JP2006263682A - 低級炭化水素直接改質触媒の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】低級炭化水素を改質及び芳香族化する際に水素と芳香族化合物の生成速度を安定さらには向上させること。
【解決手段】メタロシリケートにモリブデンとモリブデン以外の金属成分とを担持した後に炭化処理して低級炭化水素直接改質触媒を製造にあたり、前記メタロシリケートにモリブデンと前記金属成分とを個別に担持した後に、これを炭化処理する際に還元ガスを混合して処理を行なう。前記モリブデン成分と前記金属成分とを個別に担持する際、メタロシリケートに前記金属成分を担持した後にモリブデン成分を担持するか、メタロシリケートにモリブデン成分を担持した後に前記金属成分を担持する。前記金属成分には例えば鉄族元素があり、鉄、コバルトまたはニッケルが例示される。前記モリブデン成分と前記金属成分とを個別に担持する際、前記金属成分の溶液濃度は金属塩濃度として0.01〜0.2mol/lとするとよい。
【選択図】 なし
【解決手段】メタロシリケートにモリブデンとモリブデン以外の金属成分とを担持した後に炭化処理して低級炭化水素直接改質触媒を製造にあたり、前記メタロシリケートにモリブデンと前記金属成分とを個別に担持した後に、これを炭化処理する際に還元ガスを混合して処理を行なう。前記モリブデン成分と前記金属成分とを個別に担持する際、メタロシリケートに前記金属成分を担持した後にモリブデン成分を担持するか、メタロシリケートにモリブデン成分を担持した後に前記金属成分を担持する。前記金属成分には例えば鉄族元素があり、鉄、コバルトまたはニッケルが例示される。前記モリブデン成分と前記金属成分とを個別に担持する際、前記金属成分の溶液濃度は金属塩濃度として0.01〜0.2mol/lとするとよい。
【選択図】 なし
Description
本発明はメタンを主成分とする天然ガスやバイオガス、メタンハイドレートの高度利用に関するものである。
天然ガス、バイオガス、メタンハイドレートは地球温暖化対策として最も効果的なエネルギーと考えられ、その利用技術に関心が高まっている。メタン資源はそのクリーン性を活かして、次世代の新しい有機資源、燃料電池用の水素資源として着目されているが、本発明はメタンからプラスチック類などの化学製品の原料であるベンゼンおよびナフタレン類を主成分とする芳香族化合物と高純度の水素ガスを効率的に製造しうる触媒化学変換技術及びその触媒製造方法に関するものである。
低級炭化水素とりわけメタンからベンゼン等の芳香族化合物と水素と併産する方法としては、触媒の存在下、酸素または酸化剤の非存在下でメタンを反応させる方法が知られている。前記触媒としては例えば非特許文献1(JOURNAL OF CATALYSIS(1997))によるとZSM−5にモリブデンを担持したものが有効とされている。しかしながら、これらの触媒を使用した場合でも、炭素析出が多いことやメタンの転化率が低いという問題を有している。
そこで、モリブデン等を多孔質のメタロシリケートに担持してなる触媒が提案されている(例えば特許文献1(特開平10−272366号公報)及び特許文献2(特開平11−60514号公報))。これらの公報によると、担体として7オーグストロングの細孔経を有する多孔質のメタロシリケートを採用し、これに触媒材料を担持している。この触媒を用いた実験によると、低級炭化水素が効率良く芳香族化され、これに付随して高純度の水素が得られることが確認されている。特に特許文献2においては、モリブデンのみばかりではなく第二成分としてモリブデン以外の金属類を添加することで前記触媒の特性を向上させたことが記載されている。
JOURNAL OF CATALYSIS,1997年,pp.165,pp.150−161 特開平10−272366号公報(段落番号(0008)〜(0013)及び(0019))
特開平11−60514号公報(段落番号(0007)〜(0011)及び(0020))
JOURNAL OF CATALYSIS,1997年,pp.165,pp.150−161
しかしながら、今日においても、芳香族化合物及び水素の製造効率をさらに高めるために、なお一層優れた触媒の開発が望まれている。特に、前記先行技術においては水素と芳香族化合物の生成速度が安定しないのが現状である。
本発明は、かかる事情に鑑みなされたもので、その目的は、低級炭化水素を改質及び芳香族化する際に水素と芳香族化合物の生成速度を安定さらには向上させることができる低級炭化水素直接改質触媒の製造方法の提供にある。
本発明の低級炭化水素直接改質触媒の製造方法は、低級炭化水素とりわけメタンからベンゼン、トルエン、ナフタレン等の芳香族化合物と水素とを生成する低級炭化水素直接改質触媒の製造方法における触媒(メタロシリケート)へのモリブデンとモリブデン以外の金属成分を担持した後に炭化処理して低級炭化水素直接改質触媒を得る工程において、モリブデンとモリブデン以外の金属成分を別々の担持溶液による2段階で担持した後に、これを炭化処理する際に還元ガスを混合して処理を行なうことことで、モリブデンとモリブデン以外の金属成分(以下、第二金属成分と称する)を同時に担持して得た触媒よりも、触媒活性を向上さらには安定させている。この製造方法によって得た触媒は芳香族化合物、特に多環芳香族化合物であるナフタレンの生成活性が従来法によって得たもの(モリブデン単一担持触媒またはモリブデン・第二成分同時担持触媒)に比べ向上することが見出されている。尚、第二金属成分としては、鉄族元素があり、例えばコバルト、鉄及びニッケル等が挙げられる。
本発明の低級炭化水素直接改質触媒の製造方法において、モリブデンと第二金属成分を担持する方法としては、モリブデンを担持する前に第二金属成分を担持する方法とモリブデンを担持した後に第二金属成分を担持する方法のいずれかがあり、いずれの方法で得られた低級炭化水素改質触媒の触媒活性は、従来のもの(モリブデン単一担持触媒またはモリブデン・第二金属成分同時担持触媒)と比べても、向上及び安定したものとなることが見出されている。
また、モリブデンと第二金属成分の個別担持に供する前記金属成分の溶液濃度は金属塩濃度として0.01〜0.2mol/l、さらに望ましくは0.01〜0.1mol/lとするとよい。この範囲よりも大きい場合は担持量がモリブデン量を上回りコストが増大し、この範囲よりも濃度が低い場合は添加金属の効果がほとんどえら得られないからである。
前記還元性ガスとしては、例えば、メタン,エタン,ブタン等の低級炭化水素と水素とを含んだガス、水素ガスまたはアンモニアガス等が挙げられる。また、前記製造方法においてメタロシリケートを炭化処理に供するにあたり、これらの金属元素若しくは他の金属元素例えば鉄族元素成分を適宜組み合わせて担持させてもよい。
本発明の低級炭化水素直接改質触媒の製造方法に供されるメタロシリケートとしては、例えばアルミノシリケートの場合、シリカおよびアルミナから成る4.5〜6.5オングストローム径の細孔を有する多孔質体であり、モレキュラーシーブ5A,フォジャサイト(NaYおよびNaX),ZSM−5,MCM−22等が例示される。また、リン酸を主成分とするALPO−5,VPI−5等の6〜13オングストロームのミクロ細孔からなる多孔質体、チャンネルからなるゼオライト担体、シリカを主成分とし一部アルミナを成分として含むメゾ細孔(10〜1000オングストローム)の筒状細孔(チャンネル)を有するFSM−16やMCM−41等のメゾ細孔多孔質担体なども例示される。尚、前記アルミナシリケートの他に、シリカおよびチタニアからなるメタロシリケート等も挙げられる。
本発明の製造方法によって得られた低級炭化水素直接改質触媒は、粉末状、棒状の他、中空円柱状、ペレット状、ハニカム状、リング形状若しくはその他の形状の形態で使用される。メタロシリケートを前記形状に加工するために、例えば粘土等の無機バインダーやガラス繊維等の無機フィラーをメタロシリケートに対して15〜25重量%の範囲で配合してもよい。
以上のように、本発明の低級炭化水素直接改質触媒の製造方法によれば、低級炭化水素を改質及び芳香族化する際に水素と芳香族化合物の生成速度を安定さらには向上させることができる。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
以下、本発明の低級炭化水素直接改質触媒の製造方法と低級炭化水素直接改質触の製造方法の実施形態について説明する。
本発明の低級炭化水素直接改質触媒(以下本実施形態において触媒と称する)は、メタロシリケートを他の無機フィラーと配合させた無機成分を有機バインダー及び水分と共に配合して成形し、これを乾燥及び焼成して焼成体を得て、この焼成体にモリブデンとモリブデン以外の金属成分(以下、第二金属成分と称する)を個別に担持した後に、還元性ガスを混合して炭化処理することで得ている。モリブデンと第二金属成分を個別に担持する工程としては、モリブデンを担持する前に第二金属成分を担持する方法とモリブデンを担持した後に第二金属成分を担持する方法のいずれかがある。個別担持における第二金属成分担持後の燃焼温度は400〜600℃とするとよい。尚、第二金属成分としては、鉄族元素があり、例えばコバルト、鉄及びニッケル等が挙げられる。
前記メタロシリケートとしては、例えばアルミノシリケートの場合、シリカおよびアルミナから成る4.5〜6.5オングストローム径の細孔を有する多孔質体であり、モレキュラーシーブ5A,フォジャサイト(NaYおよびNaX),ZSM−5,MCM−22等が例示される。さらに、リン酸を主成分とするALPO−5,VPI−5等の6〜13オングストロームのミクロ細孔からなる多孔質体、チャンネルからなるゼオライト担体、シリカを主成分とし一部アルミナを成分として含むメゾ細孔(10〜1000オングストローム)の筒状細孔(チャンネル)を有するFSM−16やMCM−41等のメゾ細孔多孔質担体なども例示される。また、前記アルミナシリケートの他に、シリカおよびチタニアからなるメタロシリケート等も挙げられる。
前記無機フィラーは粘土等の無機バインダーやガラス繊維等の補強用無機材料が挙げられ、触媒の全無機成分に対して15〜25重量%配合される。また、前記有機バインダーは水分と共に前記メタロシリケート及び無機フィラーとを混錬して成形できるものであれば既知のものでよい。
そして、上記材料を配合してからの成形にあたっては高圧成形法を採用している。炭化水素を改質するための触媒担体は数μmから数百μmの粒径の粒子を用いて流動床触媒の形態で使用することが通常である。かかる触媒は触媒担体を有機バインダー、無機バインダー及び水と混合してスラリー状としてスプレードライヤーで造粒成形した後に焼成するのが常套の手段である。この場合、成形圧力が小さいため、焼成強度を確保するために焼成助材として加える粘土の添加量は40〜60重量%程度必要になる。本発明の触媒の製造過程における成形工程では高圧成形法を採用することで、粘土等の無機バインダーの添加量を触媒において15〜25重量%までに低減、すなわち触媒におけるメタロシリケート成分を75〜85重量%までに高めることができ、スプレードライヤーで造粒成形して得た触媒よりも、実質的な触媒活性が高くなる。高圧成形法の具体的な手段として例えば真空押し出し成形機等がある。また、このときの押し出し圧力は70〜100kg/cm2の範囲で設定するとよい。尚、成形体の形状は、触媒の使用形態に応じて、粉末状または棒状の他、中空円柱状、ペレット状、ハニカム状、リング形状若しくはその他の形状に形成される。
得られた成形体は成形時に添加した水分を除去できる程度に適温一定時間乾燥させればよい。また、焼成は昇温及び降温速度ともに30〜50℃/時としている。このとき、前記配合した有機バインダーが瞬時に燃焼しないように、250〜450℃の温度範囲の中に2〜5時間程度の温度キープを2回実施するとよい。バインダーを除去するようにした昇温及び降温速度が前記速度以上であり、バインダーを除去するキープ時間を確保しない場合にはバインダーが瞬時に燃焼し、焼成体の強度が低下するためである。焼成温度は725〜800℃の範囲とすればよい。これは、担体が成形体である場合、700℃以下では強度低下、800℃以上では特性の低下が起こるためである。
次に、前記得られた焼成体に金属成分を担持するにあたり、発明者らはモリブデンの担持方法の検討も行なっており、これに関する発明について特願2002−260706にて出願しており、モリブデンを含浸する場合にはモリブデン酸アンモニウム水溶液を使用している。
本実施形態の低級炭化水素改質触媒の製造における第二金属成分の担持の過程際にも第二金属成分元素の塩化物、硝酸塩及びアンモニウム塩等を用いるとよい。このとき、モリブデン担持量は例えば前記担体に対して6重量%とすればよい。また、第二金属成分はモル比で例えば第二金属元素:モリブデン=0.2:1の比率とするとよい。前記モリブデン担持量及び第二金属成分とモリブデンとのモル比率はこれに限定されることなく適宜調整されるものとする。尚、焼成体に含浸されたモリブデン及び前記金属成分は一定の温度及び時間で酸化処理することで酸化物としてこの焼成体に担持される。
前記含浸処理された焼成体の酸化処理によって得た触媒前駆体を炭化処理するにあたっては、従来の炭化処理に基づくメタンガス及びアルゴンガスの雰囲気ではなく、還元性ガスを混合して350〜750℃の温度のもと2〜24時間加熱処理している。還元性ガスとしては、メタンと水素とを含んだガス、水素ガスまたはアンモニアガス等が例示される。例示された還元ガスは適宜組み合わせて用いてもよい。さらには、前記従来の炭化処理法に供されるメタンガスとアルゴンガスとを組み合わせてもよい。
以上のようにして製造された触媒は前述のように加圧成形法が採用されているので有形物となっており主に固定床式の反応装置に充填される。そして、この反応装置に低級炭化水素を含んだガスを供して一定の温度、圧力、空間速度及び滞留時間のもとで前記触媒と接触反応させることで、安定した生成速度での芳香族化合物と水素の製造が可能となる。尚、前記低級炭化水素としてはメタンの他、エタン、エチレン、プロパン、プロプレン、n‐ブタン、イソブタン、n−ブテン及びイソブテン等が例示される。
次いで、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
1.低級炭化水素改質触媒の製造
触媒の主成分であるメタロシリケートにはアンモニウム型ZSM−5(SiO2/Al2O3=25〜60)を採用し、これを他の無機成分と有機バインダーと共に混練して成形し乾燥さらに焼成し、その後、金属成分を含浸させてから酸化及び炭化処理に供して低級炭化水素直接改質触媒(以下、触媒と称する)得た。以下に比較例及び実施例に係る触媒の製造の各工程について説明する。
1.低級炭化水素改質触媒の製造
触媒の主成分であるメタロシリケートにはアンモニウム型ZSM−5(SiO2/Al2O3=25〜60)を採用し、これを他の無機成分と有機バインダーと共に混練して成形し乾燥さらに焼成し、その後、金属成分を含浸させてから酸化及び炭化処理に供して低級炭化水素直接改質触媒(以下、触媒と称する)得た。以下に比較例及び実施例に係る触媒の製造の各工程について説明する。
(比較例1)モリブデン単一担持
比較例1に係る触媒はモリブデンのみを担持したものである。製造工程を以下に示した。
比較例1に係る触媒はモリブデンのみを担持したものである。製造工程を以下に示した。
1)触媒構成成分の配合
触媒の構成成分とその配合比率(重量%)以下に示した。
触媒の構成成分とその配合比率(重量%)以下に示した。
無機成分:有機バインダー:水分=65.4:13.6:21.0
また、無機成分の構成成分とその配合比率(重量%)以下に示した。
また、無機成分の構成成分とその配合比率(重量%)以下に示した。
ZSM−5:粘土:ガラス繊維=82.5:10.5:7.0
2)成形 無機成分と有機バインダーと水分とを前記比率で配合し、ニーダ等の混練手段によって混練した。次いで、この混合体を真空押し出し成型機によって棒状(径5mm)に成形した。このときの成形圧力は70〜100kg/cm2とした。そして、この押し出し成型で得られた径5mmの棒状担体を長さ6mmに切断して成形体を得た。
2)成形 無機成分と有機バインダーと水分とを前記比率で配合し、ニーダ等の混練手段によって混練した。次いで、この混合体を真空押し出し成型機によって棒状(径5mm)に成形した。このときの成形圧力は70〜100kg/cm2とした。そして、この押し出し成型で得られた径5mmの棒状担体を長さ6mmに切断して成形体を得た。
3)乾燥・焼成 成形時に添加した水分を除去するために、前記成形体を100℃のもとで温度と湿度を管理しながら約5時間乾燥させた後に焼成した。焼成温度は725〜800℃の範囲とした。昇温及び降温速度はともに30〜50℃/時とした。尚、焼成の際、有機バインダーが瞬時に燃焼しないように、温度範囲250〜450℃のもとでの2〜5時間程度の温度キープを2回実施することでバインダー成分を除去した。
4)含浸 前記得られた焼成体をモリブデン酸アンモニウム水溶液に浸して、この焼成体にモリブデン成分を含浸させた。モリブデン担持量は焼結体重量に対して6重量%となるようにした。
5)酸化処理 前記焼成体に含浸させた金属塩を分解、酸化して酸化モリブデンにするために550℃のもと10時間焼成して触媒前駆体を得た。
6)炭化処理 従来の触媒前駆体の炭化処理法に基づく。モリブデンのみを含浸させ酸化処理した触媒前駆体を空気雰囲気のもと700℃まで昇温し、この状態を2時間維持させた後、雰囲気を9CH4+Arの反応ガスに切り替え、750℃まで昇温した。このようにしてモリブデンのみを担持した比較例1に係る触媒を得た。
(比較例2)モリブデン・コバルト同時担持
比較例2に係る触媒は、モリブデンとコバルトとを同時担持したもので、含浸工程と酸化処理工程以外は、比較例1に係る触媒の製造工程と同じ方法で製造した。
比較例2に係る触媒は、モリブデンとコバルトとを同時担持したもので、含浸工程と酸化処理工程以外は、比較例1に係る触媒の製造工程と同じ方法で製造した。
含浸 硝酸コバルトが添加されたモリブデン酸アンモニウム水溶液に前記1)〜3)の工程で得られた焼成体を浸して、この焼結体にモリブデン成分とコバルト成分を含浸させた。モリブデン担持量は焼結体重量に対して6重量%、コバルト担持量はモル比でコバルト:モリブデン=0.2:1とした。
酸化処理 前記焼成体に含浸させた金属塩を分解、酸化して酸化モリブデンにするために550℃のもと5時間焼成して触媒前駆体を得た。
そして、この触媒前駆体を前記炭化処理に供してモリブデンとコバルトとを同時担持した比較例2に係る触媒を得た。
(実施例1)コバルト前担持
実施例1に係る触媒は、モリブデンとコバルトとを個別担持して得たもので、特に、先ずコバルト成分を担持し、その後、モリブデン成分を担持して得たものであり、以下のア)〜エ)の工程からなる含浸・酸化工程以外は、比較例1に係る触媒の製造工程と同じ方法で製造した。
実施例1に係る触媒は、モリブデンとコバルトとを個別担持して得たもので、特に、先ずコバルト成分を担持し、その後、モリブデン成分を担持して得たものであり、以下のア)〜エ)の工程からなる含浸・酸化工程以外は、比較例1に係る触媒の製造工程と同じ方法で製造した。
ア)前記1)〜3)の工程で得られた焼成体を0.05mol/lの濃度の硝酸コバルト水溶液に浸漬して焼結体にコバルト成分を含浸させた後に、100℃から120℃の範囲で乾燥し、水分を除去した。
イ)乾燥後の前記コバルト含浸焼成体を400〜600℃の温度のもと空気中で焼成し、コバルト担持焼成体を得た。
ウ)このコバルト担持焼成体をモリブデン担持量が6重量%となるようにモリブデン酸アンモニウム水溶液に浸して、この焼成体にモリブデン成分を含浸させた後、湿度と温度を管理しながら乾燥した。
エ)乾燥後の前記モリブデン含浸コバルト担持焼成体を空気中で550℃、5時間焼成し触媒前駆体を得た。
そして、この触媒前駆体を前記炭化処理に供してモリブデンとコバルトとを担持した実施例1に係る触媒を得た。
(実施例2)コバルト後担持
実施例2に係る触媒は、モリブデンとコバルトとを個別担持して得たもので、特に、先ずモリブデン成分を担持し、その後、コバルト成分を担持して得たものであり、以下のア)〜エ)の工程からなる含浸・酸化工程以外は、比較例1に係る触媒の製造工程と同じ方法で製造した。
実施例2に係る触媒は、モリブデンとコバルトとを個別担持して得たもので、特に、先ずモリブデン成分を担持し、その後、コバルト成分を担持して得たものであり、以下のア)〜エ)の工程からなる含浸・酸化工程以外は、比較例1に係る触媒の製造工程と同じ方法で製造した。
ア)前記1)〜3)の工程で得られた焼成体をモリブデン担持量が6重量%となるようにモリブデン酸アンモニウム水溶液に浸して、この焼成体にモリブデン成分を含浸させた後、湿度と温度を管理しながら乾燥した。
イ)乾燥後の前記モリブデン含浸焼成体を400〜600℃の温度のもと空気中で焼成し、モリブデン担持焼成体を得た。
ウ)このモリブデン担持焼成体を0.05mol/lの濃度の硝酸コバルト水溶液に浸漬して焼結体にコバルト成分を含浸させた後に、100℃から120℃の範囲で乾燥し、水分を除去した。
エ)乾燥後の前記コバルト含浸モリブデン担持焼成体を空気中で550℃、5時間焼成し触媒前駆体を得た。
そして、この触媒前駆体を前記炭化処理に供してモリブデンとコバルトとを担持した実施例2に係る触媒を得た。
2.触媒の評価
比較例及び実施例に係る触媒の評価法について述べる。
2.触媒の評価
比較例及び実施例に係る触媒の評価法について述べる。
固定床流通式反応装置のインコネル800H接ガス部カロライジング処理製反応管(内径18mm)に評価対象の触媒を14g充填(ゼオライト率82.50%)した。そして、これにメタンと水素とを含んだ混合ガス(メタン+10%アルゴン+6%水素)を供給して、反応空間速度3000ml/g−MFI/h(CH4gas flow base)、反応温度750℃、反応時間10時間、反応圧力0.3MPaの条件で、触媒と混合ガスとを反応させた。この際、水素と芳香族化合物(ベンゼン、トルエン、ナフタレン)が生成する速度を経時的に調べた。
図1Aは比較例1及び比較例2に係る触媒を用いた場合における水素の生成速度の経時的変化を、図1Bは実施例1及び実施例2に係る触媒を用いた場合における水素の生成速度の経時的変化を示したものである。
図1Aと図1Bに示された水素生成速度の変化を比較すると、実施例1及び実施例2に係る触媒(コバルト前担持及びコバルト後担持のコバルト・モリブデン担持)の触媒活性は、比較例1及び比較例2に係る触媒(モリブデン単独担持及びコバルト・モリブデン同時担持)のものと比べ安定していることが確認できる。
図2Aは比較例1及び比較例2に係る触媒を用いた場合におけるベンゼンの生成速度の経時的変化を、図2Bは実施例1及び実施例2に係る触媒を用いた場合におけるベンゼンの生成速度の経時的変化を示したものである。
図2Aと図2Bに示されたベンゼン生成速度の変化を比較すると明らかなように、比較例2、実施例1及び実施例2に係る触媒の初期活性は比較例1に係る触媒のもの比べ向上していることが確認できるが、特に、実施例1及び実施例2に係る触媒は顕著にその初期活性が向上している。
図3Aは比較例1及び比較例2に係る触媒を用いた場合におけるトルエンの生成速度の経時的変化を、図3Bは実施例1及び実施例2に係る触媒を用いた場合におけるトルエンの生成速度の経時的変化を示したものである。
図3A及び図3Bに示されたトルエン生成速度変化を比較すると明らかなように、その傾向はベンゼン生成速度の比較と傾向しており、実施例1及び実施例2に係るコバルトとモリブデンとを個別に担持して得た触媒は顕著に初期活性が向上しており、特に実施例1に係る触媒の触媒活性の安定性が向上していることが確認できる。
図4Aは比較例1及び比較例2に係る触媒を用いた場合におけるナフタレンの生成速度の経時的変化を、図4Bは実施例1及び実施例2に係る触媒を用いた場合におけるナフタレンの生成速度の経時的変化を示したものである。
図4A及び図4Bに示されたナフタレン生成速度変化を比較すると明らかなように、実施例1及び実施例2に係る触媒の初期生成速度は比較例1に係る触媒のもの比べ2〜3倍の著しい活性の向上が確認できる
表1は図1〜図4の結果に基づき、比較例1、比較例2、実施例1、実施例2に係る各触媒による水素、ベンゼン、トルエン、ナフタレンの生成について、従来法に係る触媒(比較例1)を基準(「△」)とし、初期活性と安定性のどちらも効果が認められたものを「○」、初期活性と安定性のどちらも著しく効果が認められたものを「◎」として示したものである。
表1は図1〜図4の結果に基づき、比較例1、比較例2、実施例1、実施例2に係る各触媒による水素、ベンゼン、トルエン、ナフタレンの生成について、従来法に係る触媒(比較例1)を基準(「△」)とし、初期活性と安定性のどちらも効果が認められたものを「○」、初期活性と安定性のどちらも著しく効果が認められたものを「◎」として示したものである。
以上の実施例に基づき本発明の低級炭化水素の直接改質触媒について詳細に説明したが、この実施例が本発明の技術思想の範囲で多彩な変形および修正が可能であることは、当業者にとって明白なことであり、このような変形および修正が特許請求の範囲に属することは当然のことである。
本実施例の触媒は主な担持金属としてモリブデンを採用されているが、既にとしての効果が確認され、前記実施の形態で紹介した文献で紹介されている各種触媒金属のうちレニウムやタングステンさらにはこれら(モリブデンを含む)の化合物を単独または組み合わせて用いた場合においても、同様の作用効果が得られることが確認されている。また、モリブデンと個別に担持する第二金属成分は、モリブデン以外の鉄族元素である鉄、ニッケルを採用しても同等の効果が得られる。
さらに、本実施例では含浸方法により触媒金属が担持された担持体の乾燥方法についてのみ示したが、イオン交換方法により触媒金属が担持された担持体に適用した場合や、昇華性の化合物を用いて担体に蒸着担持した場合においても、同様の作用効果が得られることが確認されている。
さらに、実施例に係る触媒は棒状に形成されたものであるが、中空円柱状、ハニカム形状、粉末状,ペレット状,リング形状の形成した場合においても、同様の作用効果が得られることが確認されている。
Claims (6)
- メタロシリケートにモリブデンとモリブデン以外の金属成分とを担持した後に炭化処理して低級炭化水素直接改質触媒を得る低級炭化水素直接改質触媒の製造方法であって、前記メタロシリケートにモリブデンと前記金属成分とを個別に担持した後に、これを炭化処理する際に還元ガスを混合して処理を行なうことを特徴とする低級炭化水素直接改質触媒の製造方法。
- 前記メタロシリケートにモリブデン成分と前記金属成分とを個別に担持するに際し、メタロシリケートに前記金属成分を担持した後にモリブデン成分を担持することを特徴とする請求項1記載の低級炭化水素直接改質触媒の製造方法。
- 前記メタロシリケートにモリブデン成分と前記金属成分とを個別に担持するに際し、メタロシリケートにモリブデン成分を担持した後に前記金属成分を担持することを特徴とする請求項1記載の低級炭化水素直接改質触媒の製造方法。
- 前記メタロシリケートにモリブデン成分と前記金属成分とを個別に担持する際に供される前記金属成分の溶液濃度は金属塩濃度として0.01〜0.2mol/lとすることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の低級炭化水素直接改質触媒の製造方法。
- 前記金属成分は鉄族元素であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の低級炭化水素直接改質触媒の製造方法。
- 前記鉄族元素は、鉄、コバルトまたはニッケルであることを特徴とする請求項5記載の低級炭化水素直接改質触媒の製造方法。
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