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JP2006141231A - 大豆蛋白の製造法 - Google Patents

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裕之 加藤
Yasushi Nakamura
靖 中村
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Abstract

【課題】
この発明は、ハム製造におけるピックル溶液調製や飲料用途に使用するため、大豆蛋白の風味向上と低粘度の両方を両立させることを目的とする。
【解決手段】
大豆蛋白(脱脂豆乳または該豆乳を等電沈殿させて回収した酸沈殿カードを中和して得た大豆蛋白)の溶液にトランスグルタミナーゼを作用させた後、プロテアーゼ処理を施す大豆蛋白の製造法。
【選択図】なし

Description

この発明は、風味改良された大豆蛋白の製造法に関する。
近年、大豆蛋白はその保水性、ゲル形成能を活かして、ハム、ソーセージ、水産練製品、ハンバーグ、しゅうまいなどの加工食品に幅広く使用されている。
しかしながら、大豆蛋白には大豆由来の「大豆臭」と呼ばれる不快臭が存在し、これら加工食品に利用した場合に食品の本来の風味を損なうという問題点があった。この問題点を解決するため、従来様々な検討がなされてきた。
例えば、大豆蛋白の製造工程においてエタノール水溶液を用いて洗浄を行なう方法が挙げられる。
しかしながらこの方法では、周到に処理しなければエタノールによって大豆蛋白が変性することにより、ゲル形性能等の大豆蛋白がもつ機能が発揮されにくくなったり、コストがかかるという問題点があった。
一方、トランスグルタミナーゼを利用して食用蛋白を架橋改質するなどの方法が知られている
この酵素は、ペプチド鎖内にあるグルタミン残基のγ−カルボキシアミド基のアシル転移反応を触媒する酵素である。このトランスグルタミナーゼは、アシル受容体としてのタンパク質中のリジン残基のε−アミノ基に作用し、タンパク質分子の分子内において及び分子間においてε−(γ−Glu)−Lys架橋結合を形成する。また、水がアシル受容体として機能するときは、グルタミン残基が脱アミド化されてグルタミン酸残基になる反応を進行させる。 トランスグルタミナーゼの大豆蛋白に対する態様に関しては、特許文献1や特許文献2にみられるように、トランスグルタミナーゼを使用して蛋白のゲル物性を改良し、これらのゲルにかたさや弾力性を付与してきた。
その中で、トランスグルタミナーゼを利用した風味改良に関しては、特許文献3に見られるように、大豆蛋白製造工程中にトランスグルタミナーゼを作用させると風味が向上する知見がある。しかし、これだけでは溶液の粘度も高くなって、風味は良くなるものの、べたつき感や重たさが出てしまい、低粘度が求められるハムや飲料向けには適さない。
また、特許文献4に見られるように、食用蛋白をプロテアーゼ及び/又は酸で限定加水分解させた後、トランスグルタミナーゼより脱苦味化を起こして風味改良するという文献がある。しかし、ここではトランスグルタミナーゼ処理の後にこの失活工程や殺菌工程がない。酵素失活工程がないと、特にピックル溶液に使用する場合、トランスグルタミナーゼによりこの粘度が急激に上昇する為に好ましくない。また、食品として製品とするには、殺菌工程は不可欠である。なお、この文献の通りに処理した後、殺菌を施すと、蛋白変性等により風味改良効果は見られなくなってしまうことを本発明者らは確認した。
特開昭58−149645号公報 特開昭64−27471号公報 特開平2−257831号公報 特開平4−126039号公報 特公平1−50382号公報 特開平1−300889号公報 関信夫ら「昭和63年度日本水産学会秋期大会講演要旨集」167頁 「平成2年度日本水産学会春季大会講演要旨集」219頁
この発明は、風味の改良された大豆蛋白を得ることを目的とした。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、脱脂豆乳または該豆乳を等電沈殿させて回収した酸沈殿カードを中和して得た大豆蛋白溶液にトランスグルタミナーゼを作用させた後、プロテアーゼ処理を施すことにより上記課題を解決できることを見出し本発明を完成するに到った。
即ち、本発明は、大豆蛋白にトランスグルタミナーゼを作用させた後、蛋白加水分解を行うことを特徴とする大豆蛋白の製造法である。
本発明の方法により、ハムのような畜肉加工食品に用いた場合にでも、その風味の良さとゲル化力を同時に発揮して畜肉加工食品の品質(食感・風味)を改善する大豆蛋白が可能になったものである。
また、大豆蛋白溶液の風味と低粘性が要求される飲料用途でも十分使用できる大豆蛋白が可能となったものである。
まず、本発明の大豆蛋白の製造法について説明する。
本発明は大豆蛋白にトランスグルタミナーゼを作用させた後、蛋白加水分解を行う製造法である。
大豆蛋白は、脱脂豆乳又はその酸沈カードをアルカリ金属化合物で中和して得ることが例示できる。これら酵素反応は、両方(トランスグルタミナーゼ処理と蛋白分解処理)行うことで効果が生まれるものであり、どちらか一方が欠けると目的を達することが困難である。
大豆蛋白の内、脱脂豆乳は、脱脂大豆に加水してスラリーとなし、おからを除去して脱脂豆乳を得ることができる。脱脂大豆は、大豆から大豆油を圧搾、溶剤抽出した残りの低変性脱脂大豆を用いることができる。また、脱脂豆乳の酸沈カードは、該豆乳を等電沈殿させてホエーを除き沈殿して得られる。この酸沈カードを中和して大豆蛋白溶液とすることが出来る。ここで中和に用いるアルカリがNaOHやKOHのようなアルカリ金属化合物や、Ca(OH)やMg(OH)のようなアルカリ土類金属化合物も使用することができる。
本発明において、上記のように脱脂豆乳又は大豆蛋白溶液にトランスグルタミナーゼを作用させるが、そのトランスグルタミナーゼの作用の程度が、トランスグルタミナーゼ反応後Glu-Lysの結合数が、蛋白質1g当たり10の10乗〜10の25乗個、好ましくは10の15乗〜10の20乗個存在するようにすることが適当である。
少なすぎると次の蛋白分解と組み合わせて得られた大豆蛋白風味改良の効果が十分でなく、多すぎるとトランスグルタミナーゼによる蛋白間ネットワークが多くなりすぎてゲル物性を大きく低下するだけでなく、蛋白の溶解性が大きく低下し、飲料用途においては溶液中で沈殿や凝集が生じる原因となってしまう。
ここに、トランスグルタミナーゼの作用の程度を測定する方法としては、トランスグルタミナーゼの結合数を測定する方法として、大豆蛋白をGly-Lys結合だけが残存するようにプロテアーゼ分解させた後、HPLCによる定量を行うか(Kumazawa,Y.,Seguro,K.,Takamura,M.,and Motoki,M.(1993)J.Food Sci.58,1062-1065)、もしくはトランスグルタミナーゼ反応の際、Gly-Lys結合に伴いこの結合1個に対しアンモニアを1分子遊離させるため、このアンモニアを定量してGlu-Lys結合数を算出する方法がある。
本発明者等は市販されているキットを利用することが出来るので後者の方法を採用した。
具体的には、まずトランスグルタミナーゼ反応中和液に除蛋白試薬を加えて除蛋白することにより、呈色阻害成分除去と同時にトランスグルタミナーゼを含めた諸酵素を失活させる。この上清に、フェノール、ペンタシアノニトロシル鉄(III)酸ナトリウムを加え、さらにアルカリ性とした後、次亜塩素酸ナトリウムで酸化すると、インドフェノールを生成して青色を呈する。この青色の吸光度を測定することで試料中のアンモニア窒素濃度を求める(最新医学,21,622-627(1966))。この濃度より、Gly-Lys結合1個に対しアンモニアを1分子遊離させることを考慮し、トランスグルタミナーゼによるGlu-Lysの結合数を算出する。
上記の程度のようなトランスグルタミナーゼを作用させるには、脱脂豆乳や大豆蛋白溶液に加えるトランスグルタミナーゼの量や作用温度、pH、時間などを調整することが出来る。
例えば、トランスグルタミナーゼの量は脱脂豆乳の粗蛋白質1gあたり0.01〜100ユニット(U)という広範な範囲を使用しうるが、好ましくは0.05〜0.7Uが適当であり、100Uを超える場合には反応制御が困難になる。
トランスグルタミナーゼを作用させる温度は0〜80℃、好ましくは40〜60℃が適当である。
トランスグルタミナーゼの作用時間は0.01〜120分、好ましくは1〜60分が適当である。
反応時間が極端に短い場合には、充分な反応効果が得られず、長い場合には反応液の粘度が上昇するだけでなく、溶液中に菌の増殖を誘発し、腐敗する恐れがある。
本発明に用いるトランスグルタミナーゼには、カルシウム非依存性のものとカルシウム依存性のものがある。前者の例としては微生物由来のもの(例えば、特許文献2参照)をあげることができる。後者の例としてはモルモット肝臓由来のもの(特許文献5参照)、魚由来のもの(例えば、非特許文献1及び非特許文献2参照)をあげることができる。この他、遺伝子組み替えにより製造されるもの(特許文献6参照)等、いずれのトランスグルタミナーゼでも用いることができ、起源及び製法に限定されることはない。但し、機能性及び経済性の点から、好ましくはカルシウム非依存性のものが適当であり、上述の微生物由来のトランスグルタミナーゼ(特許文献2)は、その例である。
尚、本発明でいうトランスグルタミナーゼの活性単位は、次のようにして測定され、かつ定義される。即ち、ベンジルオキシカルボニル−L−グルタミニルグリシンとヒドロキシルアミンを基質として反応を行い、生成したヒドロキサム酸をトリクロル酢酸存在下で鉄錯体を形成させた後、525nmの吸光度を測定し、ヒドロキサム酸の量を検量線より求め、活性を算出する(特許文献2参照)。
以上のようにトランスグルタミナーゼを作用させて、目的とするGlu-Lys結合数を得ることが肝要であり、トランスグルタミナーゼの反応条件は目的のGlu-Lys結合数を得るために適宜調整することが出来る。
本発明はかかる程度のトランスグルタミナーゼを作用させることだけで目的の大豆蛋白を得ることは出来ず、次に述べるプロテアーゼ処理と組み合わせることによってはじめて目的の大豆蛋白を得ることが出来るものである。
プロテアーゼ処理を施さないと、トランスグルタミナーゼ処理により、蛋白溶液の粘度は大きく上昇し、低粘度が要求されるピックル液用や飲料用には使用が困難である。
また、プロテアーゼ処理の変わりに酸による蛋白分解も考えられるが、これだとゲル物性を低下させるだけでなく、粗灰分が多くなってしまい蛋白含量が低下する。
なお、トランスグルタミナーゼ処理の後には通常酵素失活工程を入れる方が良い。この工程がないと、トランスグルタミナーゼとプロテアーゼが共存することになり、特に工場レベルでの大量連続生産においてはこれらの活性制御が難しくなる。
この酵素失活工程は通常加熱によって行う。80℃〜160℃で1秒〜60分が適当である。
本発明に用いるプロテアーゼは、植物由来(パパイン,ブロメライン,フィシン等)、動物由来(ペプシン,トリプシン,キモトリプシン等),微生物由来(プロチン,アルカラーゼ,サモアーゼ等)のいずれでもよく、又、エンド型プロテアーゼ、エンド型及びエキソ型プロテアーゼを組み合わせる等して用いることが出来る。酸性プロテアーゼ、中性プロテアーゼ、アルカリ性プロテアーゼ等いずれも用いることが出来るが生産工程中に中和を要しない中性プロテアーゼが好ましい。
プロテアーゼ分解の態様は特に限定しないが、加水分解温度域やpH域は使用するプロテアーゼの作用温度範囲、作用pH範囲でよい。
プロテアーゼの分解活性にもよるが、通常、大豆蛋白100重量部に対してプロテアーゼ0.01〜5重量部、実用的には0.02〜2重量部用いることが出来る。
又、大豆蛋白の加水分解率は5〜30、好ましくは6〜25に調整する。尚、加水分解率は0.22モルのトリクロル酢酸溶液に可溶な蛋白の全蛋白に対する割合(百分率)である。
加水分解率が5未満では、得られる大豆蛋白の粘度が高くなるのでピックル液やスープ等の飲料溶液を得ることが困難となる。加水分解率が30を越えると、ゲル形成性が低下し、ピックル液や飲料製造時に泡立ちやすくなり適当でない。また、トランスグルタミナーゼにより架橋されて蛋白の立体構造が変化したものを酵素分解しすぎると再度立体構造が崩れて風味も悪くなる傾向に進む。
即ち、加水分解率が5〜30の範囲で、ピックル液に用いたときピックル液のゲル形成性を満足させ、粘度を低下できるので高濃度で風味の優れたピックル液や飲料用蛋白の調製が可能となる。
本発明において、風味が改善される理由は完全に明らかではないが、一般にアルデヒド、ケトンなどのカルボニル化合物が「大豆臭」の原因物質と言われており、トランスグルタミナーゼ処理によりこのカルボニル化合物を蛋白ネットワーク間に封じ込められるのではないかと推察される。
またプロテアーゼ分解によって生じるペプチドは苦味を呈する場合が多いが、先にトランスグルタミナーゼ処理を行っておくことで、この生成量が少なくなる。
プロテアーゼ分解の後、殺菌工程を行う。通常、80℃〜160℃で3秒〜60分が適当である。
工業的には高温瞬間加熱殺菌装置等を用いて130℃〜150℃で5〜60秒間加熱殺菌することが出来る。
以上のように特定の程度のトランスグルタミナーゼの作用と特定程度のプロテアーゼ分解の組み合わせによってはじめて風味が優れかつゲル化力と低粘度の両方に優れた大豆蛋白を得ることが出来るものである。
即ち、トランスグルタミナーゼ処理とプロテアーゼ分解のいずれの条件が欠けても大豆蛋白の風味と低粘度を同時に満足することは困難である。
本発明において、トランスグルタミナーゼとプロテアーゼ反応させた酸沈カードまたはその中和物は、公知の噴霧乾燥などの乾燥手段を利用して乾燥して粉末状分離大豆蛋白とすることが出来る。
以上のように、本発明の方法により、ハムのような畜肉加工食品に用いた場合にでも、その風味の良さとゲル化力を同時に発揮して畜肉加工食品の品質(食感・風味)や、大豆蛋白溶液の風味と低粘性が要求される飲料用途でも十分使用できる大豆蛋白の製造が可能となったものである。
以下、実施例により本発明の実施態様を具体的に説明する。
(実施例1〜2および比較例1〜3)
低変性脱脂大豆100重量部に対して、水1000重量部に添加溶解させた抽出水溶液を添加して40℃、30分間抽出を行った。抽出後、遠心分離でオカラを除き脱脂豆乳を得た。これに塩酸を添加してpH4.5に調整して等電点沈殿させ、遠心分離により酸沈カードを得て、これを加水し水酸化ナトリウムで中和液を得た。
ここに粗蛋白質1gに対して無添加(比較例1)及び0.5、2U(実施例1及び比較例2)のトランスグルタミナーゼ(「TG-Sマイルド」(味の素(株)製)を添加し、50℃で30分反応させた。次に反応液に直接蒸気加熱処理を140℃×20秒施した。
この分離大豆蛋白溶液を30℃に昇温し、プロテアーゼ(天野製薬株式会社製「プロテアーゼB」)を大豆蛋白固形分当たり0.1%添加し、温度30℃及びpH7.0で1時間プロテアーゼ分解した後、蒸気を吹き込み、温度140℃にて酵素を失活させ、プロテアーゼ分解大豆蛋白溶液(加水分解率10%)を得た。
このプロテアーゼ分解大豆蛋白溶液に直接蒸気加熱処理を140℃×10秒を実施して噴霧乾燥後、大豆蛋白を得た。
また上記酵素反応の順を変えたものを調製するため、酸沈カード中和液において、これを30℃に昇温し、プロテアーゼ(前述に同じ)を大豆蛋白固形分当たり0.1%添加し、温度30℃及びpH7.0で1時間プロテアーゼ分解した後、蒸気を吹き込み、温度140℃×20秒にて酵素を失活させ、プロテアーゼ分解大豆蛋白溶液(酵素分解率10%)を得た。
ここに粗蛋白質1gに対して0.5Uのトランスグルタミナーゼ(前述に同じ)を添加し、50℃・30分反応させた。この反応液に直接蒸気加熱処理を140℃×10秒を実施して噴霧乾燥後、大豆蛋白を得た(比較例3)。
得られた大豆蛋白のGlu-Lys結合数、ゲル物性、蛋白溶解性及び風味を確認した。Glu-Lys結合数は、アンモニアテストワコー(和光純薬(株)製)を使用してアンモニア数を定量し、トランスグルタミナーゼ未反応の数を差し引くことでトランスグルタミナーゼによる遊離アンモニア数とし、Glu-Lys結合数を算出した。
ゲル物性は、各大豆蛋白の20%水溶液を80℃にて30分加熱した時の加熱ゲル強度をレオメーター(山電社製、プランジャー球直径8mmにて測定したゼリー強度)で評価した。粘度は、9%溶液を用いてB型粘度計にて測定した。
また製品の水溶性を調べるために、PDI(Protein Dispersibility Index)の測定を行った。測定方法を下記に示した。
風味に関しては、5%水溶液の官能評価を10名のパネラーで行った。点数は10点満点で点数が高いほうが風味が良いとし、10名の平均で示した。
<PDIの測定>
ドリンクマスター・ブレンダー(モデル727W、ハミルトン・ビーチ社)にて、サンプル20gと25℃の蒸留水300mlを8500rpmで10分間混合する。次にこのスラリーを2700rpmで10分間遠心分離し、遠心後の上澄みの15mlをピペットでケルダールチューブに移し、AOCS公的手法Aa5-91又はAOCS公的手法Ba4d-90に準じてケルダール法による窒素量を決定する。
PDI:(B−S)×N×0.014×100×6.25×100/%総蛋白質量
B :ケルダール法におけるブランクの滴定量(ml)
S :ケルダール法におけるサンプルの滴定量(ml)
N :ケルダール法において使用したアルカリの規定
(表1)
───────────────────────────────────────
Glu-Lys ゼリー強度 PDI 粘度 風味評価
結合数 (g・cm) (mPa.s)
───────────────────────────────────────
実施例1 1.89×1018 291.8 94.0 24.5 9.2
(すっきりしている)
比較例1 ― 117.0 93.8 19.5 3.8
(収斂味、渋みを強く感じる)
比較例2 3.80×1023 155.6 62.3 20.5 5.3
(すっきりしているが舌にざら
つきを強く感じる)
比較例3 2.77×1018 277.5 93.9 21.0 4.0
(収斂味、渋みを強く感じる)
───────────────────────────────────────
表1より、適度のトランスグルタミナーゼ反応とプロテアーゼ処理を施すことにより、風味に優れてゲル物性・溶解性も高く、低粘度な大豆蛋白の製造可能となる。
ここで確認されたトランスグルタミナーゼの効果により、未処理に比べ大豆臭の低減と苦味の低減が観察されることから、フレーバー成分の含量低下やペプチド成分の変化等が生じている可能性が考えられる。これらのことを確認するため、製品中のトータルカルボニル化合物量、SDS- PAGE による分解パターンの変化について確認をおこなった。
<トータルアルデヒド化合物の測定>
(試薬の調製)
1 )2.4- DNP のエタノール飽和液(10ml )にconc HCl (350 μl )を添加したAcidic 2.4- DNP 試薬
2 )10%KOH in 80%エタノール液
(測定方法)
使用サンプル液 1ml に1ml のAcidic 2- 4- DNP 試薬を添加し、均一分散後、試験管にビー玉を置き50 ℃で30min 加熱し、これを氷水で急冷させ、10%KOH in 80%エタノール液 5ml を添加し、均一 に分散後、3000rpm 10min 遠心分離して不溶物を沈降分離、上清液を425nm で吸光度を測定した。
(文献)
Determination of Total Carbonyl Compounds in Aqueous Media JAOCS,Vol.70,No9 Page 881 (1993 )
(テストサンプル)
表1記載の実施例1及び比較例1〜3の合計4点について3%溶液を調製し、アルデヒド化合物含量に差異が認められるか確認を行った。
(表2)
──────────────────────────
トータルカルボニル化合物量(OD425)
──────────────────────────
実施例1 1.154
比較例1 1.153
比較例2 1.245
比較例3 1.168
──────────────────────────
表2から、トランスグルタミナーゼ処理にてカルボニル化合物の遊離が促進されている結果は認められなかった。トランスグルタミナーゼ処理の風味改善効果は、構造の変化に伴ってカルボニル化合物等を封じ込め官能的に感じ難くする作用があるのかも知れない。
<SDS-PAGEによる確認>
SDS-ポリアクリルアミド電気泳動に供し、ホエー中の蛋白の挙動を調べた。電気泳動は、Laemmliの方法[Nature,227巻,680-685(1970)]によって、2%SDS,10%β-メルカプトエタノールを含むトリス-HClバッファーにサンプルを溶解させ、0.1%SDSを含有するトリスグリシン(pH8.4)中4〜20%グラジェントゲルを使用し、40mAの定流で1時間実施した。泳動後、ゲルをクーマシーブリリアントブルーR250溶液にて染色した。
この結果、実施例1のバンドは、低分子領域において比較例1〜3と比べて明らかに量が少なく、製品の低分子ペプチドの生成量減少傾向にあることが確認出来た。トランスグルタミナーゼ処理にて感じられた苦味の低減効果は、TG処理併用により分解物中の低分子ペプチドの含量低下が関係している可能性が高いと判断された。
本発明により、大豆蛋白の風味向上と低粘度の両方を両立させることが可能になり、ハム製造におけるピックル溶液調製や飲料用途に使用するのに適した大豆蛋白の製造が可能になったものである。

Claims (1)

  1. 大豆蛋白にトランスグルタミナーゼを作用させた後、プロテアーゼ処理を行うことを特徴とする大豆蛋白の製造法。
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