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JP2006108474A - 露光装置及びそれを用いたデバイス製造方法 - Google Patents

露光装置及びそれを用いたデバイス製造方法 Download PDF

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JP2006108474A JP2004294700A JP2004294700A JP2006108474A JP 2006108474 A JP2006108474 A JP 2006108474A JP 2004294700 A JP2004294700 A JP 2004294700A JP 2004294700 A JP2004294700 A JP 2004294700A JP 2006108474 A JP2006108474 A JP 2006108474A
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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

【課題】 複数の製品ロットに対し、製品ロット切り換えで生じる時間ロスを最短にする製品ロットの実行順番を計画する計画手段を提供する。
【解決手段】 複数の製品ロットに対し最短時間で順次露光処理を行うために、連続した2つの製品ロットの露光条件に基づき、判定部405で判定して、同一露光条件がある場合に、前記同一露光条件の種類に応じて、後続ロットの特定の露光準備処理を省略する省略手段と、前記省略手段により特定の露光準備処理が省略された場合に、前記後続ロットの露光処理に要する時間を推定計算する予測計算部406とを備え、前記省略手段及び予測計算部406により、生産時間が最短となる製品ロットの実行順番を決定するスケジュール装置402を有し、複数の製品ロットの実行順番を計画して、製品ロットの実行順列を並べ替えながら、順次露光処理を行う。
【選択図】 図4

Description

本発明は、ICやLSIなどの半導体素子、液晶基板、CCD、薄膜磁気ヘッド等のマイクロデバイスを製造するための露光装置と露光処理順序決定方法及びそれを用いたデバイス製造方法に関するものであり、特にこのような露光装置における運転制御方式に関するものである。
従来、LSIあるいは超LSIなどの極微細パターンから形成される半導体素子の製造工程において、マスクに描かれた回路パターンを感光剤が塗布された基板上に縮小露光して焼き付け成形する投影露光装置が使用されている。投影露光装置の特徴として、焼き付け成形する製品の種類(製品のロット)に応じて、複雑に露光条件を変更する必要がある。例えば、マスク上の回路パターンを基板へ投影露光する時の露光量、基板上の焼き付け済み回路パターン(下地パターン)に対し、正確に重ね合せするための下地マーク位置情報を製品ロットに応じて変更する。このため、オペレータは事前に露光条件を詳細に設定した制御情報(以下、「レシピ」と称す)を作成し、半導体素子の生産に先立ってレシピを設定している。
近年、半導体素子は多品種小ロット型で生産する場合が増えており、投影露光装置で生産する製品ロットを短期間で変更する場面が多くなっている。投影露光装置には、製品ロットを切り換える際に生じる生産ロスを抑える制御技術が求められている。
これらを解決する従来技術に、生産予定にある製品ロットのレシピを露光装置へ予約し、1製品ロットの生産が完了すると次に予約されている製品ロットの生産を開始する、所謂バッチ処理技術が知られている。また、半導体デバイスの製造動作におけるロットの切り替えを迅速、かつ正確にでき、また緊急なロットが発生しても割り込み処理を行うことができるようにした先行技術を開示したものとして、特開平08−167562号公報(特許文献1)がある。
特開平08−167562号公報
しかしながら、半導体素子の回路パターン極微細化に伴い、投影露光装置への更なる高精度化が求められている。例えば、縮小投影レンズの結像面(焦点面)に基板(ウエハ)面を合致させるフォーカス精度、複数工程に渡る各パターンを正確に重ね合わせるアライメント精度等、加工精度を常に高い状態で維持することが必要となっている。このため投影露光装置は、製品ロット処理に先立って又はロット処理途中に、調整可能な補正パラメータを計測し、組織化された構成部品(ユニット)を適正値に補正制御しながら運転している。
また、製品の多品種化に伴い、焼き付けを行う半導体素子の回路パターンが形成されているレチクル(またはマスク)の種類も増えており、製品ロット毎にマスクを頻繁に交換しながら生産運転している。
多品種から成る製品を短期間に切り換えながら生産運転するにあたり、投影露光装置に対して、製品ロット毎にマスク等の材料を準備搬送する時間及び、計測・補正制御する時間等の生産準備に要する処理を短縮し、投影露光装置の生産性を向上させることが重要な課題となっている。
本発明の目的は、前記の従来技術における問題点に鑑み、投影露光装置を効率良く生産運用するため、投影露光装置に要求された製品ロットに対し、製品ロット切り換えで生じる時間ロスを最短にする製品ロットの実行順番を計画する計画手段を提供することである。
上記の目的を達成するために、本発明は、複数の製品ロットに対し順次露光処理を行う露光装置であって、
連続した2つの製品ロットの露光条件に基づき、該2つの製品ロットのうちの後続ロットの特定の露光準備処理を省略する省略手段と、前記省略手段により特定の露光準備処理が省略された場合に、前記後続ロットの露光処理に要する時間を推定する推定手段と、複数の製品ロットの各々に関する前記推定手段による推定結果に基づいて、前記後続ロットを決定する決定手段とを有することを特徴とする。
また、前記露光準備処理した実績時間を計測する計時手段と、前記計時手段の実績データを記録する実績時間データベースとを具備し、前記推定手段では、前記実績時間データベースの実績値から露光処理に要する時間を推定することを特徴とするのが好ましい。
前記推定手段では、前記実績時間データベースの実績値と、前回に推定した推定値との差分時間を保存し、次回に推定する際に前記差分時間を加算して推定することを特徴とするのが好ましい。
前記省略手段では、前記2つの製品ロットの原版種類が同一条件である場合に、前記後続ロットの原版搬送処理を省略することを特徴とすれば、原版搬送に要する生産準備ロスを低減することができ、前記省略手段では、前記2つの製品ロットの照明条件が同一条件である場合に、前記後続ロットの照度計測処理を省略することを特徴とすれば、照度計測処理に要する生産準備ロスを低減することができ、前記省略手段では、前記2つの製品ロットで基板下地パターンが同一条件である場合に、前記後続ロットの基板下地パターン計測を省略することを特徴とすれば、基板下地パターン面のフォーカス計測処理に要する生産準備ロスを低減することができる。
また、本発明は、複数の製品ロットに対する露光処理順序を決定する決定方法であって、連続した2つの製品ロットの露光条件に基づき、該2つの製品ロットのうちの後続ロットの特定の露光準備処理を省略する工程と、前記省略手段により特定の露光準備処理が省略された場合に、前記後続ロットの露光処理に要する時間を推定する工程と、複数の製品ロットの各々に関する前記推定手段による推定結果に基づいて、前記後続ロットを決定する工程とを有することを特徴としてもよい。
本発明に係るデバイス製造方法は、上記いずれかの特徴を有する露光装置または上記露光処理順序決定方法を用いて露光対象に露光を行う工程と、露光された前記露光対象を現像する工程と、を具備し、本発明に係るデバイスは上記デバイス製造方法により製造されたことを特徴とする。
本発明によれば、複数の製品ロットを切り換えることで生じる露光装置の時間ロスを最短にすることができ、半導体デバイス等を効率的に生産することができる。特に、多品種小ロットの生産にて効果が得られる。また、オペレータが生産ロットのスケジューリングする負荷も軽減できる。
本発明の露光装置は、製品ロットの切り換えで生じる各種生産準備処理(マスク搬送、補正計測)の一部を省略し且つ、最も生産準備処理時間が少ない製品ロットの生産順番を計画するスケジュール装置を具備する。
本発明のスケジュール装置は、連続した2つの製品ロットに各々設定してある露光条件(レシピ)を比較し、そこに同一条件がある場合に、その条件の種類に応じて後続ロットの生産準備処理を省略する第一工程と、第一工程の省略結果に基づいて、省略可能な生産準備処理に要する時間を減算し、後続ロットの生産時間を予測計算する第二工程により、製品ロットの実行順列の生産時間を計算する。製品ロットの実行順列の全てに対して、前記生産時間を繰り返し計算した後、生産時間が最短となる実行順番を決定することを特徴としている。
また本発明の好ましい実施形態のおいて、露光装置のロット切り換えで生じる準備処理時間を予め実測するために、生産(露光)準備処理した実績時間を計測する計時手段と、前記計時手段の実績データを記録する実績時間データベースを露光装置に具備する。前記スケジュール装置の第二工程では、実績時間データベースの実績時間で予測計算(推定)することで予測精度を向上させることを特徴としている。
また本発明の好ましい実施形態において、前記スケジュール装置の第一工程では、2つのロットのレシピデータ中、マスク種類が同一であった場合に、後続ロットのマスク搬送からステージへの位置合せ迄の処理を省略し、マスク搬送に要する生産準備ロスを低減することを特徴としている。
また本発明の好ましい実施形態において、前記スケジュール装置の第一工程では、2つの製品ロットのレシピデータ中、照明条件が同一であった場合に、後続ロットの照度補正オフセットに用いる露光像面の照度計測処理を省略し、照度計測処理に要する生産準備ロスを低減することを特徴としている。
また、本発明の好ましい実施形態において、前記スケジュール装置の第一工程では、2つの製品ロットのレシピデータ中、基板下地パターン条件が同一であった場合に、後続ロットの下地回路パターン位置に起因するフォーカスオフセット計測処理を省略し、基板下地回路パターン面のフォーカス計測処理に要する生産準備ロスを低減することを特徴としている。
図1は本発明の実施例に係るステップ・アンド・スキャン型露光装置の概略構成を示す。同図において、(101)は、例えばKrF等のガスが封入され、レーザ光を発光させるパルスレーザ光源である。この光源は遠紫外領域の波長248nmの光を発光する。また、レーザ光源(101)には、共振器を構成するフロントミラー、露光波長を狭帯化するための回折格子、プリズム等からなる狭帯化モジュール、波長の安定性、スペクトル幅をモニタするための分光器やディテクタ等からなるモニタモジュール、及びシャッタ等が設けられている。レーザ光源のガス交換動作、あるいは波長安定化のための制御、放電印加電圧の制御等は、レーザ制御装置(102)により制御される。本実施例の形態では、レーザ制御装置(102)のみによる単独制御は行わず、インタフェースケーブルで接続した露光装置全体の主制御装置(103)からの命令で制御できるようにしてある。
パルスレーザ光源(101)より射出したビームは、照明光学系(104)のビーム整形光学系(不図示)を介して所定のビーム形状に整形された後、オプティカルインテグレータ(不図示)に入射され、後述するマスク(109)を均一な照度分布で照明するために多数の2次光源を形成する。照明光学系(104)の開口絞り(105)の開口部の形状はほぼ円形であり、照明系制御装置(108)によってその開口部の直径、ひいては照明光学系の開口数(NA)を所望の値に設定できるようになっている。この場合、後述する縮小投影レンズ(110)の開口数に対する照明光学系の開口数の比の値がコヒーレンスファクタ(σ値)であるため、照明系制御装置(108)は照明系の開口絞り(105)を制御することで、σ値を設定できることになる。照明光学系(104)の光路上にはハーフミラー(106)が配置され、マスク(109)を照明する露光光の一部がこのハーフミラー(106)により反射され取り出される。ハーフミラー(106)の反射光の光路上には紫外光用のフォトセンサ(107)が配置され、前記露光光の強度(露光エネルギ)に対応した出力を発生する。フォトセンサ(107)の出力は、パルスレーザ光源(101)のパルス発光毎に積分を行う積分回路(不図示)によって1パルスあたりの露光エネルギに変換され、照明系制御装置(108)を介して露光装置本体を制御する主制御装置(103)に入力されている。
原版であるレチクル(またはマスク)(109)には焼き付けを行う半導体素子の回路パターンが形成されており、照明光学系(104)より照射される。可変ブラインド(不図示)は、光軸に直交方向の面に遮光板を配置し、マスク(109)の回路パターン面の照射領域を任意に設定可能にしている。
図2はマスク(109)を照明している状態を示す。マスク(109)の回路パターン(202)の一部をスリット状光束(203)によってスリット照明されており、図1に示す投影レンズ(110)によってフォトレジストが塗布されたウエハ(115)上に回路パターン(202)の一部を縮小倍率β(βは例えば1/4)で縮小露光する。この時、図1に示す矢印のように、マスク(109)及び露光対象であるウエハ(115)を投影レンズ(110)とスリット状光束(203)に対し、投影レンズ(110)の縮小比率βと同じ速度比率で互いに逆方向にスキャンさせながら、パルスレーザ光源(101)からのパルス発光による多パルス露光を繰り返すことにより、マスク(109)全面の回路パターン(202)をウエハ(115)上の1チップ領域または複数チップ領域に転写する。
投影レンズ(110)の瞳面(マスクに対するフーリエ変換面)上には、開口部がほぼ円形である投影レンズの開口絞り(111)が配置され、モータ等の駆動手段(112)によって開口部の直径を制御することで、所望の値に設定できる。また、フィールドレンズ駆動手段(113)は、投影レンズ(110)中のレンズ系の一部を構成しているフィールドを、空気圧や圧電素子などを利用して投影レンズ(110)の光軸上に移動させるものであり、投影レンズ(110)の諸収差の悪化を防止しつつ、投影倍率や歪曲誤差を良好にしている。
ウエハステージ(116)は3次元方向に移動可能であり、投影レンズ(110)の光軸方向(Z方向)及び、この方向に直交する面内(X-Y面)を移動できる。ウエハステージ(116)に固定された移動鏡(117)との間の距離をレーザ干渉計(118)で計測することで、ウエハステージ(116)のX-Y面位置が検出される。露光装置の主制御装置(103)の制御下にあるステージ制御装置(120)は、レーザ干渉計(118)によりウエハステージ(116)の位置を検出し、モータ等の駆動手段(119)を制御することで、ウエハステージを所定のX-Y面位置へ移動させる。
また、(121)及び(122)はフォーカス面検出手段であり、投光光学系(121)はウエハ(115)上のフォトレジストを感光させない非露光光から成る複数個の光束を投光し、ウエハ(115)上に各々集光されて反射される。ウエハ(115)で反射された光束は、フォーカス面検出手段(122)に入射される。図示は略したが、フォーカス面検出手段(122)内には各反射光束に対応させて複数個の位置検出用の受光素子が配置されており、各位置検出用受光素子の受光面とウエハ(115)上での各光束の反射点が結像光学系によりほぼ共役となるように構成されている。投影レンズ(110)の光軸方向におけるウエハ面の位置ずれは、フォーカス面検出手段(122)内の位置検出用受光素子上の入射光束位置ずれとして計測される。
本実施例ではマスク(109)とウエハ(115)を所定の関係となるように位置決めした後、主制御装置(103)からの同期信号に基づいて、レーザ制御装置(102)、ウエハステージ制御装置(120)および、マスクステージ制御装置(126)はマスク(109)全面の回路パターン(202)をウエハ(115)のチップ領域へ転写するスキャン露光を行う。その後、ウエハ(115)をウエハステージ(116)により所定量X−Y平面内に駆動させ、ウエハ(115)の他の領域を順次同じように投影露光するようにした、所謂ステップ・アンド・スキャン方式を採用している。
次に、図3は、図1のステップ・アンド・スキャン型露光装置を使用した半導体製造工程の装置構成を示す。同図において(301)は複数の投影露光装置を管理する上位ホスト装置、(302)はホスト装置(301)と結合されたハードディスクドライブであり、製品に応じて露光処理条件を詳細に設定したレシピを保持するデータベースである。(306,307,308)は前述した露光装置であり、(303,304,305)は露光装置に付属するコンソール装置である。コンソール装置(303,304,305)は露光装置(306,307,308)と1対1に接続され、オペレータは個々のコンソール装置(303,304,305)を介して装置制御が可能である。また、ホスト装置(301)と各露光装置(306,307,308)は、各露光装置に付属するコンソール装置(303,304,305)を介してネットワーク通信機構によりオンライン接続され、ホスト装置(301)からの集中的な装置制御も可能になっている。本実施例では、後者のホスト装置(301)を介したオンライン装置制御について説明する。
オンライン通信経路(309)は、ホスト装置(301)から各コンソール装置(303,304,305)へ転送される製品(半導体デバイス)のロット処理要求を示し、製品ロットの露光処理を露光装置へ予約する時の流れである。オンライン通信経路(310)は、各露光装置(306,307,308)の稼動状態及び、前述のロット処理予約状態をホスト装置(301)へ通知する流れである。ホスト装置(301)は、これらのオンライン通信によって露光装置を集中的に制御するものである。
製品ロットを露光処理する場合、最初に、オペレータは製品の種類に応じたレシピをホスト装置(301)で作成し、レシピ名称を付けてレシピデータベース(302)へ保存する。次に、製品を露光装置で生産する準備が整った時、レシピデータベース(302)から予め保存してある製品のレシピ名称を選択した後、使用する露光装置(307)を指定して入力する。入力されたホスト装置(301)は、指定されたコンソール装置(304)へレシピデータをブロードバンド方式のオンライン通信経路(309)で転送する。レシピデータを受信したコンソール装置(304)は、次に図4、及び図5で説明するロット待ち行列(409)の最後に挿入される。
図4は、本実施例に係るコンソール装置のシステム構成であり、図中の点線矢印はデータフローを示している。ロット制御装置(401)はロット待ち行列(409)を持ち、前述した製品ロットのレシピデータ等をキューイングする装置である。図5は図4のロット待ち行列(409)にキューイングされる論理的データ構造を示している。列(505)はレシピ名称、列(506)はレシピデータの実体、列(507)はロット状態である。ロット状態(507)は、ロット待ち行列(409)に挿入された時の予約状態から始まり、露光処理が開始した時に実行状態へ遷移し、終了した時に削除される。図5はレシピA、レシピB、レシピCの順番にロット処理要求した場合を示しており、行(501)にレシピA、行(502)にレシピB、行(503)にレシピCが順にキューイングされた一例である。この後、ホスト装置(301)から転送されるレシピデータは行(504)に挿入される。ロット制御装置(401)は、ロット待ち行列(409)の先頭ロットのレシピデータ(411)を主制御装置(404)へ送り、該当ロットのロット状態(507)を予約から実行へ遷移させる。
レシピデータを取得した主制御装置(404)は、レシピデータ実体(506)の制御情報に応じ、所定枚数の基板を露光処理するシーケンスを制御する。この主制御装置(404)は先に図1に示した主制御装置(103)と同じ装置であり、主制御装置(103)からの同期信号に基づいてレーザ制御装置(102)、マスクステージ制御装置(126)及び、ウエハステージ制御装置(120)が同期しながら所謂ステップ・アンド・スキャン露光するものである。主制御装置(404)は、所定枚数の基板露光を終了すると、ロット制御装置(401)へ終了通知する(不図示)。ロット制御装置(401)は、ロット待ち行列(409)の行(501)を削除しロット順番を前方に移動する。以後同様に、ロット待ち行列(409)に待ちロットが無くなるまで露光処理が繰り返される。
また、主制御装置(404)のもう一つの機能に、処理時間を実際に計時してデータベース(403)の処理時間実績情報(410)への記録(412)がある。処理時間実績情報(410)へ記録する本実施例に関係する項目は、マスク(109)をマスクライブラリと称するマスク格納棚(不図示)からマスクステージ(123)へ搬送し、マスクステージ(123)へ位置決め完了する迄のマスク搬送時間、照明光学系(104)の照明条件の差異で生じる照度変化を、像面光量センサ(127)で計測する照度補正オフセット計測時間、処理対象ウエハの下地パターン(予め露光されている回路パターン)の最適フォーカス位置を、フォーカス面位置検出手段(121,122)で計測するパターンオフセット計測時間等である。これらの生産準備処理時間データは、後述するスケジュール装置(402)が生産時間を予測計算する際に利用される。
スケジュール装置(402)は本発明の最も特徴的な装置である。本実施例に係るスケジュール装置(402)は、連続した2つのレシピにおいて、前方レシピを基準に後方レシピを比較し、ロット間で共有可能な生産準備処理を省略することを基本的な特徴としている。この基本的な特徴に従い、ロット待ち行列(409)内にキューイングされているレシピデータの順序(実行順序)を変えながら共有可能な生産準備処理を省略し、最短で生産できる複数の製品ロットの実行順番を決定することを特徴としている。スケジュール装置(402)の内部は、ロット待ち行列(409)に要求順にキューイングされた複数のレシピデータ(413)を解析し、ロット間で共有できる生産準備処理を判定する判定部(405)と、その判定結果に基づいて、実績処理時間(414)から短縮時間を予測する予測計算部(406)と、その短縮時間に基づいて、全ロットの処理時間が最短となるようにロットの実行順番をリスケジューリングするロット順列の最適化部(407)から構成している。リスケジューリングしたロット順列は保存(415)される。
次に、図6の概念図を用いてロット間共有処理の判定部(405)での判定方法を説明する。図6はロット待ち行列(409)にロットA(610)、ロットB(620)、ロットC(630)の順番に3つの処理要求が予約されている状態であり、各ロット(610,620,630)には各々レシピデータ(611,621,631)が格納してある。本実施例では、レシピデータのマスク種類、照明条件、基板下地パターン条件の設定値に起因する共有可能な処理を判定するものである。これは、先に図4の主制御装置(404)の処理時間実績記録で述べた搬送処理及び、計測処理を省略するためである。例えば、連続ロットで同一のマスク種類を用いる場合、後方のロット処理にてマスク搬送処理を必要としない。また、連続ロットで同一の照明条件で露光処理する場合は、前方ロット処理で計測した照度補正オフセット値を後続ロットに継承することができる。基板下地パターン条件が同一である場合にも、前方ロット処理で計測したパターンフォーカスオフセット値を後続ロットに継承できるため、いずれの場合も後方の計測処理が不要となる。
最初に先頭ロットであるレシピAデータ(611)を基準とし、連続するレシピBデータ(621)で共有可能な処理を判定する例を説明する。基準レシピAデータ(611)のマスク種類(614)はR1が設定してあり、判定レシピBデータ(621)のマスク種類(624)はR2と異なるため、この場合レシピB処理でのマスク搬送は必要であり、レシピBの共有処理判定(625)の結果の搬入処理(628)は実行(ON)と判定する。同様に、基準レシピAデータ(611)の照明条件(613)はI1が設定しあり、判定レシピBデータ(621)の照明条件(623)はI2と条件が異なるため、照度補正(627)のオフセット計測は実行(ON)と判定する。しかし、基準レシピAデータ(611)の基板下地パターン条件であるレイヤ情報(612)がL1と設定してあるのに対して、判定レシピBデータ(621)のレイヤ情報(622)もL1と同一下地であるため、パターンオフセット下地計測(626)は省略(OFF)と判定する。
次に共有処理判定するレシピをレシピCデータ(631)へと進める。これはレシピBデータ(621)を基準とし、連続するレシピCデータ(631)について共有処理判定を繰り返す。連続するロットのマスク種類(624と634)がR2と同一であることから、レシピC共有処理判定(635)でのマスク搬入処理(638)は省略(OFF)と判定し、照明条件(623と633)もI2と同一であるので、レシピC共有処理判定(635)での照度補正(637)のオフセット計測は省略(OFF)と判定する。
これらの共有処理判定(625,635)の結果に基づき、予測計算部(406)はロット処理時間の短縮時間を計算する。図6のレシピA、レシピB、レシピCのロット順列の場合は、マスク搬送処理が1回、照度補正オフセット計測が1回、パターンオフセット計測が1回を省略でき、予めデータベース(403)に記録しある処理時間実績情報(410)から各処理時間の平均処理時間を乗ずることで、ロット順列全体での短縮時間を予測する。
次に、スケジュール装置(402)の全体処理手順を図7のフローチャートと図8の最適化過程の模式図を用いて説明する。スケジューリングは新たにロット処理が予約された後に開始するのが望ましく、ホスト装置(301)から通信経路(309)経由の処理要求に連動し自動で開始する。又は、オペレータが各コンソール装置(303、304、305)に直接指令することで開始してもよい。スケジューリングに先立ち、(S701)にてロット待ち行列(409)の先頭ロットが実行状態か否かを判定し、現在実行状態のロットが有る場合に限り(S702)へ進み、実行中のロットは実行順番の変更対象から除外する。これは、既に実行状態にあるロットの順番は再配置できないためである。図8の(a)にロット待ち行列の初期状態を示す。この例の場合、先頭ロット(801)は露光装置で実行されている状態にあり、以降のロット順列変更ステップ(S712)においても、常に先頭ロットに固定する。
本実施例では、ロット待ち行列中のレシピを実行順番の先頭から格納順に共有処理判定するため、(S703)で判定するロット順番変数Nをロット待ち行列の先頭を意味する1で初期化する。(S704)へ進み、今回判定するレシピがロット先頭であるか否かを判定する。これは先に図6で説明したように、共有処理判定は前方レシピデータを基準として実施する方法であるため、前方にレシピが存在しない先頭ロットは共有処理判定しないためである。最初は先頭ロット(N=1)で初期化するので、(S705)へ進み共有処理判定をバイパスする。
次に(S708)で判定するロット順番Nを1つ進めた後、(S709)でロット待ち行列に判定対象のレシピが無くなるまで、(S706)(S707)(S708)のステップを繰り返し実行する。(S706)と(S707)のステップは、先に図6で説明した共通処理の判定部(405)と短縮時間の予測計算部(406)の処理であり、連続した2つのロットで共有可能な処理を省略する判定と、実績処理時間に基づいたロット短縮時間の予測計算を実施するものである。このステップの実施過程を図8の(b)に模式化した。1番目ロットのレシピAデータ(804)と2番目ロットのレシピBデータ(805)を比較し、基板下地パターン条件であるレイヤ情報がL1と同一条件であるので、後続ロットである2番目ロットの下地パターン計測処理を省略(OFF)する。省略判定した下地パターン計測は処理時間実績情報(410)から、例えば15秒の処理時間の短縮と予測する。次に、2番目ロットのレシピBデータ(805)と3番目ロットのレシピCデータ(806)を比較し、レチクル種類がR2と同一条件であるので、3番目ロットのマスク搬入処理を省略(OFF)する。更に、照明条件がI2と同一条件であるので、3番目ロットの照度計測処理を省略(OFF)する。省略判定した生産準備処理を処理時間実績情報(410)から得ると、例えば、マスク搬入が20秒、照度計測処理が10秒であり、3番目ロットの短縮時間は計30秒となる。1つのロット実行順列について終了すると(S710)へ進み、全ロットを連続して実行した場合の短縮予測を合計して記録する。図8の(b)の実行順番で期待される短縮時間は45秒となる。
次に(S711)でロット実行順列を異なるパターンに変更する。図8の(c)は、実行中のレシピAデータ(807)を固定し、レシピBデータ(809)とレシピCデータ(808)の処理順を入れ替えた実行順列パターンである。このロット順列においても図8(b)で説明したと同様に、ロット待ち行列に判定対象のレシピが無くなるまで、(S706)、(S707)及び(S708)のステップを繰り返し実行する。図8(c)の場合、最初に1番目ロットのレシピA(807)と2番目ロットのレシピC(808)を比較するが、同一条件が存在しなく省略できない。次に判定ロットを1つ進め、2番目ロットのレシピC(808)と3番目ロットのレシピB(809)を比較する。マスク種類と照明条件が同一条件であり、マスク搬入20秒と照度計測処理10秒で合計30秒の短縮時間を予測する。この実行順番で期待される短縮時間は30秒となる。
(S712)で全てのロット実行順列パターンが終了したかを判定し、(S713)で全ロット実行順列パターンの中から、生産時間が最短となる製品ロットの実行順列を決定する。図8の例では(b)のパターンと(c)のパターンを比較し、処理時間短縮が見込まれる(b)を選択し、ロット待ち行列(409)を更新する。決定したロット順列パターンを図8の(d)に示している。ここの時、仮に予測短縮時間が同じロット実行順列パターンが複数ある場合は、どちらかをオペレータが選択して決定してもよい。
処理時間実績情報(410)は説明の便宜上、平均処理時間と例示したが、動作パラメータを設けて細分化して記録することが望ましい。例えば、マスク搬送時間は搬送開始位置パラメータを複数設け、搬送開始する位置に応じてマスクステージで位置決めする迄の実績時間を計測する。下地パターン計測の場合は計測点数パラ−メタを設け、計測点数に応じたパターン計測処理の実績時間を記録する。動作パラメータに応じて実績時間を記録し、処理時間を予測計算することで計画精度の向上が望める。
また、露光装置の主制御装置(404)はロット処理する際は常時、生産準備処理の実績時間をデータベースへ記録(412)し、平均化した実績時間を用いて予測しているが、露光装置の現処理能力を反映する意味で、前回の実績時間と予測時間の差分をオフセットとして保存し、次にオフセットを加算して予測する方法を採用してもよい。
次に、本発明の実施例2として、上記実施例1に係る露光装置を利用した半導体デバイスの製造プロセスを説明する。図9は半導体デバイスの全体的な製造プロセスのフローを示す図である。ステップ1(回路設計)では半導体デバイスの回路設計を行う。ステップ2(マスク作製)では設計した回路パターンに基づいてマスクを作製する。
一方、ステップ3(ウエハ製造)ではシリコン等の材料を用いてウエハを製造する。ステップ4(ウエハプロセス)は前工程と呼ばれ、上記のマスクとウエハを用いて、上記の露光装置によりリソグラフィ技術を利用してウエハ上に実際の回路を形成する。次のステップ5(組み立て)は後工程と呼ばれ、ステップ4によって作製されたウエハを用いて半導体チップ化する工程であり、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の組み立て工程を含む。ステップ6(検査)ではステップ5で作製された半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工程を経て半導体デバイスが完成し、ステップ7でこれを出荷する。
上記ステップ4のウエハプロセスは以下のステップを有する。ウエハの表面を酸化させる酸化ステップ、ウエハ表面に絶縁膜を成膜するCVDステップ、ウエハ上に電極を蒸着によって形成する電極形成ステップ、ウエハにイオンを打ち込むイオン打ち込みステップ、ウエハに感光剤を塗布するレジスト処理ステップ、上記の露光装置によって回路パターンをレジスト処理ステップ後のウエハに転写する露光ステップ、露光ステップで露光したウエハを現像する現像ステップ、現像ステップで現像したレジスト像以外の部分を削り取るエッチングステップ、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除くレジスト剥離ステップ。これらのステップを繰り返し行うことによって、ウエハ上に多重に回路パターンを形成する。
本発明の一実施例に係る露光装置の概略構成図である。 図1の実施例の部分説明図である。 本発明の一実施例に係る露光装置を使用した半導体製造工程の装置構成を示す図である。 本発明の一実施例に係るコンソール装置のシステム構成図である。 本発明の一実施例に係るロット待ち行列に保持されるデータ列である。 本発明の一実施例に係るロット間共有処理判定の概念図である。 本発明の一実施例に係るスケジューリング装置のフローチャートである。 本発明の一実施例に係るロット最適化する過程の模式図である。 半導体デバイスの全体的な製造プロセスのフローを示す図である。
符号の説明
101:パルスレーザ光源、102:レーザ制御装置、103:露光装置の主制御装置、104:照明光学系、105:照明系開口絞り、106:ハーフミラー、107:フォトセンサ、108:照明系制御装置、109:マスク(レチクル)、110:投影レンズ、111:投影レンズ開口絞り、112:投影レンズ開口絞り駆動手段、113:フィールドレンズ駆動手段、114:投影レンズ制御装置、115:ウエハ、116:ウエハステージ、117:移動鏡、118:レーザ干渉計、119:ウエハステージ駆動手段、120:ウエハステージ制御装置、121,122:フォーカス面検出手段、123:マスクステージ、124:移動鏡、125:レーザ干渉計、126:マスクステージ制御装置、127:像面光量センサ、202:回路パターン、203:スリット状光束、301:ホスト装置、302:レシピデータベース、303〜305:コンソール装置、306〜308:露光装置、309,310:通信経路、401:ロット制御装置、402:スケジュール装置、403:データベース、404:露光装置の主制御装置、405:共有処理の判定部、406:短縮時間の予測計算部、407:ロット順列の最適化部、409:ロット待ち行列、410:処理時間実績情報、411:レシピデータ、412:記録、413:レシピデータ、414:実績処理時間、415:保存、501〜504:列、505:レシピ名称、506:レシピデータ実体、507:ロット状態、610:ロットA、611:レシピAデータ、620:ロットB、621:レシピBデータ、625:レシピB共有処理判定、630:ロットC、631:レシピCデータ、635:レシピC共有処理判定。

Claims (9)

  1. 複数の製品ロットに対し順次露光処理を行う露光装置であって、
    連続した2つの製品ロットの露光条件に基づき、該2つの製品ロットのうちの後続ロットの特定の露光準備処理を省略する省略手段と、
    前記省略手段により特定の露光準備処理が省略された場合に、前記後続ロットの露光処理に要する時間を推定する推定手段と、
    複数の製品ロットの各々に関する前記推定手段による推定結果に基づいて、前記後続ロットを決定する決定手段と
    を有することを特徴とする露光装置。
  2. 前記露光準備処理した実績時間を計測する計時手段と、前記計時手段の実績データを記録する実績時間データベースとを具備し、
    前記推定手段では、前記実績時間データベースの実績値から露光処理に要する時間を推定することを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
  3. 前記推定手段では、前記実績時間データベースの実績値と、前回に推定した推定値との差分時間を保存し、次回に推定する際に前記差分時間を加算して推定することを特徴とする請求項2に記載の露光装置。
  4. 前記省略手段では、前記2つの製品ロットの原版種類が同一条件である場合に、前記後続ロットの原版搬送処理を省略することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の露光装置。
  5. 前記省略手段では、前記2つの製品ロットの照明条件が同一条件である場合に、前記後続ロットの照度計測処理を省略することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の露光装置。
  6. 前記省略手段では、前記2つの製品ロットの基板下地パターンが同一条件である場合に、前記後続ロットの基板下地パターン計測を省略することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の露光装置。
  7. 複数の製品ロットに対する露光処理順序を決定する決定方法であって、
    連続した2つの製品ロットの露光条件に基づき、該2つの製品ロットのうちの後続ロットの特定の露光準備処理を省略する工程と、
    前記省略手段により特定の露光準備処理が省略された場合に、前記後続ロットの露光処理に要する時間を推定する工程と、
    複数の製品ロットの各々に関する前記推定手段による推定結果に基づいて、前記後続ロットを決定する工程と
    を有することを特徴とする露光処理順序決定方法。
  8. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の露光装置を用いて露光対象に露光を行う工程と、露光された前記露光対象を現像する工程と、を具備することを特徴とするデバイス製造方法。
  9. 請求項7に記載のデバイス製造方法により製造されたことを特徴とするデバイス。
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