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JP2006298822A - 縮毛矯正用第1剤、縮毛矯正用剤および縮毛の矯正処理方法 - Google Patents

縮毛矯正用第1剤、縮毛矯正用剤および縮毛の矯正処理方法 Download PDF

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JP2006298822A JP2005122749A JP2005122749A JP2006298822A JP 2006298822 A JP2006298822 A JP 2006298822A JP 2005122749 A JP2005122749 A JP 2005122749A JP 2005122749 A JP2005122749 A JP 2005122749A JP 2006298822 A JP2006298822 A JP 2006298822A
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Abstract

【課題】 縮毛矯正処理の際の毛髪の損傷を抑制でき、優れた縮毛矯正能を有する縮毛矯正用第1剤、該縮毛矯正用第1剤を構成要素に含む縮毛矯正用剤、および該縮毛矯正用剤を用いた縮毛の矯正処理方法を提供する。
【解決手段】 少なくとも、還元剤がチオグリコール酸に換算して4.5質量%以下、およびジチオジグリコール酸またはその塩が1質量%以上配合され、更にポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルまたはその塩、およびポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル以外のリン酸エステルが配合されてなり、pHが5以下であることを特徴とする縮毛矯正用第1剤である。

Description

本発明は、縮毛矯正用第1剤、該第1剤を構成要素に含む縮毛矯正用剤、および該縮毛矯正用剤を用いた縮毛の矯正処理方法に関するものである。
縮毛をストレートの状態にする技法を縮毛矯正というが、毛髪内部のシスチン結合を還元・切断するという反応理論はパーマネントウェーブのそれを同じであり、基本的な構成成分もパーマネントウェーブ用剤と同様である。
縮毛矯正用剤の基本的な構成成分は有効成分である還元剤または酸化剤、助剤であるアルカリ剤、添加剤、水の4つの大別できる。還元剤は毛髪内部のシスチン結合を還元・切断するために必要な成分であり、通常、アルカリ剤で縮毛矯正用剤の液性をアルカリ性にすることにより、還元剤の還元力を高めている。また、アルカリ剤により、毛髪自体が膨潤することで、還元剤を含む縮毛矯正用剤が浸透しやすくなるため、還元剤の毛髪への作用は大きくなる。
しかしながら、縮毛矯正用剤に添加されている還元剤やアルカリ剤は、縮毛矯正機能を確保し、これを高める作用を有する成分である一方で、毛髪の損傷を引き起こす成分でもある。そのため、縮毛矯正用剤には、縮毛矯正機能の確保と毛髪損傷の抑制の両立が求められる。
また、縮毛矯正では、使用する処理剤(縮毛矯正用剤)としては、パーマネントウェーブにおける処理剤(パーマネントウェーブ用剤)と、その構成成分が同様であるのに対し、その施術方法は異なっている。すなわち、パーマネントウェーブではロッドに巻くワインディングを行うのに対し、縮毛矯正では、コーミング(コームで伸ばして真っ直ぐにする)や高温整髪用アイロンによる処理を行う。そのため、縮毛矯正用剤の有効成分による毛髪の損傷が、コーミングや高温整髪用アイロンによる処理といった物理的処理によって、更に大きくなり、場合によっては断毛を引き起こすこともある。よって、縮毛矯正では、上記の物理的処理においても、毛髪の損傷を抑制することが求められる。
縮毛矯正処理において、毛髪の損傷を抑制するには、縮毛矯正用剤中の還元剤や酸化剤といった有効成分の量を減らし、また、アルカリ剤の量を減らすなどして、縮毛矯正用剤のpHをあまり高くしないといった手法が一般的である。このような手法では、縮毛矯正用剤による毛髪の化学的損傷は抑制できるものの、縮毛矯正作用が小さくなってしまう。また、コーミングや高温整髪用アイロンといった物理的処理による毛髪の損傷は抑制することができない。
この他にも、縮毛矯正処理の際の毛髪の損傷を抑制する技術が、種々提案されている。
例えば、特許文献1には、毛髪を縮毛矯正剤第1剤で処理した後、該第1剤を洗い流し、ある程度乾燥し、その後に毛髪を挟んで伸ばし得るピンセット型のストレート用ブローブラシまたは縮毛矯正用具を用い、ドライヤーで加温しながら毛髪を伸ばした後に、縮毛矯正剤第2剤で処理する方法が開示されている。
また、特許文献2には、特定構造のジアミド化合物とアルカリ剤を含有し、水で10倍に希釈したときのpHが12〜14である縮毛矯正剤組成物が開示されている。
更に、特許文献3には、第4級アンモニウム塩と、高級アルコールと、特定構造の高分子シリコーンのエマルジョンを含有する縮毛矯正剤が開示されている。
特開2004−223122号公報 特開2003−327516号公報 特開2002−326915号公報
このうち、特許文献1の技術では、高温整髪用アイロンではなくドライヤーを用いることで、毛髪にかかる温度が低くなるため、これによる毛髪の損傷は低減できるものの、コーミングによる損傷を回避できる訳ではない。
特許文献2の技術は、縮毛矯正剤組成物に含有させる特定構造のジアミド化合物の作用によって、縮毛矯正処理の際の毛髪の損傷を抑えているが、ジアミド化合物の活性を高め、毛髪を十分に膨潤させるための高いpH設定が、少なからず毛髪を損傷させる原因となっている。
特許文献3の技術については、本発明者の検討によると、毛髪に塗布した縮毛矯正剤を濯ぎ落とし、ドライヤーにて乾燥させた後に、通常の高温整髪用アイロンによる処理を行うと、毛髪の損傷が生じてしまうことが判明した。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、縮毛矯正処理の際の毛髪の損傷を抑制でき、且つ優れた縮毛矯正能を有する縮毛矯正用第1剤、該縮毛矯正用第1剤を構成要素に含む縮毛矯正用剤、および該縮毛矯正用剤を用いた縮毛の矯正処理方法を提供することにある。
上記目的を達成し得た本発明の縮毛矯正用第1剤は、少なくとも、還元剤がチオグリコール酸に換算して4.5質量%以下、およびジチオジグリコール酸またはその塩が1質量%以上配合され、更にポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルまたはその塩、およびポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル以外のリン酸エステルが配合されてなり、pHが5以下であることを特徴とするものである。
また、本発明の縮毛矯正用剤は、上記本発明の縮毛矯正用第1剤と、少なくとも、酸化剤が配合されてなる縮毛矯正用第2剤とで構成されることを特徴とするものである。
更に、本発明の縮毛の矯正処理方法は、本発明の縮毛矯正用剤を用いて縮毛を矯正処理する方法であって、縮毛矯正用第1剤を縮毛に塗布後、該縮毛を矯正し、該矯正後の縮毛を洗浄して縮毛矯正用第1剤を除去した後、縮毛矯正用第2剤を該縮毛に塗布して処理することを特徴とする。
本発明の縮毛矯正用第1剤、縮毛矯正用剤および縮毛の矯正処理方法によれば、化学的および物理的な損傷を抑制しつつ、縮毛を良好に矯正することができる。
<縮毛矯正用剤>
本発明の縮毛矯正用剤は、本発明の縮毛矯正用第1剤と、縮毛矯正用第2剤とで構成されるものである。
縮毛矯正用第1剤は、少なくとも、還元剤、ジチオジグリコール酸またはその塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルまたはその塩、およびポリオキシアルキルエーテルリン酸エステル以外のリン酸エステルが配合されてなり、且つpHが5以下のものである。
縮毛矯正用第1剤におけるpHは、5以下である。縮毛矯正用第1剤におけるpHが高すぎると、矯正処理の際における毛髪の損傷が大きくなり、また、処理後の毛髪の感触が悪くなる。なお、縮毛矯正用第1剤のpHを低くすると、通常は、還元剤の毛髪への浸透性が低下するなどして、縮毛矯正効果が損なわれるが、本発明の縮毛矯正用第1剤では、後記の各構成成分の配合により、pHを低くしても還元剤の作用を十分に引き出し、良好な縮毛矯正効果を確保している。また、縮毛矯正用第1剤のpHは、3.5以上であることが好ましい。本発明の縮毛矯正用第1剤では、例えば、後記の各構成成分を配合することで、特別な調整なしにpHを5以下とすることもできるが、pH調整が必要な場合には、pH調整剤を使用することもできる。pHを低くするために用い得るpH調整剤としては、クエン酸、酒石酸、乳酸、リン酸などが挙げられる。また、pHをある程度高めて、例えば、3.5以上とするためのpH調整剤としては、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウムなどが使用できる。
縮毛矯正用第1剤における還元剤としては、毛髪のシスチンを結合を還元・切断できるものであれば特に制限はないが、例えば、チオグリコール酸、チオグリコール酸塩(チオグリコール酸アンモニウム、チオグリコール酸モノエタノールアミンなど)などのチオグリコール酸類;L−システイン、L−システイン塩(L−システイン塩酸塩など)、DL−システイン、DL−システイン塩(DL−システイン塩酸塩など)、N−アセチル−L−システインなどのシステイン類;などが挙げられる。
還元剤の配合量は、チオグリコール酸に換算して、4.5質量%以下である。還元剤の配合量が上記上限値を超えると、毛髪の損傷抑制が不十分となり、毛髪の感触が悪くなる。また、還元剤の配合量が上記上限値を超えても、縮毛矯正効果が飽和するため、却ってコストの増大を引き起こしてしまう。なお、還元剤の配合量が少なすぎると、縮毛矯正効果が小さくなることがあるため、例えば、チオグリコール酸に換算して、3.5質量%以上であることが好ましい。
本発明でいう縮毛矯正用第1剤における還元剤の配合量(チオグリコール酸に換算した配合量)は、パーマネント・ウェーブ工業組合から発行されている「パーマネント・ウェーブ用剤製造(輸入)承認基準」の「[別添]パーマネント・ウェーブ用剤品質規格」の「1.チオグリコール酸又はその塩類を有効成分とするコールド二溶式パーマネント・ウェーブ溶剤」における「(1)第1剤」に記載の「(ウ)酸性煮沸後の還元性物質」に定められている手法によって求められる「酸性煮沸後の還元性物質の含有率(チオグリコール酸として)(%)」である。
縮毛矯正用第1剤におけるジチオジグリコール酸またはその塩(ジアンモニウム塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩など)は、還元剤による毛髪のシスチンの還元・切断のための反応を制御する反応調整剤としての役割を担う成分である。ジチオジグリコール酸またはその塩は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。中でも、ジチオジグリコール酸ジアンモニウムが好ましい。
縮毛矯正用第1剤において、ジチオジグリコール酸またはその塩の配合量は、1質量%以上である。ジチオジグリコール酸またはその塩の配合量が上記下限値を下回ると、矯正処理後の毛髪の感触が悪くなる他、例えば、処理前の縮毛が部分的に損傷している場合には、矯正処理の際に該部分の損傷抑制が困難となってしまう。なお、縮毛矯正用第1剤におけるジチオジグリコール酸またはその塩の配合量が多すぎると、縮毛矯正機能が低下することがある。そのため、縮毛矯正用第1剤におけるジチオジグリコール酸またはその塩の配合量は、例えば、4質量%以下であることが好ましい。
縮毛矯正用第1剤におけるポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルまたはその塩、およびポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル以外のリン酸エステルは、還元剤を含めた縮毛矯正用第1剤の毛髪への浸透性を高めて、還元剤の作用を引き出す作用を有する成分である。これらの成分の配合によって、本発明の縮毛矯正用第1剤では、pHを低くし且つ還元剤の配合量を減らして、毛髪の化学的損傷を抑制しつつ、良好な縮毛矯正効果を確保している。また、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルまたはその塩、およびポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル以外のリン酸エステルは、矯正処理時におけるコーミングや高温整髪用アイロンによる毛髪への物理的処理の際に、毛髪を保護して損傷を抑制する作用や、処理後の毛髪の感触(しっとり感ややわらかさ)を高める作用も有している。
ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルまたはその塩としては、ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンセチルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンオクチルエーテルリン酸、ポリオキシエチレン(4)デシルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸ナトリウム(ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンセチルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸ナトリウムなど)、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸ジエタノールアミン(ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸ジエタノールアミンなど)、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸トリエタノールアミン(ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸トリエタノールアミンなど)などが挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用しても構わない。これらの中でも、縮毛矯正用第1剤(すなわち、還元剤)の毛髪への浸透性を高める作用や、処理後の毛髪の感触向上作用が特に良好であることから、ポリオキシエチレンセチルエーテルリン酸が好ましい。
縮毛矯正用第1剤におけるポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルまたはその塩の配合量は、例えば、0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上であって、5質量%以下、より好ましくは3質量%以下であることが望ましい。ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルまたはその塩の配合量が少なすぎると、縮毛矯正用第1剤の粘度が低くなり、分離が生じる場合があり、多すぎると、縮毛矯正用第1剤の粘度が高くなりすぎて、操作性が低下することがある。
ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル以外のリン酸エステルとしては、例えば、リン酸ジメチル、リン酸セチル、リン酸ジセチル、リン酸トリオレイル、リン酸トリステアリルなどが挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用しても構わない。これらの中でも、還元剤を含めた縮毛矯正用第1剤の毛髪への浸透性を高める作用や、処理後の毛髪の感触向上作用が特に良好であることから、リン酸ジセチルが好ましい。
縮毛矯正用第1剤におけるポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル以外のリン酸エステルの配合量は、例えば、0.3質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上であって、3質量%以下、より好ましくは1.5質量%以下であることが望ましい。ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル以外のリン酸エステルの配合量が少なすぎると、縮毛矯正用第1剤の粘度が低くなり、分離が生じる場合があり、多すぎると、縮毛矯正用第1剤の粘度が高くなりすぎて、操作性が低下することがある。
縮毛矯正用第1剤には、上記の各構成成分の他に、従来公知の縮毛矯正用剤、その他の毛髪用の化粧剤などに添加されている各種添加剤を配合することができる。このような添加剤としては、例えば、ロウ類、高級アルコール類、シリコーン類、炭化水素、保湿剤、界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸またはその塩を除く)、キレート剤、抗炎症剤、香料などが挙げられる。
ロウ類としては、例えば、ミツロウ、鯨ロウ、ラノリン、カルナウバロウ、キャンデリラロウなどが挙げられる。高級アルコール類としては、例えば、ラウリルアルコール、セタノール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ベヘニルアルコール、ラノリンアルコール、オクチルドデカノールなどが挙げられる。シリコーン類としては、例えば、ジメチルシリコーン、高重合ジメチルシリコーン、環状シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン(アミノエチルアミノプロピルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、アミノエチルアミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、アミノエチルアミノプロピルメチルポリシロキサン・ジメチルポリシロキサン共重合体など)が挙げられる。炭化水素としては、例えば、パラフィン、流動パラフィン、軽質流動イソパラフィン、スクワラン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックスなどが挙げられる。保湿剤としては、例えば、グリセリン、ジグリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ヒアルロン酸、ソルビトール、高重合ポリエチレングリコールなどが挙げられる。
界面活性剤としては、各種の、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤および両性界面活性剤が使用できる。カチオン性界面活性剤としては、例えば、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウムなどの塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウムサッカリン、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウムなどが挙げられる。アニオン性界面活性剤としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ステアロイルメチルタウリンナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、テトラデセンスルホン酸ナトリウムなどが挙げられる。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類(ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテルなど)、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンベヘニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン2−デシルテトラデシルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン水添ラノリン、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリンエーテルなど)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル(モノステアリン酸ソルビタンなど)、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンベンジルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルポリグリコシド、N−アルキルジメチルアミンオキシド、ポリオキシエチレンプロピレングリコール脂肪酸エステルなどが挙げられる。両性界面活性剤としては、例えば、コカミドプロピルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウラミドプロピルベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインなどが挙げられる。
抗炎症剤としては、例えば、グリチルリチン酸ジカリウム、カルベノキソロン二ナトリウムなどが挙げられる。キレート剤としては、例えば、エデト酸、エデト酸二ナトリウム、クエン酸、酒石酸、サリチル酸、ヒドロキシエタンジホスホン酸、ジエチレントリアミン五酢酸五ナトリウムなどが挙げられる。
縮毛矯正用第1剤は、例えば、クリーム状、ローション状、ゲル状などの形態とすることができ、水を主たる分散媒とする。なお、上記の各種成分の一部は、水に溶解していてもよい。また、分散媒の全てが水であってもよく、低級アルコール(エタノール、イソプロパノールなど)の有機溶媒を含有していてもよい。ただし、分散媒中の有機溶媒量が増大すると、頭皮などに刺激を与える虞があることから、分散媒中における有機溶媒の含有量は、例えば、5質量%以下であることが好ましい。
本発明の縮毛矯正用第1剤と共に、本発明の縮毛矯正用剤を構成する縮毛矯正用第2剤は、少なくとも、酸化剤が配合されてなるものである。
酸化剤は、従来公知の縮毛矯正用剤に使用されている酸化剤が使用できる。例えば、過酸化水素、臭素酸ナトリウムなどが挙げられる。縮毛矯正用第2剤における酸化剤の配合量は、過酸化水素の場合には、例えば、1質量%以上であって、2質量%以下、より好ましくは1.5質量%以下であることが望ましい。また、臭素酸ナトリウムの場合には、例えば、5質量%以上であって、10質量%以下、より好ましくは8質量%以下であることが望ましい。
また、縮毛矯正用第2剤には、酸化剤に加えて、ポリオキシアルキルエーテルリン酸エステルまたはその塩、およびポリオキシアルキルエーテルリン酸エステル以外のリン酸エステルが配合されていることが好ましい。ポリオキシアルキルエーテルリン酸エステルまたはその塩の具体例としては、例えば、縮毛矯正用第1剤に係るポリオキシアルキルエーテルリン酸エステルまたはその塩として上で例示した各化合物が挙げられ、それらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用しても構わない。それらの中でも、処理後の毛髪の感触向上作用が特に良好であることから、ポリオキシエチレンセチルエーテルリン酸が好ましい。
縮毛矯正用第2剤におけるポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルまたはその塩の配合量は、例えば、0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上であって、5質量%以下、より好ましくは3質量%以下であることが望ましい。
ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル以外のリン酸エステルの具体例としては、例えば、縮毛矯正用第1剤に係るポリオキシアルキルエーテルリン酸エステル以外のリン酸エステルとして上で例示した各化合物が挙げられ、それらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用しても構わない。それらの中でも、処理後の毛髪の感触向上作用が特に良好であることから、リン酸ジセチルが好ましい。
縮毛矯正用第2剤におけるポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル以外のリン酸エステルの配合量は、例えば、0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上であって、5質量%以下、より好ましくは3質量%以下であることが望ましい。
縮毛矯正用第2剤には、上記の各構成成分の他に、従来公知の縮毛矯正用剤、その他の毛髪用の化粧剤などに添加されている各種添加剤を配合することができる。このような添加剤としては、例えば、油脂、高級アルコール類、カチオン性高分子、保湿剤、界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸またはその塩を除く)、キレート剤、抗炎症剤、防腐剤、pH調整剤、紫外線吸収剤、香料などが挙げられる。高級アルコール類、保湿剤、界面活性剤、キレート剤、抗炎症剤については、例えば、縮毛矯正用第1剤の添加剤として上で例示した各化合物などが使用できる。
また、油脂としては、例えば、ヒマシ油、オリーブ油、ツバキ油、マカデミアナッツ油、グレープシード油、ミンク油、卵黄油、カカオ脂、ヤシ脂、パーム油、モクロウ、アボカド油、シア脂などが挙げられる。カチオン性高分子としては、例えば、アクリルアミド・アクリル酸・塩化ジメチルジアリルアンモニウム共重合体などが挙げられる。防腐剤としては、例えば、安息香酸ナトリウム、塩化ベンザルコニウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、フェノキシエタノールなどが挙げられる。pH調整剤としては、例えば、リン酸、リン酸水素二ナトリウムなどが挙げられる。紫外線吸収剤としては、例えば、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸などが挙げられる。
縮毛矯正用第2剤は、例えば、クリーム状、ローション状、ゲル状などの形態とすることができ、水を主たる分散媒とする。なお、上記の各種成分の一部は、水に溶解していてもよい。また、分散媒の全てが水であってもよく、低級アルコール(エタノール、イソプロパノールなど)の有機溶媒を含有していてもよい。ただし、分散媒中の有機溶媒量が増大すると、頭皮などに刺激を与える虞があることから、分散媒中における有機溶媒の含有量は、例えば、5質量%以下であることが好ましい。
本発明の縮毛矯正用剤は、上記本発明の縮毛矯正用第1剤と、上記縮毛矯正用第2剤とで構成されるが、該縮毛矯正用剤による縮毛の矯正処理は、後述するように、まず毛髪に縮毛矯正用第1剤を塗布した後、該毛髪の矯正処理を行い、その後、該毛髪に縮毛矯正用第2剤を塗布する工程を経て実施される。そのため、上記縮毛矯正用剤の製品形態は、縮毛矯正用第1剤と縮毛矯正用第2剤とが、それぞれ別の容器に充填されるなど、縮毛矯正処理前において両者が混合しないような形態が採られる。
<縮毛の矯正処理方法>
本発明の縮毛矯正用剤を用いた縮毛の矯正処理方法としては、縮毛矯正用第1剤を毛髪に塗布後、この毛髪をまっすぐに伸ばして矯正し、その後、該毛髪を洗浄して縮毛矯正用第1剤を除去し、乾燥させてから縮毛矯正用第2剤を塗布する方法が採用できる。そして、縮毛矯正用第2剤の塗布後は、毛髪を洗浄し乾燥させて、処理が終了する。なお、縮毛矯正用第1剤を塗布後、毛髪を洗浄して塗布した縮毛矯正用第1剤を洗い流し、毛髪を乾燥してから矯正することが好ましい。
縮毛矯正用第1剤を塗布した後の毛髪の矯正方法としては、例えば、コーミングなどにより毛髪をまっすぐに伸ばしたり、このように毛髪をまっすぐに伸ばした状態で更にドライヤーで加温するなどの方法を採用することができる。なお、本発明では、上記縮毛矯正用第1剤の配合成分によって、縮毛矯正時に付加される熱やその他の物理的な衝撃などから、毛髪を保護することができるため、このような矯正の際の毛髪の損傷が抑制される。
また、本発明では、上記の通り、上記縮毛矯正用第1剤の配合成分によって、縮毛矯正時に付加される熱やその他の物理的な衝撃などから、毛髪を保護することができるため、上記の矯正の後に、高温整髪用アイロンを用いて更なる矯正を行うことも可能であり、このような矯正方法を採用することで、縮毛矯正率をより向上させることができる。
高温整髪用アイロンを使用する場合には、その表面温度を、60℃以上、より好ましくは80℃以上であって、220℃以下、より好ましくは200℃以下、更に好ましくは180℃以下とすることが望ましい。そして、このように表面温度を調節した高温整髪用アイロンを用いて毛髪を矯正するには、例えば、縮毛矯正用第1剤を塗布した後、まっすぐに伸ばして矯正した毛髪を、洗浄して縮毛矯正用第1剤を除去し、好ましくは乾燥させた後に、高温整髪用アイロンによる更なる矯正を行う。高温整髪用アイロンによる矯正処理としては、例えば、毛束を取り、根元から上記アイロンで挟み、順次毛先の方向へ処理していく方法が好ましい。毛髪を上記アイロンで挟む時間は2秒以下が好ましく、また、同じ箇所を2度処理しないことが好ましい。2秒を超えて処理する場合、熱による毛髪のタンパク変性が起こり、毛髪損傷につながる虞がある。
上記の高温整髪用アイロンとしては、表面を上記の温度に調節でき、フラットな面を有するものであれば特に限定されないが、例えば、「サーマルエフェクトアイロンCR(商品名)」、「サーマルエフェクトアイロンFS(商品名)」,「サーマルエフェクトアイロンGショート(商品名)」(いずれも、ミルボン社製)を用いることが好ましい。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べる。ただし、下記実施例は、本発明を制限するものではなく、前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施をすることは、全て本発明の技術的範囲に包含される。なお、以下の実施例などにおいて、「%」は「質量%」を意味している。また、縮毛矯正用第1剤および縮毛矯正用第2剤の配合量としては、全体で100%となるように各成分の配合量を%で示し、後記の各表中ではその%の表示を省略し、配合量を表す数値のみで表示する。
実施例1〜10、および比較例1〜7
表1〜表3に示す処方で調製した縮毛矯正用第1剤(表1、表2)および縮毛矯正用第2剤(表3)によって、表4および表5に示すように縮毛矯正用剤を構成した。これらの縮毛矯正用剤を用いて、下記の毛束に対して縮毛矯正処理を行い、その特性評価をした。
<縮毛矯正処理>
同一人から採取した縮毛で、長さが22cm(ただし、伸ばさずに自然の状態で測定)で重さが1.5gの毛束を作成し、その毛束を10%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液で洗浄し、乾燥させた後、実施例1〜10または比較例1〜7の縮毛矯正用剤に係る縮毛矯正用第1剤を3.0g塗布し、縮毛を真っ直ぐに伸ばした状態で、室温で20分間放置した後、水洗し、ドライヤーで乾燥させた。乾燥後の毛束に、実施例1〜10または比較例1〜7の縮毛矯正用剤に係る縮毛矯正用第2剤を3.0g塗布し、室温で10分間放置した後、水洗し、24時間自然乾燥して縮毛矯正処理を終了した。上記縮毛矯正処理後の毛髪の縮毛矯正効果、毛髪のしっとり感および毛髪のやわらかさについて、下記の基準により評価した。その結果を表4および表5に併記する。
<縮毛矯正効果>
縮毛矯正処後の毛束の一端をパネルに固定して垂らし、全長を測定し、下記の式により、縮毛矯正率を求めた。
縮毛矯正率=100×(A−B)/(C−B)
A:縮毛矯正処理後の毛束の全長(mm)
B:縮毛矯正処理前の毛束の自然状態での全長(mm)
C:縮毛矯正処理前の毛束を真っ直ぐに伸ばした状態での全長(mm)
<毛髪のしっとり感>
縮毛矯正処理後の毛髪のしっとり感について、専門のパネラー20名による官能評価を、下記基準に従って実施した。◎および○が合格である。
◎:20名のパネラーのうち16名以上が、優れていると評価した。
○:20名のパネラーのうち12名以上、15名以下が優れていると評価した。
△:20名のパネラーのうち8名以上、11名以下が優れていると評価した。
×:20名のパネラーのうち7名以下が優れていると評価した。
<毛髪のやわらかさ>
縮毛矯正処理後の毛髪のやわらかさについて、専門のパネラー20名による官能評価を、下記基準に従って実施した。◎および○が合格である。
◎:20名のパネラーのうち16名以上が、優れていると評価した。
○:20名のパネラーのうち12名以上、15名以下が優れていると評価した。
△:20名のパネラーのうち8名以上、11名以下が優れていると評価した。
×:20名のパネラーのうち7名以下が優れていると評価した。
Figure 2006298822
Figure 2006298822
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表1および表2に示す縮毛矯正用第1剤におけるpHは、モノエタノールアミンをpH調整剤として配合することにより調整した。また、表3に示す縮毛矯正用第2剤におけるpHは、リン酸水素二ナトリウムをpH調整剤として配合することにより調整した。表1〜表3における精製水の欄の「計100とする」とは、縮毛矯正用第1剤または縮毛矯正用第2剤を構成する精製水以外の各成分の合計量に、精製水の量を加えて100%となるようにしたことを意味している。
Figure 2006298822
Figure 2006298822
表4および表5から分かるように、実施例1〜10の縮毛矯正用剤を用いて処理した毛髪は、縮毛矯正率が高く、良好に矯正されている。また、縮毛矯正処理後の毛髪が該処理により損傷を受けている場合には、しっとり感ややわらかさが損なわれてしまうが、実施例1〜10の縮毛矯正用剤を用いて処理した毛髪では、しっとり感ややわらかさも良好であり、縮毛矯正処理時の損傷が抑制されている。これに対し、比較例1〜7の縮毛矯正用剤を用いて処理した毛髪では、縮毛矯正率が低く矯正が不十分であるか、またはしっとり感ややわらかさが不十分で縮毛矯正処理により損傷している。

Claims (9)

  1. 少なくとも、還元剤がチオグリコール酸に換算して4.5質量%以下、およびジチオジグリコール酸またはその塩が1質量%以上配合され、更にポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルまたはその塩、およびポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル以外のリン酸エステルが配合されてなり、pHが5以下であることを特徴とする縮毛矯正用第1剤。
  2. ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルまたはその塩が、ポリオキシエチレンセチルエーテルリン酸である請求項1に記載の縮毛矯正用第1剤。
  3. ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル以外のリン酸エステルが、リン酸ジセチルである請求項1または2に記載の縮毛矯正用第1剤。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の縮毛矯正用第1剤と、
    少なくとも、酸化剤が配合されてなる縮毛矯正用第2剤とで構成されることを特徴とする縮毛矯正用剤。
  5. 縮毛矯正用第2剤には、更に、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルまたはその塩、およびポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル以外のリン酸エステルが配合されている請求項4に記載の縮毛矯正用剤。
  6. 縮毛矯正用第2剤におけるポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルまたはその塩が、ポリオキシエチレンセチルエーテルリン酸である請求項5に記載の縮毛矯正用剤。
  7. 縮毛矯正用第2剤におけるポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル以外のリン酸エステルが、リン酸ジセチルである請求項5または6に記載の縮毛矯正用剤。
  8. 請求項4〜7のいずれかに記載の縮毛矯正用剤を用いて縮毛を矯正処理する方法であって、
    縮毛矯正用第1剤を縮毛に塗布後、該縮毛を矯正し、該矯正後の縮毛を洗浄して縮毛矯正用第1剤を除去した後、縮毛矯正用第2剤を該縮毛に塗布して処理することを特徴とする縮毛の矯正処理方法。
  9. 縮毛矯正用第1剤の洗浄除去後、縮毛矯正用第2剤を塗布する前の縮毛を、表面温度が60〜220℃の高温整髪用アイロンを用いて更に矯正する請求項8に記載の縮毛の矯正処理方法。
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