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JP2006185166A - 距離画像を用いた人体検知方法および人体検知装置 - Google Patents

距離画像を用いた人体検知方法および人体検知装置 Download PDF

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JP2006185166A JP2004377923A JP2004377923A JP2006185166A JP 2006185166 A JP2006185166 A JP 2006185166A JP 2004377923 A JP2004377923 A JP 2004377923A JP 2004377923 A JP2004377923 A JP 2004377923A JP 2006185166 A JP2006185166 A JP 2006185166A
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Abstract

【課題】距離画像を用いた人体検知方法および人体検知装置を提供する。
【解決手段】人体検知部20は、距離画像センサ10から得た距離画像を構成する複数の画素から、画素値が閾値以下となる画素領域を抽出する領域抽出処理を、閾値を画素値が最短の画素の画素値から段階的に伸ばして複数回行う。そして、人体検知部20は、領域抽出処理を行う毎に、新たに抽出された画素領域が、既に抽出された画素領域と部分的に重複する場合は、部分的に重複する複数の画素領域を同一の物体と判断して、複数の画素領域の全体に同一の識別子を割り当てる識別子割当処理を行い、同一の識別子を割り当てた複数の画素領域の画素数が人体の大きさに相当する画素数を超えるという判定条件が成立すると、領域抽出処理および識別子割当処理を終了し、同一の識別子が割り当てられた画素領域を人体として抽出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、距離画像を用いた人体検知方法および人体検知装置に関するものである。
従来より、例えば通路の天井に取り付けて、下方の通路を通行する通行人の有無や人数を検出する人体検知装置が提供されている。
例えば、特許文献1に示される人体検知装置では、撮像手段により検知対象領域を撮像して得た距離画像を基に、撮像手段からの距離が略同じ画素同士を繋いで等高線を作成し、この等高線で囲まれる領域を単峰性の物体(すなわち人体)と判断している。
特開2003−57007号公報(段落番号[0021]〜[0023]、及び、第3図)
しかしながら、撮像領域に人物が存在したとしても、人物の姿勢によっては、撮像手段からの距離が略等しくなるような画素が存在しない場合もあり、また撮像手段からの距離が略同じ画素が存在したとしても、画素同士を結んでできる等高線が閉じない場合もあるので、上述の人体検知装置では検知対象領域にいる人物を確実に検知できない可能性があった。
本発明は上記問題点に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、検知対象領域にいる人物を確実に検出することが可能な距離画像を用いた人体検知方法および人体検知装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、撮像手段から対象領域内の物体までの距離を画素値とする距離画像を用いて対象領域内の人体を検知する人体検知方法であって、対象領域を撮像することで距離画像を得た後に、該距離画像を構成する複数の画素から、画素値が閾値以下となる画素領域を抽出する領域抽出処理を、前記閾値を画素値が最短の画素の画素値から段階的に伸ばして複数回行う毎に、新たに抽出された画素領域が、既に抽出された画素領域と少なくとも一部が重複する場合、該重複する複数の画素領域を同一の物体と判断して、前記複数の画素領域の全体に同一の識別子を割り当てる識別子割当処理を行い、同一の識別子を割り当てた複数の画素領域の画素数が人体の大きさに相当する画素数を超えるという判定条件が成立すると、前記領域抽出処理および識別子割当処理を終了し、同一の識別子が割り当てられた画素領域を人体として抽出することを特徴とする。
この発明によれば、撮像手段に近い側から順番に画素領域を抽出し、新たに抽出した画素領域が、既に抽出された画素領域と少なくとも一部が重複する場合、これら複数の画素領域を同一の物体と判断して、これらの画素領域の全体に同一の識別子を付与しており、同一の識別子を付与した画素領域の画素数が人体の大きさに相当する画素数を超えるという判定条件が成立すれば、同一の識別子を付与した画素領域を人体として抽出しているので、従来の人体検知方法のように等高線が閉じないような場合でも確実に人体を検知できる。また判定条件が成立した段階で、その識別子を割り当てた画素領域について、領域抽出処理および識別子付与処理を終了しているので、閾値を床面まで伸ばして画素領域を抽出する場合に比べて、人の存在を短時間で検知することができ、また識別子を付与した画素領域を記憶させるメモリの容量も小さくて済むという利点がある。
請求項2の発明は、撮像手段から対象領域内の物体までの距離を画素値とする距離画像を用いて対象領域内の人体を検知する人体検知方法であって、対象領域を撮像することで距離画像を得た後に、該距離画像を構成する複数の画素から、画素値が閾値以下となる画素領域を抽出する領域抽出処理を、前記閾値を画素値が最短の画素の画素値から段階的に伸ばして複数回行う毎に、新たに抽出された画素領域が、既に抽出された画素領域と少なくとも一部が重複する場合、該重複する複数の画素領域を同一の物体と判断して、前記複数の画素領域の全体に同一の識別子を割り当てる識別子割当処理を行い、上記閾値を、画素値が最短の画素の画素値から一定距離まで伸ばした場合に、同一の識別子を割り当てた複数の画素領域が単峰状の物体となるという判定条件が成立すると、前記領域抽出処理および識別子割当処理を終了し、同一の識別子が割り当てられた画素領域を人体として抽出することを特徴とする。
この発明によれば、撮像手段に近い側から順番に画素領域を抽出し、新たに抽出した画素領域が、既に抽出された画素領域と少なくとも一部が重複する場合、これら複数の画素領域を同一の物体と判断して、これらの画素領域の全体に同一の識別子を付与しており、上記の閾値を一定距離まで伸ばした時に同一の識別子が割り当てられた画素領域の全体が単峰状の物体となっていれば、同一の識別子を付与した画素領域を人体として抽出しているので、従来の人体検知方法のように等高線が閉じないような場合でも確実に人体を検知できる。しかも、この判定条件を用いる場合は、対象領域内の人物の背丈が異なる場合でも、人間の頭部の形状を検出することで、人体を確実に検出することが可能になる。また判定条件が成立した段階で、その識別子を割り当てた画素領域について、領域抽出処理および識別子付与処理を終了しているので、閾値を床面まで伸ばして画素領域を抽出する場合に比べて、人の存在を短時間で検知することができ、また識別子を付与した画素領域を記憶させるメモリの容量も小さくて済むという利点がある。
請求項3の発明は、撮像手段から対象領域内の物体までの距離を画素値とする距離画像を用いて対象領域内の人体を検知する人体検知方法であって、対象領域を撮像することで距離画像を得た後に、該距離画像を構成する複数の画素から、画素値が閾値以下となる画素領域を抽出する領域抽出処理を、前記閾値を画素値が最短の画素の画素値から段階的に伸ばして複数回行う毎に、新たに抽出された画素領域が、既に抽出された画素領域と少なくとも一部が重複する場合、該重複する複数の画素領域を同一の物体と判断して、前記複数の画素領域の全体に同一の識別子を割り当てる識別子割当処理を行い、同一の識別子を割り当てた複数の画素領域の内、新たに抽出した画素領域中の画素で、既に抽出した画素領域の画素と重複していない画素の画素数が所定のしきい値以下になるという判定条件が成立すると、前記領域抽出処理および識別子割当処理を終了し、同一の識別子が割り当てられた画素領域を人体として抽出することを特徴とする。
ところで対象領域の人体を上方から撮影した場合、撮像手段に近い側から順番に画素領域を抽出すると、頭部の水平断面が最大となる高さ位置に近付くにつれて、同一の識別子を割り当てた画素領域の追加分が少なくなる。請求項3の発明によれば、新たに抽出された画素領域中の画素で、既に抽出した画素領域の画素と重複していない画素の画素数が所定のしきい値以下になるという判定条件が成立すれば、人体の頭部の形状を検出できたと判断でき、頭部の形状を検出することによって人体を確実に検知することが可能になり、且つ、従来の人体検知方法のように等高線が閉じないような場合でも確実に人体を検知できる。また判定条件が成立した段階で、その識別子を割り当てた画素領域について、領域抽出処理および識別子付与処理を終了しているので、閾値を床面まで伸ばして画素領域を抽出する場合に比べて、人の存在を短時間で検知することができ、また識別子を付与した画素領域を記憶させるメモリの容量も小さくて済むという利点がある。
請求項4の発明は、撮像手段から対象領域内の物体までの距離を画素値とする距離画像を用いて対象領域内の人体を検知する人体検知方法であって、対象領域を撮像することで距離画像を得た後に、該距離画像を構成する複数の画素から、画素値が閾値以下となる画素領域を抽出する領域抽出処理を、前記閾値を画素値が最短の画素の画素値から段階的に伸ばして複数回行う毎に、新たに抽出された画素領域が、既に抽出された画素領域と少なくとも一部が重複する場合、該複数の画素領域を同一の物体と判断して、前記複数の画素領域の全体に同一の識別子を割り当てる識別子割当処理を行い、同一の識別子を割り当てた複数の画素領域の内、新たに抽出した画素領域に、既に抽出された画素領域が包含される場合に、新たに抽出した画素領域において、既に抽出された画素領域の外側にある帯状部分の幅の平均値が所定のしきい値以下になるという判定条件が成立すると、前記領域抽出処理および識別子割当処理を終了し、同一の識別子が割り当てられた画素領域を人体として抽出することを特徴とする。
ここで、対象領域の人体を上方から撮影した場合、撮像手段に近い側から順番に画素領域を抽出すると、頭部の水平断面が最大となる高さ位置に近付くにつれて、同一の識別子を割り当てた画素領域の追加分が少なくなる。請求項4の発明によれば、同一の識別子を割り当てた複数の画素領域の内、新たに抽出した画素領域に、既に抽出された画素領域が包含される場合に、新たに抽出した画素領域において、既に抽出された画素領域の外側にある帯状部分の幅の平均値が所定のしきい値以下になるという判定条件が成立すれば、人体の頭部の形状を検出できたと判断でき、頭部の形状を検出することによって人体を確実に検知することが可能になり、且つ、従来の人体検知方法のように等高線が閉じないような場合でも確実に人体を検知できる。また判定条件が成立した段階で、その識別子を割り当てた画素領域について、領域抽出処理および識別子付与処理を終了しているので、閾値を床面まで伸ばして画素領域を抽出する場合に比べて、人の存在を短時間で検知することができ、また識別子を付与した画素領域を記憶させるメモリの容量も小さくて済むという利点がある。
請求項5の発明は、請求項2乃至請求項4の何れか1項に記載の距離画像を用いた人体検知方法であって、上記判定条件と、同一の識別子を割り当てた複数の画素領域の画素数が人体の大きさに相当する画素数を超えるという判定条件とが両方共に成立すると、前記領域抽出処理および識別子割当処理を終了し、同一の識別子が割り当てられた画素領域を人体として抽出することを特徴とする。
この発明によれば、請求項2乃至請求項4の何れかの人体検知方法において、同一の識別子を割り当てた複数の画素領域の画素数が人体の大きさに相当する画素数を超えるという判定条件が共に成立した場合のみ、同一の識別子が割り当てられた画素領域を人体として抽出するので、人体よりも大きさが小さいものを誤検出するのを防止できる。
請求項6の発明は、請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の発明において、上記距離画像を構成する複数の画素の内、同一の識別子が割り当てられた画素領域の画素と、それ以外の画素とを2値化することを特徴とする。
この発明によれば、距離画像を構成する画素を、同一の識別子が割り当てられた画素領域の画素と、それ以外の画素とに二値化しているので、人体に対応する画素領域を抽出する処理や、その画素領域を特定する処理が容易に行える。
請求項7の発明は人体検知装置であって、撮像手段により撮像された距離画像を用い、請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の人体検知方法を実行することで、対象領域内の人体を検知する人体検知手段を具備する。
この発明によれば、人体を確実に検知でき、且つ、検知時間を短くした人体検知装置を実現できる。
請求項1の発明によれば、撮像手段に近い側から順番に画素領域を抽出し、新たに抽出した画素領域が、既に抽出された画素領域と少なくとも一部が重複する場合、該重複する複数の画素領域を同一の物体と判断して、これらの画素領域の全体に同一の識別子を付与しており、同一の識別子を付与した画素領域の画素数が人体の大きさに相当する画素数を超えるという判定条件が成立すれば、同一の識別子を付与した画素領域を人体として抽出しているので、従来の人体検知方法のように等高線が閉じないような場合でも確実に人体を検知できる。また判定条件が成立した段階で、その識別子を割り当てた画素領域について、領域抽出処理および識別子付与処理を終了しているので、閾値を床面まで伸ばして画素領域を抽出する場合に比べて、人の存在を短時間で検知することができ、また識別子を付与した画素領域を記憶させるメモリの容量も小さくて済むという利点がある。
請求項2の発明によれば、撮像手段に近い側から順番に画素領域を抽出し、新たに抽出した画素領域が、既に抽出された画素領域と少なくとも一部が重複する場合、該重複する複数の画素領域を同一の物体と判断して、これらの画素領域の全体に同一の識別子を付与しており、上記の閾値を一定距離まで伸ばした時に同一の識別子が割り当てられた画素領域の全体が単峰状の物体となっていれば、同一の識別子を付与した画素領域を人体として抽出しているので、従来の人体検知方法のように等高線が閉じないような場合でも確実に人体を検知できる。しかも、この判定条件を用いる場合は、対象領域内の人物の背丈が異なる場合でも、人間の頭部の形状を検出することで、人体を確実に検出することが可能になる。また判定条件が成立した段階で、その識別子を割り当てた画素領域について、領域抽出処理および識別子付与処理を終了しているので、閾値を床面まで伸ばして画素領域を抽出する場合に比べて、人の存在を短時間で検知することができ、また識別子を付与した画素領域を記憶させるメモリの容量も小さくて済むという利点がある。
ところで、対象領域の人体を上方から撮影した場合、撮像手段に近い側から順番に画素領域を抽出すると、頭部の水平断面が最大となる高さ位置に近付くにつれて、同一の識別子を割り当てた画素領域の追加分が少なくなる。
請求項3の発明によれば、新たに抽出された画素領域中の画素で、既に抽出した画素領域の画素と重複していない画素の画素数が所定のしきい値以下になるという判定条件が成立すれば、人体の頭部の形状を検出できたと判断でき、頭部の形状を検出することによって人体を確実に検知することが可能になり、且つ、従来の人体検知方法のように等高線が閉じないような場合でも確実に人体を検知できる。また判定条件が成立した段階で、その識別子を割り当てた画素領域について、領域抽出処理および識別子付与処理を終了しているので、閾値を床面まで伸ばして画素領域を抽出する場合に比べて、人の存在を短時間で検知することができ、また識別子を付与した画素領域を記憶させるメモリの容量も小さくて済むという利点がある。
また、請求項4の発明によれば、同一の識別子を割り当てた複数の画素領域の内、新たに抽出した画素領域に、既に抽出された画素領域が包含される場合に、新たに抽出した画素領域において、既に抽出された画素領域の外側にある帯状部分の幅の平均値が所定のしきい値以下になるという判定条件が成立すれば、人体の頭部の形状を検出できたと判断でき、頭部の形状を検出することによって人体を確実に検知することが可能になり、且つ、従来の人体検知方法のように等高線が閉じないような場合でも確実に人体を検知できる。また判定条件が成立した段階で、その識別子を割り当てた画素領域について、領域抽出処理および識別子付与処理を終了しているので、閾値を床面まで伸ばして画素領域を抽出する場合に比べて、人の存在を短時間で検知することができ、また識別子を付与した画素領域を記憶させるメモリの容量も小さくて済むという利点がある。
請求項5の発明によれば、請求項2乃至請求項4の何れかの人体検知方法において、同一の識別子を割り当てた複数の画素領域の画素数が人体の大きさに相当する画素数を超えるという判定条件が共に成立した場合のみ、同一の識別子が割り当てられた画素領域を人体として抽出するので、人体よりも大きさが小さいものを誤検出するのを防止できる。
請求項6の発明によれば、距離画像を構成する画素を、同一の識別子が割り当てられた画素領域の画素と、それ以外の画素とに二値化しているので、人体に対応する画素領域を抽出する処理や、その画素領域を特定する処理が容易に行える。
また、請求項7の発明によれば、人体を確実に検知でき、且つ、検知時間を短くした人体検知装置を実現できる。
以下に、本発明に係る距離画像を用いた人体検知方法を実行する人体検知装置の一実施形態を説明するが、先ずこの人体検知装置に用いる距離画像センサの基本構成について図1を参照して説明する。
距離画像センサ10は、図1に示すように、対象空間に光を照射する発光源2を備えるとともに、対象空間からの光を受光し受光光量を反映した出力値の電気出力が得られる光検出素子1を備える。対象空間に存在する対象物Obまでの距離は、発光源2から対象空間に光が照射されてから対象物Obでの反射光が光検出素子1に入射するまでの時間(「飛行時間」と呼ぶ)によって求める。ただし、飛行時間は非常に短いから、対象空間に照射する光の強度が一定周期で周期的に変化するように変調した強度変調光を用い、強度変調光を受光したときの位相を用いて飛行時間を求める。なお、本発明の技術思想は、距離画像センサ10として、飛行時間により距離画像を生成する構成のほか、三角測量法の原理によって距離画像を生成する構成においても採用可能である。ただし、以下に説明する構成の距離画像センサ10は、三角測量法の原理を用いる距離画像センサに比較して短時間(ほぼ実時間)で距離画像を生成できるから、三角測量法の原理を採用した距離画像センサよりも好ましい。
図9(a)に示すように、発光源2から空間に放射する光の強度が曲線イのように変化し、光検出素子1で受光した受光光量が曲線ロのように変化するとすれば、位相差ψは飛行時間に相当するから、位相差ψを求めることにより対象物Obまでの距離を求めることができる。また、位相差ψは、曲線イの複数のタイミングで求めた曲線ロの受光光量を用いて計算することができる。たとえば、曲線イにおける位相が0度、90度、180度、270度の位相で求めた曲線ロの受光光量がそれぞれA0、A1、A2、A3であるとする(受光光量A0、A1、A2、A3を斜線部で示している)。ただし、各位相における受光光量A0、A1、A2、A3は、瞬時値ではなく所定の受光期間Twで積算した受光光量を用いる。いま、受光光量A0、A1、A2、A3を求める間に、位相差ψが変化せず(つまり、対象物Obまでの距離が変化せず)、かつ対象物Obの反射率にも変化がないものとする。また、発光源2から放射する光の強度を正弦波で変調し、時刻tにおいて光検出素子1で受光される光の強度がA・sin(ωt+δ)+Bで表されるものとする。ここに、Aは振幅、Bは直流成分(外光成分と反射光成分との平均値)、ωは角振動数、δは初期位相である。光検出素子1で受光する受光光量A0、A1、A2、A3を受光期間Twの積算値ではなく瞬時値とし、変調の周期に同期した時刻t=n/f(n=0、1、2、…、fは変調の周波数)における受光光量を、A0=A・sin(δ)+Bとすれば、受光光量A0、A1、A2、A3は、次のように表すことができる。なお、反射光成分とは、発光源2から放射され対象物Obにより反射された後に光検出素子1に入射する光の成分を意味する。
A0=A・sin(δ)+B
A1=A・sin(π/2+δ)+B
A2=A・sin(π+δ)+B
A3=A・sin(3π/2+δ)+B
図9では位相差がψであるから、光検出素子1の受光光量に関する波形の初期位相δ(時刻t=0の位相)は−ψになる。つまり、δ=−ψであるから、A0=−A・sin(ψ)+B、A1=A・cos(ψ)+B、A2=A・sin(ψ)+B、A3=−A・cos(ψ)+Bであり、結果的に、各受光光量A0、A1、A2、A3と位相差ψとの関係は、次式のようになる。
ψ=tan−1{(A2−A0)/(A1−A3)} …(1)
(1)式では受光光量A0、A1、A2、A3の瞬時値を用いているが、受光光量A0、A1、A2、A3として受光期間Twにおける積算値を用いても(1)式で位相差ψを求めることができる。
また、光検出素子1で受光される光の強度をA・cos(ωt+δ)+Bとする場合、つまり変調の周期に同期した時刻t=n/f(n=0、1、2、…)における受光光量を、A0=A・cos(δ)+Bとすれば、位相差ψを次式で求めることができる。
ψ=tan−1{(A1−A3)/(A0−A2)}
この関係は、変調の周期に同期させるタイミングを90度ずらした関係である。また、距離値の符号は正であるから、位相差ψを求めたときに符号が負になる場合には、tan−1の括弧内の分母または分子の各項の順序を入れ換えるか括弧内の絶対値を用いるようにしてもよい。
上述のように対象空間に照射する光の強度を変調するために、発光源2としては、たとえば多数個の発光ダイオードを一平面上に配列したものや半導体レーザと発散レンズとを組み合わせたものなどを用いる。また、発光源2は、制御回路部3から出力される所定の変調周波数である変調信号によって駆動され、発光源2から放射される光は変調信号により強度が変調される。制御回路部3では、たとえば20MHzの正弦波で発光源2から放射する光の強度を変調する。なお、発光源2から放射する光の強度は正弦波で変調する以外に、三角波、鋸歯状波などで変調してもよく、要するに、一定周期で強度を変調するのであれば、どのような構成を採用してもよい。
光検出素子1は、規則的に配列された複数個の感光部11を備える。また、感光部11への光の入射経路には受光光学系19が配置される。感光部11は光検出素子1において対象空間からの光が受光光学系19を通して入射する部位であって、感光部11において受光光量に応じた量の電荷を生成する。また、感光部11は、平面格子の格子点上に配置され、たとえば垂直方向(つまり、縦方向)と水平方向(つまり、横方向)とにそれぞれ等間隔で複数個ずつ並べたマトリクス状に配列される。
受光光学系19は、光検出素子1から対象空間を見るときの視線方向と各感光部11とを対応付ける。すなわち、受光光学系19を通して各感光部11に光が入射する範囲を、受光光学系19の中心を頂点とし各感光部11ごとに設定された頂角の小さい円錐状の視野とみなすことができる。したがって、発光源2から放射され対象空間に存在する対象物Obで反射された反射光が感光部11に入射すれば、反射光を受光した感光部11の位置により、受光光学系19の光軸を基準方向として対象物Obの存在する方向を知ることができる。
受光光学系19は一般に感光部11を配列した平面に光軸を直交させるように配置されるから、受光光学系19の中心を原点とし、感光部11を配列した平面の垂直方向と水平方向と受光光学系19の光軸とを3軸の方向とする直交座標系を設定すれば、対象空間に存在する対象物Obの位置を球座標で表したときの角度(いわゆる方位角と仰角)が各感光部11に対応する。なお、受光光学系19は、感光部11を配列した平面に対して光軸が90度以外の角度で交差するように配置することも可能である。
本実施形態では、上述のように、対象物Obまでの距離を求めるために、発光源2から対象空間に照射される光の強度変化に同期する4点のタイミングで受光光量A0、A1、A2、A3を求めている。したがって、目的の受光光量A0、A1、A2、A3を得るためのタイミングの制御が必要である。また、発光源2から対象空間に照射される光の強度変化の1周期において感光部11で発生する電荷の量は少ないから、複数周期に亘って電荷を集積することが望ましい。そこで、図1のように各感光部11で発生した電荷をそれぞれ集積する複数個の電荷集積部13を設けるとともに、各感光部11の感度をそれぞれ調節する複数個の感度制御部12を設けている。
各感度制御部12では、感度制御部12に対応する感光部11の感度を上述した4点のうちのいずれかのタイミングで高め、感度が高められた感光部11では当該タイミングの受光光量A0、A1、A2、A3に対応する電荷を主として生成するから、当該受光光量A0、A1、A2、A3に対応する電荷を当該感光部11に対応する電荷集積部13に集積させることができる。
以下では、感度制御部12の具体的な構成として、感光部11で生成された電荷のうち電荷集積部13に与える電荷の割合を調節する技術と、実質的に感光部11として機能する部位の面積を変化させる技術とを示す。電荷集積部13に与える電荷の割合を調節する技術には、感光部11から電荷集積部13への通過率を調節する技術と、感光部11から電荷を廃棄する廃棄率を調節する技術と、通過率と廃棄率との両方を調節する技術とがある。
感度制御部12において通過率と廃棄率とを調節する技術では、図10に示すように、感光部11と電荷集積部13との間にゲート電極12aを設け、ゲート電極12aに印加する通過電圧を変化させることにより、感光部11から電荷集積部13への電荷の移動(つまり、通過率)を制御する。また、電荷廃棄部12cを設け、電荷廃棄部12cに付設した廃棄電極12bに印加する廃棄電圧を変化させることにより、感光部11から電荷廃棄部12cへの電荷の移動(つまり、廃棄率)を制御する。電荷集積部13は感光部11ごとに一対一に対応するように設けられ、電荷廃棄部12cは複数個の感光部11に共通させて一対多に対応するように設けられる。図示例では、光検出素子1のすべての感光部11で1組の廃棄電極12bおよび電荷廃棄部12cを共用している。
感度を制御するために、感光部11からの電荷の廃棄を行わずに感光部11から電荷集積部13への通過率の制御のみを行うことが考えられるが、電荷の廃棄を行わなければ感光部11において電荷が暫時残留するから、感光部11で生成された電荷のうち不要な残留電荷が、利用する電荷(以下、信号電荷という)に雑音成分として混入する。したがって、信号電荷への残留電荷の混入を防止するために、ゲート電極12aに印加する通過電圧だけでなく廃棄電極12bに印加する廃棄電圧を制御する。
ゲート電極12aと廃棄電極12bとを用いて感度を制御するには、ゲート電極12aに印加する通過電圧を一定電圧に保つことにより感光部11で生成された電荷を電荷集積部13に通過可能としておき、感光部11で生成された電荷のうち信号電荷に用いる電荷が生成される期間以外には感光部11から電荷廃棄部12cに電荷が移動するように廃棄電極12bに廃棄電圧を印加する。要するに、感光部11において信号電荷として用いる電荷が生成される期間にのみ電荷廃棄部12cへの電荷の廃棄を行わず、他の期間には電荷廃棄部12cに電荷を廃棄することにより、信号電荷として用いようとする期間に生成された電荷のみを電荷集積部13に集積する。
いま、図11(a)のような変調信号により発光源2から空間に照射される光の強度が変調されているとする。電荷集積部13には変調信号の複数周期(数万〜数十万周期)において変調信号に同期する特定の区間の受光光量A0,A1,A2,A3に相当する電荷を集積し、各区間の電荷の集積毎に集積した信号電荷を取り出して次の区間の電荷を集積する。たとえば、受光光量A0に相当する電荷を変調信号の数万周期について集積すると、この受光光量A0に相当する信号電荷を一旦外部に取り出し、その後、受光光量A1に相当する電荷を変調信号の数万周期について集積する。
図11は受光光量A0に相当する電荷を集積している状態を示しており、図11(b)に示すようにゲート電極12aに印加する通過電圧を一定電圧に保っている。また、受光光量A0に相当する電荷としては、変調信号の位相が0〜90度の区間において感光部11で生成された電荷を採用している。つまり、廃棄電極12bには、図11(c)のように変調信号の位相が90〜360度の区間において、感光部11で生成される電荷を不要電荷とするように廃棄電圧を印加する。この制御により、図11(d)のように所望の区間の受光光量A0に対応した信号電荷を電荷集積部13に集積することが可能になる。図11に示す処理は変調信号の数万〜数十万周期について行われ、この期間に電荷集積部13に得られた信号電荷は受光光量A0に対応する受光出力として電荷取出部14により取り出される。
電荷取出部14から取り出された電荷は画像生成部4に画像信号として与えられ、画像生成部4において、対象空間内の対象物Obまでの距離が、上述した(1)式を用いて受光光量A0、A1、A2、A3に対応する受光出力から算出される。すなわち、画像生成部4では各感光部11に対応した各方向における対象物Obまでの距離が算出され、対象空間の三次元情報が算出される。この三次元情報を用いると、対象空間の各方向に一致する画素の画素値が距離値である距離画像を生成することができる。
なお、上述の制御では、廃棄電極12bに廃棄電圧を印加している期間においてゲート電極12aにも一定電圧である通過電圧を印加しているが、廃棄電圧と通過電圧との大小関係を適宜に設定すれば、不要電荷を廃棄している期間には信号電荷がほとんど集積されないようにすることができる。また、変調信号の数万〜数十万周期について電荷を集積しているのは、集積する電荷量を多くすることによって高感度化するためであり、変調信号をたとえば20MHzと設定すれば、30フレーム/秒で信号電荷を取り出すとしても、数十万周期以上の集積が可能になる。
上述したように、廃棄電極12bを備えた電荷廃棄部12cを設け、感光部11に生じた電荷のうち信号電荷として利用しない不要電荷を電荷廃棄部12cに積極的に廃棄しているから、感光部11において電荷集積部13に信号電荷を与えていない期間に感光部11で生成される電荷はほとんどが不要電荷として廃棄されることになり、信号電荷への雑音成分の混入が大幅に抑制される。
上述の例では、ゲート電極12aに一定電圧である通過電圧を印加している期間に廃棄電極12bに廃棄電圧を印加する期間と印加しない期間とを設けることによって、廃棄電圧が印加されていない期間において感光部11に生成された電荷を信号電荷として用いているが、図12に示すように、ゲート電極12aに通過電圧を印加する期間と廃棄電極12bに廃棄電圧を印加する期間とが重複しないように制御してもよい。
図12は受光光量A0に対応する信号電荷を集積する場合の動作を示している。図12(a)は発光源2から空間に照射される光の強度を変調する変調信号を示しており、ゲート電極12aには、図12(b)のように、受光光量A0に対応するタイミングで通過電圧を印加する。ゲート電極12aに通過電圧を印加する期間は、変調信号の位相における0度から一定期間(図示例では0〜90度)に設定され、この期間において感光部11から電荷集積部13への電荷の移動が可能になる。一方、廃棄電極12bには、図12(c)のように、電荷集積部13に受光光量A0に相当する信号電荷を集積する期間以外において廃棄電圧を印加し、信号電荷を集積する期間以外では感光部11で生成した電荷を不要電荷として電荷廃棄部12cに廃棄する。このような制御によって、図12(d)のように受光光量A0に相当する信号電荷を取り出すことが可能になる。
図12に示す制御では、ゲート電極12aに通過電圧を印加している期間と廃棄電極12bに廃棄電圧を印加している期間とが異なるから、図11に示した制御例のように通過電圧と廃棄電圧との大小関係を考慮しなくとも通過電圧と廃棄電圧との大きさを独立して制御することができ、結果的に通過電圧および廃棄電圧の制御が容易になり、感光部11で受光した光量に対して信号電荷を取り込む割合である感度の制御が容易になるとともに、感光部11で生成された電荷のうち不要電荷として廃棄する割合の制御が容易になる。また、図12に示す制御例では、電荷集積部13に信号電荷を集積する期間はゲート電極12aに印加する通過電圧により規定されるから、廃棄電極12bに廃棄電圧を印加する期間を短縮することが可能であり、たとえば、ゲート電極12aに通過電圧を印加する直前の所定期間にのみ廃棄電極12bに廃棄電圧を印加することも可能である。
図12に示す制御を行えば、感光部11で生成した電荷を電荷集積部13に信号電荷として集積していない期間において感光部11で生成される電荷をほとんど不要電荷として廃棄するから、信号電荷への雑音成分の混入が大幅に抑制されることになる。
通過電圧と廃棄電圧との制御例としては、図13に示すように、廃棄電極12bに印加する廃棄電圧を一定電圧に保って感光部11で生成された電荷の一部をつねに廃棄するようにしてもよい。図13の制御例では、ゲート電極12aに通過電圧を印加する期間と印加しない期間とを設け、通過電圧を印加する期間を電荷集積部13に信号電荷を集積する期間としている。
図13は受光光量A0に相当する信号電荷を集積する場合の動作を示している。図13(a)は発光源2から空間に照射される光の強度を変調する変調信号を示しており、電荷集積部13に設けたゲート電極12aには、図13(b)のように、受光光量A0に対応する期間に通過電圧が印加され、感光部11において生成された電荷を受光光量A0に相当する信号電荷として電荷集積部13に集積する。つまり、ゲート電極12aに通過電圧を印加する期間は、変調信号の位相における0度から一定期間(図示例では0〜90度)に設定され、この期間において感光部11から電荷集積部13への電荷の移動が可能になる。一方、廃棄電極12bには、図13(c)のように、直流電圧である一定電圧の廃棄電圧がつねに印加され、感光部11で生成された電荷の一部をつねに不要電荷として電荷廃棄部12cに廃棄する。上述の制御では、信号電荷を電荷集積部13に集積する期間にのみゲート電極12aに通過電圧を印加しているから、図13(d)のように受光光量A0に相当する信号電荷を取り出すことが可能になる。
図13に示す制御では、ゲート電極12aに通過電圧を印加しているか否かにかかわらず廃棄電極12bに一定電圧の廃棄電圧を印加しているから、感光部11において生成された電荷のうち電荷集積部13に信号電荷として集積されなかった不要電荷は、廃棄電荷として電荷廃棄部12cに廃棄される。ここで、感光部11で生成された電荷の一部を信号電荷として電荷集積部13に集積する期間においても感光部11から電荷廃棄部12cへの電荷の廃棄が継続しているから、信号電荷を電荷集積部13に適正に集積するために、通過電圧と廃棄電圧との大小関係を考慮する必要がある。ただし、廃棄電圧は一定電圧であって廃棄電極12bにつねに印加しているだけであるから、実際には通過電圧のみを制御すればよく、制御自体は容易である。
図10に示した感度制御部12を備える光検出素子1は、オーバーフロードレインを備えたCCDイメージセンサにより実現することができる。CCDイメージセンサにおける電荷の転送方式はどのようなものでもよく、インターライントランスファ(IT)方式、フレームトランスファ(FT)方式、フレームインターライントランスファ(FIT)方式のいずれであってもよい。
図14に縦型オーバーフロードレインを備えるインターライントランスファ方式のCCDイメージセンサの構成を示す。図示例は、感光部11となるフォトダイオード41を水平方向と垂直方向とに複数個ずつ(図では3×4個)配列した2次元イメージセンサであって、垂直方向に配列したフォトダイオード41の各列の右側方にCCDからなる垂直転送レジスタ42を備え、フォトダイオード41および垂直転送レジスタ42が配列された領域の下方にCCDからなる水平転送レジスタ43を備える。垂直転送レジスタ42は各フォトダイオード41ごとに2個ずつの転送電極42a,42bを備え、水平転送レジスタ43は各垂直転送レジスタ42ごとに2個ずつの転送電極43a,43bを備える。
フォトダイオード41と垂直転送レジスタ42と水平転送レジスタ43とは1枚の半導体基板40上に形成され、半導体基板40の主表面には、フォトダイオード41と垂直転送レジスタ42と水平転送レジスタ43との全体を囲む形でアルミニウム電極であるオーバーフロー電極44が、半導体基板40の全周に亘って絶縁膜を介さずに半導体基板40に直接接触するように設けられる。オーバーフロー電極44に半導体基板40に対して正極性になる適宜の廃棄電圧を印加すればフォトダイオード41で生成された電子(電荷)はオーバーフロー電極44を通して廃棄される。オーバーフロー電極44は、感光部11であるフォトダイオード41において生成した電荷のうち不要電荷を廃棄する際に廃棄電圧が印加されるから廃棄電極12bとして機能し、オーバーフロー電極44に廃棄電圧を印加する電源が感光部11で生成された電子(電荷)を廃棄する電荷廃棄部12cとして機能する。半導体基板40の表面はフォトダイオード41に対応する部位を除いて遮光膜46(図15参照)により覆われる。
図14に示したCCDイメージセンサについて、1個のフォトダイオード41に関連する部分を切り出して図15に示す。半導体基板40にはn形半導体を用い、半導体基板40の主表面にはフォトダイオード41と垂直転送レジスタ42とに跨る領域にp形半導体からなるウェル領域31を形成している。ウェル領域31は、フォトダイオード41に対応する領域に比較して垂直転送レジスタ42に対応する領域の厚み寸法が大きくなるように形成してある。ウェル領域31のうちフォトダイオード41に対応する領域にはn+形半導体層32を重ねて設けてあり、ウェル領域31とn+形半導体層32とのpn接合によってフォトダイオード41が形成される。フォトダイオード41の表面にはp+形半導体からなる表面層33を積層してある。表面層33はフォトダイオード41で生成された電荷を垂直転送レジスタ42に移動させる際に、n+形半導体層32の表面付近が電荷の通過経路にならないように制御する目的で設けてある。このような構造は、埋込フォトダイオードとして知られている。
ウェル領域31のうち垂直転送レジスタ42に対応する領域にはn形半導体からなる蓄積転送層34を重ねて設けてある。蓄積転送層34の表面と表面層33の表面とは略同一平面であって、蓄積転送層34の厚み寸法は表面層33の厚み寸法よりも大きくしてある。蓄積転送層34は、表面層33とは接触しているが、n+形半導体層32との間には、表面層33と不純物濃度が等しいp+形半導体からなる分離層35が介在する。蓄積転送層34の表面には、絶縁膜45を介して転送電極42a,42bが配置される。転送電極42a,42bは1個のフォトダイオード41に対して2個ずつ設けられ、垂直方向において2個の転送電極42a,42bのうちの一方は他方よりも広幅に形成される。具体的には、図16のように、1個のフォトダイオード41に対応する2個の転送電極42a,42bのうち狭幅の転送電極42bは平板状に形成されており、広幅の転送電極42aは、幅狭の転送電極42bと同一平面上に配列され一対の転送電極42bの間に配置される平板状の部分と、平板状の部分の垂直方向(図16の左右方向)における両端部からそれぞれ延長され転送電極42bの上に重複する湾曲した部分とを備える。ここに、絶縁膜45はSiOにより形成され、また転送電極42a,42bはポリシリコンにより形成され、各転送電極42a,42bは絶縁膜45を介して互いに絶縁されている。さらに、フォトダイオード41に光を入射させる部位を除いて光検出素子1の表面は遮光膜46により覆われる。ウェル領域31において垂直転送レジスタ42に対応する領域および蓄積転送層34は垂直転送レジスタ42の全長に亘って形成され、したがって、蓄積転送層34には広幅の転送電極42aと狭幅の転送電極42bとが交互に配列される。
上述した光検出素子1では、フォトダイオード41が感光部11に相当し、転送電極42aが通過電極12aに相当し、オーバーフロー電極44が廃棄電極12bに相当し、垂直転送レジスタ42が電荷集積部13および電荷取出部14の一部として機能する。また、水平転送レジスタ43も電荷取出部14の一部になる。すなわち、フォトダイオード41に光が入射すれば電荷が生成され、フォトダイオード41で生成された電荷のうち垂直転送レジスタ42に信号電荷として引き渡される電荷の割合は転送電極42aに印加する通過電圧とオーバーフロー電極44に印加する廃棄電圧との関係によって決めることができる。転送電極42aに通過電圧を印加すると蓄積転送層34にポテンシャル井戸が形成され、通過電圧の制御によりポテンシャル井戸の深さを制御することができる。したがって、ポテンシャル井戸の深さおよび通過電圧を印加する時間とを制御すれば、フォトダイオード41から垂直転送レジスタ42に引き渡される電荷の割合を調節することができる。また、オーバーフロー電極44に印加する廃棄電圧を制御すれば、フォトダイオード41と半導体基板40との間の電位勾配を制御することができるから、電位勾配と廃棄電圧を印加する時間とを制御すれば、垂直転送レジスタ42に引き渡される電荷の割合を調節することができる。制御電圧と廃棄電圧とは図11ないし図13に示した制御例のように制御すればよい。
フォトダイオード41から垂直転送レジスタ42に引き渡された信号電荷は、上述した4区間の受光光量A0,A1,A2,A3のうちの各1区間の受光光量A0,A1,A2,A3に相当する信号電荷が集積されるたびに読み出される。たとえば、受光光量A0に相当する信号電荷が各フォトダイオード41に対応して形成されるポテンシャル井戸に集積されると信号電荷を読み出し、次に受光光量A1に相当する信号電荷がポテンシャル井戸に集積されると再び信号電荷を読み出すという動作を繰り返す。なお、各受光光量A0,A1,A2,A3に相当する信号電荷を集積する期間は等しく設定しておく。
ところで、上述した制御例のうち、図11に示す制御例では、感光部11(フォトダイオード41)で生成された電荷(電子)を電荷集積部13(垂直転送レジスタ42)に対してつねに引き渡しているから、電荷集積部13に集積された電荷は必ずしも目的の受光光量A0、A1、A2、A3が得られる期間に生成された電荷だけではなく、目的外の期間に生成された電荷も混入することになる。いま、感度制御部12において、受光光量A0、A1、A2、A3に対応した電荷を生成する期間の感度をα、それ以外の期間の感度をβとし、感光部11は受光光量に比例する電荷を生成するものとする。この条件では、受光光量A0に対応した電荷を集積する電荷集積部13には、αA0+β(A1+A2+A3)+βAx(Axは受光光量A0、A1、A2、A3が得られる期間以外の受光光量)に比例する電荷が集積され、受光光量A2に対応した電荷を集積する電荷集積部13には、αA2+β(A0+A1+A3)+βAxに比例する電荷が集積される。上述したように、位相差ψを求める際には(A2−A0)を求めており、(A2−A0)に相当する値を電荷集積部13に集積した電荷から求めると(α−β)(A2−A0)になり、同様にして(A1−A3)に相当する値は(α−β)(A1−A3)になるから、(A2−A0)/(A1−A3)は電荷の混入の有無によらず理論上は同じ値になるのであって、電荷が混入しても求める位相差ψは同じ値になる。
上述した構成例では、CCDイメージセンサを光検出素子1に用い、電荷集積部13に通過させる電荷の量と、電荷廃棄部12cに廃棄する電荷の量との少なくとも一方を制御することにより感度制御部12を構成する例を示したが、以下に示す感度制御部12は、感光部11において利用できる電荷を生成する領域の面積(実質的な受光面積)を変化させるものである。
以下に光検出素子1の具体的構造例を説明する。図17に示す光検出素子1は、複数個(たとえば、100×100個)の感光部11をマトリクス状に配列したものであって、たとえば1枚の半導体基板上に形成される。1個の感光部11は不純物を添加した半導体層21に酸化膜からなる絶縁膜22を介して複数個(図では5個)の制御電極23を配列した構成を有する。図示例では電極が並ぶ方向(左右方向)が垂直方向であり、感光部11で生成した電荷(本実施形態では、電子を用いる)を取り出す際には、垂直転送レジスタにより電荷を垂直方向に転送した後、水平転送レジスタを用いて水平方向に転送される。つまり、垂直転送レジスタと水平転送レジスタとにより電荷取出部14が構成される。垂直転送レジスタおよび水平転送レジスタの構成には、CCDイメージセンサにおけるインターライントランスファ(IT)方式、フレームトランスファ(FT)方式、フレームインターライントランスファ(FIT)方式と同様の構成を採用することができる。
すなわち、垂直方向に並ぶ各感光部11が一体に連続する半導体層21を共用するとともに半導体層21を垂直転送レジスタに用いれば、半導体層21が感光部11と電荷の転送経路とに兼用された構造になり、FT方式のCCDイメージセンサと同様にして電荷を垂直方向に転送することができ、また、感光部11から転送ゲートを介して垂直転送レジスタに電荷を転送すれば、IT方式またはFIT方式のCCDイメージセンサと同様にして電荷を転送することができる。
上述のように、半導体層21は不純物が添加してあり、半導体層21の主表面は酸化膜からなる絶縁膜22により覆われ、半導体層21に絶縁膜22を介して複数個の制御電極23を配置している。この光検出素子1はMIS素子として知られた構造であるが、1個の光検出素子1として機能する領域に複数個(図示例では5個)の制御電極23を備える点が通常のMIS素子とは異なる。絶縁膜22および制御電極23は発光源2から対象空間に照射される光と同波長の光が透過するように材料が選択され、絶縁膜22を通して半導体層21に光が入射すると、半導体層21の内部に電荷が生成される。図示例の半導体層21の導電形はn形であり、光の照射により生成される電荷として電子eを利用する。図17は1個の感光部11に対応する領域のみを示したものであり、半導体基板(図示せず)には上述したように図17の構造を持つ領域が複数個配列されるとともに電荷取出部14となる構造が設けられる。電荷取出部14として設ける垂直転送レジスタは、図17の左右方向に電荷を転送することを想定しているが、図17の面に直交する方向に電荷を転送する構成を採用することも可能である。また、電荷を図の左右方向に転送する場合には、制御電極23の左右方向の幅寸法を1μm程度に設定するのが望ましい。
この構造の光検出素子1では、制御電極23に正の制御電圧+Vを印加すると、半導体層21には制御電極23に対応する部位に電子eを集積するポテンシャル井戸(空乏層)24が形成される。つまり、半導体層21にポテンシャル井戸24を形成するように制御電極23に制御電圧を印加した状態で光が半導体層21に照射されると、ポテンシャル井戸24の近傍で生成された電子eの一部はポテンシャル井戸24に捕獲されてポテンシャル井戸24に集積され、残りの電子eは半導体層21の深部での再結合により消滅する。また、ポテンシャル井戸24から離れた場所で生成された電子eも半導体層21の深部での再結合により消滅する。
ポテンシャル井戸24は制御電圧を印加した制御電極23に対応する部位に形成されるから、制御電圧を印加する制御電極23の個数を変化させることによって、半導体層21の主表面に沿ったポテンシャル井戸24の面積(言い換えると、受光面において利用できる電荷を生成する領域の面積)を変化させることができる。つまり、制御電圧を印加する制御電極23の個数を変化させることは感度制御部12における感度の調節を意味する。たとえば、図17(a)のように3個の制御電極23に制御電圧+Vを印加する場合と、図17(b)のように1個の制御電極23に制御電圧+Vを印加する場合とでは、ポテンシャル井戸24が受光面に占める面積が変化するのであって、図17(a)の状態のほうがポテンシャル井戸24の面積が大きいから、図17(b)の状態に比較して同光量に対して利用できる電荷の割合が多くなり、実質的に感光部11の感度を高めたことになる。このように、感光部11および感度制御部12は半導体層21と絶縁膜22と制御電極23とにより構成されていると言える。ポテンシャル井戸24は光照射により生成された電荷を保持するから電荷集積部13として機能する。
上述したように、ポテンシャル井戸24から電荷を取り出すには、CCDイメージセンサと同様の技術を採用する。たとえば感光部11を垂直転送レジスタとして用いる場合は、ポテンシャル井戸24に電子eが集積された後に、電荷の集積時とは異なる印加パターンの制御電圧を制御電極23に印加することによってポテンシャル井戸24に集積された電子eを一方向(たとえば、図の右方向)に転送することができる。あるいはまた、感光部11とは別に設けた垂直転送レジスタに転送ゲートを介して感光部11から電荷を転送する構成を採用することもできる。垂直転送レジスタからは水平転送レジスタに電荷を引き渡し、水平転送レジスタを転送された電荷は、半導体基板に設けた図示しない電極から光検出素子1の外部に取り出される。
図17に示す構成における感度制御部12は、利用できる電荷を生成する面積を大小2段階に切り換えることにより感光部11の感度を高低2段階に切り換えるのであって、受光光量A0、A1、A2、A3のいずれかに対応する電荷を感光部11で生成しようとする期間にのみ高感度とし(電荷を生成する面積を大きくし)、他の期間には低感度にする。高感度にする期間と低感度にする期間とは、発光源2を駆動する変調信号に同期させて設定される。具体的には、変調信号に同期する特定の区間(特定位相の区間)において、電荷を生成する面積を大きくして感光部11で生成した電荷を集積し、上記特定区間以外の他の区間において、電荷を生成する面積を小さくして感光部11で生成した電荷を蓄積する。すなわち、感光部11において、電荷を集積する機能と蓄積する機能とが交互に実現される。ここで、集積とは電荷を集めることを意味し、蓄積とは電荷を保持することを意味する。言い換えると、図17に示す構成では、感光部11に設けた電荷集積部13の大きさ(面積)を変化させることにより、電荷を集積する期間には感光部11で生成された電荷の集積率を大きくし、電荷を蓄積する期間には感光部11で生成された電荷の集積率を小さくするのである。
また、変調信号の複数周期に亘ってポテンシャル井戸24に電荷を集積した後に電荷取出部14を通して光検出素子1の外部に電荷を取り出すようにしている。変調信号の複数周期に亘って電荷を集積しているのは、変調信号の1周期内では感光部11が利用可能な電荷を生成する期間が短く(たとえば、変調信号の周波数を20MHzとすれば50nsの4分の1以下)、生成される電荷が少ないからである。つまり、変調信号の複数周期分の電荷を集積することにより、信号電荷(発光源2から照射された光に対応する電荷)と不要電荷(主に外光成分および光検出素子1の内部で発生するショットノイズに対応する電荷)との比を大きくとることができ、大きなSN比が得られる。
ところで、位相差ψを求めるのに必要な4区間の受光光量A0、A1、A2、A3に対応する電荷を1個の感光部11で生成するとすれば、視線方向に関する分解能は高くなるが、各受光光量A0、A1、A2、A3に対応する電荷を求める時間差が大きくなるという問題が生じる。一方、各受光光量A0、A1、A2、A3に対応する電荷を4個の感光部11でそれぞれ生成するとすれば、各受光光量A0、A1、A2、A3に対応する電荷を求める時間差は小さくなるが、4区間の電荷を求める視線方向にずれが生じ視線方向に関する分解能は低下する。そこで、2個の感光部11を用いることにより、変調信号の1周期内で受光光量A0、A1、A2、A3に対応する電荷を2種類ずつ生成する構成を採用してもよい。つまり、2個の感光部11を組にして用い、組になる2個の感光部11に同じ視線方向からの光が入射するようにしてもよい。
この構成を採用することにより、視線方向の分解能を比較的高くし、かつ受光光量A0、A1、A2、A3に対応する電荷を生成する時間差を少なくすることができる。つまり、受光光量A0、A1、A2、A3に対応する電荷を生成する時間差を少なくしていることにより、対象空間の中で移動している対象物Obについても距離の検出精度を比較的高く保つことができる。なお、この構成では、1個の感光部11で4種類の受光光量A0、A1、A2、A3に対応する電荷を生成する場合よりも視線方向の分解能が低下するが、視線方向の分解能については感光部11の小型化や受光光学系19の設計によって向上させることが可能である。
以下に動作を具体的に説明する。図17に示した例では、1個の感光部11について5個の制御電極23を設けた例を示しているが、両側の2個の制御電極23は、感光部11で電荷(電子e)を生成している間に隣接する感光部11に電荷が流出するのを防止するための障壁を形成するものであって、2個の感光部11を組にして用いる場合には隣接する感光部11のポテンシャル井戸24の間には、いずれかの感光部11で障壁が形成されるから、各感光部11には3個ずつの制御電極23を設けるだけで足りることになる。この構成によって、感光部11の1個当たりの占有面積が小さくなり、2個の感光部11を組にして用いながらも視線方向の分解能の低下を抑制することが可能になる。
なお、上述した距離画像センサ10の構成例では、受光光量A0、A1、A2、A3に対応する4区間を変調信号の1周期内で位相の間隔が90度ずつになるように設定しているが、変調信号に対する位相が既知であれば4区間は90度以外の適宜の間隔で設定することが可能である。ただし、間隔が異なれば位相差ψを求める算式は異なる。また、4区間の受光光量に対応した電荷を取り出す周期は、対象物Obの反射率および外光成分が変化せず、かつ位相差ψも変化しない時間内であれば、変調信号の1周期内で4区間の信号電荷を取り出すことも必須ではない。さらに、太陽光や照明光のような外乱光の影響があるときには、発光源2から放射される光の波長のみを透過させる光学フィルタを感光部11の前に配置するのが望ましい。
次に上述の距離画像センサ10を用いた人体検知装置の全体構成について説明する。本実施形態の人体検知装置は、図1に示すように上述の距離画像センサ10と、人体検知部20とを備えている。
距離画像センサ10は、図2(a)に示すように対象領域30の上方に設置されており、対象領域30を上方から撮像する。すなわち、発光源2は下方の対象領域30に対して照射光を照射しており、制御回路部3によって発光源2からの照射光の強度が周期的に変化するように変調されるので、画像生成部4によって、発光源2からの照射光が対象領域30内の物体で反射されて感光部11で受光されるまでの光の位相差を物体までの距離に換算した距離値を画素値とする距離画像が生成される。尚、本実施形態ではTOF法により距離画像を得る距離画像センサ10を用いているが、互いに異なる方向から対象領域を撮影する複数台のカメラを設置し、各カメラで撮影された複数の画像から、三角測量の原理を用いて、所定の測定点から対象領域内の物体までの距離値を画素値とする距離画像を作成するようにしても良い。
人体検知部20は、距離画像センサ10により撮像された距離画像を用い、後述の人体検知方法を実行することで、対象領域30内の人体を検知するコンピュータからなり、以下にその人体検知方法を図面に基づいて説明する。ここでは、図2(a)に示すように対象領域30内に大人50と子供51が1人ずついる場合について説明する。
人体検知部20は、画像生成部4から距離画像の画像データが入力されると、距離画像を構成する複数の画素から、画素値が閾値以下となる画素領域を抽出する領域抽出処理を、上記の閾値を画素値が最短の画素(以下、最短画素と言う。)の画素値から段階的に伸ばして複数回行う。例えば図3(a)に示すように上記の閾値を最短画素の画素値L1からL2、L3、L4、L5と段階的に伸ばした場合、距離画像センサ10から大人50の頭部までの距離になるので、距離値が閾値L1〜L5以下となる画素領域A1〜A5はそれぞれ略円形の領域となる(図3(b)参照)。なお、図3(b)中の曲線(画素値が閾値となる画素を結んでできる等高線)で囲まれた領域がそれぞれ画素領域A1〜A5となり、他の図でも同様である。また上記の閾値をL6、L7に伸ばした場合、距離画像センサ10から大人50の肩付近までの距離になるので、距離値が閾値L6,L7以下となる画素領域A6、A7は略楕円形の領域となる。一方、子供51は大人50に比べて背が低いので、図4(a)に示すように上記の閾値をL11(>L7)、L12、L13まで段階的に伸ばすと、距離画像センサ10から子供51の頭部までの距離となり、距離値が閾値L11、L12、L13以下となる画素領域A11、A12,A13は略円形の領域となる(図4(b)参照)。さらに上記の閾値をL14、L15まで段階的に伸ばすと、距離画像センサ10から子供51の肩付近までの距離になるので、距離値が閾値L14,L15以下となる画素領域A14、A15は略楕円形の領域となる。
ここで図2(b)は、距離画像G1を構成する複数の画素から、画素値が閾値以下となる画素領域を抽出する領域抽出処理を、上記の閾値L1〜L7、L11〜L15に段階的に伸ばして複数回行った結果を示しており、大人50および子供51にそれぞれ対応する画素領域A1〜A7、A11〜A15が抽出される。なお、子供51の頭部は大人50よりも小さく、また肩幅も狭いので、子供51の頭部に対応する画素領域A13は大人50の頭部の画素領域A5よりも狭く、また子供51の肩部に対応する画素領域A15も大人50の肩部の画素領域A7よりも狭くなっている。また上方に設置された距離画像センサ10から、略真下にいる大人50と子供51を撮影した場合、頭部の水平断面が最大となる高さ位置よりも下側の頭部は距離画像に現れなくなる。同様に大人50および子供51の胴体部分では、胴体の水平断面が最大となる高さ位置よりも下側の胴体部は距離画像に現れなくなる。
人体検知部20は、上述のように閾値を段階的に伸ばして領域抽出処理を繰り返し行うのであるが、閾値を伸ばして領域抽出処理を行う毎に、新たに抽出された画素領域が、既に抽出されている画素領域と部分的に重複するか否かを判断し、部分的に重複する画素領域があれば、これらの画素領域が同一の物体を示していると判断して、重複する複数の画素領域の全体に同一の識別子を割り当てる識別子割当処理を実行する。
例えば画素値が上記の閾値L1以下となる画素領域を抽出した段階では、画素領域が1つだけなので、この画素領域A1に対して個別の識別子LB1を割り当てる。図5(b)は識別子LB1が割り当てられた画素領域を示しており、識別子LB1を割り当てた画素領域にはハッチングを施してある。その後、閾値をL3まで伸ばして画素領域A3を抽出すると、新たに抽出した画素領域A3に、前回までの抽出処理で抽出された画素領域A1,A2が包含されているので、複数の画素領域A1〜A3の全体に同一の識別子LB1を割り当てる(図6(a)参照)。つまり識別子LB1を割り当てた画素領域に新たに画素領域A3を追加する。さらに、閾値をL4まで伸ばして画素領域A4を抽出すると、新たに抽出した画素領域A4に、既に抽出された画素領域A1〜A3が全て包含されているので、複数の画素領域A1〜A4の全体に同一の識別子LB1を割り当てる(図6(b)参照)。
なお、対象領域30内の人物が直立列姿勢を保っている場合は、距離画像センサ10に近い側から順番に複数の画素領域A1…を抽出すると、距離画像センサ10からの距離値が少し遠い画素領域に、距離値がより短い画素領域が包含されるのであるが、図6(c)(d)に示すように対象領域30内の人物が前傾姿勢をとっている場合は距離値が少し遠い画素領域に、距離値がより短い画素領域が包含されず、部分的に重複するだけの場合がある。すなわち、画素値が閾値となる画素を結んでできる等高線が途切れてしまう場合がある。
すなわち、対象領域30内の人物が前傾姿勢をとっている場合に、距離画像センサ10に近い側から順番に複数の画素領域を抽出すると、人体の頭部に対応する画素領域A1〜A5では、距離値が少し遠い画素領域に、距離値がより短い画素領域が包含されるので、図6(c)に示すように閾値をL5まで伸ばして画素領域A5を抽出した段階では、人体検知部20は、画素領域A5に包含される画素領域A1〜A4を同一の物体と判断し、これらの画素領域A1〜A5の全体、すなわち画素領域A5に識別子LB1を割り当てる。
一方、人体の肩付近に対応する画素領域A6、A7では、この人物が前傾姿勢を保っているために、距離値が少し遠い画素領域に、距離値がより短い画素領域が包含されなくなって、部分的に重複するだけなので、図6(d)に示すように閾値をL6まで伸ばして画素領域A6を抽出した段階では、人体検知部20は、部分的に重複する画素領域A5、A6の全体を同一の物体と判断し、これらの画素領域A1〜A6の全体、すなわち画素領域A5、A6の和集合に識別子LB1を割り当てる。
そして、人体検知部20では、同一の識別子を割り当てた画素領域の画素数が、人体の大きさに相当する画素数を超えるという判定条件Z1が成立すると、上述の領域抽出処理と識別子割当処理を終了し、同一の識別子が割り当てられた画素領域を人体として抽出する。図8(a)は上記の判定条件Z1が成立した状態を示しており、人体検知部20は上述の領域抽出処理と識別子割当処理とを実行した結果、大人50に対応する画素領域A1…に識別子LB1を割り当て、子供51に対応する画素領域A11…には別個の識別子LB2を割り当てたものとする。そして、人体検知部20では、識別子LB1を割り当てた画素領域A1…の画素数が所定の画素数を超えると、この識別子LB1の画素領域について領域抽出処理および識別子割当処理を終了し、識別子LB1が割り当てられた画素領域A1〜A5を人体として抽出する。また人体検知部20では、識別子LB2を割り当てた画素領域A11…の画素数が所定の画素数を超えると、この識別子LB2の画素領域について領域抽出処理および識別子割当処理を終了し、識別子LB2が割り当てられた画素領域A11〜A14を人体として抽出する。なお、大人50に比べて子供51は体格が小さいので、大人50の場合は頭部に対応する画素領域A1〜A5を抽出した段階で判定条件Z1が成立するが、子供51の場合は頭部に加えて肩に対応する画素領域A11〜A14を抽出した段階で判定条件Z1が成立する。
このように本実施形態では、距離画像センサ10に近い側から順番に画素領域を抽出し、新たに抽出した画素領域が、既に抽出された画素領域と重複する場合は、重複する複数の画素領域を同一の物体と判断して、これらの画素領域の全体に同一の識別子を付与しており、同一の識別子を付与した画素領域の画素数が人体の大きさに相当する画素数を超えるという判定条件Z1が成立すれば、同一の識別子を付与した画素領域を人体として抽出しているので、従来の人体検知方法のように等高線が閉じないような場合でも確実に人体を検知できる。また判定条件Z1が成立した段階で、その識別子を割り当てた画素領域について、領域抽出処理および識別子付与処理を終了しているので、閾値を床面まで伸ばして画素領域を抽出する場合に比べて、人の存在を短時間で検知することができ、また識別子を付与した画素領域を記憶させるメモリの容量も小さくて済むという利点がある。
なお、本実施形態では距離画像センサ10を上方に設置して、下方の対象領域30を撮像しているが、対象領域30の側方に取り付けて、対象領域30内の人物を横方向から撮影しても良いし、距離画像センサ10を天井の隅に設置して、対象領域30内の人物を斜め上方から撮影するようにしても良く、このようにして撮影された距離画像を用いても、上述の人体検知方法により対象領域30内の人体を検知することが可能である。
また、本実施形態の人体検知部20では、同一の識別子を割り当てた画素領域の画素数が、人体の大きさに相当する画素数を超えるという判定条件Z1を用いているが、この判定条件Z1の代わりに、上記閾値を、最短画素の画素値から一定距離まで伸ばした場合に、同一の識別子を割り当てた複数の画素領域が単峰状の物体となるという判定条件Z2が成立すれば、領域抽出処理および識別子割当処理を終了し、同一の識別子が割り当てられた画素領域を人体と抽出するようにしても良い。
ここで、人体検知部20が、大人50に対応する画素領域A1…に識別子LB1を割り当て、子供51に対応する画素領域A11…には別個の識別子LB2を割り当てたものとする。そして、人体検知部20が、上記の閾値を最短画素の画素値から一定距離(例えば10cm)まで伸ばした場合、識別子LB1が割り当てられた画素領域は領域A1〜A3となり、識別子LB2が割り当てられた画素領域は領域A11〜A13となる(図8(b)参照)。上記の一定距離を人間の頭部の長さよりも短い距離(例えば10cm)に設定した場合、識別子LB1が割り当てられた画素領域A1〜A3、および、識別子LB2が割り当てられた画素領域A11〜A13が人間の頭部であれば、これらの画素領域A1〜A3、A11〜A13は共に単峰状の物体となる。したがって、上記の閾値を一定距離まで伸ばした時に同一の識別子が割り当てられた画素領域の全体が単峰状の物体となっていれば、人体検知部20は同一の識別子が割り当てられた画素領域を人体と判断して、抽出することが可能になる。この判定条件Z2を用いた場合は、対象領域内の人物の背丈が異なる場合でも、人間の頭部の形状を検出することで、人体を確実に検出することが可能になる。また判定条件Z2が成立した段階で、その識別子を割り当てた画素領域について、領域抽出処理および識別子付与処理を終了しているので、閾値を床面まで伸ばして画素領域を抽出する場合に比べて、人の存在を短時間で検知することができ、また識別子を付与した画素領域を記憶させるメモリの容量も小さくて済むという利点がある。なお判定条件Z2に加えて、上述の判定条件Z1が両方共に成立すれば、領域抽出処理および識別子割当処理を終了し、同一の識別子が割り当てられた画素領域を人体と抽出するようにしても良く、人体よりも小さい大きさのものを誤検出することがなく、より確実に人体を抽出できる。
また、人体検知部20が、上述の判定条件Z1の代わりに、同一の識別子を割り当てた複数の画素領域の内、新たに抽出した画素領域中の画素で、既に抽出した画素領域の画素と重複していない画素の画素数が所定のしきい値以下になるという判定条件Z3が成立すれば、領域抽出処理および識別子割当処理を終了し、同一の識別子が割り当てられた画素領域を人体と抽出するようにしても良い。
ここで、人体検知部20が、大人50に対応する画素領域A1…に識別子LB1を割り当て、子供51に対応する画素領域A11…には別個の識別子LB2を割り当てたものとする。大人50の場合は頭頂部から閾値L4付近までは、識別子LB1を割り当てた画素領域に新たな画素領域が追加される毎に、この画素領域の画素数が大きく増加するものの、頭部の水平断面が最大となる高さ位置に近付くにつれて水平断面の増加分が減少してくるため、閾値をL4からL6の間で変化させても、識別子LB1を割り当てた画素領域の画素数は殆ど増加しなくなる。同様に子供51の場合も、頭頂部から閾値A12付近までは、識別子LB2を割り当てた画素領域に新たな画素領域が追加される毎に、この画素領域の画素数が大きく増加するものの、頭部の水平断面が最大となる高さ位置に近付くにつれて水平断面の増加分が減少してくるため、閾値をL12からL14の間で変化させても、識別子LB2を割り当てた画素領域の画素数は殆ど増加しなくなる。
したがって、図8(c)に示すように大人50の場合には、閾値をL1、L2…L5と伸ばして識別子LB1が割り当てられた画素領域A1〜A5を抽出した段階で、新たに抽出された画素領域A5中の画素で、既に抽出した画素領域A1〜A4の画素と重複していない画素の画素数が所定のしきい値以下になるという判定条件Z3が成立するので、人体検知部20では、この判定条件Z3の成立により頭部の形状を安定に抽出できたと判断し、識別子LB1が割り当てられた画素領域A1〜A5を人体と判断する。同様に子供51の場合には、閾値をL11、L12、L13と伸ばして識別子LB2が割り当てられた画素領域A11〜A13を抽出した段階で、新たに抽出された画素領域A13中の画素で、既に抽出した画素領域A11、A12の画素と重複していない画素の画素数が所定のしきい値以下になるという判定条件Z3が成立するので、人体検知部20では、この判定条件Z3の成立により頭部の形状を安定に抽出できたと判断し、識別子LB2が割り当てられた画素領域A11〜A13を人体と判断して抽出することが可能になる。この判定条件Z3を用いた場合でも、人体の頭部の形状を検出することで人体と判断しているので、確実に人体を検知することが可能になる。また判定条件Z3が成立した段階で、その識別子を割り当てた画素領域について、領域抽出処理および識別子付与処理を終了しているので、閾値を床面まで伸ばして画素領域を抽出する場合に比べて、人の存在を短時間で検知することができ、また識別子を付与した画素領域を記憶させるメモリの容量も小さくて済むという利点がある。
なお人体検知部20が、同一の識別子を割り当てた画素領域の画素数が人体の大きさに相当する画素数を超えるという判定条件Z1と、同一の識別子を割り当てた複数の画素領域の内、新たに抽出した画素領域中の画素で、既に抽出した画素領域の画素と重複していない画素の画素数が所定のしきい値以下になるという判定条件Z3が両方共に成立すれば、領域抽出処理および識別子割当処理を終了して、同一の識別子が割り当てられた画素領域を人体と抽出するようにしても良く、この場合には図8(d)に示すように、人体検知部20が、肩部分まで抽出した段階で、識別子LB1、LB2を割り当てた画素領域を人体と判断する。
また更に、人体検知部20は、上述の判定条件Z1の代わりに、同一の識別子を割り当てた複数の画素領域の内、新たに抽出した画素領域に、既に抽出された画素領域が包含される場合に、新たに抽出した画素領域において、既に抽出された画素領域の外側にある帯状部分の幅の平均値が所定のしきい値以下になるという判定条件Z4が成立すれば、領域抽出処理および識別子割当処理を終了し、同一の識別子が割り当てられた画素領域を人体と抽出するようにしても良い。
人体検知部20は、閾値を段階的に伸ばして、画素値が閾値以下となる画素領域を抽出する領域抽出処理を行うとともに、部分的に重複する画素領域を同一の物体と判断して、重複する画素領域の全体に同一の識別子を割り付ける識別子割付処理を実行するのであるが、対象領域30内の人体が直立している場合は、同一の識別子が割り当てられる複数の画素領域の内、先に抽出された画素領域は、閾値を少し遠くして抽出した画素領域に包含されることになる。特に人体の頭部では同一の識別子を割り当てた複数の画素領域が同心円状になっている。また、頭頂部から頭部の水平断面が最大となる高さ位置に近付くにつれて水平断面の増加分が減少してくるため、同一の識別子が割り当てられた複数の画素領域の内、新たに抽出された画素領域において、既に抽出された画素領域の外側にある帯状部分の幅の平均値が所定のしきい値以下になるという判定条件Z4が成立すれば、頭部の形状を確実に検出できたと判断でき、同一の識別子が割り当てられた画素領域を人体として抽出するのである。
ここで、同一の識別子が割り当てられた複数の画素領域の内、新たに抽出された画素領域において、既に抽出された画素領域の外側にある帯状部分の幅は以下のような方法で測定できる。図7に示すように、人体検知部20は一番最初に検出した画素領域A1の重心位置Oを通って、互いに直交する2つの直線PQ、RSを規定する。次に、人体検知部20は、上記の帯状部分(例えば画素領域A5から画素領域A4を除いた部分)と線分OPとが交差する2つの点T1、T2を求めて、2点T1,T2間の距離を求めるとともに、上記の帯状部分と他の3つの線分OQ、OR、OSとがそれぞれ交差する6つの点T3〜T8を求め、2点T3、T4間、T5,T6間、T7,T8間の距離を求め、これら4つの距離の平均を求めることで、上記帯状部分の幅の平均値を簡易的に求めることができる。而して、この判定条件Z4を用いた場合でも、人体の頭部の形状を検出することで人体と判断しているので、人体を確実に検知することができる。また判定条件Z4が成立した段階で、その識別子を割り当てた画素領域について、領域抽出処理および識別子付与処理を終了しているので、閾値を床面まで伸ばして画素領域を抽出する場合に比べて、人の存在を短時間で検知することができ、また識別子を付与した画素領域を記憶させるメモリの容量も小さくて済むという利点がある。なお、判定条件Z4に加えて、上述の判定条件Z1が両方共に成立すれば、領域抽出処理および識別子割当処理を終了し、同一の識別子が割り当てられた画素領域を人体と抽出するようにしても良く、人体よりも小さい大きさのものを誤検出することがなく、より確実に人体を抽出できる。
また上述の各検知方法において、人体検知部20が、領域抽出処理および識別子割当処理を行った後に、同一の識別子を付与した画素領域内の画素の画素値を「1」、それ以外の画素の画素値を「0」とした二値化画像を作成しても良く、峰状物体(人体)と背景部分とを分離した画像を作成することで、その後の峰状物体の抽出処理や容易になり、また峰状物体が複数存在する場合は個々の峰状物体を容易に特定することができる。
本発明の実施形態を示すブロック図である。 (a)(b)は同上の検知動作を説明する説明図である。 (a)(b)は大人を検知する場合の説明図である。 (a)(b)は子供を検知する場合の説明図である。 (a)(b)は同上の検知動作を説明する説明図である。 (a)〜(d)は同上の検知動作を説明する説明図である。 同上の検知動作を説明する説明図である。 (a)〜(d)は同上の検知動作を説明する説明図である。 (a)〜(c)は同上の動作説明図である。 同上における感度制御部の構成例を示すブロック図である。 (a)〜(d)は同上の動作例を示す説明図である。 (a)〜(d)は同上の他の動作例を示す説明図である。 (a)〜(d)は同上のさらに他の動作例を示す説明図である。 同上に用いる光検出素子の構成例を示す平面図である。 図14に示した光検出素子の要部分解斜視図である。 図15のA−A線断面図である。 同上に用いる光検出素子の要部の動作説明図である。
符号の説明
1 光検出素子
2 発光源
3 制御回路部
4 画像生成部
10 距離画像センサ
20 人体検知部

Claims (7)

  1. 撮像手段から対象領域内の物体までの距離を画素値とする距離画像を用いて対象領域内の人体を検知する人体検知方法であって、
    対象領域を撮像することで距離画像を得た後に、
    該距離画像を構成する複数の画素から、画素値が閾値以下となる画素領域を抽出する領域抽出処理を、前記閾値を画素値が最短の画素の画素値から段階的に伸ばして複数回行う毎に、
    新たに抽出された画素領域が、既に抽出された画素領域と少なくとも一部が重複する場合、該重複する複数の画素領域を同一の物体と判断して、前記複数の画素領域の全体に同一の識別子を割り当てる識別子割当処理を行い、
    同一の識別子を割り当てた複数の画素領域の画素数が人体の大きさに相当する画素数を超えるという判定条件が成立すると、前記領域抽出処理および識別子割当処理を終了し、同一の識別子が割り当てられた画素領域を人体として抽出することを特徴とする距離画像を用いた人体検知方法。
  2. 撮像手段から対象領域内の物体までの距離を画素値とする距離画像を用いて対象領域内の人体を検知する人体検知方法であって、
    対象領域を撮像することで距離画像を得た後に、
    該距離画像を構成する複数の画素から、画素値が閾値以下となる画素領域を抽出する領域抽出処理を、前記閾値を画素値が最短の画素の画素値から段階的に伸ばして複数回行う毎に、
    新たに抽出された画素領域が、既に抽出された画素領域と少なくとも一部が重複する場合、該重複する複数の画素領域を同一の物体と判断して、前記複数の画素領域の全体に同一の識別子を割り当てる識別子割当処理を行い、
    上記閾値を、画素値が最短の画素の画素値から一定距離まで伸ばした場合に、同一の識別子を割り当てた複数の画素領域が単峰状の物体となるという判定条件が成立すると、前記領域抽出処理および識別子割当処理を終了し、同一の識別子が割り当てられた画素領域を人体として抽出することを特徴とする距離画像を用いた人体検知方法。
  3. 撮像手段から対象領域内の物体までの距離を画素値とする距離画像を用いて対象領域内の人体を検知する人体検知方法であって、
    対象領域を撮像することで距離画像を得た後に、
    該距離画像を構成する複数の画素から、画素値が閾値以下となる画素領域を抽出する領域抽出処理を、前記閾値を画素値が最短の画素の画素値から段階的に伸ばして複数回行う毎に、
    新たに抽出された画素領域が、既に抽出された画素領域と少なくとも一部が重複する場合、該重複する複数の画素領域を同一の物体と判断して、前記複数の画素領域の全体に同一の識別子を割り当てる識別子割当処理を行い、
    同一の識別子を割り当てた複数の画素領域の内、新たに抽出した画素領域中の画素で、既に抽出した画素領域の画素と重複していない画素の画素数が所定のしきい値以下になるという判定条件が成立すると、前記領域抽出処理および識別子割当処理を終了し、同一の識別子が割り当てられた画素領域を人体として抽出することを特徴とする距離画像を用いた人体検知方法。
  4. 撮像手段から対象領域内の物体までの距離を画素値とする距離画像を用いて対象領域内の人体を検知する人体検知方法であって、
    対象領域を撮像することで距離画像を得た後に、
    該距離画像を構成する複数の画素から、画素値が閾値以下となる画素領域を抽出する領域抽出処理を、前記閾値を画素値が最短の画素の画素値から段階的に伸ばして複数回行う毎に、
    新たに抽出された画素領域が、既に抽出された画素領域と少なくとも一部が重複する場合、該重複する複数の画素領域を同一の物体と判断して、前記複数の画素領域の全体に同一の識別子を割り当てる識別子割当処理を行い、
    同一の識別子を割り当てた複数の画素領域の内、新たに抽出した画素領域に、既に抽出された画素領域が包含される場合に、新たに抽出した画素領域において、既に抽出された画素領域の外側にある帯状部分の幅の平均値が所定のしきい値以下になるという判定条件が成立すると、前記領域抽出処理および識別子割当処理を終了し、同一の識別子が割り当てられた画素領域を人体として抽出することを特徴とする距離画像を用いた人体検知方法。
  5. 上記判定条件と、同一の識別子を割り当てた複数の画素領域の画素数が人体の大きさに相当する画素数を超えるという判定条件とが両方共に成立すると、前記領域抽出処理および識別子割当処理を終了し、同一の識別子が割り当てられた画素領域を人体として抽出することを特徴とする請求項2乃至請求項4の何れか1項に記載の距離画像を用いた人体検知方法。
  6. 上記距離画像を構成する複数の画素の内、同一の識別子が割り当てられた画素領域の画素と、それ以外の画素とを2値化することを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の距離画像を用いた人体検知方法。
  7. 前記撮像手段により撮像された距離画像を用い、請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の人体検知方法を実行することで、対象領域内の人体を検知する人体検知手段を具備することを特徴とする人体検知装置。
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