JP2006267022A - 欠陥検査装置及び方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 縞状のパターン190にてなる照射光111を被検査物50へ照射し、被検査物の通過した縞状パターンから、被検査物の欠陥部に応じて現れた欠陥パターン195を検出する。このとき、被検査物に照射する縞状パターンの位置を変更することから、欠陥部の形状や方向性に関係なく欠陥部を検出することができる。
【選択図】図1
Description
又、反射光を用いた検査方法の場合、一般的に検査表面1aが滑らかであることが多く、拡散反射はほとんど生じないため、鏡面反射光を受光して画像が得られることになる。よって、検査表面1aのわずかなうねりや、曲面にてなる検査表面1aを検査するためには、例えばドーム型の照明装置のように、多方向から投光されるような光源が必要となる。一方、このような光源を用いた場合、検出すべき欠陥部分にも多方向から光が照射されることから、撮像素子3には鏡面反射光も入射する。よって、結果として、欠陥部分と非欠陥部分との識別が困難になってしまう。
又、表面反射光を用いるという検出原理上、被検査物1内部のクラックや、透過率の粗密等について検出は行えない。
即ち、本発明の第1態様における欠陥検査装置によれば、透過性を有する被検査物を通過した透過光に基づいて上記被検査物の欠陥部を検出する欠陥検査装置において、
縞状のパターンにてなる照射光を上記被検査物へ照射する照射装置と、
上記被検査物を通過した上記縞状パターンを撮像する撮像装置と、
上記撮像装置に接続され、上記縞状パターンから上記欠陥部に応じて現れた欠陥パターンを検出する検出装置と、
を備えたことを特徴とする。
縞状の第1パターンにてなる照射光を上記被検査物へ照射し、
上記第1パターンとは異なる縞状の第2パターンにてなる照射光を上記被検査物へ照射し、
上記被検査物を通過した上記第1縞状パターン及び上記第2縞状パターンを撮像し、
上記第1縞状パターン及び上記第2縞状パターンの少なくとも一方から上記欠陥部に応じて現れた欠陥パターンを検出する、
ことを特徴とする。
被検査物表面における欠陥はもちろん、被検査物内のクラックや透過率の粗密等についても検出することができる。さらに、単色無地の均一な光を被検査物へ照射する場合に比べて、容易に欠陥部の検出が可能となる。したがって、従来検出が困難であった欠陥部を検出することが可能となる。
本実施形態の欠陥検査装置は、透過性を有する被検査物を通過した透過光に基づいて上記被検査物における欠陥部を検出する検査装置であり、詳しくは、縞状のパターンを有する照射光を被検査物へ照射し、被検査物を通過した縞状パターンを撮像することで欠陥部を検出する検査装置である。
検出原理は、被検査物50の表面、又は内部で生じる光線の屈折を利用する。望ましくは平行光を発する光源から被検査物50に照射された光は、被検査物50の表面の凹凸やクラック面で屈折し、撮像装置にて、本来とは異なる位置で受光される。光源にスリット模様などのパターン照明を用いることにより、撮像データ上での受像パターンが乱れ、欠陥部の検出が可能となる。例えば、図10に示す被検査物50の表面51に存在する円弧状の凹部52aを縞状パターン190の光が通過することで、図10の(b)に示すように、縞状パターン190が乱れ、欠陥パターン195が生じる。又、図11に示す表面51に存在するV字状の傷52bに応じて、図11の(b)に示すように欠陥パターン195が生じる。又、図12に示す被検査物50の内部に存在するクラック52cに応じて、図12の(b)に示すように欠陥パターン195が生じる。このような欠陥パターン195を撮影画像から検出することで、被検査物50の欠陥部52の検出を行う。
図1に示すように、本実施形態の欠陥検査装置101は、基本的構成として、上述の縞状パターン190にてなる照射光111を、上述の被検査物50へ照射する照射装置110と、被検査物50を透過した縞状パターン190を撮像する撮像装置120と、撮像装置120に接続され、縞状パターン190から欠陥部に応じて現れた欠陥パターン195を検出する検出装置130とを備え、さらに、検出装置130による検出結果に基づいて照射装置110の動作制御を行う制御装置180を備える。
ここで、照射装置110から被検査物50へ照射される光がより平行光となるように、照射装置110と被検査物50との間は、距離が大きいほど平行光が得られることから好ましいが光量が少なくなるため、例えば約50mm以上離して配置するのが好ましい。又、被検査物50を支持するため、照射装置110と被検査物50との間、又は、被検査物50と撮像装置120との間に透明部材等を配置することもできる。
尚、このように構成される欠陥検査装置101は、一例として携帯電話液晶画面の保護カバーの検査用装置として用いることができる。
光源112は、好ましくは平行光を発生する構成を有し、例えばLEDやハロゲン、蛍光灯などを有し、図示するような平板光源の構成が好ましい。又、光源112から発生する光の色は、一般的には白色であるが、被検査物50が単色の透明体である場合、縞状パターン190の濃淡ではなく色相変化で欠陥部を検出するのが好ましく、有彩色を用いることもできる。
又、これらの例からも明らかなように、上記照射位置の変更は、一つの検出動作つまり撮像装置120にて1回の撮像動作にて得られる一つの平面視野当たり、少なくとも1回行うのが好ましく、つまり最低限2種類の縞状パターン190の照射を行うのが好ましい。
尚、図7に示す構成において、図3に示す構成のように、光源112をパターン部材116の下方に配置することもでき、又、光源112を省略することもできる。
検出装置130における欠陥部52の識別方法としては、欠陥部52が存在しない被検査物50における正常な受像パターンを記憶しておき、検査した画像パターンとの差分を調べる方法、光学分解能と縞状パターン190の図形情報とを予め記憶し、受像データ上のみで異常な画素を調べる方法等、公知の方法を採ることができる。いずれの識別方法でも、受像データが縞状パターン190に忠実である必要はない。例えば、カメラ部121が被検査物50の表面51若しくは厚み方向の中央部に合焦されており、被検査物50を通過した縞状パターン190がにじんだ画像となるような場合であっても、縞状パターン190において、本来変化を生じない位置や、方向に、輝度や色の変化が現れたこと等に基づいて、それらの部分を欠陥として識別することができる。
尚、欠陥部52の識別方法と、上記幅W1及び隙間W2との関係については、欠陥検査方法と関連することから、後述する。
以上のようにして、順次、被検査物50について欠陥検査を実行していく。
光学レンズ等の凸レンズ状の曲面や、光ディスク等の円形の被検査物50に対しては、図17に示すような同心円状の縞パターン192を用いて、カメラ部121としてラインカメラを用いたときには図21に示すように、カメラ移動機構122にて被検査物50の中心点を中心にして円形にカメラ部121を回転させて撮像を行ったり、被検査物50の中心点を中心にして円形に被検査物50を回転させて撮像を行ったり、カメラ部121としてエリアカメラを用いたときには全面撮影を行う。尚、上述のようにカメラ移動機構122は、カメラ部121と被検査物50とを相対的に移動させる機構である。
又、縞状パターン190の照射位置の変更を行わない場合においても、欠陥部52の形状が未知である限り、欠陥部52に対応して得られる欠陥パターン195と、被検査物50における欠陥部52の実際の場所との位置関係の特定は困難である。
上述の測定方法では、その原理上、欠陥部52の平面視野寸法内にて最低1周期の縞状パターン190の変化を設けることで、確率的には、欠陥部52に起因する受像の乱れが生じ欠陥部52を認識しやすくなるはずである。一方、受像データ上で縞状パターン190の上記乱れを識別するためには、少なくとも光学分解能以上の寸法で上記乱れが認識されねばならない。したがって、
光学分解能 r[μm]
パターン変化(W1+W2) p[μm]
最小欠陥寸法 d[μm]
とするときの各寸法の理論値は、
d≧p≧(2×r)
の関係で表すことができる。尚、上記最小欠陥寸法dが上記最小検出寸法に対応する。
上記関係から判るように、縞状パターン190における幅W1及び隙間W2を加算した値は、上述のように任意に変化可能であるが、光学分解能の2倍以上にする必要がある。ここで、「2倍」は、上記幅W1及び隙間W2の2つにて縞状パターン190が形成されることに起因する。又、欠陥部52の性状にかかわらず、幅W1と隙間W2とが等しいときに最適条件となる。
101…欠陥検査装置、110…照射装置、111…照射光、112…光源、
113…パターン形成装置、114…遮光部材、115…投影位置変更装置、
116…パターン部材、117…収納容器、118…表示装置、118a…表示面、
120…撮像装置、122…移動機構、130…検出装置、190…縞状パターン、
195…欠陥パターン、
1142…マスク板、1142a…スリット、1171…パターン形成部。
Claims (14)
- 透過性を有する被検査物(50)を通過した透過光に基づいて上記被検査物の欠陥部(52)を検出する欠陥検査装置において、
縞状のパターン(190)にてなる照射光(111)を上記被検査物へ照射する照射装置(110)と、
上記被検査物を通過した上記縞状パターンを撮像する撮像装置(120)と、
上記撮像装置に接続され、上記縞状パターンから上記欠陥部に応じて現れた欠陥パターン(195)を検出する検出装置(130)と、
を備えたことを特徴とする欠陥検査装置。 - 上記照射装置は、光源(112)と、上記光源と上記被検査物との間に設けられ上記縞状パターンを形成するパターン形成装置(113)とを有する、請求項1記載の欠陥検査装置。
- 上記パターン形成装置は、上記縞状パターンを形成する遮光部材(114)と、上記被検査物における上記縞状パターンの照射位置を変更するため上記遮光部材を移動させる投影位置変更装置(115)とを有する、請求項2記載の欠陥検査装置。
- 上記遮光部材は、それぞれにスリット(1142a)を形成した2枚のマスク板(1142−1、1142−2)を有し、上記投影位置変更装置は、上記マスク板を相対的に移動させて上記縞状パターンの形状変更をさらに行う、請求項3記載の欠陥検査装置。
- 上記縞状パターンは、幅W1にてなる暗部と幅W2にてなる明部とが交互に配列されたパターンであり、検出すべき最小の上記欠陥部の大きさをdとしたとき、d≧(W1+W2)の関係を満たす位置に上記遮光部材を移動させる動作制御を上記投影位置変更装置に対して行う制御装置(180)をさらに備えた、請求項3又は4に記載の欠陥検査装置。
- 縞状パターンがd<(W1+W2)の関係にてなる上記暗部及び上記明部を有するとき、上記制御装置は、上記投影位置変更装置の動作制御を行って上記遮光部材を移動させ、かつ上記撮像装置に対して、上記遮光部材の移動毎に、上記被検査物を通過した上記縞状パターンの撮像を行わせる動作制御を行う、請求項5記載の欠陥検査装置。
- 上記照射装置は、上記縞状パターンを表示面(118a)に表示するとともに表示した縞状パターンを上記被検査物へ照射する表示装置(118)である、請求項1記載の欠陥検査装置。
- 上記照射装置は、光源(112)と、上記縞状パターンを表示し上記光源からの光を上記照射光として反射して上記被検査物へ照射するパターン部材(116)とを有する、請求項1記載の欠陥検査装置。
- 上記照射装置は光源(112)を有し、上記被検査物と上記撮像装置とを相対的に移動させる移動装置(122)をさらに備えた、請求項1から8のいずれかに記載の欠陥検査装置。
- 上記被検査物が流動体であり、上記照射装置は、光源(112)と、流動体状の被検査物を収納する収納容器であって上記光源と上記被検査物との間に位置し上記縞状パターンを形成したパターン形成部(1171)を有する収納容器(117)とを有する、請求項1記載の欠陥検査装置。
- 上記照射装置は、上記被検査物とは異なる色にてなる上記照射光を上記被検査物へ照射する、請求項1から10のいずれかに記載の欠陥検査装置。
- 上記撮像装置はスキャナーである、請求項1から11のいずれかに記載の欠陥検査装置。
- 透過性を有する被検査物(50)を通過した透過光に基づいて上記被検査物の欠陥部(52)を検出する欠陥検査方法において、
縞状の第1パターンにてなる照射光を上記被検査物へ照射し、
上記第1パターンとは異なる縞状の第2パターンにてなる照射光を上記被検査物へ照射し、
上記被検査物を通過した上記第1縞状パターン及び上記第2縞状パターンを撮像し、
上記第1縞状パターン及び上記第2縞状パターンの少なくとも一方から上記欠陥部に応じて現れた欠陥パターン(195)を検出する、
ことを特徴とする欠陥検査方法。 - 上記第1及び第2の縞状パターンのそれぞれは、幅W1にてなる暗部と幅W2にてなる明部とが交互に配列されたパターンであって、検出すべき最小の上記欠陥部の大きさをdとしたとき、d≧(W1+W2)の関係を満たすパターンであり、上記第1及び第2の縞状パターンがd<(W1+W2)の関係にてなる上記暗部及び上記明部を有するときには、上記第1及び第2の縞状パターンを作成する遮光部材(114)を移動させ、かつ該遮光部材の移動毎に、上記被検査物を通過した上記第1及び第2の縞状パターンの撮像を行う、請求項13記載の欠陥検査方法。
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