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JP2006128192A - 保持装置、鏡筒、及び露光装置、並びにデバイス製造方法 - Google Patents

保持装置、鏡筒、及び露光装置、並びにデバイス製造方法 Download PDF

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JP2006128192A
JP2006128192A JP2004310988A JP2004310988A JP2006128192A JP 2006128192 A JP2006128192 A JP 2006128192A JP 2004310988 A JP2004310988 A JP 2004310988A JP 2004310988 A JP2004310988 A JP 2004310988A JP 2006128192 A JP2006128192 A JP 2006128192A
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Abstract

【課題】鏡筒の内部空間の気密性を維持し、光学素子の結像性能を維持できる光学素子の保持装置を提供する。
【解決手段】保持装置1は、鏡筒の内部空間K1と、内部空間K1とは異なる外部空間K2との境界に配置される光学素子2Fを保持するものであって、光学素子2Fの周縁部38を支持する第1枠部材41と、第1枠部材41に取り付けられ、光学素子2Fの表面のうち、周縁部38よりも内側の内周面39に対向する対向面43を有する第2枠部材42と、内部空間K1と外部空間K2との間の気体の流通を抑制するために、内周面39と対向面43との間に、対向面43に接触し且つ内周面39に対して非接触状態で配置される第1シール部材30とを備えている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、光学素子を保持する保持装置、鏡筒、及び露光装置、並びにデバイス製造方法に関するものである。
半導体デバイスや液晶表示デバイスは、マスク上に形成されたパターンを感光性の基板上に転写する、所謂フォトリソグラフィの手法により製造される。このフォトリソグラフィ工程で使用される露光装置は、マスクを支持するマスクステージと基板を支持する基板ステージとを有し、マスクステージ及び基板ステージを逐次移動しながらマスクのパターンを投影光学系を介して基板に転写するものである。投影光学系は複数の光学素子を備えており、それら光学素子は鏡筒を含む保持装置で保持される。下記特許文献1には、光学素子を保持する保持装置に関する技術の一例が開示されている。特許文献1に開示されている保持装置は、光学素子をキネマティックに保持するものであって、例えば光学素子が熱膨張しても光学素子に歪みを生じさせることなく保持できるので、投影光学系の結像性能を維持できるため有効である。
特開2002−162549号公報
ところが、上記従来技術には以下に述べる問題があった。例えば、露光光として真空紫外光を用いる場合、露光光の通過する空間である光路空間内に酸素分子、水分子、二酸化炭素分子、有機物などといった、かかる波長域の光に対し強い吸収特性を備える物質である吸光物質が存在していると、露光光は吸光物質によって吸収され十分な光強度で基板上に到達できない。そのため、露光光ELの通過する光路空間である鏡筒の内部空間を所定ガス(具体的には不活性ガス)で満たす構成が考えられる。ところが、上記特許文献1に開示されている保持装置においては、光学素子と保持部との間に隙間が形成されているため、鏡筒の内部空間の気密性が維持されない。そのため、鏡筒の内部空間を所定ガスで置換しようとしても、前記隙間を介して鏡筒の内部空間と外部空間との間でガスが流通し、鏡筒の内部空間を前記所定ガスで満たすことができない不都合が生じる。すると、露光光は吸光物質によって吸収され十分な光強度で基板上に到達できなくなり、露光精度の劣化を招くこととなる。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、鏡筒の内部空間の気密性を維持し、光学素子の結像性能を維持できる光学素子の保持装置、及び鏡筒を提供することを目的とする。また、そのような保持装置及び鏡筒に保持された光学素子を有する投影光学系を使って、基板を良好に露光できる露光装置、及びその露光装置を用いるデバイス製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明は実施の形態に示す図1〜図11に対応付けした以下の構成を採用している。但し、各要素に付した括弧付き符号はその要素の例示に過ぎず、各要素を限定するものではない。
本発明の第1の態様に従えば、第1空間(K1)と、第1空間(K1)とは異なる第2空間(K2)との境界に配置される光学素子(2F)を保持する保持装置であって、光学素子(2F)の周縁部(38)を支持する第1枠部材(41)と、第1枠部材(41)に取り付けられ、光学素子(2F)の表面のうち、周縁部(38)よりも内側の内周面(39)に対向する対向面(43)を有する第2枠部材(42)と、第1空間(K1)と第2空間(K2)との間の気体の流通を抑制するために、内周面(39)と対向面(43)との間に、対向面(43)に接触し且つ内周面(39)に対して非接触状態で配置される第1シール部材(30)とを備えた保持装置(1)が提供される。
本発明の第1の態様によれば、第1シール部材が、第1空間と第2空間との気体の流通を抑制するので、気密性を維持することができる。また、第1シール部材は光学素子の内周面に対して非接触状態で配置されているので、光学素子は第1シール部材から力を受けることなく、良好に保持される。
本発明の第2の態様に従えば、複数の光学素子(2A〜2F)を保持する鏡筒において、複数の光学素子(2A〜2F)のうち、鏡筒(PK)の内部空間(K1)と鏡筒(PK)の外部空間(K2)との間に配置される光学素子(2F)を、上記態様の保持装置(1)で保持する鏡筒(PK)が提供される。
本発明の第2の態様によれば、第1シール部材によって鏡筒の内部空間の気密性を維持することができる。したがって、鏡筒の内部空間を所定ガスで良好に置換することができる。
本発明の第3の態様に従えば、投影光学系(PL)を介して基板(P)を露光する露光装置において、投影光学系(PL)は、複数の光学素子(2A〜2F)で構成され、複数の光学素子(2A〜2F)のうち、投影光学系(PL)の最も像面側に配置される光学素子(2F)を、上記態様の保持装置(1)で保持する露光装置(EX1、EX2)が提供される。
本発明の第3の態様によれば、投影光学系の最も像面側に配置される光学素子に歪みを生じさせることがないので、投影光学系の結像性能を維持した状態で、且つ鏡筒の内部空間の気密性を良好に維持した状態で、基板を良好に露光することができる。
本発明の第4の態様に従えば、上記態様の露光装置(EX1、EX2)を用いるデバイス製造方法が提供される。
本発明の第4の態様によれば、基板を精度良く露光できるため、所望の性能を有するデバイスを製造することができる。
本発明によれば、鏡筒の内部空間の気密性を維持し、光学素子の結像性能を維持可能できるので、良好な結像特性を有する投影光学系を使って基板を露光することができる。これにより、所望の性能を有するデバイスを製造することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。
<第1の実施形態>
図1は露光装置の第1の実施形態を示す概略構成図である。図1において、露光装置EX1は、マスクMを支持するマスクステージMSTと、基板Pを支持する基板ステージPSTと、マスクステージMSTに支持されているマスクMを露光光ELで照明する照明光学系ILと、露光光ELで照明されたマスクMのパターン像を基板ステージPSTに支持されている基板Pに投影露光する投影光学系PLと、露光装置EX1全体の動作を統括制御する制御装置CONTとを備えている。
本実施形態では、露光装置EX1としてマスクMと基板Pとを互いに同期移動、例えば互いに異なる向き(逆方向)に移動しつつマスクMに形成されたパターンを基板Pに露光する走査型露光装置(所謂スキャニングステッパ)を使用する場合を例にして説明する。以下の説明において、投影光学系PLの光軸AXと一致する方向をZ軸方向、Z軸方向に垂直な平面内でマスクMと基板Pとの同期移動方向(走査方向)をX軸方向、Z軸方向及びX軸方向に垂直な方向(非走査方向)をY軸方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。
照明光学系ILは、マスクステージMSTに支持されているマスクMを露光光ELで照明するものであり、露光用光源、露光用光源から射出された光束の照度を均一化するオプティカルインテグレータ、オプティカルインテグレータからの露光光ELを集光するコンデンサレンズ、リレーレンズ系、露光光ELによるマスクM上の照明領域をスリット状に設定する可変視野絞り等を有している。マスクM上の所定の照明領域は照明光学系ILにより均一な照度分布の露光光ELで照明される。照明光学系ILから射出される露光光ELとしては、例えば水銀ランプから射出される紫外域の輝線(g線、h線、i線)及びKrFエキシマレーザ光(波長248nm)等の遠紫外光(DUV光)や、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)及びFレーザ光(波長157nm)等の真空紫外光(VUV光)などが用いられる。本実施形態においてはArFエキシマレーザ光が用いられる。
マスクステージMSTは、マスクMを保持して移動可能であって、例えばマスクMを真空吸着(又は静電吸着)により固定している。マスクステージMSTは、リニアモータ等を含むマスクステージ駆動装置MSTDにより、投影光学系PLの光軸AXに垂直な平面内、すなわちXY平面内で2次元移動可能及びθZ方向に微少回転可能である。そして、マスクステージMSTは、X軸方向に指定された走査速度で移動可能となっており、マスクMの全面が少なくとも投影光学系PLの光軸AXを横切ることができるだけのX軸方向の移動ストロークを有している。
マスクステージMST上には移動鏡4が設けられている。また、移動鏡4に対向する位置にはレーザ干渉計5が設けられている。マスクステージMST上のマスクMの2次元方向の位置、及びθZ方向の回転角(場合によってはθX、θY方向の回転角も含む)はレーザ干渉計5によりリアルタイムで計測され、計測結果は制御装置CONTに出力される。制御装置CONTは、レーザ干渉計5の計測結果に基づいてマスクステージ駆動装置MSTDを駆動することでマスクステージMSTに支持されているマスクMの位置を制御する。
投影光学系PLは、マスクMのパターンを所定の投影倍率βで基板Pに投影露光するものであって、複数の光学素子2(2A〜2F)で構成されており、これら光学素子2A〜2Fは鏡筒PKで支持されている。本実施形態において、投影光学系PLは、投影倍率βが例えば1/4あるいは1/5の縮小系である。なお、投影光学系PLは等倍系及び拡大系のいずれでもよい。
鏡筒PKは、複数の鏡筒モジュール(分割鏡筒)SBを組み合わせた構成を有しており、複数の光学素子2A〜2Fは、これら鏡筒モジュールSBの内側で保持されている。特に、複数の光学素子2A〜2Fのうち投影光学系PLの最も像面側(−Z側)に配置されている光学素子2Fは、複数の鏡筒モジュールSBのうち最も下部(−Z側)に設けられている鏡筒モジュールSBを含んで構成されている保持装置1によって保持されている。保持装置1で保持された光学素子2Fは、鏡筒PKの内部空間K1と外部空間K2との境界に配置されている。
本実施形態の投影光学系PLの光学素子2Fは、基板Pに対向する下面2sと、複数の光学素子2A〜2Fのうち、光学素子2Fに次いで投影光学系PLの像面に近い位置に配置された光学素子2Eと対向する上面2tとを備えている。上面2t及び下面2sのそれぞれは平坦な面である。また、光学素子2Fの上面2tと下面2sとは互いに平行である。上面2t及び下面2sはXY平面とほぼ平行である。すなわち、光学素子2Fは、平行平面板であって、レンズ作用を有しない無屈折の光学素子である。
投影光学系PLの鏡筒PKの内部空間K1は略密閉されており、ガス置換装置3によって所定のガス環境に維持されている。ガス置換装置3は、配管3Aを介して鏡筒PKの内部空間K1に所定ガスを供給するとともに、配管3Bを介して鏡筒PKの内部空間K1のガスを回収することで、鏡筒PKの内部空間K1を所定のガス環境に維持する。本実施形態においては、鏡筒PKの内部空間K1は、ヘリウム、アルゴン、窒素などの不活性ガスで満たされる。露光光ELが真空紫外光の場合、露光光ELの通過する空間である光路空間内に酸素分子、水分子、二酸化炭素分子、有機物などといった、かかる波長域の光に対し強い吸収特性を備える物質である吸光物質が存在していると、露光光ELは吸光物質によって吸収され十分な光強度で基板P上に到達できない。ところが、露光光ELの通過する光路空間である鏡筒PKの内部空間K1を略密閉にして外部からの吸光物質の流入を遮断するとともに、その鏡筒PKの内部空間K1を不活性ガスで満たすことにより、露光光ELを十分な光強度で基板Pに到達させることができる。なお、ガス置換装置3は、不活性ガスの他にドライエアを供給するようにしてもよい。
基板ステージPSTは、基板Pを保持して移動可能であって、XYステージ9と、XYステージ9上に搭載されたZチルトステージ8とを含んで構成されている。XYステージ9は、ステージベースSBの上面の上方に不図示の非接触ベアリングである気体軸受(エアベアリング)を介して非接触支持されている。XYステージ9(基板ステージPST)はステージベースSBの上面に対して非接触支持された状態で、リニアモータ等を含む基板ステージ駆動装置PSTDにより、投影光学系PLの光軸AXに垂直な平面内、すなわちXY平面内で2次元移動可能及びθZ方向に微小回転可能である。このXYステージ9上にZチルトステージ8が搭載され、Zチルトステージ8上に不図示の基板ホルダを介して基板Pが例えば真空吸着等により保持されている。Zチルトステージ8は、Z軸方向、θX方向、及びθY方向にも移動可能に設けられている。基板ステージ駆動装置PSTDは制御装置CONTにより制御される。
基板ステージPST(Zチルトステージ8)上には移動鏡6が設けられている。また、移動鏡6に対向する位置にはレーザ干渉計7が設けられている。基板ステージPST上の基板Pの2次元方向の位置、及び回転角はレーザ干渉計7によりリアルタイムで計測され、計測結果は制御装置CONTに出力される。制御装置CONTはレーザ干渉計7の計測結果に基づいてリニアモータ等を含む基板ステージ駆動装置PSTDを駆動することで基板ステージPSTに支持されている基板Pの位置決めを行う。
また、露光装置EX1は、基板ステージPSTに支持されている基板Pの表面の位置を検出する不図示のフォーカス・レベリング検出系を備えている。なお、フォーカス・レベリング検出系の構成としては、例えば特開平8−37149号公報に開示されているものを用いることができる。フォーカス・レベリング検出系の検出結果は制御装置CONTに出力される。制御装置CONTはフォーカス・レベリング検出系の検出結果に基づいて、基板P表面のZ軸方向の位置情報、及び基板PのθX及びθY方向の傾斜情報を検出することができる。Zチルトステージ8は、基板Pのフォーカス位置及び傾斜角を制御して基板Pの表面をオートフォーカス方式及びオートレベリング方式で投影光学系PLの像面に合わせ込み、XYステージ9は基板PのX軸方向及びY軸方向における位置決めを行う。なお、ZチルトステージとXYステージとを一体的に設けてよいことは言うまでもない。
次に、図2を参照しながら保持装置1について説明する。図2は光学素子2Fを保持した状態の保持装置1を示す断面図である。
上述したように、投影光学系PLの最も像面側に配置される光学素子2Fは、平坦な上面2t及び下面2sを有する平行平面板である。上面2tの外径は下面2sの外径よりも大きくなっており、光学素子2Fの周縁部38にはフランジ部38Aが形成されている。更に、光学素子2Fの表面のうち、周縁部38よりも内側には、下側(−Z側)を向くリング状の内周面39が形成されている。内周面39は、XY平面とほぼ平行である。
保持装置1は、光学素子2Fの周縁部38を囲むように設けられ、その周縁部38を支持する第1枠部材41と、第1枠部材41に取り付けられ、光学素子2Fの内周面39に対向する対向面43を有する第2枠部材42と、第2枠部材42の対向面43と光学素子2Fの内周面39との間に配置された第1シール部材30とを備えている。上述したように、保持装置1は、複数の鏡筒モジュールSBのうち最も下部に設けられたリング状の鏡筒モジュールSBを含んで構成されている構成であって、その鏡筒モジュールSBは、第1枠部材41の一部を構成している。そして、第1枠部材41は、前記鏡筒モジュールSBと、鏡筒モジュールSB上に等角度間隔をおいて配置され、光学素子2Fのフランジ部38Aを保持する3つの保持部40とを備えた構成となっている。保持部40は光学素子2Fをキネマティックに保持している。
また、第1枠部材41の鏡筒モジュールSBと、第2枠部材42とは、鏡筒モジュールSBの下面SBAと、第2枠部材42の上面42Jとを接触した状態で、ねじ42Nによって固定されている。
第1シール部材30はリング状に形成されており、第2枠部材42の対向面43上に支持されている。なお、第2枠部材42も全体としてリング状であって、対向面43もリング状に形成されている。第1シール部材30は、例えばステンレス鋼、もしくは真鍮によって構成されている。なお、第1シール部材30の形成材料としては、ゴム材料を含む合成樹脂であってもよい。第1シール部材30の上面31は、非常に良好な平坦度(表面荒さ(算術平均荒さRa)が例えば1μm程度)となるように加工されている。
第2枠部材42に支持されている第1シール部材30の上面31は、第1枠部材41に支持されている光学素子2Fの内周面39と対向しており、XY平面にほぼ平行な平面となっている。なお、第1シール部材30のうち、第2枠部材42の対向面43に対向している下面32も、XY平面とほぼ平行な面となっている。更に、第2枠部材42の対向面43も、XY平面とほぼ平行な面となっている。そして、第2枠部材42に支持されている第1シール部材30の上面(平面)31と、第1枠部材41に支持されている光学素子2Fの内周面39との間には、隙間(ギャップ)G1が所定値を有するように設けられており、第1シール部材30の上面31と光学素子2Fの内周面39とは非接触状態となっている。また、第2枠部材42の内周面42Aと、第1シール部材30の外周面30Aとは接触している。但し、内周面42Aと外周面30Aとは必ずしも接触している必要は無い。
また、第1シール部材30の下面32と、第2枠部材42の対向面43との間には、スペーサ部材33が配置されている。スペーサ部材33は、光学素子2Fの内周面39と、第1シール部材30の上面31とのギャップG1を調整する調整機構としての機能を有している。本実施形態においては、スペーサ部材33は、ワッシャ部材によって構成されている。スペーサ部材33は、対向面43上に所定角度間隔で配置される。ギャップG1は、使用するスペーサ部材33の厚みを適宜変更したり、スペーサ部材33の積層数を適宜変更することで、調整可能である。そして、第1シール部材30の下面32と第2枠部材42の対向面43との間にスペーサ部材33が配置された状態で、第1シール部材30と第2枠部材42とが、ねじ33Nによって固定されている。
スペーサ部材33の上面も光学素子2Fの内周面39に対向する対向面となっており、第1シール部材30の下面32は、そのスペーサ部材33の上面に支持される。第2枠部材42は、スペーサ部材33を介して、所定のギャップG1を形成するように、第1シール部材30を支持している。
本実施形態においては、ギャップG1は、1μm〜20μm程度に設定されており、好ましくは10μm程度に設定されている。このように、ギャップG1を所定値に設定することで、鏡筒PKの内部空間K1と外部空間K2との間の、ギャップG1を介した気体の流通が抑制され、鏡筒PKの内部空間K1の気密性が確保される。
また、本実施形態においては、第1シール部材31と第2枠部材42との間には、スペーサ部材33が配置されているため、第1シール部材30の下面32と、第2枠部材42の対向面43との間にも隙間(ギャップ)G2が形成される。そこで、第1シール部材30と第2枠部材42の対向面43との間には、例えばOリングからなる第2シール部材34が配置されている。具体的には、第2枠部材42の対向面43の一部に凹部43Aが形成されており、第2シール部材34はその凹部43Aに配置されることによって、その位置を固定されている。なお、上述したように、第2枠部材42の内周面42Aと第1シール部材30の外周面30Aとは接触しているため、第2枠部材42の内周面42Aと第1シール部材30の外周面30Aとの間においては、気体の流通が抑制されている。このように、第2シール部材34を設けたことによって、鏡筒PKの内部空間K1と外部空間K2との間の、ギャップG2を介した気体の流通が抑制され、鏡筒PKの内部空間K1の気密性が確保される。なお、内周面42Aと外周面30Aとの間に隙間があっても、第2シール部材34があれば、ギャップG2を介した気体の流通は抑制される。
以下、ギャップG1を所望の値にするための調整手順を図3及び図4を参照しながら説明する。
まず、図3(a)に示すように、第1枠部材41で光学素子2Fを保持する(ステップ1)。なお、ここで使用する光学素子としては、実際に投影光学系PLに搭載する光学素子2Fでもよいし、光学素子2Fと相似なダミー光学素子であってもよい。また、光学素子2Fは、図3では不図示であるが、後述する保持部40で保持される。次いで、図3(b)に示すように、光学素子2Fの上面2tと調整用定盤の基準面Fとが対向するように、光学素子2Fを保持した第1枠部材41を調整用定盤上に載置する。そして、第1枠部材41(鏡筒モジュールSB)の下面SBAの基準面Fに対する位置(高さ)、及び光学素子2Fの内周面39の基準面Fに対する位置(高さ)を計測器100を使って計測する。これにより、基準面Fを基準とした、第1枠部材41の下面SBAと光学素子2Fの内周面39との位置関係(高さの差)を求めることができる(ステップ2)。次に、図3(c)に示すように、第2枠部材42を調整用定盤上に載置し、第2枠部材42の上面42Jの基準面Fに対する位置(高さ)、及び第2枠部材42の対向面43の基準面Fに対する位置(高さ)を計測器100を使って計測する。これにより、基準面Fを基準とした、第2枠部材42の上面42Jと対向面43との位置関係(高さの差)を求めることができる(ステップ3)。
次に、図4(a)に示すように、第1シール部材30を調整用定盤上に載置し、第1シール部材30の上面31の基準面Fに対する位置(高さ)を計測器100を使って計測する(ステップ4)。上記ステップ2及びステップ3の計測結果に基づいて、第1枠部材41と第2枠部材42とを接続するとともに第1枠部材41で光学素子2Fを保持したときの、基準面Fを基準とした、光学素子2Fの内周面39と第2枠部材42の対向面43との位置関係、すなわち内周面39と対向面43との距離を求めることができる。したがって、その求めた内周面39と対向面43との距離と、ステップ4の計測結果とに基づいて、ギャップG1を所望値とするための最適な厚みを有するスペーサ部材33を選択(決定)することができる。そして、図4(b)に示すように、選択(決定)されたスペーサ部材33を、第2枠部材42の対向面43と第1シール部材30の下面32との間に配置する(ステップS5)。
次いで、図4(c)に示すように、ギャップG1において気体の流通が抑制されているか否かが、試験装置105を使って試験される(ステップ6)。図4(c)に示す試験装置105は、第1枠部材41に接続し、光学素子2F及び第1枠部材41との間で内部空間K1を形成するカバー部材101を備えている。形成された内部空間K1には、供給管102を介してガス(例えば窒素ガス)が供給される。一方、内部空間K1のガスは、排出管103を介して外部に排出される。供給管102の途中には、供給管102を流れる単位時間あたりのガス流量(又は圧力)を計測する第1センサ102Aが設けられ、排出管103の途中には、排出管103を流れる単位時間あたりのガス流量(又は圧力)を計測する第2センサ103Aが設けられている。ギャップG1において気体の流通が抑制されている場合には、第1センサ102Aの計測結果と、第2センサ103Aの計測結果とはほぼ等しい。一方、ギャップG1において気体の流通が生じている場合には、第1センサ102Aの計測結果と、第2センサ103Aの計測結果とに差が生じる。試験装置105は、これら第1、第2センサ102A、103Aの計測結果に基づいて、ギャップG1において気体の流通が抑制されているか否かを判別することができる。そして、ギャップG1を介して内部空間K1と外部空間K2との間でガスが流通していると判断された場合には、別のスペーサ部材33と交換するなど、ギャップG1の再調整を行えばよい。
なお、スペーサ部材33としては、第1シール部材30の下面32に対応するように形成されたリング状部材であってもよいし、第1シール部材30と同等の表面荒さに加工され、シール部材として機能するリング状部材であってもよい。その場合、図2に示したようなOリングからなる第2シール部材34を省略した構成とすることができる。
あるいは、光学素子2Fの内周面39と第1シール部材30の上面31との間のギャップG1を所望の値にすることができるのであれば、スペーサ部材33を設けずに、第1シール部材30を第2枠部材42の対向面43に接触するように直接支持するようにしてもよい。この場合においても、第1シール部材30の下面32と第2枠部材42の対向面43との間には隙間が形成されないので、図2に示したような第2シール部材34は無くてもよい。
上述したように、第1枠部材41は光学素子2Fをキネマティックに保持する保持部40を有している。以下、図5〜図8を参照しながら、保持部40について説明する。図5は図2の第2枠部材42及び第1シール部材30を取り外した状態で保持装置1を下方から見た斜視図、図6は保持部40の斜視図、図7は保持部40の側断面図、図8は保持部40を下から見た図である。ここで、上述したように、保持部40は、鏡筒モジュールSB上に等角度間隔をおいて3つ配置されており、これら3つの保持部40のそれぞれは同等の構成を有している。以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ、3つの保持部40のうちの1つの保持部40について説明する。そして、図6〜図8を使った説明においては、光学素子2Fの径方向をX軸方向、光学素子2Fの接線方向をY軸方向、光学素子2Fの光軸(AX)と平行な方向をZ軸方向として説明する。
保持部40は、基台部材45と、クランプ部材46とを備えている。鏡筒モジュールSBの下面には、クランプ部材46を配置するための取付溝44が形成されている。上述したように、保持部40は鏡筒モジュールSB上に等角度間隔をおいて配置されるようになっており、取付溝44は鏡筒モジュールSBの下面において等角度間隔をおいて形成されている。更に、鏡筒モジュールSBの内周面には、基台部材45の座面ブロック50Aを収容するための収容凹部60が形成されている。収容凹部60は取付溝44と対応する位置に形成されている。基台部材45は、鏡筒モジュールSBのうち取付溝44が形成された下面とは反対側の上面に対して、一対のボルトにより固定されている。
基台部材45は、光学素子2Fのフランジ部38Aの上面に当接する座面49を有する座面ブロック50Aと、その座面ブロック50Aの姿勢を調整可能に支持する座面ブロック支持機構51を形成された支持ブロック50Bとを備えている。
座面ブロック50Aは、その長手方向をY軸方向に一致させるように配置されている。座面49は、座面ブロック50Aの表面(下面)から下方に突出するように、座面ブロック50Aの長手方向の両端部のそれぞれに形成されている。
座面ブロック50Aと支持ブロック50Bとの間、及び支持ブロック50Bには、X軸方向に貫通する複数のスリット53が形成されている。この複数のスリット53を形成する際、全部のスリット53が互いに連続しないように、スリット53の間に加工を施さない部分が残されている。そして、この加工を施さない部分に対して、+X方向から彫り込む加工と、−X方向からの彫り込む加工とが施されて彫り込み部54が形成されている。この+X方向及び−X方向のそれぞれからの彫り込む加工によって、座面ブロック50Aと支持ブロック50Bとの間、及び支持ブロック50Bには、複数の第1〜第4首部55A〜55Dが形成される。
ここで、支持ブロック50Bは、複数のスリット53により、大きく3つの部分に分割されている。すなわち、支持ブロック50Bは、鏡筒モジュールSBに固定される基台部56と、第1ブロック57Aと、第2ブロック58Aとに分割されている。更に、基台部56と第1ブロック57Aとを連結する第1首部55Aと、基台部56と第2ブロック58Aとを連結する第2首部55Bと、第1ブロック57Aと第2ブロック58Aとを連結する第3首部55Cと、第2ブロック58Aと座面ブロック50Aとを連結する第4首部55Dとが形成される。これらの複数の首部55A〜55Dのそれぞれは断面視正方形であり、第1ブロック57A、第2ブロック58A、基台部56、及び座面ブロック50Aの断面積に比べて著しく小さい断面積を有している。
そして、第1ブロック57Aは、第1首部55A及び第3首部55Cによって、基台部56と第2ブロック58Aとに固定されている。第1ブロック57Aは、第1首部55A及び第3首部55Cにより、θY方向に回転可能に保持されるが、Y軸方向への変位は拘束される。すなわち、第1ブロック57A、第1首部55A、及び第3首部55Cにより、光学素子2Fの接線方向(Y軸方向)への変位を拘束する接線方向拘束リンク57が形成されている。
また、第2ブロック58Aは、第2首部55B及び第4首部55Dによって、基台部56と座面ブロック50Aとに固定されている。第2ブロック58Aは、第2首部55B及び第4首部55Dにより、θZ方向に回転可能に保持されるが、Z軸方向への変位は拘束される。すなわち、第2ブロック58A、第2首部55B、及び第4首部55Dにより、光学素子2Fの光軸と平行な方向(Z軸方向)への変位を拘束する光軸方向拘束リンク58が形成されている。
この接線方向拘束リンク57の拘束方向と、光軸方向拘束リンク58の拘束方向とは、互いにほぼ直交する。換言すれば、接線方向拘束リンク57の回転軸と、光軸方向拘束リンク58の回転軸とが、互いにほぼ直交する。
そして、座面ブロック50Aは、第4首部55Dによって、支持ブロック50Bに連結されている。
また、第1〜第4首部55A〜55Dのうち、第2首部55B及び第4首部55Dは、座面ブロック50Bの座面49の中間位置を通る線上に配置されている。その線は、一対の座面49を結ぶ線と直交するとともにZ軸方向と平行である。一方、第1首部55A及び第3首部55Cは、一対の座面49を結ぶ線と平行な線上に配置されている。更に、第3首部55Cは、第4首部55Dの近傍に配置されている。
このように構成された基台部材45において、座面ブロック50Aは、接線方向拘束リンク57及び光軸方向拘束リンク58により、基台部56に対して、θX方向、θY方向、及びθZ方向に回転可能であり、且つ、Y軸方向、及びZ軸方向への変位が抑制されるように支持されている。更に、座面ブロック50Aは、第4首部55Dにより、X軸方向に変位可能に支持されている。すなわち、座面ブロック支持機構51は、接線方向拘束リンク57と、光軸方向拘束リンク58と、X軸方向に変位可能な第4首部55Dとを含む構成である。
また、座面ブロック50Aには、座面49に対して−Z方向(すなわち、光学素子2Fのフランジ部38Aの厚さ方向)に延びる座面側取付部59が形成されている。換言すれば、座面側取付部59は、座面49より低い位置に設けられている。
クランプ部材46は、クランプ本体62とパッド部材47とを備えており、座面ブロック50Aの下方に対応して配置される。
クランプ本体62は、押さえ面ブロック63と、その押さえ面ブロック63と一体に形成され、押さえ面ブロック63を支持するための押さえ面ブロック支持機構64とを備えている。押さえ面ブロック63の上面の両端には、座面ブロック50Aの座面49に対向するように押さえ面65がそれぞれ形成されている。この押さえ面65は、Y軸方向に沿った稜線を有する断面三角形状に形成されている。この両押さえ面65の稜線は、その2つの稜線を結ぶ直線の中点が、座面ブロック50Aと光軸方向拘束リンク58とを連結する第4首部55dの上方に位置するように形成されている。
押さえ面ブロック支持機構64は、腕部66と、押さえ面側取付部67とを備えている。押さえ面側取付部67と押さえ面ブロック63とは、所定の間隔をおいて離間されている。そして、クランプ本体62の押さえ面側取付部67と、座面ブロック50Aの座面側取付部59とを、パッド部材47を介して接合させた状態で、ボルト68によって締結することにより、クランプ部材46が座面ブロック50Aに対して固定されるようになっている。また、腕部66は、押さえ面ブロック63と押さえ面側取付部67との両端を接続するように一対設けられている。腕部66は、押さえ面側取付部67と座面側取付部59とを、パッド部材47を介して接合させた状態で、弾性変形可能なだけの長さをもって形成されている。
パッド部材47は、座面側取付部59と押さえ面側取付部67との間に配置される挟持部71と、押さえ面65と光学素子2Fのフランジ部38Aとの間に配置される作用部72と、挟持部71と作用部72とを連結するとともに弾性変形可能な薄板状の薄板部73とを備えている。作用部72の上面には、光学素子2Fのフランジ部38Aの下面に当接する作用面74が形成されている。作用面74は、座面49に対応するように平面状に形成されている。作用面74は座面49と同様の構成を有しており、その周縁は所定の曲率を有する曲面状に形成されている。
基台部材45の座面49とクランプ部材46の作用面74との間に光学素子2Fのフランジ部38Aを配置した状態で、ボルト68が締め込まれると、腕部66が弾性変形されて、押さえ面ブロック63の押さえ面65に座面ブロック50A側への押圧力が付与される。この押圧力は、パッド部材47の作用面74を介して、光学素子2Fのフランジ部38Aに作用する。これにより、光学素子2Fのフランジ部38Aが、座面ブロック50Aの座面49とパッド部材47の作用面74との間で保持される。
上述した構成において、光学素子2Fと鏡筒モジュールSBとは、互いに異なる材料で形成されており、光学素子2Fと鏡筒モジュールSBとの間において線膨張係数に差が生じることがある。このため、露光光ELの照射により光学素子2Fなどが発熱したような場合には、光学素子2Fと鏡筒モジュールSBとの間で光学素子2Fの径方向へ伸縮長さの違いが生じることがある。このような伸縮長さの違いが生じた場合には、各座面ブロック支持機構51の各拘束リンク57、58、及び各首部55A〜55Aの協働作用により、光学素子2Fを挟持する座面ブロック50Aと押さえ面ブロック63とが、鏡筒モジュールSBに対して光学素子2Fの径方向へ相対移動される。これにより、前記伸縮長さの違いが吸収され、光学素子2Fに大きな伸縮荷重が直接加わるおそれはない。
また、鏡筒モジュールSBを積層する際に、その鏡筒モジュールSBにわずかな歪みを生じるおそれがある。このように鏡筒モジュールSBに歪みが生じたとしても、各座面ブロック支持機構51の各拘束リンク57、58、及び各首部55A〜55Dの協働作用により、光学素子2Fが鏡筒モジュールSBに対してキネマティックに保持されるため、その歪みの影響が光学素子2Fに及ぶことが抑制される。
例えば、光学素子2Fに熱変形が生じた場合には、その光学素子2Fは径方向に膨張又は収縮するが、そのような膨張又は収縮が生じたときには、第4首部55Dを光学素子2Fの径方向に変位させる方向に力が働く。この力に対して、各拘束リンク57、58は、その鏡筒モジュールSBとの連結点をなす第1首部55A及び第2首部55Bを結ぶ線を軸線として回転され、その回転運動により光学素子2Fの熱変形に伴う光学素子2Fの周縁の変位が吸収される。これにより、光学素子2Fに歪みが生じることが抑制される。
以上説明したように、第1枠部材41は、光学素子2Fをキネマティックに保持する構成であるため、光学素子2Fに歪みを生じさせることなく、光学素子2Fを保持することができる。また、第1シール部材30が、鏡筒PKの内部空間K1と外部空間K2との気体の流通を抑制するので、鏡筒PKの内部空間K1の気密性を維持することができる。したがって、ガス置換装置3を使って、鏡筒PKの内部空間K1を所定ガスで良好に置換することができる。したがって、露光光ELとして真空紫外光を使用した場合においても、露光光ELの通過する光路空間である鏡筒PKの内部空間K1の気密性を維持して、外部空間K2からの吸光物質の流入を遮断するとともに、その鏡筒PKの内部空間K1を不活性ガスで満たすことができ、露光光ELを十分な光強度で基板Pに到達させることができる。このように、光学素子2Fに歪みを生じさせず、且つ露光光ELを十分な光強度で基板Pに到達させることができ、投影光学系PLの良好な結像性能を維持した状態で基板Pを露光することができる。そして、第1シール部材30は光学素子2Fの内周面39に対して非接触状態で配置されているので、光学素子2Fは第1シール部材30から直接的に力を受けることがない。そのため、光学素子2Fの変形や変位を防止して、基板Pを良好に露光することができる。
なお本実施形態においては、光学素子2Fは平行平面板であるが、平行平面板でなくてもよい。例えば、光学素子2Fのうち上面2t及び下面2sの少なくとも一方が曲率を有していてもよい。
<第2の実施形態>
次に、露光装置の第2の実施形態について図9を参照しながら説明する。以下の説明において、上述した第1の実施形態と同一又は同等の構成部分について同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
第2の実施形態の露光装置EX2は、露光波長を実質的に短くして解像度を向上するとともに焦点深度を実質的に広くするために液浸法を適用した液浸露光装置であって、投影光学系PLと基板Pとの間に液体LQを満たす液浸機構150を備えている。液浸機構150は、基板P(基板ステージPST)の上方に設けられ、投影光学系PLのうち最も像面側に配置された光学素子2Fの側面を囲むように設けられた環状部材であるノズル部材70と、ノズル部材70に設けられた液体供給口12を介して基板P上に液体LQを供給する液体供給機構10と、ノズル部材70に設けられた液体回収口22を介して基板P上の液体LQを回収する液体回収機構20とを備えている。
液体供給機構10は、液体LQを送出可能な液体供給部11と、液体供給部11にその一端部を接続する供給管13とを備えている。供給管13の他端部はノズル部材70に接続されている。液体供給部11は、液体LQを収容するタンク、加圧ポンプ、及びフィルタユニット等を備えている。また、液体回収機構20は、投影光学系PLの像面側の液体LQを回収するためのものであって、液体LQを回収可能な液体回収部21と、液体回収部21にその一端部を接続する回収管23とを備えている。回収管23の他端部はノズル部材70に接続されている。液体回収部21は例えば真空ポンプ等の真空系(吸引装置)、回収された液体LQと気体とを分離する気液分離器、及び回収した液体LQを収容するタンク等を備えている。
ノズル部材70は、基板P(基板ステージPST)の上方に設けられており、ノズル部材70の下面70Aは、基板Pの表面に対向している。液体供給口12は、ノズル部材70Aの下面70Aに設けられている。また、ノズル部材70の内部には、供給管13と液体供給口12とを接続する内部流路が設けられている。また、液体回収口22もノズル部材70の下面70Aに設けられており、投影光学系PL(光学素子2F)の光軸AXに関して、液体供給口12よりも外側に設けられている。また、ノズル部材70の内部には、回収管23と液体回収口22とを接続する内部流路が設けられている。
液体供給部11の動作は制御装置CONTにより制御される。基板P上に液体LQを供給する際、制御装置CONTは、液体供給部11より液体LQを送出し、供給管13、及びノズル部材70の内部流路を介して、基板Pの上方に設けられている液体供給口12より基板P上に液体LQを供給する。また、液体回収部21の液体回収動作は制御装置CONTにより制御される。制御装置CONTは液体回収部21による単位時間あたりの液体回収量を制御可能である。基板Pの上方に設けられた液体回収口22から回収された基板P上の液体LQは、ノズル部材70の内部流路、及び回収管23を介して液体回収部21に回収される。
制御装置CONTは、少なくともマスクMのパターン像を基板P上に転写している間、液体供給機構10から供給した液体LQにより投影光学系PLの投影領域を含む基板P上の一部に、投影領域よりも大きく且つ基板Pよりも小さい液浸領域LRを局所的に形成する。具体的には、露光装置EX2は、投影光学系PLの最も像面側に配置された光学素子2Fと、基板P表面との間に液体LQを満たす局所液浸方式を採用し、この投影光学系PLと基板Pとの間の液体LQ及び投影光学系PLを介してマスクMを通過した露光光ELを基板Pに照射することによってマスクMのパターンを基板Pに投影露光する。したがって、光学素子2Fには、液浸領域LRの液体LQが接触するようになっている。
なお、投影光学系PLの光学素子2Fの下面2s、及びノズル部材70の下面70Aのそれぞれは平坦面となっており、これら投影光学系PLの光学素子2Fの下面2sとノズル部材70の下面70Aとはほぼ面一となっている。また、基板ステージPST(Zステージ8)上には凹部8Aが設けられており、基板Pを保持するための基板ホルダPHは凹部8Aに配置されている。そして、Zステージ8のうち、凹部8A以外の上面8Sは、基板ホルダPHに保持された基板Pの上面とほぼ同じ高さ(面一)になるような平坦面となっている。これにより、ノズル部材70の下面70A及び光学素子2Fの下面2sと、基板P(基板ステージPST)との間に液浸領域LRを良好に形成することができる。また、上面8Sを設けたことにより、基板Pの周縁部を液浸露光するときにおいても、投影光学系PLの像面側に液体LQを保持して液浸領域LRを良好に形成することができる。
図10は光学素子2F及びその側面を囲むように設けられたノズル部材70の側断面図である。
図10に示すように、本実施形態に係る露光装置EX2は、基板P上に形成された液浸領域LRの液体LQに接する光学素子2Fの側面2rとノズル部材70との間への液体LQの浸入を阻止する第3シール部材80を備えている。第3シール部材80は、所謂Vリングによって構成されており、光学素子2Fを囲むように環状に形成されている。第3シール部材80は可撓性を有するとともに、撥液性を有している。本実施形態においては、第3シール部材80はフッ素ゴムによって構成されている。フッ素ゴムは可撓性及び撥液性を有しているとともに、アウトガスが少なく、液体LQに対して非溶解性であって露光処理に与える影響が少ないため好ましい。なお、第3シール部材80としては、可撓性を有する所定の材料で形成された環状部材の表面に撥液性材料をコーティングするようにしてもよい。第3シール部材80は、ノズル部材70の内側面70Tに取り付けられる本体部81と、本体部81にヒンジ部82を介して接続され、光学素子2Fの側面2rに接触する接触部83とを備えている。接触部83は略円環状(円錐状)部材である。また、ノズル部材70の内側面70Tの下端部近傍には、第3シール部材80の本体部81を保持可能な凹部71が形成されている。凹部71はノズル部材70の内側面70Tに沿うように平面視略円環状に形成されている。凹部71に対して第3シール部材80の本体部81が嵌合することにより、その本体部81がノズル部材70の内側面70Tの下端部近傍に取り付けられる。そして、第3シール部材80の本体部81がノズル部材70の内側面70T(凹部71)に取り付けられた状態において、接触部83は光学素子2Fの側面2rの下端部近傍に接触する。接触部83は本体部81よりも薄肉化されており、光学素子2Fの側面2うに接触した状態で大きく撓むことができるようになっている。
そして、第3シール部材80の本体部81がノズル部材70の内側面70Tに取り付けられた状態において、接触部83は、光学素子2Fの側面2rを押す方向に力を発生する。これにより、接触部83と光学素子2Fの側面2rとが密着する。これにより、光学素子2Fの側面2rとノズル部材70との間の隙間(ギャップ)G3への液浸領域LRの液体LQの浸入が阻止される。また、ギャップG3への液体LQの浸入を防止することで、鏡筒PKの内部空間K1に対しても液体LQ(あるいは湿った気体)が浸入することをより確実に防止することができる。
また、接触部83は可撓性を有しているので、例えばノズル部材70で振動が発生しても、接触部83が撓んだり、あるいはヒンジ部82が弾性変形することにより吸収することができる。したがって、ノズル部材70で発生した振動が投影光学系PLの光学素子2Fに伝達することを防止することができる。また、接触部83が撓んだり、あるいはヒンジ部82が弾性変形することにより、第3シール部材80(接触部83)が光学素子2Fに与える力を低減することができる。したがって、光学素子2Fが歪んだり位置ずれを生じるなどといった不都合の発生を防止することができる。
なおここでは、第3シール部材80の本体部81がノズル部材70に取り付けられ、接触部83が光学素子2Fに接触しているが、第3シール部材80の本体部81を光学素子2Fの側面2rに取り付け、接触部83をノズル部材70の内側面70Tに接触させるようにしてもよい。
また、ギャップG3を形成する光学素子2Fの側面2rと、ノズル部材70のうち光学素子2Fの側面2rと対向する内側面70Tとのそれぞれは撥液性となっている。具体的には、内側面70T及び側面2rのそれぞれは、撥液化処理を施されることによって撥液性を有している。撥液化処理としては、フッ素系樹脂材料、アクリル系樹脂材料、シリコン系樹脂材料等の撥液性材料を塗布、あるいは前記撥液性材料からなる薄膜を貼付する処理が挙げられる。第3シール部材80、光学素子2Fの側面2r、及びノズル部材70の内側面70Tのそれぞれが撥液性を有していることにより、例えば毛細管現象によってギャップG3に液体LQが浸入した場合でも、その浸入した液体LQははじかれてギャップG3に留まることがない。
また、本実施形態においても、上述した第1の実施形態同様、光学素子2Fは、第1枠部材41によってキネマティックに保持されている。ここで、本実施形態の光学素子2Fの上面2tは、図10に示すように、物体面側(マスクM側、+Z側)に向かって凸状に形成されており、正の屈折率を有している。このような光学素子2Fを用いることによって、投影光学系PLの光学特性、例えば収差(球面収差、コマ収差等)の調整を行うことができる。また、液浸露光装置EX2に使用される投影光学系PLにおいて、液浸領域LRの液体LQに接触する光学素子2Fの上面2tは、上面2tに入射する光(露光光EL)の反射損失を低減し、ひいては大きい像側開口数を確保するために、物体面側に向かって凸状に形成される場合がある。しかしながら、そのような屈折率(レンズ作用)を有する光学素子2Fが位置ずれなどを生じると、投影光学系PLの結像性能が著しく変化してしまう不都合が生じる可能性がある。ところが、そのような光学素子2Fであっても、上述した第1枠部材41によってキネマティックに保持することで、上記不都合を防止することができる。
また、本実施形態における保持装置1の第2枠部材42は、その第2枠部材42とは異なる材質で形成されたカバー部材90を備えている。カバー部材90は、第2枠部材42の下面42Kに取り付けられており、リング状に形成され、第2枠部材42の下面42Kを覆うように設けられている。本実施形態においては、第2枠部材42はステンレス鋼などの金属によって形成され、カバー部材90は、PTFE(ポリテトラフロエラエチレン)などのフッ素系樹脂によって構成されている。第2枠部材42が金属製の場合、液浸領域LRの液体LQが付着すると、錆びなどが発生する不都合が生じる可能性がある。逆に、金属製である第2枠部材42から液浸領域LRの液体LQ中に、金属イオン等の溶出物が混入し、液浸領域LRの液体LQに影響を及ぼしたり、その溶出物を含んだ液体LQを液体回収機構20が回収することで、液体回収機構20が影響を受ける不都合が生じる可能性がある。そこで、そのような不都合を防止するために、第2枠部材42にカバー部材90が設けられている。また、カバー部材90の形成材料として、アウトガスが少なく、液体LQに対して非溶解性である等の利点を有するフッ素系樹脂を採用することで、露光処理に与える影響を少なくすることができる。
なお、カバー部材90は、第2枠部材42と液浸領域LRの液体LQとが互いに影響を及ぼし合うことを防止するものであるため、その取り付け位置としては、第2枠部材42の下面42Kに限らず、第2枠部材42と液浸領域LRの液体LQとの間に配置されればよい。例えば、ノズル部材70の外径が第2枠部材42の外径よりも小さい場合には、ノズル部材70の外側面を囲むように、カバー部材90を設けるようにしてもよい。
なお、上述した第2の実施形態においては、液体LQとして純水が用いられている。純水は、半導体製造工場等で容易に大量に入手できるとともに、基板P上のフォトレジストや光学素子(レンズ)等に対する悪影響がない利点がある。また、純水は環境に対する悪影響がないとともに、不純物の含有量が極めて低いため、基板Pの表面、及び投影光学系PLの先端面に設けられている光学素子の表面を洗浄する作用も期待できる。なお工場等から供給される純水の純度が低い場合には、露光装置が超純水製造器を持つようにしてもよい。
そして、波長が193nm程度の露光光ELに対する純水(水)の屈折率nはほぼ1.44と言われており、露光光ELの光源としてArFエキシマレーザ光(波長193nm)を用いた場合、基板P上では1/n、すなわち約134nmに短波長化されて高い解像度が得られる。更に、焦点深度は空気中に比べて約n倍、すなわち約1.44倍に拡大されるため、空気中で使用する場合と同程度の焦点深度が確保できればよい場合には、投影光学系PLの開口数をより増加させることができ、この点でも解像度が向上する。
なお、上述したように液浸法を用いた場合には、投影光学系の開口数NAが0.9〜1.3になることもある。このように投影光学系の開口数NAが大きくなる場合には、従来から露光光として用いられているランダム偏光光では偏光効果によって結像性能が悪化することもあるので、偏光照明を用いるのが望ましい。その場合、マスク(レチクル)のライン・アンド・スペースパターンのラインパターンの長手方向に合わせた直線偏光照明を行い、マスク(レチクル)のパターンからは、S偏光成分(TE偏光成分)、すなわちラインパターンの長手方向に沿った偏光方向成分の回折光が多く射出されるようにするとよい。投影光学系PLと基板P表面に塗布されたレジストとの間が液体で満たされている場合、投影光学系PLと基板P表面に塗布されたレジストとの間が空気(気体)で満たされている場合に比べて、コントラストの向上に寄与するS偏光成分(TE偏光成分)の回折光のレジスト表面での透過率が高くなるため、投影光学系の開口数NAが1.0を越えるような場合でも高い結像性能を得ることができる。また、位相シフトマスクや特開平6−188169号公報に開示されているようなラインパターンの長手方向に合わせた斜入射照明法(特にダイボール照明法)等を適宜組み合わせると更に効果的である。特に、直線偏光照明法とダイボール照明法との組み合わせは、ライン・アンド・スペースパターンの周期方向が所定の一方向に限られている場合や、所定の一方向に沿ってホールパターンが密集している場合に有効である。例えば、透過率6%のハーフトーン型の位相シフトマスク(ハーフピッチ45nm程度のパターン)を、直線偏光照明法とダイボール照明法とを併用して照明する場合、照明系の瞳面においてダイボールを形成する二光束の外接円で規定される照明σを0.95、その瞳面における各光束の半径を0.125σ、投影光学系PLの開口数をNA=1.2とすると、ランダム偏光光を用いるよりも、焦点深度(DOF)を150nm程度増加させることができる。
また、直線偏光照明と小σ照明法(照明系の開口数NAiと投影光学系の開口数NApとの比を示すσ値が0.4以下となる照明法)との組み合わせも有効である。
また、例えばArFエキシマレーザを露光光とし、1/4程度の縮小倍率の投影光学系PLを使って、微細なライン・アンド・スペースパターン(例えば25〜50nm程度のライン・アンド・スペース)を基板P上に露光するような場合、マスクMの構造(例えばパターンの微細度やクロムの厚み)によっては、Wave guide効果によりマスクMが偏光板として作用し、コントラストを低下させるP偏光成分(TM偏光成分)の回折光よりS偏光成分(TE偏光成分)の回折光が多くマスクMから射出されるようになる。この場合、上述の直線偏光照明を用いることが望ましいが、ランダム偏光光でマスクMを照明しても、投影光学系PLの開口数NAが0.9〜1.3のように大きい場合でも高い解像性能を得ることができる。
また、マスクM上の極微細なライン・アンド・スペースパターンを基板P上に露光するような場合、Wire Grid効果によりP偏光成分(TM偏光成分)がS偏光成分(TE偏光成分)よりも大きくなる可能性もあるが、例えばArFエキシマレーザを露光光とし、1/4程度の縮小倍率の投影光学系PLを使って、25nmより大きいライン・アンド・スペースパターンを基板P上に露光するような場合には、S偏光成分(TE偏光成分)の回折光がP偏光成分(TM偏光成分)の回折光よりも多くマスクMから射出されるので、投影光学系PLの開口数NAが0.9〜1.3のように大きい場合でも高い解像性能を得ることができる。
更に、マスク(レチクル)のラインパターンの長手方向に合わせた直線偏光照明(S偏光照明)だけでなく、特開平6−53120号公報に開示されているように、光軸を中心とした円の接線(周)方向に直線偏光する偏光照明法と斜入射照明法との組み合わせも効果的である。特に、マスク(レチクル)のパターンが所定の一方向に延びるラインパターンだけでなく、複数の異なる方向に延びるラインパターンが混在(周期方向が異なるライン・アンド・スペースパターンが混在)する場合には、同じく特開平6−53120号公報に開示されているように、光軸を中心とした円の接線方向に直線偏光する偏光照明法と輪帯照明法とを併用することによって、投影光学系の開口数NAが大きい場合でも高い結像性能を得ることができる。例えば、透過率6%のハーフトーン型の位相シフトマスク(ハーフピッチ63nm程度のパターン)を、光軸を中心とした円の接線方向に直線偏光する偏光照明法と輪帯照明法(輪帯比3/4)とを併用して照明する場合、照明σを0.95、投影光学系PLの開口数をNA=1.00とすると、ランダム偏光光を用いるよりも、焦点深度(DOF)を250nm程度増加させることができ、ハーフピッチ55nm程度のパターンで投影光学系の開口数NA=1.2では、焦点深度を100nm程度増加させることができる。
更に、上述の各種照明法に加えて、例えば特開平4−277612号公報や特開2001−345245号公報に開示されている累進焦点露光法や、多波長(例えば二波長)の露光光を用いて累進焦点露光法と同様の効果を得る多波長露光法を適用することも有効である。
上述したように、第2の実施形態における投影光学系PLにおいては、光学素子2Fにより投影光学系PLの光学特性、例えば収差(球面収差、コマ収差等)の調整を行うことができる。なお、投影光学系PLの先端に取り付ける光学素子としては、投影光学系PLの光学特性の調整に用いる光学プレートであってもよい。あるいは、第2の実施形態においても、第1の実施形態同様、光学素子2Fとして、露光光ELを透過可能な平行平面板であってもよい。
なお、液体LQの流れによって生じる投影光学系PLの先端の光学素子と基板Pとの間の圧力が大きい場合には、その光学素子を交換可能とするのではなく、その圧力によって光学素子が動かないように堅固に固定してもよい。
なお、第2の実施形態では、投影光学系PLと基板P表面との間は液体LQで満たされている構成であるが、例えば基板Pの表面に平行平面板からなるカバーガラスを取り付けた状態で液体LQを満たす構成であってもよい。
なお、液浸領域LRを形成するための液体LQは水であるが、水以外の液体であってもよい、例えば、露光光ELの光源がFレーザである場合、このFレーザ光は水を透過しないので、液体LQとしてはFレーザ光を透過可能な例えば、過フッ化ポリエーテル(PFPE)やフッ素系オイル等のフッ素系流体であってもよい。この場合、液体LQと接触する部分には、例えばフッ素を含む極性の小さい分子構造の物質で薄膜を形成することで親液化処理する。また、液体LQとしては、その他にも、露光光ELに対する透過性があってできるだけ屈折率が高く、投影光学系PLや基板P表面に塗布されているフォトレジストに対して安定なもの(例えばセダー油)を用いることも可能である。この場合も表面処理は用いる液体LQの極性に応じて行われる。
なお、上述した第1及び第2の実施形態の基板Pとしては、半導体デバイス製造用の半導体ウエハのみならず、ディスプレイデバイス用のガラス基板や、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウエハ、あるいは露光装置で用いられるマスクまたはレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)等が適用される。
露光装置EX1、EX2としては、マスクMと基板Pとを同期移動してマスクMのパターンを走査露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置(スキャニングステッパ)の他に、マスクMと基板Pとを静止した状態でマスクMのパターンを一括露光し、基板Pを順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパ)にも適用することができる。
また、露光装置EX1、EX2としては、第1パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で第1パターンの縮小像を投影光学系(例えば1/8縮小倍率で反射素子を含まない屈折型投影光学系)を用いて基板P上に一括露光する方式の露光装置にも適用できる。この場合、更にその後に、第2パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で第2パターンの縮小像をその投影光学系を用いて、第1パターンと部分的に重ねて基板P上に一括露光するスティッチ方式の一括露光装置にも適用できる。また、スティッチ方式の露光装置としては、基板P上で少なくとも2つのパターンを部分的に重ねて転写し、基板Pを順次移動させるステップ・アンド・スティッチ方式の露光装置にも適用できる。
また、本発明は、特開平10−163099号公報、特開平10−214783号公報、特表2000−505958号公報などに開示されているツインステージ型の露光装置にも適用できる。
また、本発明は、特開平11−135400号公報に開示されているような基板ステージと計測ステージとを備えた露光装置にも適用できる。
露光装置EX1、EX2の種類としては、基板Pに半導体素子パターンを露光する半導体素子製造用の露光装置に限られず、液晶表示素子製造用又はディスプレイ製造用の露光装置や、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)あるいはレチクル又はマスクなどを製造するための露光装置などにも広く適用できる。
以上のように、本願実施形態の露光装置EXは、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
半導体デバイス等のマイクロデバイスは、図11に示すように、マイクロデバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ202、デバイスの基材である基板を製造するステップ203、前述した実施形態の露光装置EXによりマスクのパターンを基板に露光する露光処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。
第1の実施形態に係る露光装置を示す概略構成図である。 第1の実施形態に係る保持装置を示す断面図である。 保持装置の調整手順を示す模式図である。 保持装置の調整手順を示す模式図である。 保持装置の一部の部材を外した状態を示す図である。 保持装置の保持部を説明するための斜視図である。 保持装置の側断面図である。 保持装置を下から見た図である。 第2の実施形態に係る露光装置を示す概略構成図である。 第2の実施形態に係る保持装置を示す断面図である。 半導体デバイスの製造工程の一例を示すフローチャート図である。
符号の説明
1…保持装置、2A〜2F…光学素子、12…液体供給口、22…液体回収口、30…第1シール部材、31…上面(平面)、33…スペーサ部材(調整機構)、34…第2シール部材、38…周縁部、39…内周面、41…第1枠部材、42…第2枠部材、43…対向面、70…ノズル部材(環状部材)、80…第3シール部材、90…カバー部材、150…液浸機構、EX1、EX2…露光装置、G1…ギャップ(隙間)、K1…内部空間(第1空間)、K2…外部空間(第2空間)、LQ…液体、P…基板、PK…鏡筒、PL…投影光学系

Claims (12)

  1. 第1空間と、前記第1空間とは異なる第2空間との境界に配置される光学素子を保持する保持装置であって、
    前記光学素子の周縁部を支持する第1枠部材と、
    前記第1枠部材に取り付けられ、前記光学素子の表面のうち、前記周縁部よりも内側の内周面に対向する対向面を有する第2枠部材と、
    前記第1空間と前記第2空間との間の気体の流通を抑制するために、前記内周面と前記対向面との間に、前記対向面に接触し且つ前記内周面に対して非接触状態で配置される第1シール部材とを備えたことを特徴とする保持装置。
  2. 前記第1シール部材は、前記内周面に対向する平面を備え、且つリング状に形成されていることを特徴とする請求項1記載の保持装置。
  3. 前記光学素子の内周面と、前記第1シール部材の平面との隙間を調整する調整機構を備えたことを特徴とする請求項2記載の保持装置。
  4. 前記調整機構は、前記第1シール部材と前記対向面との間に配置されるスペーサ部材を含むことを特徴とする請求項3記載の保持装置。
  5. 前記第1空間と前記第2空間との間の気体の流通を抑制するために、前記第1シール部材と前記対向面との間に配置される第2シール部材を備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載の保持装置。
  6. 前記第2枠部材は、当該第2枠部材とは異なる材質で形成されたカバー部材を備えたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項記載の保持装置。
  7. 複数の光学素子を保持する鏡筒において、
    前記複数の光学素子のうち、前記鏡筒の内部空間と前記鏡筒の外部空間との間に配置される光学素子を、請求項1〜請求項6のいずれか一項記載の保持装置で保持することを特徴とする鏡筒。
  8. 投影光学系を介して基板を露光する露光装置において、
    前記投影光学系は、複数の光学素子で構成され、
    前記複数の光学素子のうち、前記投影光学系の最も像面側に配置される光学素子を、請求項1〜請求項6のいずれか一項記載の保持装置で保持することを特徴とする露光装置。
  9. 前記投影光学系と前記基板との間に液体を満たす液浸機構を備え、
    前記投影光学系及び前記液体を介して前記基板を露光することを特徴とする請求項8記載の露光装置。
  10. 前記液浸機構は、前記投影光学系のうち前記液体に接触する光学素子の側面を囲むように設けられ、液体供給口及び液体回収口のうち少なくともいずれか一方を有する環状部材を備え、
    前記光学素子の側面と前記環状部材との間への液体の浸入を阻止する第3シール部材を備えたことを特徴とする請求項9記載の露光装置。
  11. 前記カバー部材は、前記第2枠部材と前記基板上の液体との間に配置されることを特徴とする請求項9又は10記載の露光装置。
  12. 請求項8〜請求項11のいずれか一項記載の露光装置を用いることを特徴とするデバイス製造方法。
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