JP4066581B2 - 電球形蛍光ランプ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電球形蛍光ランプに係り、特に発光管と点灯回路との接続構造を省スペース化した電球形蛍光ランプに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば白熱電球のソケットに装着可能な口金を有するカバーを備え、このカバーの内側に点灯回路を収納するとともに、発光管を屈曲などしてグローブに収納した電球形蛍光ランプが知られている。
【0003】
この電球形蛍光ランプは、白熱電球との互換性のために可及的に小形化されているものの、従来の電球形蛍光ランプは白熱電球に比べやや大きい外形寸法を有しているため、白熱電球から完全に置き換えるまでには至っていない。したがって、電球形蛍光ランプは、一層の小形化が望まれており、発光管、グローブおよびカバーの小形化が検討されている。
【0004】
一方、電球形蛍光ランプの発光管と点灯回路との接続方法としては、例えば特開平8−273615号公報(従来技術1)に開示されているように、回路基板にラッピング用のピンを植設し、発光管から導出されたリードワイヤーをそのピンに巻き付ける方法が採用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の技術による発光管と点灯回路との接続方法では、信頼性および作業性において問題がないものの、回路基板上にラッピング用のピンを植設するためのスペースを回路基板に確保しなければならない。また、リードワイヤーをピンに巻き付けるためにピンの周りにも4mm程度のスペースを確保しなければならないので、回路基板の小形化を妨げる要因として影響を及ぼしていた。
【0006】
さらに、電球形蛍光ランプの小形・高出力に伴いランプ内部の温度が上昇するため、プラスチックから成形された仕切板に含まれる難燃材が高温に晒されることで臭素ガスが発生し、この臭素ガスによりリードワイヤーを腐食させてしまう。その結果、リードワイヤーとピンとの接触抵抗が大きくなり、最悪の場合には両者が電気的に非接触な状態になる可能性があった。
【0007】
また、ラッピング用のピンを回路基板に設けない構成が特開平11−250730号公報(従来技術2)に記載されている。しかし、従来技術2の回路基板は、周縁面に電気接続端子を設け、この電気接続端子とカバーとの間でリード線を挟持するものであるため、接続の信頼性を一層向上させる必要があった。
【0008】
本発明は上述した事情を考慮してなされたもので、発光管と点灯回路との接続構造の省スペース化を図るとともに、リードワイヤーの腐食による接続不良を防止した電球形蛍光ランプを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の電球形蛍光ランプは、口金を有するカバーと;リードワイヤーを外部に引き出し屈曲形成されたバルブを有する発光管と;カバーに収納され、電子部品が実装されるとともにリードワイヤーが固着して電気的に接続される接続ランドが設けられた回路基板を有する点灯回路と;発光管と回路基板とを固定する一方、カバーに固定される仕切板と;を具備し、接続ランドは、回路基板の周縁面に形成され、かつリードワイヤーが挿入される挿入溝の開口縁に配設されていることを特徴とする。
【0010】
請求項1および以下の請求項における用語の定義は以下の説明による。
【0011】
発光管は、屈曲部を有していればよく、したがってダブルU、トリプルUなどの種々の形状を備えた発光管であることを許容する。また、発光管は細長いガラスバルブの両端内に一対のフィラメント電極を封着し、内面に直接または間接的に蛍光体層を被着して、内部に希ガスおよび水銀などの放電媒体を封入しているものが好適である。蛍光体としては、3波長発光形の希土類蛍光体やハロ燐酸カルシウム蛍光体などを用いることができる。なお、発光管は、水銀を封入しない希ガス放電を利用したものや電極を外部に有するものであってもよい。
【0012】
点灯回路は、インバータタイプが好ましいが、回路基板を有していれば、本発明の性質上これに限定されない。点灯回路は、カバーに対して直接的または間接的に取り付けられて収納されている。
【0013】
口金は、E形と称されるねじ込みタイプが通常使用されるが、これに限定されない。また、口金は、カバーに直接装着される必要はなく、間接的にケースに装着されるものや、カバーの一部が口金を構成するものであってもよい。
【0014】
カバーは、発光管を直接または間接的に支持するのである。間接的に支持する手段としては、カバーの口金が取り付けられた方向と逆の部位に発光管の両端部が挿入可能な形状を有する仕切板を取り付けるのが好ましい。
【0015】
カバーには、発光管を覆うグローブが取り付けられていてもよい。このグローブは光透過性を有していれば、光拡散性、透明性のいずれであってもよく、模様または着色が施してあるものでもよい。グローブの材質はガラス、プラスチックのいずれでもよい。グローブの形状は任意であるが、一般に普及している球類似のいわゆるG形と称される形状、先端球形で円筒状のいわゆるT形称される形状などを採用することができる。
【0016】
回路基板としては、円形、楕円あるいは半円などの各種切欠き円形を含むものとする。
【0017】
接続ランドは、回路基板に印刷などにより設けられ、その材質は銅、銅合金およびアルミニウムなどの導電性金属、あるいは導電性塗料などを用いることができる。また、接続ランドは、回路基板の下面に形成された印刷回路パターンを介して電子部品のリード線と電気的に接続されていればよく、また回路基板に実装された電子部品のリード線と直接接続されていても構わない。
【0018】
請求項1の電球形蛍光ランプによれば、発光管のリードワイヤーを回路基板に設けられた接続ランドに固着して電気的に接続したことにより、回路基板上にラッピング用のピンを植設するためのスペースが不要になるとともに、リードワイヤーをピンに巻き付けるためのスペースも不要になり、回路基板の小形化を図ることができる。また、仮にリードワイヤーが発生した臭素ガスに晒されて腐食しても、リードワイヤーと接続ランドとは固着されているので、電気的な接触状態を常に維持することができる。
【0019】
また、接続ランドは、回路基板の周縁面に形成され、かつリードワイヤーが挿入される挿入溝の開口縁に配設されているので、接続ランドへのリードワイヤーの固着作業の作業性を高めることができる。
【0020】
請求項2の電球形蛍光ランプでは、リードワイヤーは、挿入溝に挿入されて接続ランドに半田付けで固着されていることを特徴とする。
【0021】
請求項2の電球形蛍光ランプによれば、リードワイヤーは、挿入溝に挿入されて接続ランドに半田付けで固着されているので、リードワイヤーを接続ランドに強固に固着することができる。また、リードワイヤーが発生した臭素ガスに晒されて腐食しても、リードワイヤーと接続ランドとは半田付けで固着されているので、電気的な接続状態を常に維持することができる。
【0022】
請求項3の電球形蛍光ランプは、口金を有するカバーと;リードワイヤーを外部に引き出し屈曲形成されたバルブを有する発光管と;カバーに収納され、電子部品が実装されるとともにリードワイヤーおよび電子部品のリード線を挿入孔から挿入して互いに電気的に接続する接続ランドが設けられた回路基板を有する点灯回路と;発光管と回路基板とを固定する一方、カバーに固定される仕切板と;を具備していることを特徴とする。
【0023】
請求項3の電球形蛍光ランプによれば、回路基板にリードワイヤーおよび電子部品のリード線を挿入孔から挿入して互いに電気的に接続する接続ランドを設けたので、リード線とリードワイヤーとの接続作業が容易になるとともに、リード線およびリードワイヤーを強固に固着することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0025】
図1は本発明に係る電球形蛍光ランプの第1の実施形態を示す部分断面図、図2は図1の電球形蛍光ランプのグローブを透視した側面図、図3は図1の電球形蛍光ランプの一部を示す分解斜視図である。
【0026】
図1〜図3において、電球形蛍光ランプ10は、口金12を有するカバー14と、このカバー14内に収納された点灯回路16と、透光性を有するグローブ17と、このグローブ17に収納された発光管18とを備えている。この発光管18は2つの電極からそれぞれ2本づつ導出された4本のリードワイヤー20を有している。そして、カバー14とグローブ17とから構成される外囲器は、定格電力60Wの白熱電球の規格寸法に近似する外形に形成されている。なお、以下、口金12側を上側、グローブ17側を下側として説明する。
【0027】
カバー14は、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などの耐熱性合成樹脂などにて成形されたカバー本体21を備えている。このカバー本体21は、下方に拡開する略円筒状をなし、上端部にエジソンタイプのE26型などの口金12が被せられ、接着剤またはかしめなどにより固定される。
【0028】
グローブ17は、透明あるいは光拡散性を有する乳白色などで、ガラスあるいは合成樹脂により、白熱電球のガラス球と略同一形状の滑らかな曲面状に形成されているととともに、開口部の縁部には、図1に示すようにカバー14の下端の開口部の内側に嵌合する嵌合縁部17aが形成されている。なお、このグローブ17は、拡散膜などの別部材を組み合わせ、輝度の均一性を向上させることもでき、あるいは省略することもできる。
【0029】
カバー14に収納される点灯回路16は、水平状、すなわち発光管18の長手方向と垂直に配置される回路基板(PC板)24を備え、この回路基板24の両面すなわち口金12側である上面および発光管18側である下面に、複数の電子部品25,26が実装されて高周波点灯を行うインバータ回路(高周波点灯回路)が構成されている。また、回路基板24の上面には、比較的熱に弱い電解コンデンサ、フィルムコンデンサなどの電子部品25が配置されているとともに、下面には、比較的熱に強く、また高さ寸法の小さいチップ状の電子部品26が配置されている。さらに、回路基板24は、略円板状に形成され、図示しないワイヤーが導出され、このワイヤーがカバー14の口金12に接続されている。
【0030】
複数の電子部品25,26が実装された点灯回路16は、図4に示すように商用交流電源eにヒューズF1を介してフィルタを構成するコンデンサC1が接続され、このコンデンサC1にはフィルタを構成するインダクタL1を介して全波整流器27の入力端子が接続されている。また、この全波整流器27の出力端子には抵抗R1を介して平滑用の電解コンデンサC2が接続され、この電解コンデンサC2にはインスタントスタート方式のハーフブリッジ型のインバータ回路28が接続されている。
【0031】
このインバータ回路28は、電解コンデンサC2に対して並列に、スイッチング素子であるMOS型のNチャンネルの電界効果トランジスタQ1およびMOS型のPチャンネルの電界効果トランジスタQ2が直列に接続されている。
【0032】
電界効果トランジスタQ2のドレイン、ソース間には、バラストチョークL2および直流カット用のコンデンサC3を介して発光管18のそれぞれのフィラメントFL1,FL2の一端が接続され、フィラメントFL1,FL2の他端間には共振コンデンサC4が接続されている。
【0033】
また、抵抗R1および電解コンデンサC2の接続点と電界効果トランジスタQ1のゲートおよび電界効果トランジスタQ2のゲートとの間には、起動回路29を構成する起動用の抵抗R2が接続され、これら電界効果トランジスタQ1のゲートおよび電界効果トランジスタQ2のゲートと電界効果トランジスタQ1および電界効果トランジスタQ2の接続点との間に、コンデンサC5およびコンデンサC6の直列回路が接続され、これらコンデンサC5および制御回路30のコンデンサC6の直列回路に対して並列に電界効果トランジスタQ1および電界効果トランジスタQ2のゲート保護のためのツェナダイオードZD1およびツェナダイオードZD2の直列回路が接続されている。
【0034】
また、バラストチョークL2には、二次巻線L3が磁気的に接続され、この二次巻線L3にはインダクタL4およびコンデンサC6の共振回路31が接続されている。そして、コンデンサC5およびインダクタL4の直列回路に対して並列に、起動回路29の抵抗R3が接続されている。さらに、電界効果トランジスタQ2のドレイン、ソース間には、起動回路29の抵抗R4およびスイッチング改善用のコンデンサC7の並列回路が接続されている。
【0035】
ところで、点灯回路16の回路基板24には、図3および図5(A)に示すようにその周縁面に発光管18のリードワイヤー20が挿入される半円状の挿入溝32が一定間隔をおいて4箇所に形成され、これらの挿入溝32の開口縁には、回路基板24の下面に形成された印刷回路パターンとそれぞれ電気的に接続される接続ランド33が配設されている。ここで、上記印刷回路パターンは、実装された複数の電子部品25,26の端子と電気的に接続されている。
【0036】
そして、図5(A)に示すように各挿入溝32には、リードワイヤー20が挿入され、このリードワイヤー20は図5(B)に示すように半田付けにより接続ランド33に固着される。そして、リードワイヤー20には、半田と接合し易くするために錫メッキが施されている。ここで、リードワイヤー20は、0.5〜0.6mmの線径を有する一方、挿入溝32の開口径は1〜2mmに設定されている。
【0037】
なお、図5(B)において、34は半田付け部であり、この半田付け部34は、リードワイヤー20と挿入溝32との空隙部を埋めるとともに、回路基板24の周縁面に対してはみ出すことなく、面一に形成されている。また、回路基板24の周縁面には、後述する仕切板の係合リブと係合する係合凹部35が形成されている。
【0038】
発光管18は、図1〜図3に示すように略同形状の3本の管体(バルブ)36が所定位置に配置され、連通管37で順次接続して1本の放電路が形成されているととともに、この放電路の端部に上記フィラメントFL1,FL2などを備えた電極が設けられ、この電極は上述したように発光管18から外部に導出された4本のリードワイヤー20に接続されている。
【0039】
また、各管体36は、内面に蛍光体膜を形成するとともに、内部にアルゴンなどの希ガスおよび水銀が封入されている。各管体36は、例えば外径10mm、内径8mm、すなわち肉厚1mmのガラス製の円筒状のバルブであり、長さ寸法110mmのバルブを中間部で滑らかに湾曲させ頂部Pを備えた略U字状に形成されている。つまり、各管体36は、滑らかに反転する屈曲部36aと、この屈曲部36aに連続する互いに平行な一対の直管部36bとを備えている。
【0040】
そして、管体36は、マウントを用いたラインシールあるいはマウントを用いないピンチシールなどにより、一端部が封止されているとともに、他端部には排気管と呼ばれる細管38が溶着され、排気を行い、あるいは必要に応じてアマルガムを備えるようになっている。
【0041】
さらに、発光管18は、蛍光ランプ固定部材であって点灯回路固定部材である仕切板40に取り付けられ、この仕切板40がカバー14に固定されている。そして、仕切板40は、円板状をなす基板部41を備え、この基板部41に形成された取付孔41aに、各管体36の端部を挿入した上、シリコン系などの熱硬化性接着剤にて接着などして発光管18が仕切板40に固定される。
【0042】
また、基板部41の外周部からは、上側に向かいさらに外側に向かう嵌合段部42が形成されている。図1に示すように、この嵌合段部42をカバー14の内側に嵌合し、さらにこの嵌合段部42とカバー14との間に接着剤43を充填することにより、これらの部材が互いに固定される。
【0043】
そして、嵌合段部42の上側には、図3に示すように円筒状などをなす環状側壁44が突設され、この環状側壁44に嵌合または接着などにより点灯回路16の回路基板24が取り付けられている。この環状側壁44には、回路基板24に形成された係合凹部35に係合する係合リブ45が内方に突出するように形成され、この係合リブ45には回路基板24の周縁部を支持する支持段部45aが形成されている。また、この環状側壁44の内周面には、その内方に突出する所定高さの角柱状の複数の支持リブ46が周方向に所定間隔をおいて一体に突設されている。
【0044】
さらに、環状側壁44には、上方に向けてV字状に拡開するV溝47が回路基板24の4つの挿入溝32に対応して一定間隔をおいて4箇所に形成され、これらのV溝47は、発光管18のリードワイヤー20をV字状先端部内で径方向に弾性的に挟持して仮保持するように構成されているとともに、上方に向けて拡開しているので、リードワイヤー20を挿入し易くしている。
【0045】
電球形蛍光ランプ10は、上記のように構成されているので、これを組み立てる場合、まず発光管18の細管38を仕切板40の取付孔41a内に下方から差し込み、これら細管38近傍の管体36と取付孔41aとの間に充填されたシリコン系などの熱硬化性接着剤により仕切板40に固定する。このとき、発光管18のリードワイヤー20を緊張させて発光管18を持ち上げる程度の張力を付与しつつ仕切板40の最寄りのV溝47内に挿入して保持させ、位置決めを行っておく。
【0046】
これにより、発光管18は、各リードワイヤー20が各V溝47に保持されているために、各リードワイヤー20により吊り下げられている状態になるので、発光管18を熱硬化性接着剤により仕切板40に固着する前の仮止めを行うことができる。
【0047】
次いで、仕切板40に点灯回路16の回路基板24を固定する場合は、仕切板40の環状側壁44の内側に点灯回路16の回路基板24を嵌め込むと、この回路基板24が係合リブ45の支持段部45aおよび複数の支持リブ46に載置されて支持される。このとき、係合リブ45が回路基板24の係合凹部35に嵌入することで、回路基板24のがたつきと軸心回りの回転が阻止される。その結果、その後の組立作業の作業性および精度を高めることができる。
【0048】
このように仕切板40に回路基板24を固定したとき、仕切板40の各V溝47が回路基板24の各挿入溝32の近傍に配置されることとなり、各V溝47に保持された各リードワイヤー20を各V溝47から取り外した後、各リードワイヤー20を各挿入溝32に挿入する。そして、各リードワイヤー20を図5(B)に示すように半田付けにより各挿入溝32の開口縁に設けた接続ランド33に固着する。
【0049】
そして、回路基板24から導出された図示しない一対のワイヤーがカバー14の口金12に接続され、仕切板40がカバー14に装着され、このカバー14に上述した方法によりグローブ17が固着される。
【0050】
このように本実施形態によれば、各リードワイヤー20を各挿入溝32に挿入し、これらの各挿入溝32の開口縁に設けた接続ランド33に半田付けで各リードワイヤー20を固着するようにしたので、回路基板24上にラッピング用のピンを植設するためのスペースが不要になるとともに、リードワイヤー20をピンに巻き付けるためのスペースも不要になり、回路基板24の小形化を図ることができる。
【0051】
また、仮にリードワイヤー20が発生した臭素ガスに晒されて腐食しても、リードワイヤー20と接続ランド33とは半田付け部34を介して固着されているので、電気的な接続状態を常に維持することができるとともに、リードワイヤー20を接続ランド33に強固に固着することができる。
【0052】
さらに、接続ランド33は、回路基板24の周縁面に形成され、かつリードワイヤー20が挿入される挿入溝32の開口縁に配設されているので、接続ランド33へのリードワイヤー20の固着作業の作業性を高めることができる。
【0053】
図6は本発明に係る電球形蛍光ランプの第2の実施形態の回路基板を示す要部斜視図である。
【0054】
なお、図6において前記第1の実施形態と同一または対応する部分には同一の符号を付して説明する。また、以下の各実施形態では、電球形蛍光ランプの全体構成は前記第1の実施形態と同様であるのでその説明を省略し、特徴部分のみを説明する。
【0055】
本実施形態は、前記第1の実施形態と同様に図6に示すように回路基板24にリードワイヤー20が挿入される半円状の挿入溝32が形成され、これらの挿入溝32の開口縁に印刷回路パターンと電気的に接続される接続ランド33が配設されている。そして、挿入溝32には発光管18のリードワイヤー20が挿入され、このリードワイヤー20が半田付けにより接続ランド33に固着されている。
【0056】
この場合、半田付け部34は、リードワイヤー20と挿入溝32との空隙部を埋め、回路基板24の電子部品25側に盛り上がるように形成されるとともに、回路基板24の周縁面に対してはみ出すことなく、面一に形成されている。
【0057】
このように本実施形態によれば、半田付け部34は、リードワイヤー20と挿入溝32との空隙部を埋め、かつ回路基板24の電子部品25側に盛り上がるように形成されているので、リードワイヤー20を半田付け部34を介して接続ランド33に強固に固着することができる。
【0058】
また、半田付け部34は、回路基板24の周縁面に対してはみ出すことなく、面一に形成されているので、仕切板40に回路基板24を固定する場合、半田付け部34が仕切板40の環状側壁44に干渉することなく、回路基板24を仕切板40に確実かつ容易に嵌め込むことが可能となる。
【0059】
図7(A),(B)は本発明に係る電球形蛍光ランプの第3の実施形態の回路基板を示す要部斜視図,要部断面図である。
【0060】
本実施形態は、図7(A),(B)に示すように回路基板24の周縁面近傍に取付孔50が一定間隔をおいて4箇所に穿設され、これらの取付孔50の開口部には、それぞれ平面矩形状に形成された接続ランド51が設けられ、これら接続ランド51は、回路基板24の下面に形成された印刷回路パターンとそれぞれ電気的に接続されている。
【0061】
これらの接続ランド51上には、それぞれリードワイヤー20が半田付けにより固着されている。この場合、リードワイヤー20の接続ランド51への半田付けは、回路基板24における電子部品25側で行われ、半田付け部52が電子部品25側の接続ランド51上に形成される。
【0062】
なお、本実施形態において、リードワイヤー20は半田付けする前は位置決めされていないので、半田付け作業がやや困難であるが、この場合接続ランド51にリードワイヤー20を仮固定する手段を設ければ、半田付け作業が容易になる。また、取付孔50は、従来のラッピングピンの取付孔が穿設されている場合には、この取付孔を流用すれば新たに形成することがなくなる。
【0063】
このように本実施形態によれば、接続ランド51が回路基板24の電子部品25側に配設されるとともに、この接続ランド51にリードワイヤー20が半田付けで固着されているので、半田付け作業が容易になり、組立作業性を向上させることができる。
【0064】
図8は本発明に係る電球形蛍光ランプの第4の実施形態におけるリードワイヤーの接続構造を示す正面図である。
【0065】
本実施形態では、図8に示すように発光管18から導出されたリードワイヤー20と接続される回路基板24の上面に実装された電子部品25のリード線25aが予め回路基板24の下面から前記第1の実施形態より長く、具体的には3.5mm程度下方に延ばして配置されている。そして、このリード線25aおよび発光管18から導出されたリードワイヤー20をそれぞれ銅板、アルミニウム板などの金属板55間に挟み込み、この状態で金属板55をかしめることにより、リード線25aとリードワイヤー20とが固着される。
【0066】
ここで、リードワイヤー20が固着される電子部品25において、図4の共振コンデンサC4のように末端部品の場合は、回路基板24への取付部分を半田などにより回路基板24の下面に形成された印刷回路パターンと電気的に接続する必要はないが、電解コンデンサC2のように末端部品でない場合は、リード線25aの回路基板24への取付部分を半田付けにより半田付け部56を設けて印刷回路パターンと電気的に接続する必要が生じる。
【0067】
また、本実施形態では、接続手段として金属板55をかしめることにより、リード線25aにリードワイヤー20を固着したが、これに限らずリード線25aとリードワイヤー20とを半田付けやアーク溶接などの溶着による接続手段にて両者を固着するようにしてもよい。
【0068】
このように本実施形態によれば、電子部品25のリード線25aを回路基板24の下面から長く下方に延ばし、リード線25aおよびリードワイヤー20を金属板55間に挟み込み、この状態で金属板55をかしめてリード線25aにリードワイヤー20を固着したことにより、回路基板24においてリードワイヤー20を接続するための穴明けや半田付けなどの加工スペースが一切不要になるため、前記第1〜第3の実施形態と比較して回路基板24を著しく小形化することができる。
【0069】
また、本実施形態によれば、電子部品25のリード線25aにリードワイヤー20を上記接続手段により直接固着するだけであるので、組立作業性を高めることができる。そして、回路基板24への穴明けなどの加工がなくなるため、加工作業を削減させることができる。
【0070】
図9は本発明に係る電球形蛍光ランプの第5の実施形態におけるリードワイヤーの接続構造を示す正面図である。
【0071】
本実施形態では、図9に示すように前記第4の実施形態によって固着されたリードワイヤー20および電子部品25のリード線25aに、筒状に形成された絶縁性のチューブ57が被着されている。このチューブ57は、シリコン系の合成樹脂、ガラス繊維、ゴム、PTFEなどの絶縁性材料からいずれか一つが選択され、かつ弾性を有している。
【0072】
そして、この絶縁性のチューブ57を、金属板55により固着されたリードワイヤー20およびリード線25aに被着するには、例えば絶縁性のチューブ57に予め縦割り部分を形成しておき、この部分からチューブ57を展開してリードワイヤー20およびリード線25aを包み込んだ後、弾性により筒状に復帰させることで被着する。
【0073】
なお、本実施形態では、絶縁性のチューブ57に代えて、絶縁性のテープをリードワイヤー20およびリード線25aに巻き付けることも考えられるが、作業性の面から上記チューブ57を用いた方が望ましい。
【0074】
このように本実施形態によれば、固着されたリードワイヤー20および電子部品25のリード線25aに絶縁性のチューブ57が被着されているので、隣り合うリードワイヤー20やリード線25aが電気的に接触することなく、確実に絶縁することができ、電球形蛍光ランプ10としての信頼性を向上させることができる。
【0075】
図10は本発明に係る電球形蛍光ランプの第6の実施形態におけるリードワイヤーの接続構造を示す正面図である。
【0076】
本実施形態では、図10に示すように回路基板24の上面に実装された電子部品25のリード線25aが予め回路基板24の下面から前記各第4の実施形態より長く、具体的には7.5mm程度下方に延ばして配置されている。そして、このリード線25aに発光管18から導出されたリードワイヤー20をラッピングすることにより、リード線25aにリードワイヤー20が接続される。
【0077】
ここで、リード線25aの径は0.5mmであって、リードワイヤー20の径が0.5mm未満である。また、リード線25aには、回路基板24の下面に対して1mm下方からリードワイヤー20が5mm程度ラッピングされる。
【0078】
さらに、リードワイヤー20がラッピングされるリード線25aは、断面が角形に形成されたり、周面が粗面に形成されている。これにより、リードワイヤー20を固く巻き付けることができるとともに、緩みを低減させることができる。そして、リード線25aの先端を折曲することにより、ラッピングしたリードワイヤー20の下方への脱落を防止することができる。
【0079】
なお、本実施形態では、リード線25aにリードワイヤー20をラッピングするようにしたが、リード線25aの線径よりリードワイヤー20の線径が大きい場合には、リードワイヤー20にリード線25aをラッピングする。つまり、強度の相対的関係から線径の大きい方をラッピングされる側とし、線径の小さい方をラッピングする側とする。この場合、ラッピングされる側は、上記のように断面を角形に形成したり、周面を粗面に形成することが望ましい。
【0080】
また、本実施形態では、隣り合うリードワイヤー20が接触しないように、リードワイヤー20間に絶縁性部材を介在させることが望ましい。
【0081】
このように本実施形態によれば、リードワイヤー20と電子部品25のリード線25aのいずれか一方をラッピングして互いに電気的に接続したことにより、前記第4の実施形態と同様の効果が得られる。
【0082】
図11(A),(B),(C),(D)は本発明に係る電球形蛍光ランプの第7の実施形態における電子部品の接続構造を示す拡大正面図,接続ランドの底面図,電子部品のリード線とリードワイヤーとの接続構造を示す拡大正面図,電子部品のリード線とリードワイヤーとの他の接続構造を示す拡大正面図である。
【0083】
本実施形態では、図11(A),(B)に示すように回路基板24に円形の挿入孔60が一定間隔をおいて4箇所(図11では1箇所のみを示す)に穿設され、これらの挿入孔60の開口端には、それぞれ円環状に形成された接続ランド61が設けられ、これら接続ランド61は、回路基板24の下面に形成された印刷回路パターンとそれぞれ電気的に接続されている。
【0084】
これらの接続ランド61が設けられた挿入孔60には、図11(C)に示すように上方から電子部品25のリード線25aが挿入されるとともに、下方からリードワイヤー20が挿入され、これらリード線25aとリードワイヤー20とが半田付けによる半田付け部62を介して同時に接続ランド61に固着される。この場合、リード線25aおよびリードワイヤー20の接続ランド51への半田付けは、回路基板24の下面側で行われ、半田付け部62が電子部品25と反対面の電子部品26側の接続ランド61に形成される。
【0085】
また、この場合、リード線25aおよびリードワイヤー20の接続ランド61への半田付けは、図11(D)に示すように回路基板24における電子部品25側で行い、半田付け部62を電子部品25側の接続ランド61上に形成するようにしてもよい。
【0086】
なお、図11(C),(D)において、リード線25aおよびリードワイヤー20は半田付けする前は位置決めされていないので、半田付け作業がやや困難であるが、この場合接続ランド61にリード線25aおよびリードワイヤー20を仮固定する手段を設ければ、半田付け作業が容易になる。
【0087】
このように本実施形態によれば、接続ランド61が設けられた挿入孔60に電子部品25のリード線25aおよびリードワイヤー20を挿入し、これらリード線25aおよびリードワイヤー20を半田付けにより同時に接続ランド61に固着するようにしたので、前記第4の実施形態と効果に加え、リード線25aとリードワイヤー20との接続作業が容易になるとともに、リード線25aおよびリードワイヤー20を強固に固着することができる。
【0088】
図12(A),(B)は本発明に係る電球形蛍光ランプの第8の実施形態における電子部品の接続構造を示す拡大正面図,接続ランドの底面図である。
【0089】
本実施形態では、図12(A),(B)に示すように回路基板24に矩形状のスルーホール65が一定間隔をおいて4箇所(図12では1箇所のみを示す)に穿設され、これらのスルーホール65の開口部に接続ランド66が設けられ、これらの接続ランド66には、それぞれリード線挿入孔67とリードワイヤー挿入孔68が互いに離間して穿設され、これらの接続ランド66は、回路基板24の下面に形成された印刷回路パターンとそれぞれ電気的に接続されている。
【0090】
これらの接続ランド66のリード線挿入孔67には、図11(C)に示すように上方から電子部品25のリード線25aが挿入される一方、リードワイヤー挿入孔68には下方からリードワイヤー20が挿入され、これらリード線25aとリードワイヤー20をそれぞれ半田付けすることにより、リード線25aとリードワイヤー20とが接続ランド66に固着される。
【0091】
このように本実施形態によれば、回路基板24にスルーホール65を穿設し、このスルーホール65の開口部に接続ランド66を設け、この接続ランド66にリード線挿入孔67およびリードワイヤー挿入孔68を互いに離間して穿設し、これらリード線挿入孔67およびリードワイヤー挿入孔68にリード線25aとリードワイヤー20を半田付けすることにより接続ランド66に固着したので、前記第7の実施形態と同様の効果が得られる。
【0092】
なお、上記各実施形態では、U字状の管体36を3本接続して発光管18を構成したが、発光管18の形状はこれに限らず、例えばU字状あるいはH字状の管体を2本、3本あるいは4本など並列させて、すなわち長手方向に沿って4軸、6軸あるいは8軸の放電路を形成し、ランプ長の短縮を図ることもできる。
【0093】
また、点灯回路16は、1枚の回路基板24を水平に配置したが、複数枚の回路基板を設けることもできる。
【0094】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の電球形蛍光ランプによれば、発光管のリードワイヤーを回路基板に設けられた接続ランドに固着して電気的に接続したことにより、回路基板上にラッピング用のピンを植設するためのスペースが不要になるとともに、リードワイヤーをピンに巻き付けるためのスペースも不要になり、回路基板の小形化を図ることができる。その結果、電球形蛍光ランプを小形化することが可能となる。また、仮にリードワイヤーが発生した臭素ガスに晒されて腐食しても、リードワイヤーと接続ランドとは固着されているので、電気的な接続状態を常に維持することができ、電球形蛍光ランプとしての信頼性を向上させることができる。
【0095】
また、接続ランドは、回路基板の周縁面に形成され、かつリードワイヤーが挿入される挿入溝の開口縁に配設されているので、接続ランドへのリードワイヤーの固着作業の作業性を高めることができる。
【0096】
請求項2の電球形蛍光ランプによれば、リードワイヤーは、挿入溝に挿入されて接続ランドに半田付けで固着されているので、リードワイヤーを接続ランドに強固に固着することができる。また、リードワイヤーが発生した臭素ガスに晒されて腐食しても、リードワイヤーと接続ランドとは半田付けで固着されているので、電気的な接続状態を常に維持することができる。
【0097】
さらに、接続ランドは、回路基板の周縁面に形成され、かつリードワイヤーが挿入される挿入溝の開口縁に配設されているので、接続ランドへのリードワイヤーの固着作業の作業性を高めることができる。
【0098】
請求項3の電球形蛍光ランプによれば、回路基板にリードワイヤーおよび電子部品のリード線を挿入孔から挿入して互いに電気的に接続する接続ランドを設けたので、リード線とリードワイヤーとの接続作業が容易になるとともに、リード線およびリードワイヤーを強固に固着することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る電球形蛍光ランプの第1の実施形態を示す部分断面図。
【図2】 図1の電球形蛍光ランプのグローブを透視した側面図。
【図3】 図1の電球形蛍光ランプの一部を示す分解斜視図。
【図4】 図1の電球形蛍光ランプの点灯回路を示す回路図。
【図5】 (A),(B)は図1の電球形蛍光ランプの点灯回路の回路基板を示す要部斜視図,要部断面図。
【図6】 本発明に係る電球形蛍光ランプの第2の実施形態の回路基板を示す要部斜視図。
【図7】 (A),(B)は本発明に係る電球形蛍光ランプの第3の実施形態の回路基板を示す要部斜視図,要部断面図。
【図8】 本発明に係る電球形蛍光ランプの第4の実施形態におけるリードワイヤーの接続構造を示す正面図。
【図9】 本発明に係る電球形蛍光ランプの第5の実施形態におけるリードワイヤーの接続構造を示す正面図。
【図10】 本発明に係る電球形蛍光ランプの第6の実施形態におけるリードワイヤーの接続構造を示す正面図。
【図11】 (A),(B),(C),(D)は本発明に係る電球形蛍光ランプの第7の実施形態における電子部品の接続構造を示す拡大正面図,接続ランドの底面図,電子部品のリード線とリードワイヤーとの接続構造を示す拡大正面図,電子部品のリード線とリードワイヤーとの他の接続構造を示す拡大正面図。
【図12】 (A),(B)は本発明に係る電球形蛍光ランプの第8の実施形態における電子部品の接続構造を示す拡大正面図,接続ランドの底面図。
【符号の説明】
10 電球形蛍光ランプ
12 口金
14 カバー
16 点灯回路
17 グローブ
18 発光管
20 リードワイヤー
24 回路基板
25 電子部品
26 電子部品
32 挿入溝
33 接続ランド
34 半田付け部
36 管体(バルブ)
Claims (3)
- 口金を有するカバーと;
リードワイヤーを外部に引き出し屈曲形成されたバルブを有する発光管と;
カバーに収納され、電子部品が実装されるとともにリードワイヤーが固着して電気的に接続される接続ランドが設けられた回路基板を有する点灯回路と;
発光管と回路基板とを固定する一方、カバーに固定される仕切板と;
を具備し、
接続ランドは、回路基板の周縁面に形成され、かつリードワイヤーが挿入される挿入溝の開口縁に配設されていることを特徴とする電球形蛍光ランプ。 - リードワイヤーは、挿入溝に挿入されて接続ランドに半田付けで固着されていることを特徴とする請求項1記載の電球形蛍光ランプ。
- 口金を有するカバーと;
リードワイヤーを外部に引き出し屈曲形成されたバルブを有する発光管と;
カバーに収納され、電子部品が実装されるとともにリードワイヤーおよび電子部品のリード線を挿入孔から挿入して互いに電気的に接続する接続ランドが設けられた回路基板を有する点灯回路と;
発光管と回路基板とを固定する一方、カバーに固定される仕切板と;
を具備していることを特徴とする電球形蛍光ランプ。
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