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JP2006173806A - 送信方法およびそれを利用した無線装置 - Google Patents

送信方法およびそれを利用した無線装置 Download PDF

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JP2006173806A
JP2006173806A JP2004360537A JP2004360537A JP2006173806A JP 2006173806 A JP2006173806 A JP 2006173806A JP 2004360537 A JP2004360537 A JP 2004360537A JP 2004360537 A JP2004360537 A JP 2004360537A JP 2006173806 A JP2006173806 A JP 2006173806A
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忠久 神山
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Sanyo Electric Co Ltd
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Abstract

【課題】 別の通信システムに対応した無線装置に対して、バースト信号の検出確率を向上させる
【解決手段】 無線部20等は、複数のアンテナ12のいずれかに対応したプリアンブルと、複数のアンテナ12のうちの少なくともふたつにそれぞれ対応したデータが配置されたバースト信号を所定のタイミングにおいて送信する。また、無線部20等は、複数のアンテナ12のいずれかを選択しながら切りかえることによって、ビーコンを定期的に送信する。取得部32は、無線装置から、バースト信号を受信したときに、無線装置によって受信されたビーコンの送信元のアンテナ12に関する情報を取得する。選択部34は、複数のアンテナ12のうち、プリアンブルを送信すべきアンテナ12を選択する。無線部20等は、バースト信号を送信する際に、選択部34において選択されたアンテナ12から、プリアンブルを送信する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、送信技術に関し、特に複数のアンテナを使用しながらバースト信号を送信する送信方法およびそれを利用した無線装置に関する。
ワイヤレス通信において、周波数資源を有効利用するための技術のひとつが、アダプティブアレイアンテナ技術である。アダプティブアレイアンテナ技術は、複数のアンテナのそれぞれに対して、処理対象の信号の振幅と位相を制御することによって、アンテナの指向性パターンを制御する。このようなアダプティブアレイアンテナ技術を利用して、データレートを高速化するための技術にMIMO(Multiple Input Multiple Output)システムがある。当該MIMOシステムは、送信装置と受信装置がそれぞれ複数のアンテナを備え、それぞれのアンテナに対応したチャネルを設定する。すなわち、送信装置と受信装置との間の通信に対して、最大アンテナ数までのチャネルを設定することによって、データレートを向上させる。さらに、このようなMIMOシステムに、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)変調方式を組み合わせれば、データレートはさらに高速化される(例えば、特許文献1参照。)。
特開2004−180313号公報
MIMOシステムでなく、かつOFDM変調方式を使用するシステム(以下、「通常システム」という)には、無線LAN(Local Area Network)の標準化規格であるIEEE802.11a,gがある。また、MIMOシステムであり、かつOFDM変調方式を使用するシステム(以下、これを単に「MIMOシステム」という)には、IEEE802.11nがある。通常システムとMIMOシステムが同一の周波数バンドにおいて共存する場合、通常システムとMIMOシステムの一方に対応した受信側の無線装置が他方のシステムのバースト信号を検出できれば、当該無線装置はバースト信号を送信しないので、無線区間におけるバースト信号の衝突を回避できる。すなわち、送信側の無線装置では、バースト信号の衝突確率を低減するために、受信側の無線装置に対して、異なったシステムにおけるバースト信号を検出させられる方が望ましい。
バースト信号を検出させるためには、両者のシステムにおいて、共通のプリアンブル信号を規定し、そのようなプリアンブル信号をバースト信号の先頭部分に配置することが有効である。ここで、通常システムでの受信側の無線装置にもプリアンブル信号を受信させるために、プリアンブル信号は、通常システムに対応し、ひとつのアンテナからの送信に対応すべきである。そのため、MIMOシステムでの送信側の無線装置は、複数のアンテナのうちのいずれかを選択して、選択したアンテナからプリアンブル信号を送信する。その際、選択したアンテナによっては、送信されたプリアンブル信号が、通常システムでの受信側の無線装置において検出されない場合もある。例えば、両者の間に遮蔽物が存在する場合である。このような場合において、バースト信号の衝突確率が増加し、スループットが悪化するおそれがある。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、別の通信システムに対応した無線装置に対して、バースト信号の検出確率を向上させる送信方法およびそれを利用した無線装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の無線装置は、複数のアンテナのいずれかに対応した第1の制御信号と、複数のアンテナのうちの少なくともふたつにそれぞれ対応したデータ信号が配置されたバースト信号を所定のタイミングにおいて送信し、かつ複数のアンテナのいずれかを選択しながら切りかえることによって、第2の制御信号を定期的に送信する送信部と、バースト信号のうちの第1の制御信号を処理対象とし、かつデータ信号を処理対象としない無線装置から、当該無線装置によって受信された第2の制御信号の送信元のアンテナに関する情報を取得する取得部と、取得部において取得されたアンテナに関する情報をもとに、複数のアンテナのうち、第1の制御信号を送信すべきアンテナを選択する選択部とを備える。送信部は、バースト信号を送信する際に、選択部において選択されたアンテナから、第1の制御信号を送信する。
この態様によると、第1の制御信号と同様に複数のアンテナのいずれかから送信される第2の制御信号が、無線装置において受信されるときにおいて、その際の送信元のアンテナに関する情報にもとづいて、第1の制御信号を送信すべきアンテナを決定するので、第2の制御信号での受信結果を反映させつつ、バースト信号の検出確率を向上させるようなアンテナを決定できる。
送信部は、第2の制御信号を送信する際に、第2の制御信号を送信すべきアンテナの識別符号を当該第2の制御信号に含め、取得部は、アンテナに関する情報として、無線装置からの信号に含められたアンテナの識別符号を取得してもよい。この場合、アンテナに関する情報として、アンテナの識別符号を使用するので、第2の制御信号を送信したアンテナの特定の正確性を向上できる。
複数のアンテナによって、無線装置からの信号を受信する受信部と、複数のアンテナのそれぞれにおいて受信した信号の品質を測定する測定部をさらに備えてもよい。取得部は、測定した品質のそれぞれをもとに、ひとつのアンテナを選択し、選択したひとつのアンテナの識別符号をアンテナに関する情報としてもよい。この場合、第1の制御信号を送信すべき無線装置の内部で処理を完結できるので、信号を送信する無線装置の新たな機能の追加を不要にできる。
選択部は、アンテナの識別符号のそれぞれを単位にして、取得部において取得したアンテナに関する情報を集計し、集計結果をもとに、第1の制御信号を送信すべきアンテナを選択してもよい。この場合、集計結果をもとにアンテナを選択するので、誤差の影響を小さくでき、選択の精度を向上できる。
優先すべき無線装置の識別符号を記憶する記憶部とをさらに備えてもよい。取得部は、無線装置からの信号に含まれた当該無線装置の識別符号も取得し、選択部は、取得部において取得した無線装置の識別符号が、記憶部に記憶された無線装置の識別符号に対応していれば、当該信号に対応したアンテナに関する情報を優先しつつ、第1の制御信号を送信すべきアンテナを選択してもよい。この場合、予め記憶した無線装置を優先するようなアンテナの選択が可能になるので、当該無線装置を優先させるようなサービスの提供を実現できる。選択部は、所定のタイミングにおいて、選択したアンテナを更新してもよい。この場合、無線伝送路が変動する場合であっても、それに追従するように、アンテナを選択できる。
本発明の別の態様は、送信方法である。この方法は、複数のアンテナのいずれかに対応した第1の制御信号と、複数のアンテナのうちの少なくともふたつにそれぞれ対応したデータ信号が配置されたバースト信号を所定のタイミングにおいて送信し、かつ複数のアンテナのいずれかを選択しながら切りかえることによって、第2の制御信号を定期的に送信する送信方法であって、バースト信号のうちの第1の制御信号を処理対象とし、かつデータ信号を処理対象としない無線装置から、当該無線装置によって受信された第2の制御信号の送信元のアンテナに関する情報を取得した後に、当該情報から複数のアンテナのうちの第1の制御信号を送信すべきアンテナを選択し、第1の制御信号を送信する。
本発明のさらに別の態様も、送信方法である。この方法は、複数のアンテナのいずれかに対応した第1の制御信号と、複数のアンテナのうちの少なくともふたつにそれぞれ対応したデータ信号が配置されたバースト信号を所定のタイミングにおいて送信し、かつ複数のアンテナのいずれかを選択しながら切りかえることによって、第2の制御信号を定期的に送信するステップと、バースト信号のうちの第1の制御信号を処理対象とし、かつデータ信号を処理対象としない無線装置から、当該無線装置によって受信された第2の制御信号の送信元のアンテナに関する情報を取得するステップと、取得されたアンテナに関する情報をもとに、複数のアンテナのうち、第1の制御信号を送信すべきアンテナを選択するステップとを備える。送信するステップは、バースト信号を送信する際に、選択されたアンテナから、第1の制御信号を送信する。
送信するステップは、第2の制御信号を送信する際に、第2の制御信号を送信すべきアンテナの識別符号を当該第2の制御信号に含め、取得するステップは、アンテナに関する情報として、無線装置からの信号に含められたアンテナの識別符号を取得してもよい。複数のアンテナによって、無線装置からの信号を受信するステップと、複数のアンテナのそれぞれにおいて受信した信号の品質を測定するステップをさらに備えてもよい。取得するステップは、測定した品質のそれぞれをもとに、ひとつのアンテナを選択し、選択したひとつのアンテナの識別符号をアンテナに関する情報としてもよい。
選択するステップは、アンテナの識別符号のそれぞれを単位にして、取得したアンテナに関する情報を集計し、集計結果をもとに、第1の制御信号を送信すべきアンテナを選択してもよい。取得するステップは、無線装置からの信号に含まれた当該無線装置の識別符号も取得し、選択するステップは、取得した無線装置の識別符号が、予め記憶された優先すべき無線装置の識別符号に対応していれば、当該信号に対応したアンテナに関する情報を優先しつつ、第1の制御信号を送信すべきアンテナを選択してもよい。選択するステップは、所定のタイミングにおいて、選択したアンテナを更新してもよい。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、別の通信システムに対応した無線装置に対して、バースト信号の検出確率を向上させることができる。
(実施例1)
本発明を具体的に説明する前に、概要を述べる。本発明の実施例1は、MIMOシステムに対応した無線装置(以下、「MIMO無線装置」という)に関する。ここで、MIMOシステムと同一の周波数バンドに、MIMOシステムでなく、かつOFDM変調方式を使用するシステム(以下、前述のごとく、「通常システム」という)が共存している。ここで、MIMOシステムと通常システムにおけるそれぞれのバースト信号は、先頭部分に共通のプリアンブルを配置している。そのため、MIMO無線装置から送信されたバースト信号は、通常システムに対応した無線装置(以下、「通常無線装置」という)において検出される。なお、MIMO無線装置は、複数のアンテナを備え、かつ複数のアンテナのうちのひとつから、プリアンブルを送信しているが、残りのアンテナからは送信していない。そのため、複数のアンテナのうちから選択されたひとつによっては、プリアンブルが通常無線装置に検出されない場合がある。その結果、通常無線装置は、MIMOシステムのバースト信号の存在を認識できず、通常システムのバースト信号を送信してしまう可能性がある。
また、MIMOシステムと通常システムのそれぞれの基地局装置は、所定の間隔において、定期的にビーコンを送信する。MIMOシステムと通常システムのそれぞれの端末装置は、ビーコンを受信することによって基地局装置の存在を認識する。このようなビーコンは、MIMOシステムと通常システムにおいて共通の構造を有している。また、MIMOシステムにおける基地局装置と端末装置をMIMO無線装置と総称し、通常システムにおける基地局装置と端末装置を通常無線装置と総称する。なお、MIMO無線装置は、複数のアンテナを備えているので、そのうちのひとつからビーコンを送信する。
本実施例に係るMIMO無線装置は、複数のアンテナのうちのひとつを切りかえながら、ビーコンを送信する。例えば、所定のビーコンが「第1アンテナ」から送信され、次のビーコンが「第2アンテナ」から送信される。その際、複数のアンテナにそれぞれ付与した識別符号(以下、「アンテナ識別符号」という)であって、ビーコンを送信するアンテナに対応したアンテナ識別符号が、ビーコンに含まれて送信される。通常無線装置は、ビーコンを受信すると、受信したビーコンからアンテナ識別符号を抽出する。さらに、通常無線装置は、バースト信号を送信する際に、抽出したアンテナ識別符号を含める。当該バースト信号を受信したMIMO無線装置は、アンテナ識別符号を抽出する。
このような処理を繰り返すことによって、MIMO無線装置は、複数の通常端末装置からのアンテナ識別符号を取得する。ここで、取得した数の多いアンテナ識別符号は、ビーコンが通常無線装置に伝送されやすいアンテナに相当する。ビーコンと同様に、プリアンブルも複数のアンテナのうちのひとつから送信されるので、MIMO無線装置は、取得した数の多いアンテナ識別符号に対応したアンテナから、プリアンブルを送信する。なお、ここで、通常システムは、IEEE802.11a規格に準拠した無線LANとし、MIMOシステムは、IEEE802.11a規格に準拠すべき無線LANとする。
図1は、本発明の実施例1に係る通信システム100の構成を示す。ここで、通信システム100は、前述のMIMOシステムと通常システムを含んでいるものとする。通信システム100は、MIMO無線装置10と総称される第1MIMO無線装置10a、第2MIMO無線装置10b、通常無線装置16を含む。また、第1MIMO無線装置10aは、アンテナ12と総称される第1アンテナ12a、第2アンテナ12b、第3アンテナ12c、第4アンテナ12dを含み、第2MIMO無線装置10bは、アンテナ14と総称される第1アンテナ14a、第2アンテナ14b、第3アンテナ14c、第4アンテナ14dを含む。第1MIMO無線装置10aが、MIMOシステムにおける基地局装置に対応し、第2MIMO無線装置10bが、MIMOシステムにおける端末装置に対応し、通常無線装置16が、通常システムにおける端末装置に対応する。なお、第1MIMO無線装置10aは、通常システムにおける基地局装置を兼ねていてもよい。
通信システム100の構成を説明する前に、MIMOシステムの概略を説明する。データは、第1MIMO無線装置10aから第2MIMO無線装置10bに送信されているものとする。第1MIMO無線装置10aは、第1アンテナ12aから第4アンテナ12dのそれぞれから、異なったデータを送信する。その結果、データレートが高速になる。第2MIMO無線装置10bは、第1アンテナ14aから第4アンテナ14dによって、データを受信する。
ここで、アンテナ12の本数は「4」であり、アンテナ14の本数も「4」であるので、アンテナ12とアンテナ14の間の伝送路の組合せは「16」になる。第iアンテナ12iから第jアンテナ14jとの間の伝送路特性をhijと示す。図中において、第1アンテナ12aと第1アンテナ14aとの間の伝送路特性がh11、第1アンテナ12aから第2アンテナ14bとの間の伝送路特性がh12、第2アンテナ12bと第1アンテナ14aとの間の伝送路特性がh21、第2アンテナ12bから第2アンテナ14bとの間の伝送路特性がh22、第4アンテナ12dから第4アンテナ14dとの間の伝送路特性がh44と示されている。なお、これら以外の伝送路が、図の明瞭化のために省略する。
第2MIMO無線装置10bは、アダプティブアレイ信号処理によって、第1アンテナ12aから第4アンテナ12dによってそれぞれ送信されたデータを独立して復調できるように動作する。説明の明瞭化のために、第1MIMO無線装置10aは、データを送信する際に、アダプティブアレイ信号処理を実行していないものとするが、データの伝送品質を向上させるために、第1MIMO無線装置10aは、送信の際に、アダプティブアレイ信号処理を実行してもよい。
第1MIMO無線装置10aは、第1アンテナ12aから第4アンテナ12dにおいて、それぞれ異なったデータを送信する。第1MIMO無線装置10aは、データをバースト信号に含めて送信するが、バースト信号の先頭部分にプリアンブルを付加する。当該プリアンブルは、通常システムにおけるプリアンブルと共通であるので、データと異なり、第1アンテナ12aから第4アンテナ12dのうちのひとつから送信される。ひとつのアンテナ12の選択については、後述する。また、第1MIMO無線装置10aは、定期的にビーコンを送信する。ビーコンも、プリアンブルと同様に、通常システムにおけるビーコンと共通であるので、第1アンテナ12aから第4アンテナ12dのうちのひとつから送信される。
第1MIMO無線装置10aは、第1アンテナ12aから第4アンテナ12dを順番にひとつずつ切りかえながら、ビーコンを送信する。すなわち、「第1アンテナ12a」、「第2アンテナ12b」、「第3アンテナ12c」、「第4アンテナ12d」、「第1アンテナ12a」の順にアンテナ12が切りかえられる。第1MIMO無線装置10aは、ビーコンに、ビーコンを送信すべきアンテナ12の識別符号を含める。なお、ビーコンもバースト信号であるが、ここでは、説明を明確にするために、データを含んだバースト信号を「バースト信号」といい、ビーコンを除外するものとする。
第2MIMO無線装置10bは、第1アンテナ14aから第4アンテナ14dに対して、アダプティブアレイ信号処理を実行しつつ、第1MIMO無線装置10aからのデータを受信する。なお、第1MIMO無線装置10aと第2MIMO無線装置10bの動作が、反対になってもよい。この場合、第2MIMO無線装置10bは、バースト信号の送信の際に、アダプティブアレイ処理を実行せず、第1MIMO無線装置10aは、バースト信号の受信の際に、アダプティブアレイ処理を実行する。
通常無線装置16は、第1MIMO無線装置10aあるいは図示しない別の基地局装置と通信する。また、通常無線装置16は、第1MIMO無線装置10aからのビーコンを受信し、ビーコンに含まれたアンテナ12の識別符号を抽出する。さらに、通常無線装置16は、バースト信号を送信する際に、抽出したアンテナ12の識別符号をバースト信号に含める。前述のごとく、通常無線装置16は、MIMOシステムに対応したバースト信号を検出できるが、検出している期間にわたって、通常無線装置16は、バースト信号を送信しない。実際、通常無線装置16は、第1MIMO無線装置10aからのバースト信号と、第2MIMO無線装置10bからのバースト信号を受信する。ここでは、説明を明瞭にするために、第1MIMO無線装置10aからのバースト信号を受信する場合を説明の対象にする。
図2は、通信システム100において送信される信号の構成を示す。図2において、横軸が、時間を示す。また、「B1」、「B2」、「B3」、「B4」、「B5」、「B6」は、ビーコンを示し、これらに付与されている数字は、ビーコンを区別するために便宜的に使用されている。ビーコンは、前述のごとく、第1MIMO無線装置10aによって送信されている。また、「B1」は第1アンテナ12aから送信され、「B2」は第2アンテナ12bから送信され、「B3」は第3アンテナ12cから送信され、「B4」は第4アンテナ12dから送信され、「B5」は第1アンテナ12aから送信され、「B6」は第2アンテナ12bから送信されている。すなわち、第1MIMO無線装置10aは、アンテナ12を選択しながら切りかえている。連続したビーコン、例えば、「B1」と「B2」の間隔は、「ビーコン間隔」と呼ばれる。ビーコン間隔において、バースト信号が送信される。ここで、バースト信号は、第1MIMO無線装置10a、第2MIMO無線装置10b、通常無線装置16から送信される。
図3(a)−(b)は、通信システム100におけるバーストフォーマットの構成を示す。図3(a)は、通常システムおいて規定されたバーストフォーマットを示す。これは、無線LAN(Local Area Network)のひとつのIEEE802.11a規格の通話チャネルにおいて使用されるバーストフォーマットである。図示のごとく、先頭から、「Legacy STS(Short Training Sequence)」、「Legacy LTS(Long Training Sequence)」、「Legacy シグナル」、「データ」が配置される。「Legacy STS」は、タイミング同期およびAGC(Automatic Gain Control)等に使用され、「Legacy LTS」は、伝送路推定に使用され、「Legacy シグナル」は、制御情報を含み、「データ」は、通常システムにおいて伝送されるデータである。
IEEE802.11a規格は、OFDM変調方式を適用する。OFDM変調方式では、一般にフーリエ変換のサイズとガードインターバルのシンボル数との合計をひとつの単位として規定する。本実施の形態では、このひとつの単位を「OFDMシンボル」とよぶ。なお、IEEE802.11規格では、フーリエ変換のサイズが64(以下、ひとつのFFT(Fast Fourier Transform)のポイントを「FFTポイント」と呼ぶ)、ガードインターバルのFFTポイント数が16であるため、OFDMシンボルは80FFTポイントに相当する。
図3(b)は、図3(a)は、MIMOシステムおいて規定されるバーストフォーマットを示す。図は、4段に分かれて示されているが、上段から下段に向かって、第1アンテナ12a、第2アンテナ12b、第3アンテナ12c、第4アンテナ12dから送信される信号に対応する。図3(b)のバーストフォーマットは、図3(a)のバーストフォーマットと同様に、先頭から、「Legacy STS」、「Legacy LTS」、「Legacy シグナル」が配置される。また、これらに続いて、「MIMOシグナル」が配置される。以上の信号は、第1アンテナ12aから送信される。これらは、第1アンテナ12a以外のアンテナ12から送信されてもよく、ひとつのアンテナ12から送信されればよい。また、「MIMOシグナル」以降は、MIMOシステムに特有の信号であり、「MIMOシグナル」は、MIMOシステムに対応した制御情報を含む。
「第1MIMO−STS」から「第4MIMO−STS」は、タイミング同期およびAGC等に使用され、「第1MIMO−LTS」から「第4MIMO−LTS」は、伝送路推定に使用され、「第1データ」から「第4データ」は、MIMOシステムおいて伝送されるべきデータである。ここで、「第1MIMO−STS」から「第4MIMO−STS」は、互いの干渉が小さくなるようなパターンによって構成されている。「第1MIMO−LTS」から「第4MIMO−LTS」も同様である。ここでは、これらの構成の説明を省略する。
図3(a)と図3(b)における「Legacy STS」、「Legacy LTS」、「Legacy シグナル」が、前述の「プリアンブル」に相当する。特に、図3(b)においては、ひとつのアンテナ12から送信される信号を「プリアンブル」と総称し、複数のアンテナ12から送信される信号を「データ」と総称する。なお、「MIMOシグナル」は、「プリアンブル」と同一のアンテナ12またはアンテナ14から送信される。このようなプリアンブルは、「MIMOシグナル」を除いて、通常システムと互換性を有する信号である。すなわち、バースト信号のうちのプリアンブルは、通常無線装置16の処理対象とされ、データは、通常無線装置16の処理対象とされない。
図4は、第1MIMO無線装置10aの構成を示す。第1MIMO無線装置10aは、無線部20と総称される第1無線部20a、第2無線部20b、第4無線部20d、処理部22と総称される第1処理部22a、第2処理部22b、第4処理部22d、変復調部24と総称される第1変復調部24a、第2変復調部24b、第4変復調部24d、IF部26、制御部30、取得部32、選択部34を含む。また信号として、時間領域信号200と総称される第1時間領域信号200a、第2時間領域信号200b、第4時間領域信号200d、周波数領域信号202と総称される第1周波数領域信号202a、第2周波数領域信号202b、第4周波数領域信号202dを含む。
無線部20は、受信動作として、アンテナ12において受信した無線周波数の信号を周波数変換し、ベースバンドの信号を導出する。無線部20は、ベースバンドの信号を時間領域信号200として処理部22に出力する。一般的に、ベースバンドの信号は、同相成分と直交成分によって形成されるので、ふたつの信号線によって伝送されるべきであるが、ここでは、図を明瞭にするためにひとつの信号線だけを示すものとする。また、AGCやA/D変換部も含まれる。無線部20は、送信動作として、処理部22からのベースバンドの信号を周波数変換し、無線周波数の信号を導出する。ここで、処理部22からのベースバンドの信号も時間領域信号200として示す。無線部20は、無線周波数の信号をアンテナ12に出力する。また、PA(Power Amplifier)、D/A変換部も含まれる。時間領域信号200は、時間領域に変換したマルチキャリア信号であり、デジタル信号であるものとする。さらに、無線部20において処理される信号は、バースト信号を形成しており、そのバーストフォーマットは、図3(b)に示した通りである。また、所定の間隔において、図2のごとく、ビーコンを送信する。その際は、無線部20のうちのひとつから送信される。
処理部22は、受信動作として、複数の時間領域信号200をそれぞれ周波数領域に変換し、周波数領域の信号に対してアダプティブアレイ信号処理を実行する。処理部22は、アダプティブアレイ信号処理の結果を周波数領域信号202として出力する。ひとつの周波数領域信号202が、図1におけるひとつのアンテナ14から送信された信号に対応し、これはひとつの伝送路に対応した信号に相当する。処理部22は、送信動作として、変復調部24から、周波数領域の信号としての周波数領域信号202を入力し、周波数領域信号202を時間領域に変換し、時間領域信号200として出力する。ここで、周波数領域の信号である周波数領域信号202は、複数のサブキャリアの成分を含むものとする。図を明瞭にするために、周波数領域の信号は、サブキャリア番号の順に並べられて、シリアル信号を形成しているものとする。
図5は、周波数領域の信号の構成を示す。OFDM変調方式における複数のキャリアのひとつをサブキャリアと一般的に呼ぶが、ここではひとつのサブキャリアを「サブキャリア番号」によって指定するものとする。ここでは、IEEE802.11a規格と同様に、サブキャリア番号「−26」から「26」までの53サブキャリアが規定されている。なお、サブキャリア番号「0」は、ベースバンド信号における直流成分の影響を低減するため、ヌルに設定されている。それぞれのサブキャリアは、可変に設定された変調方式によって変調されている。変調方式には、BPSK(Binary Phase Shift Keying)、QSPK(Quadrature Phase Shift Keying)、16QAM(Quadrature Amplitude Modulation)、64QAMのいずれかが使用される。
ここで、サブキャリア番号「−26」から「26」のひとつの組合せが、前述の「OFDMシンボル」に相当する。「i」番目のOFDMシンボルは、サブキャリア番号「1」から「26」、サブキャリア番号「−26」から「−1」の順にサブキャリア成分を並べているものとする。また、「i」番目のOFDMシンボルの前に、「i−1」番目のOMDMシンボルが配置され、「i」番目のOFDMシンボルの後ろに、「i+1」番目のOMDMシンボルが配置されているものとする。
図4に戻る。変復調部24は、受信処理として、処理部22からの周波数領域信号202に対して、復調および復号を実行する。なお、復調および復号は、サブキャリア単位でなされる。変復調部24は、復号した信号をIF部26に出力する。また、変復調部24は、送信処理として、符号化および変調を実行する。変復調部24は、変調した信号を周波数領域信号202として処理部22に出力する。送信処理の際に、変調方式および符号化率は、制御部30によって指定されるものとする。
IF部26は、受信処理として、複数の変復調部24からの信号を合成し、ひとつのデータストリームを形成する。IF部26は、データストリームを出力する。また、IF部26は、送信処理として、ひとつのデータストリームを入力し、これを分離する。さらに、分離したデータを複数の変復調部24に出力する。
以上のような構成によって、IF部26、変復調部24、処理部22、無線部20は、複数のアンテナ12のいずれかに対応したプリアンブルと、複数のアンテナ12のうちの少なくともふたつにそれぞれ対応したデータが配置されたバースト信号を所定のタイミングにおいて送信する。ここで、プリアンブルやデータを送信しないアンテナ12に対応した無線部20、処理部22、変復調部24は、送信のための処理を実行しないものとする。また、IF部26、変復調部24、処理部22、無線部20は、複数のアンテナ12のいずれかを選択しながら切りかえることによって、ビーコンを定期的に送信する。この場合、ビーコンを送信すべきアンテナ12に対応したIF部26、変復調部24、処理部22、無線部20が、送信のための処理を実行する。
また、制御部30は、ビーコンを送信する際に、ビーコンを送信すべきアンテナ12の識別符号をビーコンの内部に含める。ここで、アンテナ12の識別符号は、「第1アンテナ12a」に対して、「1」というように予め付与されているものとする。また、MIMOシステムに対応した基地局装置が、近傍に複数存在する場合を想定して、アンテナ12の識別符号に、第1MIMO無線装置10aに付与された識別符号を組み合わせてもよい。ビーコンのデータ構造は、IEEE802.11a規格におけるビーコンのデータ構造と同一でよいので、ここでは説明を省略する。例えば、アンテナ12の識別符号は、ビーコンの中の「Capability information」に含まれた「Reserved」に挿入してもよい。
取得部32は、通常無線装置16から、無線部20、処理部22、変復調部24を介して、バースト信号を受信したときに、通常無線装置16によって受信されたビーコンの送信元のアンテナ12に関する情報を取得する。ここで、アンテナ12に関する情報には、通常無線装置16からのバースト信号に含められたアンテナ12の識別符号が対応する。そのために、通常無線装置16は、ビーコンを受信し、受信したビーコンに含まれたアンテナ12の識別符号を抽出し、バースト信号を送信する際に、その中にアンテナ12の識別符号を含めるものとする。なお、通常無線装置16から送信されるバースト信号は、図3(a)に対応する。また、バースト信号の送信先は、第1MIMO無線装置10aでなくてもよく、図示しない通常システムに対応した基地局装置であってもよい。その際、第1MIMO無線装置10aは、他の無線装置へのバースト信号を受信し、その中からアンテナ12の識別符号を抽出することになる。
選択部34は、取得部32において取得されたアンテナ12の識別符号を入力し、これをもとに、複数のアンテナ12のうち、プリアンブルを送信すべきアンテナ12を選択する。その際、選択部34は、アンテナ12の識別符号のそれぞれを単位にして、アンテナ12の識別符号を集計し、集計結果をもとに、プリアンブルを送信すべきアンテナ12を選択する。ここでは、アンテナ12の識別符号のそれぞれである「1」、「2」、「3」、「4」に対して、取得部32において取得された数をカウントアップする。さらに、カウントアップされた結果が最大のアンテナ12を選択する。取得部32において取得されたアンテナ12の識別符号は、予めビーコンに含めて送信したアンテナ12の識別符号に相当するので、カウントアップされた結果が最大のアンテナ12は、通常無線装置16に最も多く受信されたビーコンを送信したアンテナ12に相当する。
すなわち、複数のアンテナ12のうちのひとつからプリアンブルを送信する際に、通常無線装置16に検出されやすくなるようなアンテナ12といえる。ここで、処理精度を向上させるために、選択部34は、カウントアップされた結果が所定の値よりも大きくなった場合に、アンテナ12の選択を実行する。また、選択部34は、アンテナ12の選択を実行した後であっても、所定のタイミングにおいて、選択したアンテナ12を更新する。その結果、当該タイミングにおいて、プリアンブルを送信すべきアンテナ12が、変更される。また、IF部26、変復調部24、処理部22、無線部20は、バースト信号を送信する際に、選択部34において選択されたアンテナ12から、プリアンブルを送信する。
この構成は、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウエア的にはメモリのロードされた予約管理機能のあるプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
図6は、第1処理部22aの構成を示す。第1処理部22aは、FFT(Fast Fourier Transform)部40、合成部42、参照信号生成部44、受信ウエイトベクトル計算部54、IFFT部48、プリアンブル付加部50を含む。また、合成部42は、乗算部56と総称される第1乗算部56a、第2乗算部56b、第4乗算部56d、加算部60を含む。
FFT部40は、複数の時間領域信号200を入力し、それぞれに対してフーリエ変換を実行して、周波数領域の信号を導出する。前述のごとく、ひとつの周波数領域の信号は、サブキャリア番号の順に、サブキャリアに対応した信号をシリアルに並べている。
乗算部56は、受信ウエイトベクトル計算部54からの受信ウエイトベクトルによって、周波数領域の信号を重み付けし、加算部60は乗算部56の出力を加算する。ここで、周波数領域の信号は、サブキャリア番号の順に配置されているので、受信ウエイトベクトル計算部54からの受信ウエイトベクトルもそれに対応するように配置されている。すなわち、ひとつの乗算部56は、サブキャリア番号の順に配置された受信ウエイトベクトルを逐次入力する。そのため、加算部60は、サブキャリア単位で、乗算結果を加算する。その結果、加算された信号も、図5のごとく、サブキャリア番号の順にシリアルに並べられている。また、加算された信号が、前述の周波数領域信号202である。
なお、以下の説明においても、処理対象の信号が周波数領域において規定されている場合、処理は、基本的にサブキャリアを単位にして実行される。ここでは、説明を簡潔にするために、ひとつのサブキャリアにおける処理を説明する。そのため、複数のサブキャリアに対する処理には、ひとつのサブキャリアにおける処理をパラレルあるいはシリアルに実行することによって、対応できる。
参照信号生成部44は、「Legacy STS」、「Legacy LTS」、「第1MIMO−STS」、「第1MIMO−LTS」期間中は予め記憶した「Legacy STS」、「Legacy LTS」、「第1MIMO−STS」、「第1MIMO−LTS」を参照信号として出力する。またこれらの期間以外は、予め規定しているしきい値によって、周波数領域信号202を判定し、その結果を参照信号として出力する。なお、判定は硬判定でなく、軟判定でもよい。
受信ウエイトベクトル計算部54は、FFT部40からの周波数領域の信号、周波数領域信号202、参照信号にもとづいて、受信ウエイトベクトルを導出する。受信ウエイトベクトルの導出方法は、任意のものでよく、そのひとつはLMS(Least Mean Squeare)アルゴリズムによる導出である。また、受信ウエイトベクトルは、相関処理によって導出されてもよい。その際、周波数領域の信号と参照信号は、第1処理部22aからだけではなく、図示しない信号線によって、第2処理部22b等からも入力されるものとする。第1処理部22aにおける周波数領域の信号をx1(t)、第2処理部22bにおける周波数領域の信号をx2(t)と示し、第1処理部22aにおける参照信号をS1(t)、第2処理部22bにおける参照信号をS2(t)と示せば、x1(t)とx2(t)は、次の式のように示される。
Figure 2006173806
ここで、雑音は無視する。第1の相関行列R1は、Eをアンサンブル平均として、次の式のように示される。
Figure 2006173806
参照信号間の第2の相関行列R2は、次の式のように計算される。
Figure 2006173806
最終的に、第2の相関行列R2の逆行列と第1の相関行列R1を乗算することによって、受信応答ベクトルが導出される。
Figure 2006173806
さらに、受信ウエイトベクトル計算部54は、受信応答ベクトルから受信ウエイトベクトルを計算する。
IFFT部48は、第1周波数領域信号202aに対して逆フーリエ変換を実行して、時間領域の信号に変換する。プリアンブル付加部50は、図3(b)のごとく、バースト信号の先頭部分に、プリアンブルを付加する。ここでは、「Legacy STS」、「Legacy LTS」に加えて、「第1MIMO−STS」、「第1MIMO−LTS」も付加される。プリアンブル付加部50は、プリアンブルを付加した信号を第1時間領域信号200aとして出力する。なお、以上の動作は、図4の制御部30によって制御されるものとする。特に、プリアンブルを送信すべきアンテナ12が、第1アンテナ12aでなければ、プリアンブル付加部50は、プリアンブルを付加せず、「第1MIMO−STS」、「第1MIMO−LTS」を付加する。図6において、第1時間領域信号200a等は、2カ所に示されている。これらは、ひとつの方向の信号であり、これらが、図6における双方向の信号である第1時間領域信号200a等に対応する。
図7は、選択部34の構成を示す。選択部34は、分離部80、集計部82、決定部84を含む。分離部80は、取得部32において取得されたアンテナ12の識別符号を入力する。ここで、アンテナ12の識別符号は、前述のごとく「1」から「4」の4種類なので、分離部80は、アンテナ12の識別符号を4種類のいずれかに分類する。分離部80は、分類した結果を集計部82に出力する。
集計部82は、分類した結果を入力し、それにもとづいて、アンテナ12の識別符号を4種類のいずれかをカウントアップする。例えば、入力された分類の結果が「1」であれば、アンテナ12の識別符号「1」をカウントアップする。カウントアップは、所定のタイミングからの累積値を導出するように実行してもよく、あるいは、移動平均のように、積算の起算タイミングをシフトさせながらカウントを実行してもよい。前者によれば、カウントされる値が大きくなる傾向にあり、雑音等の抑圧によって、精度を向上できる。一方、後者によれば、現在から近いタイミングでの影響を考慮するので、伝送路の変動の追従によって、精度を向上できる。図8は、集計部82において集計されたデータの構造を示す。図示のごとく、アンテナ12を単位にしたカウントアップの累積値が記録されている。
図7に戻る。決定部84は、アンテナ12を単位にしたカウントアップの累積値のうち、最大値となるアンテナ12を選択する。例えば、図8の場合、第1アンテナ12aを選択する。決定部84は、選択したアンテナ12の識別符号を出力する。出力されたアンテナ12の識別符号が、図示しない制御部30において、バースト信号のうちのプリアンブルを送信するために使用されるアンテナ12に相当する。前述のごとく、アンテナ12を単位にしたカウントアップの累積値のうち、最大値となるアンテナ12は、通常無線装置16に最も多く受信されたビーコンを送信したアンテナ12に相当する。プリアンブルとビーコンは、複数のアンテナ12のうち、ひとつのアンテナ12を使用する点において共通する。ビーコンにおける集計結果が、プリアンブルの送信のために使用される。なお、決定部84は、累積値が所定の値より大きい場合に、アンテナ12を決定する。例えば、図8の場合、累積値が「30」を超えると、決定部84は、累積値を決定する。さらに、決定部84は、所定のタイミングに決定を実行するか、あるいは最新の累積値を反映しながら決定を実行する。
以上の構成による通信システム100の動作を説明する。図9は、通信システム100における信号の伝送手順を示すシーケンス図である。ここでは、第1MIMO無線装置10aと通常無線装置16間の信号の伝送を示す。実際には、これら以外に第1MIMO無線装置10aと第2MIMO無線装置10b間の信号が存在するが、ここでは、説明を明瞭にするために、それらの説明を省略する。また、図示した第1MIMO無線装置10aがバースト信号を伝送すべき対象は、通常無線装置16でなく、通常無線装置16がバースト信号を伝送すべき対象は、第1MIMO無線装置10aでなくてもよい。第1MIMO無線装置10aは、第1アンテナ12aからビーコンを送信する(S10)。通常無線装置16は、当該ビーコンの受信を成功し(S12)、受信したビーコンに含まれたアンテナ12の識別符号を抽出する(S14)。
第1MIMO無線装置10aは、第2アンテナ12bからビーコンを送信する(S16)が、通常無線装置16は、当該ビーコンの受信に失敗する(S18)。第1MIMO無線装置10aは、第3アンテナ12cからビーコンを送信する(S20)が、通常無線装置16は、当該ビーコンの受信に失敗する(S22)。第1MIMO無線装置10aは、第4アンテナ12dからビーコンを送信する(S24)が、通常無線装置16は、当該ビーコンの受信に失敗する(S26)。通常無線装置16は、所定のデータを送信するために、バースト信号を生成する(S28)。ここで生成されるバースト信号は、図3(a)に示したバーストフォーマットに準ずるが、所定の位置にアンテナ12の識別符号を含める。また、アンテナ12の識別符号を第1MIMO無線装置10aに伝送するために、バースト信号を生成してもよい。第1MIMO無線装置10aは、バースト信号を送信する(S30)。
第1MIMO無線装置10aは、バースト信号を受信し(S32)、受信したバースト信号に含まれたアンテナ12の識別符号を抽出する(S34)。第1MIMO無線装置10aは、アンテナ12の識別符号をもとに、プリアンブルを伝送すべきアンテナ12を決定する(S36)。第1MIMO無線装置10aは、バースト信号を生成し(S38)、バースト信号を送信する(S40)。その際、決定したアンテナ12から、バースト信号のプリアンブルが送信される。通常無線装置16は、バースト信号のプリアンブルを検出する(S42)。通常無線装置16は、自らのバースト信号の送信を禁止する(S44)。
図10は、第1MIMO無線装置10aにおける信号の伝送手順を示すフローチャートである。制御部30は、ビーコンを送信すべきアンテナ12を選択しつつ切りかえる(S50)。変復調部24、処理部22、無線部20は、選択されたアンテナ12から、当該アンテナ12の識別符号を含めたビーコンを送信する(S52)。無線部20、処理部22、変復調部24がバースト信号を受信すれば(S54のY)、取得部32は、バースト信号からアンテナ12の識別符号を抽出する(S56)。選択部34は、アンテナ12の識別符号を集計し(S58)、データ数が所定値以上になれば(S60のY)、プリアンブルを送信すべきアンテナ12を決定する(S62)。一方、無線部20、処理部22、変復調部24がバースト信号を受信せず(S54のN)、あるいは選択部34において集計したデータ数が所定値以上でない場合(S60のN)、ビーコン間隔を経過していなければ(S64のN)、ステップ54に戻る。一方、ビーコン間隔を経過していれば(S64のY)、ステップ50に戻る。
本発明の実施例によれば、プリアンブルと同様に複数のアンテナのいずれかから送信されるビーコンが、通常無線装置において受信されるときのMIMO無線装置のアンテナに関する情報にもとづいて、プリアンブルを送信すべきアンテナを決定するので、ビーコンでの結果を反映させつつ、通常無線装置におけるバースト信号の検出確率を向上させるようなアンテナを決定できる。また、ビーコンを送信する際に、複数のアンテナのいずれかを選択しつつ切りかえることによって、複数のアンテナのそれぞれから送信される信号が、通常無線装置においてどのように受信されるかを把握できる。また、ビーコンを送信する際に、複数のアンテナのいずれかを切りかえるので、隠れた通常無線装置の数を低減できる。また、ビーコンが最も受信されたアンテナを選択するので、プリアンブルが受信されやすくなるようなアンテナを選択できる。
また、通常無線装置において、プリアンブルが検出されやすくなるので、通常無線装置によるバースト信号の送信を抑制できる。また、通常無線装置によるバースト信号の送信をよくできるので、バースト信号の衝突確率を低減でき、周波数を有効に利用できる。また、ビーコンを送信する際にアンテナの識別符号を含ませるので、ビーコンを送信したアンテナの特定の正確性を向上できる。また、集計結果をもとにアンテナを選択するので、誤差の影響が小さくなり、選択の精度を向上できる。また、集計したデータの数が少なければ、選択を実行しないので、アンテナの選択を正確にできる。また、アンテナの選択を更新するので、無線伝送路が変動する場合であっても、それに追従するように、アンテナを選択できる。
(実施例2)
本発明の実施例2は、実施例1と同様に、MIMOシステムと同一の周波数バンドに、通常システムが共存している場合において、複数のアンテナのうちのプリアンブルを送信すべきアンテナを決定するMIMO無線装置に関する。実施例2では、実施例1と異なり、MIMO無線装置、特にMIMOシステムに対応した基地局装置は、ビーコンを送信する際に、ビーコンを送信するアンテナの識別符号をビーコンの内部に含めない。しかしながら、MIMO無線装置は、通常無線装置からのバースト信号を受信する際に、複数のアンテナのそれぞれを単位にして、信号強度を測定する。さらに、MIMO無線装置は、信号強度が最も大きいアンテナに対するアンテナの識別符号を取得する。実施例2に係るMIMO無線装置は、取得したアンテナの識別符号に対して、実施例1と同様の集計を実行することによって、プリアンブルを送信すべきアンテナを決定する。
実施例2に係る第1MIMO無線装置10aの構成は、図1の第1MIMO無線装置10aと同様のタイプである。実施例2に係る第1MIMO無線装置10aは、図示しない通常無線装置16からのバースト信号をアンテナ12において受信したときに、アンテナ12のそれぞれにおいて受信した信号の強度を測定するための測定部を備える。例えば、測定部は、第1無線部20aから第4無線部20dに接続される。取得部32は、測定した信号強度のそれぞれから、信号強度が最大となるひとつのアンテナ12を選択し、選択したひとつのアンテナ12の識別符号を取得する。取得部32は、取得したアンテナ12の識別符号を選択部34に出力する。
図11は、本発明の実施例2に係る通信システム100における信号の伝送手順を示すシーケンス図である。通常無線装置16は、所定のデータを送信するために、バースト信号を生成する(S80)。ここで生成されるバースト信号は、図3(a)に示したバーストフォーマットに準ずる。第1MIMO無線装置10aは、バースト信号を送信する(S82)。第1MIMO無線装置10aは、バースト信号を受信し(S84)、バースト信号を受信したアンテナ12のそれぞれに対応した信号強度を測定する(S86)。第1MIMO無線装置10aは、信号強度が最大となるバースト信号に対応したアンテナ12を選択し、当該アンテナ12に対応したアンテナ12の識別符号を取得する(S88)。第1MIMO無線装置10aは、アンテナ12の識別符号をもとに、プリアンブルを伝送すべきアンテナ12を決定する(S90)。第1MIMO無線装置10aは、バースト信号を生成し(S92)、バースト信号を送信する(S94)。その際、決定したアンテナ12から、バースト信号のプリアンブルが送信される。通常無線装置16は、バースト信号のプリアンブルを検出する(S96)。通常無線装置16は、自らのバースト信号の送信を禁止する(S98)。
図12は、第1MIMO無線装置10aにおける信号の伝送手順を示すフローチャートである。無線部20、処理部22、変復調部24はバースト信号を受信しなければ(S100のN)、受信するまで待ち続ける。無線部20、処理部22、変復調部24がバースト信号を受信すれば(S100のY)、測定部は、アンテナ12のそれぞれに対応させながら、受信したバースト信号の強度を測定する(S102)。取得部32は、信号強度が最大となるアンテナ12に対応したアンテナ12の識別符号を取得する(S104)。選択部34は、アンテナ12の識別符号を集計し(S106)、データ数が所定値以上になれば(S108のY)、プリアンブルを送信すべきアンテナ12を決定する(S110)。一方、選択部34において集計したデータ数が所定値以上でなければ(S108のN)、ステップ100に戻る。
本発明の実施例によれば、プリアンブルを送信すべきアンテナの選択の処理をMIMO無線装置の内部において完結できるので、通常無線装置に新たな機能の追加を不要にできる。また、通常無線装置からのバースト信号を受信すべき複数のアンテナの中で、最も受信したバースト信号の強度が大きくなるアンテナを選択するので、プリアンブルが通常無線装置に受信されやすくなるようなアンテナを選択できる。また、受信したバースト信号によって選択を実行するので、アンテナの選択の更新を容易にできる。
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
本発明の実施例1または2において、選択部34は、通常無線装置16においてプリアンブル信号が検出されやすくなるようなアンテナ12を選択している。これに限らず例えば、優先すべき通常無線装置16においてプリアンブル信号が検出されやすくなるようなアンテナ12を選択してもよい。その際、MIMO無線装置10には、優先すべき通常無線装置の識別符号を記憶する記憶部が備えられる。取得部32は、通常無線装置16からのバースト信号に含まれた当該通常無線装置16の識別符号も取得する。選択部34は、取得部32において取得した通常無線装置16の識別符号が、記憶部に記憶された通常無線装置16の識別符号に対応していれば、当該バースト信号に対応したアンテナ12を優先しつつ、プリアンブルを送信すべきアンテナ12を選択する。
ここで、優先するために、バースト信号に対応したアンテナ12を選択してもよい。あるいは、選択部34において集計する際に、当該アンテナ12の識別符号をカウントアップする際の値を大きくしてもよい。例えば、選択部34は、当該アンテナ12の識別符号を「1回」入力すれば、これを「10回」としてカウントアップする。本変形例によれば、予め記憶した通常無線装置16を優先するようなアンテナ12選択の処理が可能になるので、当該通常無線装置16を優先させるようなサービスの提供を実現できる。また、優先すべき通常無線装置16を通信量の多い通常無線装置16とすることによって、バースト信号の衝突確率を効率的に低減でき、周波数利用効率を向上できる。つまり、プリアンブルが所定の通常無線装置16に受信されるようなアンテナ12を選択できればよい。
本発明の実施例1または2において、受信ウエイトベクトル計算部54は、受信ウエイトベクトル信号の推定のための適応アルゴリズムとして、LMSアルゴリズムを使用している。しかし、受信ウエイトベクトル計算部54は、LMSアルゴリズム以外の適応アルゴリズムを使用してもよい。例えば、RLSアルゴリズムである。本変形例によれば、受信ウエイトベクトル信号の引き込みがより高速になる。つまり、アダプティブアレイ信号処理を実行するための受信ウエイトベクトルを推定できればよい。
本発明の実施例1または2において、通信システム100は、マルチキャリア信号を伝送している。しかしながらこれに限らず例えば、通信システム100は、シングルキャリア信号を伝送してもよい。本変形例によれば、様々な通信システム100に本発明を適用できる。つまり、MIMOシステムと通常システムが混在している状態であればよい。
本発明の実施例2において、測定部は、受信したバースト信号の強度を測定し、選択部34では、信号強度が最大になるようなアンテナ12を選択している。しかしながらこれに限らず例えば、受信したバースト信号の品質として、信号強度以外の品質を使用してもよい。その一例は、無線伝送路における遅延スプレッドである。測定部は、アンテナ12を単位にして、それぞれの遅延スプレッドを測定し、選択部34では、遅延スプレッドが最小になるようなアンテナ12を選択してもよい。また、信号強度と遅延スプレッドを組み合わせて、アンテナ12を選択してもよい。本変形例によれば、信号の品質を詳細に考慮しながら、アンテナ12を選択できる。つまり、通常無線装置16に検出されやすくなるようなプリアンブルを送信すべきアンテナ12を選択できればよい。
本発明の実施例1に係る通信システムの構成を示す図である。 図1の通信システムにおいて送信される信号の構成を示す図である。 図3(a)−(b)は、図1の通信システムにおけるバーストフォーマットの構成を示す図である。 図1の第1MIMO無線装置の構成を示す図である。 図4における周波数領域の信号の構成を示す図である。 図4の第1処理部の構成を示す図である。 図4の選択部の構成を示す図である。 図7の集計部において集計されたデータの構造を示す図である。 図1の通信システムにおける信号の伝送手順を示すシーケンス図である。 図9の第1MIMO無線装置における信号の伝送手順を示すフローチャートである。 本発明の実施例2に係る通信システムにおける信号の伝送手順を示すシーケンス図である。 図11の第1MIMO無線装置における信号の伝送手順を示すフローチャートである。
符号の説明
10 MIMO無線装置、 16 通常無線装置、 20 無線部、 22 処理部、 24 変復調部、 26 IF部、 30 制御部、 32 取得部、 34 選択部、 80 分離部、 82 集計部、 84 決定部、 100 通信システム。

Claims (7)

  1. 複数のアンテナのいずれかに対応した第1の制御信号と、複数のアンテナのうちの少なくともふたつにそれぞれ対応したデータ信号が配置されたバースト信号を所定のタイミングにおいて送信し、かつ複数のアンテナのいずれかを選択しながら切りかえることによって、第2の制御信号を定期的に送信する送信部と、
    バースト信号のうちの第1の制御信号を処理対象とし、かつデータ信号を処理対象としない無線装置から、当該無線装置によって受信された第2の制御信号の送信元のアンテナに関する情報を取得する取得部と、
    前記取得部において取得されたアンテナに関する情報をもとに、複数のアンテナのうち、第1の制御信号を送信すべきアンテナを選択する選択部とを備え、
    前記送信部は、バースト信号を送信する際に、前記選択部において選択されたアンテナから、第1の制御信号を送信することを特徴とする無線装置。
  2. 前記送信部は、第2の制御信号を送信する際に、第2の制御信号を送信すべきアンテナの識別符号を当該第2の制御信号に含め、
    前記取得部は、アンテナに関する情報として、前記無線装置からの信号に含められたアンテナの識別符号を取得することを特徴とする請求項1に記載の無線装置。
  3. 前記複数のアンテナによって、前記無線装置からの信号を受信する受信部と、
    前記複数のアンテナのそれぞれにおいて受信した信号の品質を測定する測定部をさらに備え、
    前記取得部は、測定した品質のそれぞれをもとに、ひとつのアンテナを選択し、選択したひとつのアンテナの識別符号をアンテナに関する情報とすることを特徴とする請求項1に記載の無線装置。
  4. 前記選択部は、アンテナの識別符号のそれぞれを単位にして、前記取得部において取得したアンテナに関する情報を集計し、集計結果をもとに、第1の制御信号を送信すべきアンテナを選択することを特徴とする請求項2または3に記載の無線装置。
  5. 優先すべき無線装置の識別符号を記憶する記憶部とをさらに備え、
    前記取得部は、無線装置からの信号に含まれた当該無線装置の識別符号も取得し、
    前記選択部は、前記取得部において取得した無線装置の識別符号が、前記記憶部に記憶された無線装置の識別符号に対応していれば、当該信号に対応したアンテナに関する情報を優先しつつ、第1の制御信号を送信すべきアンテナを選択することを特徴とする請求項2または3に記載の無線装置。
  6. 前記選択部は、所定のタイミングにおいて、選択したアンテナを更新することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の無線装置。
  7. 複数のアンテナのいずれかに対応した第1の制御信号と、複数のアンテナのうちの少なくともふたつにそれぞれ対応したデータ信号が配置されたバースト信号を所定のタイミングにおいて送信し、かつ複数のアンテナのいずれかを選択しながら切りかえることによって、第2の制御信号を定期的に送信する送信方法であって、
    バースト信号のうちの第1の制御信号を処理対象とし、かつデータ信号を処理対象としない無線装置から、当該無線装置によって受信された第2の制御信号の送信元のアンテナに関する情報を取得した後に、当該情報から複数のアンテナのうちの第1の制御信号を送信すべきアンテナを選択し、第1の制御信号を送信することを特徴とする送信方法。
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