JP2006243516A - V溝集積型光導波路の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 光導波路のコアとV溝とを高精度にアライメントできるV溝集積型光導波路の製造方法を提供すること。
【解決手段】 下記の工程を含むV溝集積型光導波路の製造方法。
基板上に、光ファイバ搭載用V溝及びn個(nは4以上の整数)の第1のアライメントマークを形成する工程、
下部クラッド層を形成する工程、
下部クラッド層の上にコア層を形成する工程、
コア層の上にレジスト層を形成する工程、
第1のアライメントマークに対応するn個の第2のアライメントマークを有するホトマスクをレジスト層上に配置する工程、
n個の第1のアライメントマークとn個の第2のアライメントマークとの水平方向のずれ量をそれぞれ測定する工程、
上記ずれ量に応じて、基板とホトマスクの相対的な位置関係を較正しながら走査露光する工程、及び
現像してコア層を露出させ、コアをパターニングする工程。
【選択図】 図2a
【解決手段】 下記の工程を含むV溝集積型光導波路の製造方法。
基板上に、光ファイバ搭載用V溝及びn個(nは4以上の整数)の第1のアライメントマークを形成する工程、
下部クラッド層を形成する工程、
下部クラッド層の上にコア層を形成する工程、
コア層の上にレジスト層を形成する工程、
第1のアライメントマークに対応するn個の第2のアライメントマークを有するホトマスクをレジスト層上に配置する工程、
n個の第1のアライメントマークとn個の第2のアライメントマークとの水平方向のずれ量をそれぞれ測定する工程、
上記ずれ量に応じて、基板とホトマスクの相対的な位置関係を較正しながら走査露光する工程、及び
現像してコア層を露出させ、コアをパターニングする工程。
【選択図】 図2a
Description
本発明は、V溝集積型光導波路の製造方法に関する。
近年のパソコンやインターネットの普及に伴い、情報伝送需要が急激に増大している。このため、伝送速度の速い光伝送を、パソコン等の末端の情報処理装置まで普及させることが望まれている。これを実現するには、光インターコネクション用に、高性能な光導波路を、安価かつ大量に製造する必要がある。
光導波路の材料としては、ガラスや半導体材料等の無機材料と、樹脂が知られている。無機材料により光導波路を製造する場合には、真空蒸着装置やスパッタ装置等の成膜装置により無機材料膜を成膜し、これを所望の導波路形状にエッチングすることにより製造する方法が用いられる。また、樹脂によって光導波路を製造する場合には、成膜工程を、塗布と加熱により大気圧中で行う。
光導波路の材料としては、ガラスや半導体材料等の無機材料と、樹脂が知られている。無機材料により光導波路を製造する場合には、真空蒸着装置やスパッタ装置等の成膜装置により無機材料膜を成膜し、これを所望の導波路形状にエッチングすることにより製造する方法が用いられる。また、樹脂によって光導波路を製造する場合には、成膜工程を、塗布と加熱により大気圧中で行う。
また、コアならびにクラッド層を構成する樹脂としては、種々のものが知られているが、ガラス転移温度(Tg)が高く、耐熱性に優れるポリイミドが特に期待されている。ポリイミドによりコアおよびクラッド層を形成した場合、長期信頼性が期待でき、半田付けにも耐えることができる。このポリイミドの中でも透過率、屈折率特性から通常フッ素を含むポリイミドが適用されている。通常、基板にはシリコンウエハが用いられ、ウエハに多面取りできるようにレイアウトされる。これを、それぞれのチップにダイシングを用いて切断する。
このようなポリマー光導波路において、光ファイバと光導波路をパッシブで簡便に接続することができるように、基板上に光ファイバ搭載用のV溝を形成した光導波路が開発されている。この方法では、基板上にV溝とV溝アライメントマークを形成したのち、下部クラッドとなるポリマー層を形成し、その上部にコアとなるポリマー層を形成する。次に、レジスト層を形成し、このレジスト膜上に、ホトマスクを重ねて露光し、現像する。この際、V溝アライメントマークとホトマスクの所定の位置に作製されたアライメントマークとが正確に重なるように位置合わせする。
このとき、基板の主平面方向における光ファイバ搭載用のV溝とコアの水平方向のずれが予め定められた範囲内に入っているかどうかは、V溝に搭載するファイバとコアとのアライメントを精度よく行うために重要である。また、発光素子や受光素子を搭載する電極と光導波路とが、同一基板上に搭載されている場合には、基板の主平面方向におけるコアと電極との水平方向のずれ量が予め定めた範囲内に入っているかどうかも、同様に重要である。
このとき、基板の主平面方向における光ファイバ搭載用のV溝とコアの水平方向のずれが予め定められた範囲内に入っているかどうかは、V溝に搭載するファイバとコアとのアライメントを精度よく行うために重要である。また、発光素子や受光素子を搭載する電極と光導波路とが、同一基板上に搭載されている場合には、基板の主平面方向におけるコアと電極との水平方向のずれ量が予め定めた範囲内に入っているかどうかも、同様に重要である。
このような、基板上に形成された光ファイバ搭載用のV溝とコアの水平方向の位置ずれを精度良く測定する方法としては、基板上に光ファイバ搭載用のV溝と第1の位置合わせマークを形成し、下部クラッド層、コア層を形成し、第2の位置合わせマークを有するホトマスクを介して露光、現像し、第1の位置合わせマークと第2の位置合わせマークの位置ずれ量から、不良品を選別する方法がある(特許文献1)。
また、基板上に光導波路のパターンを形成し、その近傍に電極薄膜を形成して光導波路素子を作製する方法において、光導波路のパターンと電極のパターンの位置合わせを正確に行うために、基板側の位置合わせパターンをドライエッチングにより形成する方法が知られている(特許文献2)。
しかし、光ファイバ搭載用のV溝とコアの水平方向のずれを小さくするために、V溝に形成されたアライメントマークとコアパターン形成用のホトマスクに形成されたアライメントマークとの水平方向のずれを測定し、このずれ量に応じて基板とホトマスクの位置関係を較正して露光するという試みはこれまでになされていない。
また、基板上に光導波路のパターンを形成し、その近傍に電極薄膜を形成して光導波路素子を作製する方法において、光導波路のパターンと電極のパターンの位置合わせを正確に行うために、基板側の位置合わせパターンをドライエッチングにより形成する方法が知られている(特許文献2)。
しかし、光ファイバ搭載用のV溝とコアの水平方向のずれを小さくするために、V溝に形成されたアライメントマークとコアパターン形成用のホトマスクに形成されたアライメントマークとの水平方向のずれを測定し、このずれ量に応じて基板とホトマスクの位置関係を較正して露光するという試みはこれまでになされていない。
本発明の目的は、V溝集積型光導波路の製造方法を提供することであり、特に、光導波路のコアとV溝とを高精度にアライメントできる方法を提供することである。
本発明は以下に示すV溝集積型光導波路の製造方法を提供するものである。
1.下記の工程を含むV溝集積型光導波路の製造方法。
基板上に、光ファイバ搭載用V溝及びn個(nは4以上の整数)の第1のアライメントマークを形成する工程、
下部クラッド層を形成する工程、
下部クラッド層の上にコア層を形成する工程、
コア層の上にレジスト層を形成する工程、
第1のアライメントマークに対応するn個の第2のアライメントマークを有するホトマスクをレジスト層上に配置する工程、
n個の第1のアライメントマークとn個の第2のアライメントマークとの水平方向のずれ量をそれぞれ測定する工程、
上記ずれ量に応じて、基板とホトマスクの相対的な位置関係を較正しながら走査露光する工程、及び
現像してコア層を露出させ、コアをパターニングする工程。
2.nが4である請求項1記載の方法。
3.nが6である請求項1記載の方法。
4.走査露光をミラープロジェクション法により行う上記1〜3のいずれか1項記載の方法。
5.クラッド層及びコア層がフッ素化ポリイミドからなる上記1〜4のいずれか1項記載の方法。
6.アライメントマークが基板の中心から、基板半径の50〜99%の位置に設けられている上記1〜5のいずれか1項記載の方法。
1.下記の工程を含むV溝集積型光導波路の製造方法。
基板上に、光ファイバ搭載用V溝及びn個(nは4以上の整数)の第1のアライメントマークを形成する工程、
下部クラッド層を形成する工程、
下部クラッド層の上にコア層を形成する工程、
コア層の上にレジスト層を形成する工程、
第1のアライメントマークに対応するn個の第2のアライメントマークを有するホトマスクをレジスト層上に配置する工程、
n個の第1のアライメントマークとn個の第2のアライメントマークとの水平方向のずれ量をそれぞれ測定する工程、
上記ずれ量に応じて、基板とホトマスクの相対的な位置関係を較正しながら走査露光する工程、及び
現像してコア層を露出させ、コアをパターニングする工程。
2.nが4である請求項1記載の方法。
3.nが6である請求項1記載の方法。
4.走査露光をミラープロジェクション法により行う上記1〜3のいずれか1項記載の方法。
5.クラッド層及びコア層がフッ素化ポリイミドからなる上記1〜4のいずれか1項記載の方法。
6.アライメントマークが基板の中心から、基板半径の50〜99%の位置に設けられている上記1〜5のいずれか1項記載の方法。
本発明によれば、基板とホトマスクの両者に設けられた4個以上のアライメントマークの水平方向のずれをそれぞれ測定し、そのずれ量に応じて基板とホトマスクの相対的な位置関係をそれぞれ較正しながら露光する工程を採用しているため、アライメントマークを2点用いて単に位置合わせするだけである従来の方法と比較して、コアとV溝の水平方向のずれ量を極めて小さくすることができ、光ファイバのパッシブ実装において結合損失を極めて低く抑えることができる。
本発明のV溝集積型光導波路の製造方法について以下詳細に説明する。
図1及び図2に示すように、基板1に配置されたV溝2は、光ファイバを搭載するためのものである。V溝2は、予め定められた径の光ファイバを搭載した場合、コア3とアライメン卜した状態となるよう、その深さ及び幅が設計されている。V溝2は、シリコン単結晶の基板1を異方性エッチングすることにより形成される深さ約100μmの溝であり、断面はV字型である。
本発明においては、基板1には、V溝2の他に、n個(nは4以上の整数)の第1のアライメントマークが設けられている。図2に示す実施態様では、3対(A1,A1’,A2,A2’、A3,A3’)のアライメントマークが設けられている。これらのアライメントマークは、V溝2を形成する際に同時に異方性エッチングにより形成される凹部であり、その平面形状は、特に制限されない。例えば、V溝に平行な2辺を有する矩形(長方形、正方形)、田の字型、I字型、L字型等が挙げられる。
第1のアライメントマークの数nはアライメント精度を向上させるうえで4以上であることが必要であり、好ましくは6以上であることが望ましく、較正操作の観点から偶数個であることが好ましい。マーク数が多いほど精度は向上するが、実用的な観点からは4〜10個で充分である。
また、位置合わせの際の顕微鏡の移動の便宜のためA1,A2,A3,及びA1’,A2’,A3’の位置は、走査方向(A1→A3及びA1’→A3’の方向)に対してそれぞれ平行な直線上に配置することが望ましい。
図1及び図2に示すように、基板1に配置されたV溝2は、光ファイバを搭載するためのものである。V溝2は、予め定められた径の光ファイバを搭載した場合、コア3とアライメン卜した状態となるよう、その深さ及び幅が設計されている。V溝2は、シリコン単結晶の基板1を異方性エッチングすることにより形成される深さ約100μmの溝であり、断面はV字型である。
本発明においては、基板1には、V溝2の他に、n個(nは4以上の整数)の第1のアライメントマークが設けられている。図2に示す実施態様では、3対(A1,A1’,A2,A2’、A3,A3’)のアライメントマークが設けられている。これらのアライメントマークは、V溝2を形成する際に同時に異方性エッチングにより形成される凹部であり、その平面形状は、特に制限されない。例えば、V溝に平行な2辺を有する矩形(長方形、正方形)、田の字型、I字型、L字型等が挙げられる。
第1のアライメントマークの数nはアライメント精度を向上させるうえで4以上であることが必要であり、好ましくは6以上であることが望ましく、較正操作の観点から偶数個であることが好ましい。マーク数が多いほど精度は向上するが、実用的な観点からは4〜10個で充分である。
また、位置合わせの際の顕微鏡の移動の便宜のためA1,A2,A3,及びA1’,A2’,A3’の位置は、走査方向(A1→A3及びA1’→A3’の方向)に対してそれぞれ平行な直線上に配置することが望ましい。
シリコン等の基板1には、基板1を保護し、屈折率を調整するための二酸化珪素層を設けても良い。さらに、二酸化珪素層の上に、有機ジルコニウム化合物層と、フッ素を含まないポリイミド樹脂層を、基板1と下部クラッド層との接着性を高めるために配置しても良い。
V溝及び第1のアライメントマークを形成した基板1に、下部クラッド層を形成する。下部クラッド層は、好ましくは、フッ素化ポリイミドをスピンコートし、加熱硬化させることにより容易に形成できる。
下部クラッド層の上に、下部クラッドよりも屈折率の高いフッ素化ポリイミドを同様にスピンコートし、加熱硬化してコア層を形成する。
V溝及び第1のアライメントマークを形成した基板1に、下部クラッド層を形成する。下部クラッド層は、好ましくは、フッ素化ポリイミドをスピンコートし、加熱硬化させることにより容易に形成できる。
下部クラッド層の上に、下部クラッドよりも屈折率の高いフッ素化ポリイミドを同様にスピンコートし、加熱硬化してコア層を形成する。
さらに、コア層の上に、コアをドライエッチングするためのレジスト層を形成する。次に、第2のアライメントマークを有するホトマスクをレジスト上に配置する。n個の第2のアライメントマークはV溝に形成された第1のn個のアライメントマークと対応するように配置されている。例えば、基板に設けられた第1のアライメントマークに対して平行となるように少なくとも1個、好ましくは第1のアライメントマークの両側に設けられている。
各々のアライメントマークの形状、寸法は特に限定されないが、形成が容易であること、顕微鏡観察により位置ずれの測定が容易にできるという観点から、1辺が10μm〜50μm、好ましくは20〜40μm、最も好ましくは約30μm程度であることが望ましい。
基板1は、V溝、第1のアライメントマーク、下部クラッド層及びコア層の形成の際に与えられた加熱履歴等により「そり」が生じている。通常この「そり」の大きさは10〜30μm程度であり、従来どおりの露光を較正することなく行って、コアをパターニングにより形成すると、V溝とコアに水平方向のずれを生じる。
本発明は、n個(nは4以上の整数)の第1のアライメントマークとn個の第2のアライメントマークとの水平方向のずれ量をそれぞれ測定し、このずれ量に応じて、基板とホトマスクの相対的な位置関係をそれぞれ較正しながら走査露光する工程を採用したことを特徴とするものである。
各々のアライメントマークの形状、寸法は特に限定されないが、形成が容易であること、顕微鏡観察により位置ずれの測定が容易にできるという観点から、1辺が10μm〜50μm、好ましくは20〜40μm、最も好ましくは約30μm程度であることが望ましい。
基板1は、V溝、第1のアライメントマーク、下部クラッド層及びコア層の形成の際に与えられた加熱履歴等により「そり」が生じている。通常この「そり」の大きさは10〜30μm程度であり、従来どおりの露光を較正することなく行って、コアをパターニングにより形成すると、V溝とコアに水平方向のずれを生じる。
本発明は、n個(nは4以上の整数)の第1のアライメントマークとn個の第2のアライメントマークとの水平方向のずれ量をそれぞれ測定し、このずれ量に応じて、基板とホトマスクの相対的な位置関係をそれぞれ較正しながら走査露光する工程を採用したことを特徴とするものである。
この点を図2を参照しながら説明する。図2の実施態様では、基板には3対の第1のアライメントマーク(A1,A1’,A2,A2’、A3,A3’)が形成され、これに対応してホトマスクにも3対の第2のアライメントマーク(A1,A1’,A2,A2’,A3,A3’)(図には示していない)が形成されている。
まず基板上の第1のアライメントマーク(A1,A1’)をホトマスク上の第2のアライメントマーク(A1,A1’)と顕微鏡下で位置合わせする(0点調整)。この際、ホトマスクを固定して基板を動かしても、その逆にしても良く、また、両者を動かして位置合わせしても良い。
0点を調整したら、ホトマスクと基板の位置関係を固定し、顕微鏡をホトマスク上の第2のアライメントマーク(A2,A2’)の位置に移動し、基板上の第1のアライメントマーク(A2,A2’)との水平方向のずれ(2a,2a’)をそれぞれ計測する。
次に、ホトマスクと基板の位置関係を固定したまま、顕微鏡をホトマスク上の第2のアライメントマーク(A3,A3’)の位置に移動し、基板上の第1のアライメントマーク(A3,A3’)との水平方向のずれ(3a,3a’)をそれぞれ計測する。
まず基板上の第1のアライメントマーク(A1,A1’)をホトマスク上の第2のアライメントマーク(A1,A1’)と顕微鏡下で位置合わせする(0点調整)。この際、ホトマスクを固定して基板を動かしても、その逆にしても良く、また、両者を動かして位置合わせしても良い。
0点を調整したら、ホトマスクと基板の位置関係を固定し、顕微鏡をホトマスク上の第2のアライメントマーク(A2,A2’)の位置に移動し、基板上の第1のアライメントマーク(A2,A2’)との水平方向のずれ(2a,2a’)をそれぞれ計測する。
次に、ホトマスクと基板の位置関係を固定したまま、顕微鏡をホトマスク上の第2のアライメントマーク(A3,A3’)の位置に移動し、基板上の第1のアライメントマーク(A3,A3’)との水平方向のずれ(3a,3a’)をそれぞれ計測する。
このようにしてn個の第1のアライメントマークとn個の第2のアライメントマークとの水平方向のずれ量をそれぞれ測定し、このずれ量に応じて、基板とホトマスクの相対的な位置関係を較正しながら走査露光する。
走査露光する工程は、種々の装置を利用して実施できる。走査露光はミラープロジェクション法により行うことが望ましい。
次に、現像し、レジストパターン層をエッチングマスクとして、例えば、酸素イオンを用いた反応性イオンエッチング(O2−RIE)によりコアのパターニングを行う。これにより、図2に示すように基板1上に多数の光導波路を配列して一度に形成することができる。
走査露光する工程は、種々の装置を利用して実施できる。走査露光はミラープロジェクション法により行うことが望ましい。
次に、現像し、レジストパターン層をエッチングマスクとして、例えば、酸素イオンを用いた反応性イオンエッチング(O2−RIE)によりコアのパターニングを行う。これにより、図2に示すように基板1上に多数の光導波路を配列して一度に形成することができる。
下部クラッド層及び上部クラッド層は、いずれも、フッ素化ポリイミドからなることが望ましい。下部クラッド層の膜厚は、通常は約6μm、上部クラッド層の膜厚は、コア3の直上で通常は約10μm、他の部分で通常は約15μm程度が適当である。コア3の膜厚は通常は約6.5μmである。
実施例
基板1として直径約12.7cmのシリコンウエハを用意し、この基板1の上に図1の構造の光導波路ユニットを縦横に多数配列して形成し、後の工程でダイシングにより切り離して、個々の光導波路に分離する。これにより、多数の図1の光導波路を量産することができる。よって、成膜やパターニング等は、ウエハ状の基板1全体で一度に行う。
まず、ウエハ状の基板1の上面全体に、二酸化珪素層2を熱酸化法や気相堆積法等により形成した後、フォトリソグラフィとシリコン単結晶の異方性を利用したウエットエッチングにより、V溝2を図2のように配列して形成する。このとき、図2に示した3対の第1のアライメントマーク(A1,A1’,A2,A2’,A3,A3’)(計6カ所)として用いる凹部もV溝2と同時に形成する。
基板1として直径約12.7cmのシリコンウエハを用意し、この基板1の上に図1の構造の光導波路ユニットを縦横に多数配列して形成し、後の工程でダイシングにより切り離して、個々の光導波路に分離する。これにより、多数の図1の光導波路を量産することができる。よって、成膜やパターニング等は、ウエハ状の基板1全体で一度に行う。
まず、ウエハ状の基板1の上面全体に、二酸化珪素層2を熱酸化法や気相堆積法等により形成した後、フォトリソグラフィとシリコン単結晶の異方性を利用したウエットエッチングにより、V溝2を図2のように配列して形成する。このとき、図2に示した3対の第1のアライメントマーク(A1,A1’,A2,A2’,A3,A3’)(計6カ所)として用いる凹部もV溝2と同時に形成する。
次に、有機ジルコニウム化合物溶液を基板1全体にスピンコートした後、得られた塗膜を160°Cで5分程度加熱して乾燥させ、有機ジルコニウム化合物層を形成する。有機ジルコニウム化合物溶液としては、例えば、トリブトキシアセチルアセトネートジルコニウムをブタノールに溶解して、1重量%溶液に調製したものを用いる。
次に、有機ジルコニウム化合物層の上に、フッ素を含まないポリイミド樹脂層形成用組成物をスピンコートし、得られた塗膜を加熱して溶媒を蒸発させ、さらに加熱して硬化させることにより、フッ素を含まないポリイミド樹脂層(乾燥膜厚約0.23μm)を形成する。
次に、ウエハ状の基板1の上面全体に第1のフッ素を含むポリイミド樹脂膜形成用組成物をスピンコートして材料溶液膜を形成する。その後、乾燥器で100℃で30分、次いで、200℃で30分加熱することにより溶媒を蒸発させ、続けて370℃で60分加熱することにより硬化させ、厚さ6μmの下部クラッド層を形成する。
この下部クラッド層の上に、前述の第2のフッ素を含むポリイミド樹脂膜形成用組成物をスピンコートして材料溶液膜を形成する。その後、乾燥器で100℃で30分間、次いで、200℃で30分間加熱することにより溶媒を蒸発させ、続いて350℃で60分間加熱することにより硬化を行い、コア3となる厚さ6.5μmの第2のポリイミド樹脂膜を形成する。
この下部クラッド層の上に、前述の第2のフッ素を含むポリイミド樹脂膜形成用組成物をスピンコートして材料溶液膜を形成する。その後、乾燥器で100℃で30分間、次いで、200℃で30分間加熱することにより溶媒を蒸発させ、続いて350℃で60分間加熱することにより硬化を行い、コア3となる厚さ6.5μmの第2のポリイミド樹脂膜を形成する。
次に、コアをドライエッチングするためのレジストを塗布し、硬化させてレジスト層を形成する。コアのパターンと3対の第2のアライメントマーク(A1,A1’,A2,A2’,A3,A3’)を有するホトマスクをレジスト層上に配置する。
1対1等倍投影アライナ(キャノンMPA−600 FA)に上記レジスト層を形成した基板を設置し、V溝に形成した第1のアライメントマーク(A1,A1’)と、ホトマスクに形成した第2のアライメントマーク(A1,A1’)の位置合わせをして0点を調整し、基板とホトマスクの位置関係を固定した後、顕微鏡を移動して他の4点のアライメントマーク(A2,A2’,A3,A3’)における水平方向のずれ(a2,a2’,a3,a3’)をそれぞれ計測する。
次に、計測された水平方向のずれ(a2,a2’,a3,a3’)をそれぞれ較正するように、基板とホトマスクの位置関係を較正しながら露光を行う。
1対1等倍投影アライナ(キャノンMPA−600 FA)に上記レジスト層を形成した基板を設置し、V溝に形成した第1のアライメントマーク(A1,A1’)と、ホトマスクに形成した第2のアライメントマーク(A1,A1’)の位置合わせをして0点を調整し、基板とホトマスクの位置関係を固定した後、顕微鏡を移動して他の4点のアライメントマーク(A2,A2’,A3,A3’)における水平方向のずれ(a2,a2’,a3,a3’)をそれぞれ計測する。
次に、計測された水平方向のずれ(a2,a2’,a3,a3’)をそれぞれ較正するように、基板とホトマスクの位置関係を較正しながら露光を行う。
図4に示すように、2点アライメント(そり補正なし)では、最大±1.5μmの水平ずれ(n=1000)が発生した。このずれはフッ素化ポリイミドの硬化収縮から発生するウエハのそりが原因であり、2点アライメントではそのそりから生じる水平ずれを精度良く補正することができない。
これに対してウエハ内の上中下6箇所(A1,A1’,A2,A2’,A3,A3’)でアライメントを行う6点アライメント(二次元)そり補正を行ったところ、水平ずれ量を±0.50μm以下(n=1000)に抑えることができた。
これに対してウエハ内の上中下6箇所(A1,A1’,A2,A2’,A3,A3’)でアライメントを行う6点アライメント(二次元)そり補正を行ったところ、水平ずれ量を±0.50μm以下(n=1000)に抑えることができた。
さらに、図3に示すように、6点アライメントの位置を位置A、位置B、位置Cに変えて同様の操作を行った。図5に示すように、位置Cにおいて最適化され、水平ずれ量を±0.4μm以下(いずれもn=1000)にすることができた。
1:基板、2:V溝、3:コア、A1,A1’,A2,A2’,A3,A3’:アライメントマーク、A,B,C:アライメントマーク
Claims (6)
- 下記の工程を含むV溝集積型光導波路の製造方法。
基板上に、光ファイバ搭載用V溝及びn個(nは4以上の整数)の第1のアライメントマークを形成する工程、
下部クラッド層を形成する工程、
下部クラッド層の上にコア層を形成する工程、
コア層の上にレジスト層を形成する工程、
第1のアライメントマークに対応するn個の第2のアライメントマークを有するホトマスクをレジスト層上に配置する工程、
n個の第1のアライメントマークとn個の第2のアライメントマークとの水平方向のずれ量をそれぞれ測定する工程、
上記ずれ量に応じて、基板とホトマスクの相対的な位置関係を較正しながら走査露光する工程、及び
現像してコア層を露出させ、コアをパターニングする工程。 - nが4である請求項1記載の方法。
- nが6である請求項1記載の方法。
- 走査露光をミラープロジェクション法により行う請求項1〜3のいずれか1項記載の方法。
- クラッド層及びコア層がフッ素化ポリイミドからなる請求項1〜4のいずれか1項記載の方法。
- アライメントマークが基板の中心から、基板半径の50〜99%の位置に設けられている請求項1〜5のいずれか1項記載の方法。
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JP2012113330A (ja) * | 2012-03-19 | 2012-06-14 | Furukawa Electric Co Ltd:The | 光回路基板およびその製造方法 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPH10288717A (ja) * | 1997-04-14 | 1998-10-27 | Japan Aviation Electron Ind Ltd | V溝付光導波路基板の製造方法及びその製法により製造されたv溝付光導波路基板 |
JPH1130735A (ja) * | 1997-07-11 | 1999-02-02 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | ハイブリッド光回路 |
JP2005017761A (ja) * | 2003-06-26 | 2005-01-20 | Tdk Corp | 光導波路および光導波路の製造方法 |
-
2005
- 2005-03-04 JP JP2005061039A patent/JP2006243516A/ja active Pending
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