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JP2006160467A - 産業車両 - Google Patents

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JP2006160467A
JP2006160467A JP2004355557A JP2004355557A JP2006160467A JP 2006160467 A JP2006160467 A JP 2006160467A JP 2004355557 A JP2004355557 A JP 2004355557A JP 2004355557 A JP2004355557 A JP 2004355557A JP 2006160467 A JP2006160467 A JP 2006160467A
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Jun Nishio
潤 西尾
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Toyota Industries Corp
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Toyota Industries Corp
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Abstract

【課題】荷役作業に伴う運転者の負担を軽減しつつ、作業性の向上を図ることができる産業車両を提供する。
【解決手段】運転室にフォーク20を操作する操作部27を、案内用支柱32に沿って上下移動可能に設ける。そして、フォーク20の揚高を検出し、その揚高に応じて操作部27を上下移動させる。このとき、操作部27は、フォーク20を視認する運転者の視界に入るように移動させる。この結果、運転者は、荷役作業時、常にフォーク20と操作部27を同一視界に捉えることができる。
【選択図】 図6

Description

本発明は、荷役具(例えば、フォークリフトのフォーク)を動作させて荷役作業を行う産業車両に関する。
従来から、荷棚の高所において荷取作業や荷置作業などの荷役作業を行う産業車両としてフォークリフトが広く利用されている。フォークリフトには、フォークなどの荷役具がマストに沿って昇降動作可能に設けられている。そして、運転者は、運転席に設けられた操作レバー(リフトレバー)の操作によってフォークを昇降動作させ、荷役作業を行っている。
ところで、荷役作業では、フォークの昇降動作に伴って地上付近から地上数メートルの範囲で荷の位置が移動する。このため、運転者は、荷の位置に合わせて目線を動かすなど運転姿勢を変化させる必要がある。このとき、運転者の目線は、荷が高所に移動するほど上を向くようになり、荷の位置がある程度の高さを超えると、同一視界に荷(荷役具)と操作レバーを捉えることができなくなる。従って、運転者は、荷の位置と操作レバーを交互に確認しながら作業を行わなければならず、作業し難い。特に、経験の浅い運転者ほど、荷の位置と操作レバーを頻繁に確認して作業を行わなければならない。
そこで、このような問題を解決するために、特許文献1に記載のフォークリフトが提案された。特許文献1に記載のフォークリフトでは、高さの異なる2つの運転室を設けている。そして、荷の位置に応じて運転者が何れかの運転室に移動することにより、荷を目視しながら荷役作業を行うことができる。
特開2001−226091号公報(請求項1、図1)
しかしながら、特許文献1に記載のフォークリフトでは、2つの運転室において同等の荷役作業を行えるようにフォークリフトを構成しなければならないので、大掛かりな構造となり、現実的ではない。また、荷の位置に応じて運転者が2つの運転室を行き来しなければならないので、運転室間の移動に伴う運転者の負担も大きく、作業性を向上させているとは言い難い。
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、その目的は、荷役作業に伴う運転者の負担を軽減しつつ、作業性の向上を図ることができる産業車両を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、荷役具を動作させて荷役作業を行う産業車両において、前記荷役具を操作する操作手段と、前記操作手段を支持し、該操作手段の移動を案内する案内手段と、前記操作手段を移動させる動力を発生する動力発生手段と、前記荷役具の位置を検出する位置検出手段と、前記動力発生手段を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記位置検出手段の検出結果から前記荷役具の位置を特定し、前記動力発生手段の制御によって前記荷役具を視認する運転者の視界に前記操作手段を移動させる。
この発明では、制御手段の制御により、荷役具の位置に応じて該荷役具と同一視界に入るように操作手段が移動される。このため、運転者は、荷役作業時、常に荷役具と操作手段とを同一視界に捉えることが可能となり、荷役作業時に荷役具と操作手段とを交互に確認しながら作業する必要がなくなる。したがって、荷役作業に伴う運転者の負担は軽減され、作業性が向上される。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の産業車両において、前記位置検出手段は、前記荷役具の揚高を検出し、前記案内手段は、車体の上下方向に延設されており、前記制御手段は、前記荷役具の位置に応じて前記操作手段を上下移動させる。この発明では、荷役具の揚高に応じて該荷役具と同一視界に入るように操作手段が上下移動される。このため、運転者は、荷役具が昇降動作する場合において、常に荷役具と操作手段を同一視界に捉えることが可能となる。そして、特に高所での荷役作業では、荷役具の揚高に応じて運転者の目線移動が最も大きく変動するので、操作手段を荷役具と同一視界内に移動させることにより、運転者の負担が好適に軽減され、作業性が向上される。
請求項3に記載の発明では、請求項2に記載の産業車両において、前記案内手段は、前記操作手段の移動軌跡が前記案内手段の上方に行くほど車体後方に向かう移動軌跡を取り得るように湾曲形成又は斜状形成されている。この発明では、操作手段が車体後方に向かって湾曲形成又は傾斜形成された案内手段によって案内されるので、操作手段の高さ位置が高くなるほど運転者側に向かう移動軌跡を取り得るようになる。すなわち、操作手段を直線的に上昇移動させた場合、高さ位置が高くなるほど運転者からの距離が遠くなる。しかしながら、この発明においては、荷役具の上昇動作に伴って操作手段を案内手段の上方に移動させた場合でも、運転者から操作手段が遠ざかって行かない。したがって、操作手段の高さ位置に合わせて運転者に姿勢を代えさせることなく(例えば、運転室の前方側に移動させる、背伸びさせる、腕を伸ばすなど)、運転者の負担が好適に軽減される。また、操作手段を移動可能な構成とした場合でも、フォークリフトの操作性を損なわせることがない。
請求項4に記載の発明では、請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の産業車両において、前記操作手段は、アームレスト又はパームレストを兼用する支持手段によって前記案内手段に支持されている。この発明では、アームレスト又はパームレストに支えられた状態で運転者に操作手段を操作させることが可能となる。すなわち、手首又は腕の支えがない状態で操作手段を握らせることは運転者に負担が掛かる。特に、操作手段を上昇移動させた場合には、操作手段の高さ位置が高くなるほど肩や腕に負担が掛かる。このため、アームレスト又はパームレストなどの支えにより、運転者の負担が軽減される。
請求項5に記載の発明では、請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の産業車両において、前記制御手段は、予め定めた前記荷役具の位置範囲毎に前記操作手段を段階的に移動させる。この発明では、操作手段が荷役具の位置範囲に応じて段階的に移動されるので、荷役具の位置が所定範囲から次の範囲に移るまでの間は操作手段の位置が固定される。すなわち、目線移動を必要としない程度の荷役具の動作に連動させて操作手段を移動させない。このため、操作手段を握る運転者の腕や肩の動きが最低限必要な動きに止められるので、運転者の負担が軽減される。
請求項6に記載の発明では、請求項1〜請求項5のうちいずれか一項に記載の産業車両において、前記操作手段は、運転者の操作形態が前記荷役具の動作方向と一致するように設けられている。この発明では、操作手段の操作形態と同じように荷役具が動作される。すなわち、荷役具を動作させたい方向に操作手段を操作すれば、荷役具が所望の動作を行う。例えば、操作手段を上方向に操作することで、荷役具が上昇動作する。このため、操作手段を移動させる構成とした場合であっても、運転者を混乱させることがない。運転者の操作形態は、操作時における運転者の動作(動き)であり、これらの動作は、例えば、操作手段の操作方向や配置によって得られる。
請求項7に記載の発明では、請求項1〜請求項6のうちいずれか一項に記載の産業車両において、運転者による前記操作手段の位置調整を許容する位置調整手段を備えた。この発明では、運転者が位置調整手段を操作することにより、自身の身体的特徴(身長や腕の長さなど)に合わせて運転者の意志で位置調整が可能となる。このため、操作手段の操作性が向上され、運転者の身体的特徴に依存されることがない産業車両を提供し得る。
本発明によれば、荷役作業に伴う運転者の負担を軽減しつつ、作業性の向上を図ることができる。
以下、本発明をその一種であるリーチ式フォークリフト(以下、単に「フォークリフト」と示す)に具体化した一実施形態を図1〜図6にしたがって説明する。以下の説明において「前」「後」「左」「右」「上」「下」は、フォークリフトの運転者がフォークリフトの前方(前進方向)を向いた状態を基準とした場合の「前」「後」「左」「右」「上」「下」を示すものとする。なお、図2では、フォークリフト11の前方に配置されるマスト17などの図示を省略している。
産業車両としてのフォークリフト11の車体12には、左右一対のリーチレグ13が前方に向かって延設されている。各リーチレグ13の前方には、従動輪となる前輪14がそれぞれ設けられている。一方、車体12の後方には、操舵輪を兼ねた左後輪15(図2において左側)と従動輪となる右後輪16(図2において右側)が設けられている。また、車体12の前方には、各リーチレグ13に沿ってリーチシリンダ(図示しない)の駆動により前後動作するマスト17が立設されている。マスト17は、アウタマスト18とインナマスト19からなる多段式(本実施形態では2段式)とされている。また、マスト17には、左右一対のフォーク20がリフトブラケット21を介して設けられている。荷役作業は、フォーク20にて荷搭載用のパレットなどを掬い上げることによって行われる。そして、フォーク20は、リフトシリンダ22の駆動によってインナマスト19がアウタマスト18に沿って昇降動作することにより、リフトブラケット21と共に昇降される。
また、マスト17には、フォーク20の揚高(高さ位置)を検出する位置検出手段としての揚高検出部材(例えば、リミットスイッチ)23が複数箇所に配設されている(図3に示す)。揚高検出部材23は、異なる高さ位置を検出するように上下方向に沿って間隔を空けて配置されている。そして、本実施形態では、3箇所に揚高検出部材23が配設されており、この3つの揚高検出部材23によって揚高H1,H2,H3(H1<H2<H3)の3位置が検出される(図4に示す)。
また、車体12の後部右側には、立席タイプの運転室24が設けられている。運転室24は、後方側が乗降口25となっている。運転室24には、左後輪15の操舵操作を行うステアリングハンドル26と、マスト17の動作(昇降動作、前後動作など)を操作する操作部27と、各種車両情報(バッテリー残量、エラー情報など)を表示する表示装置(図示しない)が設けられている。操作部27には、操作手段としての操作レバー(リフト操作用、リーチ操作用などの操作レバー)が設けられている。図1、図2、図5及び図6では、フォーク20の昇降動作を操作するリフトレバー28のみを図示している。リフトレバー28は、上下方向に傾動操作可能に設けられている。そして、リフトレバー28は、フォーク20の昇降動作方向と一致するように操作形態(本実施形態では傾動操作させる操作方向)が割り当てられている。詳しく言えば、リフトレバー28は、上方向の傾動操作によってフォーク20が上昇動作し、下方向の傾動操作によってフォーク20が下降動作し得るように操作形態が割り当てられている。
また、車体12には、運転室24の上方域を覆うようにヘッドガード29が設けられている。ヘッドガード29は、左右の支柱30と格子状に形成された天井板31とで構成されており、車体12に固定された支柱30が天井板31を片持ち支持するようになっている。運転室24に乗車した運転車は、両支柱30の間及び天井板31から、フォークリフト11の前方及び上方を視認可能とされている。
また、運転室24の右方側には、車体12とヘッドガード29(天井板31)との間に、操作部27を支持する案内手段としての案内用支柱32が車体12の上下方向に沿って延設されている。案内用支柱32は、断面ほぼ四角形をなす筒状に形成されている。また、案内用支柱32は、直線部位と湾曲部位を組み合わせた形状をなしており、案内用支柱32の下方側(車体12側)が直線状に形成されている一方で、上方側(ヘッドガード29側)が湾曲状に形成されている。そして、案内用支柱32は、湾曲部位が車体12の後方に向かって湾曲するように配設されている。
また、リフトレバー28は、該リフトレバー28を取り付ける支持手段としての支持部材33によって案内用支柱32に支持されている。支持部材33は、リフトレバー28を案内用支柱32で支持させる機能とリフトレバー28を操作する運転者の手首を載せるパームレストとしての機能を兼用した構成とされている。また、支持部材33には、案内用支柱32内に収容配置される被ガイド部材(例えば、ローラ)34が設けられている(被ガイド部材34は図1のみに図示する)。被ガイド部材34は、案内用支柱32の内面を摺接可能に配置されている。また、支持部材33は、動力伝達機構(例えば、ワイヤやチェーンとそれらの巻取リール)を介して動力発生手段としてのモータ35に接続されている。モータ35は、車体12内に設けられている。また、リフトレバー28には、該リフトレバー28の操作状態(傾倒状態)を示す電気信号を伝達するハーネス(図示しない)が接続されている。ハーネスは、案内用支柱32内を通って制御手段としてのECU(Electrical Control Unit) 36に接続されている(ECU36は図3に示す)。ECU36は、車体12内に設けられている。
したがって、操作部27は、モータ35からの動力を受け、支持部材33の被ガイド部材34が案内用支柱32の内面を摺接案内されることにより、案内用支柱32の形状に沿って上下移動する。操作部27は、直線部位と湾曲部位を含んでなる案内用支柱32の形状から、案内用支柱32の下方域において直線状の移動軌跡を取り得るように上下移動し、上方域において円弧状の移動軌跡を取り得るように上下移動する。また、支持部材33は、操作部27が案内用支柱32の上方域において円弧状の移動軌跡を取り得ることにより運転者の手首を置く部位(支持部材33の上面側)が運転者側を向くように傾く。
図3は、本実施形態におけるフォークリフト11の制御構成を示している。
ECU36には、揚高検出部材23が接続されている。ECU36は、揚高検出部材23の検出結果を示す電気信号を入力する。また、ECU36には、モータ35が接続されていると共に該モータ35の動力を伝達する動力伝達機構を介して操作部27のリフトレバー28が接続されている。ECU36は、モータ35の駆動を制御する電気信号を出力すると共にリフトレバー28からの電気信号を入力する。また、ECU36には、フォーク駆動装置37を介してリフトシリンダ22が接続されている。フォーク駆動装置37は、リフトシリンダ22の作動油圧を制御する切換弁(図示しない)と作動油を供給する油圧ポンプ(図示しない)を備えている。ECU36は、リフトレバー28からの電気信号を入力し、フォーク20を昇降動作させるように切換弁を制御する電気信号を出力する。
また、ECU36には、図4に示される制御特性のデータが登録されている。制御特性のデータは、フォーク20の揚高(H1<H2<H3)と操作部27の高さ位置(V1<V2<V3<V4)との関係を示している。なお、高さ位置V1は操作部27の最下位置となり、高さ位置V4は操作部27の最上位置となる。そして、ECU36は、揚高検出部材23の検出結果からフォーク20の揚高を特定し、前記データを用いて揚高に応じた高さ位置に操作部27を移動させるようにモータ35を制御する。具体的に言えば、ECU36は、揚高検出部材23の検出結果からフォーク20の揚高が揚高H1未満(図4に示す第1の揚高範囲)であることを特定すると、操作部27の高さ位置を高さ位置V1とするように制御する(図4及び図5参照)。また、ECU36は、揚高検出部材23の検出結果からフォーク20の揚高が揚高H1以上で、揚高H2未満(図4に示す第2の揚高範囲)であることを特定すると、操作部27の高さ位置を高さ位置V2とするように制御する(図4及び図5参照)。また、ECU36は、揚高検出部材23の検出結果からフォーク20の揚高が揚高H2以上で、揚高H3未満(図4に示す第3の揚高範囲)であることを特定すると、操作部27の高さ位置を高さ位置V3とするように制御する(図4及び図5参照)。また、ECU36は、揚高検出部材23の検出結果からフォーク20の揚高が揚高H3以上(図4に示す第4の揚高範囲)であることを特定すると、操作部27の高さ位置を高さ位置V4とするように制御する(図4及び図5参照)。この制御により、操作部27は、フォーク20の揚高(揚高範囲)に応じて高さ位置が段階的(4段階)に変化する。すなわち、操作部27は、フォーク20の昇降動作に伴って所定の高さ位置に上下移動する。
なお、制御特性のデータは、標準身長の運転者を想定して定めている。そして、操作部27の高さ位置V1〜V4は、該運転者がリフトレバー28を操作してフォーク20を昇降動作させたときに該フォーク20を視認する視界の中に操作部27(リフトレバー28)が入るように設定されている。このため、フォーク20の揚高に応じて高さ位置が移動される操作部27は、常にフォーク20と同一視界に入ることとなる。したがって、フォーク20と操作部27(リフトレバー28)との間で目線移動させることなく、操作部27とフォーク20とを同一視界に入れた状態で荷役作業を行うことが可能となる。
以下、図6を用いてフォークリフト11で荷役作業を行う態様を説明する。
運転者は、地上に置かれた荷載置用のパレットをフォーク20にて掬い上げる。この作業は、荷載置用のパレットが地上に置かれている場合、フォーク20を最下降位置に操作して行われる。なお、図6では、荷と荷載置用のパレットを省略している。そして、運転者は、荷を置く荷棚までフォークリフト11を走行させた後、荷を置く棚の位置にフォーク20を上昇動作させる。フォーク20を上昇動作させる場合、運転者は、リフトレバー28を上方向に傾動操作させる。この操作により、フォーク20は、ECU36の制御によってリフトシリンダ22が伸動作し、上昇動作する。
また、操作部27(リフトレバー28)は、ECU36の制御によってフォーク20の揚高に応じた高さ位置に移動する。すなわち、操作部27は、上昇動作したフォーク20が揚高H1に達することにより、高さ位置V1から高さ位置V2に移動する。続いて、操作部27は、上昇動作したフォーク20が揚高H2に達することにより、高さ位置V2から高さ位置V3に移動する。さらに、操作部27は、上昇動作したフォーク20が揚高H3に達することにより、高さ位置V3から高さ位置V4に移動する。操作部27は、フォーク20の上昇動作によって揚高が高くなって行く場合に上昇移動する。そして、運転者は、操作部27がフォーク20の揚高に応じた高さ位置に移動されるので、上昇動作時においてフォーク20と操作部27を常に同一視界に入れた状態で荷役作業を行い得る。
一方、運転者は、荷を荷棚に置いた後、フォーク20を下降動作させる。フォーク20を下降動作させる場合、運転者は、リフトレバー28を下方向に傾動操作させる。この操作により、フォーク20は、ECU36の制御によってリフトシリンダ22が縮動作し、下降動作する。そして、操作部27は、下降動作したフォーク20が揚高H3よりも低くなることにより、高さ位置V4から高さ位置V3に移動する。続いて、操作部27は、下降動作したフォーク20が揚高H2よりも低くなることにより、高さ位置V3から高さ位置V2に移動する。さらに、操作部27は、下降動作したフォーク20が揚高H1よりも低くなることにより、高さ位置V2から高さ位置V1に移動する。操作部27は、フォーク20の下降動作によって揚高が低くなって行く場合に下降移動する。そして、運転者は、操作部27がフォーク20の揚高に応じた高さ位置に移動されるので、下降動作時においてフォーク20と操作部27を常に同一視界に入れた状態で荷役作業を行い得る。
従って、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)ECU36は、フォーク20の位置(本実施形態では揚高)に応じて該フォーク20と同一視界に入るように操作部27(リフトレバー28)の位置を移動させる。このため、運転者は、荷役作業時、常にフォーク20と操作部27とを同一視界内に捉えることが可能となり、荷役作業時にフォーク20と操作部27とを交互に確認しながら作業する必要がなくなる。したがって、荷役作業に伴う運転者の負担を軽減し、作業性の向上を図ることができる。
(2)また、特に高所での荷役作業では、フォーク20の揚高に応じて運転者の目線移動が最も大きく変動する。このため、フォーク20の昇降動作時に操作部27を同一視界に入るように移動させることで、運転者の負担を好適に軽減し、作業性の向上を図ることができる。また、上下に目線移動する場合には、必然的に頸部(首)の上下運動を伴うことになるので、頸部の上下運動を頻繁に繰り返すことによって頸部に疲労が蓄積されやすくなる。したがって、フォーク20の揚高に応じて操作部27を上下移動させることにより、頸部の上下運動量を低減させることができる。すなわち、頸部の疲労蓄積要因を排除できる。
(3)案内用支柱32を直線部位と湾曲部位を組み合わせて形成し、その上方側(操作部27の高さ位置が高くなる側)を車体12の後方に向かって湾曲させた。このため、操作部27は、その高さ位置が高くなるほど運転者側へ向かう移動軌跡を取ることになるので、フォーク20の上昇動作時に操作部27を案内用支柱32の上方に移動させた場合でも、運転者から操作部27が遠ざかって行かない。したがって、操作部27の高さ位置に合わせて運転者に姿勢を代えさせることなく、運転者の負担を好適に軽減させることができる。また、操作部27の移動に伴うフォークリフト11の操作性低下を防止できる。
(4)支持部材33をアームレストと兼用構成にした。このため、運転者は、操作部27の高さ位置が高くなっても、アームレストに支えられた状態で操作部27を操作できる。したがって、運転者の肩や腕に掛かる負担を軽減させることができる。
(5)ECU36は、フォーク20の揚高範囲毎にフォーク20を段階的に上下移動させる。このため、フォーク20の現揚高が次の揚高範囲に移るまでの間、操作部27の高さ位置は固定される。すなわち、目線移動を必要としない程度のフォーク20の動作に連動させて操作部27を移動させない。したがって、リフトレバー28を握る運転者の腕や肩の動きが最低限必要な動きに止められるので、運転者の負担が軽減される。
(6)ECU36には、フォーク20の揚高と操作部27の高さ位置を対応付けたデータを予め登録した。このため、操作部27の移動に係る制御プログラムを簡素化できると共に、迅速に処理することができる。すなわち、フォーク20の揚高に応じて迅速に操作部27を所望の高さ位置に移動させることができる。
(7)フォーク20の昇降動作時におけるリフトレバー28の操作方向とフォーク20の動作方向を一致させた。このため、リフトレバー28の操作方向と同一方向にフォーク20が動作される。すなわち、フォーク20を動作させたい方向にリフトレバー28を傾動操作させれば、フォーク20が所望の動作を行う。したがって、操作部27(リフトレバー28)を移動させる構成とした場合であっても、フォーク20の操作時における運転者の混乱を防止できる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 実施形態において、操作部27の高さ位置を運転者の操作によって位置調整し得る機構(位置調整手段)を付加しても良い。このような機構としては、例えば、以下に説明する第1〜第3の3つの機構が考えられる。第1に、案内用支柱32自体を上下移動させる。すなわち、案内用支柱32を下端側のみで車体12に支持し、案内用支柱32を上下方向へスライド移動させることにより車体12から出没させるようにする。なお、第1の機構は、ECU36の制御によって移動した操作部27の位置を調整する機構となる。
○ 第2に、操作部27に該操作部27の上下移動を指示する指示手段(押し釦(上昇釦と下降釦)やレバー)を設け、該指示手段からの指示をECU36に入力し、操作部27を移動させる。このとき、ECU36は、指示手段の操作時間(例えば、押し釦であれば押下時間)だけ操作部27を上昇移動又は下降移動させる。第2の機構の場合、指示手段とECU36(制御手段)によって位置調整手段が構成される。なお、第2の機構は、第1の機構と同様にECU36の制御によって移動した操作部27の位置を調整する機構となる。
○ 第3に、ECU36に予め複数種類の操作部27の移動パターン(制御特性のデータ)を登録しておき、その移動パターンを選択する選択手段(押し釦やレバー)を設け、該選択手段で選択された移動パターンに基づき操作部27を移動させる。この移動パターンは、運転者の身体的特徴(例えば、身長)を複数に分類し、その身体的特徴に応じて予め設定したパターンである。第3の機構の場合、選択手段とECU36(制御手段)によって位置調整手段が構成される。なお、選択手段は、運転室24に設けられていれば良い。また、第3の機構に類似する変更例として、運転者に自身の身体的特徴(例えば、身長)を入力させ、その入力結果からECU36にて移動パターンをその都度演算処理し、操作部27を移動させるようにしても良い。なお、第3の機構は、操作部27の移動位置を事前に調整(設定)する機構となる。前述した第1〜第3の機構を採用すれば、自身の身体的特徴(身長や腕の長さなど)に合わせて運転者の意志で操作部27の位置調整を行うことができ、操作部27を移動させる構成とした場合における操作部27の操作性を向上させることができる。また、運転者の身体的特徴に依存されることがないフォークリフト11を提供することができる。
○ 実施形態において、フォーク20の揚高を連続検出しても良い。この場合、操作部27をフォーク20の昇降動作に連動させて連続的に移動させても良い。この場合、公知のリールセンサを用いて揚高を検出しても良いし、リフトシリンダ22の中に超音波センサを設けて揚高を検出しても良い。また、揚高検出部材23に代えてリフトシリンダ22へ供給される油量からフォーク20の揚高を特定するようにしても良い。
○ 実施形態において、支持部材33をパームレストに代えてアームレストとして兼用構成しても良い。また、支持部材33を単なる支持手段としての機能だけを持たせて構成しても良い。
○ 実施形態において、案内用支柱32の上方側を後傾状に形成しても良い。また、実施形態では、案内用支柱32の一部を湾曲形成しているが、案内用支柱32の全体を湾曲形成(又は斜状形成)しても良い。また、実施形態において、操作部27の移動を案内する案内手段として上下方向に直線的に延びる案内用支柱を配設し、操作部27の移動軌跡を直線状の移動軌跡としても良い。なお、直線的に延びる案内用支柱の場合、操作部27の高さ位置に応じて支持部材33(パームレスト)が運転者側を向くように傾動させる機構を付加すると、操作部27の高さ位置が高くなってもパームレストにて運転者の手首を支えることができ、好ましい。
○ 実施形態において、フォーク20の傾動動作(ティルト動作)やサイドシフト動作に合わせて操作部27を移動させても良い。例えば、サイドシフト動作において、フォーク20が右動作した場合に操作部27も右動作させるようにしても良い。また、リフト動作、ティルト動作及びサイドシフト動作のうち、任意の複数動作に合わせて操作部27を移動させても良い。
○ 実施形態において、操作部27の駆動を油圧駆動にしても良い。
○ 実施形態において、操作部27に設ける操作レバーの本数を変更しても良い。例えば、操作部27にリフトレバー28と、リーチレバーと、サイドシフトレバーと、ティルトレバーの4本の操作レバーを設けても良い。また、操作部27に、リフト操作、リーチ操作、サイドシフト操作及びティルト操作を行うことが可能な1本の操作レバーを設けても良い。
○ 実施形態では、運転者の操作形態をリフトレバー28の操作方向とし、該操作方向をフォーク20の動作方向と一致させたが、例えば、押し釦式の操作手段の場合には該押し釦の配置をフォーク20の動作方向と一致させても良い。例えば、押し釦を上下に配置することで、上側の押し釦を操作することでフォーク20が上昇動作し、下側の押し釦を操作することでフォーク20が下降動作するように割り当てる。すなわち、前述した押し釦の場合、操作時において運転者は、フォーク20を上昇動作させるときに上側の押し釦を操作するように動作し、下降動作させるときに下側の押し釦を操作するように動作する。
○ 実施形態において、リフトレバー28の操作方向とフォーク20の動作方向とは必ずしも一致させる必要はないが、方向を一致させた方が操作性の向上を図る上で好ましい。
リーチ式フォークリフトの右側面図。 リーチ式フォークリフトの背面図。 制御構成を示すブロック図。 制御特性を示すグラフ。 操作部の移動軌跡(高さ位置)を示す模式図。 荷役作業の態様を示す模式図。
符号の説明
11…リーチ式フォークリフト、12…車体、20…フォーク、23…揚高検出部材、28…リフトレバー、32…案内用支柱、36…ECU。

Claims (7)

  1. 荷役具を動作させて荷役作業を行う産業車両において、
    前記荷役具を操作する操作手段と、
    前記操作手段を支持し、該操作手段の移動を案内する案内手段と、
    前記操作手段を移動させる動力を発生する動力発生手段と、
    前記荷役具の位置を検出する位置検出手段と、
    前記動力発生手段を制御する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、前記位置検出手段の検出結果から前記荷役具の位置を特定し、前記動力発生手段の制御によって前記荷役具を視認する運転者の視界に前記操作手段を移動させることを特徴とする産業車両。
  2. 前記位置検出手段は、前記荷役具の揚高を検出し、
    前記案内手段は、車体の上下方向に延設されており、
    前記制御手段は、前記荷役具の位置に応じて前記操作手段を上下移動させることを特徴とする請求項1に記載の産業車両。
  3. 前記案内手段は、前記操作手段の移動軌跡が前記案内手段の上方に行くほど車体後方に向かう移動軌跡を取り得るように湾曲形成又は斜状形成されていることを特徴とする請求項2に記載の産業車両。
  4. 前記操作手段は、アームレスト又はパームレストを兼用する支持手段によって前記案内手段に支持されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の産業車両。
  5. 前記制御手段は、予め定めた前記荷役具の位置範囲毎に前記操作手段を段階的に移動させることを特徴とする請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の産業車両。
  6. 前記操作手段は、運転者の操作形態が前記荷役具の動作方向と一致するように設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項5のうちいずれか一項に記載の産業車両。
  7. 運転者による前記操作手段の位置調整を許容する位置調整手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜請求項6のうちいずれか一項に記載の産業車両。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014094789A (ja) * 2012-11-07 2014-05-22 Unicarriers Corp ピッキングフォークリフト
CN113200483A (zh) * 2021-05-21 2021-08-03 格力电器(武汉)有限公司 控制系统、控制方法及叉车

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