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JP2006129704A - 中水を利用した水栽培による緑化方法。 - Google Patents

中水を利用した水栽培による緑化方法。 Download PDF

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JP2006129704A
JP2006129704A JP2004318648A JP2004318648A JP2006129704A JP 2006129704 A JP2006129704 A JP 2006129704A JP 2004318648 A JP2004318648 A JP 2004318648A JP 2004318648 A JP2004318648 A JP 2004318648A JP 2006129704 A JP2006129704 A JP 2006129704A
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Hiroyuki Katsumura
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Abstract

【課題】 都市のヒートアイランド緩和のため、緑化の重要性がましているが、緑化が困難な屋上、もしくは、従来遭えて緑化をしようとしなかった場所を、低コストで緑化をなし、かつ、メンテナンスの経費も抑える技術を開発することを課題とする。
【解決手段】 数cm以上の貯水が可能な場所、もしくは、若干の改修で貯水が可能となる場所に貯水し、この水面から数cm浮かせた状態でマット、シートを設置し、このマット、シートに植栽し水栽培によって緑化することをもって解決しようとした。
【選択図】 図8

Description

本発明は、中水を利用し、数cm以上の中水が貯水可能な場所、もしくは、若干の改修で貯水可能となる場所を、水栽培によって緑化する方法である。
都市のヒートアイランドを緩和させるため、屋上緑化の必要性がますます高まっている。緑化に際し、培地に土壌を用いる場合その重量が建築物の強度に大きく制限される。そこで人工的につくった軽量な土壌などが採用されているが、かなりのコスト増になっている。又、乾燥時で強風の場合、土壌の飛散防止対策が必要となる。更に、潅水などのメンテナンスにもかなりの経費を必要とする。
そこで発明者は、土壌の役目は、水分、養分を蓄え、植物に提供することと、その植物を支えることにあるのでこの土壌の役目を代用することが可能であれば土壌を必要としない緑化ができると考え、中水を利用した水栽培で緑化を図ろうとした。中水とは下水でもなく上水でもない水をさし、下水処理場で処理された水や雨水等であるが、本発明の主な目的は雨水を利用した緑化であるので今後は雨水で表現する。
また、この技術をもとに、既存の貯水施設の水面の緑化も可能ならしめようとした。
通常の構造物は10cmほどの貯水をしても、それに耐えることができるため、水栽培によって緑化を図ろうとした。そこで貯水槽の最高水位以上に位置するよう、マット、シートを敷設し、そして植物をマット、シートに定着させ、そこから根を露出させ貯水槽に導くことを考案した。このマット、シートが植物の支持基盤となり、貯水槽の水が培地となるようにした。
また、貯水槽が浅く、長期間降雨がなく水が枯渇した時は給水することが必要であるが、貯水槽が深い場合、水が枯渇するまで給水の必要がないようマット、シートが水位変動に応じて上下するようにした。
さらに、この方法では水分の過剰供給となること、酸素部不足になることで栽培できない種も栽培できる方法を考えた。
請求項1の発明にかかる方法は貯水槽が浅い場合(供する植物の根系の長さの範囲)、スペーサーを用いて1枚以上のマット、シートを貯水限度未満の最高水位以上の高さに設置して外気と遮断し、このマット、シートに植栽し、植物の根系の全てか一部を水中に露出させて育成し、緑化する方法である。
請求項2の発明にかかる方法は、底面から天端までが同一の形状、面積で連続的につながる天端が開放された、または、開放することが可能な遮光性の高い貯水施設を、透水性と遮光性を有し、且つ、浮力を有した1枚以上のマット、シートを水面に浮かせて外気と遮断し、水位変動に応じてマット、シートが上下する機能を有するこのマット、シートに植栽し、植物の根系の全てか一部を水中に露出させて育成し、緑化する方法である。
請求項3の発明にかかる方法は、請求項1、2において毛管現象によってマットに水分を供給せしめ、マットを培地とする方法である。
請求項4の発明にかかるものは水位変動に応じ、水面から一定の距離を有して浮く機能を具備したマットおよびシートである。
請求項1の発明にかかる方法は貯水槽が浅い場合(供する植物の根系の長さの範囲)、スペーサーを用いて1枚以上のマット、シートを貯水限度未満の最高水位以上の高さに設置して外気と遮断し、このマット、シートに植栽し、植物の根系の全てか一部を水中に露出させて育成し、緑化する方法である。1枚以上のとしたのは、水面が広い場合、または、形状が複雑な場合マット、シートを複数に分割し、繋ぎ合わせた方が、施工時、また、メンテナンスにおいて効率的だからである。
貯水槽が浅い場合や雨水の貯水を可能とするよう防水処理を施した屋上などに、スペーサーを用いて(狭い場合はスペーサーが不要の場合もある)マット、シートを貯水限度未満の最高水位以上の高さに設置して外気と遮断し、この上に、植物の根系が貯水槽に露出するよう植栽することを特徴とする水栽培緑化方法である。
屋上などは構造物の荷重制限から、緑化にともない使用する資材と植栽後成長する植物の重量を減じたもので貯水可能な量の最大値は決定されるが、この数値からこのスペースに立ち入る人の体重を加味する必要があり、それが貯水限度未満の最高水位である。
スペーサーの形状や配置方法次第で、その上部は通路としても、ベンチやテーブルを設置することも可能である。
請求項2の発明にかかる方法は、底面から天端までが同一の形状、面積で連続的につながる天端が開放された、または、開放することが可能な遮光性の高い貯水施設を、透水性と遮光性を有し、且つ、浮力を有したマット、シートを水面に浮かせて外気と遮断し、水位変動に応じてマット、シートが上下する機能を有したこのマット、シートに植栽し、植物の根系の全てか一部を水中に露出させて育成し、緑化する方法である。
請求項3の発明にかかる方法は、請求項1、2において毛管現象によってマットに水分を供給せしめ、マットを培地とする方法である。
請求項1、2の方法では、マット、シートを浮かせていても、根系のほとんどが絶えず水中にある。その結果水分の過剰供給となること、酸素不足になることで栽培できない種がある。
そこで毛管現象によってマットに水分を供給せしめ、このマットに植栽することで、水分の過剰供給となることや酸素不足を解消し、植栽可能になる種を増やすことができる。
請求項4の発明にかかるものは水位変動に応じ、水面から一定の距離を有して浮く機能を具備したマットおよびシートである。
マット、シートの下部に発泡スチロールなど水より比重の軽い素材か、空洞を有し浮く物を取り付けるか、マット、シートを複層にし内部にこれらを充填したものである。
このマット、シートは降雨後は雨水を含み重くなる。また、植栽後植物の生長とともに重くなっていく。湿った状態で、かつ、植栽された状態で数cm浮くようにし、植物の生長とともに重くなり、マット、シートが水面に接するようになれば、水より比重の軽い素材か、空洞を有し浮く物を追加して再び浮くようにする。
天端が開放された遮光性の高い容器を貯水槽とし、水面を植生付きの、透水性と遮光性を有したマット、シートで高気密に遮断することで、降水はマット、シートで濾過される。貯水槽に降り込む以外の雨水も貯水する場合は、給水の際濾過する。
高気密に遮断することで、塵、埃などが混入せず、又、蚊などの有害水生昆虫が産卵、発生することも防止できる。
遮光性の高い容器と、マット、シートで覆うため、水中で光合成が行われないため、動植物プランクトンの増殖を防止できる。
植栽された植物が雨水に含まれる物質を吸収することにより、雨水が浄化される。浄化能力は植栽される植物により異なるが、例えばヨシの浄化能力は高く評価されている。根系付近の水がよく浄化されるので雨水が循環するようにすれば、より効果的である。
雨水の有効利用の用途を広げるには、見た目の透明感と、水質の向上であり、こうして得られた雨水はかなり良質なものである。従来は潅水や水洗トイレまでが用途とされていたが、この雨水は洗濯、風呂にまで用途を広げることが可能である。設置位置を工夫すれば100%省エネルギー(雨水が持つ位置エネルギーの活用)で使用できる。
この天端が緑化された貯水槽を、法律、条例で緑地の設置が義務付けられた場所(例えば、工場、屋上)に設置すれば、この緑化された天端が緑地として認定されれば、貯水槽を地上に設置したことで生じる、土地の有効利用の妨げなどの支障は許容できるはずである。
植栽する植物を現在水耕栽培で栽培されている野菜にすれば、ミニ家庭菜園にもなり、やはり貯水槽を地上に設置したことで生じる支障は許容できるはずである。
すり鉢状の貯水槽の場合、水位低下により水面の面積も減少する。減少した部分のマット、シートの植物が枯死する場合がある。末広がりの場合は逆であり外気と遮断できなくなる。このような貯水槽でも水位変動に応じてマット、シートが同じ位置を上下することを可能であり、且つ、水面を外気と遮断できれば応用は可能である。
また、透水性と遮光性を有したマット、シートで外気と遮断、遮光性の高い貯水槽と限定したが、必ずしも全てを満たす必要はないし、部分的に満たさないこともある。それは得られる効果が減ずるだけのこだからる。
以下本発明にかかわる実施の形態について、図面を参照しつつ説明するが、防水処理し、貯水ができるようにした屋上を、、マットを使用し、1ユニット100cm×50cmのマットを採用すること、上限水位10cmを想定して実施の形態1を説明する。上限水位10cmになる位置にオーバーフローの排水口、底部に利水と排水のための配水口(排水口を兼ねる)、渇水時のための給水口を設ける。
防水処理した後、天端が凹状なる空洞の角パイプ(図1)のスペサー1を固定する。スペーサー1の高さは上限水位より数cm高くする。図2に示す100cm×50cmの枠2に取り付けたマット3の長手方向の枠の一端をスペサー1の凹部に差し込む。マット3は満水時でも数cm浮くことになる。これは飛来した種子が発芽しても生育させないためと、根への酸素補給のためである。枠2の幅は凹の幅の半分である。枠のもう一方は次のスペサー1の凹に差し込む。図3は断面図の模式図である。
これを繰り返し、通路4をセットした後、これを繰り返す。この通路に交差する通路は、スペサー1の上を渡るようにセットすればよいし、なくても支障はない。図4に平面図の模式図を示した。
貯水槽の端部は、施工場所の形態が一様でないため限定はしない。
図5は植物苗4の模式図である。直径5〜10cm程のマット3の中心に植物の基部が差し込めるほどの穴6をあけ、ここに根系を差し込む。このとき根系の一部をマット3上に出し、例えばファイバーと呼ばれる保湿材7で覆いマット3にも根が展開するようにすると、植物の安定性が高まる。マット3下の根系9は、根が展開できるスポンジ10状のもので包む。
敷設されたマット3に、スポンジ10状のもので包まれた根系9が差し込めるほどの切込みを入れ、植物苗4の根系9を差し込む。
匍匐タイプの植物は、マット3上を伸長していくため支障はないが、複層的な緑化を求める場合、支柱やそれに替わるもの(針金、紐、ネットなど)にからませることも効果的である。
次に実施の形態2では、敷地100m×100mの事業所において、その周囲を内径0.5m、深さ1.1mの排水溝を防水処理して貯水槽11とした場合を想定し、図面を参照しつつ説明する。図6は敷地の平面図である。図7は貯水槽11の断面図である。雨水の大半は給水口12からフィルターを通して給水され、満水になればオーバーフロー排水口13より排水される。
満水の場合、貯水された雨水の断面は0.5mであり、99m×0.5m×4=198mの貯水能力があり、敷地内に降った200mmの雨を貯水できることになる。
図8はマット3に植物苗5を植栽しフロート材14で水面15に浮かせた模式図である。水位変動に応じて上下するこのマット3は、フロート材14で水面15から数cm浮かせてある。これは飛来した種子が発芽しても生育させないためと、根への酸素補給のためである。マット3はそれ自体と、貯水槽の清掃のため、分割した1ユニット100cm×50cmものを繋ぎ合わせたものとする。
敷設されたマット3に、スポンジ10で包まれた植物根系9が差し込めるほどの切込みを入れ、この苗の植物根系9を差し込み固定すれば植栽完了である。
貯水槽を強固なネット状のものでふさげば、この上は駐車スペースとして利用可能な198mの緑地となる。
実施の形態3で毛管現象を利用した方法を述べる。マット3の設置方法は実施の形態1、2と同様である。実施の形態1では、マット3から貯水槽の底部に届くように、実施の形態2では、マット3から水面に届くように、マット3に例えば化繊の布17などを取り付ける。
このマット3に、よく水洗いした植物の根系9を広げて置き、根系を例えばファイバーと呼ばれる保湿材7で覆う。やがて植物根系9がマット3に貫入すれば植栽完了である。図9にその模式図を示した。
実施の形態1乃至3で得られる雨水はマットで濾過された状況で貯水槽に入る。活性炭などを混入させたマットであればより効果的である。。遮蔽されているため飛来物が混入せず、蚊などの有害水生昆虫が産卵、発生することも防止できる。また、遮光されるため動植物プランクトンが増殖しない。根系により雨水は浄化される。混入するとすれば、ちぎれた根系である。
雨水を有効利用する場合には、排水口に、排水機能と、給水機能を持たす必要がある。この排水口に濾過装置をつければ、ちぎれた根系は濾過される。この雨水はかなり良質であると考えられ、飲料水以外で利用することが可能である。
雨水を有効利用するには配水設備が必要となり、既存の建物では潅水、打ち水、水冷式のエアコンぐらいの利用であろうが、新築、改築時に配水を考慮すればトイレ、風呂、洗濯、掃除に利用できる。屋上の雨水は位置エネルギーがあり、まったくの省力で利用できる。貯水量を増やすような構造物に変更しても充分に採算が取れるものである。
なお、使用する材料、「苗」育成の仕様、植栽方法などの構成、形状、数量、材質、大きさ、接続関係等についても、上記各実施の形態に限定されるものではない。
スペーサーの模式図 断面図の模式図 平面図の模式図 植物苗の模式図 敷地の平面図 貯水槽の断面図 実施の形態2の植栽された状況の模式図 実施の形態3の植栽された状況の模式図
符号の説明
1 スペ−サー
2 枠
3 マット
4 通路
5 植物苗
6 穴
7 保湿材
8 植物地上部
9 植物根系
10スポンジ
11貯水槽
12給水口
13オーバーフロー排水口
14フロート材
15水面
16空気層
17化繊の布
18配水口兼排水口
19満水位

Claims (4)

  1. 貯水槽が浅い場合(供する植物の根系の長さの範囲)、スペーサーを用いて1枚以上のマット、シートを貯水限度未満の最高水位以上の高さに設置して外気と遮断し、このマット、シートに植栽し、植物の根系の全てか一部を水中に露出させて育成し、緑化する方法。
  2. 底面から天端までが同一の形状、面積で連続的につながる天端が開放された、または、開放することが可能な遮光性の高い貯水施設を、透水性と遮光性を有し、且つ、浮力を有したマット、シートを水面に浮かせて外気と遮断し、水位変動に応じて1枚以上のマット、シートが上下する機能を有するこのマット、シートに植栽し、植物の根系の全てか一部を水中に露出させて育成し、緑化する方法。
  3. 請求項1、2において毛管現象によってマットに水分を供給せしめ、マットを培地として緑化する方法。
  4. 水位変動に応じ、水面から一定の距離を有して浮く機能を具備したマットおよびシート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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