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JP2006194920A - 電気光学装置、電気光学装置の製造方法、及び電子機器 - Google Patents

電気光学装置、電気光学装置の製造方法、及び電子機器 Download PDF

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JP2006194920A
JP2006194920A JP2005003421A JP2005003421A JP2006194920A JP 2006194920 A JP2006194920 A JP 2006194920A JP 2005003421 A JP2005003421 A JP 2005003421A JP 2005003421 A JP2005003421 A JP 2005003421A JP 2006194920 A JP2006194920 A JP 2006194920A
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Abstract

【課題】 上下基板における配線間の導通を安定的に採ることができる電気光学装置、電気光学装置の製造方法、及び電子機器を提供する。
【解決手段】 一対の基板間に、シール部を介して、電気光学材料を狭持するとともに、表示部において所定の画像表示をするための電気光学装置において、シール部及び表示部におけるスペーサとして、それぞれ柱状スペーサを設けるとともに、当該シール部における柱状スペーサの表面を導電性材料で被覆して導電性柱状スペーサとし、かつ当該導電性柱状スペーサの端部断面積を、柱状スペーサの端部断面積よりも小さくする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、電気光学装置、電気光学装置の製造方法、及び電子機器に関する。特に、シール部における導電性柱状スペーサを介して、上下基板における配線間の導通を安定的に採ることができる電気光学装置、そのような電気光学装置の製造方法、及びそのような電気光学装置を備えた電子機器に関する。
従来、電気光学装置の一態様である液晶装置は、対向配置される一対の基板の双方に形成した複数の電極を平面的に重ねることによって、ドットマトリクス状に配列された複数の画素を形成している。そして、それぞれの画素に印加する電圧を選択的にオン、オフさせることによって、当該画素領域の液晶材料を通過する光を変調させ、画像や文字等の像を表示するものである。かかる液晶装置においては、対向する一対の基板をシール材で貼り合せることによりセル構造を形成した後、当該セル構造の内部に液晶材料を封入することにより製造されている。
ここで、セルを構成する際に、上下基板間の導通を得るためシール材中に所定量の導電性スペーサ粒子を添加することがなされている。しかしながら、導電性スペーサ粒子が不均一に混合されたり、凝集したりするため、ショートが発生しやすいという問題が見られた。
そこで、シール部における柱状スペーサを設けるとともに、その表面に導電性材料をさらに被覆して基板間導通部とし、かつ、当該基板間導通部の高さを、柱状スペーサの高さと、導電性材料の被覆厚さとの和とが等しくなるように構成した液晶装置が開示されている。(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−93844号公報 (特許請求の範囲、図1)
しかしながら、図19に示すように、特許文献1に記載された液晶装置においては、基板間導通部321の高さR1を、柱状スペーサ312の高さR2と、導電性材料の被覆厚さΔ321との和とが等しくなるように設計されているとともに、基板間導通部の端部断面積と、柱状スペーサの端部断面積とが等しく設計されていた。そのため、上下基板における配線上に、多少の絶縁被膜が存在するような場合、その影響を強く受けてしまい、セル構造の厚さが不均一になったり、上下基板における配線間の導通が不安定的になったりしやすいという問題が見られた。
又、基板間導通部321の高さR1を、柱状スペーサ312の高さR2と、導電性材料の被覆厚さΔ321との和とが等しくなるように設計した場合に、周囲の温度変化等が生じると、上下基板における距離が変化して、配線間の導通がさらに不安定になりやすいという問題が見られた。
そこで、本発明の発明者らは鋭意努力し、液晶装置等の電気光学装置において、導電性柱状スペーサの先端部の断面積と、柱状スペーサの先端部の断面積とを考慮しつつ、導電性柱状スペーサと、柱状スペーサとを形成することにより、このような問題を解決できることを見出し、本発明を完成させたものである。
すなわち、本発明は、電気光学装置のセル構造の厚さが均一になるとともに、上下基板における配線上に、多少の絶縁被膜が存在するような場合であっても、シール部において、上下基板における配線間の導通を安定的に採ることができる電気光学装置を提供することを目的とする。
又、本発明の別の目的は、そのような安定的な導通が得られる電気光学装置の製造方法、さらに、そのような電気光学装置を備えた画像表示特性に優れた電子機器を提供することである。
本発明によれば、一対の基板間に、シール部を介して、電気光学材料を狭持するとともに、表示部において所定の画像表示をするための電気光学装置であって、シール部及び表示部におけるスペーサとして、それぞれ柱状スペーサを設けるとともに、シール部における柱状スペーサの表面には導電性材料をさらに被覆して、導電性柱状スペーサとし、かつ当該導電性柱状スペーサの端部断面積を、柱状スペーサの端部断面積よりも小さくした電気光学装置が提供され、上述した問題を解決することができる。
すなわち、このように構成の導電性柱状スペーサ及び柱状スペーサをそれぞれ配置することにより、セル構造の厚さが均一になるばかりか、上下基板における配線上に、多少の絶縁被膜が存在するような場合であっても、導電性柱状スペーサが形状的にその影響を排除して、安定的に導通を採ることができる。
なお、本発明において、柱状スペーサや導電性柱状スペーサの断面積という場合には、それぞれ配置されている平面に対して、平行に切断した場合に得られる断面の面積を意味している。
又、本発明の電気光学装置を構成するにあたり、導電性柱状スペーサの端部断面積及び柱状スペーサの端部断面積にそれぞれ大小がある場合には、導電性柱状スペーサの小さい方の端部断面積を、柱状スペーサの小さい方の端部断面積よりも小さくすることが好ましい。
このように構成することにより、導電性柱状スペーサや柱状スペーサが、円錐状等であっても、セル構造の厚さが均一になるばかりか、上下基板における配線上に、多少の絶縁被膜が存在するような場合であっても、その影響を排除して、安定的に導通を採ることができる。
又、本発明の電気光学装置を構成するにあたり、電気光学装置を構成する前は、導電性柱状スペーサの高さを、柱状スペーサの高さよりも高くし、電気光学装置を構成した後は、導電性柱状スペーサを部分的に変形させることによって、導電性柱状スペーサの高さを、柱状スペーサの高さと等しくすることが好ましい。
このように構成することにより、シール部における導電性柱状スペーサが適度に変形して、表示部における柱状スペーサと実質的に等しい高さとすることができる。したがって、周囲の温度変化等が生じた場合であっても、シール部における導電性柱状スペーサを介して、上下基板における配線間の導通を安定的に採ることができる。又、上下基板における配線上に、多少の絶縁被膜が存在するような場合であっても、所定形状の導電性柱状スペーサが絶縁被膜を破壊して、安定的に導通を採ることができる。
又、本発明の電気光学装置を構成するにあたり、導電性柱状スペーサの端部表面に、微細な凹凸を設けることが好ましい。
このように構成することにより、上下基板における配線上に、多少の絶縁被膜が存在するような場合であっても、所定形状の導電性柱状スペーサの微細な凹凸部が絶縁被膜を破壊して、安定的に導通を採ることができる。
又、本発明の電気光学装置を構成するにあたり、導電性柱状スペーサの側面に、導電性材料が、部分的に被覆してあることが好ましい。
このように構成することにより、導電性材料の硬さの影響が少なくなって、シール部における導電性柱状スペーサが適度に変形しやすくなる。したがって、表示部における柱状スペーサと実質的に等しい高さとすることができ、周囲の温度変化等が生じた場合であっても、シール部における導電性柱状スペーサを介して、上下基板における配線間の導通を安定的に採ることができる。
又、隣接する導電性柱状スペーサ間でのショートの発生を効果的に抑制することができる。
又、本発明の電気光学装置を構成するにあたり、シール部における一対の基板上に、それぞれ複数の配線パターンが形成してあるとともに、複数の配線パターンの一つ毎に、複数の導電性柱状スペーサを配置することが好ましい。
このように構成することにより、配線パターンひとつ毎の導通領域を調整することが可能となることから、上下基板における配線間の導通を安定的に採ることができる。
又、本発明の電気光学装置を構成するにあたり、複数の配線パターンの間に、電気絶縁性の柱状スペーサを配置することが好ましい。
このように構成することにより、配線パターン間における短絡経路を、実質的に長くすることが可能となり、複数の配線パターン間の電気絶縁性を確実に採ることができる。
又、本発明の電気光学装置を構成するにあたり、複数の配線パターンにおいて、複数の導電性柱状スペーサの間に、電気絶縁性の柱状スペーサを配置することが好ましい。
このように構成することにより、導電性柱状スペーサ間における短絡経路を、実質的に長くすることが可能となり、導電性柱状スペーサ間の電気絶縁性を確実に採ることができる。
又、本発明の電気光学装置を構成するにあたり、シール部において、複数の導電性柱状スペーサの間に、電気絶縁性の柱状スペーサを配置することが好ましい。
このように構成することにより、シール部における導電性柱状スペーサを介して、上下基板における配線間の導通を安定的に採りながら、複数の導電性柱状スペーサ間の電気絶縁性についても確実に採ることができる。
又、本発明の電気光学装置を構成するにあたり、シール部において、ストッパーとして、導電性柱状スペーサの硬度よりも硬い粒子及び繊維、あるいはいずれか一方を配置することが好ましい。
このように構成することにより、上下基板を貼りあわせる際に、導電性柱状スペーサが過度に変形することを防止することができる。したがって、周囲の温度変化等が生じた場合であっても、シール部における導電性柱状スペーサを介して、上下基板における配線間の導通を安定的に採ることができる。
又、本発明の電気光学装置を構成するにあたり、導電性柱状スペーサにおける柱状スペーサを構成する樹脂と、被覆する導電性材料との熱膨張率の差を1×10-3/℃以下とすることが好ましい。
このように構成することにより、周囲の温度変化等が生じた場合であっても、柱状スペーサを構成する樹脂と、被覆する導電性材料との間の剥離現象を抑制することができ、導電性柱状スペーサを介して、上下基板における配線間の導通をさらに安定的に採ることができる。
又、本発明の電気光学装置を構成するにあたり、導電性柱状スペーサを被覆する導電性材料が、ITO又はIZOであることが好ましい。
このように構成することにより、電気光学装置の配線や画素電極を形成する際に、シール部における導電性柱状スペーサを同時に形成することができる。したがって、製造コストを低減して、上下基板における配線間の導通を経済的に採ることができる。
なお、ITO及びIZOは、導電性材料として、透明性が高い一方、経時的に安定であるという特徴がある。
又、本発明の別の態様は、一対の基板間に、シール部を介して、電気光学材料を狭持するとともに、表示部において所定の画像表示をするための電気光学装置の製造方法であって、シール部及び表示部におけるスペーサとして、それぞれ柱状スペーサを設ける工程と、当該シール部における柱状スペーサの表面を導電性材料で被覆して、導電性柱状スペーサとするとともに、電気光学装置を構成する前は、導電性柱状スペーサの高さを、柱状スペーサの高さよりも高くし、電気光学装置を構成した後は、導電性柱状スペーサを部分的に変形させて、当該導電性柱状スペーサの端部断面積を、柱状スペーサの端部断面積よりも小さくする工程と、を含む電気光学装置の製造方法である。
このように実施することにより、セル構造の厚さが均一になるとともに、シール部に構造的に安定な導電性柱状スペーサを設けた電気光学装置を効率的かつ安価に得ることができる。
又、本発明のさらに別の態様は、上述したいずれかに記載された電気光学装置を備えた電子機器である。
すなわち、セル構造の厚さが均一になって、上下基板における配線間の導通を安定的に採ることができる電気光学装置を備えることにより、長期間にわたって画像表示特性に優れた電子機器を効率的に提供することができる。
以下、図面を参照して、本発明の電気光学装置、電気光学装置の製造方法、及び電気光学装置を含む電子機器に関する実施形態について具体的に説明する。ただし、かかる実施形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の範囲内で任意に変更することが可能である。
[第1実施形態]
第1実施形態は、一対の基板間に、シール部を介して、電気光学材料を狭持するとともに、表示部において所定の画像表示をするための電気光学装置において、シール部及び表示部におけるスペーサとして、それぞれ柱状スペーサを設けるとともに、当該シール部における柱状スペーサの表面には導電性材料をさらに被覆して、導電性柱状スペーサとし、かつ当該導電性柱状スペーサの端部断面積を、前記柱状スペーサの端部断面積よりも小さくすることを特徴とする電気光学装置である。
以下、図1〜図12を適宜参照しながら、本発明の第1実施形態の電気光学装置について、第1の基板(カラーフィルタ基板と称する場合がある。)30、及び第2の基板(素子基板と称する場合がある。)60を用いた液晶装置を例に採って説明する。
なお、本実施形態の液晶装置は、TFD素子(Thin Film Diode)を備えたアクティブマトリクス型構造の液晶装置であるが、これ以外にも、TFT素子(Thin Film Transistor)を備えたアクティブマトリクス型構造の液晶装置や、パッシブマトリクス型構造の液晶装置であっても構わない。
1.電気光学装置の基本構造
まず、図1及び図2を参照して、第1実施形態の電気光学装置の基本構造について具体的に説明する。ここで、図1は液晶装置に使用される液晶パネル20の概略斜視図であり、図2は当該液晶パネル20の概略断面図である。
かかる液晶パネル20は、二端子型非線形素子としてのスイッチング素子69を用いたアクティブマトリクス型構造を有する液晶パネル20であって、図示しないものの、バックライトやフロントライト等の照明装置やケース体などを必要に応じて適宜取付けることにより電気光学装置(液晶装置)となる。
又、液晶パネル20は、透明な第1のガラス基板31を基体とする第1の基板30と、透明な第2のガラス基板61を基体とする第2の基板60とが、対向配置されるとともに接着剤等のシール材23を介して貼り合わせられている。又、第1の基板30と、第2の基板60とが形成する空間であって、シール材23の内側部分に対して、開口部23aを介して液晶材料21を注入した後、封止材25にて封止されてなるセル構造を備えている。すなわち、第1の基板30と第2の基板60との間に液晶材料21が充填されている。
又、第2のガラス基板61の内面、すなわち、第1のガラス基板31に対向する表面上に、第2の電極(画素電極と称する場合がある。)63をマトリクス状に形成し、第1のガラス基板31の内面、すなわち、第2のガラス基板61に対向する表面上には、第1の電極(走査電極と称する場合がある。)33がストライプ状に形成されている。又、第2の電極63は、スイッチング素子69を介して電気配線(データ線と称する場合がある。)65に対して電気的に接続されている。
そして、もう一方の第1の電極33は、図2に概略断面を示すように、導電性粒子を含むシール材23を介して第2の基板60上の引回し配線66に対して電気的に接続されている。したがって、このように構成された第2の電極63と第1の電極33との交差領域がマトリクス状に配列された多数の画素(以下、画素領域と称する場合がある。)を構成し、これら多数の画素の配列が、全体として液晶表示領域Aを構成することになる。
なお、図1中、それぞれの画素領域に対応する第2の電極63やスイッチング素子69については、一部の画素領域にのみ図示してあるが、その他の画素領域についても同様に存在する。
又、第2のガラス基板61は、第1のガラス基板31の外形よりも外側に張り出してなる基板張出部60Tを有し、この基板張出部60T上には、電気配線65、引回し配線66及び、独立して形成された複数の配線からなる外部接続用端子67が形成されている。
そして、これら電気配線65、引回し配線66及び外部接続用端子67に対して電気的に接続されるように、液晶駆動回路等を内蔵した半導体素子(IC)91が実装されている。さらに、基板張出部60Tの端部には、外部接続用端子67に導電接続されるように、回路基板93が実装されている。
2.第1の基板及び第2の基板
液晶パネル20を構成する第1の基板30は、一例として、第1のガラス基板31と、反射層35と、着色層37と、遮光層39と、平坦化層41と、第1の電極33と、から構成されている。又、第1の電極33の上には、ポリイミド樹脂等からなる第1の配向膜45が形成されている。
そして、第1のガラス基板31の所定位置に、鮮明な画像表示が認識できるように、位相差板(1/4波長板)47及び偏光板49が配置されている。
又、第1の基板30と対向する第2の基板60は、一例として、第2のガラス基板61と、電気配線65と、スイッチング素子(図示せず)と、第2の電極(図示せず)と、から構成されている。又、電気配線65や第2の電極等の上には、第1の基板30における第1の配向膜45と同様のポリイミド樹脂等からなる第2の配向膜75が形成されている。さらに、第2のガラス基板61の外面においても、位相差板(1/4波長板)77及び偏光板79が配置されている。
なお、第1実施形態の電気光学装置の例では、着色層37を第1のガラス基板31上に設けてあるが、第2のガラス基板61上に設けることもできる。
3.柱状スペーサ
(1)構成
又、図2に示すように、第2の基板60は、第1の基板30と第2の基板60との間のセルギャップを規定するための柱状スペーサ103を備えている。
かかる柱状スペーサ103の形成材料は、特に制限されるものではないが、例えば、エポキシ樹脂やアクリル樹脂等の熱硬化性あるいは光硬化性のレジスト材料を使用することができる。ただし、後述するように、所望の位置に容易に柱状スペーサ103を形成することができることから、感光性樹脂を使用することが好ましい。又、かかる感光性樹脂からなるレジスト材料を使用する場合には、ネガ型又はポジ型のいずれであっても構わない。
なお、本実施形態においては、第2の基板60上に柱状スペーサ103を形成してあるが、対向する第1の基板30上に形成することもでき、さらに、第1の基板30及び第2の基板60の双方に形成することもできる。
(2)配置
又、図3(a)に示すように、柱状スペーサ103は、例えば、第1の基板30上の走査電極33の間隙である、電極間領域に形成することが好ましい。
この理由は、柱状スペーサ103が走査電極領域に存在すると、当該走査電極領域における光の透過率が低下するため、透過光の有効利用ができない場合があるためである。
又、図3(b)に示すように、柱状スペーサ103は、例えば、第2の基板60上の画素電極63の間隙である、画素電極間領域に形成することが好ましい。
この理由は、柱状スペーサ103が画素電極領域に存在すると、当該画素領域における光の透過率が低下し、透過光の有効利用ができない場合があるためである。
又、かかる柱状スペーサ103は、画像表示領域Aにおいて均一に配置されていることが好ましい。この理由は、セルギャップを規定する柱状スペーサ103が不均一に配置されていると、セルギャップにばらつきが生じる場合があるためである。
したがって、例えば、全体的に均一に配置されるように、それぞれの画素領域に対して1個ずつ配置されていることが好ましい。
(3)形状
又、かかる柱状スペーサ103の形状は特に制限されるものではなく、例えば、図4(a)〜(d)に示すように、円柱状のスペーサ103aや四角柱状のスペーサ103b等とすることができるが、中でも、上面に平坦部を有する円錘台状のスペーサ103cや四角錘台状のスペーサ103dとすることが好ましい。
又、柱状スペーサ103の高さ(h)と、柱状スペーサ103の底面の形状を円相当とした場合の径(w)とが、h<wの関係を満足することが好ましい。この理由は、形成された柱状スペーサ103の強度を高めることができることができるためである。
なお、柱状スペーサ103の高さ(h)は、当該柱状スペーサ103の形成箇所において、第1の基板30及び第2の基板60上にそれぞれ形成されている複数の層の厚さを考慮したうえで、所望のセルギャップが確保されるように定められている。
具体的には、柱状スペーサ103の高さ(h)を1〜10μmの範囲内の値とすることが好ましい。この理由は、このような高さであれば、使用する液晶材料や液晶モードに合わせた適正なセルギャップを形成することができ、液晶材料を均一な厚さとすることができるためである。
したがって、かかる柱状スペーサ103の高さ(h)を1.5〜9μmの範囲内の値とすることがより好ましく、2〜5μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
一方、柱状スペーサ103の横幅(W)は、柱状スペーサ103の断面積の形状にもよるが、通常、2〜20μmの範囲内の値とすることが好ましい。この理由は、このような高さであれば、構造的に安定的なスペーサとなることができるためである。
したがって、かかる柱状スペーサ103の横幅(W)を3〜15μmの範囲内の値とすることがより好ましく、4〜12μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
4.導電性柱状スペーサ
(1)構成1
又、図5(a)〜(b)に示すように、第2の基板60は、第1の基板30と第2の基板60との間のセルギャップを規定するとともに、第1の基板30と、第2の基板60との導通を採るための導電性柱状スペーサ104を備えている。
より具体的には、図5(a)に示すように、画像表示領域にスペーサ103を備えるとともに、画像表示領域外であって、第1の基板30と、第2の基板60とを貼り合わせるためのシール材23の内部に、導電性柱状スペーサ104を備えることができる。
そして、図5(b)に示すように、導電性柱状スペーサ104は、柱状スペーサ103の表面に導電性材料を被覆することにより形成されているとともに、導電性柱状スペーサ104の端部107の断面積を、柱状スペーサ103の端部108の断面積の最小値よりも小さくすることが好ましい。
この理由は、このように断面積を考慮して、導電性柱状スペーサ及び柱状スペーサをそれぞれ構成して、配置することにより、セル構造の厚さが均一になるばかりか、上下基板における配線上に、多少の絶縁被膜が存在するような場合であっても、導電性柱状スペーサが形状的にその影響を排除して、安定的に導通を採ることができるためである。
したがって、導電性柱状スペーサ及び柱状スペーサの断面積を考慮することにより、上下基板同士を貼り合わせる際の圧着力を面内均一に設定した場合であっても、導電性柱状スペーサ104の端部107に掛かる圧力(P1)と、柱状スペーサの端部108に掛かる圧力(P2)との関係をP1>P2とすることができる。したがって、導電性柱状スペーサ104の端部107の方が、柱状スペーサ103の端部108に比べて、より第2の基板60との高い密着性を得ることが可能となり、接触抵抗の上昇による画像特性の劣化を防ぐこと可能となる。
(2)構成2
又、導電性柱状スペーサ及び柱状スペーサの断面積を考慮することにより、導電性柱状スペーサ104も適度に変形して、セル構造の厚さが均一になるばかりか、上下基板における配線上に、多少の絶縁被膜が存在するような場合であっても、導電性柱状スペーサ104が適度に変形する際に、先端部がそれをつらぬいて、安定的に導通を採ることができる。
より具体的には、柱状スペーサ103の端部108の断面積の最小値を100%としたときに、導電性柱状スペーサ104の端部107の断面積を50〜99%とすることが好ましく、60〜90%とすることがより好ましく、70〜85%とすることがさらに好ましい。
なお、導電性柱状スペーサの端部断面積及び柱状スペーサの端部断面積にそれぞれ大小がある場合には、導電性柱状スペーサの小さい方の端部断面積を、柱状スペーサの小さい方の端部断面積よりも小さくするものである。
(3)形態1
又、導電性柱状スペーサ及び柱状スペーサの断面積を考慮するにあたり、導電性柱状スペーサ104は、上述したように、柱状スペーサ103の表面に導電性材料で被膜したものであることから、その外観形状は柱状スペーサ103と同様に、図4(a)〜(d)に示すような形態ととることが可能となる。
ただし、導電性柱状スペーサ104a〜104dの構成の変形例として、図6(a)〜(d)に示すように、導電性柱状スペーサの端部表面に、微細な凹凸104a´〜104d´、例えば、柱状スペーサ103の高さ(h)の1/10〜1/1000の高さを有する凹凸を設けることが好ましい。
この理由は、このように構成することにより、シール部における導電性柱状スペーサが適度に変形しやすくなって、表示部における柱状スペーサと実質的に等しい高さとすることができるためである。したがって、周囲の温度変化等が生じた場合であっても、シール部における導電性柱状スペーサを介して、上下基板における配線間の導通を安定的に採ることができる。又、微細な凹凸104a´〜104d´が機能して、上下基板における配線上に、多少の絶縁被膜が存在するような場合であっても、かかる導電性柱状スペーサが絶縁被膜を破壊して、安定的に導通を採ることができる。
なお、かかる微細な凹凸104a´〜104d´は、多重露光法、加熱法、溶剤塗布法、機械的処理等を用いて、精度良く形成することができる。
(3)形態2
又、導電性柱状スペーサ104と、柱状スペーサ103は、第1の基板30上及び第2の基板60上のいずれに形成することも可能であることから、導電性柱状スペーサを構成するにあたり、図7(a)〜(d)に示すような態様をとることができる。
より具体的には、図7(a)に示すように、導電性柱状スペーサ104及び柱状スペーサ103を第2の基板60上に形成するとともに、導電性柱状スペーサ104eの端部107eの断面積を、柱状スペーサ103eの端部108eの断面積の最小値よりも小さくすることができる。
この理由は、上下基板を貼り合わせる際に、導電性柱状スペーサ104eの端部107eに掛かる圧力を、柱状スペーサ103eの端部108eに掛かる圧力よりも高くすることが可能となり、上下基板間の導通を確実にとることができるためである。
したがって、図7(a)に示すように、導電性柱状スペーサ104eの端部107eにおける円相当形(L1)が、柱状スペーサ103eの端部108eにおける円相当形(L2)よりも小さくなることにより、上下基板における配線上に、多少の絶縁被膜が存在するような場合であっても、所定形状の導電性柱状スペーサが絶縁被膜を破壊して、安定的に導通を採ることができる。
又、図7(b)に示すように、導電性柱状スペーサ104fを第1の基板30上に形成し、柱状スペーサ103fを第2の基板60上に形成するともに、導電性柱状スペーサ104fの端部107fの断面積を、柱状スペーサ103fの端部108fの断面積の最小値よりも小さくすることが好ましい。
この理由は、上述した上下基板間の導通を確実に得る効果に加え、導電性柱状スペーサ103fと柱状スペーサ104fとを異なる基板上に形成することにより、基板配線設計の態様に合わせてスペーサ設置基板を任意に選択することが可能となるためである。したがって、配線設計を容易に行うことが可能となる。
(4)柱状スペーサとの関係1
又、導電性柱状スペーサを構成するにあたり、図7(c)に示すように、導電性柱状スペーサ104gを第1の基板30上に形成し、柱状スペーサ103gを第2の基板60上に形成するともに、両端部の断面積の等しい導電性柱状スペーサ104gの端部107g及び107g´の断面積を、柱状スペーサ103gの端部108gの断面積の最小値よりも小さくすることが好ましい。
この理由は、上下基板を貼り合わせる際に、導電性柱状スペーサ104gの端部107g及び107g´に掛かる圧力を、柱状スペーサ103gの端部108gに掛かる圧力よりも高くすることが可能となり、上下基板間の導通を確実にとることが可能となるためである。
又、導電性柱状スペーサを構成するにあたり、図7(d)に示すように、導電性柱状スペーサ104hを第2の基板上に形成し、柱状スペーサ103hをいずれかの基板上に形成するともに、導電性柱状スペーサ104hの端部107hの断面積を、柱状スペーサの端部108h及び108h´の断面積の最小値よりも小さくすることが好ましい。
この理由は、上下基板を貼り合わせる際に、導電性柱状スペーサ104hの端部107hに掛かる圧力を、柱状スペーサ103hの端部108h及び108h´に掛かる圧力よりも高くすることが可能となり、上下基板間の導通を確実にとることが可能となるためである。更には、柱状スペーサ103hの両端部の断面積を広くすることが可能となることから、基板との接触面積が拡大することによる密着性の向上が可能となるためである。
(5)柱状スペーサとの関係2
又、導電性柱状スペーサを構成するにあたり、図8(a)〜(b)に示すように、電気光学装置を構成する前は、導電性柱状スペーサ104iの高さ(h1)を、柱状スペーサ103iの高さ(h2)よりも高くし、電気光学装置を構成した後は、導電性柱状スペーサ104jを部分的に変形させることにより、導電性柱状スペーサ104jの高さを、柱状スペーサ103jの高さと等しくすることが好ましい。
より具体的には、図8(a)に示すように、導電性柱状スペーサ104iと、柱状スペーサ103iとが第2の基板60上に形成してあり、第2の基板60と、第1の基板30とが、シール材23を介して貼り付けられる直前の状態において、かかる導電性柱状スペーサ104iの高さh1は、柱状スペーサ103iの高さh2よりも高くすることが好ましい。
すなわち、第1の基板30と、第2の基板60とを、セルギャップがLとなるように貼り合わせた場合に、導電性柱状スペーサ104iと、柱状スペーサ103iの端部は、第1の基板30の下面と接触することで変形し、図8(b)に示すように、端部107及び端部108を形成することとなる。
この理由は、このような構成とすることにより、貼り合わせ作業の際、導電性柱状スペーサ104iの端部の方が、柱状スペーサ103iの端部に比べて、第1の基板30に強く押し付けられるためである。したがって、接触抵抗を低減させることが可能となり、表示特性の向上に資することができる。
(6)導電性材料
又、導電性柱状スペーサを構成するにあたり、導電性柱状スペーサを被覆する導電性材料が、ITO又はIZOであることが好ましい。
この理由は、画像表示領域へ配置される透明導電膜と同時形成することが可能となり、製造工程の簡略化に資することが可能となるためである。
より具体的には、図2における第2の基板60上に導電性柱状スペーサを配置した場合、画素電極と同時形成することが可能となり、第1の基板30上に配置した場合、走査電極と同時形成することが可能となる。
更に、導電性柱状スペーサを構成するにあたり、図9(a)〜(d)に示すように、導電性柱状スペーサの側面に、導電性材料が、部分的に被覆してあり、導電部104a´〜104d´と、絶縁部104a´´〜104d´´とが形成してあることが好ましい。
この理由は、導電性柱状スペーサの側面における導電性材料の硬さの影響が少なくなって、シール部における導電性柱状スペーサが適度に変形しやすくなるためである。したがって、表示部における柱状スペーサと実質的に等しい高さとすることができ、周囲の温度変化等が生じた場合であっても、シール部における導電性柱状スペーサを介して、上下基板における配線間の導通を安定的に採ることができる。
又、導電性柱状スペーサの一部に絶縁部104a´´〜104d´´が形成してあることより、隣接する導電性柱状スペーサ間でのショートの発生を効果的に抑制することができる。
なお、導電部104a´〜104d´と、絶縁部104a´´〜104d´´との面積比率は、使用目的や電気絶縁性等を考慮して定めることができるが、例えば、100:10〜1000の範囲内の値とすることが好ましく、100:30〜300の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
(7)電気絶縁性の柱状スペーサ
又、導電性柱状スペーサを構成するにあたり、図10(a)〜(c)に示すように、シール部において、複数の導電性柱状スペーサの間に、電気絶縁性の柱状スペーサを配置することが好ましい。
より具体的には、図10(a)に示すように、シール部23において、複数の導電性柱状スペーサ104kの間に、柱状スペーサ103kを配置することができる。
この理由は、画像表示領域とともに、シール部においてもセルギャップを精度良く規定することが可能となることから、絶縁性柱状スペーサ104kと、第1の基板(図示せず)とが安定的に電気接続できるためである。
又、図10(b)に示すように、シール部23において、複数の導電性柱状スペーサ104mの間に柱状スペーサ103mを配置するとともに、導電性柱状スペーサ104mを、ドライバーIC67側に配置することができる。
この理由は、画像表示領域とともに、シール部においてもセルギャップを精度良く規定することが可能となることから、絶縁性柱状スペーサ104mと、第1の基板(図示せず)とが安定的に電気接続することが可能となるためである。
更に、導電性柱状スペーサ104mをドライバーIC67近傍に配置することが可能となることから、引回し配線66の配線長を適宜変更することが可能となる。
又、図10(c)に示すように、シール部23において、複数の導電性柱状スペーサ104nの間に柱状スペーサ103nを配置するとともに、導電性柱状スペーサ104nを、ドライバーIC67側に配置することが可能となる。
このような構成とすることにより、引回し配線の配線長を短縮することが可能となることから、上下基板の導通をドライバーIC近傍でとることができる。その結果、画像表示領域を拡大することができ、大画面化の要請に資することが可能となる。
又、図11(a)〜(b)に示すように、第2の基板60上のシール部23に、複数の導電性柱状スペーサ104および複数の柱状スペーサ103を、引き回し配線66の配線に応じて設けることができる。
より具体的には、引き回し配線66の一つ毎に、導電性柱状スペーサ104s〜104uからなる複数の導電性柱状スペーサ104rを配置することができる。
このような構成とすることにより、引き回し配線66と第1の基板(図示せず)との間の接触領域を、その態様に合わせて適宜調整することができるため、安定的な導通が可能となる。
又、かかる複数の導電性柱状スペーサ104rの間隙に、柱状スペーサ103s〜103uからなる複数の柱状スペーサ103rを配置することができ、更には、引き回し配線66の間に、柱状スペーサ103v〜103xからなる複数の柱状スペーサ103yを配置することができる。
このような構成とすることにより、導電性柱状スペーサ間および配線パターン間の電気絶縁性を高めることが可能となり、安定的な導通が可能となる。
なお、図11(b)は、図11(a)に示す領域Aの拡大図を表している。
(8)ストッパー
又、導電性柱状スペーサを構成するにあたり、図12(a)〜(b)に示すように、シール部において、ストッパーとして、導電性柱状スペーサの硬度よりも硬い粒子及び繊維、あるいはいずれか一方を添加することが好ましい。
より具体的には、図12(a)において、第1の基板30と第2の基板60とを貼り付ける前の段階において、シール材23内に、セルギャップLと同程度の直径を有するストッパー109を添加することができる。
このような構成とすることにより、図12(b)に示すように、上下基板を貼り付けた後のセルギャップは、画像表示領域においては柱状スペーサ103qにより規定され、かつシール部領域においてはストッパー109により規定することが可能となる。その結果、画像表示領域内外を含めた基板全域においてセルギャップを精度良く規定することができ、画像特性を向上させることが可能となる。
ここで、ストッパー109の材質は、導電性柱状スペーサの硬度よりも硬い材料であれば特に制限されるものではないが、例えば、導電性柱状スペーサをエポキシ樹脂やアクリル樹脂等の熱硬化性あるいは光硬化性のレジスト材料とした場合、グラスボールやグラスファイバーなどのガラス質のものが好ましい。
(9)熱膨張率
又、導電性柱状スペーサを構成するにあたり、導電性柱状スペーサにおける柱状スペーサを構成する樹脂と、被覆する導電性材料との熱膨張率の差を1×10-3/℃以下とすることが好ましい。
この理由は、このような範囲内の値とすることにより、導電性材料被膜後の製造工程における熱処理の際や、周囲温度が大きく変化した場合であっても、樹脂の熱膨張率が、導電性材料の熱膨張率よりも大きすぎることによる被膜層の亀裂や剥離といった問題を解消することができるためである。
ただし、導電性柱状スペーサにおける柱状スペーサを構成する樹脂と、被覆する導電性材料との熱膨張率の差が過度に小さくなると、材料選択の幅が過度に小さくなったり、製造コストが高くなったりするという問題がおこる場合がある。
したがって、導電性柱状スペーサにおける柱状スペーサを構成する樹脂と、被覆する導電性材料との熱膨張率の差を1×10-10〜5×10-4/℃の範囲内の値とすることが好ましく、1×10-9〜1×10-4/℃とすることがさらに好ましい。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態は、一対の基板間に、シール部を介して、電気光学材料を狭持するとともに、表示部において所定の画像表示をするための電気光学装置の製造方法であって、シール部及び表示部におけるスペーサとして、それぞれ柱状スペーサを設ける工程と、当該シール部における柱状スペーサの表面に導電性材料をさらに被覆して、導電性柱状スペーサとするとともに、電気光学装置を構成する前は、導電性柱状スペーサの高さを、柱状スペーサの高さよりも高くし、電気光学装置を構成した後は、導電性柱状スペーサを部分的に変形させて、当該導電性柱状スペーサの端部断面積を、柱状スペーサの端部断面積よりも小さくする工程と、を含む電気光学装置の製造方法である。
以下、第2実施形態にかかる電気光学装置の製造方法として、第1実施形態の電気光学装置の製造方法の一例を、図13〜図17を適宜参照しながら説明する。
なお、本実施形態で製造する液晶装置は、TFD素子(Thin Film Diode)を備えたアクティブマトリクス型構造の液晶装置であるが、これ以外でもTFT素子(Thin Film Transistor)を備えたアクティブマトリクス型構造の液晶装置や、あるいは、パッシブマトリクス構造の液晶装置であっても構わない。
1.第1の基板の製造
(1)第1の電極およびアライメントマーク等の形成
図13のフローに示すように、第1の電極、アライメントマーク等の形成は、第1の基板の製造における第1の電極等の形成工程(S1)で行われる。
ここで、第1の基板30は、図14(a)〜(d)に示すように、ガラス基板31における、画像表示領域Aに相当する箇所に、反射層35、着色層37、遮光膜39、平坦化膜41等を順次形成することにより製造することができる。なお、第2実施形態の電気光学装置は、TFD素子を備えたアクティブマトリクス型構造の液晶装置であり、第1の電極は走査電極を意味する。
このとき、第1の基板30の周縁部Dのいずれかの箇所に、後工程である基板の貼り合わせ工程において、第1の基板30及び第2の基板60の位置合わせをするために用いるアライメントマーク99aを、遮光性材料や透光性材料から形成しておくことが好ましい。なお、これらの反射層35や、アライメントマーク99a等については、公知の方法により形成することができる。
すなわち、図14(b)に示すように、第1の基板30上の全面に渡って、透光樹脂層41Xを形成する。この透光樹脂層41Xは、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、イミド樹脂、フッ素樹脂等の、電気絶縁性樹脂から構成することができる。これらの樹脂は流動性を有する未硬化状態で第1の基板30上に塗布されるが、塗布方法としては、公知のスピンコート法や印刷法等を用いることができる。
2.第2の基板の製造
(1)第2の電極等の形成
図13のフローに示すように、第2の電極等の形成は、第2の基板の製造における第2の電極等の形成工程(S1´)で行われる。
ここで、第2の基板は、図15(a)〜(b)に示すように、ガラス基板61における画像表示領域Aに、第2の電極(図示せず)、スイッチング素子(図示せず)、電気配線65等を形成することにより製造することができる。なお、第2実施形態に係る電気光学装置は、TFD素子を備えたアクティブマトリクス型構造の液晶装置であり、第2電極は画素電極を、スイッチング素子はTFD素子を、電気配線はデータ線を、それぞれ意味する。
又、第1の基板30と同様に、後の基板の貼り合わせ工程において、第1の基板30及び第2の基板60の位置合わせをするためのアライメントマーク99bを形成することが好ましい。これらの第2の電極63や、アライメントマーク99b等についても、公知の方法により形成することができる。
(2)柱状スペーサの形成
次に、図15(c)〜(d)に示すように、第2の基板60上における画像表示領域Aに、第1の基板30及び第2の基板60間のセルギャップを規定するための柱状スペーサ103を形成する。すなわち、透光樹脂層41Xに対して、所定のパターンマスク121を用いて、公知のフォトリソグラフィ法によりパターニングを施すことにより、画像表示領域Aに柱状スペーサ103を形成することができる。更には、画像表示領域外Dにも同様に柱状スペーサ105を形成することができる。より具体的には、透光樹脂層41Xに対して、ハーフトーンマスク121を用いて露光、現像を行うことにより、高さの異なる柱状スペーサを容易に形成することができる。なお、柱状スペーサ103の形状等に関しては、第1実施形態ですでに説明してあるため、ここでの説明を省略する。
(2)導電性柱状スペーサの形成
次に、図16(a)に示すように、画像表示領域外Dに存在する柱状スペーサ105に対してのみ、導電性材料による被膜層106を形成する。すなわち、スパッタリング法等を用いて全面的に透明導電層を形成した後、フォトリソグラフィ法やエッチング法を用いてパターニングすることにより、画像表示領域外Dに存在する柱状スペーサ105にのみ、導電性材料106を形成する。なお、導電性材料としてITOやIZOといった透明導電性材料をもちいることにより、上述した第2の電極との同時形成が可能となる。したがって、作業工程数の減少、製造時間短縮といった製造工程の簡略化が可能となる。
(3)シール材の塗布
次いで、図16(b)〜(c)に示すように、例えば、第2の基板60上において、エポキシ樹脂等を主成分とするシール材23を、スクリーン印刷やディスペンサにより、画像表示領域Aを囲むようにパターニングして塗布する。かかるシール材23は、例えば、加熱硬化性の接着剤であることが好ましい。
かかるシール材23は、次工程の仮圧着工程に移る前に、低温処理(プリベーク)して、シール材23中の溶剤を蒸発させたり、脱気させたりしておくことが好ましい。この理由は、シール材23の流動やパンクを防止して、第1の基板30及び第2の基板60の接着不良を防止することができるためである。
3.組み立て工程
次いで、図16(c)に示すように、第1の基板30及び第2の基板60を平面的に位置合わせする。かかる位置合わせは、例えば、第2の基板60の下方に光源97を配置するとともに、第1の基板30及び第2の基板60を透過するように光を照射する。そして、第1の基板30の上方に配置されたカメラ98によって透過像を撮影し、それぞれの基板30、60に形成したアライメントマーク99a、99bが平面的に合致するようにいずれかの基板を相対的に移動させることにより行うことができる。
そして、第1の基板30及び第2の基板60を位置合わせした状態で、それぞれの基板を重ね合わせる。このとき、第2の基板上に形成された柱状スペーサ103の端部108と、導電性柱状スペーサ104の端部107とが、第1の基板30の下面と接触することで変形し、導電性柱状スペーサ104の端部107と、第1の基板30とが電気的に接続される。
次いで、図17に示すように、シール材23によって仮固定された第1の基板30及び第2の基板60を本圧着して、貼り合わせる。なお、本圧着は、シール材23を熱硬化させるために行う。
次いで、図示しないが、第1の基板30及び第2の基板60が形成する空間であって、シール材23の内側部分に対して、液晶材料を注入した後、封止材等にて封止する。その後、第1の基板30及び第2の基板60のそれぞれの外面に、所定の偏光板を配置するとともに、バックライト等とともに筐体に組み込むことにより、電気光学装置を製造することができる。
[第3実施形態]
本発明に係る第3実施形態として、第1実施形態の電気光学装置を備えた電子機器について具体的に説明する。
図18は、本実施形態の電子機器の全体構成を示す概略構成図である。この電子機器は、液晶パネル20と、これを制御するための制御手段200とを有している。又、図17中では、液晶パネル20を、パネル構造体20aと、半導体素子(IC)等で構成される駆動回路20bと、に概念的に分けて描いてある。又、制御手段200は、表示情報出力源201と、表示処理回路202と、電源回路203と、タイミングジェネレータ204とを有することが好ましい。
又、表示情報出力源201は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等からなるメモリと、磁気記録ディスクや光記録ディスク等からなるストレージユニットと、デジタル画像信号を同調出力する同調回路とを備え、タイミングジェネレータ204によって生成された各種のクロック信号に基づいて、所定フォーマットの画像信号等の形で表示情報を表示処理回路202に供給するように構成されていることが好ましい。
又、表示処理回路202は、シリアル−パラレル変換回路、増幅・反転回路、ローテーション回路、ガンマ補正回路、クランプ回路等の周知の各種回路を備え、入力した表示情報の処理を実行して、その画像情報をクロック信号CLKと共に駆動回路20bへ供給することが好ましい。さらに、駆動回路20bは、第1の電極駆動回路、第2の電極駆動回路及び検査回路を含むことが好ましい。又、電源回路203は、上述の各構成要素にそれぞれ所定の電圧を供給する機能を有している。
そして、本実施形態の電子機器であれば、第1の基板及び第2の基板において、柱状スペーサ及びそれと係合する孔部を有する突起部を備えた電気光学装置を使用している。そのために、第1の基板及び第2の基板の位置ずれを防止して、表示不良の発生がなく、優れた画像表示を実現できる電子機器とすることができる。
本発明によれば、シール部における導電性柱状スペーサの先端部の断面積と、表示部における柱状スペーサの先端部の断面積とをそれぞれ考慮しながら、構造的に安定な導電性柱状スペーサをシール部に形成することにより、セル構造の厚さが均一になるばかりか、上下基板における配線上に、多少の絶縁被膜が存在するような場合であっても、シール部において、上下基板における配線間の導通を安定的に採ることができるようになった。
したがって、液晶装置等の電気光学装置や電子機器、例えば、携帯電話機やパーソナルコンピュータ等をはじめとして、液晶テレビ、ビューファインダ型・モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電気泳動装置、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた電子機器などに適用することができる。
第1実施形態の電気光学装置に使用される液晶パネルの概略斜視図である。 第1実施形態の電気光学装置に使用される液晶パネルの概略断面図である。 (a)〜(c)は、柱状スペーサの平面配置を示す図である。 (a)〜(d)は、柱状スペーサの形状例を示す図である。 (a)〜(b)は、柱状スペーサと導電性柱状スペーサとの平面配置及び断面図を示す図である。 (a)〜(d)は、導電性柱状スペーサの形状例を示す図である。 (a)〜(d)は、柱状スペーサと導電性柱状スペーサの断面形状の態様を説明するために供する図である。 (a)〜(b)は、柱状スペーサと導電性柱状スペーサの端部の変形を説明するために供する図である。 (a)〜(d)は、導電性柱状スペーサの変形例を示す図である。 (a)〜(c)は、シール部における柱状スペーサと導電性柱状スペーサとの平面配置及び断面図を示す図である。 (a)〜(c)は、シール部における柱状スペーサと導電性柱状スペーサとの平面配置及び拡大図を示す図である。 (a)〜(b)は、柱状スペーサと導電性柱状スペーサとストッパーの関係を示す断面図である。 基板の貼り合わせ工程を説明するためのフロー図である。 (a)〜(d)は、第1の基板の製造工程を説明する図である。 (a)〜(d)は、第2の基板の製造工程を説明する図である。 (a)〜(c)は、第1の基板と第2の基板と貼り合わせる工程を説明するための図である。 第1の基板と、第2の基板と貼り合わせる工程を説明するための図である。 第3実施形態の電子機器の概略構成を示すブロック図である。 従来の電気光学装置の構成を説明する図である。
符号の説明
20:液晶パネル、23:シール材、30:第1の基板、60:第2の基板、41:平坦化膜、41X:透光保護層、65:電気配線、81:表面保護膜、97:光源、98:アライメントカメラ、99a・99b:アライメントマーク、103:柱状スペーサ、104:導電性柱状スペーサ、125:レジスト材料

Claims (14)

  1. 一対の基板間に、シール部を介して、電気光学材料を狭持するとともに、表示部において所定の画像表示をするための電気光学装置であって、
    前記シール部及び表示部におけるスペーサとして、それぞれ柱状スペーサを設けるとともに、前記シール部における柱状スペーサの表面を導電性材料で被覆して、導電性柱状スペーサとし、かつ当該導電性柱状スペーサの端部断面積を、前記柱状スペーサの端部断面積よりも小さくすることを特徴とする電気光学装置。
  2. 前記導電性柱状スペーサの端部断面積及び柱状スペーサの端部断面積にそれぞれ大小がある場合には、前記導電性柱状スペーサの小さい方の端部断面積を、前記柱状スペーサの小さい方の端部断面積よりも小さくすることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
  3. 前記電気光学装置を構成する前は、前記導電性柱状スペーサの高さを、前記柱状スペーサの高さよりも高くし、前記電気光学装置を構成した後は、前記導電性柱状スペーサを部分的に変形させることによって、前記導電性柱状スペーサの高さを、前記柱状スペーサの高さと等しくすることを特徴とする請求項1又は2に記載の電気光学装置。
  4. 前記導電性柱状スペーサの端部表面に、微細な凹凸を設けることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  5. 前記導電性柱状スペーサの側面に、前記導電性材料が、部分的に被覆してあることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  6. 前記シール部における一対の基板上に、それぞれ複数の配線パターンが形成してあるとともに、当該複数の配線パターンの一つ毎に、複数の導電性柱状スペーサを配置することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  7. 前記複数の配線パターンの間に、電気絶縁性の柱状スペーサを配置することを特徴とする請求項6に記載の電気光学装置。
  8. 前記複数の配線パターンにおいて、複数の導電性柱状スペーサの間に、電気絶縁性の柱状スペーサを配置することを特徴とする請求項6又は7に記載の電気光学装置。
  9. 前記シール部において、複数の導電性柱状スペーサの間に、電気絶縁性の柱状スペーサを配置することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  10. 前記シール部において、ストッパーとして、前記導電性柱状スペーサの硬度よりも硬い粒子及び繊維、あるいはいずれか一方を添加することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  11. 前記導電性柱状スペーサにおける柱状スペーサを構成する樹脂と、被覆する導電性材料との熱膨張率の差を1×10-3/℃以下とすることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  12. 前記導電性柱状スペーサを被覆する導電性材料が、ITO(インジウムスズ酸化物)又はIZO(インジウム亜鉛酸化物)であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  13. 一対の基板間に、シール部を介して、電気光学材料を狭持するとともに、表示部において所定の画像表示をするための電気光学装置の製造方法であって、
    前記シール部及び表示部におけるスペーサとして、それぞれ柱状スペーサを設ける工程と、
    当該シール部における柱状スペーサの表面を導電性材料で被覆して、導電性柱状スペーサとするとともに、
    前記電気光学装置を構成する前は、前記導電性柱状スペーサの高さを、前記柱状スペーサの高さよりも高くし、前記電気光学装置を構成した後は、前記導電性柱状スペーサを部分的に変形させて、当該導電性柱状スペーサの端部断面積を、前記柱状スペーサの端部断面積よりも小さくする工程と、
    を含むことを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  14. 請求項1〜12のいずれかに記載された電気光学装置を備えることを特徴とする電子機器。
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