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JP2006105852A - 外観検査装置及びptp包装機 - Google Patents

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JP2006105852A JP2004294701A JP2004294701A JP2006105852A JP 2006105852 A JP2006105852 A JP 2006105852A JP 2004294701 A JP2004294701 A JP 2004294701A JP 2004294701 A JP2004294701 A JP 2004294701A JP 2006105852 A JP2006105852 A JP 2006105852A
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Abstract

【課題】検査精度及び検査効率の飛躍的な向上を図ることのできる外観検査装置及びPTP包装機を提供する。
【解決手段】外観検査装置21は、照明装置22、各カメラ23E,23H,23S及び画像処理装置24等を備えている。シート異物・錠剤異物に関する検査、錠剤表面剥離に関する検査、及び、シール不良に関する検査がほぼ同一のポジションで行われ、1台の照明装置22で照射態様が切り換えられる。また、所定の検査に際しては、他の1つの検査において認識した錠剤の位置情報及びポケット部の位置情報のうち少なくとも一方が利用可能とされる。所定の検査に際し、錠剤、ポケット部位置の検出ができなかったとしても、他の検査における正確な情報を利用できるため、正確な位置情報に基づいた正確な検査を実行でき、また手動入力といった煩わしさも払拭できる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、種々の外観不良を検査するべくPTPシートの製造に際し用いられる外観検査装置、及び、該外観検査装置を備えたPTP包装機を含む技術分野に属するものである。
一般に、PTPシートは、錠剤等が充填されるポケット部が形成された樹脂製の包装用フィルムと、その包装用フィルムにポケット部の開口側を密封するように前記包装用フィルムに取着されるアルミニウム製のカバーフィルムとから構成されている。
ところで、両フィルム間に毛髪やゴミ等の異物が存在していたり、錠剤に異物が付着していた場合には、製品としては不良であり、製造段階で除外する必要がある。そのため、従来、シート異物・錠剤異物に関する検査を行う技術がある(例えば、特許文献1参照)。
また、錠剤として糖衣錠が採用されている場合には、糖衣錠の表面の剥離を検出する技術もある(例えば、特許文献2参照)。
さらに、取着されたカバーフィルムに取着不良やしわが生じると、密封性が低下してシール不良となり、充填された錠剤等の使用期限が早まってしまったりするおそれがある。このため、外観検査装置によってシール不良を検出している技術もある(例えば、特許文献3参照)。
特開2003−215047号公報 特開2002−99898号公報 特開平8−193954号公報
ところが、上述した各検査は、それぞれ単独の検査装置として具現化されており、個々に独立した存在であった。つまり、それぞれにおいて、錠剤位置やポケット部位置を認識した上で検査を行う必要があった。
しかし、錠剤やカバーフィルムの明度差や色合い等によっては、適正に錠剤位置やポケット部位置の検出ができない場合があった。その上、検査によっては、手動で錠剤位置やポケット部位置を入力したりしなければならないケースもあった。そのため、検査精度の低下や、検査効率の悪化を招くおそれがあった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、PTPシートの外観不良を検査するに際し、検査精度及び検査効率の飛躍的な向上を図ることのできる外観検査装置、及び、PTP包装機を提供することを主たる目的の一つとしている。
以下、上記目的等を解決するのに適した各手段につき項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果等を付記する。
手段1.包装用フィルムに形成されたポケット部に錠剤が収容され、前記ポケット部を塞ぐようにカバーフィルムがシール状態で取着されるPTPシートの製造に際し用いられる外観検査装置であって、
シート異物・錠剤異物に関する検査、錠剤表面剥離に関する検査、及び、シール不良に関する検査のうち、少なくとも2つの検査を行うとともに、所定の検査に際しては、他の1つの検査において認識した錠剤の位置情報及びポケット部の位置情報のうち少なくとも一方を利用可能としたことを特徴とする外観検査装置。
手段1によれば、シート異物・錠剤異物に関する検査、錠剤表面剥離に関する検査、及び、シール不良に関する検査のうち、少なくとも2つの検査が行われる。このため、検査効率の飛躍的な向上を図ることができるのは勿論のこと、外観検査に必要なハード面(例えば照明装置や撮像装置や制御装置等)のコンパクト化、簡素化等を図ることが可能となる。
また、本手段では、単に2つ以上の検査を行うこととしたのではなく、所定の検査に際しては、他の1つの検査において認識した錠剤の位置情報及びポケット部の位置情報のうち少なくとも一方を利用可能としている。従来では、所定の検査に際し、錠剤やカバーフィルムの明度差や色合い等に起因して、適正に錠剤位置やポケット部位置の検出ができないことも懸念され、また、検査によっては、手動で錠剤位置やポケット部位置を入力したりしなければならないケースもあったりした。これに対し、所定の検査に際し、錠剤位置やポケット部位置の検出ができなかったとしても、他の検査における情報を利用できる。従って、正確な位置情報に基づいた正確な検査を実行することができ、また手動入力といった煩わしさを払拭することができる。結果として、検査精度及び検査効率の飛躍的な向上を図ることができる。
手段2.包装用フィルムに形成されたポケット部に錠剤が収容され、前記ポケット部を塞ぐようにカバーフィルムがシール状態で取着されるPTPシートの製造に際し用いられる外観検査装置であって、
シート異物・錠剤異物に関する検査、錠剤表面剥離に関する検査、及び、シール不良に関する検査のうち、少なくとも2つの検査をほぼ同一のポジションで行うとともに、所定の検査に際しては、他の1つの検査において認識した錠剤の位置情報及びポケット部の位置情報のうち少なくとも一方を利用可能としたことを特徴とする外観検査装置。
手段2によれば、基本的には手段1と同様の作用効果が奏される。また、上記作用効果に加えて、少なくとも2つの検査がほぼ同一のポジションで行われる。このため、別の場所でそれぞれの検査を行う場合に比べて、搬送方向でのずれの影響を最小限に抑制でき、検査精度のさらなる向上を図ることができるという優れた作用効果が奏される。
手段3.包装用フィルムに形成されたポケット部に錠剤が収容され、前記ポケット部を塞ぐようにカバーフィルムがシール状態で取着されるPTPシートの製造に際し用いられる外観検査装置であって、
シート異物・錠剤異物に関する検査、錠剤表面剥離に関する検査、及び、シール不良に関する検査を、ほぼ同一のポジションで行うとともに、所定の検査に際しては、他の1つの検査において認識した錠剤の位置情報及びポケット部の位置情報のうち少なくとも一方を利用可能としたことを特徴とする外観検査装置。
手段3によれば、3つの検査が行われるため、検査効率の飛躍的な向上を図ることができるのは勿論のこと、外観検査に必要なハード面(例えば照明装置や撮像装置や制御装置等)のさらなるコンパクト化、簡素化等を図ることが可能となる。
また、本手段では、単に3つの検査を行うこととしたのではなく、所定の検査に際しては、他の1つの検査において認識した錠剤の位置情報及びポケット部の位置情報のうち少なくとも一方を利用可能としている。従来では、所定の検査に際し、錠剤やカバーフィルムの明度差や色合い等に起因して、適正に錠剤位置やポケット部位置の検出ができないことも懸念されたり、また、検査によっては、手動で錠剤位置やポケット部位置を入力したりしなければならないケースもあったりした。これに対し、所定の検査に際し、錠剤位置やポケット部位置の検出ができなかったとしても、他の検査における情報を利用できる。従って、正確な位置情報に基づいた正確な検査を実行することができ、また手動入力といった煩わしさを払拭することができる。結果として、検査精度及び検査効率の飛躍的な向上を図ることができる。さらに、3つの検査がほぼ同一のポジションで行われるため、搬送方向でのずれの影響を最小限に抑制でき、検査精度の一層の向上を図ることができる。
手段4.前記各検査に際し共用される1台の照明装置を備え、当該照明装置は、各検査に応じた態様で光を検査対象に対して照射可能に構成されていることを特徴とする手段1乃至3のいずれかに記載の外観検査装置。
手段4によれば、各検査に際し、当該照明装置は、各検査に応じた態様で光が検査対象に対して照射され得ることで、1台の照明装置が各検査に際し共用される。従って、各検査毎に個別に照明装置を必要としていた従来技術に比べ、著しいハード面でのコンパクト化を図ることができ、スペース面での効率化、コストの低減等の効果が奏される。
手段5.前記照明装置は、前記シート異物・錠剤異物に関する検査及び/又はシール不良に関する検査に際しては赤外光を照射可能であり、前記錠剤表面剥離に関する検査に際しては白色光を照射可能であることを特徴とする手段4に記載の外観検査装置。
一般に、シート部に異物が存在した場合、正常なシート部との明度差(輝度差)に基づき異物を検出できる場合が多く、また錠剤部に異物が存在した場合、正常な錠剤表面との明度差(輝度差)に基づき異物を検出できる場合が多い。また、カバーフィルムの取着が適正に行われていないシール不良部位が存在した場合、当該部位においては取着に際して形成されるシール目が存在しておらず、主として正反射光を照射した場合には、明度差(輝度差)に基づいてシール不良部分を特定できる場合が多い。さらに、糖衣錠やフィルムコート錠等において表面剥離が生じた場合、剥離により露出した部分と、そうでない部分との色調に相違が生じ、かかる相違に基づき剥離を検出できる場合が多い。この点、手段5によれば、照明装置からは、シート異物・錠剤異物に関する検査及び/又はシール不良に関する検査に際しては赤外光が照射され、当該照射光を撮像することで、撮影画像から明度(輝度)データを得ることができる。また、錠剤表面剥離に関する検査に際しては白色光が照射され、当該照射光を撮像することで、撮影画像からは輝度及びRGBデータを得ることができる。そのため、各検査に好適な照射態様を1台の照明装置で実現することができ、結果として、手段4の作用効果がより確実に奏される。
手段6.前記各検査に際し用いられる固有の撮像手段を備え、
各撮像手段は、ほぼ同一箇所を撮像可能であることを特徴とする手段1乃至5のいずれかに記載の外観検査装置。
手段6によれば、各検査に際しては、それぞれ固有の撮像手段が用いられるのであるが、各撮像手段は、ほぼ同一箇所を撮像可能であるため、搬送方向でのずれの影響を最小限に抑制でき、検査精度の一層の向上を図ることができる。また、所定の検査に際し、他の1つの検査において認識した錠剤の位置情報やポケット部の位置情報を利用する場合でも、当該情報がほぼ同一箇所のものであるため、信頼性を高めることができる。さらに、若干の撮像タイミングのずれが生じた場合において、当該ずれを考慮した補正を行う場合でも、誤差を極力少なくできる。
手段7.前記各検査に際し用いられる固有の撮像手段を備え、
各撮像手段は、ほぼ1箇所に集結して設置されていることを特徴とする手段1乃至6のいずれかに記載の外観検査装置。
手段7によれば、各検査に際しては、それぞれ固有の撮像手段が用いられるのであるが、各撮像手段がほぼ1箇所に集結して設置されているため、設置スペース上のメリットが大きく、また、撮影対象までの距離をいずれの検査に際してもほぼ一定とすることができる。結果として、所定の検査に際し、他の1つの検査において認識した錠剤の位置情報やポケット部の位置情報を利用する場合でも、当該情報の撮像距離がほぼ一定であるため、データの信頼性を高めることができる。
手段8.包装用フィルムに形成されたポケット部に錠剤が収容され、前記ポケット部を塞ぐようにカバーフィルムがシール状態で取着されるPTPシートの製造に際し用いられる外観検査装置であって、
シート異物・錠剤異物に関する検査、錠剤表面剥離に関する検査、及び、シール不良に関する検査を、
各検査毎に検査対象に対し適正な光を切換照射可能な1台の照明装置と、
前記各検査に際し用いられ、前記照明装置で照射されたほぼ同一箇所を撮像可能な各検査固有の撮像手段と、
前記各撮像手段から出力される画像信号を処理する画像処理装置とによって、
ほぼ同一のポジションで行うとともに、所定の検査に際しては、他の1つの検査において認識した錠剤の位置情報及びポケット部の位置情報のうち少なくとも一方を利用した上で検査可能としたことを特徴とする外観検査装置。
手段8によれば、上述した各手段の作用効果が重畳的に奏される。
手段9.少なくとも前記シール不良に関する検査に際しては、シート異物・錠剤異物に関する検査又は錠剤表面剥離に関する検査において認識した錠剤の位置情報及びポケット部の位置情報のうち少なくとも一方を利用した上で検査可能としたことを特徴とする手段1乃至8のいずれかに記載の外観検査装置。
一般的に、シール不良に関する検査に際しては、元々の非シール部分であるポケット部にはマスキングが施された上で検査が実施されるが、当該マスキングの精度が検査の精度に影響を与えやすく、かかる意味でポケット部の位置情報(錠剤の位置情報)は非常に重要であるといえる。一方で、シール不良に関する検査に際しては、正反射光を照射するのが効果的であるところ、かかる正反射光ではポケット部を特定することが困難である。この点、手段9では、少なくとも前記シール不良に関する検査に際しては、シート異物・錠剤異物に関する検査又は錠剤表面剥離に関する検査において認識した錠剤の位置情報及びポケット部の位置情報のうち少なくとも一方が利用された上で検査されるため、シール不良検査に好適な正反射光を照射した上で、正確な位置情報に基づいたマスキングを実行できる。そのため、検査精度を飛躍的に高めることができる。
手段10.前記錠剤が茶色系又は暗色系であり、シート地色が銀色又は錠剤と異色系の場合には、少なくとも前記シール不良に関する検査及び/又はシート異物・錠剤異物に関する検査に際しては、錠剤表面剥離に関する検査において認識した錠剤の位置情報及びポケット部の位置情報のうち少なくとも一方を利用した上で検査可能としたことを特徴とする手段1乃至9のいずれかに記載の外観検査装置。
錠剤が茶色系又は暗色系(例えば焦げ茶や黒等、カプセルも含む)であり、シート地色が銀色又は錠剤と異色系の場合には、シート部と錠剤部との明度差が生じにくく、錠剤を抽出(特定)することが困難となる傾向にある。この点、手段10では、少なくともシール不良に関する検査及びシート異物・錠剤異物に関する検査に際しては、錠剤表面剥離に関する検査において認識した錠剤の位置情報及びポケット部の位置情報のうち少なくとも一方が利用された上で検査される。つまり、錠剤表面剥離に関する検査においては、色調差(RGB)を検出できるため、これに基づきポケット部の位置情報等を正確に抽出することができる。そして、当該位置情報を利用した上で検査が行われるため、シール不良に関する検査及びシート異物・錠剤異物に関する検査に際しても、精度の高い検査を実現できる。
手段11.前記錠剤が白色系であり、シート地色が銀色若しくは錠剤と同色系の場合、又は、前記錠剤が捺印の施されたカプセルである場合には、少なくとも前記シール不良に関する検査及び/又は錠剤表面剥離に関する検査に際しては、シート異物・錠剤異物に関する検査において認識した錠剤の位置情報及びポケット部の位置情報のうち少なくとも一方を利用した上で検査可能としたことを特徴とする手段1乃至9のいずれかに記載の外観検査装置。
錠剤が白色系(白、淡い青、黄、緑、桃等、糖衣錠やフィルムコート錠も含む)であり、シート地色が銀色若しくは錠剤と同色系の場合、又は、前記錠剤が捺印の施されたカプセル(2色を含む)である場合、シール不良に関する検査及び/又は錠剤表面剥離に関する検査に際しては、色合い、明度が同等であったり、或いは、捺印位置が規定できなかったりして、錠剤を抽出(特定)することが困難となる傾向にある。この点、手段11では、少なくともシール不良に関する検査及び/又は錠剤表面剥離に関する検査に際しては、シート異物・錠剤異物に関する検査において認識した錠剤の位置情報及びポケット部の位置情報のうち少なくとも一方が利用された上で検査される。つまり、シート異物・錠剤異物に関する検査においては、例えば拡散光による照射態様により、ポケット部の立ち上がり部分を検出できるため、これに基づきポケット部の位置情報等を正確に抽出することができる。そして、当該位置情報を利用した上で検査が行われるため、シール不良に関する検査及び/又は錠剤表面剥離に関する検査に際しても、精度の高い検査を実現できる。
手段12.手段1乃至11のいずれかに記載の外観検査装置を備えたことを特徴とするPTP包装機。
上記手段12のように、外観検査装置をPTP包装機に備えることで、PTPシートの製造過程において不良品を効率的に除外できる等のメリットが生じる。
以下、一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、外観検査装置をPTP包装機に装備することによって、PTP包装機内でPTPシートの外観不良(シート異物・錠剤異物、錠剤表面剥離、及び、シール不良)が検査されるようになっている。図2(a),(b)に示すように、PTPシート1は、複数のポケット部2を備えた包装用フィルムとしての容器フィルム3と、ポケット部2を塞ぐようにして容器フィルム3に取着されたカバーフィルムとしての密封用フィルム4とを有している。容器フィルム3は、例えば、PP(ポリプロピレン)やPVC(ポリ塩化ビニル)等の比較的硬質で所定の剛性を有する熱可塑性樹脂材料によって構成され、光透過性を有している(ここでは、透明を呈している。)。密封用フィルム4は、アルミニウムによって構成されている。また、各ポケット部2には被充填物としての錠剤(例えば、糖衣錠)5が1つずつ収容されている。さらに、PTPシート1には、ポケット部2等の非取着部分を除いた取着領域全体において、密封用フィルム4側に微小なへこみによる模様が形成されている。当該へこみは、容器フィルム3と密封用フィルム4とが強固にシールされた部分であり、へこみが所定の格子模様として表れている。該模様は、本実施形態では、図2(c)に示すように、シール線6から構成されており、シール線6により同一形状の複数の平行四辺形部が形成されている。なお、本実施形態では、平行四辺形部として、正方形状をなすこととしているが、他にも、長方形、菱形であってもよいし、任意の平行四辺形状等としてもよい。
図3に示すように、PTP包装機7は、錠剤5を容器フィルム3に自動的に包装するものである。具体的には、PP、PVCなどの帯状の樹脂フィルム8をフィルム送りロール9とテンションロール10,11とで、加熱装置12及び成形装置13に送り込み、錠剤5が充填されるポケット部2を樹脂フィルム8に成形する。そして、樹脂フィルム8にポケット部2が成形された容器フィルム3が、充填装置14の下まで送られてくると、充填装置14が各ポケット部2に錠剤5を自動的に充填する。
一方、帯状に形成された密封用フィルム4は、テンションロール16,17を介してフィルム受けロール18の方へと案内されている。フィルム受けロール18には、加熱ロール19が圧接可能となっており、該加熱ロール19の外周面には、僅かに凸状に形成された格子状の線(図示略)が設けられている。そして、両ロール18,19間に、容器フィルム3及び密封用フィルム4が送り込まれるようになっている。両フィルム3,4が、両ロール18,19間を加熱圧接状態で通過することで、容器フィルム3に密封用フィルム4が取着されるとともに、密封用フィルム4に上述した格子状のシール線6が形成される。これによって、錠剤5が各ポケット部2に充填された長尺状のPTPフィルム20が製造される。
前記フィルム受けロール18及び加熱ロール19の下流にはPTPフィルム20の移送経路に沿って、PTPフィルム20の外観不良を検査するための外観検査装置21が配設されている。この外観検査装置21は、(1)両フィルム3,4間に存在する毛髪等の異物及び錠剤5上の異物(以下、「シート異物・錠剤異物」と称する)の検出を主目的とする検査(以下、便宜上「Eタイプ検査」と称する)、(2)糖衣錠等の錠剤5の表面の剥離(以下、「錠剤表面剥離」と称する)の検出を主目的とする検査(以下、便宜上「Hタイプ検査」と称する)、(3)容器フィルム3に対する密封用フィルム4の取着状態の異常(以下、「シール不良」と称する)の検出を主目的とする検査(以下、便宜上「Sタイプ検査」と称する)を行うものである。
上記検査を経た後、PTPフィルム20は図示しない打抜装置によってPTPシート1単位に裁断される。なお、外観検査装置21によって不良品判定された場合、その不良品判定となったPTPシートは、図示しない不良シート排出機構によって別途排出される。
さて、PTP包装機7の概略は以上のとおりであるが、以下においては図1,4,5に基づき、外観検査装置21についてより具体的に説明する。
外観検査装置21は、照明装置22、それぞれ撮像手段を構成するE用カメラ23E、H用カメラ23H及びS用カメラ23S、画像処理装置24、モニタ25、並びにキーボード26等を備えている。
まずは、照明装置22について詳細に説明する。照明装置22は、PTPフィルム20を水平にみたてたときに、当該PTPフィルム20に対し、斜め上方から赤外拡散光を照射可能な第1の照射手段IR1と、前記第1の照射手段IR1よりも低い(浅い)角度から赤外拡散光を照射可能な第2の照射手段IR2と、ほぼ真上から赤外平行光を照射可能な第3の照射手段IR3と、前記第1の照射手段IR1とほぼ等しい角度から白色拡散光を照射可能な第4の照射手段WH4と、前記第4の照射手段WH4よりも低い角度(第2の照射手段IR2とほぼ等しい角度)から白色拡散光を照射可能な第5の照射手段WH5と、ほぼ真上から白色平行光を照射可能な第6の照射手段WH6とを備えている。また、照明装置22は、袴状に配設され、光を透過可能で、かつ、偏光依存性のない特殊拡散板31を備えているとともに、その外側において上下対をなすように拡散反射板32,33を備えている。さらに、照明装置22は、前記特殊拡散板31の上側において平行光フィルタ34及びハーフミラー35を備えている。
前記第1の照射手段IR1及び第4の照射手段WH4は、それぞれが上側の拡散反射板32を挟むようにして上下に配設されている。下側に配設された第1の照射手段IR1及び第4の照射手段WH4からの光は、一旦拡散反射板32に当たって反射し、特殊拡散板31を透過して拡散光となってPTPフィルム20に照射される。一方、上側に配設された第1の照射手段IR1及び第4の照射手段WH4からの光は、拡散反射板32に取着された図示しない偏光板を透過して、特殊拡散板31を透過して、部分的に偏光された拡散光となってPTPフィルム20に照射される。
前記第2の照射手段IR2及び第5の照射手段WH5は、それぞれが下側の拡散反射板33を挟むようにして上下に配設されている。下側に配設された第2の照射手段IR2及び第5の照射手段WH5からの光は、一旦拡散反射板33に当たって反射し、特殊拡散板31を透過してより低い角度からの拡散光となってPTPフィルム20に照射される。一方、上側に配設された第2の照射手段IR2及び第5の照射手段WH5からの光は、拡散反射板33に取着された図示しない偏光板を透過して、特殊拡散板31を透過して、部分的に偏光された拡散光となってPTPフィルム20に照射される。
前記第3の照射手段IR3及び第6の照射手段WH6は、いずれも第1の照射手段IR1よりも上方に配置されている。第3の照射手段IR3及び第6の照射手段WH6からの光は、一旦平行光フィルタ34を透過し、斜めに配設されたハーフミラー35に当たって部分的に反射し、主としてほぼ真上からの平行光となってPTPフィルム20に照射される(勿論、一部拡散光も照射される)。
これら各照射手段IR1,IR2,IR3,WH4,WH5,WH6の照射の有無は、そのときどの検査内容に応じて適宜切り換えられるようになっており、その切換態様の詳細については、後述することとする。
また、撮像手段を構成するE用カメラ23E、H用カメラ23H及びS用カメラ23Sは、前記照明装置22から照射される光の波長領域にそれぞれ特有の感度を有するものである。本実施形態では、E用カメラ23E及びS用カメラ23Sとしては、赤外光に感度のあるモノクロカメラが採用され、H用カメラ23Hとしては、カラーカメラが採用されている。
各カメラ23E,23H,23Sと照明装置22との関係について説明すると、図5(a)に示すように、各カメラ23E,23H,23Sと照明装置22は、PTPフィルム20のポケット部2側において配置されている。各カメラ23E,23H,23Sは、PTPフィルム20の平面に対して、略垂直方向から撮像可能となっており、照明装置22より照射された光は、前記ハーフミラー35よりも上方(PTPフィルム20を水平に見立てて上方;この段落において同様)に位置する各カメラ23E,23H,23Sによって撮像される。すなわち、照明装置22よりも上方には、可視光の透過を許容し、赤外光を反射可能なホットミラー36が設置されている。ホットミラー36に対応する位置には、E用カメラ23E及びS用カメラ23Sが設置されている。図5(b)に示すように、前記ホットミラー36で分光され、反射させられた赤外光は、ビームスプリッタ37でさらに分光される。該ビームスプリッタ37で反射した赤外光は、E用カメラ23Eで撮像され、ビームスプリッタ37を透過した赤外光は、さらにミラー38で反射させられた上で、S用カメラ23Sで撮像される。また、図5(a)に戻り、前記ホットミラー36の上方には、全反射ミラー39が設置されており、当該全反射ミラー39に対応する位置には、H用カメラ23Hが設置されている。そして、前記ホットミラー36を透過した可視光がH用カメラ23Hで撮像される。本実施形態では、各カメラ23E,23H,23Sは、ほぼ1箇所に集結して設定されているということができる。
本実施形態では、照明装置22から照射される赤外光や白色光(可視光)が、容器フィルム3越しに錠剤5及び密封用フィルム4を照らし、錠剤5及び密封用フィルム4から反射した光が、各カメラ23E,23H,23Sによってそれぞれ二次元撮像されるように構成されている。各カメラ23E,23H,23Sによって撮像された画像データは、各カメラ23E,23H,23S内部においてデジタル信号に変換された上で、デジタル信号の形で画像処理装置24に入力されるようになっている。
次に、検査内容毎に相違する、照明装置22の各照射手段IR1,IR2,IR3,WH4,WH5,WH6の照射の態様について説明する。
まず、Eタイプ検査に際しては、図6に示すように、赤外光に関する照射手段IR1〜IR3については全て点灯状態(=照射状態,オン状態)とされ、白色光に関する照射手段WH4〜WH6については全て消灯状態(=非照射状態,オフ状態)とされる。より詳しく説明すると、それぞれ下側に配設された第1の照射手段IR1及び第2の照射手段IR2からは拡散赤外光が照射され、これにより、主としてポケット部2のエッジ部分が識別可能となる。また特に、下側に配設された第1の照射手段IR1からの光は、比較的深い割線を有する錠剤5が採用された場合に当該割線の影響を無くすることができるという点において有効に機能する。
さらに、上側に配設された第1の照射手段IR1及び第2の照射手段IR2からは偏光された拡散赤外光が照射され、これにより、ポケット部2の頂面部分の正反射が抑制され(E用カメラ23Eにも正反射成分をカットするための偏光フィルタが設けられている)、錠剤5がより明瞭に識別可能となる。ここで、容器フィルム3(樹脂フィルム8)としてPPが採用された場合には正反射が比較的起こりにくいのに対し、PVCが採用された場合には正反射が比較的起こりやすい傾向にある。この点に鑑み、本実施形態では、容器フィルム3(樹脂フィルム8)としてPVCが採用された場合には、PPが採用された場合よりも、上側に配設された第1の照射手段IR1及び第2の照射手段IR2からは、より強い偏光拡散光が照射されるようになっている。
上記のような照射態様とされることで、Eタイプ検査に際しては、一部偏光された赤外光が照射されることとなり、錠剤5上の異物や、PTPフィルム20(シート部)上の異物等が存在した場合、異物等が存在しない部分との間で輝度差が生じることとなる。これにより、既知の検査手法を適宜用いることで、異物検査(シート異物・錠剤異物の検査)が可能となっている。
次に、Hタイプ検査に際しては、図7に示すように、白色光に関する照射手段WH4〜WH6については全て点灯状態(=照射状態,オン状態)とされ、赤外光に関する照射手段IR1〜IR3については全て消灯状態(=非照射状態,オフ状態)とされる。より詳しくは、それぞれ下側に配設された第4の照射手段WH4及び第5の照射手段WH5からは拡散白色光が照射され、これにより、主としてポケット部2のエッジ部分が識別可能となる。さらに、それぞれ上側に配設された第4の照射手段WH4及び第5の照射手段WH5からは偏光された拡散白色光が照射され、これにより、ポケット部2の頂面部分の正反射が抑制され(H用カメラ23Hにも正反射成分をカットするための偏光フィルタが設けられている)、錠剤5がより明瞭に識別可能となる。本実施形態では、Hタイプ検査にあっても容器フィルム3(樹脂フィルム8)としてPVCが採用された場合には、PPが採用された場合よりも、上側に配設された第4の照射手段WH4及び第5の照射手段WH5からはより強い偏光拡散光が照射されるようになっている。
上記のような照射態様(赤外光と白色光との相違はあるものの、照射の仕方と言う点ではEタイプと共通する)とされることで、Hタイプ検査に際しては、一部偏光された白色光が照射されることとなり、錠剤5として糖衣錠が採用され、糖衣部分(表面)の剥離等が存在した場合、剥離部分と糖衣部分との間で色調差(輝度差)が生じることとなる。これにより、既知の検査手法を適宜用いることで、錠剤表面剥離の検査が可能となっている。
さらに、Sタイプ検査に際しては、図8に示すように、赤外光に関する第1の照射手段IR1及び第3の照射手段IR3についてのみ点灯状態(=照射状態,オン状態)とされ、それ以外の照射手段IR2,WH4〜WH6については全て消灯状態(=非照射状態,オフ状態)とされる。より詳しくは、シール不良検査に際しては、シール目を浮き立たせた上で検査を行うものであり、その浮き立たせ方としては、正反射光を捉えるのが効果的とされている。この点に鑑み、本実施形態では、第3の照射手段IR3から正反射光を主として照射するものである。また、S用カメラ23Sは画角を有しており、これを考慮した上で第1の照射手段IR1からの赤外光をも照射するものである。但し、S用カメラ23Sには偏光フィルタが設けられておらず、かかる意味で、正反射光成分を積極的に捉える構成が採用されている。
上記のような照射態様とされることで、Sタイプ検査に際しては、主として正反射用赤外光が照射されることとなる。このとき、照射光は、密封用フィルム4の平面部分では正反射し、エッジ部分(へこみの存在する部分)等では乱反射する。このため、S用カメラ23Sで撮像された画像データにおいては、シール線6の明度が、シール線6により囲まれた平行四辺形部(内側部分)の明度よりも低くなり、前記平行四辺形部とシール線6とのコントラストが大きくなる。かかる明度差により、既知の検査手法を適宜用いることで、シール不良の検査が可能となっている。なお、容器フィルム4に品種等の印刷された印刷部がある場合において、印刷部は近赤外光や赤外光を透過させやすいため、容器フィルム4自体と印刷部との明度差が極めて小さくなる。これにより、本実施形態では印刷部を無視して検査することができるようになっている。
さて、上述した画像処理装置24は、各カメラ23E,23H,23Sに対応した画像メモリ41E,41H,41S、マスキング手段42E,42H,42S、二値化手段43E,43H,43S、判定用メモリ44E,44H,44S、外観検査結果及び統計データメモリ45E,45H,45S、カメラタイミング制御手段46E,46H,46S、並びに、CPU及び入出力インターフェース47などから構成され、後述するような画像データの処理や、外観不良の判定(各検査)等を実施可能なっている。
各カメラ23E,23H,23Sで撮像された二次元イメージデータは、デジタル信号に変換された後、それぞれ対応する各画像メモリ41E,41H,41Sに記憶される。
また、各イメージデータは、検査時において、対応するマスキング手段42E,42H,42Sによりマスキング処理が行われた後、再度各画像メモリ41E,41H,41Sに記憶され、同様に、二値化手段43E,43H,43Sにより二値化された後、再度各画像メモリ41E,41H,41Sに記憶される。
CPU及び入出力インターフェース47は、各種処理プログラムを各判定用メモリ44E,44H,44Sの記憶内容などを使用しつつ実行するとともに、PTP包装機7に制御信号を送出し又はPTP包装機7から動作信号などの各種信号を送受信するためのものである。これによって、例えば、PTP包装機7の不良シート排出機構などを制御することができるようになっている。また、CPU及び入出力インターフェース47は、モニタ25に表示データを送出する機能をも有する。かかる機能により、二値あるいは濃淡のイメージデータや外観検査結果などを、モニタ25に表示させることができるようになっている。さらに、CPU及び入出力インターフェース47は、キーボード26からのデータを入力する機能をも有する。
外観検査結果及び統計データメモリ45E,45H,45Sは、イメージデータに関する座標等のデータ、外観検査結果データ、及び、該外観検査結果データを確率統計的に処理した統計データなどを記憶するものである。これらの外観検査結果データや統計データは、CPU及び入出力インターフェース47の制御に基づき、適宜モニタ25に表示させることができる。また、これらの外観検査結果データや統計データに基づいてCPU及び入出力インターフェース47がPTP包装機7に制御信号を送出することもできる。
カメラタイミング制御手段46E,46H,46Sは、各カメラ23E,23H,23が撮像するイメージデータを、各画像メモリ41E,41H,41Sに取り込むタイミングを制御するものである。かかるタイミングはPTP包装機7に設けられた図示しないエンコーダからの信号に基づいて制御され、PTPフィルム20を所定量送るごとに各カメラ23E,23H,23Sによるシート単位(例えば打ち抜かれるPTPシート単位)で撮像(撮影)が行われる。
例えば、本実施形態では、図9に示すように、所定のシート単位が照明装置22の中心に移動したタイミングT3(便宜上中心タイミングTCと称する)において、S用カメラ23Sによる撮影が行われる。また、上記中心タイミングTCよりも幾分早いタイミングT1(例えばT1=TC−25msec)で、錠剤部をターゲットとしたE用カメラ23Eによる撮影が行われ、タイミングT2(例えばT2=T1+10msec)で、錠剤部をターゲットとしたH用カメラ23Hによる撮影が行われる。さらに、上記中心タイミングTCよりも幾分遅いタイミングT4(例えばT4=TC+25msec)で、シート部をターゲットとしたE用カメラ23Eによる撮影が行われ、タイミングT5(例えばT5=T4+10msec)で、シート部をターゲットとしたH用カメラ23Hによる撮影が行われる。このように、本実施形態では、ほぼ同一箇所にある各カメラ23E,23H,23Sでほぼ同一箇所を撮像しようとしているものの、撮影タイミングに若干の相違があることから、撮像されるPTPフィルム20のシート単位位置にも若干の相違が生じうるものである。
なお、本来であれば、H用カメラ23Hというのはカラーカメラであり、Hタイプ検査も、糖衣錠等の表面の剥離検査を主として行うためのものであるが、Eタイプ検査では検査しきれないような色調として現れる異常等を検出できることもあるのも事実である。この点に鑑み、本実施形態では、H用カメラ23Hであってもシート部をターゲットした撮影を行うとともに、Hタイプ検査であってもシート部の検査をも行うこととしている。
次に、上記PTPフィルム20の外観検査(Eタイプ検査、Hタイプ検査、Sタイプ検査)の手順について説明する。
まず、シール不良の検出を主目的とする「Sタイプ検査」について図10のフローチャートに従って説明する。Sタイプ検査に際しては、当該検査に先だって事前に図10(a)に示すような「Sタイプ設定ルーチン(サンプルモード)」が実行される。同ルーチンにおいては、まずステップS101において、先ず、良品(不良品でないことが明らかなPTPフィルム20)の濃淡画像を取得する。次に、ステップS102においては、Eタイプ又はHタイプでのポケット部位置データ(座標データ)を画像のずれ量分だけ移動させる。ここで、Eタイプ又はHタイプでのポケット部位置データを用いることとしているのは、Sタイプ検査での照射態様にあっては、主として正反射光を照射するため、ポケット部2の位置が把握しづらいためである。但し、上述したように、Sタイプ検査の撮像タイミングと、Eタイプ又はHタイプ検査の撮像タイミングとでは時間差が生じうるため、画像にずれが生じる。そのため、本ステップS102では、Eタイプ又はHタイプでのポケット部位置データを採用するにあたって、当該画像のずれ量分だけデータを移動することとしているのである。
次に、ステップS103では、各種設定を行い、モニタ25での表示処理を実行する。ここで、各種設定には、主としてSタイプ検査を行うに際してのポケット部2のマスキング処理が含まれる。すなわち、当該マスキング処理に際して、前記ステップS102でずれ量分移動させられたポケット部位置データが用いられるのである。ここで設定されたマスキングデータは、次に述べるSタイプ検査ルーチンでの検査に際して使用されるものである。
続いて、Sタイプ検査について説明する。図10(b)の「Sタイプ検査ルーチン(検査モード)」に示すように、検査に際しては、先ずステップS201において、検査対象となるPTPフィルム20の濃淡画像を取得する。次に、ステップS202においては、Eタイプ又はHタイプでのポケット部位置データ(座標データ)を画像のずれ量分だけ移動させる。当該ステップS202でも、ステップS102と同様に、Eタイプ又はHタイプでのポケット部位置データを用いることとしているが、その理由は、上述のとおりである。また、ずれ量分だけ移動させるのも、上述した理由によるものである。
その後、ステップS203では、各種検査、判定を行い、モニタ25での表示処理を実行し、その後の処理を一旦終了する。ここで、各種検査、判定には、主としてシール不良検査が含まれる。シール不良検査の詳細についてはここでの具体的記載は省略するが、検査に際しては上記ステップS103で設定されたマスキングデータが用いられる。例えば、撮像された濃淡画像データにおいては、シール線6の明度が低くなり、シール線6で囲まれた平行四辺形部の明度が高くなる。一方で、容器フィルム4に取着不良やしわが生じてしまったり、異物が付着してしまったりする等の異常が生じている場合には、シール線6の位置以外に明度の低い部分が生じたり、シール線6の間隔が乱れたり、シール線6が形成されなかったりする。従って、シール線6としわとの部分において明度が低くなるため、これを適切に検出することで、シール不良が検査できるのである。ここで、容器フィルム3と密封用フィルム4とが取着されていないポケット部2に対応する部分については、シール不良検査を行う意義がなく、また、適正な検査に支障が生じるのを防止するため、当該部分をマスキングするものである。本実施形態では、上記処理を行うことで、マスキングを適正に行うことができる。
次に、錠剤表面剥離(糖衣錠にあっては糖衣部分の剥離、フィルムコート錠にあってはフィルム部分の剥離)の検出を主目的とする「Hタイプ検査」について図11〜図14のフローチャートに従って説明する。上述したように、本実施形態では、Hタイプ検査であっても、錠剤部のみならず、シート部の検査をも行うこととしている。まずは、錠剤部の検査について説明する。Hタイプ検査に際しては、当該錠剤部の検査に先だって事前に図11に示すような「Hタイプ錠剤部設定ルーチン(サンプルモード)」が実行される。
同ルーチンにおいては、ステップS301において、先ず、良品(不良品でないことが明らかなPTPフィルム20)のカラー画像を取得する。次に、ステップS302においては、錠剤・ポケット部位置を当該Hタイプで設定するか否かを判定する。ここで、錠剤・ポケット部位置は、当該Hタイプ又は後述するEタイプで把握することができるのであるが、把握のしやすさは、そのときどきの照射態様等によって相違するため、ここで判定することとしているのである。錠剤・ポケット部位置をHタイプで設定すべきと判定された場合には、ステップS303において、ステップS301で取得した良品カラー画像を輝度及びRGB比率で二値化し、当該二値化データを画像メモリ41Hに格納する。
次に、ステップS304でラベリング処理(塊処理)を行い、ステップS305で面積値が基準錠剤面積Lo未満の塊を除去する。その後、ステップS306では、シート単位での塊数と錠剤数とが一致するか否かを判断し、不一致ならば、当該ルーチンを一旦終了する。これに対し、塊数と錠剤数とが一致している場合には、ステップS307において、各塊の重心位置に対し、ポケットウインドウPW及び錠剤追従ウインドウJTWを設定する。また、錠剤重心座標平均HAV(シート単位の錠剤5のそれぞれの重心位置のxy平均座標)及び当該錠剤重心座標平均に対する各ポケット位置を格納(記憶)しておく。ここで、上記ポケットウインドウPWというのは、図2(d)に示すように、ポケット部2の外輪部分に相当する部位が円状の枠体として設定されるものであり、少なくともポケット部2を含む大きさを具備している。また、錠剤追従ウインドウJTWというのは錠剤5を捉えるための矩形状の枠体として設定されており、少なくともポケット部2を含む大きさを具備している。錠剤5は、前記錠剤追従ウインドウJTWの範囲内で探されることとなる。
次に、ステップS308では、ポケットウインドウPWの傾斜補正を実行する。より詳しくは、PTPフィルム20が傾斜した状態で移送される場合があり、この場合には、ポケット部2の中心と錠剤5の中心とは必ずしも一致せず、所定方向にずれるケースがある。すなわち、上記ステップS107では錠剤5に基づいて位置を自動的に設定したものの、実際の画像ではポケット部2の中心と錠剤5の中心とがずれている場合には、手動でポケットウインドウPW全体を所定方向(例えば幅方向)に移動補正することが行われる。その後、ステップS309で、各種設定を行い、モニタ25での表示処理を実行する。ここで、各種設定には、主としてHタイプ検査を行うに際してのポケットウインドウPW及び錠剤追従ウインドウJTWの確定処理が含まれる。ここで確定(設定)されたポケットウインドウPW及び錠剤追従ウインドウJTWは、次に述べるHタイプ錠剤部検査ルーチンでの検査に際して使用されるものである。
一方、前記ステップS302で否定判定された場合には、ステップS310においてEタイプでのポケット部位置データ(座標データ)を利用するべく、当該Eタイプでのポケット部位置データ(座標データ)画像のずれ量分だけ移動させ、その後、ステップS309へ移行する。尚、ずれ量分だけ移動させるのは、上述した撮像タイミングの差異によるずれ量を補正するためである。
続いて、Hタイプ錠剤部検査について説明する。図12の「Hタイプ錠剤部検査ルーチン(検査モード)」に示すように、検査に際しては、先ずステップS401において、検査対象たるPTPフィルム20のカラー画像を取得する。次に、ステップS402においては、錠剤・ポケット部位置を当該Hタイプで設定するか否かを判定する。そして、錠剤・ポケット部位置をHタイプで設定すべきと判定された場合には、ステップS403において、ステップS401で取得した検査カラー画像を輝度及びRGB比率で二値化し、当該二値化データを画像メモリ41Hに格納する。
次に、ステップS404でラベリング処理(塊処理)を行い、ステップS405で錠剤追従ウインドウJTW領域に含まれる塊を抽出する。ここで、当該検査が初回の場合には、前記「Hタイプ錠剤部設定ルーチン(サンプルモード)」で設定された錠剤追従ウインドウJTWが採用され、その領域に含まれる塊が抽出される。これに対し、当該検査が2回目以降の場合には、前回設定された錠剤追従ウインドウJTWが採用される。そして、続くステップS406において、面積値が基準錠剤面積Lo未満の塊を除去する。その後、ステップS407では、表面剥離に関する検査及び判定が実行される。錠剤表面剥離の検査については、ここでの具体的記載は省略するが、例えば、撮像されたカラー画像データにおいては、例えば着色された(例えば黄色い)糖衣錠だと、糖衣部分が黄色で、剥離部分が白色となり、色調が相違する。従って、剥離が存在すると塊部分の形状や面積が正常なものと相違することとなり、これを適切に検出することで、錠剤表面剥離等の異常が検査できるのである。勿論、当該検査に際しては、剥離の他、錠剤5の面積、形状、異物の有無、捺印等に関する検査を行うこととしてもよい。
次に、次回以降の検査、或いは他の検査のため、ステップS408〜ステップS410の処理でポケットウインドウPW及び錠剤追従ウインドウJTWを設定し直す処理を行う。すなわち、ステップS408では、前記ステップS407で良品と判定された塊の重心位置を求める。続くステップS409では、良品錠の重心位置(但し、不良錠や欠錠の場合は前回の良品錠の重心位置を適用)の座標平均を求め、前記「Hタイプ錠剤部設定ルーチン(サンプルモード)」で格納された錠剤重心座標平均HAV(ステップS307)との差分αを求める。そして、ステップS410において、前記「Hタイプ錠剤部設定ルーチン(サンプルモード)」で設定されたポケットウインドウPW及び錠剤追従ウインドウJTW(ステップS307)を差分αだけ移動して設定する。その後、ステップS411においてモニタ25での表示処理を実行し、その後の処理を一旦終了する。
一方、前記ステップS402で否定判定された場合には、ステップS412においてEタイプでの錠剤・ポケット部位置データ(座標データ)を利用するべく、当該Eタイプでの錠剤・ポケット部位置データ(座標データ)画像のずれ量分だけ移動させ、その後、ステップS411へ移行する。尚、ずれ量分だけ移動させるのは、上述した撮像タイミングの差異によるずれ量を補正するためである。
このように、本実施形態では、上記処理を行うことで、錠剤・ポケット部位置を適正に特定することができ、正確な検査を実現することができる。また、Hタイプで設定できない場合でも、Eタイプの錠剤・ポケット部位置データを用いることとしているため、このような場合であっても正確に検査を行うことができる。
次に、「Hタイプ検査」のシート部の検査について説明する。Hタイプシート部の検査に際しては、当該検査に先だって事前に図13に示すような「Hタイプシート部設定ルーチン(サンプルモード)」が実行される。
同ルーチンにおいては、ステップS501において、先ず、良品(不良品でないことが明らかなPTPフィルム20)のカラー画像を取得する。次に、ステップS502においては、錠剤・ポケット部位置を当該Hタイプで設定するか否かを判定する。錠剤・ポケット部位置をHタイプで設定すべきと判定された場合には、ステップS503において、ポケット部位置をシート部撮影画像から算出するか否かを判定する。すなわち、当該シート部用の撮影画像で錠剤位置(ポケット位置)が特定できるか否かを判断する。そして、肯定判定された場合には、当該シート部用の撮影画像を用いるべく、ステップS504において、上記ステップS501で取得した良品カラー画像を輝度及びRGB比率で二値化し、当該二値化データを画像メモリ41Hに格納する。
次に、ステップS505でラベリング処理(塊処理)を行い、ステップS506で面積値が基準錠剤面積Lo未満の塊を除去する。その後、ステップS507では、シート単位での塊数と錠剤数とが一致するか否かを判断し、不一致ならば、当該ルーチンを一旦終了する。これに対し、塊数と錠剤数とが一致している場合には、ステップS508において、各塊の重心位置に対し、ポケットウインドウPW及び錠剤追従ウインドウJTWを設定する。また、錠剤重心座標平均HAV(シート単位の錠剤5のそれぞれの重心位置のxy平均座標)及び当該錠剤重心座標平均に対する各ポケット位置を格納(記憶)しておく。
次に、ステップS509では、ポケットウインドウPWの傾斜補正を実行する。すなわち、実際の画像でポケット部2の中心と錠剤5の中心とがずれている場合には、手動でポケットウインドウPW全体を所定方向(例えば幅方向)に移動補正する。その後、ステップS510で、各種設定を行い、モニタ25での表示処理を実行する。ここで、各種設定には、主としてHタイプ検査を行うに際してのポケットウインドウPW及び錠剤追従ウインドウJTWの確定処理が含まれる。ここで確定(設定)されたポケットウインドウPW及び錠剤追従ウインドウJTWは、次に述べるHタイプシート部検査ルーチンでの検査に際して使用されるものである。
これに対し、前記ステップS503で否定判定された場合、つまり、シート部用の撮影画像では、錠剤位置(ポケット位置)が特定できないと判断された場合には、錠剤部用の撮影画像を用いるべく、ステップS511において、錠剤部設定ルーチン(図11)で求めたポケット部位置データを、撮影タイミングのずれ量分だけ移動させてポケット部位置データとして格納し、ステップS510へ移行する。
一方、前記ステップS502で否定判定された場合には、ステップS512において後述するEタイプでのポケット部位置データ(座標データ)を利用するべく、Eタイプ(図17参照)でのポケット部位置データ(座標データ)画像のずれ量分だけ移動させ、その後、ステップS509へ移行する。尚、ずれ量分だけ移動させるのは、上述した撮像タイミングの差異によるずれ量を補正するためである。
続いて、Hタイプシート部検査について説明する。図14の「Hタイプシート部検査ルーチン(検査モード)」に示すように、検査に際しては、先ずステップS601において、検査対象たるPTPフィルム20のカラー画像を取得する。次に、ステップS602においては、錠剤・ポケット部位置を当該Hタイプで設定するか否かを判定する。そして、錠剤・ポケット部位置をHタイプで設定すべきと判定された場合には、ステップS603において、ポケット部位置をシート部撮影画像から算出するか否かを判定する。すなわち、当該シート部用の撮影画像で錠剤位置(ポケット位置)が特定できるか否かを判断する。そして、肯定判定された場合には、当該シート部用の撮影画像を用いるべく、ステップS604において、上記ステップS601で取得した検査カラー画像を輝度及びRGB比率で二値化し、当該二値化データを画像メモリ41Hに格納する。
次に、ステップS605でラベリング処理(塊処理)を行い、ステップS606で錠剤追従ウインドウJTW領域に含まれる塊を抽出する。ここで、当該検査が初回の場合には、前記「Hタイプシート部設定ルーチン(サンプルモード)」で設定された錠剤追従ウインドウJTWが採用され、その領域に含まれる塊が抽出される。これに対し、当該検査が2回目以降の場合には、前回設定された錠剤追従ウインドウJTWが採用される。そして、続くステップS607において、面積値が基準錠剤面積Lo未満の塊を除去する。
その後、ステップS608では、前記錠剤部検査ルーチンで良品と判定されたポケット部位置について塊の重心位置を求める。但し、複数の塊がある場合にはラベリング処理で最初に見つかった塊が優先される。続くステップS609では、良品錠ポケット部の重心位置(但し、不良錠や欠錠の場合は前回の良品錠ポケット部の重心位置を適用)の座標平均を求め、前記「Hタイプシート部設定ルーチン(サンプルモード)」で格納された錠剤重心座標平均HAV(ステップS508)との差分αを求める。そして、ステップS610において、前記「Hタイプシート部設定ルーチン(サンプルモード)」で設定されたポケットウインドウPW及び錠剤追従ウインドウJTW(ステップS508)を差分αだけ移動して設定する。その後、ステップS611において、検査、判定を行い、モニタ25での表示処理を実行し、その後の処理を一旦終了する。
ここでの検査、判定に際しては、ポケット部にマスキングが施された上でシート部の異物検査が実行される。シート部異物検査については、ここでの具体的記載は省略するが、例えば、撮像されたカラー画像データにおいては、例えば正常なシート部とは異なる異物が存在すると、正常なシート部分とは異なる色調部分が検出されることがある。従って、かかる検出をすることで、カラー画像特有のシート部検査を行うことができ、これを適切に行うことで、Hタイプ検査においても、特有のシート部の異常が検査できるのである。
これに対し、前記ステップS603で否定判定された場合、つまり、シート部用の撮影画像では、錠剤位置(ポケット位置)が特定できないと判断された場合には、錠剤部用の撮影画像を用いるべく、ステップS612において、錠剤部設定ルーチン(図12)で求めたポケット部位置データを、撮影タイミングのずれ量分だけ移動させてポケット部位置データとして格納し、ステップS611へ移行する。
一方、前記ステップS602で否定判定された場合には、ステップS613においてEタイプでの錠剤・ポケット部位置データ(座標データ)を利用するべく、当該Eタイプでの錠剤・ポケット部位置データ(座標データ)画像のずれ量分(図18参照)だけ移動させ、その後、ステップS611へ移行する。尚、ずれ量分だけ移動させるのは、上述した撮像タイミングの差異によるずれ量を補正するためである。
このように、本実施形態では、上記処理を行うことで、ポケット部位置を適正に特定することができ、正確なマスキング処理を施した上で正確な検査を実現することができる。また、Hタイプで設定できない場合でも、Eタイプの錠剤・ポケット部位置データを用いることとしているため、このような場合であっても正確に検査を行うことができる。
次に、シート異物・錠剤異物の検出を主目的とする「Eタイプ検査」について図15〜図18のフローチャートに従って説明する。本実施形態では、Eタイプ検査においても、錠剤部およびシート部の検査を行うこととしている。まずは、錠剤部の検査について説明する。Eタイプ検査に際しては、当該錠剤部の検査に先だって事前に図15に示すような「Eタイプ錠剤部設定ルーチン(サンプルモード)」が実行される。
同ルーチンにおいては、ステップS701において、先ず、良品(不良品でないことが明らかなPTPフィルム20)の濃淡画像を取得する。次に、ステップS702においては、錠剤・ポケット部位置を当該Eタイプで設定するか否かを判定する。上述のとおり、錠剤・ポケット部位置は、当該Eタイプ又は前記したHタイプで把握することができ、把握のしやすさは、そのときどきの照射態様等によって相違する。この点を踏まえ、当該ステップS702でも同様の判定することとしているのである。錠剤・ポケット部位置をEタイプで設定すべきと判定された場合には、ステップS703において、ステップS701で取得した良品濃淡画像を錠剤検知レベルで二値化し、当該二値化データを画像メモリ41Eに格納する。
次に、ステップS704でラベリング処理(塊処理)を行い、ステップS705で面積値が基準錠剤面積Lo未満の塊を除去する。その後、ステップS706では、シート単位での塊数と錠剤数とが一致するか否かを判断し、不一致ならば、当該ルーチンを一旦終了する。これに対し、塊数と錠剤数とが一致している場合には、ステップS707において、各塊の重心位置に対し、ポケットウインドウPW及び錠剤追従ウインドウJTWを設定する。また、錠剤重心座標平均HAV(シート単位の錠剤5のそれぞれの重心位置のxy平均座標)及び当該錠剤重心座標平均に対する各ポケット位置を格納(記憶)しておく。
次に、ステップS708では、ポケットウインドウPWの傾斜補正を実行する。その後、ステップS709で、各種設定を行い、モニタ25での表示処理を実行する。ここで、各種設定には、主としてEタイプ検査を行うに際してのポケットウインドウPW及び錠剤追従ウインドウJTWの確定処理が含まれる。ここで確定(設定)されたポケットウインドウPW及び錠剤追従ウインドウJTWは、次に述べるEタイプ錠剤部検査ルーチンでの検査に際して使用されるものである。
一方、前記ステップS702で否定判定された場合には、ステップS710においてHタイプでの錠剤・ポケット部位置データ(座標データ)を利用するべく、当該Hタイプでの錠剤・ポケット部位置データ(座標データ)画像のずれ量分だけ移動させ、その後、ステップS710へ移行する。尚、ずれ量分だけ移動させるのは、上述した撮像タイミングの差異によるずれ量を補正するためである。
続いて、Eタイプ錠剤部検査について説明する。図16の「Eタイプ錠剤部検査ルーチン(検査モード)」に示すように、検査に際しては、先ずステップS801において、検査対象たるPTPフィルム20の濃淡画像を取得する。次に、ステップS802においては、錠剤・ポケット部位置を当該Eタイプで設定するか否かを判定する。そして、錠剤・ポケット部位置をEタイプで設定すべきと判定された場合には、ステップS803において、ステップS801で取得した検査濃淡画像を錠剤検知レベルで二値化し(後述する錠剤検査に用いられる)、当該二値化データを画像メモリ41Eに格納する。また、これとともに、ステップS801で取得した検査濃淡画像を錠剤異物検知レベルで二値化し(後述する粉噛み検査に用いられる)、当該二値化データを画像メモリ41Eに格納する。
次に、ステップS804でラベリング処理(塊処理)を行い、ステップS805で錠剤追従ウインドウJTW領域に含まれる塊を抽出する。ここで、当該検査が初回の場合には、前記「Eタイプ錠剤部設定ルーチン(サンプルモード)」で設定された錠剤追従ウインドウJTWが採用され、その領域に含まれる塊が抽出される。これに対し、当該検査が2回目以降の場合には、前回設定された錠剤追従ウインドウJTWが採用される。そして、続くステップS806において、面積値が基準錠剤面積Lo未満の塊を除去する。その後、ステップS807では、錠剤に関する検査及び判定が実行される。錠剤の検査については、ここでの具体的記載は省略するが、例えば、錠剤に異物等が付着していた場合、付着していない部位に比べ、輝度(濃淡度合い)が相違する。従って、かかる異物の存在を適切に検出することで、錠剤上の異物付着等の異常が検査できるのである。勿論、当該検査に際しては、異物付着の他、錠剤5の面積、形状、捺印等に関する検査を行うこととしてもよい。
次に、次回以降の検査、或いは他の検査等のため、ステップS808〜ステップS810の処理でポケットウインドウPW及び錠剤追従ウインドウJTWを設定し直す処理を行う。すなわち、ステップS808では、前記ステップS707で良品と判定された塊の重心位置を求める。続くステップS809では、良品錠の重心位置(但し、不良錠や欠錠の場合は前回の良品錠の重心位置を適用)の座標平均を求め、前記「Eタイプ錠剤部設定ルーチン(サンプルモード)」で格納された錠剤重心座標平均HAV(ステップS707)との差分αを求める。そして、ステップS810において、前記「Eタイプ錠剤部設定ルーチン(サンプルモード)」で設定されたポケットウインドウPW及び錠剤追従ウインドウJTW(ステップS707)を差分αだけ移動して設定する。その後、ステップS811において、シートの粉噛みの検査・判定を特別に実行するとともに、モニタ25での表示処理を実行し、その後の処理を一旦終了する。尚、上述するルーチンでシートの検査を行うのであるが、ここでシートの粉噛みを検査することとしているのは、次の事情による。すなわち、後述するシート検査では、一般にシートよりも暗い毛髪、黒点等が検査されうるが、錠剤の粉のように比較的明るいものの存在を検出するのは困難である。そこで、当該ステップS811において、シートの粉噛みを特別に検査することとしているのである。これにより、シート部中に粉噛み等が起こった場合でもそれを適正に検出することができる。
一方、前記ステップS802で否定判定された場合には、ステップS812においてHタイプでの錠剤・ポケット部位置データ(座標データ)を利用するべく、当該Hタイプでの錠剤・ポケット部位置データ(座標データ)画像のずれ量分だけ移動させ、その後、ステップS811へ移行する。尚、ずれ量分だけ移動させるのは、上述した撮像タイミングの差異によるずれ量を補正するためである。
このように、本実施形態では、上記処理を行うことで、錠剤・ポケット部位置を適正に特定することができ、正確な検査を実現することができる。また、Eタイプで設定できない場合でも、Hタイプの錠剤・ポケット部位置データを用いることとしているため、このような場合であっても正確に検査を行うことができる。
次に、「Eタイプ検査」のシート部の検査について説明する。Eタイプシート部の検査に際しては、当該検査に先だって事前に図17に示すような「Eタイプシート部設定ルーチン(サンプルモード)」が実行される。
同ルーチンにおいては、まずステップS901において、良品(不良品でないことが明らかなPTPフィルム20)の濃淡画像を取得する。次に、ステップS902においては、錠剤・ポケット部位置を当該Eタイプで設定するか否かを判定する。錠剤・ポケット部位置をEタイプで設定すべきと判定された場合には、ステップS903において、ポケット部位置をシート部撮影画像から算出するか否かを判定する。すなわち、当該シート部用の撮影画像で錠剤位置(ポケット位置)が特定できるか否かを判断する。そして、肯定判定された場合には、当該シート部用の撮影画像を用いるべく、ステップS904において、上記ステップS901で取得した良品濃淡画像を錠剤抽出レベル(錠剤5を抽出できる程度の輝度レベル)で二値化し、当該二値化データを画像メモリ41Eに格納する。
次に、ステップS905でラベリング処理(塊処理)を行い、ステップS906で面積値が基準錠剤面積Lo未満の塊を除去する。その後、ステップS907では、シート単位での塊数と錠剤数とが一致するか否かを判断し、不一致ならば、当該ルーチンを一旦終了する。これに対し、塊数と錠剤数とが一致している場合には、ステップS908において、各塊の重心位置に対し、ポケットウインドウPW及び錠剤追従ウインドウJTWを設定する。また、錠剤重心座標平均HAV(シート単位の錠剤5のそれぞれの重心位置のxy平均座標)及び当該錠剤重心座標平均に対する各ポケット位置を格納(記憶)しておく。
次に、ステップS909では、ポケットウインドウPWの傾斜補正を実行する。その後、ステップS910で、各種設定を行い、モニタ25での表示処理を実行する。ここで、各種設定には、主としてEタイプ検査を行うに際してのポケットウインドウPW及び錠剤追従ウインドウJTWの確定処理が含まれる。ここで確定(設定)されたポケットウインドウPW及び錠剤追従ウインドウJTWは、次に述べるEタイプシート部検査ルーチンでの検査に際して使用されるものである。
これに対し、前記ステップS903で否定判定された場合、つまり、シート部用の撮影画像では、錠剤位置(ポケット位置)が特定できないと判断された場合には、錠剤部用の撮影画像を用いるべく、ステップS911において、錠剤部設定ルーチン(図15)で求めたポケット部位置データを、撮影タイミングのずれ量分だけ移動させてポケット部位置データとして格納し、ステップS910へ移行する。
一方、前記ステップS902で否定判定された場合には、ステップS912において後述するHタイプでのポケット部位置データ(座標データ)を利用するべく、Hタイプ(図13参照)でのポケット部位置データ(座標データ)画像のずれ量分だけ移動させ、その後、ステップS910へ移行する。尚、ずれ量分だけ移動させるのは、上述した撮像タイミングの差異によるずれ量を補正するためである。
続いて、Eタイプシート部検査について説明する。図18の「Eタイプシート部検査ルーチン(検査モード)」に示すように、検査に際しては、先ずステップS1001において、検査対象たるPTPフィルム20の濃淡画像を取得する。次に、ステップS1002においては、錠剤・ポケット部位置を当該Eタイプで設定するか否かを判定する。そして、錠剤・ポケット部位置をEタイプで設定すべきと判定された場合には、ステップS1003において、ポケット部位置をシート部撮影画像から算出するか否かを判定する。すなわち、当該シート部用の撮影画像で錠剤位置(ポケット位置)が特定できるか否かを判断する。そして、肯定判定された場合には、当該シート部用の撮影画像を用いるべく、ステップS1004において、上記ステップS1001で取得した検査濃淡画像を錠剤抽出レベルで二値化し、当該二値化データを画像メモリ41Eに格納する。
次に、ステップS1005でラベリング処理(塊処理)を行い、ステップS1006で錠剤追従ウインドウJTW領域に含まれる塊を抽出する。ここで、当該検査が初回の場合には、前記「Eタイプシート部設定ルーチン(サンプルモード)」で設定された錠剤追従ウインドウJTWが採用され、その領域に含まれる塊が抽出される。これに対し、当該検査が2回目以降の場合には、前回設定された錠剤追従ウインドウJTWが採用される。そして、続くステップS1007において、面積値が基準錠剤面積Lo未満の塊を除去する。
その後、ステップS1008では、前記錠剤部検査ルーチンで良品と判定されたポケット部位置について塊の重心位置を求める。但し、複数の塊がある場合にはラベリング処理で最初に見つかった塊が優先される。続くステップS1009では、良品錠ポケット部の重心位置(但し、不良錠や欠錠の場合は前回の良品錠ポケット部の重心位置を適用)の座標平均を求め、前記「Eタイプシート部設定ルーチン(サンプルモード)」で格納された錠剤重心座標平均HAV(ステップS908)との差分αを求める。そして、ステップS1010において、前記「Eタイプシート部設定ルーチン(サンプルモード)」で設定されたポケットウインドウPW及び錠剤追従ウインドウJTW(ステップS908)を差分αだけ移動して設定する。その後、ステップS1011において、検査、判定を行い、モニタ25での表示処理を実行し、その後の処理を一旦終了する。
ここでの検査、判定に際しては、ポケット部にマスキングが施された上でシート部の異物検査が実行される。シート部異物検査については、ここでの具体的記載は省略するが、例えば、撮像された濃淡画像データにおいては、例えば正常なシート部とは異なる暗い異物が存在すると、正常なシート部分よりも暗い部分が検出されることがある。従って、かかる検出をすることで、毛髪や黒点等の異物に関するシート部検査を行うことができ、これを適切に行うことで、Eタイプ検査をより正確に行うことができる。
これに対し、前記ステップS1003で否定判定された場合、つまり、シート部用の撮影画像では、錠剤位置(ポケット位置)が特定できないと判断された場合には、錠剤部用の撮影画像を用いるべく、ステップS1012において、錠剤部検査ルーチン(図16)で求めたポケット部位置データを、撮影タイミングのずれ量分だけ移動させてポケット部位置データとして格納し、ステップS1011へ移行する。
一方、前記ステップS1002で否定判定された場合には、ステップS1013においてHタイプでの錠剤・ポケット部位置データ(座標データ)を利用するべく、当該Hタイプでの錠剤・ポケット部位置データ(座標データ)画像のずれ量分だけ移動させ、その後、ステップS1011へ移行する。尚、ずれ量分だけ移動させるのは、上述した撮像タイミングの差異によるずれ量を補正するためである。
このように、本実施形態では、上記処理を行うことで、ポケット部位置を適正に特定することができ、正確なマスキング処理を施した上で正確な検査を実現することができる。また、Eタイプで設定できない場合でも、Hタイプの錠剤・ポケット部位置データを用いることとしているため、このような場合であっても正確に検査を行うことができる。
以上詳述したように、本実施形態によれば、1つの外観検査装置21でもって、シート異物・錠剤異物に関する検査(Eタイプ検査)、錠剤表面剥離に関する検査(Hタイプ検査)、及び、シール不良(Sタイプ検査)が行われる。このため、検査効率の飛躍的な向上を図ることができるのは勿論のこと、外観検査に必要なハード面(例えば照明装置や撮像装置や画像処理装置等の制御装置等)のコンパクト化、簡素化等を図ることが可能となる。
また、本実施形態では、単に3つの検査を行うこととしたのではなく、各検査に際しては、他の検査において抽出した錠剤の位置情報、ポケット部の位置情報を利用可能としている。従来では、錠剤やカバーフィルムの明度差や色合い等に起因して、適正に錠剤位置やポケット部位置の検出ができないことも懸念され、また、検査によっては、手動で錠剤位置やポケット部位置を入力したりしなければならないケースもあったりした。これに対し、本実施形態では、所定の検査に際し、錠剤位置やポケット部位置の検出ができなかったとしても、他の検査における情報を利用できる。従って、正確な位置情報に基づいた正確な検査を実行することができ、また手動入力といった煩わしさを払拭することができる。結果として、検査精度及び検査効率の飛躍的な向上を図ることができる。
他の検査における情報を利用できることによるメリットの一例についてさらに言及すると、一般的に、シール不良に関する(Sタイプ)検査に際しては、元々の非シール部分であるポケット部2にはマスキングが施された上で検査が実施されるが、当該マスキングの精度が検査の精度に影響を与えやすく、かかる意味でポケット部2の位置情報(錠剤5の位置情報)は非常に重要であるといえる。一方で、シール不良に関する(Sタイプ)検査に際しては、正反射光を照射するのが効果的であるところ、かかる正反射光ではポケット部2を特定することが困難である。この点、本実施形態では、少なくともシール不良に関する(Sタイプ)検査に際しては、シート異物・錠剤異物に関する(Eタイプ)検査又は錠剤表面剥離に関する(Hタイプ)検査において認識した錠剤の位置情報、ポケット部の位置情報が利用された上で検査されるため、シール不良(Sタイプ)検査に好適な正反射光を照射した上で、正確な位置情報に基づいたマスキングを実行できる。そのため、検査精度を飛躍的に高めることができる。
さらに、本実施形態では、3つの検査がほぼ同一のポジションで行われるため、別の場所でそれぞれの検査を行う場合に比べて、搬送方向でのずれの影響を最小限に抑制でき、検査精度のさらなる向上を図ることができる。
特に、各検査に際し、照明装置22からは、各検査に応じた態様で赤外光、白色光が検査対象に対して照射されることとしており、1台の照明装置22が各検査に際し共用される。従って、各検査毎に個別に照明装置を必要としていた従来技術に比べ、著しいハード面でのコンパクト化を図ることができ、スペース面での効率化、コストの低減等の効果が奏される。また、照明装置22を上記のとおり第1〜第3の照射手段IR1〜IR3及び第4〜第6の照射手段WH4〜WH6により構成することで、各検査に見合った好適な照射態様を1台の照明装置22で実現することができ、結果として、上記作用効果がより確実に奏される。
しかも、各検査に際しては、それぞれ固有のカメラ23E,23H,23Sが用いられるのであるが、各カメラ23E,23H,23Sは、ほぼ同一箇所を撮像可能であるため、搬送方向でのずれの影響を最小限に抑制でき、検査精度の一層の向上を図ることができる。また、所定の検査に際し、他の1つの検査において認識した錠剤の位置情報やポケット部の位置情報を利用する場合でも、当該情報がほぼ同一箇所のものであるため、信頼性を高めることができる。さらに、若干の撮像タイミングのずれが生じた場合において、当該ずれを考慮した補正を行う場合でも、誤差を極力少なくできる。その上、各カメラ23E,23H,23Sがほぼ1箇所に集結して設置されているため、設置スペース上のメリットが大きく、また、撮影対象までの距離をいずれの検査に際してもほぼ一定とすることができる。結果として、データを相互利用する場合でもその信頼性を一層高めることができる。
以上説明した実施形態において、例えば、次のように構成の一部を適宜変更して実施することも可能である。勿論、以下において例示しない他の変更例も当然可能である。
(a)上記実施形態では、1つの外観検査装置21において、Eタイプ、Hタイプ及びSタイプの3つの検査を行うようにしているが、これらのうちの2つの検査を行う場合に具体化してもよい。この場合においても、所定の検査を行うに際しては、他の1つの検査において認識した錠剤の位置情報及びポケット部の位置情報のうち少なくとも一方を利用可能とする必要がある。
(b)上記実施形態では、Hタイプ検査において、シート部の検査を実行することとしているが、当該シート部の検査を省略してもよい。
(c)各検査における照射態様は、必ずしも上記実施形態のものに限定されるものではない。例えば、Eタイプ検査に際しては、上記例では赤外光に関する照射手段IR1〜IR3については全て点灯状態(=照射状態,オン状態)とされ、白色光に関する照射手段WH4〜WH6については全て消灯状態(=非照射状態,オフ状態)とされているが、例えば、第3の照射手段IR3のみをオン状態としてもよいし、第1及び第2の照射手段IR1,IR2のみをオン状態としてもよい。尚、少なくとも第1及び第2の照射手段IR1,IR2から光が照射される構成とすると、錠剤として平錠(平坦面を有する)が採用された場合に特に有効である。また、錠剤の割線が深い場合には、第1の照射手段IR1からの光を照射することが有効である。
また、Hタイプ検査に際しては、上記例では、白色光に関する照射手段WH4〜WH6については全て点灯状態(=照射状態,オン状態)とされ、赤外光に関する照射手段IR1〜IR3については全て消灯状態(=非照射状態,オフ状態)とされているが、例えば、第6の照射手段WH6のみをオン状態としてもよい。尚、少なくとも第5の照射手段WH5から白色光が照射される構成とすると、錠剤として糖衣錠、或いは面取り部のある平錠が採用された場合に特に有効である。また、錠剤の割線が深い場合には、第4の照射手段WH4からの白色光を照射することが有効である。
さらに、Sタイプ検査に際しては、上記例では、赤外光に関する第1の照射手段IR1及び第3の照射手段IR3についてのみ点灯状態(=照射状態,オン状態)とされ、それ以外については全て消灯状態(=非照射状態,オフ状態)とされているが、例えば、第3の照射手段IR3についてのみオン状態としてもよい。尚、画角を考慮した場合、少なくとも第1の照射手段IR1から赤外光を照射するのが望ましい。
(d)上記実施形態では特に言及していないが、錠剤5が茶色系又は暗色系であり、シート地色が銀色又は錠剤5と異色系の場合には、少なくともSタイプ検査及び/又はEタイプ検査に際しては、Sタイプ検査において認識した錠剤、ポケット部の位置情報を利用した上で検査することが望ましい。錠剤5が茶色系又は暗色系(例えば焦げ茶や黒等、カプセルも含む)であり、シート地色が銀色又は錠剤と異色系の場合には、シート部と錠剤部との明度差が生じにくく、錠剤5を抽出(特定)することが困難となる傾向にある。この点、上記のように構成すると、少なくともSタイプ検査及びEタイプ検査に際しては、Hタイプ検査において認識した錠剤、ポケット部の位置情報が利用された上で検査される。つまり、Hタイプ検査においては、色調差(RGB)を検出できるため、これに基づきポケット部2の位置情報等を正確に抽出することができる。そして、当該位置情報を利用した上で検査が行われるため、Sタイプ及びEタイプ検査に際しても、精度の高い検査を実現できる。
また、錠剤5が白色系であり、シート地色が銀色若しくは錠剤と同色系の場合、又は、錠剤5が捺印の施されたカプセルである場合には、少なくともSタイプ検査及び/又はHタイプ検査に際しては、Eタイプ検査において認識した錠剤、ポケット部の位置情報を利用した上で検査するのが望ましい。錠剤5が白色系(白、淡い青、黄、緑、桃等、糖衣錠やフィルムコート錠も含む)であり、シート地色が銀色若しくは錠剤と同色系の場合、又は、錠剤が捺印の施されたカプセル(2色を含む)である場合、Sタイプ検査、Hタイプ検査に際しては、色合い、明度が同等であったり、或いは、捺印位置が規定できなかったりして、錠剤5を抽出(特定)することが困難となる傾向にある。この点、上記構成とすることで、少なくともSタイプ検査、Hタイプ検査に際しては、Eタイプ検査において認識した錠剤、ポケット部の位置情報が利用された上で検査される。つまり、Eタイプ検査においては、主として拡散光による照射態様により、ポケット部2の立ち上がり部分を精度よく検出できるため、これに基づきポケット部2の位置情報等を正確に抽出することができる。そして、当該位置情報を利用した上で検査が行われるため、Sタイプ検査、Hタイプ検査に際しても、精度の高い検査を実現できる。
外観検査装置の電気的構成を示すブロック図である。 (a)はPTPシートを示す斜視図であり、(b)はPTPシートを示す部分拡大断面図であり、(c)はPTPシートの一部を密封用フィルム側から見た場合の平面図であり、(d)はポケットウインドウ及び錠剤追従ウインドウの概念を説明するための図である。 PTP包装機等の概略構成を示す模式図である。 照明装置の概略構成を説明する模式的な断面図である。 (a)は照明手段と各カメラの関係を示す模式図であり、(b)はE用カメラとS用カメラの配置関係を示す模式図である。 Eタイプ検査に際しての照射態様を説明するための照明装置の模式的な断面図である。 Hタイプ検査に際しての照射態様を説明するための照明装置の模式的な断面図である。 Sタイプ検査に際しての照射態様を説明するための照明装置の模式的な断面図である。 各検査の撮像タイミングを説明するためのタイミングチャートである。 (a)は「Sタイプ設定ルーチン」を示すフローチャートであり、(b)は「Sタイプ検査ルーチン」を示すフローチャートである。 「Hタイプ錠剤部設定ルーチン」を示すフローチャートである。 「Hタイプ錠剤部検査ルーチン」を示すフローチャートである。 「Hタイプシート部設定ルーチン」を示すフローチャートである。 「Hタイプシート部検査ルーチン」を示すフローチャートである。 「Eタイプ錠剤部設定ルーチン」を示すフローチャートである。 「Eタイプ錠剤部検査ルーチン」を示すフローチャートである。 「Eタイプシート部設定ルーチン」を示すフローチャートである。 「Eタイプシート部検査ルーチン」を示すフローチャートである。
符号の説明
1…シートとしてのPTPシート、2…ポケット部、3…包装用フィルムとしての容器フィルム、4…カバーフィルムとしての密封用フィルム、5…錠剤、6…シール線、7…PTP包装機、21…外観検査装置、22…照明装置、23E…撮像手段としてのE用カメラ、23H…撮像手段としてのH用カメラ、23S…撮像手段としてのS用カメラ、24手画像処理装置、IR1…第1の照射手段、IR2…第2の照射手段、IR3…第3の照射手段、WH4…第4の照射手段、WH5…第5の照射手段、WH6…第6の照射手段。

Claims (12)

  1. 包装用フィルムに形成されたポケット部に錠剤が収容され、前記ポケット部を塞ぐようにカバーフィルムがシール状態で取着されるPTPシートの製造に際し用いられる外観検査装置であって、
    シート異物・錠剤異物に関する検査、錠剤表面剥離に関する検査、及び、シール不良に関する検査のうち、少なくとも2つの検査を行うとともに、所定の検査に際しては、他の1つの検査において認識した錠剤の位置情報及びポケット部の位置情報のうち少なくとも一方を利用可能としたことを特徴とする外観検査装置。
  2. 包装用フィルムに形成されたポケット部に錠剤が収容され、前記ポケット部を塞ぐようにカバーフィルムがシール状態で取着されるPTPシートの製造に際し用いられる外観検査装置であって、
    シート異物・錠剤異物に関する検査、錠剤表面剥離に関する検査、及び、シール不良に関する検査のうち、少なくとも2つの検査をほぼ同一のポジションで行うとともに、所定の検査に際しては、他の1つの検査において認識した錠剤の位置情報及びポケット部の位置情報のうち少なくとも一方を利用可能としたことを特徴とする外観検査装置。
  3. 包装用フィルムに形成されたポケット部に錠剤が収容され、前記ポケット部を塞ぐようにカバーフィルムがシール状態で取着されるPTPシートの製造に際し用いられる外観検査装置であって、
    シート異物・錠剤異物に関する検査、錠剤表面剥離に関する検査、及び、シール不良に関する検査を、ほぼ同一のポジションで行うとともに、所定の検査に際しては、他の1つの検査において認識した錠剤の位置情報及びポケット部の位置情報のうち少なくとも一方を利用可能としたことを特徴とする外観検査装置。
  4. 前記各検査に際し共用される1台の照明装置を備え、当該照明装置は、各検査に応じた態様で光を検査対象に対して照射可能に構成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の外観検査装置。
  5. 前記照明装置は、前記シート異物・錠剤異物に関する検査及び/又はシール不良に関する検査に際しては赤外光を照射可能であり、前記錠剤表面剥離に関する検査に際しては白色光を照射可能であることを特徴とする請求項4に記載の外観検査装置。
  6. 前記各検査に際し用いられる固有の撮像手段を備え、
    各撮像手段は、ほぼ同一箇所を撮像可能であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の外観検査装置。
  7. 前記各検査に際し用いられる固有の撮像手段を備え、
    各撮像手段は、ほぼ1箇所に集結して設置されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の外観検査装置。
  8. 包装用フィルムに形成されたポケット部に錠剤が収容され、前記ポケット部を塞ぐようにカバーフィルムがシール状態で取着されるPTPシートの製造に際し用いられる外観検査装置であって、
    シート異物・錠剤異物に関する検査、錠剤表面剥離に関する検査、及び、シール不良に関する検査を、
    各検査毎に検査対象に対し適正な光を切換照射可能な1台の照明装置と、
    前記各検査に際し用いられ、前記照明装置で照射されたほぼ同一箇所を撮像可能な各検査固有の撮像手段と、
    前記各撮像手段から出力される画像信号を処理する画像処理装置とによって、
    ほぼ同一のポジションで行うとともに、所定の検査に際しては、他の1つの検査において認識した錠剤の位置情報及びポケット部の位置情報のうち少なくとも一方を利用した上で検査可能としたことを特徴とする外観検査装置。
  9. 少なくとも前記シール不良に関する検査に際しては、シート異物・錠剤異物に関する検査又は錠剤表面剥離に関する検査において認識した錠剤の位置情報及びポケット部の位置情報のうち少なくとも一方を利用した上で検査可能としたことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の外観検査装置。
  10. 前記錠剤が茶色系又は暗色系であり、シート地色が銀色又は錠剤と異色系の場合には、少なくとも前記シール不良に関する検査及び/又はシート異物・錠剤異物に関する検査に際しては、錠剤表面剥離に関する検査において認識した錠剤の位置情報及びポケット部の位置情報のうち少なくとも一方を利用した上で検査可能としたことを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の外観検査装置。
  11. 前記錠剤が白色系であり、シート地色が銀色若しくは錠剤と同色系の場合、又は、前記錠剤が捺印の施されたカプセルである場合には、少なくとも前記シール不良に関する検査及び/又は錠剤表面剥離に関する検査に際しては、シート異物・錠剤異物に関する検査において認識した錠剤の位置情報及びポケット部の位置情報のうち少なくとも一方を利用した上で検査可能としたことを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の外観検査装置。
  12. 請求項1乃至11のいずれかに記載の外観検査装置を備えたことを特徴とするPTP包装機。
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