JP2006307307A - ロボット可動部用配線ケーブル - Google Patents
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Abstract
【課題】 高引張強度、高耐屈曲性、及び高導電性を満足し、かつ、生産性が良好なロボット可動部用配線ケーブルを提供するものである。
【解決手段】 本発明に係るロボット可動部用配線ケーブル10は、ケーブル導体11の周りに絶縁層を有するものであり、ケーブル導体11を、酸素を0.001〜0.1重量%(10〜1000重量ppm)含む銅母材に、SnとInを合計0.25〜1.0重量%の割合で含有させた銅合金材で構成したものである。
【選択図】 図1
【解決手段】 本発明に係るロボット可動部用配線ケーブル10は、ケーブル導体11の周りに絶縁層を有するものであり、ケーブル導体11を、酸素を0.001〜0.1重量%(10〜1000重量ppm)含む銅母材に、SnとInを合計0.25〜1.0重量%の割合で含有させた銅合金材で構成したものである。
【選択図】 図1
Description
本発明は、産業ロボットなどの電子機器可動部に配線されるロボット可動部用配線ケーブルに関するものである。
一般に、産業ロボットなどの電子機器可動部に配線される可動部用配線ケーブルは、その性質上、過酷な曲げ、捻り、引張などの応力を繰り返し受ける。特に、可動部用配線ケーブルの心線を構成する導体には優れた耐屈曲性と引張強度が要求される。
そのため、最近では、可動部用配線ケーブルの心線に使用される導体として、軟銅線単独からなるものではなく、Cuに適量のSnを添加して引張強度及び耐屈曲性を向上させたCu合金が開発され、一部実用化にいたっている。
一方、近年の電子機器の小型化、軽量化、高性能化の要請を受け、可動部用配線ケーブルにおいては、小型化、軽量化のための細径化と、情報伝送量の増大に伴う高導電性が要求されてきている。そこで、これらの要求を満足する導体として、高強度、かつ、高導電率の銅合金導体が求められてきている。
高強度の銅合金導体としては、主に、固溶強化型合金及び析出強化型合金の2つが挙げられる。例えば、固溶強化型合金としては、Cu-Sn合金などが(特許文献1参照)、析出強化型合金としては、Cu-Cr系合金、Cu-Zr系合金、Cu-Fe-P系合金などが挙げられる。
ところで、固溶強化型合金を導体材料として用いた場合、細径化に伴う引張強度や耐屈曲性の向上を図るために、固溶強化元素の含有量、例えばSn含有量を多くする必要がある。しかしながら、固溶強化元素の含有量を多くすると、導電率が著しく低下してしまうといった問題があった。
一方、析出強化型合金を導体材料として用いた場合、優れた導電性及び耐屈曲性を有するものの、伸線後に所定の機械的特性を得るために調質を行う必要がある。この調質には、長時間の熱処理(時効処理)を要することから、生産性が良好でないという問題があった。
以上の事情を考慮して創案された本発明の目的は、高引張強度、高耐屈曲性、及び高導電性を満足し、かつ、生産性が良好なロボット可動部用配線ケーブルを提供することにある。
上記目的を達成すべく本発明に係るロボット可動部用配線ケーブルは、ケーブル導体の周りに絶縁層を有するロボット可動部用配線ケーブルにおいて、ケーブル導体を、酸素を0.001〜0.1重量%(10〜1000重量ppm)含む銅母材に、SnとInを合計0.25〜1.0重量%の割合で含有させた銅合金材で構成したものである。
ここで、Sn及びInの他に、P又はBを0.01重量%(100重量ppm)以下の割合で含有させてもよい。また、Sn及びInの他に、P及びBを合計0.02重量%(200重量ppm)以下の割合で含有させてもよい。
ケーブル導体は、結晶組織を構成する結晶粒の平均粒径が100μm以下であり、かつ、結晶組織のマトリックスに、上記Sn及びInの酸化物の80%以上が平均粒径1μm以下の微小酸化物として分散されたものである。
ケーブル導体は、素線径が0.08mm以下の極細素線を複数本撚り合わせてなる撚線を、少なくとも3本撚り合わせてなる。
ケーブル導体の導電率は70%IACS以上である。
本発明によれば、高引張強度、高耐屈曲性、及び高導電性のロボット可動部用配線ケーブルが得られるという優れた効果を発揮する。
以下、本発明の好適一実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1に示すように、本発明の好適一実施の形態に係るロボット可動部用配線ケーブル10は、導体(ケーブル導体)11の周りに絶縁層12を有する心線13で構成される心線部15の周りに、シールド(例えば、銅箔糸編組シールド)層16、外被(例えば、耐油性非鉛PVC)層17を設けたものである。
心線部15は、少なくとも3本(図1中では3本を図示)の心線13とドレンワイヤ14を撚り合わせてなるものである。各心線13とドレンワイヤ14の周りには、図2に示すように、束ね部材である押さえシース25が設けられる。導体11は、例えば、素線径が0.08mm以下、好ましくは0.05mm以下の極細素線21を複数本(図2中では7本を図示)撚り合わせてなる撚線の周囲に、メッキ(例えば、Sn合金メッキ(図示せず))層を形成したものである。
ここで、導体11を、複数本の極細素線21を撚り合わせて構成するのは、勿論、強度の向上、及び強度と密接に関連する屈曲疲労特性の向上を図るためである。軟銅線からなる極細素線を複数本撚り合わせても、十分な強度及び屈曲疲労特性を得ることはできない。
導体11(極細素線21)は、酸素を0.001〜0.1重量%(10〜1000重量ppm)含む銅母材に、SnとInを合計0.25〜1.0重量%の割合で含有させた銅合金材で構成される。導体11は、その結晶組織を構成する結晶粒の平均粒径が100μm以下であり、かつ、その結晶組織のマトリックスに、Sn及びInの酸化物の80%以上が平均粒径1μm以下の微小酸化物として分散されている。導体11の導電率は70%IACS以上、好ましくは75〜95%IACSとされる。
銅母材は、その酸素含有量が0.001〜0.1重量%(10〜1000重量ppm)の範囲において、酸素含有量が多いほど引張強度及び導電率が高くなる。
銅母材にSnとInの両方を含有させるのは、Snだけでは線材を極細化した際に耐屈曲性が低下し、屈曲寿命が短くなってしまうためである。Sn及びInの各含有量は、同量(又はほぼ同量)ずつか、Sn含有量をIn含有量よりも多くすることが好ましい。
SnとInの合計含有量(以下、合計含有量という)を0.25〜1.0重量%としたのは、合計含有量が0.25重量%未満だと、強度向上に有効な固溶限が小さすぎることから、十分な強度向上効果を期待できないためである。また、合計含有量が1.0重量%を超えると、導電率が著しく低下するためである。ここで、合計含有量が0.25〜1.0重量%の範囲において、合計含有量が多くなるに従って、導電率は徐々に低下する。
合計含有量が多くなると、熱間圧延工程における熱間圧延加工時に傷が付きやすくなり、圧延材の表面傷が多くなる傾向にある。よって、合計含有量が多い場合(例えば0.5重量%以上の場合)には、圧延材の表面傷を減少させるべく、銅母材に、Sn及びInと共に、さらにPを添加してもよい。Pは0.01重量%(100重量ppm)以下の割合で含有させる。Pの含有量が2重量ppm未満だと、銅線表面傷を低減させる効果はあまり認められず、Pの含有量が100重量ppmを超えると、銅合金導体の導電率が低下してしまう。
また、合計含有量が多くなると、鋳造工程後における鋳造材の結晶粒がやや大きくなる傾向(延いては銅合金導体の強度がやや低下する傾向)にある。よって、合計含有量が多い場合(例えば0.5重量%以上の場合)には、鋳造材の結晶粒を微細にするべく、銅母材に、Sn及びInと共に、さらにBを添加してもよい。Bは0.01重量%(100重量ppm)以下の割合で含有させる。Bの含有量が2重量ppm未満だと、結晶粒を微細にする効果(延いては銅合金導体の強度向上効果)はあまり認められず、Bの含有量が100重量ppmを超えると、銅合金導体の導電率が低下してしまう。
さらに、P及びBの両方を、合計0.02重量%(200重量ppm)以下の割合で含ませてもよい。
次に、本実施の形態に係るロボット可動部用配線ケーブルにおけるケーブル導体(銅合金導体)の製造工程を説明する。
銅合金導体の製造方法は、
銅母材にSn及びInを添加して溶解し、銅合金溶湯を形成する溶解工程と、
その銅合金溶湯を鋳造して鋳造材を形成する鋳造工程と、
その鋳造材に複数段(多段)の熱間圧延加工を施して圧延材を形成する熱間圧延工程と、
その圧延材を洗浄し、巻取って荒引線とする洗浄・巻取り工程と、
その巻取った荒引線を送り出し、その荒引線に冷間加工を施して銅合金導体(極細素線21)を形成する冷間(伸線)加工工程を、
含んでいる。
銅母材にSn及びInを添加して溶解し、銅合金溶湯を形成する溶解工程と、
その銅合金溶湯を鋳造して鋳造材を形成する鋳造工程と、
その鋳造材に複数段(多段)の熱間圧延加工を施して圧延材を形成する熱間圧延工程と、
その圧延材を洗浄し、巻取って荒引線とする洗浄・巻取り工程と、
その巻取った荒引線を送り出し、その荒引線に冷間加工を施して銅合金導体(極細素線21)を形成する冷間(伸線)加工工程を、
含んでいる。
銅合金導体は、その後用途に応じた所望形状の線材、条材(板材)などに加工される。溶解工程から洗浄・巻取り工程までは、既存又は慣用の連続鋳造圧延設備(SCR連続鋳造機)を適用することができる。また、冷間加工工程は、既存又は慣用の冷間加工装置を適用することができる。
銅合金導体の製造方法をより詳細に説明すると、先ず、溶解工程において、酸素を0.001〜0.1重量%(10〜1000重量ppm)含む銅母材に、Sn及びInを0.25〜1.0重量%、好ましくは0.30〜0.80重量%、より好ましくは0.35〜0.75重量%の割合で添加して溶解を行うことで、銅合金溶湯が形成される。Sn及びInは酸化され、最終的に得られる銅合金導体の結晶組織内にSn酸化物(SnO2)及びIn酸化物(In2O3)として生成、分散される。Sn酸化物及びIn酸化物の大半(80%以上)は、平均粒径が1μm以下の微小酸化物である。銅母材は、不可避的不純物を含んでいてもよい。
次に、鋳造工程において、前工程で得られた銅合金溶湯は、SCR方式の連続鋳造圧延に供される。具体的には、SCR連続鋳造の通常の鋳造温度(1120〜1200℃)よりも低い温度(1100〜1150℃)で鋳造を行うと共に、鋳型(銅鋳型)を強制水冷する。これにより、鋳造材が、銅合金溶湯の凝固温度より少なくとも15℃以上低い温度まで急速冷却される。
これらの鋳造処理及び急冷処理によって、鋳造材中に晶出(又は析出)する酸化物のサイズ、及び鋳造材の結晶粒サイズが、通常の鋳造温度で鋳造を行う場合又は鋳造材を[銅合金溶湯の凝固温度−15℃]を超える温度までしか冷却しない場合と比較して、それぞれ小さくなる。
次に、熱間圧延工程において、連続鋳造圧延における通常の熱間圧延温度よりも50〜100℃低い温度、すなわち鋳造材の温度を900℃以下、好ましくは750〜900℃に調整した状態で、鋳造材に、熱間圧延が多段に施される。最終圧延時において、500〜600℃の圧延温度で熱間圧延加工を施し、圧延材が形成される。最終圧延温度が、500℃未満だと、圧延加工時に表面傷が多く発生してしまい、表面品質の低下を招き、また、600℃を超えると、結晶組織が従来と同レベルの粗大組織となってしまう。ここで、最終圧延温度が500〜600℃の範囲において、最終圧延温度が高くなるに従って、引張強度は徐々に低下するが、導電率は徐々に向上する。
この熱間圧延により、前工程で晶出(又は析出)した比較的小サイズの酸化物が分断され、酸化物のサイズがさらに小さくなる。また、この熱間圧延は、通常の熱間圧延よりも低温で行うものであるため、圧延時に導入された転位が再配列し、結晶粒内に微小な亜粒界が形成される。亜粒界は、結晶粒内に存在する方位が少し異なる複数の結晶間の境界である。
次に、洗浄・巻取り工程において、圧延材を洗浄し、巻取りを行い、荒引線が得られる。巻取った荒引線の線径は、例えば、8〜40mm、好ましくは30mm以下とされる。例えば、ロボット可動部用配線ケーブルにおける荒引線の線径は、8〜25mmとされる。
最後に、巻取った荒引線を送り出し、冷間加工工程において、その荒引線に、−193℃(液体窒素温度)〜100℃、好ましくは−193〜25℃以下の温度で冷間加工(伸線加工)を行う。これによって、銅合金導体、すなわち素線径が0.08mm以下の極細素線21が得られる。ここで、連続伸線時の加工熱が銅合金導体に及ぼす影響(強度低下など)を少なくするため、引抜きダイスなどの冷間加工装置の冷却を行い、線材温度が100℃以下、好ましくは25℃以下となるように調整を行う。また、銅合金導体の強度を向上させるためには、熱間圧延加工における加工度を高めて圧延材、つまり荒引線の強度を十分に向上させておくことが必要である他に、冷間加工における加工度を50%以上とすることが必要である。
得られた銅合金導体は、例えば、図1に示したロボット可動部用配線ケーブル10に形成される。この他にも、用途に応じた所望形状に形成し、例えば、機器用ケーブル導体、産業用ケーブル導体、電車線(トロリー線)などに適用してもよい。
次に、本実施の形態の作用を説明する。
従来の銅合金導体は、結晶組織が粗大であった。また、Snなどの酸化物は、平均粒径(又は長さ)が1μmを超える粗大酸化物であった。これらの結果、従来の銅合金導体は、引張強度があまり十分ではなかった。
これに対して、本実施の形態に係るロボット可動部用配線ケーブルにおける銅合金導体は、酸素を0.001〜0.1重量%(10〜1000重量ppm)含む銅母材に、SnとInを合わせて0.25〜1.0重量%の割合で添加して銅合金溶湯を形成し、その銅合金溶湯を用い、低温で連続鋳造(鋳造温度が1100〜1150℃)、低温圧延加工(最終圧延温度が500〜600℃)、及び加工熱が作用しないように100℃以下に温度調節した冷間加工を行い、製造される。
これらによって、銅合金導体は、従来の銅合金導体と比較して結晶組織が微細となる。つまり、銅合金導体の結晶粒の平均粒径は、従来の銅合金導体の結晶粒の平均粒径と比較して小さくなり、100μm以下となる。また、銅合金導体のマトリックスには、Sn及びInの酸化物が分散しており、その酸化物の80%以上は平均粒径が1μm以下の微小酸化物である。
このマトリックスに分散した微小酸化物によって、鋳造材が有する熱(顕熱)により、結晶や結晶粒界が移動するのが抑制される。その結果、熱間圧延時における各結晶粒の成長が抑制されるため、圧延材の結晶組織が微細となる。
以上より、本実施の形態に係るロボット可動部用配線ケーブルにおける銅合金導体の強化は、結晶粒の微細化による銅合金導体マトリックスの強度向上と、マトリックスに微小酸化物を分散させたことによる分散強化とによるものであり、特開平6-240426号公報などに記載されたSnの固溶強化だけによる強化と比較して、導電率低下の割合も低く抑えることができる。よって、本実施の形態によれば、導電性を良好に保ちながら、良好な引張強度及び屈曲疲労特性を有する銅合金導体を得ることができる。つまり、例えば後述の[実施例]で述べるように、70%IACS以上の高い導電率を有し、かつ、耐屈曲性が良好な銅合金導体を得ることができる。延いては、本実施の形態に係るロボット可動部用配線ケーブルを用いることで、ロボット可動部の小型・軽量化、高性能化などを図ることができる。
また、本実施の形態に係るロボット可動部用配線ケーブルにおける銅合金導体は、合計含有量を0.25〜1.0重量%の範囲で適切に調整することにより、例えば[実施例]において後述するように、その導電率を70%IACS以上、耐屈曲性をタフピッチ銅(以下、TPCという)の1.5倍以上、好ましくは2〜10倍の範囲で、それぞれ自在に調整することができる。
本実施の形態に係るロボット可動部用配線ケーブルにおける銅合金導体は、既存或いは慣用の連続鋳造圧延設備や冷間加工装置を使用して製造することができるので、新規の設備投資を必要とせず、高導電率、高強度、高耐屈曲性の銅合金導体を低コストで製造することができる。
以上、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、他にも種々のものが想定されることは言うまでもない。
次に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
酸素を50重量ppm含む銅母材に、Sn及びInを合計0.4重量%(Snが0.2重量%、Inが0.2重量%)の割合で含む銅合金材を用いて荒引き線を作製し、その荒引き線に冷間伸線加工を施してφ0.08mmの極細素線を作製した。この極細素線を7本撚り合わせて導体を形成し、この導体の周囲に絶縁層を被覆して心線を作製した。この心線を3本撚り合わせてなる撚線の周囲に、順に銅箔糸編組シールド層、PVC層を被覆し、配線ケーブルを作製した。
酸素を50重量ppm含む銅母材に、Sn及びInを合計0.4重量%(Snが0.2重量%、Inが0.2重量%)の割合で含む銅合金材を用いて荒引き線を作製し、その荒引き線に冷間伸線加工を施してφ0.08mmの極細素線を作製した。この極細素線を7本撚り合わせて導体を形成し、この導体の周囲に絶縁層を被覆して心線を作製した。この心線を3本撚り合わせてなる撚線の周囲に、順に銅箔糸編組シールド層、PVC層を被覆し、配線ケーブルを作製した。
(実施例2)
酸素の含有量を300重量ppm、合計含有量を0.6重量%(Sn含有量が0.4重量%、In含有量が0.2重量%)とする以外は、実施例1と同様にして配線ケーブルを作製した。
酸素の含有量を300重量ppm、合計含有量を0.6重量%(Sn含有量が0.4重量%、In含有量が0.2重量%)とする以外は、実施例1と同様にして配線ケーブルを作製した。
(実施例3)
酸素の含有量を150重量ppm、合計含有量を0.7重量%(Sn含有量が0.4重量%、In含有量が0.3重量%)とする以外は、実施例1と同様にして配線ケーブルを作製した。
酸素の含有量を150重量ppm、合計含有量を0.7重量%(Sn含有量が0.4重量%、In含有量が0.3重量%)とする以外は、実施例1と同様にして配線ケーブルを作製した。
(比較例1)
酸素の含有量を50重量ppm、合計含有量を0.1重量%(Sn含有量が0.05重量%、In含有量が0.05重量%)とする以外は、実施例1と同様にして配線ケーブルを作製した。
酸素の含有量を50重量ppm、合計含有量を0.1重量%(Sn含有量が0.05重量%、In含有量が0.05重量%)とする以外は、実施例1と同様にして配線ケーブルを作製した。
(比較例2)
酸素の含有量を250重量ppm、合計含有量を0.15重量%(Sn含有量が0.1重量%、In含有量が0.05重量%)とする以外は、実施例1と同様にして配線ケーブルを作製した。
酸素の含有量を250重量ppm、合計含有量を0.15重量%(Sn含有量が0.1重量%、In含有量が0.05重量%)とする以外は、実施例1と同様にして配線ケーブルを作製した。
(比較例3)
酸素の含有量を200重量ppm、合計含有量を0.2重量%(Sn含有量が0.1重量%、In含有量が0.1重量%)とする以外は、実施例1と同様にして配線ケーブルを作製した。
酸素の含有量を200重量ppm、合計含有量を0.2重量%(Sn含有量が0.1重量%、In含有量が0.1重量%)とする以外は、実施例1と同様にして配線ケーブルを作製した。
(比較例4)
酸素の含有量を70重量ppm、合計含有量を1.1重量%(Sn含有量が0.6重量%、In含有量が0.5重量%)とする以外は、実施例1と同様にして配線ケーブルを作製した。
酸素の含有量を70重量ppm、合計含有量を1.1重量%(Sn含有量が0.6重量%、In含有量が0.5重量%)とする以外は、実施例1と同様にして配線ケーブルを作製した。
(比較例5)
酸素の含有量を100重量ppm、合計含有量を1.3重量%(Sn含有量が0.7重量%、In含有量が0.6重量%)とする以外は、実施例1と同様にして配線ケーブルを作製した。
酸素の含有量を100重量ppm、合計含有量を1.3重量%(Sn含有量が0.7重量%、In含有量が0.6重量%)とする以外は、実施例1と同様にして配線ケーブルを作製した。
(比較例6)
酸素の含有量を150重量ppm、合計含有量を1.5重量%(Sn含有量が0.7重量%、In含有量が0.8重量%)とする以外は、実施例1と同様にして配線ケーブルを作製した。
酸素の含有量を150重量ppm、合計含有量を1.5重量%(Sn含有量が0.7重量%、In含有量が0.8重量%)とする以外は、実施例1と同様にして配線ケーブルを作製した。
(比較例7)
酸素の含有量を5重量ppm、合計含有量を0.4重量%(Sn含有量が0.2重量%、In含有量が0.2重量%)とする以外は、実施例1と同様にして配線ケーブルを作製した。
酸素の含有量を5重量ppm、合計含有量を0.4重量%(Sn含有量が0.2重量%、In含有量が0.2重量%)とする以外は、実施例1と同様にして配線ケーブルを作製した。
(比較例8)
酸素の含有量を1500重量ppm、合計含有量を0.4重量%(Sn含有量が0.2重量%、In含有量が0.2重量%)とする以外は、実施例1と同様にして配線ケーブルを作製した。
酸素の含有量を1500重量ppm、合計含有量を0.4重量%(Sn含有量が0.2重量%、In含有量が0.2重量%)とする以外は、実施例1と同様にして配線ケーブルを作製した。
(比較例9)
酸素含有量が200重量ppmのタフピッチ銅からなる荒引き線を用いる以外は、実施例1と同様にして配線ケーブルを作製した。タフピッチ銅における合計含有量は0重量%とした(Sn及びInが無添加)。
酸素含有量が200重量ppmのタフピッチ銅からなる荒引き線を用いる以外は、実施例1と同様にして配線ケーブルを作製した。タフピッチ銅における合計含有量は0重量%とした(Sn及びInが無添加)。
実施例1〜3及び比較例1〜9の各配線ケーブルにおける導体組成(Sn及びInの各含有量、合計含有量、銅母材の酸素含有量)を表1に示す。また、各配線ケーブルの耐屈曲性、導体の導電性(導電率)、及び総合評価も併せて表1に示す。
ここで、耐屈曲性は、比較例9の配線ケーブルの耐屈曲性を1.0とした時の相対値に基づいて評価を行い、相対値が1.5以上のものを良好(○)、1.5未満のものを不足(×)とした。また、導電性については、導電率が70%IACS以上のものを良好(○)、70%IACS未満のものを不足(×)とした。総合評価は、良好を○、不十分を×とした。
表1に示すように、実施例1〜3の各配線ケーブルは、銅母材のSnとInの合計含有量が規定範囲(0.25〜1.0重量%)内で、かつ、酸素含有量も規定範囲(10〜1000重量ppm)内であるため、いずれも耐屈曲性及び導電率が良好であり、その結果、総合評価も良好であった。
これに対して、比較例1〜6,9の各配線ケーブルは、いずれも銅母材の酸素含有量が規定範囲内(50ppm,250ppm,200ppm,70ppm,100ppm,150ppm,200ppm)であった。しかしながら、比較例1〜3,9の各配線ケーブルは、いずれも合計含有量が規定範囲よりも少ない(0.1重量%,0.15重量%,0.2重量%,0重量%)ため、いずれも導電性は良好であるが、耐屈曲性が不足していた。逆に、比較例4〜6の各配線ケーブルは、合計含有量が規定範囲を超えている(1.1重量%,1.3重量%,1.5重量%)ため、いずれも耐屈曲性は良好であるが、導電率が著しく低下し、導電性が不足していた。その結果、比較例1〜6,9の各配線ケーブルは、いずれも総合評価が不十分であった。
また、比較例7,8の各配線ケーブルは、いずれも銅母材の合計含有量が規定範囲内(共に0.4重量%)であった。しかしながら、比較例7の配線ケーブルは、酸素含有量が5ppmと規定範囲よりも少ないため、微小酸化物をマトリックス中に十分に分散させることができず、強度を十分に向上させることができなかった。よって、導電性は良好であるが、耐屈曲性が不足していた。逆に、比較例8の配線ケーブルは、導電性及び耐屈曲性はいずれも良好であるが、酸素含有量が1500ppmと規定範囲を大幅に超えているため、マトリックス中に微小酸化物が過剰に晶出、分散されてしまい、導体表面に多くの傷が付いていた。
10 ロボット可動部用配線ケーブル
11 ケーブル導体
11 ケーブル導体
Claims (6)
- ケーブル導体の周りに絶縁層を有するロボット可動部用配線ケーブルにおいて、上記ケーブル導体を、酸素を0.001〜0.1重量%(10〜1000重量ppm)含む銅母材に、SnとInを合計0.25〜1.0重量%の割合で含有させた銅合金材で構成したことを特徴とするロボット可動部用配線ケーブル。
- 上記Sn及びInの他に、P又はBを0.01重量%(100重量ppm)以下の割合で含有させた請求項1記載のロボット可動部用配線ケーブル。
- 上記Sn及びInの他に、P及びBを合計0.02重量%(200重量ppm)以下の割合で含有させた請求項1記載のロボット可動部用配線ケーブル。
- 上記ケーブル導体が、結晶組織を構成する結晶粒の平均粒径が100μm以下であり、かつ、結晶組織のマトリックスに、上記Sn及びInの酸化物の80%以上が平均粒径1μm以下の微小酸化物として分散された請求項1から3いずれかに記載のロボット可動部用配線ケーブル。
- 上記ケーブル導体が、素線径が0.08mm以下の極細素線を複数本撚り合わせてなる撚線を、少なくとも3本撚り合わせてなる請求項1から4いずれかに記載のロボット可動部用配線ケーブル。
- 上記ケーブル導体の導電率が70%IACS以上である請求項1から5いずれかに記載のロボット可動部用配線ケーブル。
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- 2005-05-02 JP JP2005134307A patent/JP2006307307A/ja active Pending
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