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JP2006171592A - 3次元像表示用スクリーン及びこれを用いた3次元像表示装置 - Google Patents

3次元像表示用スクリーン及びこれを用いた3次元像表示装置 Download PDF

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JP2006171592A JP2004367036A JP2004367036A JP2006171592A JP 2006171592 A JP2006171592 A JP 2006171592A JP 2004367036 A JP2004367036 A JP 2004367036A JP 2004367036 A JP2004367036 A JP 2004367036A JP 2006171592 A JP2006171592 A JP 2006171592A
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Hideya Takahashi
秀也 高橋
Takashi Matsuo
孝 松尾
Kazunori Yokoyama
和典 横山
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Osaka Soda Co Ltd
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Abstract

【課題】 視差光線再生法を適用するための3次元像表示用スクリーンであって、透明性及び回折効率に優れ、スクリーン全体として均一な明るさを有し、さらには作製容易な3次元像表示用スクリーン及びこれを用いた3次元像表示装置を提供する。
【解決手段】 本発明に係る3次元像表示用スクリーン1は、投影機から2次元像を構成する複数の光線が投影された場合に、当該投影された各光線の透過光を収束又は発散させることにより3次元像を視認させることができる。3次元像表示用スクリーン1は、表面に塗布されたフォトポリマー感光材料の所定領域毎に参照光と物体光の2光束を干渉させて露光することで湿式現像処理を必要とせずに記録され、照射された光線をそれぞれ特定の方向に回折させる複数の体積位相型ホログラム11が設けられている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、視差光線再生法によって3次元像を表示するための3次元像表示用スクリーン及びこれを用いた3次元像表示装置に関する。
従来より、特殊な眼鏡を必要とせずに立体像(3次元像)を表示する方法として、パララックスバリア方式やレンチキュラーレンズ方式等が知られている(非特許文献1参照)。これらの表示方法は、右眼用像と左眼用像とを短冊状に表示画面に交互に表示し両眼視差を利用することにより、左右方向の立体感を得るものである。しかしながら、原理的に上下方向の視差は得られないため、上下方向の立体感を得ることができないという問題があった。また、適切な観察位置から外れると、右眼に左眼用像が入射し、左眼に右眼用像が入射する逆視といった現象などが生じ、観察位置を自由に選ぶことができず視域が限定されるという問題もあり、多人数で同時に観察することができなかった。
これに対し、上下方向の視差を得るための方法として、蝿の目レンズ板を用いたインテグラルフォトグラフィ技術が知られている。蝿の目レンズ板とは、口径数mmの小さな微小凸球面レンズを平面上に多数敷き並べた集積光学素子である。しかし、この方法では、蝿の目レンズ板の平面上に微小凸球面レンズが多数存在することから、表面が凹凸面になっており、3次元像を観察する際に前記凹凸面に眼の焦点が合って良好な3次元像観察の障害となっていた。
一方、近年においては、上記のような問題点を改善するために、視差光線再生法と称される3次元像表示方法が提案されている(非特許文献2〜4参照)。斯かる視差光線再生法とは、一般に表示される3次元像は点光源の集まりから構成されているという考えに基づき、この点光源を再生することで3次元像を再生する手法である。以下、図1を参照しつつ、視差光線再生法について、より具体的に説明する。
図1は、視差光線再生法による3次元像表示方法の概念を説明するための説明図である。図1に示すように、視差光線再生法は、照射された光線をそれぞれ特定の方向に回折させる(図1に示す例では、光線が照射されたホログラムの部位に応じて光線A1及びB3の方向、光線A2及びB2の方向、並びに、光線A3及びB1の方向の3方向に回折させる例を図示している)複数のホログラム11’が記録(図1に示す3つのマス目分が1つのホログラムに相当する。実際には、同じホログラム内であっても光線が照射された部位に応じて連続的に回折方向が異なることになるが、図1においては、図示の便宜上、各マス目内では回折方向が一定であり、異なるマス目で回折方向が異なるものとしている。また、図1では便宜上少数のホログラムを図示しているが、実際には縦横に1000〜100000個程度のホログラムを記録する)されたスクリーン1’に対して、光源2から平行光を照射すると共に、ホログラム11’の一部をマスクMによって遮光することにより、点光源を再生するものである。すなわち、図1に示す例では、遮光されずにスクリーン1’を透過し回折した発散する3つの光線A1、A2及びA3によって虚像の点光源Aが再生される一方、収束する3つの光線B1、B2及びB3によって実像の点光源Bが再生されることになる。視差光線再生法は、斯かるマスクMの配置を適宜設定することにより、複数の点光源を再生し、これによって3次元像を再生する方法である。
なお、斯かる視差光線再生法を実施するための実際の機器構成としては、マスクMとしてデジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)を用い、光源2から出射した光線の反射光量を当該デバイスの各素子毎に独立別個に制御したり、或いは、光源2及びマスクMとして液晶ディスプレイ(LCD)を用い、当該ディスプレイの各画素の濃度を独立別個に制御することによりマスクMの機能を実現する構成が採用されている。また、照射された光線をそれぞれ特定の方向に回折させる複数のホログラム11’は、スクリーン1’の表面に塗布された銀塩感光材料の所定領域毎に、参照光と物体光の2光束を干渉させて露光することにより記録される。
井上 弘著,「立体視の不思議を探る」,オプトロニクス出版 H.TAKAHASHI,K.SAKAMOTO,H.UEDA,E.SHIMIZU,「3-D DISPLAY SYSTEM WITH A HOLOGRAPHIC OPTICAL ELEMENT」,PRPC. OF IDW,1996,p.473-476 R.KISHIGAMI,H.TAKAHASHI,E.SHIMIZU,「REAL-TIME COLOR THREE-DIMENSIONAL DISPLAY SYSTEM USING HOLOGRAPHIC OPTICAL ELEMENTS」,PRPC. OF SPIE,2001,p.102-107 H.TAKAHASHI,K.YAMADA,E.SHIMIZU,「ARBITRARY VIEWPOINT 3D DISPLAY SYSTEM」,PRPC. OF SPIE,2003,p.50-58
しかしながら、上述した視差光線再生法を実施するためのスクリーンとして、既存の銀塩感光材料を用いて形成されたスクリーンを用いた場合、本発明の発明者らが実験したところによれば、その回折効率が10%以下であり、明るい像を得ることができないという問題があった。
また、銀塩感光材料を用いてスクリーンを作製する場合、ホログラム記録後の湿式現像処理工程として、現像工程、停止工程、定着工程、水洗工程、脱水工程、乾燥工程(乾燥工程以外は全て湿式溶剤を使用する)の各工程を経る。そして、このままでは振幅型ホログラムにしかならないため、さらに漂白処理工程を経て体積位相型ホログラムにする必要があり、各工程を経る間に、記録したホログラムに部分的な膜厚の変化が生じる(膜厚に分布が生じる)。
一般的に、体積位相型ホログラムでは、回折効率(η)と膜厚(d)との間に、η=sin(Ad)(Aは係数)という関係があり、膜厚が変化すると回折効率は著しく変化する。さらに、膜厚が変化すると、ホログラム再生時の入射角度選択性や波長選択性にまで影響を及ぼすことになる。
従って、上記のように銀塩感光材料を用いてスクリーンを作製した場合には、膜厚分布の影響で、スクリーン全体の明るさが不均一になったり、設計通りに光線を回折させることが困難になるという問題があった。
また、銀塩感光材料は、内部に粒子状成分を含んでいるため、わずかに光を拡散させてしまう性質を有する。その結果、銀塩感光材料を用いて作製されたスクリーンに2次元像を投影した場合、スクリーン表面全体が白っぽくなったり、着色したように観察されてしまう。このため、例えば、スクリーンの手前に物体が3次元表示されるように(例えば、図1の点光源Bが再生されるように)光を投影した場合であっても、観察者の視点はスクリーン手前に存在する物体に合わずに、白っぽくなったり着色したように観察されるスクリーン表面に合わせてしまう傾向がある。従って、3次元像を観察するには、改めて視点を動かす(例えば、図1のスクリーン1’の位置から点光源Bの位置まで視点を奥行き方向に動かす)ことが必要であり、3次元像表示を観察するための支障となるという問題があった。
上記問題は、既存の銀塩感光材料のように回折効率が低い場合に特に顕著となる。つまり、スクリーンで回折した光は、視差光線再生法によって3次元像を形成するために寄与するものの、回折しなかった光はスクリーンにおいて拡散する光となってしまうため、回折効率が低いと表示される3次元像が暗くなってしまうからである。
一般的に、銀塩感光材料は、グラフィックアート、室内外の装飾、美術・工芸品の記録、クレジットカードなどの偽造防止、グレーティングカード等の装飾効果などの立体写真用として、比較的大きなサイズの被写体を用いて一回の撮影で反射型ホログラムを記録することが多いため、上記のような現象は、ホログラムの観察に影響を及ぼすものではなかった。しかしながら、視差光線再生法を適用するためのスクリーンの場合には、高回折効率、高透明性及び低濁度の透過型ホログラム又は反射型ホログラムが必要とされるため、このような用途に対して銀塩感光材料を用いることは実用上困難であった。
さらに、スクリーンを作製する際(ホログラムを記録する際)には、感光材料と入射光(参照光及び物体光)との間に設置するマスク(感光材料上の露光領域を規制するための遮光マスク)をできるだけ感光材料に近づけて設置することが好ましい。しかしながら、銀塩感光材料は、一般的にガラス基板上に乳剤を塗布した2層構造であるため、入射光を乳剤面から入射させる場合、マスクを乳剤面に近づければ、乳剤面に手やマスクが触れてしまうことにより乳剤面が損傷するおそれがあった。また、露光領域を変更する際に、感光材料を保持しているステージを移動させれば、マスクが乳剤面を引っ掻いたりするため、マスクを乳剤面に近接させることが困難であった。逆に、入射光をガラス基板面から入射させる場合、数百μm〜数mm程度のガラス基板の厚みによる影響で、銀塩感光材料に過露光や前露光が生じてしまうという問題がある。従って、入射光で銀塩感光材料を露光する際には、乳剤面を保護する基材を別途貼り付けることが必要であった。しかしながら、実際上はこのような保護基材を貼り付けることは困難である。つまり、湿式現像処理を施す際には、上記保護基材を剥がすことが必要であるが、この場合、ホログラム膜が破けたり、ホログラム面(乳剤面)が乱れたりして、ホログラムに重大な損傷を与えることになるからである。
以上に説明したように、観察位置を自由に選ぶことができ、多人数で同時に観察することができるという点で、視差光線再生法を用いた3次元像表示は原理的に有効であるものの、3次元像表示用スクリーンを作製するための感光材料として銀塩感光材料を用いていたため、これに起因した種々の問題を生じ、実用化することは困難であった。
本発明は、斯かる従来技術の問題点を解決するべくなされたものであり、視差光線再生法を適用するための3次元像表示用スクリーンであって、透明性及び回折効率に優れ、スクリーン全体として均一な明るさを有し、さらには作製容易な3次元像表示用スクリーン及びこれを用いた3次元像表示装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するべく、本発明の発明者らは鋭意検討した結果、視差光線再生法を適用するための3次元像表示用スクリーンを特定のフォトポリマー感光材料を用いて作製すれば、前記課題を解決できることに想到し、本発明を完成させたものである。
すなわち、本発明は、投影機から2次元像を構成する複数の光線が投影された場合に、当該投影された各光線の透過光を収束又は発散させることにより3次元像を視認させることができる3次元像表示用スクリーンであって、表面に塗布されたフォトポリマー感光材料の所定領域毎に参照光と物体光の2光束を干渉させて露光することで湿式現像処理を必要とせずに記録され、照射された光線をそれぞれ特定の方向に回折させる複数の体積位相型ホログラムが設けられていることを特徴とする3次元像表示用スクリーンを提供するものである。
斯かる発明によれば、ホログラムを記録する感光材料としてフォトポリマー感光材料を用いるため、粒子状成分が含まれず、透明性及び回折効率に優れたスクリーンを得ることが可能である。また、湿式現像処理を必要とせずにホログラムを記録することが可能である上、フォトポリマーが含有する重合物の重合収縮に起因した膜(ホログラム)の収縮も一定であるため、従来のように銀塩感光材料を用いてホログラムを記録する場合に比べ、ホログラムの膜厚分布が均一となる結果、スクリーン全体として均一な明るさを有することになる。さらには、湿式現像処理を必要とせずにホログラムを記録することが可能であるため、フォトポリマー感光材料にホログラムを記録する際(2光束干渉露光する際)には、フォトポリマー感光材料を被覆する保護基材上に遮光マスクを接触させればフォトポリマー感光材料表面が損傷することはなく、且つ、露光後も前記保護基材を剥がす必要がないためスクリーンの作製工程が煩雑化せず作製容易である。
また、本発明は、前記3次元像表示用スクリーンと、前記3次元像表示用スクリーンに対して2次元像を構成する光線を投影する投影機とを備え、前記投影機は、前記2次元像を構成する各光線の前記3次元像表示用スクリーンに対する入射光量を独立別個に制御することが可能であることを特徴とする3次元像表示装置としても提供される。
本発明によれば、透明性及び回折効率に優れ、スクリーン全体として均一な明るさを有し、さらには作製容易な3次元像表示用スクリーン及びこれを用いた3次元像表示装置を得ることができる。
以下、添付図面を適宜参照しつつ、本発明に係る3次元像表示用スクリーンの一実施形態について説明する。
図2は、本発明の一実施形態に係る3次元像表示用スクリーンの概略構成を示す正面図である。図2に示すように、本実施形態に係る3次元像表示用スクリーン(以下、適宜「スクリーン」という)1は、投影機から2次元像を構成する複数の光線が投影された場合に、当該投影された各光線の透過光を収束又は発散させることにより3次元像を視認させることができるように構成されており、表面に塗布されたフォトポリマー感光材料の所定領域毎に参照光と物体光の2光束を干渉させて露光することで湿式現像処理を必要とせずに記録され、照射された光線をそれぞれ特定の方向に回折させる複数の体積位相型ホログラム(以下、適宜「要素ホログラム」という)11が設けられている。以下、斯かる構成を有するスクリーン1の作製方法について具体的に説明する。
<フォトポリマー感光材料>
本実施形態に係るフォトポリマー感光材料としては、屈折率変調型フォトポリマーであって、可干渉性の2光束を干渉させて露光することによって干渉縞を記録する記録工程のみにより、露光された部位の屈折率と未露光部位の屈折率との差が少なくとも0.001以上の屈折率変化を生じるものを用いることが好ましい。なお、屈折率の差を増幅させるための湿式現像処理が不要であることは必須要件であるが、光や熱等による乾式現像処理も不要であるものを用いるのが好ましい。
上記のような屈折率変調型フォトポリマーの典型的な例は、光によって重合を開始するラジカル重合性化合物とその光重合開始剤系及びバインダーポリマーを含む組成物である。斯かる組成物としては、例えば、特開2001−56631号公報、SPIE reprint,4659,334(2002)、国際公開第02/061508号パンフレットに開示されているフォトポリマーを好適に用いることができる。
本実施形態に係るフォトポリマー感光材料として好適なフォトポリマーのより具体的な例は、国際公開第02/061508号パンフレットに開示されている。すなわち、干渉縞の明暗の強度分布を屈折率の変化として記録するのに使用される体積位相型ホログラム記録材料用組成物において、有機溶媒に可溶な熱可塑性樹脂(A)と、9,9’−ジアリールフルオレン骨格を有し、かつ、ラジカル重合可能な不飽和二重結合を少なくとも1つ含有する常温常圧で固体であるラジカル重合性化合物(B)と、可塑剤(C)と、光重合開始剤(D)とを含み、熱可塑性樹脂(A)とラジカル重合性化合物(B)と可塑剤(C)の重量百分率が(A):(B):(C)=10〜80:10〜80:10〜80であり、ラジカル重合性化合物(B)の屈折率が熱可塑性樹脂(A)の屈折率と可塑剤(C)の屈折率との加重平均よりも大きいことを特徴とするホログラム記録材料組成物である。
上記有機溶媒に可溶な熱可塑性樹脂(A)の具体例としては、ポリビニルアセテート、ポリビニルブチラート、ポリビニルホルマール、ポリビニルカルバゾール、ポリアクリル酸、ポリメタクリロニトリル、ポリアクリロニトリル、ポリ−1,2−ジクロロエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリメチルメタクリレート、シンジオタクチック型ポリメチルメタクリレート、ポリ−α−ビニルナフタレート、ポリカーボネート、セルロースアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートブチラート、ポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、ポリ−o−メチルスチレン、ポリ−p−メチルスチレン、ポリ−p−フェニルスチレン、ポリ−p−クロロスチレン、ポリ−2,5−ジクロロスチレン、ポリアリレート、ポリサルホン、ポリエーテルサルホンを挙げることができ、これらの例から選ばれる1種又は2種以上の組み合わせとすることが好適である。また、これら樹脂の好適な分子量は、10,000〜1,000,000である。
上記9,9-ジアリールフルオレン骨格を有し、かつ、ラジカル重合可能な不飽和二重結合を少なくとも1つ以上含有する常温常圧で固体であるラジカル重合性化合物(B)として好適な化合物の具体例としては、9,9−ビス[4−(3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシ)プロポキシフェニル]フルオレン、9,9−ビス(4−メタクリロイルオキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−アクリロイルオキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス[4−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス{4−[2−(3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシ−プロポキシ)−エトキシ]フェニル}フルオレン、9,9−ビス[4−(3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシ)プロポキシ−3−メチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンのグリシジルエーテルのアクリル酸付加物などを挙げることができる。
上記可塑剤(C)としては、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート及びジオクチルフタレートに代表されるフタル酸エステル類や、ジメチルアジペート、ジブチルアジペート、ジメチルセバケート、ジエチルセバケート、ジブチルセバケート及びジエチルサクシネートに代表される脂肪族二塩基酸エステル類、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート及びトリクレジルホスフェートに代表される正リン酸エステル類、グリセリルトリアセテート及び2−エチルヘキシルアセテートに代表される酢酸エステル類、トリフェニルホスファイト及びジブチルハイドロジエンホスファイトに代表される亜リン酸エステル類などの不活性化合物を例示することができる。
上記光重合開始剤(D)としては、He−Ne(波長633nm)、YAG(波長532nm)、Ar(波長515、488nm)、He−Cd(波長442nm)等のレーザ光源から出射されるレーザ光を吸収してラジカルを発生するものを好適に用いることができる。このような光重合開始剤としては、例えば、カルボニル化合物、アミン化合物、アリールアミノ酢酸化合物、有機錫化合物、アルキルアリールホウ素塩、オニウム塩類、鉄アレーン錯体、トリハロゲノメチル置換トリアジン化合物、有機過酸化物、ビスイミダゾール誘導体、チタノセン化合物及びこれらの光重合開始剤と光増感色素との組み合わせ等を好適に用いることができる。上記カルボニル化合物としては、例えば、ベンジル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾフェノン、、3,3′,4,4′−テトラ(tert−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、ジエトキシアセトフェノン等を例示できる。
上記光増感色素としては、ミヒラケトン、アクリジンイエロー、メロシアニン、メチレンブルー、カンファーキノン、エオシン、脱カルボキシル化ローズベンガル等を好適に用いることができる。光増感色素としては、可視領域の光に吸収を示すものであればよく、上記以外にも、例えば、シアニン誘導体、メロシアニン誘導体、フタロシアニン誘導体、キサンテン誘導体、チオキサンテン誘導体、アクリジン誘導体、ポルフィリン誘導体、クマリン誘導体、ベーススチリル誘導体、ケトクマリン誘導体、キノロン誘導体、スチルベン誘導体、オキサジン誘導体、チアジン系色素等も使用可能であり、更には「色素ハンドブック」(大河原信他編、講談社、 1986 年)、「機能性色素の化学」(大河原信他編、シーエムシー、 1983 年)、「特殊機能材料」(池森忠三郎他編、シーエムシー、 1986 年)に記載されている光増感色素も用いることができる。これらの光増感色素は単独で用いても2種以上の組み合わせで用いてもよい。
有機溶媒は、フォトポリマー感光材料の粘度調整、相溶性調節の他、成膜性等を向上させるために有効であり、例えば、アセトン、キシレン、トルエン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、ベンゼン、塩化メチレン、ジクロロメタン、クロロホルム、メタノール等を用いることができる。ただし、水は、粘度調整、相溶性調節、成膜性等を阻害するので使用できない。水はエマルジョン形態でも媒質として使用できない。有機溶媒(溶剤)の使用量は、有機溶媒に可溶な熱可塑性樹脂(A)と、9,9’−ジアリールフルオレン骨格を有し、かつ、ラジカル重合可能な不飽和二重結合を少なくとも1つ含有する常温常圧で固体であるラジカル重合性化合物(B)と、可塑剤(C)と、光重合開始剤(D)の合計100重量部に対して1〜1500重量部程度の範囲である。また、ラジカル重合性化合物(B)の重合速度や分子量を制御するために、熱重合禁止剤や連鎖移動剤を少量添加しても良い。
熱重合禁止剤の例としては、生成した重合活性種を消去する働きのある、例えば、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、tert−ブチルカテコール、ナフチルアミン、ジフェニルピクリルヒドラジン、ジフェニルアミン等を挙げることができる。
連鎖移動剤の例としては、α−メチルスチレンダイマー、2−メルカプトベンズオキサゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、tert−ブチルアルコール、n−ブタノール、イソブタノール、イソプロピルベンゼン、エチルベンゼン、クロロホルム、メチルエチルケトン、プロピレン、塩化ビニル等を挙げることができる。
<フォトポリマー感光材料の調整>
以上に説明した本実施形態に係るフォトポリマ感光材料を調製するには、有機溶媒に可溶な熱可塑性樹脂(A)と、9,9’−ジアリールフルオレン骨格を有し、かつ、ラジカル重合可能な不飽和二重結合を少なくとも1つ含有する常温常圧で固体であるラジカル重合性化合物(B)と、可塑剤(C)と、光重合開始剤(D)等をガラスビーカー等の耐有機溶剤性容器に入れて全体を撹拌すればよい。この場合、固体成分の溶解を促進するために、組成物の変性が生じない範囲で、これを例えば40〜90℃程度に加熱してもよい。
<ホログラム記録媒体の作製方法>
本実施形態に係るフォトポリマー感光材料を用いたホログラム記録媒体(ホログラム記録前のスクリーン)は、フォトポリマー感光材料を基板の片面に塗布し、生じた塗膜(記録層)と基板とからなる2層構造の記録媒体を作製することによって得られる。或いは、好ましい態様として、図3に示すように、基板1A上の記録層1Bの上にフィルム状、シート状或いは板状の保護材1Cを被覆して3層構造の記録媒体を作製しても良い。
フォトポリマー感光材料の調製工程で有機溶媒を用いる場合、有機溶媒に可溶な熱可塑性樹脂(A)と、9,9’−ジアリールフルオレン骨格を有し、かつ、ラジカル重合可能な不飽和二重結合を少なくとも1つ含有する常温常圧で固体であるラジカル重合性化合物(B)と、可塑剤(C)と、光重合開始剤(D)を初めとする上記任意添加成分(光増感色素、熱重合禁止剤及び連鎖移動剤)を有機溶媒(溶剤)に溶解させ、これにより得られた溶液を基板上に塗布し、その後、溶剤を揮散させて記録層を形成すれば良い。また、記録層に保護材を被覆する場合(図3参照)には、保護材を被覆する前に有機溶媒を風乾や減圧蒸発等によって除去しておくことが好ましい。
フォトポリマ感光材料を塗布する基板としては、光学的に透明な素材、例えば、ガラスや石英の他、ポリエチレンテレフタレート(PET)、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリオレフィン、脂環式ポリポレフィンなどの透明樹脂を用いることができる。基板の厚みは、好ましくは0.02〜10mmとされる。基板は、必ずしも平面である必要はなく、屈曲や湾曲或いは表面に凹凸構造のあるものでも良い。保護材も基板と同じ材質の光学的に透明な材料から形成することができる。保護材の厚みは、好ましくは0.02〜10mmとされる。
フォトポリマ感光材料の塗布方法としては、グラビア塗布、ロールコーティング塗布、バーコート塗布、スピンコート塗布等を用いることができる。そして、溶媒除去後の記録層の厚みが、1〜500μm、好ましくは10〜100μmとなるように塗布する。
<ホログラムの記録方法>
上記のようにして作製されたホログラム記録媒体に要素ホログラムを記録するために、本実施形態では2光束干渉露光法が用いられる。以下、図4を参照してより具体的に説明する。
図4は、ホログラム記録媒体に要素ホログラムを記録するための光学系の一例を示す概略構成図である。図4に示すように、レーザ光源10から出射された波長が200〜800nmの範囲にある可干渉性の光(レーザ光)をビームスプリッタ20等を用いて2つの光線に分割する。そのうち一方の光線L1を参照光といい、他方の光線L2を物体光という。そして、ホログラム記録媒体100上で参照光L1と再度合わさるように、物体光L2を反射ミラー30などを用いることによって偏向させる。ホログラム記録媒体100は、参照光L1及び偏向後の物体光L2が合成されて干渉縞が形成され得る位置に配置する。参照光L1及び物体光L2は、それぞれ対物レンズ40等によって10〜40倍程度に径を拡大した後、ピンホール50等により波面を綺麗に整形しておき、さらにコリメータレンズ60等により拡散光を平行光に変換しておくことが好ましい。ここで、物体光L2については、さらにレンズ(平凸レンズ)70を用いて平行光を収束光に変換する。なお、このように収束する物体光L2を得るためには、予め物体光L2の情報を記録した体積位相型マスターホログラムに光を照射して得られるマスターホログラムからの透過光(物体光)を用いることも可能である。
上記の光学系配置において、レーザ光源10から数秒程度レーザ光を照射すると、ホログラムとなる参照光L1と物体光L2との干渉縞がホログラム記録媒体100に記録される。なお、レーザ光の光量は、光強度と照射時間との積で表せば、好ましくは0.1〜10,000mJ/cm、より好ましくは1〜1,000mJ/cmである。
以上のようにして記録された要素ホログラムを、フォトポリマー感光材料の所定領域毎に(ホログラム記録媒体100の所定領域毎に)位置精度良く複数作製するためには、ホログラム記録媒体100を上下方向及び水平方向にそれぞれ独立して移動させることのできるY−Zステージに載置・固定して、パーソナルコンピュータ等によりY−Zステージの移動量(ホログラム記録媒体100の移動量)を制御しながらレーザ光を露光していくことが好ましい。さらに、作製される各要素ホログラムの寸法を精度良く設定するためには、ホログラム記録媒体100と入射される参照光L1及び物体光L2との間に、マスク(遮光マスク)300をできるだけホログラム記録媒体100に近接させるか接触させて配置することが好ましい。マスク300とホログラム記録媒体100との間に隙間が存在すると、記録するべき要素ホログラムの寸法がホログラム記録媒体100上に反映されないばかりか、光の拡散によって、本来記録するべき要素ホログラムの周辺のフォトポリマー感光材料や要素ホログラムに光が照射され、既に記録した要素ホログラムに光が照射された場合には過露光によって回折効率が低下したり、未記録のフォトポリマー感光材料に光が照射された場合には前露光されることになり、結果として明るさの均一なスクリーンを作製することが困難になるからである。
マスク300としては、記録する要素ホログラムの寸法に相当する部分を切り抜いた遮光板や、透明基板の要素ホログラムの寸法に相当する以外の部分にクロム蒸着等を施したものを用いることができるが、何れにしてもできるだけ厚みが小さいものを用いることが好ましい。マスク300の厚みが大きい場合には、光が透過する領域(例えば、遮光板の切り抜き部分)の内壁に光が照射され、その反射光が参照光L1及び物体光L2の干渉縞とさらに干渉する事態が生じたりする。その結果、作製した要素ホログラムの明るさが不均一になったり、要素ホログラムの周辺部分にスジや濁りなどが発生し、好ましくないからである。
<ホログラム記録用の光源>
本実施形態に係るホログラム記録用の光源としては、フォトポリマー感光材料に含まれる光重合開始剤又は光重合開始剤と光増感色素の組み合わせからなる光重合開始剤系に光源から発する光を照射した際に、電子移動を伴って重合性化合物の重合を誘発させるものであればよい。このような光源としては、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、低圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ等を例示することができる。これらの光源は、特に、マスターホログラムを利用して、作製したスクリーンの情報を他のホログラム記録媒体にコピーする際に好適に用いることができる。
また、本実施形態に係るホログラム記録用の光源として、前述のようにレーザ光源を用いることができる。レーザ光源から出射されるレーザ光は単一波長であり、可干渉性(コヒーレンス性)を有しているため、ホログラム記録(干渉縞記録)用として好適に用いることができる。より好ましい光源としては、コヒーレンス性により一層優れた光源、例えば、上記レーザ光源にエタロン等の光学素子を装着し、前記単一波長の周波数を単一周波数にしたものを例示することができる。
代表的なレーザ光源としては、発振波長200〜800nmのレーザ光源、具体的にはKr(波長647nm)、He−Ne(波長633nm)、Ar(波長514.5nm、488nm)、YAG(波長532nm)、He−Cd(波長442nm)等のレーザ光源を例示することができる。これらのレーザ光源は、単独で用いても或いは2個以上組み合わせて用いても良い。また、レーザ光源は連続光を発振するタイプでも、一定の又は任意の間隔でパルス発振するタイプでも良い。
以上に説明した作製方法によってスクリーン1は作製され、要素ホログラムに記録された干渉縞に応じて、照射された光線を特定の方向に回折させるように機能する。図5は、要素ホログラムの回折機能を説明するための説明図であり、図5(a)は要素ホログラムの側面図を、図5(b)は要素ホログラムの平面図を示す。図5に示すように、作製した要素ホログラム11に対して干渉縞記録時の参照光L1(図4参照)と共役な光(共役照明光)L1’を照射すると、その透過光は、干渉縞記録時の物体光L2(図4参照)と共役な回折光(共役回折光)L2’として要素ホログラム11から出射されることになる。なお、本実施形態では、再生光として共役照明光L1’を照射する例について説明したが、本発明はこれに限るものではなく、再生光として干渉縞記録時の参照光L1を照射することも可能であり、この場合には、要素ホログラム11の透過光として物体光L2が出射されることになる。
以上に説明した本実施形態に係るスクリーン1を用いて、視差光線再生法により3次元像を表示させるには、図1を参照して前述したように、スクリーン1に対して、光源から2次元像を構成する複数の平行な光線(共役照明光)を照射すると共に、要素ホログラム11の一部をマスクによって遮光することにより、点光源を再生すればよい。換言すれば、前記2次元像を構成する各光線のスクリーン1に対する入射光量を独立別個に制御することが可能な投影機を用いて、点光源を再生すればよい。具体的には、光源と上記マスクの機能を奏する素子としてのデジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)とによって投影機を構成し、光源から出射した光線の反射光量を前記デバイスの各素子毎に独立別個に制御する構成や、光源及びマスクとしての液晶ディスプレイ(LCD)を用いて投影機を構成し、前記ディスプレイの各画素の濃度を独立別個に制御することによりマスク機能を実現する構成を採用することが可能である。なお、各要素ホログラム11の寸法は、前記DMDやLCDの素子(画素)の縦横複数個(例えば、縦横3×3個〜縦横8×8個)分に相当する寸法であることが望ましく、これは数十μm〜数mmに相当することになる。
以下、実施例を示すことにより、本発明の特徴とするところをより一層明らかにする。
<ホログラム記録媒体の作製>
バインダーポリマー(熱可塑性樹脂)としてのポリメチルメタクリレート(三菱レイヨン社製、アクリペットVH)5gと、ラジカル重合性化合物としての9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンのグリシジルエーテルのアクリル酸付加物(新日鐵化学社製、「ASF400」)3.9gと、可塑剤としてジエチルセバケート(和光純薬社製、「SDE」)6gと、光重合開始剤として3,3′,4,4′−テトラ(tert−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン(日本油脂社製、「BTTB−25」)1gと、光増感色素としてシアニン系色素(日本感光色素社製、NK6141)0.023g又はベースシチリル系色素(日本感光色素社製、NK1819)0.0094gと、有機溶媒としてメチルエチルケトン18gを常温で混合し、フォトポリマ感光材料を調整した。
上記調整後のフォトポリマ感光材料を103mm×128mmのガラス基板(MATSUNAMI MICRO SLIDE GLASS)の片面に、乾燥後の厚みが20〜25μmとなるようにスピンコートにより塗布した後、加熱処理を施すことによって塗布層から溶媒を除去して、基板と記録層とからなる2層構造の記録媒体を作製した。
さらに、上記記録層上に、保護材として厚みが50μmのPETフィルムを被覆することにより、3層構造のホログラム記録媒体を作製した(図3参照)。
<スクリーンの作製>
YAG(波長532nm)レーザ光源から出射されたレーザ光をビームスプリッタで分割して、一方の光を対物レンズ、ピンホール及びコリメータレンズを用いて平行光(参照光)とし、他方の光をミラーを用いて偏向した後、対物レンズ、ピンホール、コリメータレンズ及び平凸レンズを用いて収束光(物体光)とした後、再び合成して干渉させた。その干渉縞が形成され得る位置に開口2×2mmのマスクを配置し、ホログラム記録媒体表面(PETフィルム表面)とマスクとが接するようにホログラム記録媒体を設置した。また、ホログラム記録媒体は、Y−Zステージ(中央精機製ALS−230−C2P、ALZ−230−C2P)上に載置・固定することにより、ホログラム記録媒体の任意の部位で干渉縞を記録できるようにした。なお、参照光と物体光の2光束の成す角度は45度に設定した(図4参照)。
この状態でホログラム記録媒体を露光し、ホログラムとなる干渉縞をホログラム記録媒体上に記録した。なお、ホログラム記録媒体上での物体光及び参照光のそれぞれの光強度を20.0mW/cmとして、1秒間露光した(露光量は40.0mJ/cm)。これにより、2×2mmの寸法を有する透過型の体積位相型ホログラムが記録された。
上記のようにして記録された2×2mmの体積位相型ホログラムを要素ホログラムとし、Y−Zステージを用いてホログラム記録媒体の露光位置を移動させることにより、各要素ホログラムが隣接するように、Y軸方向に40個、Z軸方向に30個、計1200個の要素ホログラムを記録しスクリーンを作製した(図2参照)。
<要素ホログラムの評価>
上記のようにして作製された要素ホログラムについて、光パワーメータ(PHOTODYNE社製、OPTICAL POWER/ENERGY METER,MODEL 66XLA)を用いて入射光(共役照明光)と回折光(共役回折光)の強度をそれぞれ測定し、以下の式(1)に基づいて回折効率を算出し評価した。
回折効率(%)=(回折光強度/入射光強度)×100 ・・・(1)
作製された要素ホログラムは着色が無く、現像工程や定着工程を経なくとも回折効率が60%以上で明るいものであった。また、要素ホログラムの膜厚をマイクロメータを用いて測定したところ、膜厚分布は均一でありその値は23μmであった。要素ホログラムの記録は、記録層の凹凸ではなく屈折率変調のみによって行われており、可視光域について光の吸収が殆ど無く高透明なものであった。
<3次元像表示用スクリーンの評価>
作製したスクリーンのPETフィルム面(保護材表面)をディスプレイ面(視認側の面)とすると共に、背面側に配置した投影機(液晶ディスプレイ)から2次元像を構成する光をスクリーンに照射し、当該スクリーンを透過した光が上方に向けて回折されるように配置した。液晶ディスプレイの1画素の寸法は250μm□であるため、2mm×2mmの要素ホログラムには、縦横8画素ずつ計64画素から出射された光線が照射されることになる。ディスプレイ面を視認したところ、従来の銀塩感光材料を用いて作製したスクリーンに比べて明瞭な3次元像を観察することが可能であった。
図1は、視差光線再生法による3次元像表示方法の概念を説明するための説明図である。 図2は、本発明の一実施形態に係る3次元像表示用スクリーンの概略構成を示す正面図である。 図3は、本発明の一実施形態に係る3次元像表示用スクリーンを作製するためのホログラム記録媒体の概略構成を示す縦断面図である。 図4は、図3に示すホログラム記録媒体に要素ホログラムを記録するための光学系の一例を示す概略構成図である。 図5は、本発明の一実施形態に係る3次元像表示用スクリーンを構成する要素ホログラムの回折機能を説明するための説明図である。
符号の説明
1・・・3次元像表示用スクリーン
11・・・体積位相型ホログラム(要素ホログラム)

Claims (2)

  1. 投影機から2次元像を構成する複数の光線が投影された場合に、当該投影された各光線の透過光を収束又は発散させることにより3次元像を視認させることができる3次元像表示用スクリーンであって、
    表面に塗布されたフォトポリマー感光材料の所定領域毎に参照光と物体光の2光束を干渉させて露光することで湿式現像処理を必要とせずに記録され、照射された光線をそれぞれ特定の方向に回折させる複数の体積位相型ホログラムが設けられていることを特徴とする3次元像表示用スクリーン。
  2. 請求項1に記載の3次元像表示用スクリーンと、
    前記3次元像表示用スクリーンに対して2次元像を構成する光線を投影する投影機とを備え、
    前記投影機は、前記2次元像を構成する各光線の前記3次元像表示用スクリーンに対する入射光量を独立別個に制御することが可能であることを特徴とする3次元像表示装置。
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