JP2006173030A - 蛍光ランプ及び照明器具 - Google Patents
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Abstract
【課題】 小形化をなした点灯装置内蔵形の蛍光ランプを提供し、器具コストの低減を図ることが可能な照明器具を提供する。
【解決手段】 略環状の放電路の両端部に電極11a、11aを有する発光管11と;発光管11を点灯制御する回路部品16を実装すると共に、一部の部品の一部を落とし込んで支持するための凹部17bを有してなる配線基板17と;配線基板17を収容し、一端側で発光管11を支持すると共に他端側に回路部品16に電源を供給する電気端子部14、14を設けたケース12と;を具備する構成とする。
【選択図】 図1
【解決手段】 略環状の放電路の両端部に電極11a、11aを有する発光管11と;発光管11を点灯制御する回路部品16を実装すると共に、一部の部品の一部を落とし込んで支持するための凹部17bを有してなる配線基板17と;配線基板17を収容し、一端側で発光管11を支持すると共に他端側に回路部品16に電源を供給する電気端子部14、14を設けたケース12と;を具備する構成とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、略環状の放電路を備えた発光管を有する蛍光ランプ及び蛍光ランプを使用した照明器具に関する。
従来、例えば下記の特許文献1に示されるように、発光管の形状を略U字形に屈曲したり、2本の直管形のガラス管端部を相互に接合し略H字形にするなどの構成により環状の放電路を形成した、いわゆるコンパクト形の蛍光ランプが普及している。
この種の蛍光ランプは、発光管の両端にフィラメント電極を封入し、1個の口金が取付けられた片口金形の蛍光ランプとして構成され、面状をなして光が平面的に広がるので照度分布が均一化でき、さらに照明器具としての薄型化に有利なため、卓上スタンド、ベースライト、ダウンライトなどの面光源として広く使用されている。
一方、この種の蛍光ランプにおいては、ランプを点灯制御する点灯装置は蛍光ランプに設置されておらず、器具側に設置され、照明器具としては高価なインバータ等からなる点灯装置を内蔵した構成となって、器具コストが上昇する要因となり、特に近年では店舗等のリニューアルが頻繁に行われる状況から、如何に器具コストの低減を図るかが重要な課題となっている。
このため、高価な点灯装置を器具側に設けずに、ランプ側に内蔵させた蛍光ランプを光源として使用する方法がある(例えば、特許文献2、特許文献3)。
特許文献2に示されるものは、屈曲形のバルブの一端部を収納ケースに挿入して保持させ、収納ケース内に点灯装置の回路基板を収納し、ケースカバーに受電ピンを設ける構成となし、点灯装置を内蔵した、いわゆる片口金のコンパクト形の蛍光ランプを構成したものである。
特許文献3に示されるものは、点灯装置を、発光管と口金の間に設けられたケース内に収納して構成した、いわゆる電球形の蛍光ランプと称されるものである。
特開平8−17335号公報
特開平6−283139号公報
特開2003−257374公報
これら、点灯装置内蔵形の蛍光ランプを使用すれば、器具コストの低減を図ることが可能となるが、一方近年では省電力、省スペース等から蛍光ランプ自体の小形化が要求され、発光管がより一層小形化されている。
発光管の小形化に合わせ、発光管を支持し点灯装置を収容するためのケースも小形にして、蛍光ランプ全体の小形化をなす必要がある。
特に、発光管の管外径がより小となり、小径の発光管に合わせてケースの高さ寸法をより小となし薄型化を図って蛍光ランプ全体の小形化を達成する必要がある。少なくとも発光管の管外径寸法と略同等の高さ寸法に構成することが要求されている。
ケースの薄型化を達成するためには、ケース内に収容される点灯装置を小形にする必要がある。
点灯装置の小形化のためには、ケースの高さ寸法を決める要因となっている回路部品の大きさ、特に各部品の高さ寸法を極力小さくする必要がある。
回路部品は、プリント基板からなる配線基板の上面もしくは上下両面に実装され、近年ではかなりチップ化され小形化されていが、現状では点灯回路を構成するバラスト巻線や電解コンデンサ等、チップ化が困難な部品があり、この高さ寸法の比較的に大きなバラスト巻線や電解コンデンサ等が、ケースの薄型化を制限している。
特に、片口金のコンパクト形の蛍光ランプは、発光しないケース部分が発光管に連続して同一平面に位置しているために、照明器具の光源として設置した場合、発光部分が片側にしかなく、発光しないケース部分が暗部となり照度分布が不均一となる傾向があり、ケースは薄型化のみでなく、縦、横の寸法も小となす必要がある。
また、電球形の蛍光ランプにおいても、省電力化のために既存の白熱電球の代替使用を促すため、如何に白熱電球に近似させた形状、大きさにするかが課題となっており、点灯装置を収容するケースの小形化は重要な要素となっている。
このため、この種の点灯装置内蔵形の蛍光ランプにおいて、ケースは薄型化のみでなく縦、横の寸法も合わせて極力小となす必要があり、点灯装置を収容するケースの小形化を如何にして達成するかが重要な課題となっている。
本発明は、上述した従来の問題、課題に鑑みてなされたもので、小形化をなした点灯装置内蔵形の蛍光ランプを提供し、器具コストの低減を図ることが可能な照明器具を提供することを目的とする。
請求項1に記載の蛍光ランプの発明は、略環状の放電路の両端部に電極を有する発光管と;発光管を点灯制御する回路部品を実装すると共に、一部の部品の一部を落とし込んで支持するための凹部を有してなる配線基板と;配線基板を収容し、一端側で発光管を支持すると共に他端側に回路部品に電源を供給する電気端子部を設けたケースと;を具備することを特徴とする。
請求項1の発明によれば、回路部品を実装すると共に、一部の部品の一部を落とし込んで支持するための凹部を有してなる配線基板により、小形化をなした点灯装置内蔵形の蛍光ランプが構成される。
本発明において、発光管は、一本の発光管を略U字形に屈曲したもの、複数本の直管形のガラス管端部を相互に接合し略H字形に連結したもの、さらには発光管を屈曲または連結等して、円形、楕円形、多角形、矩形等の平面形状に構成したもの、連続した蛇行状に形成したもの、スパイラル状に巻いたもの等、略環状の放電路の両端部に電極を有して略環状をなす形状に構成したもの全てを許容する。
回路部品を実装すると共に、一部の部品の一部を落とし込んで支持するための凹部を有してなる配線基板は、配線基板の回路部品を設けた盤面に貫通する穴、切欠き等の凹部を形成し、この凹部に回路部品を貫通させるように挿入して配置するようにしても、さらに凹部となる穴、切欠き等は貫通する構成ではなく、穴、切欠き等の底面に底が形成された構成となし、この穴、切欠き等に部品を挿入して収納するようにしてもよい。
要は、凹部の形状、構成には限定されず、一部の部品の一部を落とし込んで支持するための凹部、全てを許容するものである。
凹部に一部を落とし込んで支持される回路部品は、蛍光ランプの小形化に支障となる比較的大きなバラスト巻線や電解コンデンサを配置することが好ましいが、他の部品を配置してもよく、さらに、これら例示した部品や特定の部品のみを配置することを意味するのではなく、点灯回路を構成する部品が選択されて配置されても、また選択されずに略全ての部品が配置されるようにしてもよく、蛍光ランプの小形化に寄与する全ての部品を包含するものである。
回路部品は好適には発光管を高周波点灯する電子点灯回路を構成するものである。この場合の具体的な部品は、商用電源電圧を整流するダイオード、平滑用の電解コンデンサ、スイッチング素子としてのトランジスタまたは電界効果形トランジスタ、共振兼バラスト巻線、共振用のコンデンサ、スイッチング制御用の部品等である。
ケースは、単一のケースで構成されていても、例えば、配線基板を収容するための箱状をなした第1のケースと、第1のケースの開口部を覆うための第2のケース等、複数に分割して構成してもよい。
さらに、上記のように複数に分割されたケースの場合、配線基板を収容する第1のケースの一端側及び他端側に、発光管及び電気端子部をそれぞれ設けることが好ましいが、例えば、電気端子部は配線基板を収容する第1のケースに設け、発光管の支持部は蓋体となる第2のケースに設ける等してもよく、発光管の支持部及び電気端子部は、複数の分割されたケースのいずれか一方に設けられていればよい。
要は、単一のケース、または複数に分割されたケースが組み立てられ一体化されたケース等、ケースの形状、構成には限定されず、一端側で発光管を支持すると共に他端側に電気端子部を設けたケース、全てを許容する。
ケースに設けられる電気端子部は、ピン状若しくはL字形等に突出する雄形の端子が好ましいが、凹状の受け端子をなした雌形端子でもよく、電気的な接続機能をなす全ての手段を許容する。
また、電気端子部をケースに設ける構成は、ケースに例えばピン状の端子が合成樹脂からなるケースに一体に埋め込み成形され、ケースに直接固定されるものであっても、またケースにはピン状の端子が貫通する小孔を設け、この小孔に、別途の部品、例えば配線基板等に固定されたピン状の端子を挿通させてケースからピンを突出させるような、直接固定ではなく、間接的に電気端子部がケースに設けられるようなものであってもよく、要は、回路部品に電源を供給するように、直接もしくは間接的に電気端子部がケースに設けられている構成等の全てを許容する。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の蛍光ランプにおいて、前記回路部品をバラスト巻線となしたことを特徴とする。
請求項2の発明によれば、バラスト巻線の一部を落とし込んで支持するための凹部を有してなる配線基板により、小形化をなした点灯装置内蔵形の蛍光ランプが構成される。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の蛍光ランプにおいて、前記配線基板の盤面が発光管軸線方向に略平行になるように配置したことを特徴とする。
請求項3の発明によれば、配線基板の盤面が発光管軸線方向に略平行になるように配置し、小形化をなした点灯装置内蔵形の蛍光ランプが構成される。
請求項4に記載の蛍光ランプの発明は、略環状の放電路の両端部に電極を有すると共に、封止部から突出する細管チップを設けた発光管と;発光管を点灯制御する回路部品を実装した配線基板と;配線基板を収容し、一端側で発光管を支持すると共に他端側に回路部品に電源を供給する電気端子部を設けたケースとを具備し;前記配線基板の端部を、発光管の細管チップ端部より封止部側に配置したことを特徴とする。
請求項4の発明によれば、配線基板の端部を、発光管の細管チップ端部より封止部側に配置し、小形化をなした点灯装置内蔵形の蛍光ランプが構成される。
本発明において、発光管の細管チップは、排気用の細管チップでも、補助アマルガム等を収容するための細管チップであってもよく、さらに、電極を有する封止部から突出しても、電極を有しない封止部から突出したものでもよく、細管チップの機能、突出する位置は特に限定されず、発光管の封止部から突出する全ての細管チップを許容する。
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4いずれか一に記載の蛍光ランプにおいて、前記配線基板を、発光管の電極に接続される一対のワイヤー間に配置したことを特徴とする。
請求項5の発明によれば、配線基板を、発光管の電極に接続される一対のワイヤー間に配置し、小形化をなすと共に、電気絶縁を施した点灯装置内蔵形の蛍光ランプが構成される。
本発明において、配線基板を、発光管の電極に接続される一対のワイヤー間に配置する方式は、発光管の封止部から所定の間隔を有して導出された一対のワイヤーの根本の間に配線基板の端部を配置し、ワイヤーの根本部分を含めて配線基板により電気絶縁するようにすることが好ましいが、配線基板をワイヤーの根本の間に配置することは必要条件でなく、一対のワイヤーそれぞれを配線基板の表裏に分けるように折り曲げ、一対のワイヤーが配線基板により隔離され電気絶縁がなされるように構成してもよい。
要は配線基板を一対のワイヤー間に配置することにより、ワイヤー間の電気絶縁をなす全ての構成を許容する。
電気絶縁を確実にするために、上記に構成にしたワイヤーに、さらに電気絶縁チューブやテープ等を被覆することも許容する。
請求項6に記載の照明器具の発明は、請求項1ないし5いずれか一に記載の蛍光ランプを具備することを特徴とする。
請求項6の発明によれば、器具コストの低減を図ることが可能な照明器具が構成される。
請求項1の発明によれば、回路部品を実装すると共に、一部の部品の一部を落とし込んで支持するための凹部を有してなる配線基板により、小形化をなした点灯装置内蔵形の蛍光ランプを提供することができる。
請求項2の発明によれば、バラスト巻線の一部を落とし込んで支持するための凹部を有してなる配線基板により、小形化をなした点灯装置内蔵形の蛍光ランプを提供することができる。
請求項3の発明によれば、配線基板の盤面が発光管軸線方向に略平行になるように配置し、小形化をなした点灯装置内蔵形の蛍光ランプを提供することができる。
請求項4の発明によれば、配線基板の端部を、発光管の細管チップ端部より封止部側に配置し、小形化をなした点灯装置内蔵形の蛍光ランプを提供することができる。
請求項5の発明によれば、配線基板を、発光管の電極に接続される一対のワイヤー間に配置し、小形化をなすと共に、電気絶縁を施した点灯装置内蔵形の蛍光ランプを提供することができる。
請求項6の発明によれば、器具コストの低減を図ることが可能な照明器具を提供することができる。
以下、本発明に係る蛍光ランプ及び照明器具の実施形態について説明する。
図1〜図4は、本発明の第一の実施形態である蛍光ランプを示し、図1は一部を開放して示した斜視図、図2は一部を切り欠いて示す正面図、図3は図2のA−A線に沿う断面図、図4は図2のB−B線に沿う断面図。
図5は従来と本実施形態におけるケースの大きさを比較するための説明図で、(a)は従来例、(b)は本実施形態である。
図6は、本発明の第一の実施形態である照明器具を示し、天井面に設置された照明器具を概略的に示した断面図である。
図7は、本実施形態の変形例である蛍光ランプの要部を示す断面図。
図8は、本実施形態の他の変形例である蛍光ランプ示し、(a)は蛍光ランプの側面図、(b)は蛍光ランプを(a)の状態から分割した状態を示す側面図。
図9は、本実施形態のさらに他の変形例である蛍光ランプ示し、(a)は蛍光ランプの側面図、(b)は蛍光ランプを(a)の状態から分割した状態を示す側面図。
図10は、本実施形態のさらに他の変形例である蛍光ランプの電気端子部を、一部を切り欠いて概略的に示す説明図。
図11は、本実施形態のさらに他の変形例である蛍光ランプの電気端子部を、一部を切り欠いて概略的に示す説明図。
まず、本実施形態の蛍光ランプの構成につき説明する。
10は蛍光ランプで、発光管11とケース12及びケース12内に収容される点灯装置13で構成される。
発光管11は、透明な無鉛ガラスよりなる1本の直管のガラス管を、略U字形に屈曲して環状の放電路を構成し、ガラス管の内面には例えば3波長の蛍光体膜を形成する。
ガラス管は、6〜18mmの管外径を有するものから選択され、本実施形態では約12mmのガラス管を用いている。
ガラス管の両端部には、電極11a、11aがピンチシールにより封止された封止部11b、11bを形成する。
封止部11b、11bには、排気用の細管チップ11c、11cが発光管の軸線aに沿い、封止部の端面略中央から突出して形成される。この細管チップ内に補助アマルガム等を封入してもかまわない。
さらに、封止部11b、11bからは、電極11a、11aに接続される一対、二組のワイヤー、すなわちリードワイヤー11d、11dが4本気密にして導出される。
発光管11内には、アルゴン(Ar)とクリプトン(Kr)の混合ガス等からなる希ガスを封入する。ネオン(Ne)を封入してもかまわない。
上記により、全体として平面視が略U字形の面状光源をなす発光管11が構成される。
上記のように構成された発光管11は、ケース12に組み込まれて蛍光ランプ10を構成する。
すなわち、ケース12は第1のケース12aと第2のケース12bからなる。
第1のケース12aは、上部に開口部12cを有し、縦断面形状が略小判形状をなし、舟底状の底面を有する箱体で、ポリブチレンテレフタノール(PBT)などの耐熱性でかつ耐光性を有する電気絶縁性の合成樹脂で構成する。
第2のケース12bは、第1のケース12aの開口部12cを塞ぐ縦断面が略コ字状の蓋体をなし、第1のケースと同材質の合成樹脂で構成する。
箱状をなす第1のケース12aの一端側に、発光管11の支持部となる2個の円形貫通孔で構成した支持孔12d、12dを形成する。
支持孔12d、12dの直径は、発光管11の管外径と略同等か若干大きな寸法に形成する。
この支持孔12d、12dには、発光管両端の封止部11b、11bが挿入され、封止部11b、11bの外面と支持孔12d、12dの周辺に耐熱性の接着剤等を塗布して発光管11を支持し固定する。
この際、図4に示すように、発光管11の細管チップ11c、11cが略中央に位置し、チップを挟んで上下に一対のリードワイヤー11d、11dが位置するように配置する。
さらに、第1のケース12aの他端側には、電源供給用の電気端子部を構成する一対の端子ピン14、14が2本突出して設けられる。
端子ピン14、14は導電性金属よりなり、第1のケース12aの樹脂成形時に一体成形されて支持される。
第1のケース12aの他端側側面には、一対の端子ピン14、14の間に位置して、端子ピンと平行に突出するガイド突起部15を一体に形成する。
ガイド突起部15は、後述する照明器具のソケットに蛍光ランプを装着する際のガイド機能をなすもので、突起部の内部に中空部15aを形成する。
点灯装置13は、発光管11を点灯制御するための点灯回路を構成する回路部品16と、回路部品を実装してケース12内に収容され支持される配線基板17で構成する。
配線基板17は、略長方形状をなしたプリント基板等からなり、各回路部品16が配線基板の盤面17aに対して垂直方向に搭載され実装される。
回路部品16は、発光管11をインバータ等を用いて高周波点灯する点灯回路を構成するための部品で、商用電源電圧を整流するダイオード、平滑用の電解コンデンサ、スイッチング素子としてのトランジスタまたは電界効果形トランジスタ、共振兼バラスト巻線、共振用のコンデンサ、スイッチング制御用の部品等の電子部品で構成する。
回路部品16の内、高さ寸法の比較的大きな部品である平滑用の電解コンデンサ16aは、その端子が配線基板17の端部に垂直方向に実装した後に略直角に折り曲げ、第1のケース12aに形成されたガイド突起部15内面の空間部15a内に収納する。
次に大きな部品である共振兼用のバラスト巻線16bは、配線基板の盤面17aの略中央部分に形成した凹部、本実施形態では貫通して形成した設置穴17bに、部品の一部分である下方の部分を落とし込んで挿入し、バラスト巻線16bの上下部分が配線基板17の表裏にわたるように配置する。
換言すれば、バラスト巻線16bの下方の部分が配線基板17の下面から突出し、バラスト巻線16bの上方の部分が配線基板17の上面から突出するようにして支持する。
したがって、比較的高さ寸法の大きなバラスト巻線16bであっても、配線基板の盤面17aから上方に突出する寸法が少なくなり、第1のケース12aの高さ寸法を小さくでき、ケース12全体の薄型化をなすように構成される。
ちなみに、図5(a)に示すように、配線基板17の盤面17aの表面にバラスト巻線16bを支持した従来の構成では、ケース12の高さ寸法h1が約24mm必要であるが、図5(b)に示す本実施形態では、ケース12の高さ寸法h2を約18.75mmに構成することができた。
バラスト巻線16bは、その端子16cが予め逆L字状に屈曲され、その垂直部分を配線基板17の端子部分に挿入して実装する。この構成によりバラスト巻線16bが凹部である設置穴17b内に、一部を落とし込んで支持される。
他の小さな回路部品16は、配線基板17の表面、一部は裏面に実装される。
上記のように各回路部品16を実装した配線基板17は、第1のケース12a内に収容され、鋲止め、または耐熱性の接着剤等の手段で固定され支持される。
この際、配線基板17は、回路部品16を実装した盤面17aが、発光管軸線aの方向に略平行で、かつ回路部品が発光管軸線aと略直交する方向に露出するようにして、第1のケースの開口部12cから見えるように配置すると共に、配線基板17の裏面と第1のケース底面との間に空間部Sを有するようにして収容する。
さらに、配線基板17の出力側となる端部17cは、発光管11の封止部11b、11bに突出して設けられた細管チップ11c、11cの上面に載せ、上下に間隔を有して導出された一対のリードワイヤー11d、11dの根本の間に挿入して設置する。
これにより、配線基板17の端部17cが、発光管11の細管チップ11c、11cの先端部より封止部11b、11b側に配置され、配線基板17の長手方向への突出長が短くなり、発光管11とケース12を含めた長手方向の寸法が長くならないようにしている。
本実施形態では、図5(a)に示すように、配線基板17の端部17cを、細管チップ11c、11cの上面に載せずに配置した従来構成のケース12の横寸法、すなわち長手方向の寸法S1に対し、図5(b)に示す本実施形態のケース12長手方向の寸法S2を、細管チップ11c、11cの突出長さ分、約10mm短くすることができた。
さらに、一対のリードワイヤー11d、11dが、配線基板17を挟んで配線基板の盤面17aによって上下に隔離され、各ワイヤー間の電気絶縁を施すようになっている。
各一対のリードワイヤー11d、11dは、配線基板17の出力端子部に接続される。
この際、配線基板17の表面または裏面に露出する各一対のリードワイヤー11d、11dに、電気絶縁チューブやテープ等を被覆して、より確実に電気絶縁を図るようにしてもよい。
さらに、配線基板17の入力側となる端部17dは、第1のケース12aの端子ピン14、14に対向して配置され、各端子ピン14,14と配線基板の入力端子部がワイヤー17e、17eにより接続される。
上記のように点灯装置13を構成する配線基板17を収容したケース12は、蓋体となる第2のケース12bを第1のケース12aの開口部12cに嵌めこみ、耐熱性の接着剤等の手段で固定して閉塞される。
次に、上記のように構成した蛍光ランプの組み立て手順につき説明する。
まず、配線基板17には、上述したように回路部品16を実装する。
また、蓋体である第2のケース12bは、第1のケース12aの開口部12cから外して開放した状態にする。
次に、第1のケース12aを作業台に開口部12cが上面になるように設置し、一端側に形成された支持孔12d、12dに発光管11の封入部11b、11bを挿入し、さらに位置決めを行い接着剤で固定する。
電極11a、11aの一対のリードワイヤー11d、11dは、第1のケース12aの内側に導出させておく。
次に、予め回路部品が実装された配線基板17を用意し、その入力側に折り曲げられ突出した状態で実装された電解コンデンサ16aを、第1のケース12aに形成されたガイド突起部15の空間部15a内に挿入して収納する。
さらに、第1のケース12aの他端側に設けられた端子ピン14、14と配線基板17の入力端子部とをワイヤー17e、17eを用いて半田付けを行い接続する。
次に、図4に示すように、配線基板17の出力側となる端部17cを、発光管11の封止部11b、11bに突出して設けられた細管チップ11c、11cの上面に載せ、上下に間隔を有して導出された一対のリードワイヤー11d、11dの根本の間に挿入する。
次に、一対2組のリードワイヤー11d、11dの内、配線基板17の上方に位置するリードワイヤーを、配線基板17の上面の出力端子部に上方から垂直方向から挿入し半田付けを行い固定する。
さらに、配線基板17の下方に位置するリードワイヤー11d、11dを配線基板17下面の出力端子部に下方から垂直方向に挿入し半田付けを行い固定する。
上記のように、入力端子部が端子ピン14、14に、出力端子部端が発光管11に接続された状態の配線基板17を、回路部品16が実装された盤面17aが、発光管11の軸線a方向に略平行で、かつ開口部12cに面するようにして、ケース内に押込み、側面視で配線基板17がケース内の中間部分よりやや上方に位置し、ケースの底面との間に空間部Sが形成されるように配置し、配線基板17の裏面四隅とケース内面に接着剤を塗布して固定する。
この際、配線基板17の裏面(下面)側に突出するバラスト巻線16bの下部がケースの底面に接触しない位置で、配線基板17が第1のケース12a内に収容される。
次に、蓋体となる第2のケース12bを第1のケース12aの開口部12cに嵌めこみ、接着剤で固定して開口部12cを閉塞する。
上記のように構成された蛍光ランプ10は、発光管11の先端からケース12のガイド突起部15頂点までのランプ全体の長さ寸法L1が約335mmに構成され、点灯装置13を内蔵し回路損失を含めたランプ電力が18W、全光束が1200ルーメン(lm)以上で、電源接続用の一対の端子ピン14、14を有するコンパクト形の蛍光ランプとして構成される。
上記のように構成された蛍光ランプ10は、照明器具に設けられたソケットに挿入されて、各種の照明器具の光源として使用される。
図6に示すように、20は店舗等の天井面Xに設置されたダウンライト式照明器具で、下面に開口部21aを有する金属製の箱状をなした本体ケース21と、本体ケースの開口部21aに嵌合される金属性の反射体22で構成する。
反射体22は、例えばステンレス等の金属板で構成し、その反射面22aは鏡面塗装、白色光沢塗装、反射シートなどで鏡面または梨地等に仕上げ、下面周囲に飾り枠22bを一体に形成する。
反射体22の側面板22cの中央部分には、ソケット23を設ける。
ソケット23には、上述した蛍光ランプ10のガイド突起部15が挿入される受けガイド及び端子ピン14,14が挿入され電源に接続される受け端子が設けられている。
このソケットに1灯の蛍光ランプ10を挿入して端子ピン14、14と受け端子を接続し、点灯装置を内蔵した1灯のコンパクト形の蛍光ランプを有するダウンライト式照明器具20として構成される。
上記に構成された照明器具は、発光管11を点灯するための点灯装置13は蛍光ランプ10が内蔵しており、この照明器具20には、従来の一般的な器具とは異なって高価な点灯装置を設置する必要はなく、器具としては比較的安価な本体ケース21、反射体22、ソケット23等の部品で構成されコストを低減した安価な照明器具として構成される。
さらに、蛍光ランプ10としては、発光に寄与しないケース部分を小形にしたので、器具に組み込んだ場合に暗部が形成され難くなり、照度分布が均一化される照明器具として構成される。
本実施形態では、発光管11を、1本の直管のガラス管を略U字形に屈曲して略環状の放電路を構成したが、2本の直管部の端部を互に加熱・溶融して突起穴を形成し、この突起穴の開口同士をつなぎ合わせて略H字形で略環状の放電路をなす面状光源を構成してもよい。
本実施形態では、部品の一部を落とし込んで支持するための凹部として、配線基板の盤面17aの略中央部分に貫通して形成した設置穴17bとなし、この設置穴17bにバラスト巻線16bの一部分である下方の部分を落とし込んで挿入し支持したが、図7に示すように盤面17aに形成する設置穴は貫通する穴ではなく、穴の底面に底が形成された設置穴17b'となし、この穴にバラスト巻線16bの一部分である下方の部分を落とし込んで挿入し、回路部品であるバラスト巻線16bの上下部分が配線基板17の表裏にわたるように配置されるようにしてもよい。
また、部品の一部を落とし込んで支持するための凹部は、配線基板の盤面17aの略中央部分に形成した穴ではなく、配線基板の端面を一部分切除することにより形成した切欠き状の凹部で構成してもよい。
配線基板17の表裏にわたり配置される回路部品16は、バラスト巻線16bとしたが、電解コンデンサ16aでもよく、さらに他の小形化に支障となる回路部品に代えてもよい。
また、ケース12は、図8に、(a)で示される蛍光ランプを、(b)に示すように分割した状態を示すように、第1のケース12aは舟底状の底面を有する箱体で構成し、第2のケース12bを縦断面が略コ字状の蓋体をなして構成し、側面視で第1、第2のケースが略L字状をなす形状に分割して構成してもよい。
さらに、図9に、(a)で示される蛍光ランプを、(b)に示すように分割した状態を示すように、第2のケース12bを、筒状の箱体をなす蓋体部分12b'と、発光管を支持する側壁部分12b''とに、さらに分割して構成してもよい。
また、上記のようにケース12を複数に分割した場合、電気端子部14、14は配線基板17を収容する第1のケース12aに設け、発光管11の支持部は蓋体となる第2のケース12bに設けるとよい。さらに電気端子部14、14及び発光管11の支持部の双方を第2のケース12bに設けるようにしてもよい。
配線基板17の出力側となる端部17cは、細管チップ11c、11cの上面に載せて構成したが、配線基板17の端部17cを細管チップ11c、11cの下面に対向させ、上下に間隔を有して導出された一対のリードワイヤー11d、11dの根本の間に挿入するようにして構成してもよい。
電気端子部である端子ピン14、14と、配線基板17の入力端子部とをワイヤー17e、17eを用いた半田付けで接続したが、半田レスとなしたプラグイン方式で構成し、配線作業の作業性を向上させるようにしてもよい。
すなわち、図10に示すように、第1のケース12aの端子ピンを支持する部分を一端が開放した円筒体からなるソケット18に構成し、端子ピンとしてソケット18の端面から外面に突出する一対の凸形ピン14aとソケットの内側に突出させた一対の凹形ピン14bで構成し、配線基板17の入力側には、入力端子部に接続された一対の凸ピン14cを突出させて設ける。
配線基板と端子ピンの接続作業に当たっては、配線基板17をソケット18に挿入して一対の凸ピン14cを、ソケット18の内側に突出させた一対の凹形ピン14bに差し込めばよく、いわゆるプラグイン方式で、半田付けの作業なしで簡単に配線作業が行える。
また、電気端子部である端子ピンは、合成樹脂からなるケースに一体に埋め込み成形して構成したが、図11に示すように、ソケットの凸、凹の端子ピン14a、14bを省略して、ソケットの端面に一対の小孔14d、14dを形成し、配線基板17の一対の凸ピン14cを直接ソケットの小孔14d、14dに貫通させ、ソケットの端面から突出させるようにして、より一層構成を単純化させるようにしてもよい。
さらに本実施形態は、コンパクト形の蛍光ランプとして構成したが、電球形の蛍光ランプとして構成してもよい。
照明器具は店舗等の施設用、業務用の照明器具に限らず、一般家庭用の照明器具でもよく、さらに屋内用、屋外用等全ての照明器具に適用可能である。
本実施形態によれば、部品の一部を落とし込んで支持するための凹部として、配線基板の盤面17aの略中央部分に貫通して形成した設置穴17bとなし、この設置穴17bにバラスト巻線16bの一部分である下方の部分を落とし込んで挿入し支持したので、比較的高さ寸法の大きなバラスト巻線16bであっても、配線基板の盤面17aから上方に突出する寸法が少なくなり、第1のケース12aの高さ寸法を小さくでき、ケース12全体の薄型化をなすことができる。
また、回路部品16の内、高さ寸法の比較的大きな部品である平滑用の電解コンデンサ16aは、その端子が配線基板17の端部に垂直方向に実装した後に略直角に折り曲げ、横にして第1のケース12aに形成されたガイド突起部15内面の空間部15aを利用して収納するようにしたので、背の高い電解コンデンサがケース自体の薄型化に支障となることがなくなり、上記の構成と相まって、より一層の薄型化を達成することができる。
また、配線基板17は、盤面17aが発光管軸線方向aに略平行になるように配置しているので、発光管11とケース12が長手方向に連続した構成となり、より一層の薄型化を達成した蛍光ランプを提供することができる。
バラスト巻線16bは、予め逆L字状に屈曲された端子16cを利用し、その垂直部分を配線基板17の端子部分に挿入して実装するようにしたので、格別の支持部材を必要とすることなく簡単な構成で設置穴17b内に支持することができる。
さらに、配線基板17の出力側となる端部17cは、細管チップ11c、11cの上面、または下面に配置して、上下に間隔を有して導出された一対のリードワイヤー11d、11dの根本の間に挿入して設置したので、配線基板17の端部17cが、発光管11の細管チップ11c、11cの先端部より封止部11b、11b側に配置され、配線基板17の長手方向への突出長が短くなり、発光管11とケース12を含めた長手方向の寸法が長くならないように構成することができる。
さらに、一対のリードワイヤー11d、11dが、配線基板17を挟んで配線基板の盤面17aに上下に隔離され、各リードワイヤー間の電気絶縁を施すようにしたので、簡単な構成で確実に電気絶縁処理を行うことができる。
発光管11を点灯するための点灯装置13は蛍光ランプ10が内蔵し、照明器具20には高価な点灯装置を設置する必要がなく、照明器具としては比較的安価な本体ケース21、反射体22、ソケット23等の部品で構成することができ、コストを低減した安価な照明器具を提供することができる。
さらに、発光に寄与しない蛍光ランプのケース部分を小形にしたので、器具に組み込んだ場合に暗部が形成され難くなり、照度分布が均一化された照明器具を提供することができる。
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明は上述の各実施形態に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々の設計変更を行うことができる。
10 蛍光ランプ
11 発光管
11a 電極
12 ケース
14 電気端子部
16 回路部品
17 配線基板
17b 凹部
11 発光管
11a 電極
12 ケース
14 電気端子部
16 回路部品
17 配線基板
17b 凹部
Claims (6)
- 略環状の放電路の両端部に電極を有する発光管と;
発光管を点灯制御する回路部品を実装すると共に、一部の部品の一部を落とし込んで支持するための凹部を有してなる配線基板と;
配線基板を収容し、一端側で発光管を支持すると共に他端側に回路部品に電源を供給する電気端子部を設けたケースと;
を具備することを特徴とする蛍光ランプ。 - 前記回路部品をバラスト巻線となしたことを特徴とする請求項1に記載の蛍光ランプ。
- 前記配線基板の盤面が発光管軸線方向に略平行になるように配置したことを特徴とする請求項1または2に記載の蛍光ランプ。
- 略環状の放電路の両端部に電極を有すると共に、封止部から突出する細管チップを設けた発光管と;
発光管を点灯制御する回路部品を実装した配線基板と;
配線基板を収容し、一端側で発光管を支持すると共に他端側に回路部品に電源を供給する電気端子部を設けたケースとを具備し;
前記配線基板の端部を、発光管の細管チップ端部より封止部側に配置したことを特徴とする蛍光ランプ。 - 前記配線基板を、発光管の電極に接続される一対のワイヤー間に配置したことを特徴とする請求項1ないし4いずれか一に記載の蛍光ランプ。
- 請求項1ないし5いずれか一に記載の蛍光ランプを具備することを特徴とする照明器具。
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JP2004367035A JP2006173030A (ja) | 2004-12-20 | 2004-12-20 | 蛍光ランプ及び照明器具 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008177153A (ja) * | 2006-10-17 | 2008-07-31 | Mass Technology (Hongkong) Ltd | 差込式蛍光ランプ及びそれに使用するランプソケット |
-
2004
- 2004-12-20 JP JP2004367035A patent/JP2006173030A/ja active Pending
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