JP2006133863A - ロボット制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ロボット制御装置3は、地図データを取得する地図取得手段380と、ロボットの現在位置データを取得する現在位置取得手段320と、サブゴールデータを取得するサブゴール取得手段350と、サブゴールデータに基づいて、2台のロボットが衝突する可能性があるか否かを判定する衝突可能性判定手段360と、衝突可能性がある2台のロボットのうち、少なくとも1台のロボットの移動経路を、地図データ、現在位置データ及びサブゴールデータに基づいて、衝突可能性がある他のロボットとの衝突を避けるように変更させる移動経路変更命令信号を生成する移動経路変更命令手段390と、移動経路変更命令信号を対応するロボットに送信する入出力手段100と、を備えている。
【選択図】 図4
Description
また、移動ロボットが移動するためには常に走行予約を行うことが必要となるため、走行予約に伴う移動ロボット−制御局間の通信処理が煩雑になる。
また、他の自律移動ロボットを回避する動作は、予め設定された定型動作によるため、自律移動ロボットの移動領域の地形などを反映した回避動作ができない。
また、本発明における「回避」は、優先ロボットが、退避位置で待機している非優先ロボットを回避して移動することを意味している。
このように、衝突可能性のある2台のロボットのそれぞれに、退避、回避を行わせることにより、確実に衝突を避けることができる。
はじめに、本発明の実施形態に係るロボット制御システムついて説明する。図1は、本発明の実施形態に係るロボット制御システムを示すシステム構成図である。
このロボット制御システムAは、ロボット制御装置3がロボットRにタスクを実行させる実行命令信号を送信し、実行命令信号を受信したロボットRがタスクを実行するものである。
本発明の実施形態に係るロボットRは、自律移動型の2足移動ロボットである。
このロボットRは、ロボット制御装置3から送信された実行命令信号に基づき、タスクを実行するものである。
さらに、ロボットRは、ロボットR自身の向きを検出するためのジャイロセンサSR1と、ロボットR自身の現在位置を検出するためのGPS受信器SR2と、を有している。
ジャイロセンサSR1が得た向きデータと、GPS受信器SR2が得た現在位置データとは、それぞれ制御部40に出力され、ロボットRの行動を決定するのに利用されると共に、制御部40から無線通信部60を介してロボット制御装置3に送信される。
カメラC,Cは、映像をデジタルデータとして取り込むことができるものであり、例えばカラーCCD(Charge-Coupled Device)カメラが使用される。カメラC,Cは、左右に平行に並んで配置され、撮影した画像は画像処理部10に出力される。このカメラC,Cと、スピーカS及びマイクMCは、いずれも頭部R1の内部に配設されている。
画像処理部10は、カメラC,Cが撮影した画像を処理して、撮影された画像からロボットRの周囲の状況を把握するため、周囲の障害物や人物の認識を行う部分である。この画像処理部10は、ステレオ処理部11a、移動体抽出部11b、及び顔認識部11cを含んで構成される。
ステレオ処理部11aは、左右のカメラC,Cが撮影した2枚の画像の一方を基準としてパターンマッチングを行い、左右の画像中の対応する各画素の視差を計算して視差画像を生成し、生成した視差画像及び元の画像を移動体抽出部11bに出力する。なお、この視差は、ロボットRから撮影された物体までの距離を表すものである。
移動体の抽出をするために、移動体抽出部11bは、過去の数フレーム(コマ)の画像を記憶しており、最も新しいフレーム(画像)と、過去のフレーム(画像)を比較して、パターンマッチングを行い、各画素の移動量を計算し、移動量画像を生成する。そして、視差画像と、移動量画像とから、カメラC,Cから所定の距離範囲内で、移動量の多い画素がある場合に、その位置に人物がいると推定し、その所定距離範囲のみの視差画像として、移動体を抽出し、顔認識部11cへ移動体の画像を出力する。
認識された顔の位置は、ロボットRが移動するときの情報として、また、その人とのコミュニケーションを取るため、制御部40に出力されると共に、無線通信部60に出力されて、基地局1を介して、ロボット制御装置3に送信される。
音声処理部20は、音声合成部21aと、音声認識部21bとを有している。
音声合成部21aは、制御部40が決定し、出力してきた発話行動の指令に基づき、文字情報から音声データを生成し、スピーカSに音声を出力する部分である。音声データの生成には、予め記憶している文字情報と音声データとの対応関係を利用する。
音声認識部21bは、マイクMCから音声データが入力され、予め記憶している音声データと文字情報との対応関係に基づき、音声データから文字情報を生成し、制御部40に出力するものである。
制御部40は、後記するロボット制御装置3に送信する信号を生成すると共に、ロボット制御装置から出力された実行命令信号に基づいて、ロボットRの各部(画像処理部10、音声処理部20、自律移動制御部50及び無線通信部60)を制御するものである。
現在位置データは、ロボットRの現在位置(座標)に関するデータであり、GPS受信器SR2から得られる。
向きデータは、ロボットRの向きに関するデータであり、ジャイロセンサSR1から得られる。
移動有無データは、ロボットRが移動しているか否かに関するデータであり、脚部制御部51cが脚部R3を駆動している場合には「移動している」、脚部制御部51cが脚部R3を駆動していない場合には「移動していない」とする。
ここで、サブゴールについて説明する。図3は、ロボットのサブゴールを説明するための模式図である。
ロボットRは、ロボット制御装置3からの実行命令信号を受信することによって、タスクを実行する。この実行命令信号は、タスク(自律移動)の目的地であるタスク終了位置に関するタスク終了位置データを含んでいる。
制御部40は、GPS受信器SR2から得たロボットRの現在位置に関する現在位置データと、タスク終了位置データと、地図データと、に基づいて、タスク開始位置(スタート)とタスク終了位置(ゴール)との間に有限個のノードであるサブゴールを設定する。これらサブゴールの位置に関するデータが、サブゴールデータである。このサブゴールは、地図データを参照し、ロボットRが自律移動可能な場所に、隣り合うサブゴール間の距離が略一定となるように生成される。
図2に戻り、ロボットRの構成に関する説明を続ける。自律移動制御部50は、頭部制御部51a、腕部制御部51b、脚部制御部51cを有している。
頭部制御部51aは、制御部40の指示に従い頭部R1を駆動し、腕部制御部51bは、制御部40の指示に従い腕部R2を駆動し、脚部制御部51cは、制御部40の指示に従い脚部R3を駆動する。
無線通信部60は、ロボット制御装置3とデータの送受信を行う通信装置である。無線通信部60は、公衆回線通信装置61a及び無線通信装置61bを有している。
公衆回線通信装置61aは、携帯電話回線やPHS(Personal Handyphone System)回線などの公衆回線を利用した無線通信手段である。一方、無線通信装置61bは、IEEE802.11b規格に準拠する無線LANなどの、近距離無線通信による無線通信手段である。
無線通信部60は、ロボット制御装置3からの接続要求に従い、公衆回線通信装置61a又は無線通信装置61bを選択してロボット制御装置3とデータ通信を行う。
記憶部70は、ロボットRの移動制御に必要なデータを記憶する。記憶部70に記憶されたデータは、無線通信部60を介して更新可能である。
記憶部70は、ロボットRがタスクを実行するタスク実行エリアEAの地図情報を格納する地図情報データベース71を備えている。地図情報データベース71に格納された地図情報は、ロボット制御装置3の地図情報データベース220に格納された地図情報と同一である。
また、記憶部70は、制御部40が生成したサブゴールデータを記憶する。
続いて、ロボット制御装置3の構成について説明する。図4は、図1のロボット制御装置を示すブロック図である。図4に示すように、ロボット制御装置3は、入出力手段100、記憶手段200及び制御手段300を備えている。
入出力手段100は、基地局1やネットワーク4を介して、ロボットRや端末5との間でデータの送受信を行うためのインタフェースである。この入出力手段100が、特許請求の範囲における「送信手段」の一例である。
記憶手段200は、ロボットRを制御するための各種データを記憶する。
記憶手段200は、ロボット情報データベース210及び地図情報データベース220を備えている。
ロボット情報データベース210は、ロボットRの状態に関するデータであるロボットデータをロボットRごとに関連付けて記憶するためのデータベースである。
ロボットデータは、少なくともロボットID、現在位置データ及び移動速度データを含み、その他、当該ロボットRの大きさ(幅など)、バッテリ残量、駆動系異常の有無などに関する情報(データ)を含んでいる。
現在位置データは、ロボットRから送信されたロボット状態データに含まれている。
移動速度データは、ロボットRの移動速度に関するデータであり、移動速さに関する移動速さデータと、移動の向きに関する向きデータと、を含んでいる。
移動速さデータは、ロボットRから送信されたロボット状態データに含まれる移動有無データと、予め記憶されたロボットRの平均移動速さに関する平均移動速さデータに基づいて生成される。移動有無データが、「移動している」ことを示すデータである場合には、平均移動速さデータを移動速さデータとする。一方、移動有無データが、「移動していない」ことを示す場合には、移動速さデータを「0」とする。
向きデータは、ロボットRから送信されたロボット状態データに含まれている。
また、ロボット情報データベース210は、ロボットRに実行させるタスクに関するタスクデータも記憶している。
衝突回避リストは、衝突する可能性があると判定された2台のロボットR,Rの組み合わせを記憶するためのものである。衝突する可能性があるロボットR,Rの組み合わせは、衝突可能性判定手段360によって追加登録され、また、シナリオ復帰命令手段400によって削除される。
また、衝突回避リストには、2台のロボットR,Rの回避制御に関する状態が、「State0」、「State1」、「State2」、「State3」、「State4」の5段階に分類されて記憶されている。この回避制御に関する状態は、ロボット制御装置3の衝突回避制御動作に伴い、制御手段300によって設定・更新される。
地図情報データベース220は、ロボットRが自律移動し、タスクを実行する位置に関する地図データ(グローバルマップ)を格納するためのデータベースである。地図データは、ロボットRの自律移動範囲にある通路、階段、エレベータ、部屋などに関する情報を含むデータである。ロボットRは、地図データによって移動可能な範囲で自律移動可能である。また、地図データは、オペレータによる端末5の操作によって更新可能である。
制御手段300は、実行命令生成手段301、ロボット選択手段310、現在位置取得手段320、移動速度取得手段330、接近判定手段340、サブゴール取得手段350、衝突可能性判定手段360、優先順位設定手段370、地図取得手段380、移動経路変更命令手段390及びシナリオ復帰命令手段400を備えている。
実行命令生成手段301は、ロボット情報データベース210に記憶されたタスクデータに基づいて、ロボットRにタスクを実行させるための実行命令信号を生成するものである。生成した実行命令信号は、入出力手段100を介して、対応するロボットRに向けて送信される。
ロボット選択手段310は、複数のロボットRから2台のロボットR,Rを選択するためのものである。以下、ロボット選択手段310が2台のロボットRA,RBを選択した場合を例にとり説明する。ロボット選択手段310は、選択した2台のロボットRA,RBに関するロボットIDを、現在位置取得手段320及び移動速度取得手段330に出力する。
現在位置取得手段320は、ロボット選択手段310が選択したロボットRA,RBに関する現在位置データを、ロボット情報データベース210から取得する。取得された現在位置データは、接近判定手段340に出力され、また、必要に応じて移動経路変更命令手段390に出力される。
移動速度取得手段330は、ロボット選択手段310が選択したロボットRA,RBに関する移動速度データを、ロボット情報データベース210から取得する。取得された移動速度データは、接近判定手段340に出力される。
接近判定手段340は、入力された現在位置データ及び移動速度データに基づいて、複数のロボットRのうち、任意の2台のロボットR,Rが接近しているか否かを判定する。
本実施形態では、ロボット選択手段310が選択したロボットRA,RBが接近しているか否かを判定する。
接近判定手段340は、ロボット接近速度Vとロボット間距離Dとが次の式(1)を満たしているか否かを判定する。なお、aは比例定数である。
V≧aD …(1)
ロボット接近速度Vは、ロボットRA,RBが互いに近づく速度であり、ロボットRA,RBが近づくように移動する場合には正の値をとり、ロボットRA,RBが離れるように移動する場合には負の値をとる。このロボット接近速度Vは、ロボット情報データベース210に予め記憶されたロボットRA,RBの平均移動速さデータと、ロボットRA,RBの向きデータと、に基づいて算出される。
ロボット間距離Dは、ロボットRA,RBの現在位置データに基づいて算出される。
比例定数aは、正の値であり、ロボットRの大きさなどに基づいて、予め設定されている。
ロボット接近速度V及びロボット間距離Dが前記式(1)を満たす場合(図5の斜線領域)に、接近判定手段340が、ロボットRA,RBが接近していると判定する。
すなわち、接近判定手段340は、ロボット接近速度V及びロボット間距離Dに基づいて、ロボット接近速度Vが一定の場合には、ロボット間距離Dが所定値(V/a)以下である場合にロボットRA,RBが接近していると判定する。そして、ロボット間距離Dが一定の場合には、ロボット接近速度Vが所定値(aD)以上である場合にロボットRA,RBが接近していると判定する。
また、ロボット間距離Dが小さい場合であっても、ロボット接近速度Vが負の値をとる場合、すなわち、ロボットRA,RBが離れるように移動している場合には、接近判定手段340は、ロボットRA,RBが接近していないと判定する。
接近判定手段340が、ロボットRA,RBが接近していると判定した場合には、接近判定手段340は、ロボットRA,RBのロボットIDをサブゴール取得手段350に出力する。
接近判定手段340が、ロボットRA,RBが接近していないと判定した場合には、その旨を伝える信号をロボット選択手段310に出力する。
図4に戻り、ロボット制御装置3の構成の説明を続ける。サブゴール取得手段350は、接近判定手段340が、ロボットRA,RBが接近していると判定した場合に、当該2台のロボットRA,RBのサブゴールデータを取得する。
以下、サブゴールデータの取得手順について簡単に説明する。
まず、サブゴール取得手段350は、ロボットRA,RBのロボットIDを含むサブゴール要求信号を生成する。サブゴール要求信号は、入出力手段100を介して、ロボットRに向けて送信される。サブゴール要求信号を受信したロボットRは、ロボットIDを比較し、自身のロボットIDと一致するものが含まれている場合には、サブゴールデータをロボット制御装置3に向けて送信する。ここでは、ロボットIDが一致するロボットRA,RBがそれぞれサブゴールデータを送信する。送信されるサブゴールデータには、当該ロボットRA(RB)のロボットIDが付与されている。サブゴール取得手段350は、ロボットRA,RBから送信されたサブゴールデータを取得する。取得されたサブゴールデータは、衝突可能性判定手段360に出力され、必要に応じて、優先順位設定手段370に出力される。
衝突可能性判定手段360は、接近判定手段340が、ロボットRA,RBが接近していると判定した場合に、ロボットRA,RBが衝突する可能性があるか否かを判定する。
本実施形態において、衝突可能性判定手段360は、2台のロボットRA,RBのサブゴールデータ、現在位置データ及び移動速度データに基づいて、2台のロボットRA,RBが衝突する可能性があるか否かを判定する。
サブゴール補間部361は、入力されたサブゴールデータに基づいて、隣り合うサブゴール間を補間するために新たにサブゴールを生成する。
ここで、サブゴールの補間について説明する。図7は、サブゴール補間部によるサブゴールの補間を説明するための模式図であり、(a)は補間前を示す図、(b)は補間後を示す図である。サブゴール補間部361は、入力されたサブゴールデータから、b倍のサブゴールデータを新たに生成し、隣り合うサブゴール間の距離を小さくする。つまり、図7に示すように、サブゴールSGA(nA)とサブゴールSGA(nA+1)との間に、(b−1)個のサブゴールを生成し、サブゴールデータを補間する(図7(a)→図7(b))。
図6に示すサブゴール選択部362は、サブゴール補間部361が補間したサブゴールデータを一時記憶すると共に、記憶したサブゴールデータから、ロボットRAの一つのサブゴールデータと、ロボットRBの一つのサブゴールデータを選択し、サブゴール間距離算出部363及び到達時間算出部365に出力する。
サブゴール間距離算出部363は、入力されたサブゴールデータに基づいて、サブゴール間距離を算出する。算出されたサブゴール間距離は、サブゴール間距離判定部364に出力される。
サブゴール間距離判定部364は、入力されたサブゴール間距離が、一定距離c内であるか否かを判定する。ここで、一定距離cは、対応するサブゴールにロボットRA,RBが位置しているときに、ロボットRA,RBがぶつからない程度の距離に予め設定されている。サブゴール間距離判定部364の判定結果は、衝突可能性判定部367に出力される。
本実施形態では、サブゴール間距離判定部364が、一定距離c内であると判定した場合には、その旨を伝える信号が到達時間算出部365に出力される。
到達時間算出部365は、ロボットRA,RBのそれぞれが、選択されたサブゴールデータに対応するサブゴールに到達するのに要する時間、すなわち、ロボットRA,RBのそれぞれが、現在位置から対応するサブゴールに到達するのに要する到達時間を算出する。
ロボットRAが選択されたサブゴールまで到達するのに要する時間は、ロボットRAの現在位置データ、平均移動速さデータ及び対応するサブゴールデータに基づいて算出される。
ロボットRBが選択されたサブゴールまで到達するのに要する時間は、ロボットRBの現在位置データ、平均移動速さデータ及び対応するサブゴールデータに基づいて算出される。
本実施形態では、到達時間算出部365は、後記するサブゴール間距離判定部364が一定距離c内であると判定した場合に、対応するサブゴールに関する演算を行う。算出された到達時間は、到達時間判定部366に出力される。
到達時間判定部366は、2台のロボットRA,RBのそれぞれが、選択されたサブゴールに到達するのに要する時間の差が一定時間d内であるか否かを判定する。ここで、一定時間dは、ロボットRの平均移動速さを考慮して設定されている。到達時間判定部366の判定結果は、衝突可能性判定部367に出力される。
衝突可能性判定部367は、サブゴール間距離判定部364及び到達時間判定部366の判定結果に基づいて、選択されたサブゴールにおいてロボットRA,RBが衝突する可能性があるか否かを判定する。
衝突可能性判定部367は、サブゴール間距離判定部364の判定結果が一定距離c内であり、到達時間判定部366の判定結果が一定時間d内である場合には、ロボットRA,RBが衝突する可能性があると判定し、それ以外の場合には、ロボットRA,RBが衝突する可能性がないと判定する。
衝突可能性判定部367が、衝突可能性があると判定した場合には、その旨を伝える信号を優先順位設定手段370に出力する。
衝突可能性判定部367が、衝突可能性がないと判定した場合には、その旨を伝える信号がロボット選択手段310に出力される。そして、ロボット選択手段310は、別のロボットR,Rの組み合わせを選択する。
優先順位設定手段370は、衝突可能性があると判定されたロボットRA,RBについて、ロボットRA,RBのタスクを比較することによって優先順位を設定する。
本実施形態のロボット制御システムAは、ロボットRにタスク(受付案内)を実行させるためのものである。ロボットRの状態は、タスクデータに基づいて決定され、以下の<0>,<1>,<2>,<9>などに分類される。
<0>:フリー
<1>:タスク実行中
<2>:タスク一時停止中
<9>:非常事態
<1−1> :案内タスク
<1−2> :引継ぎ案内タスク
<1−5> :受付業務
<1−99>:バッテリ交換
<1−1> → <1−2> → <1−99> → <1−5> → <2> → <0> → <9>
ロボットRの優先順位が同じであるなど、これだけでロボットRの優先順位の判定ができない場合には、タスク終了位置までの未通過サブゴールの個数が多い、すなわち、現在位置からタスク終了位置までの距離が遠いロボットRの優先順位が、タスク終了位置までの未通過サブゴールの個数が少ないロボットRの優先順位よりも高くなるように優先順位を設定する。
なお、以下の説明において、ロボットRBの優先順位がロボットRAの優先順位よりも高いと判定されたものとし、ロボットRAを非優先ロボットRA、ロボットRBを優先ロボットRBと記載することもある。
地図取得手段380は、地図情報データベース220に記憶された地図データを取得する。取得された地図データは、移動経路変更命令手段390に出力される。
移動経路変更命令手段390は、衝突可能性があると判定されたロボットRA,RBについて、少なくとも一方の移動経路を変更させる移動経路変更命令信号を生成する。本実施形態において、移動経路変更命令信号には、非優先ロボットRAを退避させる退避命令信号と、優先ロボットRBを回避させる回避命令信号の2種類がある。
図8は、図4の移動経路変更命令手段を示すブロック図である。図8に示すように、移動経路変更命令手段390は、退避命令信号を生成する退避命令手段391と、回避命令信号を生成する回避命令手段396を備えている。
退避命令信号は、非優先ロボットRAに対して退避移動を命令するための信号であり、非優先ロボットRAのロボットIDと、退避位置データとを含んでいる。
回避命令信号は、優先ロボットRBに対して回避移動を命令するための信号であり、優先ロボットRBのロボットIDと、回避位置データとを含んでいる。
退避命令手段391は、地図データ、非優先ロボットRAの現在位置データ及び非優先ロボットRAのサブゴールデータに基づいて、非優先ロボットRAを退避させる退避命令信号を生成する。
退避命令手段391は、退避候補位置生成部392a及び退避位置決定部392bを備えた退避位置生成部392と、退避命令生成部393と、を備えている。
退避候補位置生成部392aは、非優先ロボットRAが退避移動して優先ロボットRBの回避移動を待つ退避候補位置に関する退避候補位置データを生成する。
退避位置決定部392bは、退避候補位置データから、退避位置データを選択し、決定する。
退避命令生成部393は、退避位置データに基づいて、非優先ロボットRAを退避位置に退避移動させる退避命令信号を生成する。
この退避命令手段391による退避位置決定手順については、後で詳細に説明する。
回避命令手段396は、優先ロボットRBを回避させる回避命令信号を生成する。
回避命令手段396は、回避中継位置生成部397a及び回避終了位置生成部397bを備えた回避位置生成部397と、回避命令生成部398と、を備えている。
回避中継位置生成部397aは、優先ロボットRBが回避移動する際に通過する回避中継位置に関する回避中継位置データを生成する。
回避終了位置生成部397bは、退避位置データ及び優先ロボットRBのサブゴールデータに基づいて、優先ロボットRBが回避移動を終了し元の移動経路に復帰する回避終了位置に関する回避終了位置データを生成する。
回避命令生成部398は、回避中継位置データ及び回避終了位置データに基づいて、優先ロボットRBを、回避中継位置を経由して回避終了位置に回避移動させる回避命令信号を生成する。
この回避命令手段396による回避位置決定手順については、後で詳細に説明する。
シナリオ復帰命令手段400は、退避した非優先ロボットRA及び回避した優先ロボットRBのそれぞれに対して、退避または回避を終了し、元のタスクを実行する動作に復帰させるためのシナリオ復帰命令信号を生成する。ここでいうシナリオは、退避または回避を行う前にロボットRが実行していたタスクの内容に相当する。生成されたシナリオ復帰命令信号は、入出力手段100を介して、対応するロボットRに向けて送信される。
シナリオ復帰命令信号を生成するタイミングなどについては、後で詳細に説明する。
まず、図9に示すように、2台のロボットRA,RBがタスク実行エリアEAにおける通路を移動している際に、ロボット制御装置3(図1参照)が、2台のロボットが衝突する可能性があると判定する。
続いて、図10に示すように、ロボット制御装置3が、ロボットRAを退避位置P1に退避させる退避命令信号を生成し、ロボットRAに向けて送信する。退避命令信号を受信したロボットRAは、退避位置P1へ退避する。
続いて、図11に示すように、ロボット制御装置3が、ロボットRBを、回避中継位置P2を経由して回避終了位置P3に回避させる回避命令信号を生成し、ロボットRBに向けて送信する。回避命令信号を受信したロボットRBは、回避中継位置P2を経由して回避終了位置P3へ回避する。
そして、図12に示すように、ロボットRBが回避中継位置P2を通過すると、ロボットRAが退避位置P1から移動を再開する。
続いて、ロボット制御システムAによるロボットR同士の衝突を避けるための制御について、2台のロボットRA,RBの衝突を避ける場合を例にとって説明する。図13は、本発明の実施形態に係るロボット制御システムによる、2台のロボットの衝突を避けるためのロボット及びロボット制御装置の動作例を示すフローチャートである。なお、ロボットRA,RB及びロボット制御装置3の構成要素の符号については、適宜図2、図4、図6及び図8を参照する。
ロボット制御装置3は、受信したロボットR(ロボットRA,RB)のロボット状態データをロボット情報データベース210に記憶する。なお、ロボットRA,RB以外のロボットRCがタスク実行エリアEAに存在する場合には、ロボットRCもロボット状態データを生成し、生成したロボット状態データをロボット制御装置3に向けて送信する。
ロボット選択手段310は、複数のロボットRから2台のロボットRA,RBを選択する。現在位置取得手段320が、ロボットRA,RBの現在位置データを取得すると共に、移動速度取得手段330が、ロボットRA,RBの移動速度データを取得する。取得した現在位置データ及び移動速度データは、接近判定手段340に出力される。
そして、接近判定手段340が、入力された現在位置データ及び移動速度データに基づいて、ロボットRA,RBが接近しているか否かを判定する(S21)。以下、接近判定手段340が、ロボットRA,RBが接近していると判定したものとして説明する。
続いて、ロボット制御装置3の動作についてさらに詳細に説明する。図14は、本発明の実施形態に係るロボット制御装置の動作を示すフローチャートである。なお、ロボットRA,RB及びロボット制御装置3の構成要素の符号については、適宜図2、図4、図6及び図8を参照する。
ロボットRA,RBが衝突回避リストにリストアップされていない場合(S102でno)には、現在位置取得手段320がロボットRA,RBの現在位置データを取得すると共に、移動速度取得手段330がロボットRA,RBの移動速度データを取得し、これらのデータが接近判定手段340に出力される。
そして、接近判定手段340がロボットRA,RBが接近しているか否かを判定する。そして、接近判定手段340が、ロボットRA,RBが接近していると判定した場合には、サブゴール取得手段350が、ロボットRA,RBに対するサブゴール要求信号を生成する。サブゴール要求信号はロボットRA,RBに向けて送信される。ロボットRA(ロボットRB)がサブゴール要求信号を受信すると、制御部40がサブゴールデータを生成する。サブゴールデータはロボット制御装置3に向けて送信される。そして、サブゴール取得手段350がサブゴールデータを取得し、取得したサブゴールデータを衝突可能性判定手段360に出力する。そして、衝突可能性判定手段360が、ロボットRA,RBが衝突する可能性があるか否かを判定する(S103)。
ステップS103において、接近判定手段340が、ロボットRA,RBが接近していないと判定した場合、及び衝突可能性判定手段360が、ロボットRA,RBが衝突する可能性がないと判定した場合には、ステップS101に移行し、別の2台のロボットR,Rの組み合わせを選択し、この2台のロボットR,Rについての処理を開始する。
ステップS106において、ロボットRA,RBの状態が「State0」であると判定された場合には、サブゴール取得手段350が、RA,RBに対するサブゴール要求信号を生成する。サブゴール要求信号は、入出力手段100を介して、ロボットRA,RBに向けて送信される(S107)。そして、制御手段300がロボットRA,RBの状態を「State1」に移行させ(S108)、ステップS101に戻る。
ステップS106において、ロボットRA,RBの状態が「State1」であると判定された場合には、サブゴール取得手段350が、ロボットRA,RBからのサブゴールデータを受信する(S109)。
サブゴール取得手段350がサブゴールデータを受信した場合(S109でyes)には、優先順位設定手段370がロボットRA,RBの優先順位を設定する(S110)。
続いて、移動経路変更命令手段390の退避命令手段391が、非優先ロボットRAに対する退避命令信号を生成する(S111)。退避命令信号は、入出力手段100を介して、非優先ロボットRAに向けて送信される(S112)。そして、制御手段300がロボットRA,RBの状態を「State2」に移行させ(S113)、ステップS101に戻る。
なお、サブゴール取得手段350がサブゴールデータを受信していない場合(S109でno)には、ステップS101に移行し、サブゴールデータを受信するまで待機する。
ステップS106において、ロボットRA,RBの状態が「State2」であると判定された場合には、移動経路変更命令手段390の回避命令手段396が、非優先ロボットRAからの退避開始連絡信号を受信する(S114)。
回避命令手段396が退避開始連絡信号を受信した場合(ステップS114でyes)には、回避命令手段396が優先ロボットRBに対する回避命令信号を生成する(S115)。回避命令信号は入出力手段100を介して、優先ロボットRBに向けて送信される(S116)。そして、制御手段300がロボットRA,RBの状態を「State3」に移行させ(S117)、ステップS101に戻る。
なお、回避命令手段396が退避開始連絡信号を受信していない場合(ステップS114でno)には、ステップS101に移行し、退避開始連絡信号を受信するまで待機する。
ステップS106において、ロボットRA,RBの状態が「State3」であると判定された場合には、シナリオ復帰命令手段400が、非優先ロボットRAの退避移動が終了し、かつ、ロボット間距離Dが増大しているか否かを判定する(S118)。非優先ロボットRAの退避移動が終了したか否かは、定期的に送信される非優先ロボットRAのロボットデータに含まれる現在位置データと退避位置データとを比較することによって判定可能である。また、非優先ロボットRAが退避位置まで移動した際に、非優先ロボットRAの制御部40が退避終了連絡信号を生成し、シナリオ復帰命令手段400がこの退避終了連絡信号を受信することによって判定する構成であってもよい。
シナリオ復帰命令手段400が、非優先ロボットRAの退避移動が終了し、かつ、ロボット間距離Dが増大していると判定した場合(S118でyes)には、シナリオ復帰命令手段400が、非優先ロボットRAに対するシナリオ復帰命令信号を生成する。シナリオ復帰命令信号は、非優先ロボットRAに向けて送信される(S119)。
シナリオ復帰命令信号を受信した非優先ロボットRAは、退避して中止していたタスクを再開する。
そして、制御手段300がロボットRA,RBの状態を「State4」に移行させ(S120)、ステップS101に戻る。
なお、ステップS118において、制御手段300が、非優先ロボットRAの退避移動が終了していない、またはロボット間距離Dが増大していないと判定した場合(S118でno)には、ステップS101に戻る。
ステップS106において、ロボットRA,RBの状態が「State4」であると判定された場合には、シナリオ復帰命令手段400が、優先ロボットRBの回避移動が終了したか否かを判定する(S120)。
シナリオ復帰命令手段400が、優先ロボットRBの回避移動が終了したと判定した場合(S120でyes)には、シナリオ復帰命令手段400が、優先ロボットRBに対するシナリオ復帰命令信号を生成する。シナリオ復帰命令信号は、優先ロボットRBに向けて送信される(S122)。
そして、シナリオ復帰命令手段400は、このロボットRA,RBの組み合わせを、衝突回避リストから削除させ(S123)、ステップS101に戻る。
続いて、接近判定手段340による接近判定手順と、衝突可能性判定手段360による衝突可能性判定手順とについて、図15を参照し、さらに詳しく説明する。
図15は、接近判定手段及び衝突可能性判定手段の動作を示すフローチャートである。以下に説明するステップS201〜S205は、図14のフローチャートにおけるステップS103のサブルーチンに相当する。
ロボット接近速度Vとロボット間距離Dとが前記式(1)を満たしている場合(S201でyes)には、接近判定手段340は、ロボットRA,RBが接近していると判定し、サブゴール取得手段350を作動させる。
ロボット接近速度Vとロボット間距離Dとが前記式(1)を満たしていない場合(S201でno)には、接近判定手段340は、ロボットRA,RBが接近しておらず、衝突する可能性がないと判定する。
続いて、非優先ロボットRAの退避位置の算出について、さらに詳しく説明する。
図16は、退避位置生成部による非優先ロボットの退避位置生成を説明するための模式図である。図17は、退避位置生成部による退避位置生成動作を示すフローチャートである。以下の説明におけるステップS301〜S312が、図14のフローチャートにおけるステップS115のサブルーチンに相当する。
SGA(nA) (nA=1,2,…,NA)
と記載する。
そして、ロボットRAが、現在mA個目のサブゴール(サブゴールデータはSGA(mA))を目標として移動しているとし、退避候補位置生成部392aが、現時点における過去、未来2個ずつのサブゴールに関するサブゴールデータを抽出する(S301)。これら4個のサブゴールデータをそれぞれ、
Cal_SGA(iA) (iA=1,2,3,4)
と記載する。つまり、抽出したサブゴールデータCal_SGA(iA)は、以下のようになる。
Cal_SGA(1)=SG(mA+1) …二つ未来のサブゴール
Cal_SGA(2)=SG(mA) …現在目標とする(一つ未来の)サブゴール
Cal_SGA(3)=SG(mA−1) …一つ過去のサブゴール
Cal_SGA(4)=SG(mA−2) …二つ過去のサブゴール
4個のサブゴールに対応して、それぞれ退避位置の候補となる退避候補位置が2点または4点存在する。これら退避候補位置に関する退避候補位置データを
Offset_Path(iA)(jA) (iA=1,2,3,4、jA=2or4)
と記載する。
これら退避候補位置の中から一つを選び、退避位置を決定する。
所定幅の通路など、サブゴール(移動可能ノード)が直線上に並んでおり、隣り合う移動可能ノード間にリンクが設定されている場合には、退避候補位置生成部392aが、退避候補位置を2点設定する。以下、2点設定の場合について、図18ないし図20を参照して説明する。
まず、退避候補位置生成部392aが、サブゴールデータCal_SGA(iA)に対応するリンクを探索する。ここでは、図18に示すように、サブゴールデータCal_SGA(iA)に対応するリンクが、Link(1),Link(2)の二つ存在している。これらのリンクLink(1),Link(2)は、同一直線上に並んでいる。
そして、図19に示すように、退避候補位置生成部392aが、そのリンクが作るベクトルLink_Vectorに対して垂直であり、かつ、サブゴールCal_SGA(iA)を通る直線Lを引く。
続いて、退避候補位置生成部392aが、この直線L上に、ロボット間最小マージンを満たし、かつ、壁とのマージンを満足する2点の平面座標に関するデータを、退避候補位置データOffset_Path(iA)(1),Offset_Path(iA)(2)として設定する。ここでは、図20に示すように、2点の退避候補位置が設定される。ロボット間最小マージンは、ロボットRA,RBが衝突せずにすれ違うことができる距離であり、ロボットRの大きさに基づいて予め設定されている。
ここで、退避候補位置Offset_Path(iA)(1),Offset_Path(iA)(2)それぞれから壁面までの距離s1,s3が、壁とのマージンであり、所定の値以上に設定される。また、退避候補位置Offset_Path(iA)(1),Offset_Path(iA)(2)間の距離s2が、ロボット間最小マージンを満たしている。壁面同士が離れている場合などには、ロボット間最小マージンをmとしたとき、サブゴールCal_SGA(iA)と退避候補位置Offset_Path(iA)(1)との距離をm/2の値に設定する構成であってもよい(退避候補位置Offset_Path(iA)(2)についても同様)。
サブゴール(移動可能ノード)が十字路内にある場合などには、退避候補位置生成部392aが、退避候補位置を4点設定する。以下、4点設定の場合について、図21ないし図24を参照して説明する。
まず、退避候補位置生成部392aが、サブゴールデータCal_SGA(iA)に対応するリンクを探索する。ここでは、図21に示すように、サブゴールデータCal_SGA(iA)に対応するリンクが、Link(11),Link(12),Link(13),Link(14)の四つ存在している。これらのリンクLink(11),Link(12),Link(13),Link(14)は、十字状に配置されている。
そして、図22に示すように、退避候補位置生成部392aが、これらのリンクが作る二つのベクトルLink_Vector(1),Link_Vector(2)に対して垂直であり、かつ、サブゴールCal_SGA(iA)を通る2本の直線L(1),L(2)を引く。
続いて、退避候補位置生成部392aが、この直線L(1),L(2)上それぞれに、ロボット間最小マージンを満たし、かつ、壁とのマージンを満足する2点の平面座標に関するデータを、計4点の退避候補位置データOffset_Path(iA)(1),Offset_Path(iA)(2),Offset_Path(iA)(3),Offset_Path(iA)(4)として設定する。ここでは、図23に示すように、直線L(1)上に2点の退避候補位置Offset_Path(iA)(1),Offset_Path(iA)(3)が設定され、直線L(2)上に2点の退避候補位置Offset_Path(iA)(2),Offset_Path(iA)(4)が設定される。
設定した退避候補位置が他のリンクが作るベクトル上に存在する場合には、退避候補位置生成部392aが、ベクトル同士のなす角度の半分を回転角とし、サブゴールを中心に全ての退避候補位置を回転する。ここでは、図24に示すように、各退避候補位置を、サブゴールCal_SGA(iA)を中心として時計回りに45度回転させる。
まず、退避候補位置が4点存在する場合には、2点に絞り込む。
退避候補位置が4点存在する場合とは、図25に示すように、サブゴールCal_SGA(iA)が交差点内に位置する場合などである。
まず、退避位置決定部392bは、優先ロボットRBの現在位置と移動終了位置とを結ぶベクトルを生成する。このベクトルを、
Des_Vector
と記載する。
また、退避位置決定部392bは、4点の退避候補位置のうち、対角に位置する2点を結ぶベクトルを生成する。これら2個のベクトルを、
Path_Vector(1)
Path_Vector(2)
と記載する。
そして、Des_VectorとPath_Vector(1)とがなす角の小さい方を
arg(1)
と記載し、Des_VectorとPath_Vector(2)とがなす角の小さい方を
arg(2)
と記載する。そして、退避位置決定部392bは、arg(1)とarg(2)との大きさを比較し、大きい方の角を与える退避候補位置の対(本実施形態では、Offset_Path(iA)(2)及びOffset_Path(iA)(4))を、退避候補位置として採用する。
図26(a)に示す例では、退避候補位置を回転させた状態で、非優先ロボットRAがOffset_Path(iA)(4)に退避し、優先ロボットRBがOffset_Path(iA)(2)を回避中継位置として回避移動する。
一方、図26(b)に示す例では、退避候補位置を回転させない状態で、非優先ロボットRAがOffset_Path(iA)(1)またはOffset_Path(iA)(4)に退避し、優先ロボットRBがOffset_Path(iA)(2)及びOffset_Path(iA)(2)を回避中継位置として回避移動する。
図26(a),(b)からもわかるように、4点の退避候補位置を回転させた状態で、対角上の2点の退避候補位置を採用することで、ロボットRA,RBの距離を確保することができ、より好適に衝突を避けることができる。
2点の退避候補位置に対して、以下の計算を行う。
まず、退避位置決定部392bは、距離Da,Dbを算出する。
Da=(当該退避候補位置と近傍のロボットR全てとの距離の最小値)
Db=(当該退避候補位置と優先ロボットRBの移動終了位置(ゴール)との距離)
ここで、Daを算出する際の近傍のロボットR全てとは、退避候補位置から所定距離内にある非優先ロボットRA以外の全てのロボットRのことであり、優先ロボットRBも含まれる。本実施形態では、優先ロボットRBと、その他のロボットRCが「近傍のロボットR全て」に該当する(図16参照)。
図16には、退避候補位置データOffset_Path(2)(1)に対するDa,Dbが示されている。本実施形態では、退避候補位置と優先ロボットRBとの距離Dr(1)が退避候補位置とその他のロボットRCとの距離Dr(2)よりも小さい。したがって、距離Dr(1)がDaとなる。
そして、退避位置決定部392bは、DaとDbのうち、小さい方を当該退避候補位置データOffset_Path(2)(1)に対するDmin(=Dmin(1))とする。本実施形態では、DaがDmin(=Dmin(1))となる。
また、退避位置決定部392bは、対となる退避候補位置データOffset_Path(2)(2)についても同様の計算を行い、退避候補位置データOffset_Path(2)(2)に対するDmin(=Dmin(2))を算出する。
退避候補位置2点に対するDminをそれぞれDmin(1),Dmin(2)とし、Dmin(1),Dmin(2)のうち、大きい方をDmin_f、小さい方をDmin_nとする。
すなわち、Dmin_f,Dmin_nは、以下の式によって求められる。
Dmin_f=Max(Dmin(1),Dmin(2))
Dmin_n=min(Dmin(1),Dmin(2))
本実施形態では、 Dmin_f=Dmin(1) , Dmin_n=Dmin(2) である。
そして、
Dmin_f>(ロボット間最小距離+マージン) …式(2)
を満たす場合には、退避位置決定部392bは、Dmin_fを与える退避候補位置を退避位置とし、回避中継位置生成部397aは、Dmin_nを与える退避候補位置を回避中継位置とする(S305)。
なお、式(2)を満たし、かつ、 Dmin_f=Dmin_n である場合には、退避位置決定部392bは、Dbが大きい方の退避候補位置を退避位置として選択する。これは、優先ロボットRBが、その移動終了位置に近い方を回避中継位置とするための措置である。
さらに、一対の退避候補位置の各Dbの値が等しい場合には、退避位置決定部392bは、Dmin(1)を与える退避候補位置を退避位置として選択する。
なお、本実施形態では、図16に示すように、退避位置決定部392bは、退避候補位置データOffset_Path(2)(1)を退避位置P1に関する退避位置データとして設定し、回避中継位置生成部397aは、退避候補位置データOffset_Path(2)(2)を回避中継位置P2に関する回避中継位置データとして設定する。そして、非優先ロボットRBがシナリオ復帰命令信号を受信すると、非優先ロボットRBはタスクを再開し、サブゴールCal_SGA(1)に向かって移動する。
x=(r+ft)sin(gt)
y=(r+ft)cos(gt)
を算出する(f,g,rは定数。)。退避候補位置生成部392a及び退避位置決定部392bは、算出されたx,yに最も近いノード(移動可能ノード)に対して前記計算を行い、解(退避位置)が存在するかを調べる。
図27は、回避位置生成部による優先ロボットの回避位置生成を説明するための模式図である。図28は、回避位置生成部による回避位置生成動作を示すフローチャートである。以下に説明するステップS401〜S408は、図14のフローチャートにおけるステップS115のサブルーチンに相当する。
回避移動を行う優先ロボットRBは、NB個のサブゴールを有しているものとする。そして、nB個目のサブゴールに関するサブゴールデータを、2次元座標上の点として定義し、
SGB(nB) (nB=1,2,…,NB)
と記載する。
Cal_SGB(iB) (iB=1,2,…k)
と記載する。
Cal_SGB(1)=SG(mB)
…
Cal_SGB(k)=SG(NB) (k=NB−mB+1)
と、k個、すなわち(NB−mB+1)個のサブゴールの回避終了候補位置Cal_SGB(iB)が存在する。
Dc=(当該回避終了候補位置と非優先ロボットの退避位置との距離)
Dd=(当該回避終了候補位置と優先ロボットの現在位置との距離)
De=(当該回避終了候補位置と他のロボットの現在位置との距離の最小値)
ここでいう他のロボットとは、非優先ロボットRA及び優先ロボットRB以外の全てのロボットRのことである。
なお、図27には、回避終了候補位置データCal_SGB(3)におけるDc,Dd,Deを図示している。
Dc>(ロボット間最小距離+マージン) …(3)
Dd>(非優先ロボットの現在位置と優先ロボットの現在位置との距離+マージン) …(4)
De>(ロボット間最小距離+マージン) …(5)
Ddが式(4)を満たせば、「回避終了位置が、非優先ロボットよりも遠く(優先ロボットRBのゴール側)に設定されている」ことになる。
Deが式(5)を満たせば、「回避終了位置が、他のロボットR(非優先ロボットRAを含む)から十分な距離を保持している」ことになる。
Dc>(ロボット間最小距離+マージン) …(6)
Dd>(ロボット間最小距離+マージン) …(7)
De>(ロボット間最小距離+マージン) …(8)
なお、本実施形態では、図27に示すように、回避終了位置生成部397bは、回避終了候補位置データCal_SGB(3)を回避終了位置P3に関する回避終了位置データとして設定する。
例えば、ロボットRの自律移動経路(サブゴール)の生成手法は、前記したものに限定されない。また、ロボット制御装置3がサブゴールを生成し、ロボットRに送信する構成であってもよい。
310 ロボット選択手段
320 現在位置取得手段
330 移動速度取得手段
340 接近判定手段
350 サブゴール取得手段
360 衝突可能性判定手段
370 優先順位設定手段
380 地図取得手段
390 移動経路変更命令手段
Claims (14)
- 移動経路に基づいて移動する機能を備えた複数のロボットと通信を行い、前記ロボット同士の衝突を避けるために複数の前記ロボットの移動を制御するロボット制御装置であって、
前記移動経路が形成される移動領域に関する地図データを取得する地図取得手段と、
前記ロボットの現在位置に関する現在位置データを取得する現在位置取得手段と、
前記移動経路に設定された有限個のサブゴールに関するサブゴールデータを取得するサブゴール取得手段と、
取得した前記サブゴールデータに基づいて、2台の前記ロボットが衝突する可能性があるか否かを判定する衝突可能性判定手段と、
衝突可能性がある2台の前記ロボットのうち、少なくとも1台の前記ロボットの前記移動経路を、前記地図データ、前記現在位置データ及び前記サブゴールデータに基づいて、衝突可能性がある他の前記ロボットとの衝突を避けるように変更させる移動経路変更命令信号を生成する移動経路変更命令手段と、
前記移動経路変更命令信号を対応する前記ロボットに送信する送信手段と、
を備えていることを特徴とするロボット制御装置。 - 前記ロボットの移動速度に関する移動速度データを取得する移動速度取得手段と、
取得した前記現在位置データ及び前記移動速度データに基づいて、2台の前記ロボットが接近しているか否かを判定する接近判定手段と、をさらに備え、
前記接近判定手段が、2台の前記ロボットが接近していると判定した場合に、前記衝突可能性判定手段が、接近している2台の前記ロボットが衝突する可能性があるか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載のロボット制御装置。 - 複数の前記ロボットから2台の前記ロボットを選択するロボット選択手段をさらに備え、
前記現在位置取得手段は、選択した2台の前記ロボットの前記現在位置データを取得し、
前記移動速度取得手段は、選択した2台の前記ロボットの前記移動速度データを取得し、
前記接近判定手段は、取得した前記位置データ及び前記移動速度データに基づいて、選択した2台の前記ロボットが接近しているか否かを判定することを特徴とする請求項2に記載のロボット制御装置。 - 前記接近判定手段が、2台の前記ロボットが接近していると判定した場合に、前記サブゴール取得手段が、接近している2台の前記ロボットの前記サブゴールデータを取得することを特徴とする請求項2または請求項3に記載のロボット制御装置。
- 前記衝突可能性判定手段は、
接近している2台の前記ロボットの前記サブゴールデータから一つずつ選択するサブゴール選択部と、
選択した前記サブゴールデータに基づいてサブゴール間距離を算出するサブゴール間距離算出部と、
算出した前記サブゴール間距離が所定距離以下であるか否かを判定するサブゴール間距離判定部と、
選択した前記サブゴールデータ及び前記状態データに基づいて、接近している2台の前記ロボットが対応する前記サブゴールに到達するのに要する到達時間をそれぞれ算出する到達時間算出部と、
算出した前記到達時間の差が一定時間内であるか否かを判定する到達時間判定部と、
前記サブゴール間距離判定部が、前記サブゴール間距離が所定距離以下であると判定し、かつ、前記到達時間判定部が、前記到達時間の差が一定時間内であると判定した場合に、接近している2台の前記ロボットが衝突する可能性があると判定する衝突可能性判定部と、
を備えていることを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか一項に記載のロボット制御装置。 - 前記サブゴール間距離判定部が、前記サブゴール間距離が所定距離以下であると判定した場合に、前記到達時間算出部が、接近している2台の前記ロボットが対応する前記サブゴールに到達するのに要する到達時間を算出することを特徴とする請求項5に記載のロボット制御装置。
- 前記衝突可能性判定手段は、前記サブゴール取得手段が取得した前記サブゴールデータから、隣り合うサブゴールデータを補間するため新たなサブゴールデータを生成するサブゴール補間部をさらに備え、
前記サブゴール補間部は、補間された前記サブゴールデータを前記サブゴール選択部に出力することを特徴とする請求項5または請求項6に記載のロボット制御装置。 - 衝突可能性がある2台の前記ロボットの優先順位を、優先順位が高い方を優先ロボット、優先順位が低い方を非優先ロボットと設定する優先順位設定手段をさらに備え、
前記移動経路変更命令生成手段は、少なくとも前記非優先ロボットの移動経路を、前記優先ロボットとの衝突を避けるように変更させる移動経路変更命令信号を生成することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のロボット制御装置。 - 前記優先順位設定手段は、衝突可能性がある2台の前記ロボットのタスクの種類に基づいて優先順位を設定することを特徴とする請求項8に記載のロボット制御装置。
- 前記移動経路変更命令手段は、
前記移動経路変更命令信号として、前記非優先ロボットの移動経路を、退避位置に移動することによって前記優先ロボットの移動経路から退避するように変更させる退避命令信号を生成する退避命令手段と、
前記移動経路変更命令信号として、前記優先ロボットの移動経路を、前記退避位置に退避した前記非優先ロボットを回避して移動するように変更させる回避命令信号を生成する回避命令手段と、
を備えていることを特徴とする請求項8または請求項9に記載のロボット制御装置。 - 前記退避命令手段は、
前記地図データ及び前記サブゴールデータに基づいて、前記退避位置に関する退避位置データを生成する退避位置生成部と、
前記退避位置データに基づいて、前記非優先ロボットを前記退避位置に退避させる前記退避命令信号を生成する退避命令生成部と、
を備えており、
前記回避命令手段は、前記退避位置に関する退避位置データ、前記地図データ及び前記サブゴールデータに基づいて、前記優先ロボットが回避移動する回避位置に関する回避位置データを生成する回避位置生成部と、
前記回避位置データに基づいて、前記優先ロボットを前記回避位置に回避させる回避命令信号を生成する回避命令生成部と、
を備えていることを特徴とする請求項10に記載のロボット制御装置。 - 前記回避位置生成部は、
前記地図データ及び前記退避位置データに基づいて、前記退避位置に退避した前記非優先ロボットを回避しつつ通過する回避中継位置に関する回避中継位置データを生成する回避中継位置生成部と、
前記優先ロボットが前記移動経路に復帰する回避終了位置に関する回避終了位置データを生成する回避終了位置生成部と、
を備えており、
前記回避命令生成部は、前記回避中継位置データ及び前記回避終了位置データに基づいて、前記優先ロボットを、前記回避中継位置を経由して前記回避終了位置に移動させる前記回避命令信号を生成することを特徴とする請求項11に記載のロボット制御装置。 - 前記退避位置生成部は、
前記現在位置データ、前記サブゴールデータ及び前記地図データに基づいて、前記サブゴールごとに、一以上の退避候補位置に関する退避候補位置データを生成する退避候補位置生成部と、
前記退避候補位置データ及び前記現在位置データに基づいて、前記退避候補位置から退避位置を決定する退避位置決定部と、
を備えていることを特徴とする請求項12に記載のロボット制御装置。 - 前記回避中継位置生成部は、前記退避位置に対応する前記サブゴールの、残りの前記退避候補位置から、前記回避中継位置を決定することを特徴とする請求項13に記載のロボット制御装置。
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