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JP2006283010A - 光学フィルム - Google Patents

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JP2006283010A
JP2006283010A JP2006058975A JP2006058975A JP2006283010A JP 2006283010 A JP2006283010 A JP 2006283010A JP 2006058975 A JP2006058975 A JP 2006058975A JP 2006058975 A JP2006058975 A JP 2006058975A JP 2006283010 A JP2006283010 A JP 2006283010A
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Tatsuya Yamazaki
達也 山崎
Jun Yonezawa
順 米沢
Minoru Yamamoto
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Asahi Kasei Chemicals Corp
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Abstract

【課題】延伸による複屈折小さく、光弾性係数の小さい光学フィルムの提供。
【解決手段】ブロック共重合体よりなるフィルムを用いる。
【選択図】なし

Description

本発明は、光学特性に優れる光学フィルムに関する。
最近、例えばディスプレイ市場の拡大に伴い、より画像を鮮明にみたいという要求が高まっており、単なる透明材料ではなく、より高度な光学特性が付与された光学材料が求められている。一般に高分子は分子主鎖方向とそれに垂直方向とで屈折率が異なるために分子鎖の配向により複屈折を生じる。用途によっては、この複屈折を厳密にコントロールすることが求められており、液晶の偏光板に用いられる保護フィルムの場合は、全光線透過率が同じであっても複屈折がより小さい高分子材料成形体が必要となり、一方、偏光板により偏光された光を円偏光にかえる機能を持つ1/4波長板は、高分子材料成形体に意識的に複屈折を生じさせることで機能を付与している。
高分子材料をこれらの用途に用いる場合は、押し出し成形やキャスト成形で成形体が作成される。例えば、偏光板保護フィルムへ押し出し成形体を適用する場合は、溶融成形時の配向の影響が残りやすく、複屈折が発生してしまうという問題点があった。更に、1/4波長板等の位相差フィルムに適用する場合は、キャスト成形等で無配向のフィルムを得た後、延伸により任意の複屈折を生じさせるが、少しの延伸により複屈折が大きく生じる材料は、位相差のコントロールが困難である(例えば、特許文献1参照。)。代表的な位相差フィルムの材料としてポリカーボネート樹脂が知られているが、この樹脂は延伸による複屈折の変化が大きいため位相差のコントロール性に関する改良要求がある。以上の理由により延伸しても複屈折変化がゆるやかな材料が求められていた。
また、近年は、液晶ディスプレイが大型化し、それに必要な高分子光学材料成形品が大型化するにつれて、外力の偏りによって生じる複屈折の分布を小さくするために、外力による複屈折の変化が小さい材料が求められている。そのためには新たな要求特性として光弾性係数の小さい高分子光学材料が求められ、光弾性係数の低い材料としてはメタクリル酸メチルの単独重合体(PMMA)やアモルファスポリオレフィン(APO)が知られている(例えば非特許文献1参照)。しかしながら、これらの材料でもまだ外力による複屈折変化が大きいため、より光弾性係数が小さい材料が待望されていた。
特開平11−183724号公報 化学総説、No.39、1998(学会出版センター発行)
本発明は、延伸による複屈折変化が小さく光弾性係数の小さい光学フィルムを提供することを目的とする。
本発明者らは、驚くべきことにあるブロック共重合体による光学フィルムが延伸による複屈折変化が小さく、光弾性係数が小さいことを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
[1]少なくとも1個のビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロックAと少なくとも1個の共役ジエンを主体とする重合体ブロックBとからなるブロック共重合体よりなる光学フィルム、
[2]少なくとも2個の重合体ブロックAを有し、かつ重合体ブロックAのうち少なくとも1個が共役ジエンを含有するブロック共重合体よりなる光学フィルム、
[3]ビニル芳香族炭化水素含有量が、45〜99質量%であるブロック共重合体よりなる[1]記載の光学フィルム、
[4]ビニル芳香族炭化水素含有量が、55〜99質量%であるブロック共重合体よりなる[2]記載の光学フィルム、
[5]共役ジエンとして1,3−ブタジエンを含むブロック共重合体よりなることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載の光学フィルム、
[6]重合体ブロックB中のオレフィン性不飽和二重結合が、5〜100%水素添加されたブロック共重合体よりなることを特徴とする[1]、[3]、[4]および[5]のいずれかに記載の光学フィルム、
[7]重合体ブロックA中のビニル芳香族化合物の芳香環の不飽和二重結合が、5〜100%水素添加されたブロック共重合体よりなることを特徴とする[1]〜[6]のいずれかに記載の光学フィルム、
[8]ブロック共重合体全体のオレフィン性不飽和二重結合が、5〜100%水素添加されたブロック共重合体よりなることを特徴とする[1]〜[5]のいずれかに記載の光学フィルム、
[9]ブロック共重合体全体のオレフィン性不飽和二重結合が、85〜100%水素添加されたブロック共重合体よりなることを特徴とする[1]〜[5]のいずれかに記載の光学フィルム、
[10]ブロック共重合体全体のビニル芳香族化合物の芳香環の不飽和二重結合が、5〜100%水素添加されたブロック共重合体よりなることを特徴とする[1]〜[5]、[8]および[9]のいずれかに記載の光学フィルム。
[11]ブロック共重合体全体のビニル芳香族化合物の芳香環の不飽和二重結合が、85〜100%水素添加されたブロック共重合体よりなることを特徴とする[1]〜[5]、[8]および[9]のいずれかに記載の光学フィルム、
[12]ブロック共重合体全体のビニル芳香族化合物の芳香環の不飽和二重結合が、90〜100%水素添加され、ブロック共重合体全体のオレフィン性不飽和二重結合が、90〜100%水素添加されたブロック共重合体よりなることを特徴とする[1]〜[5]のいずれかに記載の光学フィルム、
[13]延伸したことを特徴とする[1]〜[12]のいずれかに記載の光学フィルム、
[14]ブロック共重合体が、延伸した場合の複屈折(Δn(S))と延伸倍率(S)の関係において、その最小二乗近似より求めた傾きKの値が以下の式を満たす樹脂であることを特徴とする[1]〜[13]のいずれかに記載の光学フィルム、
K=Δn(S)/S
−2.0×10−5<K<2.0×10−5
[15]押し出し成形で成形されたフィルムであることを特徴とする[1]〜[14]のいずれかに記載の光学フィルム、
[16]キャスト成形で成形されたフィルムであることを特徴とする[1]〜[14]のいずれかに記載の光学フィルム、
[17]光弾性係数が30×10−12Pa−1以下であることを特徴とする[1]〜[16]のいずれかに記載の光学フィルム、
[18]レターデーションが10nm〜300nm、延伸倍率が10%〜450%であることを特徴とする[1]〜[17]のいずれかに記載の光学フィルムを用いてなる位相差フィルム、
[19]レターデーションが0nm〜10nmであることを特徴とする[1]〜[17]のいずれかに記載の光学フィルムを用いてなる偏光板保護フィルム、
である。
本発明により、ディスプレイ等に必要な成形要因による延伸や任意の延伸をした際に複屈折の変化が小さく、光弾性係数の小さい高分子光学フィルムの提供が可能になった。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明で用いるブロック共重合体は、少なくとも1個のビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロックAと少なくとも1個の共役ジエンを主体とする重合体ブロックBとを有するブロック共重合体である。
更に本発明で用いるブロック共重合体は、少なくとも2個の重合体ブロックAを有し、かつ重合体ブロックAのうち少なくとも1個が共役ジエンを含有するブロック共重合体である。
ここでビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロックAとはビニル芳香族炭化水素含有量を50質量%以上含有するビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとの共重合体ブロック及び/又はビニル芳香族炭化水素単独重合体ブロックを示し、共役ジエンを主体とする重合体ブロックBとは共役ジエンを50質量%を越える量で含有する共役ジエンとビニル芳香族炭化水素共重合体ブロック及び/又は共役ジエン単独重合体ブロックをいう。
ビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロックA或は共役ジエンを主体とする重合体ブロックB中にビニル芳香族炭化水素と共役ジエンのランダム共重合体部分が存在する場合、共重合されているビニル芳香族炭化水素は重合体ブロック中に均一に分布していても、テーパー(漸減)状に分布していてもよい。また、該共重合体部分はビニル芳香族炭化水素が均一に分布している部分及び/又はテーパー状に分布している部分が複数個共存してもよい。
本発明のブロック共重合体が複数個の重合体ブロックA(またはB)を有する場合、それらは分子量、組成、種類等が異なっていても良い。
本発明で用いるブロック共重合体は基本的には従来公知の手法で製造することができ、例えば特公昭36−19286号公報、特公昭43−17979号公報、特公昭48−2423号公報、特公昭49−36957号公報、特公昭57−49567号公報、特公昭58−11446号公報などに記載された手法が挙げられるが、各構成ポリマーは後述する要件を満足するように製造条件を設定しなければならない。上記の公知の手法はすべて、炭化水素溶剤中で有機リチウム化合物等のアニオン開始剤を用い、共役ジエンとビニル芳香族炭化水素をブロック共重合する手法である。本発明で用いるブロック共重合体のポリマー構造は例えば
A−(B−A)n、A−(B−A)n−B、B−(A−B)n+1
〔上式において、Aはビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロックであり、Bは共役ジエンを主体とする重合体ブロックである。AブロックとBブロックとの境界は必ずしも明瞭に区別される必要はない。nは1以上の整数、一般的には1〜5である。〕で表される線状ブロック共重合体、あるいは
[(A−B)km+2−X、[(A−B)k−A]m+2−X、[(B−A)km+2−X、
[(B−A)k−B]m+2−X
〔上式において、A、Bは前記と同じであり、k及びmは1以上の整数、一般的には1〜5である。Xは例えば四塩化ケイ素、四塩化スズなどのカップリング剤の残基または多官能有機リチウム化合物等の開始剤の残基を示す。〕で表されるラジアルブロック共重合体、あるいはこれらのブロック共重合体の任意のポリマー構造の混合物が使用できる。
本発明に用いられるビニル芳香族炭化水素としては、スチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、1,3−ジメチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、1,1−ジフェニルエチレンなどが挙げられるが、特に一般的にはスチレンが挙げられる。これらは1種のみならず2種以上混合使用してもよい。共役ジエンとしては、1対の共役二重結合を有するジオレフィンであり、例えば1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエンなどが挙げられる。代表的な共役ジエンとしては、1,3−ブタジエン、イソプレンなどが挙げられる。これらは1種のみならず2種以上混合使用してもよい。
1,3−ブタジエンとイソプレンを併用する場合、1,3−ブタジエンは10質量%以上であることが好ましく、25質量%以上であることが更に好ましく、40質量%以上であることが特に好ましい。1,3−ブタジエンが10質量%以上であると、成形時等に熱分解を起こさず分子量が低下しないため光学フィルムとして好ましく用いることができる。更に水素添加したブロック共重合体の場合、1,3−ブタジエンが10質量%以上であると、フィルムの機械強度に優れるために、光学フィルムとして好ましく用いられる。
炭化水素溶媒としては、ブタン、ペンタン、ヘキサン、イソペンタン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素、或はベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素等が使用できる。これらは1種のみならず2種以上混合使用してもよい。
有機リチウム化合物としては、分子中に一個以上のリチウム原子を結合した有機モノリチウム化合物、有機ジリチウム化合物、有機ポリリチウム化合物等が挙げられる。これらの具体例としては、エチルリチウム、n−プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、ヘキサメチレンジリチウム、ブタジエニルジリチウム、イソプレニルジリチウム等が挙げられる。これらは1種のみならず2種以上混合使用してもよい。
本発明においては、重合速度の調整、重合した共役ジエン部のミクロ構造(シス、トランス、ビニルの比率)の変更、共役ジエンとビニル芳香族炭化水素の反応比の調整などの目的で極性化合物やランダム化剤を使用することができる。極性化合物やランダム化剤としては、テトラヒドロフラン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等のエーテル類、トリエチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン等のアミン類、チオエーテル類、ホスフィン類、ホスホルアミド類、アルキルベンゼンスルホン酸塩、カリウムやナトリウムのアルコキシド等が挙げられる。
本発明の方法において重合体を製造する際の重合温度は、一般的には−10℃〜150℃、好ましくは40℃〜120℃の範囲である。重合に要する時間は、条件によって異なるが、通常は48時間以内であり、特に好適には1〜10時間の範囲である。また、重合系の雰囲気は窒素ガスなどの不活性ガスなどをもって置換するのが望ましい。重合圧力は上記重合温度範囲でモノマー及び溶媒を液層に維持するに充分な圧力の範囲で行えばよく、特に制限されるものではない。更に重合系内には触媒及びリビングポリマーを不活性化させるような不純物、例えば水、酸素、炭酸ガス等が混入しないよう留意する必要がある。
本発明で用いるブロック共重合体が少なくとも1個のビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロックAと少なくとも1個の共役ジエンを主体とする重合体ブロックBとからなるブロック共重合体である場合は、ブロック共重合体のビニル芳香族炭化水素含有量の範囲は45〜99質量%が好ましく、更に好ましくは65〜95質量%の範囲、特に好ましくは70〜90質量%の範囲である。ブロック共重合体のビニル芳香族炭化水素含有量が45質量%以上では樹脂組成物成形品の剛性と透明性に優れるために好ましい。
更に本発明で用いるブロック共重合体が少なくとも2個の重合体ブロックAを有し、かつ重合体ブロックAのうち少なくとも1個が共役ジエンを含有するブロック共重合体である場合は、ブロック共重合体のビニル芳香族炭化水素含有量の範囲は55〜99質量%が好ましく、更に好ましくは65〜95質量%の範囲、特に好ましくは70〜90質量%の範囲である。ブロック共重合体のビニル芳香族炭化水素含有量が55質量%以上では樹脂組成物成形品の剛性と透明性に優れるために好ましい。
本発明においてブロック共重合体中に組み込まれているビニル芳香族炭化水素重合体ブロックのブロック率の好ましい範囲は50〜100質量%である。ブロック率が50質量%以上の場合は樹脂組成物成形品の剛性に優れるために好ましい。ビニル芳香族炭化水素ブロックのブロック率は、ブロック共重合体の製造時において少なくとも一部のビニル芳香族炭化水素と共役ジエンが共重合する工程におけるビニル芳香族炭化水素と共役ジエンの重量、重量比、重合反応性比等を変えることによりコントロールすることができる。 具体的な方法としては;
(イ)ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとの混合物を連続的に重合系に供給して重合する、及び/又は、(ロ)極性化合物或はランダム化剤を使用してビニル芳香族炭化水素と共役ジエンを共重合する、等の方法が採用できる。
極性化合物やランダム化剤としては、テトラヒドロフラン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等のエーテル類、トリエチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン等のアミン類、チオエーテル類、ホスフィン類、ホスホルアミド類、アルキルベンゼンスルホン酸塩、カリウムやナトリウムのアルコキシド等が挙げられる。尚、本発明においてブロック共重合体中に組み込まれているビニル芳香族炭化水素重合体ブロックのブロック率とは、四酸化オスミウムを触媒としてジ・ターシャリーブチルハイドロパーオキサイドによりブロック共重合体を酸化分解する方法〔I.M.KOLTHOFF,etal.,J.Polym.Sci.1,429(1946)に記載の方法〕により得たビニル芳香族炭化水素重合体ブロック成分(但し平均重合度が約30以下のビニル芳香族炭化水素重合体成分は除かれている)を定量し、下記の式から求めた値を云う。
ブロック共重合体のビニル芳香族
炭化水素重合体ブロックの質量%
ブロック率(質量%)= ――――――――――――――――― ×100
ブロック共重合体の全ビニル
芳香族炭化水素の質量%

水素添加されたブロック共重合体のブロック率は、水素添加前のポリマーを用いてブロック率の分析を行う。
本発明で用いるブロック共重合体は所望により不活性溶剤中で水素添加触媒の存在化に水素添加して水添物として使用することもできる。具体的な方法としては、特公昭42−8704号公報、特公昭43−6636号公報に記載された方法、特に好ましくは特公昭63−4841号公報及び特公昭63−5401号公報に記載された方法である。
本発明ではブロック共重合体全体のオレフィン性不飽和二重結合が5〜100%水素添加されたブロック共重合体を光学フィルムとして好ましく用いることが出来る。ブロック共重合体中のオレフィン性不飽和二重結合は、熱や光により黄変したり光線透過率が低下したりする原因となる。また、オレフィン性不飽和二重結合の水素添加により、光弾性係数を小さくすることができる。従って、光学フィルムとして用いるためにはオレフィン性不飽和二重結合を水素添加することが好ましい。オレフィン性不飽和二重結合の水素添加の更に好ましい範囲は85〜100%、特に好ましい範囲は90〜99.9%である。
本発明では重合体ブロックB中のオレフィン性不飽和二重結合が5〜100%水素添加されたブロック共重合体を光学フィルムとして好ましく用いることが出来る。ブロック共重合体中のオレフィン性不飽和二重結合は、熱や光により黄変したり光線透過率が低下したりする原因となる。また、オレフィン性不飽和二重結合の水素添加により、光弾性係数を小さくすることができる。従って、光学フィルムとして用いるためにはオレフィン性不飽和二重結合を水素添加することが好ましい。オレフィン性不飽和二重結合の水素添加の更に好ましい範囲は85〜100%、特に好ましい範囲は90〜99.9%である。
また、ブロック共重合体中全体のビニル芳香族化合物の芳香環の不飽和二重結合は、ビニル芳香族化合物全体において5〜100%水素添加されていることが好ましい。芳香環の不飽和二重結合が水素添加されることにより、レターデーションの波長依存性が抑制される効果がある。更に、光弾性係数が小さくなる効果もある。水素添加の更に好ましい範囲は85〜100%、特に好ましい範囲は90〜99.9%である。
また、重合体ブロックA中のビニル芳香族化合物の芳香環の不飽和二重結合は、ビニル芳香族化合物全体において5〜100%水素添加されていることが好ましい。芳香環の不飽和二重結合が水素添加されることにより、レターデーションの波長依存性が抑制される効果がある。更に、光弾性係数が小さくなる効果もある。水素添加の更に好ましい範囲は85〜100%、特に好ましい範囲は90〜99.9%である。
本発明において、ビニル芳香族化合物の芳香環の不飽和二重結合とオレフィン性不飽和二重結合の両方が水素添加される場合は、ブロック共重合体全体のビニル芳香族化合物の芳香環の不飽和二重結合が、90〜100%水素添加され、ブロック共重合体全体のオレフィン性不飽和二重結合が、90〜100%水素添加されていることが好ましい。
本発明におけるブロック共重合体の水素添加の度合は、水素添加率として測定される。水素添加率の測定方法は実施例において説明する。
ブロック共重合体の水素化反応の方法は特に制限されないが、オレフィン性不飽和二重結合のみを水素化する方法、オレフィン性不飽和二重結合と芳香環の不飽和二重結合の両方を水素化する方法に分けることができる。
オレフィン性不飽和二重結合をのみを水素化する水添触媒としては、特に制限されず、従来から公知である(1)Ni、Pt、Pd、Ru等の金属をカーボン、シリカ、アルミナ、ケイソウ土等に担持させた担持型不均一系水添触媒、(2)Ni、Co、Fe、Cr等の有機酸塩又はアセチルアセトン塩などの遷移金属塩と有機アルミニウム等の還元剤とを用いる、いわゆるチーグラー型水添触媒、(3)Ti、Ru、Rh、Zr等の有機金属化合物等のいわゆる有機金属錯体等の均一系水添触媒が用いられる。具体的な水添触媒としては、特公昭42-8704号公報、特公昭43-6636号公報、特公昭63-4841号公報、特公平1-37970号公報、特公平1-53851号公報、特公平2-9041号公報に記載された水添触媒を使用することができる。好ましい水添触媒としてはチタノセン化合物および/または還元性有機金属化合物との混合物があげられる。
チタノセン化合物としては、特開平8-109219号公報に記載された化合物が使用できるが、具体例としては、ビスシクロペンタジエニルチタンジクロライド、モノペンタメチルシクロペンタジエニルチタントリクロライド等の(置換)シクロペンタジエニル骨格、インデニル骨格あるいはフルオレニル骨格を有する配位子を少なくとも1つ以上もつ化合物があげられる。また、還元性有機金属化合物としては、有機リチウム等の有機アルカリ金属化合物、有機マグネシウム化合物、有機アルミニウム化合物、有機ホウ素化合物あるいは有機亜鉛化合物等があげられる。
オレフィン性不飽和二重結合をのみを水素化する水添反応は一般的に0〜200℃、より好ましくは30〜150℃の温度範囲で実施される。オレフィン性不飽和二重結合をのみを水素化する水添反応に使用される水素の圧力は0.1〜15MPa、好ましくは0.2〜10MPa、更に好ましくは0.3〜7MPaが推奨される。また、オレフィン性不飽和二重結合をのみを水素化する水添反応時間は通常3分〜10時間、好ましくは10分〜5時間である。オレフィン性不飽和二重結合をのみを水素化する水添反応は、バッチプロセス、連続プロセス、或いはそれらの組み合わせのいずれでも用いることができる。
オレフィン性不飽和二重結合と芳香環の不飽和二重結合の両方を水素化する水素化反応は、該ブロック共重合体を必要十分に溶解し、かつ自身が水素化されない溶媒での希釈系で実施される。実施濃度は通常5質量%〜40質量%である。5質量%以上であれば十分な水素化反応の速度が得られる。また40質量%以下であれば、十分に粘度が低く、水素化時に発生する発熱を十分に除熱することが可能である。水素化の温度は20℃〜180℃で適宜選択可能である。この範囲内であれば十分な水素化速度が得られ、かつ水素化触媒の劣化も問題にならず、また高分子鎖中の芳香環と非共役不飽和2重結合の選択水素化を実施することが可能である。また水素化圧は水素化触媒の種類によって異なるが通常0.5MPa〜10MPaで適宜選択可能である。
本発明に用いられるオレフィン性不飽和二重結合と芳香環の不飽和二重結合の両方を水素化する水素化触媒は、要求される水素化高分子構造が得られる触媒であれば種類、量は制限されない。水素化触媒としては4族、6族、7族、8族、9族、10族の金属、具体的にはチタン、ジルコニウム、ハフニウム、モリブデン、鉄、コバルト、ニッケル、レニウム、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、白金から選択される少なくとも1種の金属を含有する均一系水素化触媒あるいは不均一系水素化触媒を使用することが可能である。
オレフィン性不飽和二重結合と芳香環の不飽和二重結合の両方を水素化する均一系水素化触媒とは反応系に可溶な上記金属の有機金属化合物および金属錯体である。金属錯体の配位子としては水素、ハロゲン、窒素化合物、カルボン酸など適当な元素、有機化合物を任意に選択することが可能である。配位子の具体例としては、水素、フッ素、塩素、臭素、一酸化窒素、一酸化炭素あるいは、ヒドロキシル、エーテル、アミン、チオール、ホスフィン、カルボニル、オレフィン、各種ジエン等の化合物を例示することが出来る。また必要に応じてアルキルリチウム、アルキルマグネシウム、アルキルアルミニウム等の1族、2族、13族の有機金属化合物を還元剤として併用することが可能である。 均一系水素化触媒の具体例としてはナフテン酸ニッケル、オクタン酸ニッケル、ニッケルアセチルアセタート、塩化ニッケル、ニッケルカルボニル、ニッケロセン、ナフテン酸コバルト、オクタン酸コバルト、コバルトアセチルアセタート、塩化コバルト、コバルトカルボニル、チタン錯体としてジシクロペンタジエニルチタニウムジクロリド、ルテニウム錯体としてクロロヒドリドカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジヒドリドカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム等を挙げることができる。
本発明におけるオレフィン性不飽和二重結合と芳香環の不飽和二重結合の両方を水素化する均一系水素化触媒の使用量は、水素化条件によって適宜選択されるが、重合体に対し金属濃度として1質量ppm〜2000質量ppmの範囲が好ましく、より好ましくは10質量ppm〜500質量ppmの範囲である。触媒使用量が1質量ppm〜2000質量ppmであると、十分な反応速度を得ることができ、製品の着色が問題となることもなく、また触媒金属の分離回収に多大な労力をかける必要もないことから好ましい。
オレフィン性不飽和二重結合と芳香環の不飽和二重結合の両方を水素化する不均一系水素化触媒とは、上記金属あるいは前記金属の酸化物をアルミナ、シリカ、活性炭、硫酸バリウム、酸化マグネシウム、チタニアなどに担持させたもの、あるいは前記金属粉体もしくは金属酸化物粉体そのものであり、反応系に不溶であることを特徴とする。反応の手法としては重合体溶液と不均一系水素化触媒粉体を分散体として水素化させることも、不均一系水素化触媒を反応塔に詰め、重合体溶液を流通させながら連続的に水素化させることも可能である。
オレフィン性不飽和二重結合と芳香環の不飽和二重結合の両方を水素化する触媒において担体に担持させて使用する金属としては、前記金属のなかでも、いわゆる貴金属といわれるものが挙げられる。具体的な種類としては、レニウム、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、白金などが挙げられるが、分子切断などの副反応が少ないことからパラジウムが好ましい。担体の種類としては水素化活性の面からはカーボン、シリカ、アルミナが好ましいが、反応後の触媒回収とリサイクル性、製品の色目等を総合的に考慮した場合アルミナが特に好ましい。貴金属以外の不均一系触媒としては、ラネーニッケル触媒が挙げられる。
オレフィン性不飽和二重結合と芳香環の不飽和二重結合の両方を水素化する不均一水素化触媒に使用される貴金属を担体に担持させた触媒の具体例としては、2質量%白金アルミナ粉末(担体:アルミナ粉末、比表面積80〜100m/g)(エヌ・イー・ケムキャット(株)製)、5質量%パラジウムアルミナ粉末(担体:アルミナ粉末、比表面積80〜100m/g)(エヌ・イー・ケムキャット(株)製)、5質量%パラジウムカーボン粉末(担体:カーボン粉末、比表面積900〜1300m/g、含水品)(エヌ・イー・ケムキャット(株)製)、5質量%パラジウムシリカ・アルミナ粉末(担体:シリカ・アルミナ粉末、比表面積400〜600m/g)(エヌ・イー・ケムキャット(株)製)、5質量%ルテニウムアルミナ粉末(担体:アルミナ粉末、比表面積80〜100m/g)(エヌ・イー・ケムキャット(株)製)、5質量%レニウムアルミナ粉末(担体:アルミナ粉末、比表面積80〜100m/g)(エヌ・イー・ケムキャット(株)製)を挙げることが出来る。また、貴金属以外の不均一水素化触媒の具体例としてはスポンジニッケル触媒(日興リカ(株)製 商品名:R−100、R−200)(商標)など、いわゆるラネーニッケル触媒を挙げることが出来る。これらは水酸化ナトリウム水溶液でニッケルアルミニウム合金中のアルミニウム成分を溶解除去する工程、即ち一般的に展開と呼ばれる工程後、水分散状態からメタノール分散状態、次いでテトラヒドロフラン分散状態、最終的に水素化溶媒分散状態へと溶媒を置換後、反応系に添加する。
オレフィン性不飽和二重結合と芳香環の不飽和二重結合の両方を水素化する不均一系水素化触媒の使用量は、反応系中に存在する重合体に対する金属濃度として0.1質量%〜1,000質量%の範囲であり、好ましくは0.5質量%〜300質量%の範囲であり、更に好ましくは1.0質量%〜150質量%の範囲である。
オレフィン性不飽和二重結合と芳香環の不飽和二重結合の両方を水素化する反応時間は、反応系の濃度、触媒量、反応温度などの反応条件と、製品として目標とする水素化率の値で変化するが、1時間以上、24時間以内で終了させることが可能である。不均一系水素化触媒は均一触媒に比較して製品の色目が良く、反応系中にハロゲン、硫黄、リンなどを含む被毒物質を含まない場合は、分離回収後の再使用が容易であることから、工業的には均一系水素化触媒よりも望ましい。
オレフィン性不飽和二重結合と芳香環の不飽和二重結合の両方を水素化する水素化触媒金属などを極めて低減させた高純度の水素化ブロック共重合体を得ることが必要な場合は、水素化ブロック共重合体溶液中の金属イオンを適当なキレート化剤で水可溶化した上で高純度イオン交換水との交流接触にて抽出除去する方法、イオン交換樹脂カラムによるイオン性不純物除去方法、二酸化炭素超臨界法を使用した金属イオンおよび低分子アミン除去方法を必要に応じて実施することが可能である。
本発明の光学フィルムにおいては、フィルムに複屈折が必要な用途と必要でない用途が存在する。複屈折を必要としない用途は例えば偏光板保護フィルムであり、複屈折を必要とする用途は例えば位相差フィルムである。
本発明の光学フィルムは、フィルムの複屈折コントロールやフィルム強度を高めるために延伸することが好ましい。
本発明のブロック共重合体を延伸した場合の複屈折(Δn(S))と延伸倍率(S)の関係において、その最小二乗近似より求めた傾きKの値が以下の式をみたす樹脂を用いることが好ましい。
K=Δn(S)/S
−2.0×10−5<K<2.0×10−5
ここでKの値は、ポリマーのDSC測定によるガラス転移温度(Tg)を測定しTg±10℃の延伸温度で、かつ5%/min.の延伸速度で延伸を行ったときの値である。但し、ブロック共重合体に2つ以上のTgがある場合は、最も高いTgを用いた。
Kの値の更に好ましい範囲は、−1.2×10−5<K<1.2×10−5であり、特に好ましい範囲は、−1.0×10−5<K<1.0×10−5である。傾きKの値は、延伸倍率(S)に対する複屈折(Δn(S))の増加の大きさを表し、Kが大きい程延伸に対する複屈折の増加量が大きく、Kが小さい程延伸に対する複屈折の増加量が小さい。例えば、1/4波長板等の位相差フィルムに用いる場合、Kの値がこの範囲にある材料は延伸や配向による複屈折の変化が小さく、要求される複屈折の設計が容易で好ましい。また、偏光板保護フィルム等に用いる場合、Kの値がこの範囲にある材料は押し出し成形、キャスト成形における成形起因の配向による複屈折が生じにくく好ましい。更に延伸後の光学フィルム面内に複屈折の分布が生じる場合、Kの値がこの範囲にある材料は、フィルム面内における複屈折分布を小さく抑えられるために光学フィルムとして好ましい。
近年、液晶ディスプレイが大型化し、それに必要な高分子光学フィルムが大型化するにつれて、外力の偏りによって生じる複屈折の分布を小さくするために、ひずみによる複屈折の変化が小さい材料が求められている。光弾性係数の値がゼロに近いほど外力による複屈折の変化が小さいことを示しており、各用途において設計された複屈折の変化が小さいことを意味する。光弾性係数に関しては種種の文献に記載があり(例えば、化学総説、No.39.1998(学会出版センター発行)参照)、下式により定義されるものである。
CR=|Δn|/σR
|Δn|=|nx−ny|
(式中、CR:光弾性係数、σR:伸張応力、|Δn|:複屈折の絶対値、nx:伸張方向の屈折率、ny:伸張方向と垂直な屈折率)
本発明のブロック共重合体からなる光学フィルムにおいては、光弾性係数が小さいという効果が存在する。光弾性係数は、その実用性から30×10−12Pa−1以下であることが好ましく、20×10−12Pa−1以下であることが更に好ましく、10×10−12Pa−1以下であることが特に好ましい。
本発明における位相差フィルムとは、1/4波長板、1/2波長板等の位相差板、TN、VA、IPS、OCB等の各種液晶モードに用いられる視野角制御フィルム等の液晶光学補償フィルムのことである。位相差フィルムは適用する液晶モードの要求により、レターデーションが10nm〜300nmにおいて設計される。フィルムのレターデーションの均一性等の点から延伸倍率は好ましくは10%〜450%である。本発明のブロック共重合体は、その成分の設計により、さまざまな液晶モードの光学補償フィルムに幅広く用いることができる。
本発明における延伸倍率(S)は、延伸前のチャック間距離をL0、延伸後のチャック間距離をL1とすると、以下の式で表される値である。
L1−L0
S= ――――――― ×100(%)
L0

本発明の光学材料を偏光板保護フィルムとして用いる場合は、レターデーションは0nm〜10nmになるように延伸される。
本発明の光学フィルムの入射波長(λ)におけるレターデーション(Re)をRe(λ)とすると、波長λが450nm、550nm、650nmにおける波長λとRe(λ)/Re(550)の関係において、その最小二乗近似より求めた以下の式で表される傾きLの絶対値|L|が小さいことが光学フィルムとして好ましい。
L=[(Re(λ)/Re(550))]/λ
本発明における水素添加していないブロック共重合体およびオレフィン性不飽和二重結合のみを水素添加したブロック共重合体を延伸した場合、一般に光学フィルムとして用いられるポリカーボネートと同等以下の|L|の値を持ち光学フィルムとして好ましく用いることができる。また、オレフィン性不飽和二重結合と芳香環の不飽和二重結合の両方を水素添加したブロック共重合体では、ポリカーボネートの|L|の値より小さい値を示し、光学フィルムとして更に好ましく用いることができる。傾きLの値は、550nmのレターデーションを基準としたレターデーション(Re(λ)/Re(550))の波長λによる変化を表す。傾きLの絶対値|L|が小さいということは、入射光の波長によるレターデーションの変化が少ないことを意味し、表示装置等に使用した場合、|L|が小さい場合は色ぶれやコントラストの低下を抑えることが可能である。
また、本発明においてはブロック共重合体以外の重合体を、本発明の目的を損なわない範囲で混合することができる。本発明のブロック共重合体以外の重合体としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン、ゴム変性耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、スチレン−ブチルアクリレート共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)、メタクリル酸エステル−ブタジエン−スチレン共重合体(MBS)、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリメタクリル酸エステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンオキサイド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、環状オレフィン系樹脂、ノルボルネン系樹脂等の熱可塑性樹脂、およびフェノール樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂などの少なくとも1種以上を更に添加することができる。
ノルボルネン系樹脂はノルボルネン骨格の繰返し単位、またはノルボルネン骨格とメチレン骨格の共重合体よりなる。ノルボルネン系樹脂としては、JSR製の「アートン」、日本ゼオン製の「ゼオネックス」および「ゼオノア」、三井化学製の「アペル」、チコナ製の「トーパス」等があげられる。具体例としては、特開昭62−252406号公報、特開昭62−252407号公報、特開平2−133413号公報、特開昭63−145324号公報、特開昭63−264626号公報、特開平1−240517号公報、特公昭57−8815号公報、特開平5−39403号公報、特開平5−43663号公報、特開平5−43834号公報、特開平5−70655号公報、特開平5−279554号公報、特開平6−206985号公報、特開平7−62028号公報、特開平8−176411号公報、特開平9−241484号公報等に記載されている。
更に、本発明の効果を著しく損なわない範囲内で、各種目的に応じて任意の添加剤を配合することができる。添加剤の種類は,樹脂やゴム状重合体の配合に一般的に用いられるものであれば特に制限はない。無機充填剤,酸化鉄等の顔料,ステアリン酸,ベヘニン酸,ステアリン酸亜鉛,ステアリン酸カルシウム,ステアリン酸マグネシウム,エチレンビスステアロアミド等の滑剤,離型剤,パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイル、パラフィン、有機ポリシロキサン,ミネラルオイル等の軟化剤・可塑剤,ヒンダードフェノール系酸化防止剤、りん系熱安定剤等の酸化防止剤,ヒンダードアミン系光安定剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤,難燃剤,帯電防止剤,有機繊維,ガラス繊維,炭素繊維,金属ウィスカ等の補強剤,着色剤、その他添加剤或いはこれらの混合物等が挙げられる。
本発明における光学フィルムの製造方法は、特に制限されるものではなく、公知の方法が利用できる。例えば単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ブラベンダー、各種ニーダー等の溶融混練機を用いて製造することができる。また本発明におけるフィルムは、射出成形、シート成形、ブロー成形、インジェクションブロー成形、インフレーション成形、押し出し成形、発泡成形等、公知の方法で成形することが可能であり、圧空成形、真空成形等の二次加工成形法も用いることができる。
本発明の光学フィルムの好ましい製法として、押し出し成形、キャスト成形等の手法が用いられる。例えば、Tダイ、円形ダイ等が装着された押出機等を用いて、未延伸フィルムを押し出し成形することができる。また、ブロック共重合体が可溶な溶媒、例えばクロロホルム、トルエン等の溶媒を用いて、ブロック共重合体を溶解後、キャスト乾燥固化することによりフィルムをキャスト成形もすることができる。
上記方法で得られたフィルムを更に、機械的流れ方向に縦一軸延伸、機械的流れ方向に直行する方向に横一軸延伸することができ、またロール延伸とテンター延伸の逐次2軸延伸法、テンター延伸による同時2軸延伸法、チューブラー延伸による2軸延伸法等によって延伸することにより2軸延伸フィルムを製造することができる。延伸を行うことによりフィルムの強度を向上させることができる。最終的な延伸倍率は得られたフィルムの熱収縮率より判断することができる。
本発明において、光学フィルムの厚さは1〜300μmの範囲が好ましく、5〜200μmの範囲が更に好ましく、10〜100μmの範囲が特に好ましい。
本発明の光学フィルムは、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイ、リアプロジェクションテレビ等のディスプレイに用いられる偏光板保護フィルム、1/4波長板、1/2波長板等の位相差板、視野角制御フィルム等の液晶光学補償フィルム、ディスプレイ前面板、ディスプレイ基盤、レンズ等、また、太陽電池に用いられる透明基盤等に好適に用いることができる。本発明の光学フィルムは、例えば反射防止処理、透明導電処理、電磁波遮蔽処理、ガスバリア処理等の表面機能化処理をすることもできる。
次に実施例によって本発明を説明する。
本願発明および実施例で用いた評価法をまず説明する。
(A)評価
(1)レターデーションの測定
大塚電子製RETS−100を用いて、回転検光子法により400〜800nmの波長について測定を行った。複屈折の絶対値(|Δn|)とレターデーション(Re)は以下の関係にある。
Re=|Δn|×d
(|Δn|:複屈折の絶対値、Re:レターデーション、d:サンプルの厚み)
また、複屈折の絶対値(|Δn|)は以下に示す値である。
|Δn|=|nx−ny|
(nx:延伸方向の屈折率、ny:面内で延伸方向と垂直な屈折率)
(2)複屈折の測定
大塚電子製RETS−100を用いて、回転検光子法により測定を行った。複屈折の値は550nmの値である。複屈折(Δn)は、以下の式により計算した。
Δn=nx−ny
(Δn:複屈折、nx:伸張方向の屈折率、ny:伸張方向と垂直な屈折率)
複屈折(Δn)の絶対値(|Δn|)は、以下のように求めた。
|Δn|=|nx−ny|
(3)光弾性係数の測定
Polymer Engineering andScience 1999,39,2349-2357に詳細の記載のある複屈折測定装置を用いた。レーザー光の経路にフィルムの引っ張り装置を配置し、23℃で伸張応力をかけながら複屈折を測定した。伸張時の歪速度は50%/分(チャック間:10mm、チャック移動速度:5mm/分)、試験片幅は8mmで測定を行った。複屈折の絶対値(|Δn|)と伸張応力(σR)の関係から、最小二乗近似によりその直線の傾きをもとめ光弾性係数(CR)を計算した。計算には伸張応力が2.5MPa≦σR≦10MPaの間のデータを用いた。
CR=|Δn|/σR
|Δn|=nx−ny
(CR:光弾性係数、σR:伸張応力、|Δn|:複屈折の絶対値、nx:伸張方向の屈折率、ny:伸張方向と垂直な屈折率)
(4)ブロック率
四酸化オスミウムを触媒としてジ・ターシャリーブチルハイドロパーオキサイドによりブロック共重合体を酸化分解する方法〔I.M.KOLTHOFF,etal.,J.Polym.Sci.1,429(1946)に記載の方法〕により得たビニル芳香族炭化水素重合体ブロック成分を定量し、下記の式から求めた。

ブロック共重合体のビニル芳香族
炭化水素重合体ブロックの質量%
ブロック率(質量%)= ――――――――――――――――― ×100
ブロック共重合体の全ビニル
芳香族炭化水素の質量%

水素添加されたブロック共重合体のブロック率は、水素添加前のポリマーを用いてブロック率の分析を行った。
(5)水素添加率の測定
ブロック共重合体全体のオレフィン性不飽和二重結合およびビニル芳香族化合物の芳香環の不飽和二重結合の水素添加率は、ブルカー社製DPX400を使用し、プロトン核磁気共鳴スペクトル(NMR)測定を行い、それぞれのピークを帰属し水素添加率(%)を求めた。測定溶媒には重クロロホルムまたはo−ジクロロベンゼン−d4を用いた。ブロックごとの水素添加率は以下の様にして求めた。ブロック共重合体全体のオレフィン性不飽和二重結合の水素添加率をH、重合体ブロックA中のオレフィン性不飽和二重結合の水素添加率をHDA、重合体ブロックB中のオレフィン性不飽和二重結合の水素添加率をHDB、ブロック共重合体全体のビニル芳香族化合物の芳香環の不飽和二重結合の水素添加率をH、重合体ブロックA中のビニル芳香族化合物の芳香環の不飽和二重結合の水素添加率をHRA、重合体ブロックB中のビニル芳香族化合物の芳香環の不飽和二重結合の水素添加率をHRBとする。 重合体ブロックB中のオレフィン性不飽和二重結合の水素添加率HDBは、水素添加の反応性がブロックAとBで異なることを考慮して、HDAが最大である場合と、HDBが最大である場合を仮定し、Hと各ブロックの共役ジエン組成比から、HDBの範囲を算出した。重合体ブロックA中に共役ジエンが含まれない場合は、HDBは、Hに等しい。また、重合体ブロックA中のビニル芳香族化合物の芳香環不飽和二重結合の水素添加率HRAは、水素添加の反応性がブロックAとBで異なることを考慮して、HRBが最大である場合と、HRAが最大である場合を仮定し、Hと各ブロックのビニル芳香族炭化水素組成比から、HRAの範囲を算出した。重合体ブロックB中にビニル芳香族炭化水素が含まれない場合は、HRAは、Hに等しい。
(B)用いた原材料など
(1)ブロック共重合体(A−1)
攪拌機付きオートクレーブを用い、窒素ガス雰囲気下でスチレン25質量部を含むシクロヘキサン溶液にn−ブチルリチウムを0.080質量部を添加し、80℃で20分間重合した。次にスチレン15質量部と1,3−ブタジエン24質量部を含むシクロヘキサン溶液を60分間連続的に添加して80℃で重合した。次にスチレン36質量部を含むシクロヘキサン溶液を25分間連続的に添加して80℃で重合した後、80℃で10分間保持した。その後、重合器にメタノールをn−ブチルリチウムに対して0.9倍モル添加して重合を停止し、安定剤として2−〔1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル〕−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレートをブロック共重合体100質量部に対して0.5質量部を加えた後、脱溶媒してブロック共重合体(A−1)を得た。ブロック共重合体A−1は、スチレン/1,3−ブタジエン=100/0質量比である重合体ブロックA、スチレン/1,3−ブタジエン=38.5/61.5質量比である重合体ブロックB、スチレン/1,3−ブタジエン=100/0質量比である重合体ブロックAよりなるA−B−A型ブロック重合体である。また、得られたブロック共重合体A−1は、数平均分子量85000、スチレン含有量は77.5%、ブロック率は80質量%、また、メルトフローレートは7g/10分(ASTM D1238に準拠、200℃、荷重5kg)であった。
(2)ジエン水添ブロック共重合体(A−2)
攪拌機付きオートクレーブを用い、窒素ガス雰囲気下でスチレン10質量部を含むシクロヘキサン溶液にn−ブチルリチウムを0.15質量部、テトラメチルエチレンジアミン四酢酸を0.18質量部添加し、75℃で5分間連続添加して重合した。次にスチレン70質量部と1,3−ブタジエン10質量部を含むシクロヘキサン溶液を60分間連続的に添加して75℃で重合した。次にスチレン10質量部を含むシクロヘキサン溶液を15分間連続的に添加して75℃で重合した後、75℃で10分間保持した。その後、重合器にメタノールをn−ブチルリチウムに対して0.9倍モル添加して重合を停止し、安定剤として2−〔1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル〕−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレートをブロック共重合体100質量部に対して0.5質量部を加えた後、脱溶媒してブロック共重合体P−1のシクロヘキサン溶液を得た。ブロック共重合体P−1は、スチレン/1,3−ブタジエン=100/0質量比である重合体ブロックA、スチレン/1,3−ブタジエン=87.5/12.5質量比である重合体ブロックA、スチレン/1,3−ブタジエン=100/0質量比である重合体ブロックAよりなるA−A−A型ブロック重合体である。また、得られたブロック共重合体P−1は、数平均分子量は120000、スチレン含有量は90質量%であった。
次に、この共重合体P−1を出発物質として、ジエン水添ブロック共重合体A−2を得た。水添触媒は、窒素置換した反応容器に乾燥、精製したシクロヘキサン1リットルを仕込み、ビス(η5-シクロペンタジエニル)チタニウムジクロリド100ミリモルを添加し、十分に攪拌しながらトリメチルアルミニウム200ミリモルを含むn-ヘキサン溶液を添加して、室温にて約3日間反応させた水添触媒を使用した。水添触媒をブロック共重合体100質量部当たりチタンとして100ppm添加し、水素圧0.7MPa、温度65℃で水添反応を行った。その後メタノールを添加し、脱溶媒してブロック共重合体水添物を得た。ブロック共重合体水添物の水添率は、水素量で調整した。共重合体A−2の水素添加率は、HDBが99.9%、HRAが0%、Hが99.9%、Hが0%であった。
(3)ジエンおよび芳香環水添ブロック共重合体(A−3)
攪拌機付きオートクレーブを用い、窒素ガス雰囲気下でスチレン25質量部を含むシクロヘキサン溶液にn−ブチルリチウムを0.065部を添加し、70℃で20分間重合した。次にスチレン20質量部と1,3−ブタジエン30質量部を含むシクロヘキサン溶液を60分間連続的に添加して70℃重合した。次にスチレン25質量部を含むシクロヘキサン溶液を60分間連続的に添加して約70℃で重合した後、70℃で10分間保持した。その後、重合器にメタノ−ルをn−ブチルリチウムに対して0.9倍モル添加して重合を停止し、安定剤として2−〔1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル〕−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレ−トをブロック共重合体組成物100質量部に対して0.5質量部を加えた後、脱溶媒してブロック共重合体P−2を得た。ブロック共重合体P−2は、スチレン/1,3−ブタジエン=100/0質量比である重合体ブロックA、スチレン/1,3−ブタジエン=40.0/60.0質量比である重合体ブロックB、スチレン/1,3−ブタジエン=100/0質量比である重合体ブロックAよりなるA−B−A型ブロック重合体である。また、得られたブロック共重合体P−2は、数平均分子量110000、スチレン含有量は70%、ブロック率は55%、また、メルトフローレートは6g/10分(ASTM D1238に準拠、200℃、荷重5kg)であった。
次に、このブロック共重合体P−2を200gと精製したシクロヘキサン800gを5Lの高圧反応器に移し、ラネーNi10gをシクロヘキサン1000gを用いて移送した。水素で反応器内を置換し、8MPa、160℃で6時間水素添加反応を行い、ジエンおよび芳香環水添ブロック共重合体A−3を得た。1H−NMRから水素添加を求めた。この水素化物のDSCを測定し、単一のTgを確認した。共重合体A−3の水素添加率は、HDBが99.9%、HRAが99.4〜100%、Hが99.9%、Hが99.6%であった。
(4)ポリカーボネート樹脂(B−1)
比較に用いたポリカーボネート樹脂には、メルトフローレート10g/10分(ASTM D1238に準拠、300℃、荷重1.2kg)のポリカーボネート樹脂を使用した。
[実施例1〜9および比較例1〜3]
テクノベル製Tダイ装着押し出し機(KZW15TW−25MG−NH型/幅150mmTダイ装着/リップ厚0.5mm)のホッパーにブロック共重合体(A−1)、ジエン水添ブロック共重合体(A−2)、ジエンおよび芳香環水添ブロック共重合体(A−3)またはポリカーボネート樹脂(B−1)のいずれかのペレットを投入した。押し出し機のシリンダー内樹脂温度とTダイの温度を調整し押し出し成形し、得られた未延伸フィルムの一軸延伸(延伸速度5%/分)を引っ張り試験機を用いて行うことにより実施例1〜9、比較例1〜3の未延伸フィルムを得た。|Δn|=|nx−ny|を求めるのに必要なnxは一軸引っ張り方向の屈折率とし、nyは一軸引っ張り方向に垂直な方向の屈折率とした。組成、押し出し条件、延伸条件、フィルムの厚み、レターデーションの波長依存性(450nm、550nm、650nm)、複屈折の絶対値、光弾性係数を表1および表2に示した。波長λが450nm、550nm、650nmにおける波長λとRe(λ)/Re(550)の関係から、その最小二乗近似より求めた傾きLの絶対値|L|を表1および表2に示した。また、表1および表2の結果から求めた、復屈折(Δn(S))と延伸倍率(S)の関係をプロットし、最小二乗近似によりKの値を求めた。その結果を表3に示した。復屈折(Δn(S))と延伸倍率(S)の関係を示すグラフ図を図1に示す。
[実施例10〜12]
実施例1と同様な方法により、未延伸フィルムを成形し、この未延伸フィルムを実施例1と同様な方法で1軸延伸を行い、温度を微調整することにより、レターデーションが138nmのフィルムを得た。組成、押し出し条件、延伸条件、フィルムの厚み、レターデーションを表4に示した。550nmにおいて1/4波長板としてのレターデーションを持つ位相差フィルムとして機能することが確認しされた。
[実施例13〜15]
実施例1と同様な方法により、未延伸フィルムを成形し、この未延伸フィルムを実施例1と同様な方法で1軸延伸を行い、温度を微調整することにより、レターデーションが275nmのフィルムを得た。組成、押し出し条件、延伸条件、フィルムの厚み、レターデーションを表4に示した。550nmにおいて1/2波長板としてのレターデーションを持つ位相差フィルムとして機能することが確認された。
Figure 2006283010
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本発明の光学フィルムは、透明でかつ延伸による複屈折の変化が小さいという優れた光学特性を持ち、本発明の光学フィルムは、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイ、リアプロジェクションテレビ等のディスプレイに用いられる偏光板保護フィルム、1/4波長板、1/2波長板等の位相差板、視野角制御フィルム等の液晶光学補償フィルム、ディスプレイ前面板、ディスプレイ基盤、レンズ等、また、太陽電池に用いられる透明基盤等に好適に用いることができる。
実施例および比較例の延伸した場合の復屈折(Δn(S))と延伸倍率(S)の関係を示すグラフ図。

Claims (19)

  1. 少なくとも1個のビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロックAと少なくとも1個の共役ジエンを主体とする重合体ブロックBとからなるブロック共重合体よりなる光学フィルム。
  2. 少なくとも2個の重合体ブロックAを有し、かつ重合体ブロックAのうち少なくとも1個が共役ジエンを含有するブロック共重合体よりなる光学フィルム。
  3. ビニル芳香族炭化水素含有量が、45〜99質量%であるブロック共重合体よりなる請求項1に記載の光学フィルム。
  4. ビニル芳香族炭化水素含有量が、55〜99質量%であるブロック共重合体よりなる請求項2に記載の光学フィルム。
  5. 共役ジエンとして1,3−ブタジエンを含むブロック共重合体よりなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学フィルム。
  6. 重合体ブロックB中のオレフィン性不飽和二重結合が、5〜100%水素添加されたブロック共重合体よりなることを特徴とする請求項1、3、4および5のいずれか1項に記載の光学フィルム。
  7. 重合体ブロックA中のビニル芳香族化合物の芳香環の不飽和二重結合が、5〜100%水素添加されたブロック共重合体よりなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学フィルム。
  8. ブロック共重合体全体のオレフィン性不飽和二重結合が、5〜100%水素添加されたブロック共重合体よりなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学フィルム。
  9. ブロック共重合体全体のオレフィン性不飽和二重結合が、85〜100%水素添加されたブロック共重合体よりなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学フィルム。
  10. ブロック共重合体全体のビニル芳香族化合物の芳香環の不飽和二重結合が、5〜100%水素添加されたブロック共重合体よりなることを特徴とする請求項1〜5、8および9のいずれか1項に記載の光学フィルム。
  11. ブロック共重合体全体のビニル芳香族化合物の芳香環の不飽和二重結合が、85〜100%水素添加されたブロック共重合体よりなることを特徴とする請求項1〜5、8および9のいずれか1項に記載の光学フィルム。
  12. ブロック共重合体全体のビニル芳香族化合物の芳香環の不飽和二重結合が、90〜100%水素添加され、ブロック共重合体全体のオレフィン性不飽和二重結合が、90〜100%水素添加されたブロック共重合体よりなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学フィルム。
  13. 延伸したことを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の光学フィルム。
  14. ブロック共重合体が、延伸した場合の複屈折(Δn(S))と延伸倍率(S)の関係において、その最小二乗近似より求めた傾きKの値が以下の式を満たす樹脂であることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の光学フィルム。
    K=Δn(S)/S
    −2.0×10−5<K<2.0×10−5
  15. 押し出し成形で成形されたフィルムであることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の光学フィルム。
  16. キャスト成形で成形されたフィルムであることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の光学フィルム。
  17. 光弾性係数が30×10−12Pa−1以下であることを特徴とする請求項1〜16のいずれか1項に記載の光学フィルム。
  18. レターデーションが10nm〜300nm、延伸倍率が10%〜450%であることを特徴とする請求項1〜17のいずれか1項に記載の光学フィルムを用いてなる位相差フィルム。
  19. レターデーションが0nm〜10nmであることを特徴とする請求項1〜17のいずれか1項に記載の光学フィルムを用いてなる偏光板保護フィルム。
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