ステップS158;No)には、ステップS157へ戻る。
スイッチS2がONされた場合(ステップS158;Yes)には、フラッシュ撮影かどうか確認する(ステップS159)。これはステップS156のAE準備動作時に決定されているものであり、これを確認するものである。フラッシュ撮影でない場合(ステップS159;No)には、定常光による撮影動作が実行され(ステップS160)、メモリーカードに撮影した画像データを記録(ステップS161)し、撮影した画像を画像表示部に所定時間アフタービュー表示(ステップS162)した後、ステップS151のライブビュー表示に戻る。
一方、フラッシュ撮影の場合(ステップS159;Yes)には、フラッシュ撮影を行い(ステップS175)、ステップS161に移行する。
以上が、本実施の形態に係る撮像装置の動作概略である。
図9は、シャドー部再現撮影モード時の変曲点の制御の概略を示す図である。
同図に示すように、シャドー部再現撮影モード時には、検出された被写界の輝度範囲幅が予め設定されている第1の輝度範囲幅を越えている場合に、被写界の輝度範囲幅の低輝度側の予め設定されている第2の輝度範囲幅が、撮像素子の線形的変換領域となるように変曲点が制御されるものである。シャドー部再現撮影モードでは、例え被写界の輝度範囲幅が非常に大きい被写体であっても、第2の輝度範囲幅を線形的変換領域内に位置させることが優先されるものである。
以上説明したように、シャドー再現撮影モードを有することで、撮影者がシャドー部の描写を優先させたい意図を有する場合、被写界の輝度範囲幅が例え大きくても、被写体の低輝度部が不要に圧縮されるのを防ぎ、黒つぶれの発生を抑制し、撮影者の意図を盛り込んだ画像も得られる、リニアログセンサを用いた撮像装置を得ることができる。
なお、上記の実施の形態においては、第1の輝度範囲幅及び第2の輝度範囲幅が予め設定されている場合で説明したが、撮影者が意図に応じてメニュー画面から入力し、変更可能にしても良く、この場合には、シャドー部再現撮影モードを設定する際に、第1及び第2の輝度範囲幅をも同時に設定するよう構成することが好ましい。
また、上記のフローでは、撮像素子出力を全ての輝度に対し対数的変換領域となるよう変曲点を設定するもので説明したが、所定の露光時間及び絞り値で、予め決められた所定の輝度値以上が対数的変換領域となるよう変曲点を変更制御するか、もしくは予め決められた所定の輝度値以上は飽和させ、予め決められた所定の輝度値以下を線形的変換領域となるよう変曲点を制御してもよい。
また、静止画撮影モードを例にして説明したが、動画撮影モードにも適用可能なのは言うまでもない。
1 撮像装置
2 筐体
3 レンズユニット
4 撮像素子
5 フラッシュ発光部
6 調光センサ
7 システム制御部
8 信号処理部
11 モニタ
12 ズームボタンW
13 ズームボタンT
14 光学式ファインダ
15 選択用十字キー
16 レリーズスイッチ
17 電源スイッチ
18 USB端子
22 変曲点変更部
27 アンプ
28 A/Dコンバータ
29 黒基準補正部
30 AE評価値算出部
31 WB処理部
32 色補間部
33 色補正部
34 階調変換部
35 色空間変換部
2 筐体
3 レンズユニット
4 撮像素子
5 フラッシュ発光部
6 調光センサ
7 システム制御部
8 信号処理部
11 モニタ
12 ズームボタンW
13 ズームボタンT
14 光学式ファインダ
15 選択用十字キー
16 レリーズスイッチ
17 電源スイッチ
18 USB端子
22 変曲点変更部
27 アンプ
28 A/Dコンバータ
29 黒基準補正部
30 AE評価値算出部
31 WB処理部
32 色補間部
33 色補正部
34 階調変換部
35 色空間変換部
Claims (5)
- 入射光量に対して線形的に変換した電気信号と入射光量に対して対数的に変換した電気信号の出力が可能な複数の画素を有する撮像素子と、前記撮像素子に被写界の光を入射させる撮像光学系と、前記撮像素子からの電気信号出力における線形的変換領域と対数的変換領域との境界となる変曲点を変更制御する変曲点制御手段と、前記撮像素子の出力に基づいて被写界の輝度範囲を検出する輝度範囲検出手段と、を有し、
前記変曲点制御手段は、前記輝度範囲検出手段により得られた輝度範囲が予め設定された第1の輝度範囲幅を越えた場合には、前記輝度範囲における低輝度側の予め設定された第1の輝度範囲幅より狭い第2の輝度範囲幅が前記撮像素子の線形的変換領域となるように、変曲点を変更制御することを特徴とする撮像装置。 - 入射光量に対して線形的に変換した電気信号と入射光量に対して対数的に変換した電気信号の出力が可能な複数の画素を有する撮像素子と、前記撮像素子に被写界の光を入射させる撮像光学系と、前記撮像素子からの電気信号出力における線形的変換領域と対数的変換領域との境界となる変曲点を変更制御する変曲点制御手段と、前記撮像素子の出力に基づいて被写界の複数の位置の輝度を検出する輝度検出手段と、前記輝度検出手段で得られた輝度から被写界の輝度範囲を検出する輝度範囲検出手段と、を有し、
前記変曲点制御手段は、前記輝度検出手段で得られた輝度の最低値が予め設定された輝度値を下回り且つ前記輝度範囲検出手段により得られた輝度範囲が予め設定された第1の輝度範囲幅を越えた場合には、前記輝度範囲における低輝度側の予め設定された第1の輝度範囲幅より狭い第2の輝度範囲幅が前記撮像素子の線形的変換領域となるように、変曲点を変更制御することを特徴とする撮像装置。 - 前記第2の輝度範囲幅は、前記輝度範囲検出手段により得られた輝度範囲の最低輝度を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像装置。
- 前記輝度範囲検出手段による輝度範囲の検出時には、全ての輝度範囲を対数変換領域となるよう変曲点を変更制御することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の撮像装置。
- 前記第1の輝度範囲幅及び第2の輝度範囲幅の少なくとも一方を変更可能としたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の撮像装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005155143A JP2006333176A (ja) | 2005-05-27 | 2005-05-27 | 撮像装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005155143A JP2006333176A (ja) | 2005-05-27 | 2005-05-27 | 撮像装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006333176A true JP2006333176A (ja) | 2006-12-07 |
Family
ID=37554374
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005155143A Pending JP2006333176A (ja) | 2005-05-27 | 2005-05-27 | 撮像装置 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006333176A (ja) |
-
2005
- 2005-05-27 JP JP2005155143A patent/JP2006333176A/ja active Pending
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