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JP2006236961A - 蛍光ランプ、バックライト装置、及び蛍光ランプの製造方法 - Google Patents

蛍光ランプ、バックライト装置、及び蛍光ランプの製造方法 Download PDF

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JP2006236961A JP2005181157A JP2005181157A JP2006236961A JP 2006236961 A JP2006236961 A JP 2006236961A JP 2005181157 A JP2005181157 A JP 2005181157A JP 2005181157 A JP2005181157 A JP 2005181157A JP 2006236961 A JP2006236961 A JP 2006236961A
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Abstract

【課題】 光束維持率の改善された蛍光ランプを提供する。
【解決手段】 ガラスバルブ30内に水銀が封入されているとともに、ガラスバルブ30の内側にアルミナ含有蛍光体粒子34Bとアルミナ非含有蛍光体粒子34R、34Gとを含んだ蛍光体層が形成されている冷陰極蛍光ランプであって、蛍光体層34において、アルミナ非含有蛍光体粒子34R、34Gの表面には金属酸化物が付着しておらず、BaMgAl1627:Eu2+からなるアルミナ含有蛍光体粒子34Bの表面のみに金属酸化物36が付着している。金属酸化物36としては、Y、MgO、La、SiO、ZrO、HfO、Y、Nb、CaO、MgO、SrO、BaO、又はGdのうちの少なくとも一つが含まれている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、蛍光ランプに関し、特に光束維持率を改善する技術に関する。
近年、液晶ディスプレイ等のバックライト装置の光源として、冷陰極蛍光ランプ(特許文献1参照)や、誘電体バリア放電を利用した外部電極型の蛍光ランプ(特許文献2参照)が利用されている。
冷陰極蛍光ランプは、細管化が容易であるので、薄型表示装置用のバックライト装置に適した光源であるといえる。
また、外部電極型の蛍光ランプは、複数本のランプの輝度制御が、ガラス管内に電極を有する内部電極型放電ランプに比べて容易なことから、特に、多数本の蛍光ランプが用いられる大型画面用のバックライト装置に適した光源であるといえる。
特開平9−147802号公報 特開2004−95378号公報
しかしながら、冷陰極型及び外部電極型のいずれの蛍光ランプについても、ライフ期間における光束維持率が十分であるとはいえないため、その改善が望まれている。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、光束維持率が改善された蛍光ランプ、バックライト装置、及び蛍光ランプの製造方法を提供することを目的としている。
本発明者らの鋭意研究の結果、アルミナを含有するアルミナ含有蛍光体粒子に水銀の付着が起こりやすく、このことが光束維持率低下の主要因であるということが導出された。
そこで、上記目的を達成するために、本発明に係る蛍光ランプは、ガラスバルブ内に水銀が封入されているとともに、前記ガラスバルブの内側にアルミナ含有蛍光体粒子とアルミナ非含有蛍光体粒子とを含んだ蛍光体層が形成されている蛍光ランプであって、前記アルミナ含有蛍光体粒子の表面に、前記アルミナ非含有蛍光体粒子の表面よりも、金属酸化物がより広く付着していることを特徴としている。なお、本明細書において、「アルミナ含有蛍光体粒子」とは、蛍光体粒子を表す化学式にAlが含まれているものをいい、「アルミナ非含有蛍光体粒子」とは、蛍光体粒子を表す化学式にAlが含まれていないものをいう。
上記構成においては、アルミナ含有蛍光体粒子の表面に、より広い面積で金属酸化物が付着されており、蛍光体粒子への水銀付着を効果的に抑制することができるので、光束維持率の改善をはかることができる。
さらに、蛍光体粒子の表面に付着させる金属酸化物の原材料は高価であるので、水銀が付着しやすいアルミナ含有蛍光体粒子の表面に付着させる金属酸化物の量を多くして、水銀が付着しにくいアルミナ非含有蛍光体粒子の表面に付着させる金属酸化物の量を少なくする構成とすることにより、製造コストを抑えることができる。
ここで、前記アルミナ非含有蛍光体粒子の表面には前記金属酸化物が付着しておらず、 前記アルミナ含有蛍光体粒子の表面のみに前記金属酸化物が付着していることが望ましい。 上記構成においては、アルミナ含有蛍光体粒子に金属酸化物が付着されているので、蛍光体粒子への水銀付着を効果的に抑制することができ、光束維持率の改善をはかることができる。
また、金属酸化物が蛍光体粒子の表面に存在すると、紫外線が金属酸化物によって反射され、蛍光体粒子が励起されにくくなることによって輝度の低下を生じうるが、アルミナ非含有蛍光体粒子の表面には、金属酸化物が付着していないため、上記のような輝度の低下はみられないので、高輝度の蛍光ランプを得ることができる。
さらに、蛍光体粒子の表面に付着させる金属酸化物の原材料は高価であるので、アルミナ含有蛍光体粒子のみに金属酸化物を付着して、アルミナ非含有蛍光体粒子には金属酸化物を付着しない構成とすることにより、コストを抑えることができる。
なお、「アルミナ含有蛍光体粒子の表面のみに前記金属酸化物が付着している」と記載しているが、蛍光体層は、アルミナ非含有蛍光体粒子、及び金属酸化物を付着させたアルミナ含有蛍光体粒子を混合させた状態にあるので、アルミナ非含有蛍光体粒子の表面にも僅かな金属酸化物が存することもあり得るが、このような場合も、「アルミナ含有蛍光体粒子の表面のみに前記金属酸化物が付着している」の概念に含まるものとする。
また上記構成において、前記金属酸化物には、Y、MgO、La、SiO、ZrO、HfO、Y、Nb、CaO、MgO、SrO、BaO、又はGdのうちの少なくとも一つが含まれることが望ましい。
金属酸化物としてこれらを用いることにより、蛍光体粒子への水銀付着を抑制することができる。また、これらの金属酸化物は、水銀から発せられる波長254nmの紫外線を透過しやすいので、当該紫外線によって蛍光体粒子が励起されやすい。
ここで前記金属酸化物は、アルミナ含有蛍光体粒子に対して0.005wt%以上5.0wt%以下の割合で付着していることが望ましい。
金属酸化物の付着割合が0.005wt%未満であると、光束維持率が低下することが確認されているからであり、5.0wt%より大きいと、初期輝度が低下することが確認されているからである。
ここで、前記ガラスバルブと前記蛍光体層との間に保護膜が形成されていることが望ましい。上記構成とすることによって、ガラスバルブとガラスバルブ内に封入された水銀とが反応することを抑制することができる。
また、前記ガラスバルブは管状をしており、その両端部外周に外部電極を備える構成としてもよい。外部電極型の蛍光ランプは、複数本のランプの輝度制御が、ガラス管内に電極を有する内部電極型放電ランプに比べて容易なことから、特に、多数本の蛍光ランプが用いられる大型画面用のバックライト装置に適した光源であるといえる。
ここで、前記ガラスバルブ内において、前記外部電極間に対応する領域に、前記蛍光体層が形成されていることが望ましい。
従来は、ガラスバルブ内の外部電極に対応する位置に形成された蛍光体層を除去しても、わずかに残留したアルミナ含有蛍光体粒子に水銀が付着することによって水銀が消耗されて輝度が低下するとともに、アルミナ含有蛍光体粒子に付着した水銀に電界が集中してガラスバルブにピンホールが発生する弊害があった。本発明では、アルミナ含有蛍光体粒子の表面に水銀付着を抑制するための金属酸化物が付着されているので、ガラスバルブ内の外部電極に対応する領域にアルミナ含有蛍光体粒子が残存したとしても、当該アルミナ含有蛍光体粒子には水銀が付着しにくいので、水銀消耗が抑制されるとともに、上述のようにアルミナ含有蛍光体粒子に付着した水銀に電界が集中して、ガラスバルブにピンホールが生じる現象も生じにくい。
上記目的を達成するために、本発明に係るバックライト装置は、上記記載のいずれかの蛍光ランプを光源として備えることを特徴としている。
上記記載の蛍光ランプを光源として備えているので、光束維持率の改善されたバックライト装置を提供することができる。
上記目的を達成するために、本発明に係る蛍光ランプの製造方法は、ガラスバルブ内に水銀が封入されているとともに、前記ガラスバルブの内側にアルミナ含有蛍光体粒子とアルミナ非含有蛍光体粒子とを含んだ蛍光体層が形成されている蛍光ランプの製造方法であって、アルミナを含有するアルミナ含有蛍光体粒子の表面に金属酸化物を付着する付着ステップと、前記付着ステップにより表面に金属酸化物が付着されたアルミナ含有蛍光体粒子と、アルミナを含有しないアルミナ非含有蛍光体粒子とを混合して、蛍光体懸濁液を作成する懸濁液作成ステップと、前記蛍光体懸濁液を前記ガラスバルブ内側に塗布することにより、前記蛍光体層を形成する蛍光体層形成ステップとを含むことを特徴としている。
この方法に従うと、容易にアルミナ含有蛍光体粒子の表面のみに金属酸化物を付着させた蛍光ランプを製造することができる。
また、上記製造方法により製造された蛍光ランプは、アルミナ含有蛍光体粒子の表面に金属酸化物が付着されているので、蛍光体粒子への水銀付着を効果的に抑制することができ、光束維持率の改善をはかることができる。
さらに、蛍光体粒子に付着させる金属酸化物の原材料は高価であるので、アルミナ含有蛍光体粒子の表面のみに金属酸化物を付着させて、アルミナ非含有蛍光体粒子には金属酸化物を付着しない構成とすることにより、コストを抑えることができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態に係る蛍光ランプ及びバックライト装置について説明する。
<バックライト装置の構成>
はじめに、図1を参照しながら本実施の形態に係るバックライト装置の構成について説明する。図1は、本実施の形態に係るアスペクト比16:9の液晶ディスプレイ用バックライト装置1の構成を示す概略斜視図である。同図において内部の構造を示すために前面パネル16の一部を切り欠いて示している。
図1に示すように、バックライト装置1は、複数のランプ20と、開口部を有しこれらのランプ20を収納する筐体10と、この筐体10の開口部を覆う前面パネル16とを備える。
筐体10は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂製であって、その内面11に銀などの金属が蒸着されて反射面が形成されている。
ランプ20は直管状をしており、本実施の形態では、14本のランプ20が筐体10内に直下方式で配設され、電気的に並列に接続されている。なお、ランプ20の構成については後述する。
筐体10の開口部は、拡散板13、拡散シート14およびレンズシート15を積層してなる透光性の前面パネル16で覆われており、内部にちりや埃などの異物が入り込まないように密閉されている。
前面パネル16における拡散板13及び拡散シート14は、ランプ20から発せられた光を散乱・拡散させるものであり、レンズシート15は、当該シート15の法線方向へ光をそろえるものであって、これらによりランプ20から発せられた光が前面パネル16の表面(発光面)の全体に亘り均一に前方を照射するように構成されている。
<第1の実施の形態>
1−1.(冷陰極蛍光ランプの構成)
つぎに、図2を参照しながら第1の実施の形態に係るランプ20である冷陰極蛍光ランプ20A(以下、「ランプ20A」と表記する。)の構成について説明する。図2は、冷陰極蛍光ランプ20Aの概略構成を示す一部切欠図である。
ランプ20Aは、略円形断面で直管状をしたガラスバルブ30を有する。ガラスバルブ30は、例えばホウケイ酸ガラスからなる。なおガラスバルブ30のサイズは、長さ720mm、内径は8mm以下、例えば3.0mmである。
リード線21は、タングステンからなる内部リード線とニッケルからなる外部リード線の継線であり、ガラスバルブ30は両端部とも、内部リード線に対応する部分で気密封止されている。
内部リード線のガラスバルブ30内部の端部には、電極22がレーザ溶接等によって接合されている。電極22は、有底筒状をしたいわゆるホロー型電極であり、ニオブ棒又はニッケル棒を加工したものである。電極22として、ホロー型の電極を採用したのは、ランプ点灯時の放電によって生じる電極におけるスパッタリングの抑制に有効だからである。
また、ガラスバルブ30内には、例えば、水銀及びガス圧60Torrの希ガス(Ar:5%、Ne:95%)が所定量封入されている。そしてガラスバルブ30内面には、保護膜32が形成されており、保護膜32には蛍光体層34が被着されている。
保護膜32は、例えば酸化イットリウム(Y)等の金属酸化物からなり、ガラスバルブ30内に封入されている水銀とガラスバルブ30とが反応するのを抑制する機能を有している。また、保護膜32を、例えば酸化チタン(TiO)、又は酸化セリウム(CeO)で形成することにより、水銀から放射される紫外線がガラスバルブから漏れないように、当該紫外線を遮断する機能を持たせることもできる。
蛍光体層34は、励起されることにより、赤色、緑色、青色の各色の光を発する、赤色蛍光体粒子(Y:Eu3+)(アルミナ非含有蛍光体粒子)、緑色蛍光体粒子(LaPO:Tb3+、Ce3+)(アルミナ非含有蛍光体粒子)及び青色蛍光体粒子(BaMgAl1627:Eu2+)(アルミナ含有蛍光体粒子)を混合した希土類蛍光体を含んでいる。
本実施の形態では、蛍光体層34において、図中の拡大図にしめすように、青色蛍光体粒子34B(BaMgAl1627:Eu2+)の表面に、金属酸化物36として酸化イットリウム(Y)が被覆されている。なお、赤色蛍光体粒子34R、緑色蛍光体粒子34Gについても、青色蛍光体粒子34Bとの接触面において金属酸化物が付着することもあり得る。
1−2.(蛍光体層34の形成方法)
以下、蛍光体層34の形成をする方法について説明する。はじめに、青色蛍光体粒子(アルミナ含有蛍光体粒子)に金属酸化物を被覆する工程について説明する。
材料として、青色蛍光体粒子(BaMgAl1627:Eu2+)の粉体と、オクチル酸イットリウム[Y(C15COO)]と、酢酸ブチルとを用意する。
酢酸ブチルを入れた容器に、青色蛍光体粒子の粉体と、オクチル酸イットリウムとを投入して攪拌する。十分に攪拌した後に、容器を常温で十分な時間放置して、溶液中の酢酸ブチルを自然蒸発させる。
つぎにビーカーに残留している粉体を600℃で5分間焼成する。焼成して得られた粉体は凝集しており粒径が不均一なので、ボールミルによって粉砕して粒径を整える。以上の工程により、表面に酸化イットリウムの被膜が形成された青色蛍光体粒子を得ることができる。
なお、上述のY(C15COO)の代わりに、YH(C15COO)を用いて、青色蛍光体粒子を金属酸化物で被覆することも考えられるが、金属酸化物による蛍光体粒子の被覆状態の観点より好ましくない。
図3は、青色蛍光体粒子の表面に金属酸化物の被膜を形成したときの状態を示す拡大写真であって、図3(a)は、Y(C15COO)を用いて被膜を形成したとき、図3(b)は、YH(C15COO)を用いて被膜を形成したときの状態を示すものである。
Y(C15COO)を用いた場合には、図3(a)に示すように、蛍光体粒子の表面に緻密な被膜が形成される。これは、当該被膜が三次元的環状構造の分子からなるためである。
これに対し、YH(C15COO)を用いた場合には、図3(b)に示すように、蛍光体粒子の表面に形成される被膜はうろこ状になり、Y(C15COO)を用いた場合のように緻密な被膜にはならない。これは、当該被膜は鎖状構造の分子が集まったものからなるためである。
金属酸化物の被膜が緻密でないと、蛍光体粒子に水銀が付着しやすくなるので、被膜は、YH(C15COO)ではなく、Y(C15COO)を用いて形成することが好適である。
なお、オクチル酸イットリウム[Y(C15COO)]の代わりに、酢酸イットリウム[Y(CHCOO)]、硝酸イットリウム[Y(NO]、プロピオン酸イットリウム[Y(CCOO)・HO]を用いてもよい。これらを用いた場合でも、被膜は環状構造の分子からなるので、蛍光体粒子は緻密な被膜によって被覆される。
また、金属酸化物は、蛍光体粒子に対して0.005wt%以上5.0wt%以下の割合で付着していることが好適である。金属酸化物の蛍光体粒子に対する付着割合が0.005wt%未満であると、光束維持率が低下することが確認されているからであり、5.0wt%より大きいと、初期輝度が低下することが確認されているからである。
つぎに、蛍光体懸濁液を作成する工程について説明する。
材料として、金属酸化物を表面に付着させていない赤色蛍光体粒子(Y:Eu3+)(アルミナ非含有蛍光体粒子)及び緑色蛍光体粒子(LaPO:Tb3+、Ce3+)(アルミナ非含有蛍光体粒子)、上述の工程により酸化イットリウムの被膜が形成された青色蛍光体粒子、カルシウム−バリウム−ホウ素−リンの各酸化物を主成分とする結着剤、増粘剤、分散剤、及び酢酸ブチルを用意する。
まず、所定量の酢酸ブチル、結着剤、増粘剤、分散剤をビーカーに入れて混合する。そして、この溶液中に、赤色蛍光体粒子、緑色蛍光体粒子、及び酸化イットリウムにより被膜が形成された青色蛍光体粒子を投入して十分に攪拌する。これにより、蛍光体懸濁液が得られる。
そして、公知の技術を用いて、この蛍光体懸濁液をガラスバルブ内側に塗布して、蛍光体層を形成することにより、青色蛍光体粒子(アルミナ含有蛍光体粒子)のみが酸化イットリウムによって被覆されている蛍光体層34を得ることができる。
1−3.(経緯)
以下、アルミナを含有する青色蛍光体粒子(BaMgAl1627:Eu2+)のみに金属酸化物を被覆するに至った経緯について説明する。
はじめに、本発明者らは、励起されることにより、赤色、緑色、青色の各色の光を発する蛍光体粒子を混合して蛍光体層を形成した白色光の冷陰極蛍光ランプにおいて、各色蛍光体粒子が発する主要波長の光束維持率を測定した。
図4は、3波長型の白色冷陰極蛍光ランプにおいて各色蛍光体粒子が発する主要波長の光束維持率の測定結果を示したグラフである。グラフの縦軸は光束維持率(%)であり、横軸はライフ時間(h)である。なお、各色蛍光体粒子が発する主要波長は、赤色蛍光体粒子(Y:Eu3+)が613nm、緑色蛍光体粒子(LaPO:Tb3+、Ce3+)が545nm、青色蛍光体粒子(BaMgAl1627:Eu2+)が450nmである。
図4のグラフより、ライフ時間の経過とともに、各色の主要波長の光束維持率が低下していくことがわかる。中でも青色蛍光体粒子が発する主要波長の光束維持率が最も低くなっていることがわかる。
つづいて、本発明者らは赤色蛍光体粒子(Y:Eu3+)、緑色蛍光体粒子(LaPO:Tb3+、Ce3+)、青色蛍光体粒子(BaMgAl1627:Eu2+)のそれぞれ単一種を用いて蛍光体層を形成した、赤、緑、青の単色を発する3種の冷陰極蛍光ランプを試作して、これらの単色冷陰極蛍光ランプについて、光束維持率を測定した。
図5は、各単色の冷陰極蛍光ランプの光束維持率の測定結果を示したグラフである。グラフの縦軸は光束維持率(%)であり、横軸はライフ時間(h)である。
グラフより、赤色及び緑色の冷陰極蛍光ランプは光束維持率が比較的高く、これらに比べて、青色の冷陰極蛍光ランプの光束維持率が著しく低いことがわかる。
この結果より、点灯開始からの時間経過において、赤色蛍光体粒子及び緑色蛍光体粒子と比べて、青色蛍光体粒子は光を発しにくい状態になりやすいということが推測される。
ここで、図4と図5とを比較すると、赤色蛍光体粒子及び緑色蛍光体粒子より発せられる光は、図5に示される結果では光束維持率が高いものの、図4に示される結果では、光束維持率が大幅に低くなっている。
これは、赤色、緑色、青色の各色蛍光体粒子を混合して蛍光体層を形成した白色の冷陰極蛍光ランプでは、蛍光体層において、光を発しにくい状態になりやすい青色蛍光体粒子が、赤色、緑色の各色蛍光体粒子、又は、赤色、緑色の各色蛍光体粒子が発する光に対して影響を及ぼすために、図4に示されるように、赤色、緑色の各色蛍光体粒子が発する光の維持率が低下したものと考えられる。
すなわち、青色蛍光体粒子が光を発しにくい状態になることが、白色蛍光ランプの光束維持率が低下する主な原因であると推定される。
さらに、本発明者らは、光束維持率が低下する原因を調査する各種の試験を重ねた。その中で、寿命末期のランプを加熱する試験により、光束維持率が低下する要因を推定することができた。以下、この試験について説明する。
具体的には、本発明者らは、寿命末期の冷陰極蛍光ランプを電気炉の中に設置し、電気炉の温度を上昇させることによって、点灯中のランプを徐々に加熱する試験を実施した。
図6は、寿命末期の3波長型の白色冷陰極蛍光ランプを加熱したときの輝度及び色度の変化を示すグラフである。グラフの縦軸が輝度(cd/m)及び色度であり、横軸が加熱温度(℃)である。
図6に示すグラフより、加熱温度が高くなるのにともなって、次第に輝度が回復していることがわかる。また、加熱温度が高くなると、色度が変化していることがわかる。
はじめに、色度の変化について検討する。加熱温度が0℃のときには、冷陰極蛍光ランプの発する光は、色度図上において、色度x≒0.310、色度y≒0.309であり、つまり白色をしている。
加熱温度の上昇とともに、色度x及び色度yが減少していることがわかる。つまり、色度図上において、白色の領域から、左下の方に向かって色が変化しており、加熱温度の上昇とともに、青色の成分が増大して、加熱前よりも青みを帯びた白色に変化していることがわかる。
これらにより、加熱温度の上昇とともに輝度が回復したのは、主として、青色蛍光体粒子が発する光の成分が増大したことによるものと考えられる。
つぎに、輝度の変化について検討する。加熱温度の上昇とともに、輝度が回復しているが、この輝度の上昇は、加熱温度が200℃近傍で始まっている。
これは、点灯にともなう放電による発熱と、電気炉による強制的な加熱とによって、蛍光体層の温度が水銀の沸点である356.58℃を超えて、蛍光体粒子に付着した水銀が蒸発したことによるものと推定される。
すなわち、図6に示される加熱による青色光の輝度が回復したのは、青色蛍光体粒子に付着した水銀が蒸発して、青色蛍光体粒子が光を発しやすい状態に回復したことによるものと推定される。つまり、冷陰極蛍光ランプにおいて輝度が低下する主要因は、青色蛍光体粒子に水銀が付着することによって、青色蛍光体粒子が紫外線によって励起されにくい状態になることにあると考えられる。
また、本発明者らは、上記とは別の実験により、蛍光体層に含有させる結着剤の種類と光束維持率との関係を調べた。具体的には、酸化アルミニウム(Al)を主成分とする結着剤、カルシウム−バリウム−ホウ素−リンの各酸化物を主成分とする結着剤(CBBP)のそれぞれを用いて蛍光体層を形成した2種の冷陰極蛍光ランプを用意して、各ランプの光束維持率を測定した。なお、蛍光体層における結着剤の含有量は、いずれのランプについても重量比で蛍光体に対して1.5%となるように調整した。
その結果、点灯500時間における光束維持率は、結着剤としてCBBPを用いたランプでは92.6%であった。それに対し、結着剤としてAlを用いたランプでは88.3%となり、CBBPを用いた場合よりも光束維持率が低くなった。これは、結着剤Alに水銀が付着しやすいことに起因しているものと考えられる。
この結果に基づいて、本発明者らは、青色蛍光体粒子に水銀が付着しやすい原因について検討した。そして、本発明者らは、青色蛍光体粒子(BaMgAl1627:Eu2+)に水銀が付着しやすいのは、青色蛍光体粒子を表す化学式にAlが含まれていることに起因しているのではないかという推論を得るに至った。
そこで、本発明者らは、青色蛍光体粒子としてBaAl13:Eu2+、BaMgSi:Eu2+、SrMgP:Eu2+、CaWOのそれぞれを用いた場合について、蛍光ランプの光束維持率を測定した。その結果、BaAl13:Eu2+を用いたランプだけが、他のランプと比較して光束維持率が著しく低いことが判明した。
つまり、青色蛍光体粒子にAlがまれている場合には、当該青色蛍光体粒子に水銀が付着しやすく、このことが光束維持率の低下を招いているという推論は正しいものであると考えられる。以上の経緯により、本発明者らは、アルミナ含有蛍光体粒子のみに金属酸化物を被覆するに至った。
なお、アルミナ(Al)を含まないアルミナ非含有蛍光体粒子の表面にも金属酸化物を被覆させることも考えられるが、蛍光体粒子の表面に金属酸化物を被覆すると、紫外線が金属酸化物によって反射されて、蛍光体粒子が励起されにくくなるため、輝度が低下すると考えられる。したがって、金属酸化物は、水銀付着が生じやすいアルミナ含有蛍光体粒子のみに被覆することが好適であるといえる。
1−4.(実施例)
以下、実施例に基づいて、本実施の形態に係るランプ20Aの効果について説明する。
実施例として、上述した青色蛍光体粒子のみに金属酸化物を被覆させた本実施の形態に係る白色光を発する蛍光ランプを用い、比較例として蛍光体粒子に金属酸化物を全く被覆させていない従来構成の白色光を発する蛍光ランプを用いた。
本発明者らは、実施例及び比較例について光束維持率及び輝度の時間変化を測定した。図7は、実施例及び比較例について、光束維持率を測定した結果を示すグラフである。
図7より、実施例では、比較例とくらべて光束維持率が改善されていることがわかる。これは、実施例では、水銀が付着しやすい青色蛍光体粒子(アルミナ含有蛍光体粒子)に、水銀の付着を抑制するための金属酸化物を被覆させているので、光束維持率の低下が緩やかになったものと考えられる。
なお、比較例では、光を発しにくい状態になりやすい青色蛍光体粒子が、赤色、緑色の各色蛍光体粒子、又は、赤色、緑色の各色蛍光体粒子が発する光に対して影響を及ぼすために、赤色、緑色の各色蛍光体粒子が発する主要波長の光束維持率も低下することが確認された。一方、実施例では、青色蛍光体粒子に金属酸化物を被覆しているので、青色蛍光体粒子が発する主要波長の光束維持率が改善されるとともに、青色蛍光体粒子の存在が赤色、緑色の各蛍光体粒子の発光に影響を及ぼさないので、赤色、緑色の各色蛍光体粒子が発する主要波長についても光束維持率の改善が確認された。
図8は、実施例及び比較例について、輝度の時間変化の測定結果を示すグラフである。図8を参照すると、初期輝度については、実施例よりも比較例の方が高くなっている。これは、実施例では青色蛍光体粒子に金属酸化物を被覆しているので、金属酸化物によって紫外線が反射されて、蛍光体粒子が励起されにくい状態となっていることに起因している。
しかしながら、ライフ時間が約80時間になると、実施例と比較例との輝度が同程度になり、それ以降では、実施例の方が輝度は高くなっている。
これは、実施例では青色蛍光体粒子(アルミナ含有蛍光体粒子)に金属酸化物を被覆しているので、蛍光体粒子への水銀の付着が抑制されるため、輝度の低下が緩やかであるのに対し、比較例では、青色蛍光体粒子の表面に金属酸化物が被覆されていないので、青色蛍光体粒子へ水銀が付着して、青色蛍光体粒子が紫外線によって励起されにくくなることによって、輝度が大きくて低下するからである。
ちなみに、冷陰極蛍光ランプの寿命時間は約6万時間以上であるので、実施例の方が、ライフ期間の長期に亘って、輝度が高いことになる。
以上の比較試験により、本実施の形態に係るランプ20Aの構成とすることにより、従来構成のランプよりも光束維持率を改善できるとともに、ライフ期間の長期に亘って輝度の高いランプを提供することができると結論付けることができる。
<第2の実施の形態>
以下、本発明の第2の実施の形態に係る蛍光ランプについて説明する。
2−1.(外部電極型蛍光ランプの構成)
図9を参照しながら、第2の実施の形態に係るランプ20である外部電極型蛍光ランプ20B(以下、「ランプ20B」と表記する。)について説明する。
図9は、第2の実施の形態に係るランプ20Bの構成を示す図であって、図9(a)はランプ20Bの平面図であり、図9(b)は、ランプ20Bの端部を、管軸を含む平面で切断したときの拡大断面図である。
図9(a)に示すように、ランプ20Bは、直管円筒状のガラス管の両端が封止されてなるガラスバルブ40と、このガラスバルブ40の両端部外周に形成された外部電極51、52とを備える。
ガラスバルブ40は、例えばホウ珪酸ガラスからなり、管軸に垂直な平面で切断したときの断面は略円状をしている。なおガラスバルブ40のサイズは、長さ720mm、内径は8mm以下、例えば3.0mmである。
外部電極51、52は、例えばアルミニウムの金属箔からなり、シリコン樹脂に金属粉体を混合した導電性粘着剤によって、ガラスバルブ40の外周を覆うように貼着されている。導電性粘着剤としては、シリコン樹脂の代わりにフッ素樹脂、ポリイミド樹脂又はエポキシ樹脂等を用いてもよい。
また、金属箔を導電性粘着剤でガラスバルブ40に貼着する代わりに、銀ペーストをガラスバルブ40の電極形成部分の全周に塗布することによって外部電極51、52を形成してもよい。さらに、外部電極51、52の形状は、円筒状をしていてもよいし、また、ガラスバルブ40の端部を覆ったキャップ状をしていてもよい。
図9(b)に示すように、ガラスバルブ40の内面には、例えば酸化イットリウム(Y)からなる保護膜42が形成されている。保護膜42は、ガラスバルブ40内に封入された水銀と、ガラスバルブ40とが反応するのを抑制する機能を有している。
保護膜42には、蛍光体層44が被着されている。蛍光体層44には、励起されることにより、赤色、緑色、青色の各色の光を発する、赤色蛍光体粒子(Y:Eu3+)(アルミナ非含有蛍光体粒子)、緑色蛍光体粒子(LaPO:Tb3+、Ce3+)(アルミナ非含有蛍光体粒子)及び青色蛍光体粒子(BaMgAl1627:Eu2+)(アルミナ含有蛍光体粒子)を混合した希土類蛍光体が含まれている。
図9(a)に示すように、外部電極51、52のランプ中央側の端部の位置をBとすると、蛍光体層44は、ガラスバルブ40内においてB−B間に相当する領域に形成されている。
ガラスバルブ40内の外部電極51、52に対応する領域R(A−B間)には、蛍光体層は形成されていない。これは、領域Rに蛍光体層が存在すると、ランプ点灯中に水銀と反応して水銀が消耗されるからである。
本実施の形態では、蛍光体層44において、図中の拡大図にしめすように、青色蛍光体粒子44B(BaMgAl1627:Eu2+)(アルミナ含有蛍光体粒子)の表面に、金属酸化物46として酸化イットリウム(Y)が被覆されている。なお、赤色蛍光体粒子44R、緑色蛍光体粒子34Gについても、青色蛍光体粒子44Bとの接触面において金属酸化物が付着することもあり得る。
2−2.(蛍光体層44の形成方法)
つぎに、蛍光体層44の形成方法について簡潔に説明する。
まず、第1の実施の形態で説明したのと同じ工程により、蛍光体懸濁液を作成する。
この蛍光体懸濁液を、公知の方法を用いて、保護膜42が形成されたガラスバルブの内面に塗布して蛍光体層を形成する。ここで、外部電極51、52が外周に配設される領域Rの蛍光体層を除去する。
これにより、ガラスバルブ40内において、外部電極51と外部電極52との間、B−B間に対応する領域に蛍光体層44が形成される。
2−3.(効果)
第2の実施の形態に係るランプ20Bと、従来構成の外部電極型蛍光ランプとのランプ特性を比較する試験を実施したところ、第2の実施の形態に係るランプ20Bは、青色蛍光体粒子(アルミナ含有蛍光体粒子)に金属酸化物を被覆しているので、第1の実施の形態に係るランプ20Aと同様に、従来構成の外部電極型蛍光ランプよりも、光束維持率が改善されるとともに、寿命時間の長期に亘って輝度の高いランプを得ることができることが確認された。
また、第2の実施の形態に係るランプ20Bでは、以下のような外部電極型の蛍光ランプにおける特有の効果が得られる。
外部電極型蛍光ランプの製造過程において、領域Rに存在する蛍光体層を除去しても、領域Rにはわずかながら蛍光体粒子が残存する。従来、この残存する蛍光体粒子の存在により、水銀消耗が誘発されるといった問題があった。
本発明者らの鋭意研究により、水銀消耗が生じる主要因は、蛍光体粒子のうちのアルミナ含有蛍光体粒子(本例では青色蛍光体粒子)に特に水銀が付着しやすいことにあり、このアルミナ含有蛍光体粒子が領域Rに残存すると、ランプ点灯中に水銀と反応して水銀が消耗されやすいことが判明した。
本実施の形態では、領域Rに残存している青色蛍光体粒子(アルミナ含有蛍光体粒子)にも金属酸化物が被覆されており、当該青色蛍光体粒子には水銀が付着しにくいため、水銀が付着した青色蛍光体粒子に電界が集中する現象が生じにくいので、上述の水銀消耗が抑制されるという効果が得られる。
<変形例>
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明の内容が、上記実施の形態に示された具体例に限定されないことは勿論であり、例えば、以下のような変形例を考えることができる。
(1)上記においては、アルミナ含有蛍光体粒子のみの表面に金属酸化物を被覆させる構成としているが、アルミナ非含有蛍光体粒子の表面にも金属酸化物が付着していてもよい。ただし、ランプの輝度を高める観点からは、アルミナ非含有蛍光体粒子に付着する金属酸化物の量は、アルミナ含有蛍光体粒子に付着する金属酸化物の量に比べて、非常に少ないことが好ましい。
すなわち、アルミナ非含有蛍光体粒子の表面よりも、アルミナ含有蛍光体粒子の表面に、より広い面積で金属酸化物が付着している状態が好適である。これにより、アルミナ含有蛍光体粒子への水銀付着を抑制して光束維持率の低下を抑制することができるとともに、アルミナ非含有蛍光体粒子が紫外線によって励起されやすい状態にあるので、高い輝度のランプを得ることができる。
(2)第2の実施の形態では、図9に示すように、外部電極51と外部電極52との間、B−B間に対応する領域のみに蛍光体層44が形成される構成について説明したが、外部電極51、52に対応する領域(例えば、図9(b)のA−B間)に蛍光体層が形成されていてもよい。この場合においても、青色蛍光体粒子(アルミナ含有蛍光体粒子)の表面には金属酸化物が被覆されているので、水銀消耗が抑制される。
(3)上記においては青色蛍光体粒子として、アルミン酸塩蛍光体BaMgAl1627:Eu2+を用いた場合について説明したが、BaMgAl1627:Eu2+の代わりに、他のアルミン酸塩蛍光体の青色蛍光体粒子、例えば、BaAl13:Eu2+、BaMgAl1627:Eu2+,Mn2+、SrAl1427:Eu2+、又は、SrMgAl1017:Eu2+を用いた場合でも、同様の結果及び効果が得られた。
(4)上記においては、青色蛍光体粒子を被覆する金属酸化物として、酸化イットリウム(Y)を用いた構成について説明したが、酸化イットリウムの代わりに、酸化マグネシウム(MgO)、酸化ランタン(La)、酸化シリコン(SiO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化ハフニウム(HfO)、酸化イットリウム(Y)、酸化ニオブ(Nb)、酸化カルシウム(CaO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化ストロンチウム(SrO)、酸化バリウム(BaO)、又は酸化ガドリニウム(Gd)を用いてもよい。また、金属酸化物は、酸化イットリウム(Y)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化ランタン(La)、酸化シリコン(SiO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化ハフニウム(HfO)、酸化イットリウム(Y)、酸化ニオブ(Nb)、酸化カルシウム(CaO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化ストロンチウム(SrO)、酸化バリウム(BaO)、又は酸化ガドリニウム(Gd)のいずれか2以上を混合したものであってもよい。
(5)上記においては、保護膜32、42の材料として、酸化イットリウム(Y)を用いた例について説明したが、酸化イットリウムの代わりに、酸化チタン(TiO)、酸化セリウム(CeO)、酸化マグネシウム(MgO)、又は酸化ランタン(La)のいずれか、或いはこれらの2種以上を用いてもよい。
(6)また、上記においては、保護膜32、42を形成する構成について説明したが、保護膜を形成せずに、ガラスバルブの内面に蛍光体層が直接形成されている構成であってもよい。
この場合、外部電極型の蛍光ランプでは、ガラスバルブ内の外部電極に対応する位置に形成された蛍光体層を除去しても、わずかに残留した青色蛍光体粒子(アルミナ含有蛍光体粒子)に水銀が付着することによって、当該水銀に電界が集中してガラスバルブにピンホールが発生する弊害があった。しかし、第2の実施の形態では、青色蛍光体粒子の表面に水銀付着を抑制するための金属酸化物が付着されているので、ガラスバルブ内の外部電極に対応する領域(図9(b)の領域R)に青色蛍光体粒子が残存したとしても、当該青色蛍光体粒子には水銀が付着しにくいので、上述のように水銀に電界が集中して、ガラスバルブにピンホールが生じる現象も生じにくいという効果が得られる。
(7)上記においては、各色蛍光体粒子のうち、青色蛍光体粒子(BaMgAl1627:Eu2+)が化学式にAlを含んでいるので、金属酸化物を青色蛍光体粒子にのみ被覆している構成について説明したが、例えば、緑色蛍光体粒子として、上述したLaPO:Tb3+、Ce3+の代わりに、化学式にAlを含むBaMgAl1627:Eu2+,Mn2+等を用いた場合には、当該緑色蛍光体粒子にも水銀が付着しやすいので、金属酸化物を被覆することが好適である。
(8)上記においては、ガラスバルブの形状が直管状のものについて説明したが、例えば、ガラスバルブは屈曲された形状であってもよい。また、ガラスバルブ内のガス圧は、30Torrから100Torrであってもよい。さらに、ガラスバルブの内径は1.2mmから6mmであってもよいし、ガラスバルブの長さは1.5m以下であってもよいことが確認されている。
本発明は、冷陰極型や外部電極型等の蛍光ランプに広く適用することができる。また、本発明は、光束維持率の高い蛍光ランプ及びバックライト装置を提供することができるので、その産業的利用価値は極めて高い。
本実施の形態に係るアスペクト比16:9の液晶ディスプレイ用バックライト装置1の構成を示す概略斜視図である。 冷陰極蛍光ランプ20Aの概略構成を示す一部切欠図である。 青色蛍光体粒子の表面に金属酸化物の被膜を形成したときの状態を示す拡大写真であって、図3(a)は、Y(C15COO)を用いて被膜を形成したとき、図3(b)は、YH(C15COO)を用いて被膜を形成したときの状態を示すものである。 赤色、緑色、青色の各色蛍光体粒子を混合して蛍光体層を形成した白色蛍光ランプにおいて、各色蛍光体粒子が発する主要波長の光束維持率の測定結果を示したグラフである。 各単色冷陰極蛍光ランプの光束維持率の測定結果を示したグラフである。 寿命末期の冷陰極蛍光ランプを加熱したときの、輝度及び色度の変化を示すグラフである。 実施例及び比較例について、光束維持率を測定した結果を示すグラフである。 実施例及び比較例について、輝度の時間変化の測定結果を示すグラフである。 第2の実施の形態に係るランプ20Bの構成を示す図であって、図9(a)はランプ20Bの平面図であり、図9(b)は、ランプ20Bの端部を、管軸を含む平面で切断したときの拡大断面図である。
符号の説明
1 バックライト装置
20A 冷陰極蛍光ランプ
20B 外部電極型蛍光ランプ
30、40 ガラスバルブ
32、42 保護膜
34、44 蛍光体層
34B、44B、64B 青色蛍光体粒子
34R、44R、64R 赤色蛍光体粒子
34G、44G、64G 緑色蛍光体粒子
36、46 酸化イットリウム被膜
66 金属酸化物粒子
51、52 外部電極

Claims (9)

  1. ガラスバルブ内に水銀が封入されているとともに、前記ガラスバルブの内側にアルミナ含有蛍光体粒子とアルミナ非含有蛍光体粒子とを含んだ蛍光体層が形成されている蛍光ランプであって、
    前記アルミナ含有蛍光体粒子の表面に、前記アルミナ非含有蛍光体粒子の表面よりも、金属酸化物がより広く付着していること
    を特徴とする蛍光ランプ。
  2. 前記アルミナ非含有蛍光体粒子の表面には前記金属酸化物が付着しておらず、
    前記アルミナ含有蛍光体粒子の表面に前記金属酸化物が付着していること
    を特徴とする請求項1記載の蛍光ランプ。
  3. 前記金属酸化物には、Y、MgO、La、SiO、ZrO、HfO、Y、Nb、CaO、MgO、SrO、BaO、又はGdのうちの少なくとも一つが含まれること
    を特徴とする請求項1又は請求項2記載の蛍光ランプ。
  4. 前記金属酸化物は、前記アルミナ含有蛍光体粒子に対して0.005wt%以上5.0wt%以下の割合で付着していること
    を特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の蛍光ランプ。
  5. 前記ガラスバルブと前記蛍光体層との間に保護膜が形成されていること
    を特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の蛍光ランプ。
  6. 前記ガラスバルブは管状をしており、その両端部外周に外部電極を備えること
    を特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の蛍光ランプ。
  7. 前記ガラスバルブ内において、前記外部電極間に対応する領域に、前記蛍光体層が形成されていること
    を特徴とする請求項6記載の蛍光ランプ。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の蛍光ランプを光源として備えること
    を特徴とするバックライト装置。
  9. ガラスバルブ内に水銀が封入されているとともに、前記ガラスバルブの内側にアルミナ含有蛍光体粒子とアルミナ非含有蛍光体粒子とを含んだ蛍光体層が形成されている蛍光ランプの製造方法であって、
    前記アルミナ含有蛍光体粒子の表面に金属酸化物を付着する付着ステップと、
    前記付着ステップにより表面に金属酸化物が付着されたアルミナ含有蛍光体粒子と、前記アルミナ非含有蛍光体粒子とを混合して、蛍光体懸濁液を作成する懸濁液作成ステップと、
    前記蛍光体懸濁液を前記ガラスバルブ内側に塗布することにより、前記蛍光体層を形成する蛍光体層形成ステップと
    を含むことを特徴とする蛍光ランプの製造方法。
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