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JP2006276105A - 平面ディスプレイ部材の製造方法 - Google Patents

平面ディスプレイ部材の製造方法 Download PDF

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Tomoko Mikami
友子 三上
Takayoshi Kirimoto
高代志 桐本
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Abstract

【課題】 映り込み、歪み、ぼやけ等の問題がない良好な視認性を有し、耐衝撃性に優れたディスプレイを得ることのできる平面ディスプレイ部材の製造方法を提供すること。
【解決手段】 平面ディスプレイ部材の製造方法は、透明基材上の第1の面に透明樹脂層を、第2の面の最表面に反射防止層を有する平面ディスプレイ部材の製造方法であって、透明基材上に、25℃での粘度が2000〜50000mPa・sの透明樹脂ペーストを口金から吐出して枚様方式で塗布する工程及び塗布された透明樹脂ペーストを硬化する工程を経て前記透明樹脂層を形成する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、平面ディスプレイに用いられる平面ディスプレイ部材に関するものであり、さらに詳しくは、映り込み、歪み、ぼやけ等の問題がない良好な視認性を有し、耐衝撃性に優れた平面ディスプレイに用いられる平面ディスプレイ材料の製造方法に関する。
液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどの平面ディスプレイは、明瞭なフルカラー表示が可能な表示装置である。平面ディスプレイには、通常、反射防止と平面ディスプレイ保護を目的とした前面保護板が平面ディスプレイ視認側に配置される。特にプラズマディスプレイや屋外で使用する携帯電話などに使用される液晶ディスプレイは、平面ディスプレイと前面保護板の間に間隙を設け、ディスプレイに衝撃力が直接作用することを防止し、ディスプレイから発生する熱や電磁波の伝搬を抑制している。しかしながら、このような間隙によって形成される空気層と前面保護板および平面ディスプレイの界面における光の反射が大きく、外光が映り込む、あるいは表示が2重に見えるといった視認性の低下が問題となる。ここから、平面ディスプレイの視認側に緩衝性と密着性を有する耐熱性の透明樹脂シートを介して透明保護板を直接装着する方法(特許文献1参照)が提案されているが、透明樹脂シートを製造する方法としては、あらかじめセパレーター上に設けた透明樹脂シートを圧着方式によって密着させる方式が記載されているのみであった。このような製造方法では、平坦性が良好な透明樹脂シートを得ることが困難であり、表示画像の歪み、ぼやけ等の視認性の低下につながるといった問題があった。また、同様な耐衝撃性シートの製造方法として、スクリュー式押し出し機を用いてシート状に成型する方法(特許文献2参照)が提案されているが、このような製造方法によっても平坦性が良好透明樹脂シートを得ることは困難であり、ディスプレイに用いた場合、歪みが発生するなど視認性の面で問題があった。
特開平9-259770号公報 特開平2000-211012号公報
そこで、本発明は、上記従来技術に鑑みて、より合理的なプロセスで、映り込み、歪み、ぼやけ等の問題がない良好な視認性を有し、耐衝撃性に優れたディスプレイを得ることのできる平面ディスプレイ部材の製造方法を提供することを目的とする。
本願発明者らは、透明基材の第1の面に透明樹脂層を形成、第2の面に反射防止層を積層した平面ディスプレイ部材を平面ディスプレイの前面に透明樹脂層を介して直接装着することにより、映り込みのない平面ディスプレイが提供でき、特定の範囲の粘度を有する透明樹脂ペーストを平坦に保持された透明基材上に口金から吐出・硬化して枚様方式で形成することにより、透明樹脂層の平坦性が向上し、表示画像のゆがみ等のない視認性・耐衝撃性に優れた平面ディスプレイを得ることのできる平面ディスプレイ部材を製造できることを見いだし、本発明に至った。
すなわち、本発明は、透明基材上の第1の面に透明樹脂層を、第2の面の最表面に反射防止層を有する平面ディスプレイ部材の製造方法であって、透明基材上に、25℃での粘度が2000〜50000mPa・sの透明樹脂ペーストを口金から吐出して枚様方式で塗布する工程及び塗布された透明樹脂ペーストを硬化する工程を経て前記透明樹脂層を形成することを特徴とする平面ディスプレイ部材の製造方法を提供する。
本発明によれば、簡略な工程により、視認性に優れる平面ディスプレイ部材を製造でき、さらに、この平面ディスプレイ部材を用いることで表示品位・耐衝撃性に優れた平面ディスプレイを提供できる。
透明基材
本発明の平面ディスプレイ部材の製造方法に用いる透明基材は、平面ディスプレイの前面に配置され得る透明なものであれば、特に制限なく用いることができる。本発明の「透明」とは、その光透過率がJIS K6714に準拠したヘイズ値に基づいて5以下、全光線透過率が85%以上であることをいう。このような透明基材としては、ガラス基板、樹脂基板、フィルムなどを用いることができる。樹脂基板としては厚み0.5〜3mmのアクリル板もしくはポリカーボネート基板等の公知の透明樹脂基板を用いることができる。また、フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレートフィルムやポリカーボネートフィルムを用いることができる。ガラス基板としては厚み0.7〜3.5mmのソーダガラスもしくは強化ガラス等の公知のガラス基板を用いることができる。特にガラス基板は、基材の平坦性を保持することが容易で、後述する透明樹脂層の形成が高品位となる点から、好ましく用いられる。
透明樹脂層
上記した透明基材上に、透明樹脂層を形成する。透明樹脂層は視認性、耐衝撃性の点より、0.1〜2.0mm、より好ましくは0.3〜1.5mmの厚みであることが好ましい。0.1mm未満の場合耐衝撃性能に劣り、2.0mmを超える場合、透明性の低下や、厚みムラの発生等が懸念され、表示品位が低下する恐れがある。
透明樹脂としては、例えばアミド樹脂、スチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、オレフィン樹脂などの適宜な透明樹脂を用いることができる。この中でも、透明性、耐衝撃性、耐候性などの点から、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂若しくはオレフィン樹脂又はこれらの2種以上の混合物が好ましく用いられる。
本発明の製造方法における透明樹脂層は、透明基材上に透明樹脂ペーストを口金から吐出して枚様方式で塗布する工程と、硬化工程を経て形成される。ここで、「枚様方式」とは、透明基材上での塗布が終了した時点で透明樹脂ペーストの吐出を一旦終了して間欠的に塗布していくことを意味する。
本発明で好ましく用いられる0.1mm以上の厚みの透明樹脂層を得るための透明樹脂ペーストの塗布方法としては、密閉型の口金から透明樹脂ペーストを吐出して、基材上に塗布するダイコート、リップコート塗布等があげられる。特に、スリットダイコート塗布は圧送やシリンジポンプ、ダイヤフラムポンプ、ギヤポンプなどを用いて、いわゆるスリット状の吐出口を有する口金からペーストを吐出し、塗布する方法であり、必要なペースト量だけを塗布することができるため、理論的には廃液が発生せず、経済性に優れているという点から好ましく用いられる
透明樹脂ペーストは枚様形状に塗布される。本発明の製造方法で得られた平面ディスプレイ部材を平面ディスプレイの視認側に装着する際、平面ディスプレイは枚様であるため、最終的には平面ディスプレイ部材を枚様に成型する必要がある。さらに、後述する基材の平坦性の保持の際も、連続的に形成するよりは、枚様形状で間欠的かつ選択的に形成するほうが簡便である。
透明樹脂ペーストとは透明樹脂の未硬化の状態のものを言い、透明樹脂を適宜の溶媒に溶解した透明樹脂溶液、透明樹脂の溶融液、硬化前の未反応物(以下、硬化主材)と硬化開始剤の混合液などを用いることができる。ここで溶媒とは、樹脂を溶解可能で、沸点200℃以下、80〜150℃の加熱により除去可能なものを言う。特に、溶媒の乾燥が不要で、厚み制御が容易である点から、無溶媒ペーストが好ましく用いられる。さらには、硬化開始剤と硬化主材の混合物からなる複数液硬化型ペーストが好ましく用いられる。例えばシリコーン樹脂の場合、硬化主材としては、シラノール基や、ビニル基に代表されるアルケニル基等の官能基を有するベースポリマーとしてのオルガノポリシロキサンが用いられる。オルガノポリシロキサンとしては、アルケニル基や水酸基(シラノール基)等の官能基を1分子中に2個以上有するものが挙げられ、例えば、末端にシラノール基や、ビニル基等のアルケニル基を有するジメチルポリシロキサンやジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体等のジオルガノポリシロキサンが用いられる。硬化開始剤としては、3官能以上のシランモノマー、3官能以上のメチルハイドロジェン(ポリ)シロキサン等のオルガノハイドロジェン(ポリ)シロキサン、アルキルオルソシリケート等の金属アルコラートなどが挙げられる。さらに硬化反応促進触媒として、白金化合物、ジブチル錫ジアセテートやジブチル錫ジラウリレート等の有機金属化合物、又はオクテン酸錫のような金属脂肪酸塩などを適宜混合する。前記硬化材や触媒の種類や量は、架橋度、可使時間や硬化速度を考慮して適宜決定すればよい。また必要に応じて、フィラー、希釈剤、可塑剤、着色剤、紫外線吸収、粘着付与剤などを配合することもできる。
さらに、透明樹脂ペーストの25℃における粘度は、2,000〜50,000mPa・sであり、好ましくは4,000〜30,000mPa・sである。2,000mPa・s未満ではペーストのレベリングによるたれや広がりが発生し、0.1mm以上の厚みを制御することが困難となる。また、50,000mPa・sを超えると、ペースト吐出の際のペースト流の安定性確保が困難になることから、好ましくない。なお、粘度は、JIS Z8803-1998に従って測定される。
上記した透明樹脂自体はこの分野において周知であり、市販もされているので、市販品を用いてもよい。
硬化工程は、透明樹脂溶液を用いた場合は加熱による溶媒除去、複数液硬化型の無溶媒樹脂を用いた場合は、硬化反応トリガーとエネルギー、例えば加熱、活性エネルギー線の照射による反応開始剤の活性化により、硬化主材の硬化反応が進み、透明樹脂を得ることができる。
このような透明樹脂ペーストの吐出工程、硬化工程においては、基材の平坦性を保持することが好ましい。すなわち、未硬化の透明樹脂ペーストを、凹凸がある状態の基材上で吐出・硬化した場合、透明樹脂層の厚みムラ、透明性の低下が懸念され、表示品位が低下する恐れがある。基材の平坦性を保持する方法としては、平坦な支持体上に基材を固定する方法などが挙げられる。ガラスを用いる場合は、平坦性の保持が容易である。樹脂基板を用いる場合は、ステンレスや御影石などの平坦なステージ上に真空吸着で固定する方法が、簡便である。フィルムを用いる場合は、ステンレスやゴムなどの平坦なローラー上にフィルムを通したり、ステンレスや御影石などの平坦なステージ上に真空吸着で固定する方法が挙げられる。特に、平坦なステージ上に真空吸着で基材を固定し、吐出工程はステージと口金が相対移動しながら、硬化工程はステージの水平度を保持した状態で行うことが、様々な平坦性を有する基材を使用でき、かつ平坦性を保持して、厚みムラのない透明樹脂層を得られる点から好ましい。
反射防止層
透明基材の第2の面の最表面に、反射防止層を形成する。反射防止層は、ディスプレイの視認側に装着したとき、外光の反射防止、映り込み防止または低反射映り込み防止の機能を果たして、ディスプレイの画像表示の劣化を防ぐものである。このような効果を発揮させる反射防止層の形成は、透明基材の他方の面に反射防止フィルムを積層する、あるいは透明基材に直接反射防止処理を施すなどの方法を用いることができる。反射防止フィルムを用いる場合は、厚さが0.01〜0.5mm、好ましくは0.05〜0.3mmの範囲にあるのがよい。通常は、透明性が良好でかつ機械的強度にすぐれる、ポリエステルフィルム、ポリアセチルセルロースフィルム、ポリアクリルフィルム、ポリカーボネートフィルム、エポキシ系フィルム、ポリウレタンフィルムなどのプラスチックフィルムを基材とし、これに可視光反射率が5%以下、好ましくは3%以下となる反射防止処理を施したもの、ヘイズ値が50%以下となるアンチグレア(写り込み防止)処理を施したものなどが用いられる。これらの各処理の方法には特に限定はなく、公知の方法を用いて行えばよい。このような反射防止フィルム自体は周知であり、市販もされているので、市販品を用いることもできる。
電磁波シールド層
さらに、透明基材の第2の面に、電磁波シールド層を形成することもできる。特にプラズマディスプレイには、電磁波シールドが必須となる。電磁波シールドはプラズマディスプレイ前面の表示エリアをカバーするように設けられた導電部と、導電部の周辺4辺にアースと呼ばれる帯状の部分がある。アース部分は、金属ペースト法、導電性テープなどにより適宜形成される。プラズマディスプレイより放射された電磁波のほとんどは導電部で反射されるが、一部は電気エネルギーとなり導電部を導通しこのアースから筐体に接地される。電磁波シールドに基づく電磁波シールド効果は、たとえば、42インチのプラズマディスプレイ単体からの放射電界強度が40〜50dBμV/mである場合、10dB以上、好ましくは20dB以上のシールド効果が必要である。つまり、VCCI規制値(10m法)では、クラスAで40dBμV/m以下であり、マージン6〜7dBを考えると、プラズマディスプレイ単体からの放射電界強度が40〜50dBμV/mに対し、シールド効果が10dB以上、好ましくは20dB以上である。相対値として、シールド効果10dB以上に必要な表面抵抗値は10Ω/cm以下であり、好ましくは5Ω/cm以下である。
このような効果を発揮させる電磁波シールド層の形成は、透明基材の他方の面に電磁波シールドフィルムを積層する、あるいは透明基材に直接電磁波シールド処理を施すなどの方法を用いることができる。電磁波シールドフィルムを用いる場合は、厚さが0.01〜0.5mm、好ましくは0.05〜0.3mmの範囲にあるのがよい。通常は、可視光線透過率が70%以上の透明性を有し、機械的強度にすぐれ、耐熱性の良好であるプラスチック、たとえば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、トリアセチルセルロース、アートン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルスルフォンなどのフィルムを基材として、この上に、繊維に無電解メッキした金属メッシュ、パターニングした金属メッシュ、導電性微粒子をパターニング印刷した金属メッシュ、金属薄膜と透明薄膜との透明導電多層膜などを、設けたものなどが用いられる。なお、このような電磁波シールド層自体もこの分野において周知である。
層構成
本発明の製造方法で得られる平面ディスプレイ部材の層構成としては、透明樹脂層/透明基材/反射防止層、透明樹脂層/透明基材/電磁波シールド層/反射防止層の構成がある。さらに、透過率制御機能を付与することにより、平面ディスプレイ用の光学フィルターとして用いることができる。透過率制御機能は各層に付与することもできるが、透過する光の波長を制御するための色補正フィルムや、赤外線や紫外線をカットするフィルム、また、プラズマディスプレイに用いる場合は、ネオン光をカットする機能を有するフィルム、指紋など汚染物質が表面に付着することを防止する防汚性フィルムなどを貼り付けることで、多機能の光学フィルターを作成できる。また、こうして得られる光学フィルターは、平面ディスプレイ用の前面フィルター、例えば、プラズマディスプレイパネルなどの前面フィルターとして、好適に用いることができる。このような、ディスプレイ部材に用いられる各種フィルムはこの分野において周知である。
平面ディスプレイ
以上、本発明の製造方法により得られる平面ディスプレイ部材を、平面ディスプレイの視認側に、前記透明樹脂層を介して直接装着することにより、表示品位・耐衝撃性に優れた平面ディスプレイを提供することが可能となる。
以下、本発明を実施例に基づきより具体的に説明する。もっとも、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
各例で用いた部材、材料は、次のとおりである。
透明基材 :
日本板硝子製ソーダガラス(厚み1.8mm)
東レ製ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム「ルミラー」(厚み0.1mm)
三菱レイヨン製アクリレート樹脂板「アクリライト」(厚み2mm)
透明樹脂ペースト:
東レダウコーニングシリコーン製シリコーン組成物(無溶媒、2液:A、B)
綜研化学製アクリルシロップ(無溶媒、1液)
バイエル製ウレタン組成物(無溶媒、2液:イソシアネート、ポリオール)
反射防止層 :
住友大阪セメント製反射防止フィルム「クリアラス」(厚み0.1mm)
電磁波シールド層:
日本フィルコン製パターニング銅メッシュフィルム(厚み0.1mm)
塗布機 :
東レエンジニアリング製スリットダイコーター
康井精機製フレキシブルコーター
硬化機 :
タバイ製熱風乾燥炉
JATEC製UV照射装置
大日本スクリーン製枚様露光機
ラミネーター :
MCK製オートカットラミネーター
大成ラミネーター製ロールラミネーター
実施例1
大きさ965mm×550mmのソーダガラスをダイコーターのステンレス製ステージ上に真空吸着により固定し、第1の面に、シリコーン組成物(重量比:A/B=1/1、粘度8000mPa・s)を、厚み1.1mmのスペーサーで幅540mmのスリットを形成したスリットダイコート口金を用いて塗布した。塗布は、スリットを下に向けて口金を門構えに固定、その下をステージが移動し、塗液供給を圧送で行い、塗布開始:加圧開始、塗布終了:加圧終了となるように圧力供給を電磁弁で切り替える方式で行った。条件は以下の通り。塗布速度 :2.5m/分、吐出圧力:3kg/cm2、塗布長さ:955mm。その後、熱風乾燥炉までUPE製ローラー上を搬送し、ステンレス製ステージ上に静置して100℃、10分間加熱して、硬化を行った。得られた透明樹脂は厚み0.5mm、幅545mm、長さ960mmの形状であった。続いて透明樹脂の上面に幅965mmのPET製セパレートフィルムをオートカットラミネーターでラミネートした。その後、ソーダガラスの第2の面に幅965mmのクリアラス(商品名)をオートカットラミネーターでラミネートして、平面ディスプレイ部材を製造した。
実施例2
幅1000mmのPETフィルムをフレキシブルコーターに通し、巻き出し部と巻き取り部のテンションを調整することによりステンレス製の塗工ローラーに密着させた。このフィルムの第1の面にアクリルシロップ(粘度20,000mPa・s)を、塗布幅970mmのリップコート口金を用いて塗布した。塗布は、口金のリップが上に向いた状態で、塗液パンの直上に塗工ローラーを固定し、塗工ローラー上をフィルムが搬送され、塗液供給をポンプ液送で行い、塗布開始:リターンバルブ閉→供給バルブ開、塗布終了:供給バルブ閉→リターンバルブ開となるように圧力供給をバルブで切り替える方式で行った。条件は以下の通り。搬送速度:5.0m/分、吐出回転数:1500rpm、塗布長さ:540mm、塗布間隔:10mm。その後、巻き出し部と巻き取り部の調整による進行方向水平、および左右ガイドテンターによる進行方向垂直なテンション調整により、塗布領域を水平かつ平坦に保持されたフィルムにUV照射機で500mJ/cm2のUVを照射して硬化を行った。得られた透明樹脂は厚み0.7mm、幅980mm、長さ544m、間隔6mmで形成されていた。続いて、ロールラミネーターで透明樹脂の上面に幅1000mmのPET製セパレートフィルムを、第2の面に幅1000mmのクリアラス(商品名)をラミネートして、幅965mmに両端スリット加工を行い、長さ550mm平面ディスプレイ部材を製造した。
実施例3
大きさ965mm×550mmのアクリレート樹脂板をダイコーターのステンレス製ステージ上に真空吸着により固定し、第1の面に、アクリルシロップ(粘度20,000mPa・s)を、厚み0.7mmのスペーサーで幅950mmのスリットを形成したスリットダイコート口金を用いて塗布した。塗布は、スリットを下に向けて口金を門構えに固定、その下をステージが移動し、塗液供給を圧送で行い、塗布開始:加圧開始、塗布終了:加圧終了となるように圧力供給を電磁弁で切り替える方式で行った。条件は以下の通り。塗布速度 :4.0m/分、吐出圧力:2kg/cm2、塗布長さ:540mm。その後、露光機までUPE製ローラー上を搬送し、ステンレス製ステージ上に静置して400mJ/cm2のUVを照射して硬化を行った。得られた透明樹脂は厚み0.3mm、幅960mm、長さ545mmの形状であった。続いて透明樹脂の上面に幅965mmのPET製セパレートフィルムをオートカットラミネーターでラミネートした。その後、アクリレート樹脂板の第2の面に925mm×510mmのメッシュパターンが40mm間隔で形成された965mm幅の銅メッシュフィルムロールをオートカットラミネーターでラミネートした。続いてメッシュフィルムの上に幅945mmのクリアラス(商品名)をオートカットラミネーターで945mm×530mmに内貼りラミネートして、メッシュフィルム周辺の銅箔が10mm幅で剥き出しになってアースが形成された平面ディスプレイ部材を製造した。
実施例4
大きさ965mm×550mmのPETフィルムをダイコーターのステンレス製ステージ上に真空吸着により固定し、第1の面に、ウレタン組成物(NCO/OH=1/1、粘度15,000mPa・s)を、厚み1.4mmのスペーサーで幅535mmのスリットを形成したスリットダイコート口金を用いて塗布した。塗布は、スリットを下に向けて口金を門構えに固定、その下をステージが移動し、塗液供給を圧送で行い、塗布開始:加圧開始、塗布終了:加圧終了となるように圧力供給を電磁弁で切り替える方式で行った。条件は以下の通り。塗布速度 :2.0m/分、吐出圧力:3kg/cm2、塗布長さ:950mm。その後、熱風乾燥炉までUPE製ローラー上を搬送し、ステンレス製ステージ上に静置して100℃、10分間加熱して、硬化を行った。得られた透明樹脂は厚み1.0mm、幅545mm、長さ960mmの形状であった。続いて透明樹脂の上面に幅965mmのPET製セパレートフィルムをオートカットラミネーターでラミネートした。その後、PETフィルムの第2の面に幅965mmのクリアラス(商品名)をオートカットラミネーターでラミネートして、平面ディスプレイ部材を製造した。
比較例1
アクリルシロップの塗布開始・終了切り替えを行わず、連続塗布を行い、巻き出し部と巻き取り部のテンション調整のみでフィルムを保持してUV照射した以外は実施例2と同様に透明樹脂を形成し、平面ディスプレイ部材を製造した。
比較例2
アクリル樹脂メチルエチルケトン溶液(30重量%、粘度700mPa・s)を用い、熱風乾燥炉でメチルエチルケトンを加熱除去して硬化した以外は実施例2と同様にして透明樹脂を形成し、平面ディスプレイ部材を製造した。得られた透明樹脂は、厚み0.05mmであった。
比較例3
アクリルシロップの粘度を1500mPa・sとする以外は実施例2と同様にして透明樹脂を形成した。得られた透明樹脂は第1の面の厚みが0.2mmで、第2の面にまわりこんで形成されており、クリアラス(商品名)ラミネートの際、均一なラミネートができなかった。
実施例1〜4、比較例1,2の平面ディスプレイ部材を42インチプラズマディスプレイ(松下電器産業製「PHD7」)に透明樹脂層を介して装着して、視認性を評価した。また、554×980×2.8mmの高歪み点ガラス(日本電気硝子製「PP8」)に透明樹脂層を介して装着して、耐衝撃性を評価した。結果を表1に示す。なお、評価方法は次の通りである。
視認性:
室内、蛍光灯下、照度1500Lxの環境下で画像を表示させ、表示画像を観察した。
耐衝撃性:
外形554×980mm、内形534×960mm、厚み4mmのステンレス製の枠を定盤上に固定し、平面ディスプレイ部材を装着した高歪み点ガラスをガラス面を下にして枠に乗せ、外形558×984mm、内形534×960mm、厚み2mmのステンレス製の枠を用いて平面ディスプレイ部材面から定盤に固定する。続いてディスプレイ部材面からスプリングインパクトハンマー(PTL社製)で0.5Jの衝撃を与え、高歪み点ガラスの損傷具合を観察した。
結果を下記表1に示す。表1に示されるように、本発明の製造方法により製造した平面ディスプレイ部材は、優れた視認性及び耐衝撃性を示したが、枚様方式ではなく連続的に製造した比較例1や低粘度の樹脂溶液を塗布した比較例2では視認性が劣っていた。また、低粘度の樹脂ペーストを用いた比較例3では、上記の通り、反射防止フィルムの均一なラミネートができなかった。
Figure 2006276105

Claims (8)

  1. 透明基材上の第1の面に透明樹脂層を、第2の面の最表面に反射防止層を有する平面ディスプレイ部材の製造方法であって、前記透明基材上に、25℃での粘度が2000〜50000mPa・sの透明樹脂ペーストを口金から吐出して枚様方式で塗布する工程及び塗布された前記透明樹脂ペーストを硬化する工程を経て前記透明樹脂層を形成することを特徴とする平面ディスプレイ部材の製造方法。
  2. 前記透明樹脂層の厚みが0.1〜2mmの範囲である請求項1に記載の方法。
  3. 前記透明樹脂がシリコーン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂若しくはオレフィン樹脂又はこれらの2種以上の混合物である請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記透明樹脂ペーストの塗布工程および硬化工程が前記透明基材を平坦に保持して行われる請求項1ないし3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記透明樹脂ペーストが、無溶剤である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記透明樹脂ペーストが、少なくとも硬化開始剤と硬化主材の混合物からなる、複数液硬化型ペーストである請求項1ないし5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記透明基材がガラスである請求項1ないし6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記ディスプレイ部材が、前記透明基材の第2の面に電磁波シールド層を有する請求項1ないし7のいずれか1項に記載の方法。

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