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JP2006295911A - 情報取得方法、画像形成装置及び複写機 - Google Patents

情報取得方法、画像形成装置及び複写機 Download PDF

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JP2006295911A JP2006072105A JP2006072105A JP2006295911A JP 2006295911 A JP2006295911 A JP 2006295911A JP 2006072105 A JP2006072105 A JP 2006072105A JP 2006072105 A JP2006072105 A JP 2006072105A JP 2006295911 A JP2006295911 A JP 2006295911A
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Abstract

【課題】個人情報や機密情報が漏洩しているのではないかといった不信感をユーザーに抱かせることなく、複写機に蓄積されている電子情報を取得することができる情報取得方法を提供する。
【解決手段】ユーザーの複写機に搭載されているハードディスクなどの情報記憶手段に記憶されている電子化情報を文字画像としてその複写機にプリントアウトさせる文字画像形成工程と、ユーザーの複写機に接続していないパーソナルコンピュータ等の情報処理装置を用いて、複写機によってプリントアウトされた文字画像を電子文字データに変換する情報変換行程とを実施して、ユーザーの複写機の情報記憶手段に記憶されている電子化情報を電子文字データとして取得する。
【選択図】図1

Description

本発明は、記録紙等の記録体にインク像やトナー像などの画像を形成する複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に関するものである。また、画像形成装置の情報記憶手段に記憶されている電子化情報を取得するための情報取得方法に関するものである。
従来、画像形成装置の保守点検サービスを行う管理会社に有用なシステムとして、特許文献1に記載の画像形成装置サービスシステム(以下、単にサービスシステムという)が知られている。このサービスシステムは、重度の紙詰まりなどといったユーザーでは対処しきれない一過性の重度異常が画像形成装置内で発生した場合に、電話回線等の通信回線を通じてその発生を管理会社に自動通知する。管理会社は、その自動通知に基づいてユーザーの元にサービスマンを派遣することで、画像形成装置内で発生した一過性の重度異常を迅速に解消することができる。
画像形成装置内で発生する異常には、上述のような一過性の重度異常の他に、ユーザーによって容易に取り除くことができる軽度の紙詰まりなどといった一過性の軽度異常がある。また、容易に認知できるような目立った現象を示さないものの、部品の劣化進行に起因して正常な状態とは異なった現象を継続的に引き起こす慢性の軽度異常もある。紙送りタイミングのバラツキが比較的大きくなるなどといった認知され難い現象が発生する軽度異常である、部品の劣化が更に進行したことに起因して、装置を正常に動作させることができなくなるほど致命的なダメージを負ってしまう故障という現象も、画像形成装置内で発生する異常の一つである。これらのうち、一過性の重度異常については、ユーザーの元にサービスマンを派遣すれば迅速に解消することができる。また、一過性の軽度異常については、サービスマンを派遣するまでもなく、ユーザーによって迅速に解消される。一方、部品の劣化に起因する慢性の軽度異常は、容易に認知できるような目立った現象を示さないことから、気付かないままに放置されるのが一般的である。その結果、故障が発生すると、交換部品の手配などに長時間を要して、ユーザーに不便を強いてしまうことになる。
そこで、本発明者らは、非特許文献1に記載のMTS(Maharanobis Taguchi System)法などの統計学的手法を利用して、慢性の軽度異常をいち早く発見して、故障の発生を事前に予測することができる異常判定方法を開発中である。MTS法では、正常な状態の被検対象から、複数種類の情報からなる組情報を取得する。例えば、感光体の線速情報、高速プリントモードに設定されているか否かの情報、出力色数情報、などの組み合わせからなる組情報である。工場出荷直後や保守点検直後など、異常がないことが明らかなときの被検対象から、このような組情報を時系列毎に収集して複数の組情報の集合からなる正常データ群を構築する。その後、被検対象について正常であるか否かを調べたいときに、被検対象から再び組情報を取得する。そして、その情報について、予め構築しておいた正常データ群による多次元空間内でどのような相対位置関係にあるのかを示すマハラノビスの距離を求め、その結果に基づいて被検対象の正常さ加減を量る。かかるMTS法を用いれば、被検対象としての画像形成装置における慢性の軽度異常の発生をいち早く発見して、故障の発生を事前に予測することが可能になる。
特開2003−215986号公報 「MTシステムにおける技術開発」 刊行委員会委員長 田口玄一著 日本規格協会刊
かかるMTS法のように、予め構築しておいた正常データ群を用いて慢性の軽度異常の有無を判定する場合においては、その判定に先立って、できるだけ多くの組情報を正常な状態の装置から取得しておく必要がある。そして、そのためには、次のようにして正常データ群に組情報を追加していくことが望まれる。即ち、正常な状態で稼働している工場出荷直後の初期運転開始から、所定期間が経過するまでの期間に得られた組情報を、個々のユーザーの元で稼働している複数の画像形成装置からそれぞれ取得して、それを追加していくのである。
そこで、このようなデータの追加を実現すべく、ユーザーの画像形成装置に蓄えられた組情報を、通信回線によって定期的に管理会社に自動発信させる構成を採用したとする。すると、組情報のみならず、FAX番号一覧や、機密文書の複写画像データなどといった情報まで自動発信されて、個人情報や機密情報が漏洩しているのではないかといった不信感をユーザーに抱かせるおそれがある。また、サービスマンがユーザーの元に出向いた際に、画像形成装置に接続した端末機により、装置内に蓄積された組情報を吸い出すといった方法を採用したとしても、その吸い出しの際に、同様の不信感を抱かせるおそれがある。
なお、従来より、出荷後の画像形成装置の改良を行うために、ユーザーの元に派遣されたサービスマンが端末機を画像形成装置に接続して、装置の制御プログラムを更新するといった保守サービスが行われていた。この際、ユーザーに同様の不信感を抱かせていた可能性がある。
また、特許文献1に記載のサービスシステムのように、何らかの異常が発生した場合に通信回線を通じてその旨を自動通知するものにおいても、その自動通知の際に同様の不信感を抱かせていた可能性がある。
本発明は、以上の背景に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、次のような情報取得方法、画像形成装置及び複写機を提供することである。すなわち、個人情報や機密情報が漏洩しているのではないかといった不信感をユーザーに抱かせることなく、サービスマンに対して画像形成装置内の情報を取得させるか、更新させるか、あるいは通知することができる情報取得方法等である。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、被画像形成体に画像を形成する画像形成装置の情報記憶手段に記憶されている情報を取得する情報取得方法において、上記情報を文字情報の画像として上記画像形成装置に形成させる文字画像形成工程と、該画像形成装置に接続していない情報処理装置を用いて、該画像形成装置によって形成された該文字情報の画像を文字コードに変換する文字コード化工程とを実施して、上記画像形成装置の情報記憶手段に記憶されている上記情報を取得することを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の情報取得方法において、上記文字コード化工程に先立ち、上記画像形成装置によって形成された上記文字情報の画像を画像読取手段に読み取らせて画像データに変換する画像読取工程と、該画像データを上記情報処理装置に入力する情報入力工程とを実施した後、上記文字コード化工程にて、該情報処理装置に対して、該画像データに含まれる文字情報の画像を識別して文字コードに変換する文字識別変換処理を行わせることを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項2の情報取得方法において、上記文字識別変換処理によって得られた上記文字コードの文字を画像データに変換する文字画像化処理と、上記画像読取工程で得られた画像データと該文字画像化処理によって得られた画像データとを合成する画像合成処理と、合成後の画像データに基づいた文字の重ね合わせからなる画像を画像形成装置に形成させるための処理とを上記情報処理装置に行わせた後、その画像に基づいて、上記文字識別変換処理によって得られた上記文字コードを修正するコード修正工程を実施することを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、画像情報を取得する画像情報取得手段と、該画像情報取得手段によって取得された画像情報に基づいて被画像形成体に画像を形成する画像形成手段と、該画像形成手段の駆動を制御する制御手段と、該画像形成手段の状態を示す状態情報を取得する状態情報取得手段と、該状態情報を記憶する情報記憶手段とを備える画像形成装置において、上記情報記憶手段に記憶されている上記状態情報を、定期的、又は操作者からの命令に基づいて、文字情報の画像として上記画像形成手段に形成させる制御を実施させるように、上記制御手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項4の画像形成装置において、上記画像形成手段によって画像が形成される複数の被画像形成体のうち、上記画像情報取得手段によって取得された上記画像情報に基づく画像が形成されたものだけを載置する第1載置手段と、上記状態情報に基づく文字情報の画像が形成されたものだけを載置する第2載置手段とを、それぞれ別々に設けたことを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項4又は5の画像形成装置において、上記第2載置手段を画像形成装置の筺体内に配設したことを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項4乃至6の何れかの画像形成装置において、上記情報記憶手段に記憶されている上記状態情報のうち、上記画像形成手段によって上記文字情報の画像として形成されたものを定期的に上記情報記憶手段から削除する制御を実施させるように、上記制御手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項4乃至7の何れかの画像形成装置において、上記状態情報を上記文字情報の画像として形成する際に、該文字情報の画像とともに所定の基準画像を形成する制御を実施させるように、上記制御手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、画像を読み取って画像データに変換する画像読取手段と、該画像読取手段によって得られた画像データに基づいて被画像形成体に画像を形成する画像形成手段と、制御プログラムを記憶するプログラム記憶手段と、該プログラム記憶手段に記憶されている制御プログラムに基づいて該画像読取手段及び該画像形成手段の駆動を制御する制御手段とを備える複写機において、上記画像読取手段によって得られた画像データに含まれる文字を識別して文字コードに変換する文字識別変換手段と、該文字識別変換手段によって得られた該文字コードに基づいて、上記プログラム記憶手段に記憶されている制御プログラムを更新するプログラム更新手段とを設けたことを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項9の複写機において、上記プログラム記憶手段に記憶されている制御プログラムを表示する表示手段と、該制御プログラムを修正するための修正データを入力するデータ入力手段とを設けたことを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項10の複写機において、上記文字識別変換手段によって得られた上記文字コードを画像データに変換するコード画像化手段を設けるとともに、該画像データに基づく文字情報の画像を上記画像形成手段に形成させるための制御プログラムを上記プログラム記憶手段に記憶させたことを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項11の複写機において、上記文字識別変換手段によって得られた上記文字コードの文字を画像データに変換する画像化手段と、該画像データと上記画像読取手段によって得られた画像データとを合成する画像合成手段とを設けるとともに、合成後の画像データに基づいて上記画像形成手段に文字の重ね合わせによる画像を形成させるための制御プログラムを上記プログラム記憶手段に記憶させたことを特徴とするものである。
また、請求項13の発明は、画像データに基づいて被画像形成体に画像を形成する画像形成手段と、情報記憶手段に記憶されている情報に基づいて該画像形成手段における異常の発生の有無を判定する異常判定手段とを備える画像形成装置において、上記異常判定手段によって異常の発生ありと判定された場合に、その旨の情報である異常発生情報及び保守サービス機関への連絡先情報を含む異常通知画像を被画像形成体に形成するように、上記画像形成手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項14の発明は、請求項13の画像形成装置であって、上記異常判定手段として、発生した異常の種類を判別するものを用いるとともに、上記情報記憶手段として、該画像形成装置の機種情報を記憶しているものを用い、且つ、上記異常通知画像として、上記異常発生情報及び連絡先情報に加えて、発生した異常の種類情報、及び該機種情報を含むものを形成することを特徴とするものである。
また、請求項15の発明は、請求項13又は14の画像形成装置において、情報処理装置から電話回線やインターネット回線を介さずに送信されてくる画像データを受信したり、該情報処理装置に所定の情報を送信したりする通信手段を設け、上記異常発生情報を上記通信手段から該情報処理装置に送信させるようにしたことを特徴とするものである。
また、請求項16の発明は、請求項15の画像形成装置において、電話回線やインターネット回線を介さずに上記通信手段に画像データを送信してくる複数の情報処理装置のうち、異常発生直前又は直後に画像データを送信してきた情報処理装置に対して上記異常発生情報を送信させるようにしたことを特徴とするものである。
また、請求項17の発明は、請求項15の画像形成装置において、電話回線やインターネット回線を介さずに上記通信手段に画像データを送信してくる複数の情報処理装置のうち、予め定められた特定の情報処理装置に対して上記異常発生情報を送信させるようにしたことを特徴とするものである。
また、請求項18の発明は、請求項13乃至17の画像形成装置において、情報を表示する情報表示手段と、上記保守サービス機関への連絡が行われたか否かを確認するための確認情報を受け付ける確認情報受付手段とを設け、上記異常判定手段によって異常の発生ありと判定されてから、該確認情報受付手段によって該確認情報が受け付けられるまでの間に、該保守サービス機関への連絡が必要である旨の情報を定期的あるいは連続して表示するように、該情報表示手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項19の発明は、請求項16又は17の画像形成装置において、情報を表示する情報表示手段と、上記保守サービス機関への連絡が行われたか否かを確認するための確認情報を受け付ける確認情報受付手段とを設け、上記異常判定手段によって異常の発生ありと判定されてから、該確認情報受付手段によって該確認情報が受け付けられるまでの間に、上記情報処理装置に対して上記異常発生情報を定期的に送信させるようにしたことを特徴とするものである。
また、請求項20の発明は、請求項18又は19の画像形成装置において、原稿に形成されている画像を読み取る画像読取手段と、該画像読取手段によって読み取られた画像の中から上記異常通知画像を検出する異常通知画像検出手段と、該画像読取手段によって読み取られた画像を、電話回線を通じて送信する画像送信手段とを設け、且つ、上記異常通知画像を検出した旨の情報と、該異常通知画像を含む画像を該画像送信手段によって送信した旨の情報との組合せを上記確認情報として受け付けさせるように、上記確認情報受付手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項21の発明は、請求項18又は19の画像形成装置において、上記確認情報受付手段として、所定の認証情報が入力された場合にそれを上記確認情報として受け付けるものを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項22の発明は、請求項21の画像形成装置において、上記認証情報を作成して上記情報記憶手段に記憶させる認証情報作成手段と、作成された認証情報を所定の規則に従って暗号化する暗号化手段と、暗号化された認証情報を報知する報知手段とを設けたことを特徴とするものである。
また、請求項23の発明は、電子メールを送信する手段としてコンピュータを機能させるためのプログラムを記録した機械読み取り可能な記録媒体において、上記コンピュータに接続されている画像形成装置から送られてきた異常発生情報を該コンピュータに接続されている表示手段に表示させる処理と、該異常発生情報を保守サービス機関に送信して良いか否かを操作者に問い合わせるための処理と、送信して良いという問い合わせ結果が該操作者から得られた場合に、該異常通知情報を電子メールで所定の電子メールアドレスに送信する処理とを行う手段として、コンピュータを機能させるためのプログラムを記録していることを特徴とするものである。
また、請求項24の発明は、請求項23の記録媒体において、上記異常発生情報を送信して良いという問い合わせ結果が上記操作者から得られなかった場合に、上記異常発生情報を示す画像を形成するための画像情報を上記画像形成装置に送信する処理を行う手段として、コンピュータを機能させるためのプログラムを記録していることを特徴とするものである。
これらの発明において、請求項1乃至3の情報取得方法では、画像形成装置の情報記憶手段に蓄積された情報を、人間の目に見えないそのままの状態で画像形成装置から出力させるのではなく、人間の目に見える文字情報の画像として該画像形成装置に形成させる。そして、得られた文字情報の画像をユーザーから提供してもらう。この文字情報の画像は人間の目に見えるため、ユーザーはその文字情報を視認して、サービスマンに提供する情報の内容を確認することが可能である。ユーザーから文字情報の画像が提供されたら、そのユーザーの画像形成装置に接続していない情報処理装置に対して、その画像に基づいた文字情報をキーボード等によって手入力するなどして、画像を文字コードに変換する。これにより、ユーザーの画像形成装置に情報端末機を接続することなく、その画像形成装置に蓄積された情報を、情報処理装置内に取得することが可能になる。このような情報の取得においては、画像形成装置に接続した情報端末機等によって画像形成装置内の情報を目に見えない状態で取得するのではなく、視認によってユーザーに内容を確認してもらった情報だけを取得することで、個人情報や機密情報が漏洩しているのではないかといった不信感をユーザーに抱かせることがなくなる。よって、かかる不信感をユーザーに抱かせることなく、画像形成装置内の蓄積情報をサービスマンに取得させることができる。
また、請求項4乃至8の画像形成装置では、各種センサ等によって取得した状態情報を情報記憶手段に記憶した後、その状態情報を文字情報の画像として、定期的に形成したり、操作者の命令に基づいて形成したりする。かかる文字情報の画像は人間の目に見えるため、ユーザーはその文字情報を視認して、内容を確認することが可能である。そして、内容を確認してもらった後に、サービスマンに提供してもらうことも可能である。文字情報の画像がユーザーから提供されたサービスマンは、情報端末機を画像形成装置に接続するといった作業を行うことなく、複写機の状態情報を取得することが可能になる。よって、個人情報や機密情報が漏洩しているのではないかといった不信感をユーザーに抱かせることなく、複写機の状態情報をサービスマンに取得させることができる。
また、請求項9乃至12の複写機では、制御プログラムが記載された文字情報の画像をスキャナ等の画像読取手段によって読み取って画像データに変換する。そして、画像データに含まれる文字をOCR(光学式文字識別装置)等の文字識別変換手段によって識別して文字コードに変換させることで、複写機に情報端末機を接続するといった作業をサービスマンに行わせることなく、制御プログラムを更新することができる。これにより、個人情報や機密情報が漏洩しているのではないかといった不信感をユーザーに抱かせることなく、サービスマンに画像形成装置の制御プログラムを更新させることができる。
また、請求項13乃至22の画像形成装置においては、異常が発生した場合に、異常発生情報及び連絡先情報を含む異常通知画像を形成する。この異常通知画像は人間の目に見えるため、ユーザーはそれに含まれている情報の内容を確認することが可能である。かかる構成では、ユーザーに対して、異常通知画像の内容を確認してもらった後、それに含まれる連絡先に連絡してもらったり、異常通知画像をその連絡先にFAXしてもらったりすることが可能になる。よって、個人情報や機密情報が漏洩しているのではないかといった不信感をユーザーに抱かせることなく、画像形成装置の異常発生情報をサービスマンに通知することができる。
また、請求項23乃至24の記録媒体においては、それに記録しているプログラムにより、画像形成装置からコンピュータに向けて送られてきた異常発生情報を表示手段に表示させることで、ユーザーに対して、異常発生情報の内容を確認してもらう。そして、その異常発生情報を電子メールとして保守サービス機関に送信しても良いという了承がユーザーから得られた場合に、コンピュータにより、異常発生情報を電子メールで所定の電子メールアドレスに送信させる。かかる構成では、ユーザーに内容を確認してもらい且つ了承してもらった異常発生情報を保守サービス機関の電子メールに送信することで、個人情報や機密情報が漏洩しているのではないかといった不信感をユーザーに抱かせることなく、画像形成装置の異常発生情報をサービスマンに通知することができる。
以下、本発明の第1実施形態として、画像形成装置たる複写機に蓄積されている情報を取得する情報取得方法の実施形態について説明する。
図1は、本第1実施形態に係る情報取得方法における作業工程の概要を示すフローチャートである。この情報取得方法において、複写機の保守点検を行うサービス機関のサービスマンは、まず、ユーザーの元において複写機のハードディスクやRAMなどといった情報記憶手段に記憶されている電子化情報を文字画像としてその複写機にプリントアウトさせる文字画像形成工程を実施する(ステップ1:以下、ステップをSと記す)。複写機の情報記憶手段に記憶されている電子化情報としては、各種センサによる検知情報、制御パラメータ情報、変数カウント情報などが挙げられる。
図2は、上述の文字画像形成工程において複写機によって文字画像が形成されたプリントアウト紙の一例を示す模式図である。同図において、カウンタ値とは、プリントアウト枚数の累積カウント値のことである。カウンタ値としては、トータルカウンタ値、白黒カウンタ値、カラーカウンタ値、モノカラーカウンタ値、両面カウンタ値、A3カウンタ値が記憶されている。トータルカウンタ値は、プリントアウト画像の色、プリントアウト紙のサイズ、両面プリントと片面プリントとの区別、などに関係なく、プリントアウトが行われた際に無条件でカウントされる値である。また、白黒カウンタ値は、白黒プリントが行われた場合にカウントされる値である。また、カラーカウンタ値は、2色以上のプリントが行われた場合にカウントされる値である。また、モノカラーカウンタ値は、黒以外の1色プリントが行われた場合にカウントされる値である。また、両面カウンタ値は、両面プリントが行われた場合にカウントされる値である。また、A3カウンタ値は、A3サイズの記録紙にプリントアウトが行われた場合にカウントされる値である。
また、感光体動作数とは、感光体の回転回数のことである。また、現像器動作数とは、現像ローラの回転回数のことである。また、定着器動作数とは、定着ローラの回転回数又は定着ベルトの周回数のことである。また、転写動作数とは、中間転写ベルトの周回数のことである。また、平均画像面積率は、プリントアウト毎における画像面積率を累積して平均した値を100倍にしたものである。また、プリントアウト毎における画像面積率は、出力画素数に基づいて算出したプリントアウト紙面上における画像面積を紙面総面積で除算した値を100倍にしたものである。平均画像面積率も、Y,M,C,K毎に算出される。
また、現像開始電圧とは、後述する現像装置内において現像動作の開始時に現像スリーブに印加される現像バイアスの値のことである。現像装置は、Y,M,C,Kの各色毎に専用のものが設けられているので、現像開始電圧も各色毎に記憶される。
複写機内の情報記憶手段には、これらの各種情報が電子化情報として記憶されており、サービスマンは複写機の操作パネルに特殊な暗号を入力するなどして、これらの各種情報を図示のような文字画像としてプリントアウトさせる。このようにして文字画像形成工程を終えたら、ユーザーの複写機に接続していないパーソナルコンピュータや情報端末機などの情報処理装置を用いて、プリントアウト紙の文字画像を電子文字データに変換する情報変換工程(図1のS2)を実施する。これにより、ユーザーの複写機内に蓄積されていた電子化情報を、間接的に取得して情報処理装置に記憶させる。このような情報取得方法においては、サービス機関の情報処理装置をユーザーの複写機に電話回線やケーブルで接続することなく、複写機内の電子化情報を情報処理装置に記憶させる。更に、取得する電子化情報については、プリントアウト紙の文字画像として予めユーザーにその内容を確認してもらうことができる。これらの結果、個人情報や機密情報が漏洩しているのではないかといった不信感をユーザーに抱かせることがなくなる。
上述した情報変換工程については、サービスマンが持参した情報処理装置を用いてユーザーのもとで行ってもよいし、プリントアウト紙をサービス機関に持ち帰ってからそこで行ってもよい。情報変換工程の具体的態様としては、プリントアウト紙に記録されている文字画像に基づいて、情報処理装置のキー操作によって文字情報を手入力することが挙げられる。但し、この場合、手入力に多大な手間を要してしまう。そこで、情報変換工程に先立って、次のような構成を行うことが望ましい。即ち、プリントアウト紙の文字画像をスキャナ等の画像読取手段に読み取らせて電子画像データに変換する画像読取工程や、その電子画像データを情報処理装置に入力する情報入力工程である。そして、これらの工程を実施した後、情報変換工程において、情報処理装置に対して、予め入力しておいた電子画像データに含まれる文字画像を識別して電子文字データ(電子テキスト文書)に変換する文字識別変換処理を行わせる。かかる文字識別変換処理としては、従来から周知になっているOCR(光学的文字認識処理)を用いることが可能である。このようにすれば、情報処理装置に文字情報を手入力するといった手間を無くして、作業の効率化を図ることができる。
上述の文字識別変換処理においては、情報処理装置による識別精度に限界があり、どうしても文字の誤認識が発生してしまう。そして、これにより、誤った情報を取得することがある。そこで、文字識別変換処理を行う場合には、次のようにして、文字の誤認識の有無を確認することが望ましい。即ち、まず、文字識別処理によって得られた電子文字データを周知の技術によってビットマップデータ等の電子画像データに変化する文字データ画像化処理を情報処理装置に実施させる。次に、その電子画像データ(以下、文字認識後の電子画像データという)と、先にユーザーから提供されたプリントアウト画像の画像読取手段による読み取りで得ておいた電子画像データ(以下、オリジナル電子画像データという)とを、周知の技術によって合成して1つの電子画像データにするデータ合成処理を情報処理装置に実施させる。そして、合成後の電子画像データに基づいた文字画像をサービス機関に設置されているプリンタ等の画像形成装置に形成させるための処理を情報処理装置に行わせて、文字画像をプリントアウトする。このプリントアウトにより、例えば図3に示すように、オリジナル電子画像データにおける各文字画像I1と、文字認識後の電子画像データにおける各文字画像I2とが重ね合わせて印字される。文字識別変換処理において誤認識が発生した場合には、図中矢印で示したように、誤認識された文字とオリジナルの文字との重なりのズレが生じて、文字の視認が困難になるので、誤認識された文字を容易に特定することができる。オリジナル電子画像データと、文字認識後の電子画像データとを互いに異なる色でプリントアウトさせるようにすれば、誤認識された文字の特定が更に容易になる。誤認識された文字を発見した場合には、キー入力操作によってそれを正しい文字に修正する。
次に、本第1実施形態に係る情報取得方法によって取得した各種情報に基づいて、複写機における慢性の軽度異常の有無を判定する方法について説明する。
この判定については、例えばMTS法によるマハラノビスの距離を求めて行う。マハラノビスの距離を求めるためには、正常な状態の複写機から取得した複数種類の情報からなる組情報の集まりである組情報群(正常データ群)を構築する必要がある。この構築については、第1実施形態に係る情報取得方法によって各種情報を取得して行うことになる。
次に示す表1は、上述の組情報群を構築するための組情報群構築処理において構築される取得データテーブルの一例である。この取得データテーブルでは、k種類の情報からなる組情報をn組取得して逆行列を構成する例を示している。
Figure 2006295911
組情報群構築処理では、まず、1組目の組情報を構成するk種類の情報(y11、y12・・・・・・y1k)がそれぞれプリントアウト紙に基づいて取得される。そして、データテーブル内の1行目のデータとして、情報処理装置の情報記憶手段に記憶される。次いで、2組目の組情報を構成するk種類の情報(y21、y22・・・・・・y2k)がそれぞれプリントアウト紙に基づいて取得され、データテーブル内の2行目のデータとして、情報処理装置の情報記憶手段に記憶される。以降、3組目以降の組情報がプリントジョブに伴って順次取得されていき、データテーブル内のデータとして記憶されていく。そして、n組目の組情報が取得されて、データテーブル内のn行目のデータとして情報記憶手段に記憶される。所定期間が経過すると、各組情報を構成するk種類の情報について、それぞれn個における平均と標準偏差(σ)とが求められて、それぞれn+1、n+2行目のデータとして、情報処理装置の情報記憶手段に記憶される。
上述の所定期間が経過してこのような取得データテーブル構築工程が終わると、その直後に、逆行列構築処理が行われる。この逆行列構築処理では、以下に説明する情報正規化工程と、相関係数算出工程と、逆行列変換工程とが実施される。
逆行列構築処理における情報正規化工程では、表1に示した取得データテーブルに基づいて、次の表2に示すような正規化データテーブルが構築される。
Figure 2006295911
データの正規化とは、各種情報について、その絶対値情報を変量情報に変換するための処理であり、次に示す関係式に基づいて、各種情報の正規化データが算出される。なお、次式におけるiは、n組の組情報のうちの何れか1つであることを示す符号である。また、jは、k種類の情報のうちの何れか1つであることを示す符号である。
Figure 2006295911
上記情報正規化工程が終わると、次に、相関係数算出工程が行われる。この相関係数算出工程では、n組の正規化データ群において、それぞれk種類の正規化データのうち、互いに異なる2種類が成立し得る全ての組合せ(通り)について、次式に基づいて相関係数rpq(rqp)が算出される。
Figure 2006295911
全ての組合せについての相関係数rpq(rqp)が算出されると、次に、対角要素を1、その他のp行q列の要素を相関係数rpqとした、k×k個の相関係数行列Rが構築される。なお、この相関係数行列Rの内容を、次式に示す。
Figure 2006295911
このような相関係数算出工程が終わると、次に、行列変換工程が実施される。この行列変換工程により、上記数3で示した相関係数行列Rが、次式で示される逆行列A(R−1)に変換される。
Figure 2006295911
以上のようにして逆行列Aを構築したら、それを各ユーザーに提供して、各ユーザーの複写機の情報記憶手段に記憶させ、それに基づいて各複写機に異常判定処理を行わせればよい。この異常判定処理では、プリントジョブ毎に、情報取得手段によって定期的に取得した各種の情報の全て又は一部の組合せからなる組情報について、逆行列Aによる多次元空間内におけるマハラノビスの距離(以下、マハラノビス距離という)Dを、次式に基づいて算出する。
Figure 2006295911
図4は、組情報群構築処理から行列変換工程までの一連のプロセスを示すフローチャートである。同図において、まず、複写機の状態と関連があるk個の情報が、複写機を動作させながらn組取得される(ステップ1−1:以下、ステップをSと記す)。次に、情報の種類(j)毎に、上記数1の関係式に基づいた平均値と標準偏差σとが算出され、算出結果に基づいて正規化データテーブルが構築される(S1−2)。そして、正規化データテーブルに基づいて相関係数行列Rが構築された後(S1−3)、逆行列Aに変換される(S1−4)。
図5は、逆行列Aと各種取得データとに基づいてマハラノビス距離Dを算出する手順を示すフローチャートである。この手順では、まず、任意の状態でのk種類のデータx1,x2,・・・,xkが取得される(S2−1)。データの種類はy11,y12,・・・,y1kなどに対応する。次に、上記数1の関係式に基づいて、それぞれの取得データがX1,X2,・・・,Xkといった具合に規格化される。そして、すでに構築されている逆行列Aの要素akkを用いて決められた上記数5の関係式により、マハラノビス距離Dの二乗が算出される。図中の「Σ」は、添字pおよびqに関する総和を表している。
複写機の制御部は、このようにして求めたマハラノビス距離Dを、予め設定した閾値と比較する。そして、マハラノビス距離Dが閾値よりも大きい場合には、取得された組情報について正常分布から大きくずれている異常データであると判定して、操作表示部に故障発生注意情報を表示する。
次に、本発明の第2実施形態として、電子写真方式の複写機の実施形態について説明する。
まず、この複写機の基本的な構成について説明する。図6は、本複写機を示す概略構成図である。この複写機は、プリンタ部100と給紙部200とからなる画像形成手段と、スキャナ部300と、原稿搬送部400とを備えている。スキャナ部300はプリンタ部100上に取り付けられ、そのスキャナ部300の上に原稿自動搬送装置(ADF)からなる原稿搬送部400が取り付けられている。
スキャナ部300は、コンタクトガラス32上に載置された原稿の画像情報を読取センサ36で読み取り、読み取った画像情報を図示しない制御部に送る。制御部は、スキャナ部300から受け取った画像情報に基づき、プリンタ部100の露光装置21内に配設された図示しないレーザやLED等を制御してドラム状の4つの感光体40K,Y,M,Cに向けてレーザ書き込み光Lを照射させる。この照射により、感光体40K,Y,M,Cの表面には静電潜像が形成され、この潜像は所定の現像プロセスを経由してトナー像に現像される。なお、符号の後に付されたK,Y,M,Cという添字は、ブラック,イエロー,マゼンタ,シアン用の仕様であることを示している。
プリンタ部100は、露光装置21の他、1次転写ローラ62K,Y,M,C、2次転写装置22、定着装置25、排紙装置、図示しないトナー供給装置、トナー供給装置等も備えている。
給紙部200は、プリンタ部100の下方に配設された自動給紙部と、プリンタ部100の側面に配設された手差し部とを有している。そして、自動給紙部は、ペーパーバンク43内に多段に配設された2つの給紙カセット44、給紙カセットから記録体たる転写紙を繰り出す給紙ローラ42、繰り出した被画像形成体たる転写紙を分離して給紙路46に送り出す分離ローラ45等を有している。また、プリンタ部100の給紙路48に転写紙を搬送する搬送ローラ47等も有している。一方、手差し部は、手差しトレイ51、手差しトレイ51上の転写紙を手差し給紙路53に向けて一枚ずつ分離する分離ローラ52等を有している。
プリンタ部100の給紙路48の末端付近には、レジストローラ対49が配設されている。このレジストローラ対49は、給紙カセット44や手差しトレイ51から送られてくる転写紙を受け入れた後、所定のタイミングで中間転写体たる中間転写ベルト10と2次転写装置22との間に形成される2次転写ニップに送る。
本複写機において、操作者は、カラー画像のコピーをとるときに、原稿搬送部400の原稿台30上に原稿をセットする。あるいは、原稿搬送部400を開いてスキャナ部300のコンタクトガラス32上に原稿をセットした後、原稿搬送部400を閉じて原稿を押さえる。そして、図示しないスタートスイッチを押す。すると、原稿搬送部400に原稿がセットされている場合には原稿がコンタクトガラス32上に搬送された後に、コンタクトガラス32上に原稿がセットされている場合には直ちに、スキャナ部300が駆動を開始する。そして、第1走行体33及び第2走行体34が走行し、第1走行体33の光源から発せられる光が原稿面で反射した後、第2走行体34に向かう。更に、第2走行体34のミラーで反射してから結像レンズ35を経由して読取りセンサ36に至り、画像情報として読み取られる。
このようにして画像情報が読み取られると、プリンタ部100は、図示しない駆動モータで支持ローラ14、15、16の1つを回転駆動させながら他の2つの支持ローラを従動回転させる。そして、これらローラに張架される中間転写ベルト10を無端移動させる。更に、上述のようなレーザ書き込みや、後述する現像プロセスを実施する。そして、感光体40K,Y,M,Cを回転させながら、それらに、ブラック,イエロー,マゼンタ,シアンの単色画像を形成する。これらは、感光体40K,Y,M,Cと、中間転写ベルト10とが当接するK,Y,M,C用の1次転写ニップで順次重ね合わせて静電転写されて4色重ね合わせトナー像になる。感光体40K、40Y、40M、40C上にトナー像を形成する。
一方、給紙部200は、画像情報に応じたサイズの転写紙を給紙すべく、3つの給紙ローラのうちの何れか1つを作動させて、転写紙をプリンタ部100の給紙路48に導く。給紙路48内に進入した転写紙は、レジストローラ対49に挟み込まれて一旦停止した後、タイミングを合わせて、中間転写ベルト10と2次転写装置22の2次転写ローラ23との当接部である2次転写ニップに送り込まれる。すると、2次転写ニップにおいて、中間転写ベルト10上の4色重ね合わせトナー像と、転写紙とが同期して密着する。そして、ニップに形成されている転写用電界やニップ圧などの影響によって4色重ね合わせトナー像が転写紙上に2次転写され、紙の白色と相まってフルカラー画像となる。
2次転写ニップを通過した転写紙は、2次転写装置22の搬送ベルト24の無端移動によって定着装置25に送り込まれる。そして、定着装置25の加圧ローラ27による加圧力と、加熱ベルトによる加熱との作用によってフルカラー画像が定着せしめられた後、排出ローラ56を経てプリンタ部100の側面に設けられた排紙トレイ57上に排出される。
図7は、プリンタ部100を示す拡大構成図である。プリンタ部100は、ベルトユニット、各色のトナー像を形成する4つのプロセスユニット18K,Y,M,C、2次転写装置22、ベルトクリーニング装置17、定着装置25等を備えている。
ベルトユニットは、複数のローラに張架した中間転写ベルト10を、感光体40K,Y,M,Cに当接させながら無端移動させる。感光体40K,Y,M,Cと中間転写ベルト10とを当接させるK,Y,M,C用の1次転写ニップでは、1次転写ローラ62K,Y,M,Cによって中間転写ベルト10を裏面側から感光体40K,Y,M,Cに向けて押圧している。これら1次転写ローラ62K,Y,M,Cには、それぞれ図示しない電源によって1次転写バイアスが印加されている。これにより、K,Y,M,C用の1次転写ニップには、感光体40K,Y,M,C上のトナー像を中間転写ベルト10に向けて静電移動させる1次転写電界が形成されている。各1次転写ローラ62K,Y,M,Cの間には、中間転写ベルト10の裏面に接触する導電性ローラ74がそれぞれ配設されている。これら導電性ローラ74は、1次転写ローラ62K,Y,M,Cに印加される1次転写バイアスが、中間転写ベルト10の裏面側にある中抵抗の基層11を介して隣接するプロセスユニットに流れ込むことを阻止するものである。
プロセスユニット(18K,Y,M,C)は、感光体(40K,Y,M,C)と、その他の幾つかの装置とを1つのユニットとして共通の支持体に支持するものであり、プリンタ部100に対して着脱可能になっている。ブラック用のプロセスユニット18Kを例にすると、これは、感光体40Kの他、感光体40K表面に形成された静電潜像をブラックトナー像に現像するための現像手段たる現像ユニット61Kを有している。また、1次転写ニップを通過した後の感光体40K表面に付着している転写残トナーをクリーニングする感光体クリーニング装置63Kも有している。また、クリーニング後の感光体40K表面を除電する図示しない除電装置や、除電後の感光体40K表面を一様帯電せしめる図示しない帯電装置なども有している。他色用のプロセスユニット18Y,M,Cも、取り扱うトナーの色が異なる他は、ほぼ同様の構成になっている。本複写機では、これら4つのプロセスユニット18K,Y,M,Cを、中間転写ベルト10に対してその無端移動方向に沿って並べるように対向配設したいわゆるタンデム型の構成になっている。
図8は、4つのプロセスユニット18K,Y,M,Cからなるタンデム部20の一部を示す部分拡大図である。なお、4つのプロセスユニット18K,Y,M,Cは、それぞれ使用するトナーの色が異なる他はほぼ同様の構成になっているので、同図においては各符号に付すK,Y,M,Cという添字を省略している。同図に示すように、プロセスユニット18は、感光体40の周りに、帯電手段としての帯電装置60、現像装置61、1次転写手段としての1次転写ローラ62、感光体クリーニング装置63、除電装置64等を備えている。
感光体40としては、アルミニウム等の素管に、感光性を有する有機感光材を塗布し、感光層を形成したドラム状のものを用いている。但し、無端ベルト状のものを用いても良い。また、帯電装置60としては、帯電バイアスが印加される帯電ローラを感光体40に当接させながら回転させるものを用いている。感光体40に対して非接触で帯電処理を行うスコロトロンチャージャ等を用いてもよい。
現像装置61は、磁性キャリアと非磁性トナーとを含有する二成分現像剤を用いて潜像を現像するようになっている。内部に収容している二成分現像剤を攪拌しながら搬送して現像スリーブ65に供給する攪拌部66と、現像スリーブ65に付着した二成分現像剤のうちのトナーを感光体4K,Y,M,Cに転移させる現像部67とを有している。
攪拌部66は、現像部67よりも低い位置に設けられており、互いに平行配設された2本のスクリュウ68、これらスクリュウ間に設けられた仕切り板、現像ケース70の底面に設けられたトナー濃度センサ71などを有している。
現像部67は、現像ケース70の開口を通して感光体40に対向する現像スリーブ65、これの内部に回転不能に設けられたマグネットローラ72、現像スリーブ65に先端を接近させるドクタブレード73などを有している。ドクタブレード73と現像スリーブ65との間の最接近部における間隔は500[μm]程度に設定されている。現像スリーブ65は、非磁性の回転可能なスリーブ状の形状になっている。また、現像スリーブ65に連れ回らないようにないようされるマグネットローラ72は、例えば、ドクタブレード73の箇所から現像スリーブ65の回転方向にN1、S1、N2、S2、S3の5磁極を有している。これら磁極は、それぞれスリーブ上の二成分現像剤に対して回転方向の所定位置で磁力を作用させる。これにより、攪拌部66から送られてくる二成分現像剤を現像スリーブ65表面に引き寄せて担持させるとともに、スリーブ表面上で磁力線に沿った磁気ブラシを形成する。
磁気ブラシは、現像スリーブ65の回転に伴ってドクタブレード73との対向位置を通過する際に適正な層厚に規制されてから、感光体40に対向する現像領域に搬送される。そして、現像スリーブ65に印加される現像バイアスと、感光体40の静電潜像との電位差によって静電潜像上に転移して現像に寄与する。更に、現像スリーブ65の回転に伴って再び現像部67内に戻り、マグネットローラ72の磁極間の反発磁界の影響によってスリーブ表面から離脱した後、攪拌部66に戻される。攪拌部66内では、トナー濃度センサ71による検知結果に基づいて、二成分現像剤に適量のトナーが補給される。なお、現像装置61として、二成分現像剤を用いるものの代わりに、磁性キャリアを含まない一成分現像剤を用いるものを採用してもよい。
感光体クリーニング装置63としては、ポリウレタンゴム製のクリーニングブレード75を感光体40に押し当てる方式のものを用いているが、他の方式のものを用いてもよい。クリーニング性を高める目的で、本例では、外周面を感光体40に接触させる接触導電性のファーブラシ76を、図中矢印方向に回転自在に有するクリーニング装置63を採用している。そして、ファーブラシ76にバイアスを印加する金属製電界ローラ77を図中矢示方向に回転自在に設け、その電界ローラ77にスクレーパ78の先端を押し当てている。スクレーパ78によって電界ローラ77から除去されたトナーは、回収スクリュ79上に落下して回収される。
かかる構成の感光体クリーニング装置63は、感光体40に対してカウンタ方向に回転するファーブラシ76で、感光体40上の残留トナーを除去する。ファーブラシ76に付着したトナーは、ファーブラシ76に対してカウンタ方向に接触して回転するバイアスを印加された電界ローラ77に取り除かれる。電界ローラ77に付着したトナーは、スクレーパ78でクリーニングされる。感光体クリーニング装置63で回収したトナーは、回収スクリュ79で感光体クリーニング装置63の片側に寄せられ、トナーリサイクル装置80で現像装置61へと戻されて再利用される。
除電装置64は、除電ランプ等からなり、光を照射して感光体40の表面電位を除去する。このようにして除電された感光体40の表面は、帯電装置60によって一様帯電せしめられた後、光書込処理がなされる。
ベルトユニットの図中下方には、2次転写装置22が設けられている。この2次転写装置22は、2つのローラ23間に、2次転写ベルト24を掛け渡して無端移動させている。2つのローラ23のうち、一方は図示しない電源によって2次転写バイアスが印加される2次転写ローラとなっており、ベルトユニットのローラ16との間に中間転写ベルト10と2次転写ベルト24とを挟み込んでいる。これにより、両ベルトが当接しながら当接部で互いに同方向に移動する2次転写ニップが形成されている。レジストローラ対49からこの2次転写ニップに送り込まれた転写紙には、中間転写ベルト10上の4色重ね合わせトナー像が2次転写電界やニップ圧の影響で一括2次転写されて、フルカラー画像が形成される。2次転写ニップを通過した転写紙は、中間転写ベルト10から離間して、2次転写ベルト24の表面に保持されながら、ベルトの無端移動に伴って定着装置25へと搬送される。なお、2次転写ローラに代えて、転写チャージャ等によって2次転写を行わせるようにしてもよい。
2次転写ニップを通過した中間転写ベルト10の表面は、支持ローラ15による支持位置にさしかかる。ここでは、中間転写ベルト10が、おもて面(ループ外面)に当接するベルトクリーニング装置17と、裏面に当接する支持ローラ15との間に挟み込まれる。そして、ベルトクリーニング装置17により、おもて面に付着している転写残トナーが除去された後、K,Y,M,C用の1次転写ニップに順次進入して、次の4色トナー像が重ね合わされる。
ベルトクリーニング装置17は、2つのファーブラシ90,91を有している。これらは、複数の起毛をその植毛方向に対してカウンタ方向で中間転写ベルト10に当接させながら回転することで、ベルト上の転写残トナーを機械的に掻き取る。加えて、図示しない電源によってクリーニングバイアスが印加されることで、掻き取った転写残トナーを静電的に引き寄せて回収する。
ファーブラシ90,91に対しては、それぞれ金属ローラ92,93が接触しながら、順または逆方向に回転している。これら金属ローラ92,93のうち、中間転写ベルト10の回転方向上流側に位置する金属ローラ92には、電源94によってマイナス極性の電圧が印加されている。また、下流側に位置する金属ローラ93には、電源95によってプラス極性の電圧が印加される。そして、それらの金属ローラ92,93には、それぞれブレード96,97の先端が当接している。かかる構成では、中間転写ベルト10の図中矢印方向への無端移動に伴って、まず、上流側のファーブラシ90が中間転写ベルト10表面をクリーニングする。このとき、例えば金属ローラ92に−700[V]が印加されながら、ファーブラシ90に−400[V]が印加されると、まず、中間転写ベルト10上のプラス極性のトナーがファーブラシ90側に静電転移する。そして、ファーブラシ側に転移したトナーが更に電位差によってファーブラシ90から金属ローラ92に転移して、ブレード96によって掻き落とされる。
このように、ファーブラシ90で中間転写ベルト10上のトナーが除去されるが、中間転写ベルト10上にはまだ多くのトナーが残っている。それらのトナーは、ファーブラシ90に印加されるマイナス極性のバイアスにより、マイナスに帯電される。これは、電荷注入または放電により帯電されるものと考えられる。次いで下流側のファーブラシ91を用いて今度はプラス極性のバイアスを印加してクリーニングを行うことにより、それらのトナーを除去することができる。除去したトナーは、電位差によりファーブラシ91から金属ローラ93に転移させ、ブレード97により掻き落とす。ブレード96、97で掻き落としたトナーは、不図示のタンクに回収される。
ファーブラシ91でクリーニングされた後の中間転写ベルト10表面は、ほとんどのトナーが除去されているがまだ少しのトナーが残っている。これらの中間転写ベルト10上に残ったトナーは、上述したようにファーブラシ91に印加されるプラス極性のバイアスにより、プラス極性に帯電される。そして、1次転写位置で印加される転写電界によって感光体40K,Y,M,C側に転写され、感光体クリーニング装置63で回収される。
レジストローラ対49は一般的には接地されて使用されることが多いが、転写紙Pの紙粉除去のためにバイアスを印加することも可能である。
以上の構成の本複写機においては、各プロセスユニット18K,Y,M,C、2次転写装置22、露光装置21等により、記録体たる転写紙に画像を形成する画像形成手段が構成されている。また、スキャナ部が画像を読み取る画像読取手段や、画像情報を取得する画像情報取得手段として機能している。また、図示しない外部のパーソナルコンピュータ等から送られてくる画像情報を受け入れるデータ入力ポートも、画像情報を取得する画像情報取得手段として機能している。
次に、本複写機の特徴的な構成について説明する。
図9は本複写機の電気回路の一部を示すブロック図である。同図において、CPU1a、情報記憶手段たるRAM1b、ROM1c等を有する制御部1は、複写機全体の制御を司っている。そして、経時的に取得した状態情報(各種センサによる検知情報、制御パラメータ情報、各種カウント情報など)をRAM1bや、情報記憶手段たる図示しないハードディスクなどに記憶する。かかる構成において、制御部1、これに接続される各種センサ2、操作表示部3などは、状態情報を取得する状態情報取得手段として機能している。
制御部1は、プリント動作などに伴って取得してRAM1bやハードディスクに記憶しておいた状態情報を、例えば先に図2に示したような文字画像として定期的にプリントアウトする制御を実施するようになっている。かかる文字画像が形成されたプリントアウト紙については、ユーザーによってストックしてもらい、後にサービスマンが回収することが可能である。ユーザーは、プリントアウト紙をストックする際、その文字画像を見ることで、サービスマンに提供する情報の内容を確認することが可能である。そして、サービスマンは、情報端末機を複写機に接続するといった作業を行うことなく、ユーザーから提供されるプリントアウト紙に形成された文字画像により、複写機の状態情報を取得することが可能になる。よって、個人情報や機密情報が漏洩しているのではないかといった不信感をユーザーに抱かせることなく、ハードディスク等に蓄積した状態情報をサービスマンに取得させることができる。
状態情報のプリントアウトについては、所定時間経過毎など、定期的に行うようにさせてもよいし、ユーザーやサービスマンの命令に基づいて行わせるようにしてもよい。定期的に行わせる場合には多量のプリントアウトを一度に行うことによって複写機を占領してしまうといった事態を回避することができる。また、命令に基づいて行わせるようにした場合には、プリントアウト紙を長期間ユーザーにストックしてもらう際の紙汚れを回避することができる。
先に示した図6において、本複写機は、2次転写装置22の下方に、上述したタンデム部20と平行に延びるような姿勢で配設されたストック装置28(図6参照)が設けられている。このストック装置28は、画像定着処理を終えた転写紙の進路を、排紙ローラ対56に向かう進路と、ストック装置28内に向かう進路とで切り替えることができる。そして、後者の進路にした場合には、定着後の転写紙を上下反転させながらストック装置28内にストックすることができる。
上述した制御部1は、ストック装置28を次のように制御するようになっている。即ち、スキャナ部300やデータ入力ポート等の画像情報取得手段によって取得した画像情報に基づくプリントアウトを行う際には、定着後のプリントアウト紙の進路を排紙ローラ対56側に切り替えて、プリントアウト紙を第1載置手段たる機外の排紙トレイ57上に排出させる。この一方で、ハードディスク等に記憶した状態情報の文字画像のプリントアウトを行う際には、定着後のプリントアウト紙の進路をストック装置28側に切り替えて、プリントアウト紙を第2載置手段たるストック装置28内にストックさせる。
かかる構成においては、ハードディスク等に記憶した状態情報の文字画像のプリントアウトを操作者の命令の有無にかかわらず定期的に行う場合に、次に説明するようなユーザーの手間を無くすことができる。即ち、排紙トレイ57上に排紙されたプリントアウト紙について、通常のプリントアウトによるものなのか、定期的な状態情報の文字画像を出力したものなのかをユーザーに仕分けさせるといった手間である。
状態情報の文字画像のプリントアウト紙を専用に載置するための第2載置手段たるストック装置28については、図示のように、複写機本体の筐体内に配設することが望ましい。このようにすることで、状態情報の文字画像のプリントアウト紙を機外に露出させて長期間ストックしている際にそれを汚してしまうといった事態を回避することができる。
制御部1は、文字画像としてプリントアウトした状態情報については、プリントアウト後にハードディスク等の情報記憶手段から削除する制御を実施するように構成されている。かかる構成では、情報記憶手段内の状態情報を定期的に削除して、その記憶容量を低減することができる。
また、制御部1は、状態情報を文字画像としてプリントアウトする制御を実施する際に、文字画像とともに所定の基準画像を一緒に形成するよう処理を行うようになっている。かかる構成では、所定の基準画像の画質に基づいて、サービスマンに複写機の画像形成手段の状態を把握させることができる。
次に、本発明の第3実施形態として、制御プログラムの更新を行う技術に改良を加えた複写機の実施形態について説明する。なお、以下に特筆しない限り、この複写機の基本的な構成は第2実施形態に係る複写機の基本構成と同様である。
制御部1によって実施される制御の制御プログラムは、RAM1aあるいは図示しないハードディスク内に格納されている。そして、サービスマンによって操作表示部に対して所定の入力操作が行われると、制御プログラム更新用処理を実施するようになっている。この制御プログラム更新用処理では、まず、操作表示部の表示などにより、サービスマンに対して、スキャナ部300に制御プログラム原稿をセットするように促す。この制御プログラム原稿とは、例えば、図10に示すような、制御プログラムの命令語の文字画像が印字された原稿である。図示の例では、命令語として、16進数のデータ配列(アドレスとデータ)によるものを記憶させる場合の制御プログラム原稿を示している。
サービスマンによって制御プログラム原稿がセットされると、制御部1は、その原稿の文字画像を電子画像データとしてスキャナ部300に読み取らせる。そして、読み取られた電子画像データ内の文字をOCR等の手法によって識別して電子文字データに変換した後、その電子文字データによる命令語の集まりを新たな制御プログラムとしてハードディスクに記憶させることで、制御プログラムを更新する。かかる構成においては、制御部1が、文字識別変換手段として機能している。そして、複写機に情報端末機を接続するといった作業をサービスマンに行わせることなく、制御プログラムを更新することができる。これにより、個人情報や機密情報が漏洩しているのではないかといった不信感をユーザーに抱かせることなく、制御プログラムの更新を行うことができる。
ハードディスク内に記憶されている制御プログラムについては、操作表示部における液晶ディスプレイ等からなる表示部に表示することが可能である。
また、本複写機の制御部1は、先に第1実施形態で説明した情報処理装置と同様に、複数の文字コードからなる電子文字データを画像データに変換するコード画像化手段としても機能する。そして、その文字認識後の電子画像データと、制御プログラム原稿の画像とを、周知の技術によって合成して1つの電子画像データにするデータ合成処理を実施した後、その電子画像データに基づいた文字画像をプリンタ部100等からなる画像形成手段にプリントアウトさせる。これにより、制御プログラム原稿における各文字画像と、文字認識後の電子画像データにおける各文字画像とが重ね合わせて印字される。文字識別変換処理(文字認識)において誤認識が発生した場合には、誤認識された文字とオリジナルの文字との重なりのズレが生じて、文字の視認が困難になるので、誤認識された文字を容易に特定することができる。
操作者は、誤認識を発見した場合には、データ入力手段たる操作表示部に対するキー入力によってその誤認識の箇所を修正することができる。
次に、本発明を適用した第4実施形態の複写機について説明する。なお、以下に特筆しない限り、この複写機の基本的な構成は第2実施形態に係る複写機の基本構成と同様である。
本複写機は、機内の各機器の状態をセンサ等によってモニタリングしており、その結果を定期的にハードディスクに記憶する。そして、制御部1は、モニタリングした複数種類のデータに基づいて、先に第1実施形態で説明したマハラノビス距離を求めて、機内における異常の有無を判定する。即ち、制御部1は、ハードディスク内に記憶されている情報に基づいて画像形成手段における異常の発生の有無を判定する異常判定手段として機能している。
図11は、マハラノビス距離(D)と、最後に保守を行ってからの経過時間との関係を示すグラフである。保守直後には、マハラノビス距離はそれほど高い値を示していないが、その後、装置の使用時間が増えるにつれて徐々に上昇していく。そして、所定の閾値に達した後に更に上昇を続け、やがて故障が発生する。閾値は、故障が発生する時のマハラノビス距離の値よりも低い値に設定されているため、マハラノビス距離が閾値に達した時点で異常発生情報を発することで、故障の発生を事前に予測してユーザーに伝えることができる。そこで、本複写機の制御部1は、マハラノビス距離が閾値に達した時点で異常発生情報を発信するようになっている。
但し、機内で発生する様々な種類の異常の中には、ユーザーによって対応可能なものや、ユーザーでは対応不能なものがある。そして、前者の異常についてはユーザーがメンテナンスを行うことで解消することができるが、後者の異常についてはサービスマンの要請が必要になる。そこで、制御部1は、異常の種類をある程度判別して、前者の異常である場合には、その発生をユーザーに知らせるだけにする一方で、後者の異常である場合には、その発生を知らせるとともに、保守サービス機関への連絡をユーザーに促すようになっている。
異常の種類の判別については、上述した組情報群(正常データ群)内に含める情報の種類を変化させることによって行うことが可能である。例えば、感光体劣化に起因する異常の有無を判定する場合には、種類1、種類2、種類3及び種類4という4種の情報からなる組情報の集まりを組情報群として使用する。そして、この組情報群と、機内から取得した同様の4種の情報からなる組情報とに基づいてマハラノビス距離を求め、それについて閾値に達したか否かを判定することで、感光体劣化系の異常の有無を判定する。これに対し、例えば、現像装置の不具合に関連する異常の有無を判定する場合には、種類5、種類6及び種類7という3種の情報からなる組情報の集まりを組情報群として使用する。そして、同様にしてマハラノビス距離を求めて閾値と比較することで、現像装置系の異常の有無を判定することができる。
制御部1は、検出した異常が例えば感光体劣化系の異常など、ユーザーで十分に対応することが可能なものであった場合には、操作表示部のディスプレイに図12に示すような異常発生情報を表示させる。同図では、感光体劣化系の異常の発生を報知し、それを交換することで異常を解消し得ることをユーザーに通知している例を示している。
一方、制御部1は、検出した異常が例えば駆動伝達機構の異常など、ユーザーで対応することが困難なもの(以下、保守要求異常という)であった場合には、図13に示すような異常通知画像たる保守要求票を画像形成手段にプリントアウトさせる。この保守要求票には、「予測された現象:地肌汚れ(Code062)」という異常発生情報が含まれている。また、「××××宛」「tel:03****−****」及び「fax:03−****−****」という連絡先情報も含まれている。また、「予測された保守内容:部品交換」及び「予測された交換対象部品・・・・・」という対処法情報も含まれている。また、「機番:********」という機種情報も含まれている。
かかる構成では、ユーザーに対して、異常通知画像たる保守要求票の内容を確認してもらった後、それに含まれる連絡先に電話連絡してもらったり、異常通知画像をFAXしてもらったりすることが可能になる。特に、異常通知画像の書式が、サービスマンを要請する書面形式になっているので、保守要求票をそれに記載されているFAX番号宛にFAXするだけで、異常発生情報の他、対処法情報や機種情報などの様々な情報を容易に通知することができる。そして、このような通知においては、個人情報や機密情報が漏洩しているのではないかといった不信感をユーザーに抱かせることなく、必要な情報をサービスマンに通知することができる。
オフィスなどでは、1つの複写機を複数の人員で共有して使用することが殆どである。そして、このような共有使用の条件下では、各員がそれぞれ自らの操作によって複写機に出力させた印刷紙だけにしか注意を払わなくなりがちである。すると、保守要求票を出力したものの、それがいつまでも読まれないでスタックされたままになっているといった事態になりかねない。
そこで、本複写機では、保守要求異常の発生を検出した場合に、保守要求票を自動でプリントアウトするのではなく、ユーザーにプリントアウト指示を行ってもらうようになっている。具体的には、例えば図14に示すように、操作表示部のディスプレイに、「動作が不安定になってきています」という異常発生情報とともに、「△ボタンを押して保守要求票を出力してください。」というプリントアウト命令を促す表示を行う。そして、その要求票プリント指示の表示に従ったユーザーによって△ボタンが押されてから、保守要求票をプリントアウトする。これにより、プリントアウトした保守要求票が誰にも読まれないでいつまでもスタックされてしまうといった事態の発生を抑えることができる。
また、本複写機は、上述した要求票プリント指示をディスプレイに表示するのと並行して、情報処理装置たるパソコンに異常発生情報を送信するようになっている。具体的には、本複写機は、周知のLANボードを搭載しているいわゆるネットワーク対応プリンタとなっている。そして、図示しないLANケーブル及びLAN HUN(以下、これらをイントラネット回線という)を介して、複数のパソコンに接続されている。各パソコンからのプリントアウト命令は、対外的な電話回線やインターネット回線を経由しないで、ある程度の閉鎖空間内にある(対内的な)イントラネット回線を経由して本複写機に入力される。そして、これら複数のパソコンの少なくとも何れか1つに対して、イントラネット回線を介して異常発生情報を送信する。
異常発生情報が送られたパソコン側では、例えば図15に示すようにプリンタドライバの起動による印刷ダイヤログボックスが表示される。同図では、既に保守要求票がプリントアウトされた後に表示されるダイヤログボックスの例を示している。このダイヤログボックスは、保守要求票がプリントアウトされたことをユーザーに通知することで、それの確認をユーザーに促すためのものである。制御部1は、異常発生情報をパソコンに送信させる時点で、まだ上記△ボタンが押されていないことにより、保守要求票をプリントアウトさせていない場合には、図示のダイヤログボックスとは異なるものを表示させるための信号をパソコンに送る。この信号を受信したパソコン側では、「OKボタンをクリックして保守要求票をプリントアウトしてください」というダイヤログボックスが表示され、OKボタンがクリックされると、その信号が複写機に送られて保守要求票がプリントアウトされる。
異常発生情報をどのパソコンに送信するのかについては、組織内における機器管理の仕方に応じて設定するとよい。例えば、複写機の管理責任者が選任されていない場合には、故障発生直前又は直後にプリントアウト命令を送信してきたパソコンに対して、異常発生情報を送信するとよい。このようにすることで、そのパソコンを使用しているユーザーに対して、自分のプリントアウト命令に起因するトラブルであることを認識してもらい、より確実に保守要求票を送信してもらうことが可能になるからである。なお、個々のパソコンの判別については、周知の如く、インターネット・プロトコル・アドレスを識別することで行うことが可能である。
また、複写機の管理責任者が選任されている場合には、その管理責任者のパソコンに対して異常発生情報を送信するとよい。このようにすることによっても、より確実に保守要求票を送信してもらうことが可能になる。なお、本第4実施形態に係る複写機では、故障発生直前又は直後にプリントアウト命令を送信してきたパソコンに対して異常発生情報を送信するモードと、管理責任者のパソコンに異常発生情報を送信するモードとを、操作表示部に対する入力操作で切り換えることができるようになっている。
保守要求票をプリントアウトしたからといって、必ずしも異常発生の連絡が保守サービス機関に行われるとは限らない。そこで、本複写機の制御部1は、上述の保守要求異常を検出した後には、保守サービス機関への連絡が行われたか否かを確認するための確認情報を受け付けるまで、異常発生情報を定期的あるいは連続して操作表示部に表示させるようになっている。これにより、より確実に異常発生情報を保守サービス機関に通報してもらうことができる。なお、本複写機では、制御部1が確認情報を受け付ける確認情報受付手段として機能している。また、制御部1と操作表示部との組合せが、異常発生情報を表示する情報表示手段として機能している。
本複写機では、確認情報を受け付けるモードとして、暗唱番号入力モードと、解除コード入力モードと、FAX画像検出モードとが用意されている。FAX画像検出モードは常に行われるが、暗唱番号入力モードと、解除コード入力モードとは、操作表示部への入力操作によって何れか一方が選択される。
暗唱番号入力モードが選択されていると、制御部1は、保守要求票を画像形成手段にプリントアウトさせた後、図16に示すような画面表示を操作表示部のディスプレイに行わせる。ユーザーに対して認証情報たる暗唱番号の入力を促す表示である。この暗唱番号は、ユーザー又はサービスマンによって予め設定されたものであり、制御部1はこれの入力を確認情報として受け付ける。そして、図17に示すように、暗唱番号(確認情報)を受け付けた旨のメッセージをディスプレイに表示させた後、それ以降、異常発生情報のディスプレイへの定期的あるいは連続的な表示を取り止める。これに対し、暗唱番号とは異なる番号が入力された場合には、それを確認情報として受け付けず、画面表示も消さないようになっている。かかる構成では、保守サービス機関への連絡について、暗唱番号の入力が必要になるほど重要なことであることをユーザーに認識してもらって、より確実に保守サービス機関に連絡してもらうことが可能になる。
解除コード入力モードが選択されていると、制御部1は、保守要求票を画像形成手段にプリントアウトさせた後、乱数発生回路や乱数発生アルゴリズムなどによって認証情報たる解除コード(解除番号)を作成する。そして、作成した解除コードをハードディスクに記憶させた後、その解除コードを所定の規則に従って暗号化した後、それを図18に示すようにして操作表示部のディスプレイに表示させる。暗号化した認証情報である「5C」という暗号化コードを通知するとともに、ユーザーに対して解除コードの入力を促す表示である。保守サービス機関では、ユーザーから異常の発生の連絡があると、ユーザーに対して複写機のディスプレイに表示されている暗号化コードを読み取ってもらうようにお願いする。ユーザーがその指示に従って暗号化コードを読み取って伝えると、保守サービス機関は、所定のアルゴリズムに従ってそれを複合化して解除コードを求めた後、それをユーザーに伝える。そして、ユーザーが教えられた解除コードを操作表示部に入力することで、確認情報が受け付けられるとともに、以降の異常発生情報の表示が取り止められる。かかる構成では、保守サービス機関に連絡されたことを確実に知ることができる。
暗唱番号入力モード、解除コード入力モードの何れが選択されていたとしても、それらに代えて、FAX画像検出モードによる確認情報の受け付けを行うことができる。具体的には、本複写機は、周知のモデムを搭載しており、スキャナ部300で読み取った画像を、モデムと電話回線とを介して外部に送信するFAX機能を備えている。そして、FAXを行う場合には、読み取った画像の中に異常通知画像たる上述の保守要求票が含まれているか否かを検出する。この検出については、画像に含まれている文字画像をOCRによって文字認識した後、図13に示した保守要求票における「△△△△△△△保守要求票」という文字列が含まれていた場合に、保守要求票が含まれていると判断して、確認情報として受け付ける。かかる構成においては、保守サービス機関に解除コードを教えてもらうといった手間のかかる作業をユーザーに強いることなく、異常発生が保守サービス機関に連絡されたことを確実に知ることができる。
図19は、FAX画像検出モードにおいて制御部1に実施される制御フローを示すフローチャートである。原稿が原稿搬送部(400)にセットされ、且つFAX番号が入力された状態で図示しないFAXスタートボタンが押されると、この制御フローがスタートする。そして、まず、第2実施形態で説明したように原稿が搬送されながらスキャナ部(300)によって読み取られた後(ステップ1:以下、ステップをSと記す)、上述した文字認識に基づく保守要求票の検出がなされる(S2)。保守要求票が検出されなかった場合には(S2でN)、その画像がFAX送信された後(S3)、一連の制御シーケンスが終了する。これに対し、保守要求票が検出された場合には(S2でY)、予めハードディスクに記憶されている保守サービス機関の情報が読み込まれた後、その情報が図20に示すようにして操作表示部のディスプレイに表示される(S4)。この表示により、保守要求票を送信してよいか否かの問い合わせが行われる。そして、良い旨のリアクションがあった場合には(S5でY)、読み取った画像がFAX送信された後(S6)、画面表示が消される(S7)。そして、保守要求異常が検知された際にセットされた連絡指示フラグが解除されて(S8)、以降の異常発生情報の定期的あるいは連続的なディスプレイ表示が取り止められる。なお、送信してよい旨のリアクションがなかった場合には(S9)、エラー処理により(S9)、FAX送信しなかった旨のメッセージが表示された後、一連の制御シーケンスが終了する。
なお、かかる構成においては、スキャナ部(300)が原稿に形成されている画像を読み取る画像読取手段として機能している。また、制御部1が画像読取手段によって読み取られた画像の中から異常通知画像たる保守要求票を検出する異常通知画像検出手段として機能している。また、制御部1とモデムとの組合せが、画像を電話回線を通じて送信する画像送信手段として機能している。また、確認情報受付手段たる制御部1が、自らの文字認識処理により、保守要求票を検出した旨の情報と、保守要求票を含む画像をモデムによって送信した旨の情報との組合せを確認情報として受け付ける。
次に、本発明を適用した第5実施形態の記録媒体について説明する。
この記録媒体は、制御プログラムの電子データを電磁的技術や光学的技術などによって記録しているものであり、その電子データを機械読み取りすることが可能である。かかる記録媒体としては、磁気ディスク(ハードディスクを含む)、光学ディスク(CD−ROM等)、各種ICカード(SDカード等)、メモリー(USBメモリー等)などを例示することができる。
本記録媒体に記録されている制御プログラムは、いわゆるプリンタドライバと、電子メールソフトとを兼ね備えたものであり、コンピュータに対して次のような処理を行わせる。即ち、コンピュータに接続されている画像形成装置から送られてきた異常発生情報をコンピュータに接続されている表示手段たるディスプレイに表示させる処理である。また、その異常発生情報を保守サービス機関に送信して良いか否かを操作者に問い合わせるための処理も行わせる。更には、送信して良いという問い合わせ結果が操作者から得られた場合に、異常通知情報を電子メールで所定の電子メールアドレスに送信する処理も行わせる。
図21は、これらの処理フローを示すフローチャートである。この処理フローでは、まず、コンピュータに直接あるいはイントラネット回線を介して接続されている画像形成装置から送られてくる異常発生情報を監視する(S1)。そして、異常発生情報を検出した場合には(S1でY)、図22に示すように印刷ダイヤログボックスを、コンピュータに接続されているディスプレイに表示させる(S2)。この印刷ダイヤログボックスには、図示のように、印刷ボタンと保守要求メールボタンとが付されている。また、「保守要求メールボタンをクリックして××××(保守サービス機関)へ連絡して下さい。保守要求メールを送信したくない場合には印刷ボタンをクリックして下さい。」というメッセージも付されている。
このメッセージに従った操作者によって保守要求メールボタンがクリックされると(S3でY)、印刷ダイヤログボックスが閉じられた後(S5)、図23に示すメールダイヤログボックスがディスプレイに表示される(S6)。このメールダイヤログボックスには、図示のように、OKボタンやキャンセルボタンが付されている。また、本文内容や、「よろしければ、送信ボタンをクリックして下さい。」というメッセージも付されている。そして、本文内容には、「予測された現象:地肌汚れ(Code062)」という異常発生情報が含まれている他、第4実施形態における異常通知画像と同様に、対象法情報や機種情報も含まれている。これら対象法情報や機種情報は、異常発生情報とともに画像形成装置から送信されてきたものである。
その本文内容を確認した操作者によってOKボタンがクリックされると(S7でY)、その本文内容を掲載した電子メールが予め定められた保守サービス機関の電子メールアドレスに送信された後(S9)、連絡した旨を示す確認情報が画像形成装置に送信される(S10)。この確認情報を受信した画像形成装置は、第4実施形態に係る複写機と同様に、連絡指示フラグを解除する。
一方、メールダイヤログボックスが表示された状態でキャンセルボタンがクリックされると(S8でY)、その後の処理フローが上述したS2にループせしめられて、印刷ダイヤログボックスが再び表示される。
また、上述の印刷ダイヤログボックスが表示された状態で(S2)印刷ボタンがクリックされると(S4でY)、保守サービス機関への連絡を操作者に促す連絡指示メッセージがディスプレイに表示される(S11)。そして、この連絡指示メッセージに付されたOKボタンがクリックされると(S12でY)、保守要求票の出力命令がコンピュータから画像形成装置に向けて送信される。この出力命令を受けた画像形成装置は、先に図13に示したものと同様の保守要求票をプリントアウトする。
かかる一連の処理フローには、異常発生情報を送信して良いという問い合わせ結果が操作者から得られなかった場合に、異常発生情報を示す画像を形成するための画像情報を画像形成装置に送信する処理も含んでいる(S4→S13)。
以上、第1実施形態に係る情報取得方法では、文字コード化工程たる情報変換工程に先立ち、画像形成装置によって形成された文字情報の画像を画像読取手段に読み取らせて画像データに変換する画像読取工程と、その画像データを情報処理装置に入力する情報入力工程とを実施した後、情報変換工程にて、情報処理装置に対して、画像データに含まれる文字情報の画像を識別して文字コードに変換する文字識別変換処理を行わせている。かかる構成では、情報処理装置に文字情報を手入力するといった手間を無くして、作業の効率化を図ることができる。
また、第1実施形態に係る情報取得方法では、文字識別変換処理によって得られた文字コードの文字を画像データに変換する文字データ画像化処理と、画像読取工程で得られた画像データと文字データ画像化処理によって得られた画像データとを合成する画像合成処理と、合成後の画像データに基づいた文字の重ね合わせからなる画像を画像形成装置に形成させるための処理とを情報処理装置に行わせた後、その画像に基づいて、文字識別変換処理によって得られた上記文字コードを修正するコード修正工程を実施している。かかる構成では、文字認識時に誤認識された文字を容易に発見して修正することで、取得データの信頼性を高めることができる。
また、第2実施形態に係る複写機においては、プリンタ部100と給紙部200とからなる画像形成手段によって画像が形成される複数の転写紙のうち、画像情報取得手段たるプリントデータ入力ポートによって取得された画像情報に基づく画像が形成されたものだけを載置する第1載置手段たる排紙トレイ57と、状態情報に基づく文字情報の画像が形成されたものだけを載置する第2載置手段たるストック装置28とを、それぞれ別々に設けている。かかる構成では、通常のプリントアウト紙なのか、定期的な状態情報の文字画像を出力したプリントアウト紙なのかをユーザーに仕分けさせるといったユーザーの手間を無くすことができる。
また、ストック装置28を画像形成装置の筺体内に配設すれば、状態情報の文字画像のプリントアウト紙を機外に露出させて長期間ストックしている際にそれを汚してしまうといった事態を回避することができる。
また、第2実施形態に係る複写機においては、情報記憶手段たるハードディスクに記憶されている状態情報のうち、画像形成手段によって文字情報の画像として形成されたものを定期的にハードディスクから削除する制御を実施させるように、制御手段たる制御部1を構成している。かかる構成では、ハードディスク内の状態情報を定期的に削除して、その記憶容量を低減することができる。
また、第2実施形態に係る複写機においては、状態情報を文字情報の画像として形成する際に、その文字情報の画像とともに所定の基準画像を形成する制御を実施させるように、制御部1を構成している。かかる構成では、所定の基準画像の画質に基づいて、サービスマンに複写機の画像形成手段の状態を把握させることができる。
また、第3実施形態に係る複写機においては、プログラム記憶手段たるハードディスクに記憶されている制御プログラムを表示する表示手段たる操作表示部と、その制御プログラムを修正するための修正データを入力するデータ入力手段たる操作入力部とを設けているので、制御プログラムを表示させて確認しながら、必要に応じて修正することができる。
また、第3実施形態に係る複写機においては、文字識別変換手段たる制御部1によって得られた文字コードを画像データに変換するコード画像化手段として制御部1を機能させているとともに、その画像データに基づく文字情報の画像を画像形成手段に形成させるための制御プログラムをハードディスクに記憶させている。かかる構成では、文字認識によって得られた制御プログラムをプリントアウトさせて、サービスマンに容易に確認させることができる。
また、第3実施形態に係る複写機においては、制御部1の文字認識によって得られた文字コードの文字を画像データに変換する画像化手段として制御部1を機能させているとともに、その画像データとスキャナによって得られた画像データとを合成する画像合成手段としても制御部1を機能させている。そして、合成後の画像データに基づいて画像形成手段に文字の重ね合わせによる画像を形成させるための制御プログラムをハードディスクに記憶させている。かかる構成では、合成画像によって文字認識時の誤認識を容易に発見することができる。
また、第4実施形態に係る複写機においては、異常判定手段たる制御部1として、発生した異常の種類を判別するものを用いるとともに、情報記憶手段たるハードディスクとして、複写機の機種情報を記憶しているものを用いている。そして、異常通知画像たる保守要求票として、異常発生情報及び連絡先情報に加えて、発生した異常の種類情報、及び機種情報を含むものを形成する。かかる構成では、メンテナンスに必要な情報を異常発生情報とともに保守サービス機関に知らせることで、保守サービス機関のユーザーに対する問い合わせの手間を軽減することができる。
また、第4実施形態に係る複写機においては、情報処理装置たるパソコンから電話回線やインターネット回線を介さずに送信されてくる画像データを受信したり、パソコンに所定の情報を送信したりする通信手段たるLANボードを設け、異常発生情報をLANボードからパソコンに送信させるようにしている。かかる構成では、複写機から比較的離れた場所にいるユーザーに対して複写機の異常の発生を通知することができる。
また、第4実施形態に係る複写機においては、電話回線やインターネット回線を介さずにLANボードに画像データを送信してくる複数のパソコンのうち、異常発生直前又は直後に画像データを送信してきたパソコンに対して異常発生情報を送信させるようにしている。かかる構成では、そのパソコンを使用しているユーザーに対して、自分のプリントアウト命令に起因するトラブルであることを認識してもらって、より確実に保守要求票を送信してもらうことができる。
また、第4実施形態に係る複写機においては、電話回線やインターネット回線を介さずにLANボードに画像データを送信してくる複数のパソコンのうち、予め定められた特定のパソコンに対して異常発生情報を送信させるようにもしている。かかる構成によっても、そのパソコンを使用しているユーザーに対して、自分のプリントアウト命令に起因するトラブルであることを認識してもらい、より確実に保守要求票を送信してもらうことができる。
また、第4実施形態に係る複写機においては、情報を表示する情報表示手段たる制御部1と操作表示部との組合せと、保守サービス機関への連絡が行われたか否かを確認するための確認情報を受け付ける確認情報受付手段たる制御部1とを設け、異常判定手段たる制御部1によって異常の発生ありと判定されてから、確認情報受付手段たる制御部1によって確認情報が受け付けられるまでの間に、保守サービス機関への連絡が必要である旨の情報を定期的あるいは連続して表示するように、情報表示手段を構成している。かかる構成では、保守サービス機関への連絡が必要である旨を定期的あるいは連続してユーザーに知らせることで、より確実に連絡を行ってもらうことができる。
また、第4実施形態に係る複写機においては、異常判定手段たる制御部1によって異常の発生ありと判定されてから、確認情報受付手段たる制御部1によって確認情報が受け付けられるまでの間に、パソコンに対して上記異常発生情報を定期的に送信させるようにしている。かかる構成によっても、より確実に保守サービス機関に連絡を行ってもらうことができる。
また、第4実施形態に係る複写機においては、原稿に形成されている画像を読み取る画像読取手段たるスキャナ部300と、これによって読み取られた画像の中から異常通知画像たる保守要求票を検出する異常通知画像検出手段たる制御部1と、スキャナ部300によって読み取られた画像を、電話回線を通じて送信するモデム及び制御部1の組合せからなる画像送信手段とを設け、保守要求票を検出した旨の情報と、それを含む画像を送信した旨の情報との組合せを確認情報として受け付けさせるように、制御部1を構成している。かかる構成においては、保守サービス機関に解除コードを教えてもらうといった手間のかかる作業をユーザーに強いることなく、異常発生が保守サービス機関に連絡されたことを確実に知ることができる。
また、第4実施形態に係る複写機においては、確認情報受付手段たる制御部1として、所定の認証情報たる暗唱番号が入力された場合にそれを確認情報として受け付けるものを用いている。かかる構成では、保守サービス機関への連絡について、暗唱番号の入力が必要になるほど重要なことであることをユーザーに認識してもらって、より確実に保守サービス機関に連絡してもらうことができる。
また、第4実施形態に係る複写機においては、認証情報たる解除コードを作成してハードディスクに記憶させる認証情報作成手段、及び作成された解除コードを所定の規則に従って暗号化する暗号化手段として制御部1を機能させているとともに、暗号化された解除コードを報知する報知手段たる制御部1及び操作表示部の組合せを設けている。かかる構成では、保守サービス機関に連絡されたことを確実に知ることができる。
また、第5実施形態に係る記録媒体においては、異常発生情報をメール送信して良いという問い合わせ結果が操作者から得られなかった場合に、異常発生情報を示す画像である保守要求票を形成するための画像情報を画像形成装置に送信する処理を行う手段として、コンピュータを機能させるためのプログラムを記録している。かかる構成では、電子メールによる連絡をユーザーが望まない場合には、保守要求票をプリントアウトさせることで、異常の発生の連絡をユーザーに促すことができる。
第1実施形態に係る情報取得方法における作業工程の概要を示すフローチャート。 同情報取得方法の文字画像形成工程において複写機によって文字画像が形成されたプリントアウト紙の一例を示す模式図。 同プリントアウト紙の他の例を示す模式図。 複写機の異常を判定するための組情報群構築処理から行列変換工程までの一連のプロセスを示すフローチャート。 逆行列Aと各種取得データとに基づいてマハラノビス距離Dを算出する手順を示すフローチャート。 第2実施形態に係る複写機を示す概略構成図。 同複写機のプリンタ部を示す拡大構成図。 4つのプロセスユニット18K,Y,M,Cからなるタンデム部20の一部を示す部分拡大図。 同複写機の電気回路の一部を示すブロック図。 第3実施形態に係る複写機のスキャナ部に読み取らせる制御プログラム原稿の一例を示す模式図。 マハラノビス距離(D)と、最後に保守を行ってからの経過時間との関係を示すグラフ。 第4実施形態に係る複写機においてユーザー対応可能な異常が発生した場合におけるディスプレイ表示の一例を示す模式図。 同複写機によってプリントアウトされる保守要求票の一例を示す模式図。 保守要求異常が発生した場合における同複写機のディスプレイ表示の一例を示す模式図。 同複写機に接続されたパソコンのディスプレイに表示される印刷ダイヤログボックスを示す模式図。 暗唱番号入力モードを実施した同複写機の操作表示部に表示される暗唱番号入力要求の画面例を示す模式図。 正式な暗唱番号が入力された場合の同操作表示部の画面表示を示す模式図。 解除コード入力モードを実施した同複写機の操作表示部に表示される暗唱番号入力要求の画面例を示す模式図。 FAX画像検出モードにおいて同複写機の制御部に実施される制御フローを示すフローチャート。 同FAX画像検出モードを実施した同複写機の操作表示部に表示される画面例を示す模式図。 第5実施形態に係る記録媒体に記録されているプログラムによる処理フローを示すフローチャート。 同プログラムによる印刷ダイヤログボックス表示を示す模式図。 同プログラムによるメールダイヤログボックス表示を示す模式図。
符号の説明
1 制御部(制御手段、データ変換手段、データ合成手段)
3 操作表示部(情報取得手段、表示手段、データ入力手段)
1b RAM(情報記憶手段、プログラム記憶手段)
28 ストック装置(第2載置部)
57 排紙トレイ(第1載置部)
100 プリンタ部(画像形成手段の一部)
200 給紙部(画像形成手段の一部)
300 スキャナ部(画像読取手段、画像情報取得手段)

Claims (24)

  1. 被画像形成体に画像を形成する画像形成装置の情報記憶手段に記憶されている情報を取得する情報取得方法において、
    上記情報を文字情報の画像として上記画像形成装置に形成させる文字画像形成工程と、該画像形成装置に接続していない情報処理装置を用いて、該画像形成装置によって形成された該文字情報の画像を文字コードに変換する文字コード化工程とを実施して、上記画像形成装置の情報記憶手段に記憶されている上記情報を取得することを特徴とする情報取得方法。
  2. 請求項1の情報取得方法において、
    上記文字コード化工程に先立ち、上記画像形成装置によって形成された上記文字情報の画像を画像読取手段に読み取らせて画像データに変換する画像読取工程と、該画像データを上記情報処理装置に入力する情報入力工程とを実施した後、上記文字コード化工程にて、該情報処理装置に対して、該画像データに含まれる文字情報の画像を識別して文字コードに変換する文字識別変換処理を行わせることを特徴とする情報取得方法。
  3. 請求項2の情報取得方法において、
    上記文字識別変換処理によって得られた上記文字コードの文字を画像データに変換する文字画像化処理と、上記画像読取工程で得られた画像データと該文字画像化処理によって得られた画像データとを合成する画像合成処理と、合成後の画像データに基づいた文字の重ね合わせからなる画像を画像形成装置に形成させるための処理とを上記情報処理装置に行わせた後、その画像に基づいて、上記文字識別変換処理によって得られた上記文字コードを修正するコード修正工程を実施することを特徴とする情報取得方法。
  4. 画像情報を取得する画像情報取得手段と、該画像情報取得手段によって取得された画像情報に基づいて被画像形成体に画像を形成する画像形成手段と、該画像形成手段の駆動を制御する制御手段と、該画像形成手段の状態を示す状態情報を取得する状態情報取得手段と、該状態情報を記憶する情報記憶手段とを備える画像形成装置において、
    上記情報記憶手段に記憶されている上記状態情報を、定期的、又は操作者からの命令に基づいて、文字情報の画像として上記画像形成手段に形成させる制御を実施させるように、上記制御手段を構成したことを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項4の画像形成装置において、
    上記画像形成手段によって画像が形成される複数の被画像形成体のうち、上記画像情報取得手段によって取得された上記画像情報に基づく画像が形成されたものだけを載置する第1載置手段と、上記状態情報に基づく文字情報の画像が形成されたものだけを載置する第2載置手段とを、それぞれ別々に設けたことを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項4又は5の画像形成装置において、
    上記第2載置手段を画像形成装置の筺体内に配設したことを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項4乃至6の何れかの画像形成装置において、
    上記情報記憶手段に記憶されている上記状態情報のうち、上記画像形成手段によって上記文字情報の画像として形成されたものを定期的に上記情報記憶手段から削除する制御を実施させるように、上記制御手段を構成したことを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項4乃至7の何れかの画像形成装置において、
    上記状態情報を上記文字情報の画像として形成する際に、該文字情報の画像とともに所定の基準画像を形成する制御を実施させるように、上記制御手段を構成したことを特徴とする画像形成装置。
  9. 画像を読み取って画像データに変換する画像読取手段と、該画像読取手段によって得られた画像データに基づいて被画像形成体に画像を形成する画像形成手段と、制御プログラムを記憶するプログラム記憶手段と、該プログラム記憶手段に記憶されている制御プログラムに基づいて該画像読取手段及び該画像形成手段の駆動を制御する制御手段とを備える複写機において、
    上記画像読取手段によって得られた画像データに含まれる文字を識別して文字コードに変換する文字識別変換手段と、該文字識別変換手段によって得られた該文字コードに基づいて、上記プログラム記憶手段に記憶されている制御プログラムを更新するプログラム更新手段とを設けたことを特徴とする複写機。
  10. 請求項9の複写機において、
    上記プログラム記憶手段に記憶されている制御プログラムを表示する表示手段と、該制御プログラムを修正するための修正データを入力するデータ入力手段とを設けたことを特徴とする複写機。
  11. 請求項10の複写機において、
    上記文字識別変換手段によって得られた上記文字コードを画像データに変換するコード画像化手段を設けるとともに、該画像データに基づく文字情報の画像を上記画像形成手段に形成させるための制御プログラムを上記プログラム記憶手段に記憶させたことを特徴とする複写機。
  12. 請求項11の複写機において、
    上記文字識別変換手段によって得られた上記文字コードの文字を画像データに変換する画像化手段と、該画像データと上記画像読取手段によって得られた画像データとを合成する画像合成手段とを設けるとともに、合成後の画像データに基づいて上記画像形成手段に文字の重ね合わせによる画像を形成させるための制御プログラムを上記プログラム記憶手段に記憶させたことを特徴とする複写機。
  13. 画像データに基づいて被画像形成体に画像を形成する画像形成手段と、情報記憶手段に記憶されている情報に基づいて該画像形成手段における異常の発生の有無を判定する異常判定手段とを備える画像形成装置において、
    上記異常判定手段によって異常の発生ありと判定された場合に、その旨の情報である異常発生情報及び保守サービス機関への連絡先情報を含む異常通知画像を被画像形成体に形成するように、上記画像形成手段を構成したことを特徴とする画像形成装置。
  14. 請求項13の画像形成装置であって、
    上記異常判定手段として、発生した異常の種類を判別するものを用いるとともに、上記情報記憶手段として、該画像形成装置の機種情報を記憶しているものを用い、且つ、上記異常通知画像として、上記異常発生情報及び連絡先情報に加えて、発生した異常の種類情報、及び該機種情報を含むものを形成することを特徴とする画像形成装置。
  15. 請求項13又は14の画像形成装置において、
    情報処理装置から電話回線やインターネット回線を介さずに送信されてくる画像データを受信したり、該情報処理装置に所定の情報を送信したりする通信手段を設け、上記異常発生情報を上記通信手段から該情報処理装置に送信させるようにしたことを特徴とする画像形成装置。
  16. 請求項15の画像形成装置において、
    電話回線やインターネット回線を介さずに上記通信手段に画像データを送信してくる複数の情報処理装置のうち、異常発生直前又は直後に画像データを送信してきた情報処理装置に対して上記異常発生情報を送信させるようにしたことを特徴とする画像形成装置。
  17. 請求項15の画像形成装置において、
    電話回線やインターネット回線を介さずに上記通信手段に画像データを送信してくる複数の情報処理装置のうち、予め定められた特定の情報処理装置に対して上記異常発生情報を送信させるようにしたことを特徴とする画像形成装置。
  18. 請求項13乃至17の画像形成装置において、
    情報を表示する情報表示手段と、上記保守サービス機関への連絡が行われたか否かを確認するための確認情報を受け付ける確認情報受付手段とを設け、上記異常判定手段によって異常の発生ありと判定されてから、該確認情報受付手段によって該確認情報が受け付けられるまでの間に、該保守サービス機関への連絡が必要である旨の情報を定期的あるいは連続して表示するように、該情報表示手段を構成したことを特徴とする画像形成装置。
  19. 請求項16又は17の画像形成装置において、
    情報を表示する情報表示手段と、上記保守サービス機関への連絡が行われたか否かを確認するための確認情報を受け付ける確認情報受付手段とを設け、上記異常判定手段によって異常の発生ありと判定されてから、該確認情報受付手段によって該確認情報が受け付けられるまでの間に、上記情報処理装置に対して上記異常発生情報を定期的に送信させるようにしたことを特徴とする画像形成装置。
  20. 請求項18又は19の画像形成装置において、
    原稿に形成されている画像を読み取る画像読取手段と、該画像読取手段によって読み取られた画像の中から上記異常通知画像を検出する異常通知画像検出手段と、該画像読取手段によって読み取られた画像を、電話回線を通じて送信する画像送信手段とを設け、且つ、上記異常通知画像を検出した旨の情報と、該異常通知画像を含む画像を該画像送信手段によって送信した旨の情報との組合せを上記確認情報として受け付けさせるように、上記確認情報受付手段を構成したことを特徴とする画像形成装置。
  21. 請求項18又は19の画像形成装置において、
    上記確認情報受付手段として、所定の認証情報が入力された場合にそれを上記確認情報として受け付けるものを用いたことを特徴とする画像形成装置。
  22. 請求項21の画像形成装置において、
    上記認証情報を作成して上記情報記憶手段に記憶させる認証情報作成手段と、作成された認証情報を所定の規則に従って暗号化する暗号化手段と、暗号化された認証情報を報知する報知手段とを設けたことを特徴とする画像形成装置。
  23. 電子メールを送信する手段としてコンピュータを機能させるためのプログラムを記録した機械読み取り可能な記録媒体において、
    上記コンピュータに接続されている画像形成装置から送られてきた異常発生情報を該コンピュータに接続されている表示手段に表示させる処理と、該異常発生情報を保守サービス機関に送信して良いか否かを操作者に問い合わせるための処理と、送信して良いという問い合わせ結果が該操作者から得られた場合に、該異常通知情報を電子メールで所定の電子メールアドレスに送信する処理とを行う手段として、コンピュータを機能させるためのプログラムを記録していることを特徴とする記録媒体。
  24. 請求項23の記録媒体において、
    上記異常発生情報を送信して良いという問い合わせ結果が上記操作者から得られなかった場合に、上記異常発生情報を示す画像を形成するための画像情報を上記画像形成装置に送信する処理を行う手段として、コンピュータを機能させるためのプログラムを記録していることを特徴とする記録媒体。
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