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JP2006239195A - コンピュータによる画像診断支援方法および画像診断支援装置ならびにプログラム - Google Patents

コンピュータによる画像診断支援方法および画像診断支援装置ならびにプログラム Download PDF

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JP2006239195A JP2005060028A JP2005060028A JP2006239195A JP 2006239195 A JP2006239195 A JP 2006239195A JP 2005060028 A JP2005060028 A JP 2005060028A JP 2005060028 A JP2005060028 A JP 2005060028A JP 2006239195 A JP2006239195 A JP 2006239195A
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Abstract

【課題】異なる呼吸相を表す複数の胸部医用画像に基づいて被検者の呼吸機能の異常の有無を判断する際に、異常箇所の見落としを減らすとともに、読影時間の短縮による診断効率の向上を図る。
【解決手段】被検者の呼吸活動に伴う呼吸相の変化の順に並べられた胸部医用画像P1からPNについて、変位算出手段2が、胸部医用画像P1中の局所領域の各々の位置を、画像P2から順に画像PNまでの対応する位置に合わせる位置合わせ処理を順次行って、各画像間の呼吸相の変化における各局所領域の変位を算出し、散布度算出手段3が、各画像間における局所領域の変位毎に変位の差分の散布度V1からVN-2を算出し、判定手段4が、散布度V1からVN-2のいずれかが閾値Thよりも大きい場合には、被検者の呼吸機能に異常があると判定する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、コンピュータによる画像診断支援方法および画像診断支援装置ならびにプログラムに関し、より詳細には、異なる呼吸相を表す複数の胸部医用画像に基づいて被検者の呼吸機能の異常の有無を判定する方法および装置、ならびに、コンピュータにこの判定を行わせるプログラムに関するものである。
近年、吸気から呼気までの複数の呼吸段階(呼吸相)を撮影した胸部単純X線画像を用いて呼吸機能の診断を行おうとする試みが行われている。
例えば、I.I.(Image Intensifier)を用いて吸気から呼気までの複数の呼吸相を撮影した動画像から換気異常を検出することが可能であり、このような換気異常の検出をより高い精度で行うためには複数の画像間の位置合わせが必要であるとの見解が報告されている(例えば、非特許文献1)。
また、動画対応のFPD(Flat-Panel Detector;平面検出器)を搭載したX線画像デジタル撮影装置を用いた検討も行われており、I.I.よりも高解像度の胸部動画像を用いることで、より精密に肺野の濃度の変化から呼吸機能情報を取得できることが示唆されており、さらに、撮影された動画像のうち隣接する画像間の位置合わせを行い、差分を計算した画像による差分動画像を作成した解析も試みられている(例えば、非特許文献2)。
このような背景の中で、本出願人は、異なる呼吸相を表す3以上の胸部医用画像をその呼吸相の変化の順に並べた場合に隣接しない2つの注目画像の各々について、注目画像に含まれる被写体の位置を、隣接する画像に含まれる被写体の位置に順次合わせていき、最終的に位置合わせの基準となる基準画像に含まれる被写体の位置に合わせることによって、異なる呼吸相の注目画像間の位置合わせの精度を向上するとともに、複数の呼吸相の画像間での濃度変化や、画像中の局所領域の位置の変化を視覚化した画像を生成することによって、複数の呼吸相を撮影した胸部医用画像の観察を容易にすることを提案している(例えば、特許文献1)。
特開2005-20719号公報 J.Liang, et.al, "Dynamic chest image analysis: model-based ventilation study with pyramid images",(米国), Proceedings of SPIE Medical Imaging 1997: Physiology and Function from Multidimensional Images, SPIE, May 1997, Vol.3033, p.81-92 田中,真田,外5名,「胸部動画像を対象とした呼吸性動態の定量化」,医用画像情報学会雑誌,医用画像情報学会,2003年1月,第20巻,第1号, p.13-19
しかしながら、上記文献では、読影者が、複数の呼吸相を表す画像による動画や、それらの画像の差分画像による動画、濃度変化や位置の変化を表す画像を見て呼吸機能の異常の有無を判断しているため、異常箇所を見落とす可能性がある。また、このような見落としを減らすためには、時間をかけて画像を読影する必要があり、そうすると、診断効率が低下してしまうことになる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、読影者が、異なる呼吸相を表す複数の胸部医用画像に基づいて被検者の呼吸機能の異常の有無を判断する際に、異常箇所の見落としを減らすとともに、読影時間の短縮による診断効率の向上を図る方法および装置ならびにプログラムを提供することを目的とするものである。
本発明によるコンピュータを用いた画像診断支援方法は、被検者の呼吸運動における任意の3つの呼吸相を、その呼吸運動に伴う呼吸相の変化の順に第1、第2、第3の呼吸相とし、第1、第2、第3の呼吸相の各々を表す胸部医用画像を第1、第2、第3の画像とした場合において、第1の画像を構成する複数の局所領域の各々の位置を、第2の画像中の対応する位置に合わせる位置合わせ処理を行って、第1の呼吸相から第2の呼吸相への変化における局所領域の変位を表す第1の変位を局所領域毎に算出し、位置合わせ処理後の局所領域の各々の位置を、第3の画像中の対応する位置に合わせる位置合わせ処理を行って、第2の呼吸相から第3の呼吸相への変化における局所領域の変位を表す第2の変位を局所領域毎に算出し、局所領域毎の第1の変位と第2の変位の差分の散布度を算出し、算出された散布度が所定の閾値よりも大きい場合に被検者の呼吸機能に異常があると判定することを特徴とするものである。
また、本発明による画像診断支援装置は、この方法を実現するものである。すなわち、第1の画像を構成する複数の局所領域の各々の位置を、第2の画像中の対応する位置に合わせる位置合わせ処理を行って、第1の呼吸相から第2の呼吸相への変化における局所領域の変位を表す第1の変位を局所領域毎に算出するとともに、位置合わせ処理後の局所領域の各々の位置を、第3の画像中の対応する位置に合わせる位置合わせ処理を行って、第2の呼吸相から第3の呼吸相への変化における局所領域の変位を表す第2の変位を局所領域毎に算出する変位算出手段と、局所領域毎の第1の変位と第2の変位の差分の散布度を算出する散布度算出手段と、算出された散布度が所定の閾値よりも大きい場合に被検者の呼吸機能に異常があると判定する判定手段とを設けたことを特徴とするものである。
さらに、本発明による画像診断支援プログラムは、コンピュータに上記の方法を行わせる(上記の各手段として機能させる)ものである。すなわち、コンピュータを、第1の画像を構成する複数の局所領域の各々の位置を、第2の画像中の対応する位置に合わせる位置合わせ処理を行って、第1の呼吸相から第2の呼吸相への変化における局所領域の変位を表す第1の変位を局所領域毎に算出するとともに、位置合わせ処理後の局所領域の各々の位置を、第3の画像中の対応する位置に合わせる位置合わせ処理を行って、第2の呼吸相から第3の呼吸相への変化における局所領域の変位を表す第2の変位を局所領域毎に算出する変位算出手段と、局所領域毎の第1の変位と第2の変位の差分の散布度を算出する散布度算出手段と、算出された散布度が所定の閾値よりも大きい場合に被検者の呼吸機能に異常があると判定する判定手段として機能させることを特徴とするものである。
次に、本発明の詳細について説明する。
「第1、第2、第3の画像」は、異なる呼吸相を表す複数の胸部医用画像の各々について、画像中の肺野領域を検出し、検出された肺野領域の面積と、各画像から検出された肺野領域の面積の最大値または最小値との比率を各画像について算出し、算出された比率に基づいて選択されたものであることが好ましい。さらに、第1、第3の画像として、肺野領域の面積が最大となる最大吸気画像と、肺野領域の面積が最小となる最大呼気画像とを選択することが好ましい。
「局所領域」の大きさは、呼吸機能の観察に適した大きさとすることが好ましい。具体的には、2次小葉と呼ばれる肺胞が集まった6〜10mm程度の組織と同程度の大きさにすることにより、局所的な換気機能の観察が効率的に行えるようになる。なお、各局所領域間で重複する部分が生じていてもよい。また、局所領域を1画素の領域としてもよい。
「位置合わせ処理」は、画像中の局所領域を個別にシフトさせる非線形変換処理であるが、前述の特許文献1記載の経時サブトラクション手法のように、線形の位置変換である概略的な位置合わせ処理(グローバルマッチング)と非線形の位置変換である局所的な位置合わせ処理(ローカルマッチング)とを組み合わせたものであってもよい。
「位置合わせ処理後の局所領域の各々の位置を、第3の画像中の対応する位置に合わせる位置合わせ処理」では、位置合わせ処理後の第1の画像中の局所領域の各々の位置を第3の画像中の対応する位置に合わせるようにしてもよいし、位置合わせ処理後の局所領域を第2の画像中に設定し、第2の画像中の局所領域の各々の位置を第3の画像中の対応する位置に合わせるようにしてもよい。
「第1の変位と第2の変位の差分」とは、第1の変位と第2の変位の間での変位の変化量を意味する。
「変位」と「差分」は、向きおよび/または大きさによって表現される量である。
「差分の散布度」は、差分の散らばりの度合を表すものであり、具体例としては、差分の分散や標準偏差等が考えられる。なお、ここでは、散布度が、その値が大きいほど散らばりが大きいという性質を有するものであることを前提としている。散布度の値が大きいほど差分の散らばりが小さいという関係となる場合には、後続の「判定」処理における大小関係を逆転させればよい。
「呼吸機能に異常があると判定する」のは「散布度が所定の閾値よりも大きい場合」だけでなく、散布度が所定の閾値と等しい場合も含めてもよい。すなわち、散布度が所定の閾値以上の場合に呼吸機能に異常があると判定してもよい。
「所定の閾値」は、その被検者の呼吸機能が正常な時の胸部医用画像に基づいて得られた散布度(以下、正常時散布度という)に基づいて設定された値とすることが好ましい。具体的には、正常時散布度に対してある程度の許容範囲をもたせた値を閾値とすることが考えられる。なお、この正常時散布度は予め求めておいてもよいし、判定対象の画像と正常時の画像の両方を準備しておき、判定の都度、正常時散布度を求めるようにしてもよい。
また、第1、第2、第3の画像中の対応する位置に注目領域を設定し、設定された注目領域内の局所領域について、散布度を算出するようにしてもよい。ここで、この注目領域を肺野領域内に設定することが好ましい。肺野領域は、公知の手法(例えば、特開2003−006661号公報)により検出することができる。なお、「注目領域」は、複数の局所領域が含まれるように設定する必要がある。また、注目領域は複数設定してもよく、その場合には、注目領域毎に散布度を算出してもよい。さらに、複数の注目領域の各々の間で重複する部分が生じていてもよい。
また、被検者の呼吸機能に異常があると判定された場合において、前記の差分が所定の閾値よりも大きい局所領域における第1および/または第2の変位を他の局所領域における第1および/または第2の変位と識別可能な態様にして表示することが好ましい。さらに、前述の注目領域内の局所領域について散布度を算出する態様では、前記の散布度が所定の閾値よりも大きい注目領域を他の領域と識別可能な態様にして表示するようにしてもよい。ここで、「識別可能な態様にして表示」の具体例としては、他とは異なる色にして表示することが考えられる。
本発明は、被検者の呼吸機能の異常の有無により、呼吸相の変化に伴う胸部医用画像中の局所領域毎の変位の方向や大きさの変化量が異なるという点に着目したものである。図1(a)は、呼吸機能が正常な場合において、呼気状態から吸気状態への呼吸相の変化に伴う胸部医用画像中の局所領域毎の変位をベクトルで模式的に表したものであり、図1(b)は、このベクトルの向きと大きさの分布を表したものである。また、図2(a)(b)は、呼吸機能に異常がある場合において、図1と同様に表したものである。図1(a)、図2(a)の上段では、呼吸相nからn+2に変化するにつれて肺野内に空気が取り込まれ、肺野領域が拡張していく様子を表しており、図の下段では、特に図の上段の矩形領域に注目し、各呼吸相間における矩形領域内の局所領域の位置の変化をベクトル(以下、変位ベクトル)で表したものである。図に示したように、呼吸機能が正常な場合には、変位ベクトルの大きさと向きは呼吸相間でほぼ一定の分布となるのに対し(図1(b)参照)、呼吸機能に異常がある場合には、呼吸相間で変位ベクトルの大きさや向きにばらつきが生じる(図2(b)参照)。
本発明の画像診断支援方法および画像診断支援装置ならびにプログラムによれば、被検者の呼吸運動における任意の3つの呼吸相を表す胸部医用画像中の複数の局所領域の各々の位置を合わせる位置合わせ処理を行って、各局所領域の画像間の変位を求め、その変位の差分(変化量)の散布度が所定の閾値よりも大きい場合に被検者の呼吸機能に異常があると自動的に判定するので、判定結果に基づいて読影者の注意を喚起することが可能になり、異常箇所の見落としの減少や、読影時間の短縮による診断効率の向上に資する。
また、異なる呼吸相を表す複数の画像中から検出された肺野領域の面積と、各画像中の肺野領域の面積の最大値または最小値との比率に基づいて上記の処理対象の3つの画像を選択するようにした場合には、上記の比率に基づいて選択候補となる各画像の呼吸相が推定できるため、最大呼気画像や最大吸気画像のように、より診断に適した画像を上記の判定処理に用いることが可能になり、判定精度が向上し、読影者の診断精度や診断効率の向上が図られる。
上記の判定処理における所定の閾値を、同じ被検者の正常時の画像を入力として得られた散布度に基づいて設定された値にした場合には、異なる被検者間での個人差によって生じる判定誤差を減少させることが可能になり、さらなる判定精度の向上、診断精度や診断効率の向上に資する。
また、第1、第2、第3の画像中の対応する位置に設定された注目領域内の局所領域について、散布度を算出するようにした場合には、診断上より重要な領域における局所領域毎の呼吸相間での変位の向きや大きさの変化に基づいて、呼吸機能の異常の有無の判定ができるので、さらなる判定精度の向上、診断精度や診断効率の向上に資する。
被検者の呼吸機能に異常があると判定された場合において、第1の変位と第2の変位の差分が所定の閾値よりも大きい局所領域における第1および/または第2の変位を他の局所領域における第1および/または第2の変位と識別可能な態様にして表示したり、散布度が所定の閾値よりも大きい注目領域を他の領域と識別可能な態様にして表示したりすれば、読影者に対して、異常の有無だけでなく、異常箇所を指摘することが可能になるので、異常箇所の視認性が向上するため、さらなる診断効率の向上に資する。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。
図3は、本発明の実施形態となる胸部画像診断支援システムの構成の概要を示したものである。図に示すように、画像撮影・読取システム20と、画像管理システム30、画像処理システム10、画像表示システム40が、LAN等のネットワーク50を経由して通信可能な状態で接続されている。
画像撮影・読取システム20は、患者の胸部を被写体として、複数の呼吸段階を撮影した放射線画像を取得するものであり、CR(Computed Radiography)装置21や、I.I.22、動画対応のFPDを搭載したX線画像デジタル撮影装置(以下、FPD装置という)23等が含まれる。
画像処理システム10は、画像撮影・読取システム20で撮影された放射線画像に対して画像処理を行い、診断者の読影に適した画像を生成するものであり、画像処理サーバ11等が含まれる。本発明の画像診断支援方法(装置)は、この画像処理サーバ11に実装される。
画像管理システム30は、画像撮影・読取システム20や画像処理システム10で生成された画像を保存・管理するものであり、画像管理サーバ31と大容量外部記憶装置32、データベース管理ソフトウェア(例えば、ORDB(Object Relational DataBase)管理ソフトウェア)等が含まれる。各画像は、被検者ID、被検者名、性別、生年月日等の被検者情報や、検査日時、検査部位、検査結果等の検査情報等と関連づけられて、データベース管理ソフトウェアによる管理の下で、大容量外部記憶装置32に記憶されている。
画像表示システム40は、画像撮影・読取システム20や画像処理システム10で生成された画像を表示するものであり、クライアントPC41や高精細液晶ディスプレイ42等が含まれる。また、クライアントPC41のキーボードやマウス等の入力装置を用いて、読影対象の画像やその画像に対する画像処理方法等の読影条件の設定を行うことも可能になっている。
本発明の第1の実施形態では、被検者の呼吸運動における複数の呼吸相をその変化の順に表す胸部医用画像P1からPNに基づいて、呼吸機能の異常を自動的に判定し、異常と判定された場合には画像中の局所領域の変位を表す局所変位ベクトル画像を生成する機能を実現する。なお、以下の説明では、画像P1が最大呼気状態(呼吸相1)を表す画像、画像PNが最大吸気状態(呼吸相N)を表す画像、また、画像Pnは呼吸相nを表す画像とする。
図4は、この機能が実装される画像処理サーバ11の論理的な構成とデータの流れとを表したブロック図である。図に示すように、画像管理システム30から画像P1、・・・、Pn、・・・、PNや後述の正常時散布度V0を取得する取得手段1と、取得された画像P1からPNのうち、画像P1を複数の局所領域R1[1,1]、・・・、R1[i,j]、・・・、R1[I,J]に分割し、分割された局所領域R1[1,1]からR1[I,J]の各々の位置を、画像P2から順に画像PNまでの対応する位置に合わせる位置合わせ処理を順次行って、各画像間の呼吸相の変化における各局所領域R1[1,1]からR1[I,J]の変位Δ1[1,1]からΔ1[I,J]、・・・、Δn[1,1]からΔn[I,J]、・・・、ΔN-1[1,1]からΔN-1[I,J]を算出する変位算出手段2と、各画像間における局所領域の変位毎に変位の差分の散布度V1、・・・、Vn、・・・、VN-2を算出する散布度算出手段3と、算出された散布度V1からVN-2の各々が、取得手段1によって取得された正常時散布度V0に基づいて設定された閾値Thよりも大きい場合に被検者の呼吸機能に異常があると判定する判定手段4と、各画像間における各局所領域の変位を可視化した局所変位ベクトル画像Q1、・・・、Qn、・・・、QN-1を生成する局所変位ベクトル画像生成手段5と、呼吸機能が正常であると判定された場合には最大吸気画像PNをクライアントPC41に送信し、異常であると判定された場合には最大吸気画像PNと局所変位ベクトル画像Q1からQN-1を送信する送信手段6から構成される。
上記の各手段は、CD−ROM等の記憶媒体から画像処理サーバ11にインストールされたプログラムが実行されることによって、画像処理サーバ11のCPU、主記憶装置、外部記憶装置、入出力インターフェース、オペレーティングシステム等と連携して実現される。また、このプログラムによって、上記の各手段による処理順序が制御される。
次に、本発明の第1の実施形態において行われる処理の流れについて説明する。
まず、画像撮影・読取システム20において、例えば、動画対応のFPD装置23によって、患者の胸部の撮影が行われ、複数の呼吸段階を表す画像P1(最大呼気)から画像PN(最大吸気)のN個(N≧3)の画像が生成される。生成された画像は、各々、被検者情報や検査情報等の付随情報と関連づけられ、画像毎にファイルに格納され、N個のファイルが出力される。出力されたN個のファイルは、画像管理システム30にネットワーク50経由で送信される。なお、本実施形態では、撮影時に最大吸気画像と最大呼気画像とが特定され、付随情報の中に最大吸気画像や最大呼気画像を特定する情報も含まれているものとする。
画像管理システム30では、画像管理サーバ31が、送信されてきたN個のファイルを受信し、データベース管理ソフトウェアで定められたデータ形式、データ構造に基づき、その受信したN個の画像ファイル中の画像データを付随情報と関連づけて大容量外部記憶装置32に記憶する。記憶された画像データは、被検者IDや検査日時等の付随情報の一部または全部を検索キーとして、検索可能な状態となっている。
読影者は、クライアントPC41の操作により、患者IDや撮影日時等の付随情報と、読影パターン(呼吸機能異常の自動判定)とを指定し、処理の実行を要求する。ここで、上記の付随情報を指定することによって読影対象の画像P1からPNが特定され、読影パターンを指定することによってその読影に必要な画像処理の内容が特定される。
クライアントPC41で指定された付随情報と読影パターンは、画像処理サーバ11に送信され、画像処理サーバ11では、受信した読影パターンに基づいて、その読影に必要な画像を生成する画像処理プログラム、すなわち、画像処理サーバ11を図4の各手段として機能させるプログラムが起動される。
図5は、起動された画像処理プログラムによって実行される処理の流れを表すフローチャートである。また、図6は、変位算出手段2と散布度算出手段3で行われる処理を模式的に表したものである。
まず、取得手段1が、クライアントPC41から受信した付随情報に基づく検索条件による画像管理システム30のデータベースに対する検索要求を送信する。画像管理サーバ31では、受信した検索要求に応じてデータベース検索を行い、検索条件に合致する画像P1からPNと、後述の正常時散布度V0を取得し、画像処理サーバ11に送信する。画像処理サーバ11の取得手段1は、画像P1からPNと正常時散布度V0を受信し、画像処理サーバ11の主記憶装置または外部記憶装置に一時的に記憶する(ステップa1)。
次に、画像を識別する添字nの値が1に設定された後(ステップa2)、変位算出手段2が、画像Pn(=P1)を読み込み(ステップa3)、横I×縦J個の局所領域に分割し、局所領域R1[1,1]、・・・、R1[i,j]、・・・、R1[I,J]を設定する(ステップa4)。ここで、個々の局所領域は2次小葉と呼ばれる肺胞が集まった6〜10mm程度の組織が含まれる程度の大きさの矩形領域であり、局所領域の数はこの大きさを基準として決定される。
そして、画像を識別する添字nの値が1加算され、n=2となった後(ステップa5)、変位算出手段2は、Pn(=P2)を読み込み(ステップa6)、局所領域R1[1,1]からR1[I,J]の各々の位置を、画像P2中の対応する位置に合わせる位置合わせ処理を行って、呼吸相1から呼吸相2への変化における各局所領域R1[1,1]からR1[I,J]の変位を表す変位Δ1[1,1]からΔ1[I,J]を算出する(ステップa7)。ここでは、前述の特許文献1記載の経時サブトラクション手法を用いる。以下、詳細に説明する。
まず、画像Pと画像Pとの概略的な位置合わせ処理(グローバルマッチング)を行う。これは、画像P2を画像P1に一致させるように、Pに対してアフィン変換(回転、平行シフト)を施す処理であり、この処理により画像Pは、図7に示すようにP′に変換される。
グローバルマッチング処理の完了後、局所的な位置合わせ処理(ローカルマッチング)を行う。
具体的には、図8に示すように、画像P中の各局所領域R1[1,1]からR1[I,J]の中心画素をそれぞれx−y座標系(x,y)により表す。また、画像P′に探索ROIR2'[1,1]、・・・、R2'[i,j]、・・・、R2'[I,J]を設定する。この探索ROIは、画像P1の各局所領域R1[1,1]からR1[I,J]に対応して設定され、同一の中心座標(x,y)を有し、各局所領域R1[1,1]からR1[I,J]よりも大きい領域である。ここでは、各局所領域R1[1,1]からR1[I,J]の4倍(縦横ともに2倍)の大きさの領域としている。
画像P′に設定された各探索ROIの中で、画像Pの各局所領域R1[1,1]からR1[I,J]を移動させて、局所領域のマッチング度合いが最も高くなる位置(各局所領域R1[1,1]からR1[I,J]の中心位置(x′,y′))を探索ROI毎に求める。マッチング度合いの高低を示す指標値としては、最小自乗法や相互相関による指標値を用いることができる。
そして、各局所領域R1[1,1]からR1[I,J]の中心画素(x,y)毎のシフト値(Δx,Δy)(ただし、Δx=x′−x,Δy=y′−y)を求め、呼吸相1から呼吸相2への変化における各局所領域(R1[1,1]からR1[I,J])の変位(Δ1[1,1]からΔ1[I,J])とする。図9は、画像Pと画像P′の各局所領域の中心画素(x,y)と(x′,y′)、画像間での変位Δ1[1,1]を模式的に表したものである。図に示したとおり、局所領域の変位は、向きと大きさの両方を有するベクトル量である。
さらに、添字nの値が1加算されてn=3となり(ステップa5)、変位算出手段2は、上記と同様にして、位置合わせ処理後の各局所領域R1[1,1]からR1[I,J]を画像P3′に設定された各探索ROIの中で移動させて、マッチング度合いが最も高くなる位置を探索ROI毎に求め、さらに局所領域の中心画素毎のシフト値を求め、呼吸相2から呼吸相3への変化における各局所領域(R1[1,1]からR1[I,J])の変位(Δ2[1,1]からΔ2[I,J])とする(ステップa6, a7)。
そして、添字nの値がNになるまでは(ステップa8)、上記と同様にして、添字nの値が1加算され(ステップa5)、変位算出手段2が、直前の位置合わせ処理後の局所領域R1[1,1]からR1[I,J]を画像Pn′に設定された各探索ROIの中で移動させて、マッチング度合いが最も高くなる位置を探索ROI毎に求め、さらに局所領域の中心画素毎のシフト値を求め、呼吸相n−1から呼吸相nへの変化における各局所領域(R1[1,1]からR1[I,J])の変位(Δn-1[1,1]からΔn-1[I,J])とする処理(ステップa6, a7)が繰り返し行われる。
添字の値がNになったら(ステップa8)、すなわち、呼吸相1から順に呼吸相Nまでの変化における各局所領域(R1[1,1]からR1[I,J])の変位(Δ1[1,1]からΔ1[I,J]、・・・、Δn[1,1]からΔn[I,J]、・・・、ΔN-1[1,1]からΔN-1[I,J])が求まったら、散布度算出手段3が、1からN−2までの自然数について、各画像間における局所領域の変位毎に変位の差分(Δn+1[1,1]−Δn[1,1])、・・・、(Δn+1[i,j]−Δn[i,j])、・・・、(Δn+1[I,J]−Δn[I,J])を求め、これらの差分の分散を散布度Vnとして算出する(ステップa9)。これにより、散布度V1、・・・、Vn、・・・、VN-2の値が求まる。なお、局所領域の変位が向きと大きさを有するベクトル量であることから、その変位の差分もベクトル量となる。したがって、ここでは、この変位の差分を表すベクトルがx軸方向となす角度を表す値(rad、tan等)の分散を向きの散布度としたり、この変位の差分を表すベクトルの長さの分散を大きさの散布度としたりすることができる。
次に、判定手段4は、取得手段1が取得した正常時散布度V0を読み込み、αV0+β(α、βは、臨床データに基づいて得られた許容係数)の値を閾値Thとし、散布度V1からVN-2の中にその値が閾値Thよりも大きいものがあれば、被検者の呼吸機能に異常があると判定し、すべての散布度V1からVN-2が閾値Th以下であれば、被検者の呼吸機能は正常であると判定する(ステップa10)。ここで、正常時散布度V0とは、診断対象の被検者が過去において呼吸機能が正常であると診断された時の胸部医用画像に基づいて、上記と同様にして算出された散布度の平均値である。この正常であると診断された時の画像は、今回と同様の方法(撮影と呼吸相のタイミング、撮影画像数等)で撮影されたものであることが好ましい。
判定手段4により正常と判定された場合には、送信手段6が、最大吸気画像PNの画像データのみをクライアントPC41に送信する(ステップa11)。
一方、判定手段4により異常と判定された場合には、局所変位ベクトル画像生成手段5が、1からN−1までの自然数nについて、画像Pn中の各局所領域の中心画素の位置を始点として、変位Δn[1,1]からΔn[I,J]を変位ベクトルとして向きや大きさを視覚化した局所変位ベクトル画像Qnを生成する(ステップa12)。図10は、生成された局所変位ベクトル画像の一例である。図に示すように、各局所領域の変位は、各局所領域の中心画素の位置を始点とする棒によってその向きと大きさが表現されている。さらに、送信手段6が、生成された局所変位ベクトル画像Q1からQN-1と最大吸気画像PNの画像データをクライアントPC41に送信する(ステップa13)。
クライアントPC41は、判定手段4により正常と判定された場合には、画像処理サーバ11から受信した画像データに基づいて最大吸気画像PNを高精細液晶ディスプレイ42に表示させる。一方、判定手段4により異常と判定された場合には、画像処理サーバ11から受信した画像データに基づいて最大吸気画像PNを高精細液晶ディスプレイ42の画面の1つに表示させるとともに、別の画面には、局所変位ベクトル画像Q1からQN-1を呼吸相の変化の順に動画的に表示させる。
以上のように、本発明の第1の実施形態では、画像処理サーバ11において、変位算出手段2が、胸部医用画像P1中の局所領域(R1[1,1]からR1[I,J])の各々の位置を、画像P2から順に画像PNまでの対応する位置に合わせる位置合わせ処理を順次行って、各画像間の呼吸相の変化における各局所領域(R1[1,1]からR1[I,J])の変位(Δ1[1,1]からΔ1[I,J]、・・・、Δn[1,1]からΔn[I,J]、・・・、ΔN-1[1,1]からΔN-1[I,J])を算出し、散布度算出手段3が、各画像間における局所領域の変位毎に変位の差分の散布度V1からVN-2を算出し、判定手段4が、散布度V1からVN-2が閾値Thよりも大きい場合には、被検者の呼吸機能に異常があると自動判定する。したがって、判定結果に基づいて読影者の注意を喚起することが可能になり、異常箇所の見落としの減少や、読影時間の短縮による診断効率の向上に資する。
また、判定手段4において、その被検者の正常時の胸部医用画像を入力として算出された正常時散布度V0に基づいて閾値Thを設定するので、異なる被検者での個人差によって生じる判定誤差を減少させることが可能になり、さらなる判定精度の向上、診断精度や診断効率の向上に資する。
さらに、正常と判定された場合には、最大吸気画像PNをクライアントPC41の高精細液晶ディスプレイ42に表示し、異常と判定された場合には、局所変位ベクトル画像生成手段5が、画像P1からPNと、変位Δ1[1,1]からΔ1[I,J]、・・・、Δn[1,1]からΔn[I,J]、・・・、ΔN-1[1,1]からΔN-1[I,J]に基づいて、呼吸相の変化に伴う画像中の各局所領域の変位を視覚化した局所変位ベクトル画像Q1からQN-1を生成し、生成された画像がクライアントPC41の高精細液晶ディスプレイ42に表示されるので、判定結果に応じて読影に供する画像を変えることにより、診断効率の向上が図られる。
なお、局所変位ベクトル画像生成手段5は、1からN−2までの自然数nについて、変位の差分(Δn+1[1,1]−Δn[1,1])、・・・、(Δn+1[i,j]−Δn[i,j])、・・・、(Δn+1[I,J]−Δn[I,J])の各々と所定の閾値ThΔとを比較し、変位の差分が所定の閾値ThΔよりも大きい局所領域では、変位ベクトルの視覚化の際に、他の領域とは異なる色にして局所変位ベクトル画像Qnを生成してもよい。これにより、読影者に対して、異常の有無だけでなく、異常箇所を指摘することが可能になるとともに、異常箇所の視認性が向上するため、さらなる診断効率の向上に資する。
また、局所変位ベクトル画像生成手段5は、1からN−1までの自然数nについて、各局所領域の中心画素の変位Δn[1,1]からΔn[I,J]に基づいて、2次元10次のフィッティング多項式による近似処理を行うことによって、呼吸相nから呼吸相n+1への変化における画像Pn中のすべての画素の変位を求め、さらに、画像Pnの各画素を呼吸相nから呼吸相Nまでの各画素の変位の和に基づいてシフトさせる非線形歪変換処理(ワーピング)を行うことによって、画像P1からPN-1中の被写体の位置を最大吸気画像PNの対応する位置に合わせたワープ画像P1″からPN-1″を生成するようにし、1からN−1までの自然数nについて、ワープ画像Pn″中の各局所領域の中心画素の位置を始点として、変位Δn[1,1]からΔn[I,J]を変位ベクトルとして向きや大きさを視覚化した位置合わせ済み局所変位ベクトル画像Qn′を生成するようにしてもよい。このようにすれば、位置合わせ済み局所変位ベクトル画像Q1′からQN-1′は、画像中の各局所領域の位置が最大吸気画像PNの対応する位置に合わせられたものとなっているため、各局所領域の変位の視認性が向上し、診断精度や診断効率の向上に資する。
本発明の第2の実施形態では、被検者の呼吸運動における異なる呼吸相を表す3以上の胸部医用画像(以下、診断時画像)から選択された最大呼気画像P11、中間画像P12、最大吸気画像P13と、同じ被検者の正常時の3以上の胸部医用画像(以下、正常時画像)から選択された最大呼気画像P21、中間画像P22、最大吸気画像P23に基づいて、呼吸機能の異常を自動的に判定し、異常と判定された場合には、その異常部分を強調した強調画像を生成する機能を実現する。ここで、「正常時画像」とは、その被検者が過去に「異常なし」と診断された際に読影された胸部医用画像をいう。また、画像を表す符号Ptnの添字tは画像タイプで、「1」が診断時画像、「2」が正常時画像を意味し、添字nは呼吸相で、「1」が最大呼気状態、「3」が最大吸気状態、「2」がその中間状態を意味するものとする。以下、他の符号の添字についても同様の意味づけとなっている。
図11は、この機能が実装される画像処理サーバ11の論理的な構成とデータの流れとを表したブロック図である。ここでは、第1の実施形態と同様の機能を実現する手段は、同じ符号、名称としている。図に示すように、画像管理システム30から複数の診断時画像と複数の正常時画像とを取得する取得手段1と、取得した診断時画像と正常時画像の各々について、画像中の肺野領域を検出し、検出された肺野領域の面積と、各画像から検出された肺野領域の面積の最大値との比率を算出し、算出された比率に基づいて、診断時の最大呼気画像P11、中間画像P12、最大吸気画像P13と、正常時の最大呼気画像P21、中間画像P22、最大吸気画像P23を選択する選択手段7と、取得された画像のうち診断時の最大呼気画像P11を複数の局所領域R11[1,1]、・・・、R11[i,j]、・・・、R11[I,J]に分割し、分割された局所領域R11[1,1]からR11[I,J]の各々の位置を、画像P12とP13の対応する位置に順次合わせる位置合わせ処理を行って、各画像間の呼吸相の変化における各局所領域(R11[1,1]からR11[I,J])の変位(Δ11[1,1]からΔ11[I,J]、Δ12[1,1]からΔ12[I,J])を算出するとともに、正常時の最大呼気画像P21を複数の局所領域R21[1,1]、・・・、R21[i,j]、・・・、R21[I,J]に分割し、分割された局所領域R21[1,1]からR21[I,J]の各々の位置を、画像P22とP23の対応する位置に順次合わせる位置合わせ処理を行って、各画像間の呼吸相の変化における各局所領域(R21[1,1]からR21[I,J])の変位(Δ21[1,1]からΔ21[I,J]、Δ22[1,1]からΔ22[I,J])を算出する変位算出手段2と、選択手段7によって選択された診断時と正常時の各画像中の注目領域S1n[1]からS1n[6]、S2n[1]からS2n[6](n=1,2,3)を設定する注目領域設定手段8と、診断時と正常時の各々について、各画像間における局所領域の変位毎に変位の差分を算出し、注目領域毎に変位の差分の散布度(診断時散布度:V1[1]からV1[6]、正常時散布度:V2[1]からV2[6])を算出する散布度算出手段3と、算出された診断時散布度V1[1]からV1[6]が、各々、正常時散布度V2[1]からV2[6]に基づいて設定された閾値Th[1]からTh[6]よりも大きい場合に被検者の呼吸機能に異常があると判定する判定手段4と、診断時の各画像について、呼吸機能に異常があると判定された注目領域を半透明色に着色した強調画像T11、T12、T13を生成する強調画像生成手段9と、呼吸機能が正常であると判定された場合には診断時の最大吸気画像P13をクライアントPC41に送信し、異常であると判定された場合には強調画像T11、T12、T13と診断時の各画像P11、P12、P13を送信する送信手段6から構成される。
上記の各手段は、CD−ROM等の記憶媒体から画像処理サーバ11にインストールされたプログラムが実行されることによって、画像処理サーバ11のCPU、主記憶装置、外部記憶装置、入出力インターフェース、オペレーティングシステム等と連携して実現される。また、このプログラムによって、上記の各手段による処理順序が制御される。
次に、本発明の第2の実施形態において行われる処理の流れについて、第1の実施形態と相違する点を中心に説明する。
まず、画像撮影・読取システム20における撮影や、画像管理システム30における画像データの記憶については、第1の実施形態と同様である。
読影者が、第1の実施形態と同様に、クライアントPC41の操作により、患者IDや撮影日時等の付随情報と、読影パターン(呼吸機能異常の自動判定)とを指定し、処理の実行を要求すると、その要求が画像処理サーバ11に送信され、画像処理サーバ11では、受信した読影パターンに基づいて、その読影に必要な画像を生成する画像処理プログラムが起動される。
図12は、起動された画像処理プログラムによって実行される処理の流れを表すフローチャートである。
まず、取得手段1が、クライアントPC41から送信された付随情報に基づく検索条件による画像管理システム30のデータベース検索で得られた3以上の診断時画像と3以上の正常時画像を取得し、画像処理サーバ11の主記憶装置または外部記憶装置に一時的に記憶する(ステップb1)。なお、診断時画像も正常時画像も、最大呼気状態から最大吸気状態までの異なる複数の呼吸相を表したものとなっている。
次に、選択手段7が、診断時画像と正常時画像の各々について、最大呼気画像、中間画像、最大吸気画像を処理対象として選択する(ステップb2)。具体的には、公知の手法(例えば、特開2003−006661号公報)により各画像中の肺野領域を検出し、検出された肺野領域の面積を求め、診断時画像と正常時画像の各々について、肺野領域の面積が最小のものを最大呼気画像、最大のものを最大吸気画像とする。さらに、診断時画像と正常時画像の各々について、各画像中の肺野領域の面積と肺野領域の面積の最大値との比率を求め、比率が0.5に最も近い画像を中間画像とする。
次に、処理対象の画像が診断時のものか正常時のものかを識別する画像タイプに「1(診断時)」が設定され(ステップb3)、処理対象の画像の呼吸相の値が1(最大呼気)に設定される(ステップb4)。これにより、処理対象の診断時最大呼気画像P11が特定される。
以下、第1の実施形態と同様にして、変位算出手段2は、診断時最大呼気画像P11を読み込み(ステップb5)、局所領域R11[1,1]、・・・、R11[i,j]、・・・、R11[I,J]に分割する(ステップb6)。ここで、呼吸相を識別する添字nの値が1加算され、n=2となった後(ステップb7)、変位算出手段2は、診断時中間画像P12を読み込み(ステップb8)、局所領域R11[1,1]からR11[I,J]の各々の位置を、画像P12中の対応する位置に合わせる位置合わせ処理を行って、最大呼気状態から中間状態への呼吸相の変化における各局所領域R11[1,1]からR11[I,J]の変位を表す変位Δ11[1,1]からΔ11[I,J]を算出する(ステップb9)。
さらに、添字nの値が1加算されてn=3となり(ステップB10,b7)、変位算出手段2は、上記と同様にして、中間状態から最大吸気状態への呼吸相の変化における各局所領域(R11[1,1]からR11[I,J])の変位(Δ12[1,1]からΔ12[I,J])を算出する(ステップb8, b9)。
この時点で添字nの値が3であるから変位算出手段2による処理が終了し(ステップb10)、注目領域設定手段8が、n=1,2,3について、診断時画像P1n中に注目領域を設定する(ステップb11)。具体的には、選択手段7で行われた肺野領域の検出結果を利用し、肺野領域内に右肺上葉を表す注目領域S1n[1]、右肺中葉を表す注目領域S1n[2]、右肺下葉を表す注目領域S1n[3]、左肺上葉を表す注目領域S1n[4]、左肺中葉を表す注目領域S1n[5]、左肺下葉を表す注目領域S1n[6]を設定することができる。なお、注目領域の設定とは、その注目領域に属する局所領域の範囲を決定することを意味する。また、[ ]を付した添字は各注目領域を識別するものである。なお、注目領域の数はいくつであってもよい。
散布度算出手段3は、第1の実施形態と同様にして、各画像間における局所領域の変位毎に変位の差分(Δ2[1,1]−Δ1[1,1])、・・・、(Δ2[i,j]−Δ1[i,j])、・・・、(Δ2[I,J]−Δ1[I,J])を求める。そして、注目領域設定手段8で設定された注目領域毎に、これらの変位の差分の分散を散布度V1[1]からV1[6]として算出する(ステップb12)。
ここで、画像タイプtの値が1加算されて、t=2(正常時)となり(ステップb13、b14)、正常時画像P21からP23について、ステップb4からb12の処理が行われ、正常時散布度V2[1]からV2[6]の値が求まる。
さらに画像タイプtの値が1加算されて、t=3となるので(ステップb13、b14)、次の判定処理に進む。
判定手段4は、1から6までの自然数kについて、散布度算出手段3によって求められた正常時散布度V2[k]を読み込み、αV2[k]+β(α、βは、臨床データに基づいて得られた許容係数)の値を閾値Th[k]とし、診断時散布度V1[k]が閾値Th[k]よりも大きければ、被検者の注目領域S1n[k](n=1,2,3)に異常があると判定し、診断時散布度V1[k]が閾値Th[k]以下であれば正常であると判定する(ステップb15)。
判定手段4によりすべての注目領域において正常と判定された場合には、送信手段6が、診断時最大吸気画像P13の画像データのみをクライアントPC41に送信する(ステップb16)。一方、判定手段4により異常と判定された場合には、強調画像生成手段9が、診断時の各画像について、呼吸機能に異常があると判定された注目領域を半透明色に着色した強調画像T11、T12、T13を生成する(ステップb17)。さらに、送信手段6が、生成された強調画像T11、T12、T13と診断時の各画像P11、P12、P13の画像データをクライアントPC41に送信する(ステップb18)。
クライアントPC41は、判定手段4により正常と判定された場合には、画像処理サーバ11から受信した画像データに基づいて診断時最大吸気画像P13を高精細液晶ディスプレイ42に表示させる。一方、判定手段4により異常と判定された場合には、画像処理サーバ11から受信した画像データに基づいて、強調画像T11、T12、T13と診断時画像P11、P12、P13を高精細液晶ディスプレイ42の画面に表示させる。
以上のように、本発明の第2の実施形態では、画像処理サーバ11において、選択手段7によって、診断時画像から選択された最大呼気画像P11、中間画像P12、最大吸気画像P13と、同じ被検者の正常時画像から選択された最大呼気画像P21、中間画像P22、最大吸気画像P23に基づいて、注目領域設定手段8によって設定された注目領域S1n[1]からS1n[6]毎に(n=1,2,3)、正常時画像の対応する領域S2n[1]からS2n[6]との散布度の比較により呼吸機能の異常を自動的に判定する。したがって、判定結果に基づいて読影者の注意を喚起することが可能になり、異常箇所の見落としの減少や、読影時間の短縮による診断効率の向上に資する。
また、判定手段4において、その被検者の正常時の胸部医用画像を入力として算出された正常時散布度V2[1]からV2[6]に基づいて閾値Th[1]からTh[6]を設定するので、異なる被検者での個人差によって生じる判定誤差を減少させることが可能になり、さらなる判定精度の向上、診断精度や診断効率の向上に資する。
さらに、正常と判定された場合には、診断時最大吸気画像P13をクライアントPC41の高精細液晶ディスプレイ42に表示し、異常と判定された場合には、強調画像生成手段9が、診断時の各画像について、呼吸機能に異常があると判定された注目領域を半透明色に着色した強調画像T11、T12、T13を生成し、生成された画像はクライアントPC41の高精細液晶ディスプレイ42に表示されるので、判定結果に応じて読影に供する画像を変えることにより、診断効率の向上が図られる。
なお、上記の実施形態に第1の実施形態における局所変位ベクトル画像生成手段5と同様の処理を付加し、変位の差分(Δ2[1,1]−Δ1[1,1])、・・・、(Δ2[i,j]−Δ1[i,j])、・・・、(Δ2[I,J]−Δ1[I,J])のうち、異常と判定された注目領域に属するものについて、変位の差分と所定の閾値ThΔとを比較し、変位の差分が所定の閾値ThΔよりも大きい局所領域では、変位ベクトルの視覚化の際に、他の局所領域とは異なる色にするようにしてもよい。これにより、注目領域レベルでの異常の有無に加えて、局所領域レベルでの異常の有無を読影者に対して指摘することが可能になるとともに、異常箇所の視認性が向上するため、さらなる診断効率の向上に資する。
また、強調画像生成手段9は、n=1,2について、各局所領域の中心画素の変位Δ1n[1,1]からΔ1n[I,J]に基づいて、2次元10次のフィッティング多項式による近似処理を行うことによって、最大呼気から中間、中間から最大吸気への変化における画像P1n中のすべての画素の変位を求め、さらに、最大呼気画像P11および中間画像P12の各画素を最大吸気状態までの各画素の変位の和に基づいてシフトさせる非線形歪変換処理(ワーピング)を行うことによって、最大呼気画像P11および中間画像P12の被写体の位置を最大吸気画像P12の対応する位置に合わせたワープ画像P11″、P12″を生成するようにし、これらのワープ画像に注目領域を設定し、異常と判定された注目領域をワープ画像上で強調するようにしてもよい。このようにすれば、強調画像中の各画素の位置が最大吸気画像P12の対応する位置に合わせられたものとなっているため、各局所領域の変位の視認性が向上し、診断精度や診断効率の向上に資する。
上記の実施形態において、呼吸機能の異常の有無の判定が行われた後、診断時画像を画像管理システム30の大容量外部記憶装置32に保管する際、正常と判定された画像は高圧縮率でデータ圧縮し、異常と判定された画像は低圧縮率でデータ圧縮するか、または非圧縮としてもよい。
上記の実施形態において、呼吸機能に異常があると判定され、複数の呼吸相の画像を表示する際、時間方向(呼吸相の変化の方向)を奥行き方向と考えて、表示対象の画像を3次元的に表示してもよい。
(a)呼吸機能が正常な場合において、呼気状態から吸気状態への呼吸相の変化に伴う胸部医用画像中の局所領域毎の変位をベクトルで模式的に表した図(b)このベクトルの向きと大きさの分布を表した図 (a)呼吸機能に異常がある場合において、呼気状態から吸気状態への呼吸相の変化に伴う胸部医用画像中の局所領域毎の変位をベクトルで模式的に表した図(b)このベクトルの向きと大きさの分布を表した図 本発明の実施形態となる胸部画像診断支援システムの構成の概要を示した図 本発明の第1の実施形態による画像処理機能が実装される画像処理サーバの論理的な構成とデータの流れとを表したブロック図 本発明の第1の実施形態による画像処理の流れを表すフローチャート 変位算出手段と散布度算出手段で行われる処理を模式的に表した図 変位算出手段が行うグローバルマッチング処理を説明する図 変位算出手段が行うローカルマッチング処理を説明する図 変位算出手段が行うローカルマッチング処理により求めた各局所領域の中心画素のシフトの様子を模式的に表した図 局所変位ベクトル画像の一例を示す図 本発明の第2の実施形態による画像処理機能が実装される画像処理サーバの論理的な構成とデータの流れとを表したブロック図 本発明の第2の実施形態による画像処理の流れを表すフローチャート
符号の説明
1 取得手段
2 変位算出手段
3 散布度算出手段
4 判定手段
5 局所変位ベクトル画像生成手段
6 送信手段
7 選択手段
8 注目領域設定手段
9 強調画像生成手段
10 画像処理システム
11 画像処理サーバ
20 画像撮影・読取システム
21 CR装置
22 I.I.
23 FPDを搭載したX線画像デジタル撮影装置
30 画像管理システム
31 画像管理サーバ
32 大容量外部記憶装置
40 画像表示システム
41 クライアントPC
42 高精細液晶ディスプレイ
50 ネットワーク

Claims (24)

  1. 被検者の呼吸運動における任意の3つの呼吸相を、該呼吸運動に伴う呼吸相の変化の順に第1、第2、第3の呼吸相とし、該第1、第2、第3の呼吸相の各々を表す胸部医用画像を第1、第2、第3の画像とした場合において、
    前記第1の画像を構成する複数の局所領域の各々の位置を、前記第2の画像中の対応する位置に合わせる位置合わせ処理を行って、前記第1の呼吸相から前記第2の呼吸相への変化における前記局所領域の変位を表す第1の変位を前記局所領域毎に算出し、
    前記位置合わせ処理後の前記局所領域の各々の位置を、前記第3の画像中の対応する位置に合わせる位置合わせ処理を行って、前記第2の呼吸相から前記第3の呼吸相への変化における前記局所領域の変位を表す第2の変位を前記局所領域毎に算出し、
    該局所領域毎の前記第1の変位と前記第2の変位の差分の散布度を算出し、
    該散布度が所定の閾値よりも大きい場合に前記被検者の呼吸機能に異常があると判定することを特徴とするコンピュータによる画像診断支援方法。
  2. 異なる呼吸相を表す複数の胸部医用画像の各々について、該画像中の肺野領域を検出し、検出された肺野領域の面積と、前記各画像から検出された肺野領域の面積の最大値または最小値との比率を前記各画像について算出し、算出された比率に基づいて前記第1、前記第2、前記第3の画像を選択し、選択された各画像に基づいて、前記第1および前記第2の変位の算出を行うものであることを特徴とする請求項1記載のコンピュータによる画像診断支援方法。
  3. 前記第1、前記第3の画像として、肺野領域の面積が最大となる最大吸気画像と、該面積が最小となる最大呼気画像とを選択することを特徴とする請求項2記載のコンピュータによる画像診断支援方法。
  4. 前記所定の閾値が、前記被検者の呼吸機能が正常な時の胸部医用画像に基づいて得られた前記散布度に基づいて設定された値であることを特徴とする第1項から第3項のいずれか1項記載のコンピュータによる画像診断支援方法。
  5. 前記第1、前記第2、前記第3の画像中の対応する位置に注目領域を設定し、
    設定された注目領域内の前記局所領域について、前記散布度を算出することを特徴とする第1項から第4項のいずれか1項記載のコンピュータによる画像診断支援方法。
  6. 前記第1、前記第2、前記第3の画像中の肺野領域を検出し、
    検出された肺野領域内に前記注目領域を設定することを特徴とする請求項5記載のコンピュータによる画像診断支援方法。
  7. 前記被検者の呼吸機能に異常があると判定された場合において、前記散布度が所定の閾値よりも大きい前記注目領域を他の領域と識別可能な態様にして表示することを特徴とする請求項5または6記載のコンピュータによる画像診断支援方法。
  8. 前記被検者の呼吸機能に異常があると判定された場合において、前記差分が所定の閾値よりも大きい前記局所領域における前記第1および/または前記第2の変位を他の局所領域における前記第1および/または前記第2の変位と識別可能な態様にして表示することを特徴とする第1項から第7項のいずれか1項記載のコンピュータによる画像診断支援方法。
  9. 被検者の呼吸運動における任意の3つの呼吸相を、該呼吸運動に伴う呼吸相の変化の順に第1、第2、第3の呼吸相とし、該第1、第2、第3の呼吸相の各々を表す胸部医用画像を第1、第2、第3の画像とした場合において、
    前記第1の画像を構成する複数の局所領域の各々の位置を、前記第2の画像中の対応する位置に合わせる位置合わせ処理を行って、前記第1の呼吸相から前記第2の呼吸相への変化における前記局所領域の変位を表す第1の変位を前記局所領域毎に算出するとともに、前記位置合わせ処理後の前記局所領域の各々の位置を、前記第3の画像中の対応する位置に合わせる位置合わせ処理を行って、前記第2の呼吸相から前記第3の呼吸相への変化における前記局所領域の変位を表す第2の変位を前記局所領域毎に算出する変位算出手段と、
    該局所領域毎の前記第1の変位と前記第2の変位の差分の散布度を算出する散布度算出手段と、
    該散布度が所定の閾値よりも大きい場合に前記被検者の呼吸機能に異常があると判定する判定手段とを備えたことを特徴とする画像診断支援装置。
  10. 異なる呼吸相を表す複数の胸部医用画像の各々について、該画像中の肺野領域を検出し、検出された肺野領域の面積と、前記各画像から検出された肺野領域の面積の最大値または最小値との比率を前記各画像について算出し、算出された比率に基づいて前記第1、前記第2、前記第3の画像を選択する選択手段をさらに備えたことを特徴とする請求項9記載の画像診断支援装置。
  11. 前記選択手段が、前記第1、前記第3の画像として、肺野領域の面積が最大となる最大吸気画像と、該面積が最小となる最大呼気画像とを選択するものであることを特徴とする請求項10記載の画像診断支援装置。
  12. 前記所定の閾値が、前記被検者の呼吸機能が正常な時の胸部医用画像に基づいて得られた散布度に基づいて設定されたものであることを特徴とする第9項から第11項のいずれか1項記載の画像診断支援装置。
  13. 前記第1、前記第2、前記第3の画像中の対応する位置に注目領域を設定する設定手段をさらに備え、
    前記散布度算出手段が、設定された注目領域内の前記局所領域について、前記散布度を算出するものであることを特徴とする第9項から第12項のいずれか1項記載の画像診断支援装置。
  14. 前記第1、前記第2、前記第3の画像中の肺野領域を検出する検出手段をさらに備え、
    前記設定手段が、検出された肺野領域内に前記注目領域を設定するものであることを特徴とする請求項13記載の画像診断支援装置。
  15. 前記被検者の呼吸機能に異常があると判定された場合において、前記散布度が所定の閾値よりも大きい前記注目領域を他の領域と識別可能な態様にして表示する手段をさらに備えたことを特徴とする請求項13または14記載の画像診断支援装置。
  16. 前記被検者の呼吸機能に異常があると判定された場合において、前記差分が所定の閾値よりも大きい前記局所領域における前記第1および/または前記第2の変位を他の局所領域における前記第1および/または前記第2の変位と識別可能な態様にして表示する手段をさらに備えたことを特徴とする第9項から第15項のいずれか1項記載の画像診断支援装置。
  17. 被検者の呼吸運動における任意の3つの呼吸相を、該呼吸運動に伴う呼吸相の変化の順に第1、第2、第3の呼吸相とし、該第1、第2、第3の呼吸相の各々を表す胸部医用画像を第1、第2、第3の画像とした場合において、
    コンピュータを、
    前記第1の画像を構成する複数の局所領域の各々の位置を、前記第2の画像中の対応する位置に合わせる位置合わせ処理を行って、前記第1の呼吸相から前記第2の呼吸相への変化における前記局所領域の変位を表す第1の変位を前記局所領域毎に算出するとともに、前記位置合わせ処理後の前記局所領域の各々の位置を、前記第3の画像中の対応する位置に合わせる位置合わせ処理を行って、前記第2の呼吸相から前記第3の呼吸相への変化における前記局所領域の変位を表す第2の変位を前記局所領域毎に算出する変位算出手段と、
    該局所領域毎の前記第1の変位と前記第2の変位の差分の散布度を算出する散布度算出手段と、
    該散布度が所定の閾値よりも大きい場合に前記被検者の呼吸機能に異常があると判定する判定手段として機能させることを特徴とする画像診断支援プログラム。
  18. 前記コンピュータを
    異なる呼吸相を表す複数の胸部医用画像の各々について、該画像中の肺野領域を検出し、検出された肺野領域の面積と、前記各画像から検出された肺野領域の面積の最大値または最小値との比率を前記各画像について算出し、算出された比率に基づいて前記第1、前記第2、前記第3の画像を選択する選択手段としてさらに機能させることを特徴とする請求項17記載の画像診断支援プログラム。
  19. 前記選択手段が、前記第1、前記第3の画像として、肺野領域の面積が最大となる最大吸気画像と、該面積が最小となる最大呼気画像とを選択するように前記コンピュータを機能させることを特徴とする請求項18記載の画像診断支援プログラム。
  20. 前記所定の閾値が、前記被検者の呼吸機能が正常な時の胸部医用画像に基づいて得られた散布度に基づいて設定されたものであることを特徴とする第17項から第19項のいずれか1項記載の画像診断支援プログラム。
  21. 前記コンピュータを、
    前記第1、前記第2、前記第3の画像中の対応する位置に注目領域を設定する設定手段としてさらに機能させるとともに、
    前記散布度算出手段が、設定された注目領域内の前記局所領域について、前記散布度を算出するように機能させることを特徴とする第17項から第20項のいずれか1項記載の画像診断支援プログラム。
  22. 前記コンピュータを、
    前記第1、前記第2、前記第3の画像中の肺野領域を検出する検出手段としてさらに機能させるとともに、
    前記設定手段が、検出された肺野領域内に前記注目領域を設定するように機能させることを特徴とする請求項21記載の画像診断支援プログラム。
  23. 前記コンピュータを、
    前記被検者の呼吸機能に異常があると判定された場合において、前記散布度が所定の閾値よりも大きい前記注目領域を他の領域と識別可能な態様にして表示させる手段としてさらに機能させることを特徴とする請求項21または22記載の画像診断支援プログラム。
  24. 前記コンピュータを、
    前記被検者の呼吸機能に異常があると判定された場合において、前記差分が所定の閾値よりも大きい前記局所領域における前記第1および/または前記第2の変位を他の局所領域における前記第1および/または前記第2の変位と識別可能な態様にして表示させる手段としてさらに機能させることを特徴とする第17項から第23項のいずれか1項記載の画像診断支援プログラム。
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