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JP2006035363A - 研削加工用砥石、およびそれを用いた研削加工方法 - Google Patents

研削加工用砥石、およびそれを用いた研削加工方法 Download PDF

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JP2006035363A JP2004217705A JP2004217705A JP2006035363A JP 2006035363 A JP2006035363 A JP 2006035363A JP 2004217705 A JP2004217705 A JP 2004217705A JP 2004217705 A JP2004217705 A JP 2004217705A JP 2006035363 A JP2006035363 A JP 2006035363A
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Fumitoshi Kobayashi
史敏 小林
Kazuki Morita
和樹 森田
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
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  • Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)
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Abstract


【課題】 光学部品や化学チップなど高品質な加工が必要とされる研削加工工程において、表面粗さが小さく高品質な加工面を高効率で得るための研削用砥石および研削加工方法を提供する。
【解決手段】 砥石の先端部が、被加工物表面を異なる面粗さに加工することが可能な2種以上の砥粒層から形成され、前記砥石の最先端部の第1砥粒層は、前記第1砥粒層に隣接する第2砥粒層が加工することができる面粗さよりも小さい面粗さに加工することができることを特徴とする砥石。前記砥石が被加工物に加工深さまで切り込んでいる状態で、前記被加工物の表面位置での前記砥石の断面において、前記第2砥粒層が、前記砥石の送り方向側に位置するように砥石を被加工物に切り込ませ、砥石の軸線を中心として回転させながら研削加工を行う。
【選択図】 図1

Description

本発明は、研削加工用砥石および研削加工方法に関する。特に、光学部品や反応チップなどの微細な加工において、高品質かつ高効率な加工を行うための研削砥石および研削加工方法に関する。また、本発明は、前記研削加工方法により加工された微細加工ガラス、光学部品、反応チップに関する。更に本発明は、前記研削砥石を用いた研削加工装置に関する。
光学製品の高機能化・高性能化に伴い、使用される部品にも高度な性能や特性が要求されるようになり、部品の加工において、より微細な加工をより精度良く行うことが必要となってきている。高い光学性能を得るためには、ミクロンオーダーの高精度な微細加工を行う必要があり、鏡面状の加工表面、すなわち表面粗さ(Ra)が小さな加工面が求められる。
また、近年、化学反応を微小空間で行うための集積化技術が注目を浴びており、化学反応を高速に行うことができ、微小量での反応が可能で、かつ、オンサイト分析等が実現できるという利点を持つ反応チップ(マイクロ化学チップまたはマイクロチップ)の開発が盛んに行われている。マイクロ化学チップは、幅10μm〜数100μm、深さ数10μm〜数100μmの微細な流路を有し、その流路内で混合・反応・分離・検出などのプロセスが行われる。反応性や検出感度の観点などから、流路の加工表面は鏡面状で一定の粗さ(Ra<20nm)以下であることが必要とされる。
前述した光学部品やマイクロ化学チップの材料としては、光学的・化学的性能に優れたガラスが多く用いられており、ガラス基板への流路形成は、エキシマレーザやウェットエッチングなどの加工方法によって行われる。(例えば特許文献1参照。)
しかし、エキシマレーザやウェットエッチングによる加工の場合、複雑な形状の加工が困難であること、多品種への対応が困難であること、設備投資が多大であることなどの問題があるため、複雑な加工を行うことができ、また、多品種への対応が比較的容易である機械的手段による加工が検討されている。
ガラス等の脆性材料に加工を行う場合は図11に示すような円盤状のホイールによる研削加工が一般的であるが、この方法では直線の溝形状しか加工することができず、また、溝端部にかけ上がりが生じてしまうという問題がある。
上記問題を解決するために、例えば図12に示す構成の装置を用いて、棒状の研削砥石をガラス基板に対して垂直に立て、砥石を軸線周りに回転駆動させながら砥石を送り、研削加工する方法が提示されている。
研削加工は、一般的に粗研削と仕上げ研削とを組合わせて行う。加工効率の高い(加工能率の高い)粗研削で大体の形状を加工し、仕上げ研削で表面粗さを低下させる。一般的に、粗研削は粒径が大きい砥粒を用い、仕上げ研削は粒径が小さい砥粒を用いるため、研削加工には2種以上の砥石が必要となる。
特許文献2には、同一平面内に2種の砥粒層を有する砥石を用いて研削することによって、粗研削と仕上げ研削で砥石を取り替えることなく効率良く平面研削を行う方法が提示されている。
特開平12−298109号公報 特開平05−285853号公報
研削面粗さは、砥石の砥粒径に左右される。砥粒の粒径が大きい場合、研削面粗さは大きくなるが、加工効率は大きくなる。一方、砥粒の粒径が小さい場合、研削面粗さは小さくなるが、加工効率は小さくなる。
前述したように、従来は、砥粒径が大きい砥石による粗研削で微細構造を形成した後、砥粒径が小さい砥石による仕上げ研削を行うという工程が一般的である。表面粗さを小さくするためには、数段階の仕上げ研削工程が必要となり、各研削工程に応じた砥石を準備しなければならない。従って、1台の研削装置で加工を行う場合には工程毎に砥石を取り替えなければならず、砥石を取り替える際に、次のような問題が発生する。例えば、各砥石の外径がばらついているために、または装置への取り付け時の誤差によって切り込み量が変化してしまい、溝形状に誤差が発生して加工精度が悪くなってしまう。また、精度の高い加工面を得るためには、砥石の取り外しや取り付けを精度良く行わなければならないため、作業に長時間を要するとともに、作業効率が低下し、コストが高くなるという問題があった。
特許文献2に開示された技術を溝研削加工に適用した場合、溝底面については良好な研削面が得られる可能性があるが、溝側面に関してはその限りではない。また、溝底部がR形状となっている溝に対しては適用することができない等の問題がある。更に、砥石の構造上、研削深さを変えるためには、対応した砥石に付け替えなければならない。また、砥石端面に粗い砥石と細かい砥石を並べて設置するため、砥石全体の大きさが大きくなってしまい、化学チップに代表される溝研削などの微細加工をすることが困難である。
本発明の目的は、光学部品や化学チップなど高品質な加工が必要とされる研削加工工程において、表面粗さが小さく高品質な加工面を高効率で得るための研削用砥石および研削加工方法を提供することにある。特に、近似半円状の加工断面形状を持つ高品質のミクロンオーダーの溝を効率良く加工できる砥石、および加工方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、軸線を中心として回転する研削加工用砥石であって、前記砥石の先端部は、被加工物表面を異なる面粗さに加工することが可能な2種以上の砥粒層から形成され、前記砥石の最先端部の第1砥粒層は、前記第1砥粒層に隣接する第2砥粒層が加工することができる面粗さよりも小さい面粗さに加工することができることを特徴とする。
本発明によれば、砥粒の粗い部分と細かい部分が一体となっているため、砥石を取り替えることなく粗研削と仕上げ研削を行うことができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の研削加工用砥石であって、前記砥石が、前記被加工物に加工深さまで切り込んでいる状態で、前記被加工物の表面位置での前記砥石の断面において、前記第2砥粒層が、前記砥石の送り方向側に位置することを特徴とする。
本発明によれば、加工深さまで砥石が加工物内部に切り込んでいる状態で、被加工物表面位置での砥石断面において、砥粒が粗い部分と細かい部分とがあり、送り方向側に砥石が粗い部分、送り方向と反対側に砥粒が小さい部分が位置するため、最初に粗い部分で粗研削し、次いで細かい部分で仕上げ研削をすることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の研削加工用砥石であって、前記砥石の先端部は、少なくとも1つの曲面を有することを特徴とする。
本発明によれば、先端部が曲面であり、連続的に取りしろが少なくなるため、面粗さが向上する。曲面は球形状であると好ましい。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の砥石を用いた研削加工方法であって、前記砥石を送り方向側へ傾斜させ、前記砥石の軸線を加工表面へ正射影した直線の向きが、前記砥石の送り方向と同一となるように砥石の向きを定め、研削加工することを特徴とする。
本発明によれば、砥石の傾き方向と送り方向を同じ向きとすることによって、溝の全ての面に仕上げ研削を施すことができると共に、研削に要する力が小さくなるため、効率良く研削加工を行うことができる。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の研削加工方法であって、前記砥石が前記被加工物に加工深さまで切り込んでいる状態で、前記砥石の最先端部の第1砥粒層と前記砥粒層に隣接する第2砥粒層の境界面と、前記砥石の軸線との交点が、被加工物の表面もしくは外部に位置していることを特徴とする。
本発明によれば、粗研削により加工された溝の壁面全面にわたって仕上げ研削を行うことができる。
請求項6に記載の発明は、微細加工ガラスであって、請求項4または5に記載の研削加工方法により加工されたことを特徴とする。
本発明によれば、機械的な研削加工を行うため、複雑な3次元形状を有する微細加工ガラスとすることができる。
請求項7に記載の発明は、光学部品であって、請求項4または5に記載の研削加工方法により加工されたことを特徴とする。
本発明によれば、表面粗さの小さい加工表面となるため、高性能・高品質な光学部品とすることができる。
請求項8に記載の発明は、反応チップであって、請求項4または5に記載の研削加工方法により加工されたことを特徴とする。
本発明によれば、表面粗さが小さく、鏡面状の加工表面となるため、高性能・高品質な反応チップとすることができる。
請求項9に記載の発明は、研削加工装置であって、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の砥石を用いたことを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、研削加工装置であって、請求項4または5に記載の研削加工方法を用いたことを特徴とする。
本発明によれば、砥石を交換することなく、粗加工と仕上げ加工をほぼ同時に行うことができるため、効率良く、高い加工精度で研削加工を行うことができる。また、一本の砥石で粗加工と仕上げ加工を行うことができるため、容易に溝加工作業を自動化することが可能である。
更に、本発明によれば、複雑な3次元形状の加工をすることができ、加工面の表面粗さを小さくすることや鏡面状に加工することも可能である。また、砥石の傾きを調整することによって、一部分のみ仕上げ加工を行い、表面粗さの異なる表面を有する加工面を得ることもでき、加工の自由度が大きくなる。本発明によれば、溝加工を容易に行うことができ、特に数百ミクロンサイズの細溝を高品質、高効率で加工することができる。
以下、本発明の具体的な実施形態について説明する。
研削加工用砥石を図9に示す加工装置に取り付けて研削加工を行う。加工は図1に示すように砥石を回転させながら行うため、回転中心となる軸線を定めて取り付ける。軸線は、好ましくは砥石の中心軸と一致するが、砥石内部であればどこを軸線としてもよい。
砥石の形状は円柱形状でも、直方体形状でも、円錐形状でも、四角柱形状でもどのような形状でもよいが、溝を形成するためには、円柱形状または直方体形状の棒状砥石が好ましい。砥石先端部もどのような形状でもよく、例えば凹凸形状などでもよいが、曲面を含む形状であると好ましく、平坦な形状や球面が好ましい。特に図2に示すように曲率Rの曲面を有する球面であるとより好ましい。
砥石の先端部は、図3に示すように、上部は、粗さが大きい研削表面が得られるような砥粒層51から成り、下部は、粗さが小さい研削表面を得ることができるような砥粒層52から成る。一般的に粗さが大きい研削表面を得るためには砥粒の粒径を大きくすればよく、粗さが小さい研削面を得るためには砥粒の粒径を小さくすればよいため、上部よりも下部の砥粒の粒径が小さくなるようにしている。また、研削加工中に容易に破砕され、微細となる砥粒を下部に用い、上部には、より破砕されにくい砥粒を用いることもできる。この場合、下部の粒度(粒径)の方が大きくなってもよい。ここでいう上部・下部とは、砥石先端部を加工面側にし、加工面に対して砥石の中心軸が垂直となるように砥石を立てたときの上部・下部をいう。砥石先端部とは、加工を行う部分をいう。砥粒の粒径変化は、異なる砥粒層を別々に作製して後で接着しても良いし、砥粒径が連続して変化するように一体的に作製してもよい。砥粒としては、研削に適した材料であればいかなる材料を用いてもよいが、ダイヤモンド、CBN(Cubic Boron Nitride、立方晶窒化硼素)、タングステンカーバイト、炭化けい素(SiC)、アルミナ(Al23)、などが用いられる。特に仕上げ研削のための砥粒として、酸化セリウム、シリカ粉末、BaCO3、Cr23、Fe23などのメカノケミカル砥粒を用いることもできる。
また、砥粒の種類や粒径は、加工の目的によって適宜決めることができるが、ガラス基板への微細溝加工の場合はダイヤモンド砥粒を使用し、上部に#400〜#800番手の砥粒を用い、下部に#1500〜#2000番手の砥粒を用いると好ましい。より好ましくは、3層構造として上部と下部の間の中間層に#800〜#1200番手の砥粒を用いると良い。下部の砥粒粒度は必要とする表面粗さにより決定すればよいので、より小さな表面粗さを必要とする場合は、下部に#4000番手の砥粒を用いる場合がある。また、下部に酸化セリウムを用いると、メカノケミカル効果により、鏡面状の加工面を得ることができる。
本砥石のボンド材としては、ビトリファイド、レジノイド、メタルボンドなどの通常のボンド材が用いられる。またニッケル等による電着により、砥粒を棒状の台金表面に固着させても良い。
砥粒分布は、好ましくは、図3〜5に示すように、加工深さまで砥石5が被加工物内部に切り込んでいる状態での砥石軸線断面において、送り方向側に砥石が粗い部分51、送り方向と反対側に砥粒が小さい部分52が含まれるようにする。図3〜5においては2層構造となっているが、3層構造として、その中央部分を上部と下部の砥粒の中間のものを使用する場合や、3層以上の構造としてもよい。
図1に示すように、砥石先端部55において、上部よりも下部の方が砥粒の粒径が小さくなっているような分布を有する略円柱状の砥石を用い、砥石を送り方向へ傾けて、砥石を回転させながら研削加工を行う。送り方向は直線矢印で示した方向である。加工を行う際に、砥石を送り方向へ傾けると、最初に円柱状砥石の側面部分で研削が行われ、次いで砥石先端のエッジ部分で研削が行われる。図12に示すように砥石を傾けずに垂直に立てる従来の方法で研削を行った場合は、砥石底面の中心部分は周速が0となってしまうため、側面部と底面部とで研削条件が異なってしまう。また、図2に示すような先端がR形状の棒状砥石を使用する場合でも、砥石を傾けずに垂直に立てる従来の方法で研削を行った場合は、溝底部を研削する砥石最先端部(砥石中心部)の砥石周速が0になる。従って、砥石中心部では、研削能力が低くなったり、研削加工速度の違いに起因して、研削加工された溝壁面の粗さが不均一となってしまうなどの問題が発生する。
研削加工時に砥石を傾け、砥石の軸線を加工表面へ正射影した直線の方向が、砥石の送り方向と同一となるようにすることにより、溝壁面全面にわたって同周速で研削することができ、加工面の面粗さを均一にすることができる。特に、先端R形状の砥石を用いた場合は、連続的に取り代が小さくなるために加工面粗さが向上する。また、研削に要する力を小さくできるため好ましい。
従来の方法によれば、溝断面形状が所望のR形状を有する溝を形成するためには、溝に合わせたR形状の砥石を準備する必要があったが、本発明のように砥石を傾けて研削する場合は、傾斜角度を適宜変化させることにより所望のR形状の溝を得ることができる。
円柱形状の研削砥石を傾斜させて研削を行った場合、溝Rの値は円柱砥石のRよりも大きくなってしまうが、先端がR形状の研削砥石を使用すれば円柱砥石と同等形状の溝断面Rを得ることができるため、好ましい。図6に示すように、先端がR形状の研削砥石を用いる場合も、円柱形状の場合と同様に、研削砥石の溝底面に当たる部分は砥石の軸心からずれているため、溝全面にわたって均一な加工面を得ることができる。
円柱形状の砥石を使用した場合は砥石のエッジ部分により研削が行われるため、研削を重ねるうちにエッジ部分の砥石の摩耗が起こりやすく、溝形状が変化してしまう。一方、先端Rの砥石を使用する場合、円柱形状の砥石を使用する場合と比べて砥石の摩耗が抑制されるため、溝形状が変化しにくい。従って、高精度な加工が必要とされる場合は、先端Rの砥石を用いることが好ましい。円柱形状の砥石を用いる場合は、図8に示す様に、砥石先端側に面取りを施すと、磨耗を抑制することができる。
本発明の研削砥石は、砥石最先端部(以下、第1層とする)よりも隣接する部分(以下第2層とする)の方が砥粒粒径が大きくなっている。砥粒が大きい第2層が送り方向側となるように傾けて研削を行うと、図4に示すように、研削加工により除去される部分は、第2層51によって除去される部分53と、その後第1層52により除去される部分54とから形成されることになる。
すなわち、1回の研削加工によって、先ず第2層により粗研削をおこない、次いで第1層による仕上げ研削をほぼ同時に行うことができる。そのため、高品質な研削加工面を効率良く得ることが可能になる。
第1層、第2層の厚さと切り込み深さの関係は次の通りである。
例えば図3に示すように、研削砥石の軸線と研削砥石の先端部に位置する第1層52と第2層51との境界面、砥石の軸線Bの交点Oが、被加工物(被削材)の上面と一致している場合は、被加工物上面の位置が、第1・第2両層の研削除去部分と一致するため、図3(b)に示すように被削材上面付近においては第1層による仕上げ加工が十分に行われない。溝加工面全面にわたって仕上げ加工を行うためには、図4(a)に示すように、前記交点Oが被加工物上面よりも上方に位置するようにすれば良い。
図10に砥石5と溝の関係を表した断面図を示す。図10(a)に示すように、交点Oが被加工物の上面よりも下に位置する場合は、点線Iよりも上の部分の溝側面については、仕上げ研削が行われない。従って、溝側面全面にわたって仕上げ研削を行うためには、少なくとも交点Oが被加工物上面と同じ高さにあるか、または被加工物上面よりも上部にある必要がある。
従って、溝底部のみにおいて良好な研削面を得られれば良い場合は、図5(a)に示すように、前記交点Oが被加工物上面よりも下方に位置するように設定すればよい。この場合は、より深い溝加工に対応することが可能である。
第1層による除去量は第1層の厚みと砥石の傾斜角度を変化させることによって調整することが可能である。研削加工速度を優先する場合は第1層の厚みを薄くするか、砥石の傾斜角度を大きくすればよい。
第2層の粗研削時には加工変質層が形成される。この加工変質層を仕上げ研削によって十分に除去することで、高品質な表面を得ることができる。加工変質層を仕上げ研削時に十分に除去するためには、第1層による除去厚さが加工変質層以上となるように第1層の厚みや砥石の傾斜角度を設定すればよい。
上記は、砥粒層が2層の場合について説明したが、砥粒層を3層やそれ以上に増やすことも可能である。砥粒層を3層以上とすることで、より精密な研削加工を行うことが可能となる。
溝底部のRを溝幅の半分とする場合は、先端Rを持つ研削砥石を使用する。この場合も、図6に示すように、溝全域にわたって高品質の研削面を効率良く得ることができる。図6では研削砥石の円柱部と球面部で砥粒層の種類を変更した場合を示しているが、第1層と第2層の境界位置や砥石の傾斜角度を適宜変更することによって、所望の溝深さや品質を得ることが可能である。
次に加工装置について説明する。加工装置の例を図9に示す。図9において、紙面に平行な面をYZ平面、紙面に垂直な面をXY平面とする。図9に示す加工装置は、加工テーブルとスピンドルにより構成される。加工テーブルは3段のテーブルから構成され、それぞれのテーブル21、22、23は、それぞれXY平面内で回転自在、X軸方向、Y軸方向に移動させることができる。テーブル21、22、23の順番はどのような順番でもよい。研削砥石はスピンドル軸6に取り付け、Z軸方向に移動可能である。なお、スピンドル軸は加工テーブルに対する角度を調整、固定できる構造となっている。
スピンドル軸心と砥石の回転軸が一直線となるように、砥石をスピンドルに取り付け、砥石が軸心周りに回転するようにする。スピンドル軸心は加工テーブルの法線より角度ψ傾けた状態でZ軸に固定する。
被削物であるガラス基板は加工テーブルに固定する。砥石が被削物に切り込んだ状態とし、スピンドルの傾き方向が送り方向と一致するように加工テーブルを送り、研削加工を行う。研削加工中は、図示しないノズルより研削液または研削液ミストを加工箇所に供給する。
テーブル21の角度を調整し、研削方向をスピンドルの傾き方向と一致させた状態でテーブル22、23を駆動させることで、直線状の溝加工だけでなく、任意の形状の溝を研削することも可能である。この場合に用いる装置は、テーブル21の上にテーブル22、23が載置された構成とし、テーブル21の回転中心と砥石の下端部が一致するように砥石位置を設定すると、加工制御が容易となる。
加工装置は、上記構成の他、加工用途に合わせて適宜選択することができる。また、汎用装置に本発明の砥石を取り付けて加工を行ってもよい。例えば、市販のフライス装置やNC加工装置などを用いることができる。
上記装置を用いて、材料表面に溝加工を施し、微細加工ガラス、光学部品、反応チップを作製する。光学部品、反応チップは、好ましくはガラスを材料とする。
以下、実施例によりさらに具体的に説明する。
図9に示す構成の加工装置に、図7(a)に示す砥石を取り付け、図に示す切込み深さとなるように砥石の位置を調整して、ガラス基板上に溝加工を行い、マイクロ化学チップ用の流路の加工を行った。
図7(a)に示すように、砥石は直径D=φ200μmの円柱形状であり、砥石先端側の第1層52と、第1層と接する第2層51とからなり、第1層52は#2000番手のダイヤモンド砥粒からなり、厚みt1は20μmとした。第2層51は#600番手のダイヤモンド砥粒からなり、厚みt2は200μmとした。
図9に示すように、砥石5を加工装置のスピンドル軸6に取り付け、スピンドル軸がψ=45度となるように設定した。砥石を軸心周りに回転数50000rpmで回転させ、ガラス基板に図7に示すようにh2の深さ切り込んだ状態で、スピンドルを傾けた方向に1mm/secの送り速度で溝加工を行った。
第2層51により除去される範囲は、図7に示される幅w1、深さh1の部分であり、第1層52により除去される範囲は幅w2、深さh2の範囲であり、w2>w1、h2>h1となるため、溝壁面は#2000により仕上げ加工される。
加工された溝を触針式の形状測定器を用いて測定したところ、幅200μm、深さ70μm、R=106μm、研削加工面の粗さはRa=20nmで、粗さは溝全面にわたって均一であり、高品質な溝加工を効率良く行うことができた。
本実施例においては、2種の砥粒層からなる円柱状砥石を使用したが、砥石先端側から順に研削面粗さが大きくなるような砥粒層構成とした3種以上の砥粒層からなる砥石を使用することもできる。この場合、より高品質の加工面を得ることも可能である。
また、スピンドルの傾斜角度は45度としたが、図9に示す角度ψを45度以上とすることで、砥石のより広い面積が研削に用いられることになるため、第1層による除去厚みが減少し、より効率の良い溝加工が可能となる。
また、本実施例において、円柱形状の砥石の替わりに先端Rの砥石を用いると、より小さなR溝底部を形成することができる。
(比較例1)
#600の砥粒1種類のみからなる砥石を用いた以外は実施例1と同様に溝加工を行ったところ、研削面の粗さはRa=80nm程度となり、高品質な溝が得られなかった。
(比較例2)
#2000の砥粒1種類のみからなる砥石を用いた以外は実施例1と同様に溝加工を行ったところ、研削面の粗さはRa=20nm程度と高品質な溝が得られたが、欠けや割れが生じないように加工するためには、砥石の送り速度を0.2mm/secまで落とす必要があり、加工効率が低下した。
(比較例3)
砥石を被削材表面に対して垂直に立てた状態とし(図9に示す角度ψ=90度とし)、先端R=100μm、#600の砥粒からなる砥石を使用した以外は実施例1と同様に溝加工を行ったところ、欠けや割れが生じないように加工するためには、研削加工速度を0.5mm/sec以下にしなければならず、加工効率が低下した。また、溝面粗さも不均一となり、高品質な加工表面が得られなかった。
(比較例4)
砥石を被削材表面に対して垂直に立てた状態とし(図9に示す角度ψ=90度とし)、先端R=100μm、#2000の砥粒からなる砥石を使用した以外は実施例1と同様に溝加工を行ったところ、欠けや割れが生じないように加工するためには、研削加工速度を0.1mm/sec以下にしなければならず、加工効率が低下した。また、溝面粗さも不均一となり、高品質な加工表面が得られなかった。
本発明に係る研削加工用砥石および研削加工方法は、ガラス等の脆性材料の研削加工に利用することができる。本発明に係る研削加工用砥石および研削加工方法は、微細加工ガラス、光学部品、反応チップなどの加工に利用することができる。本発明の光学部品は、レンズ、導光板、回折型光学デバイスなどに好適に用いられる。
砥石の回転方向および送り方向を示す模式図である。 (a)は先端がR形状の棒状砥石を示す模式図である。(b)は砥石先端部の拡大図である。 円柱状砥石の切込み深さと被加工物の研削面との関係を示す模式図である。(a)は砥石の側面図、(b)は線AA’における被加工物の断面図である。 円柱状砥石の切込み深さと被加工物の研削面との関係を示す模式図である。(a)は砥石の側面図、(b)は線CC’における被加工物の断面図である。 円柱状砥石の切込み深さと被加工物の研削面との関係を示す模式図である。(a)は砥石の側面図、(b)は線EE’における被加工物の断面図である。 先端がR形状の砥石の切込み深さと被加工物の研削面との関係を示す模式図である。(a)は砥石の側面図、(b)は線GG’における被加工物の断面図である。 円柱状砥石の切込み深さと被加工物の研削面との関係を示す模式図である。(a)は砥石の側面図、(b)は線CC’における被加工物の断面図である。 先端を面取り加工した円柱状砥石の側面図である。 本発明に係る研削加工装置の概略図である。 砥石と切込み深さの関係を示す模式図である。 従来の研削加工装置の例を示す概略図である。 従来の研削加工装置の別の例を示す概略図である。
符号の説明
1 ガラス基板
21 XY平面内で回転自在なテーブル
22 X方向に移動可能なテーブル
23 Y方向に移動可能なテーブル
3 円盤状砥石
4 支持台
5 棒状砥石
51 砥粒が粗い層
52 砥粒が細かい層
53 粗い砥粒層部分によって研削除去された部分
54 細かい砥粒層部分によって研削除去された部分
55 砥石先端部
6 スピンドル

Claims (10)

  1. 軸線を中心として回転する研削加工用砥石であって、前記砥石の先端部は、被加工物表面を異なる面粗さに加工することが可能な2種以上の砥粒層から形成され、前記砥石の最先端部の第1砥粒層は、前記第1砥粒層に隣接する第2砥粒層が加工することができる面粗さよりも小さい面粗さに加工することができることを特徴とする研削加工用砥石。
  2. 前記砥石が、前記被加工物に加工深さまで切り込んでいる状態で、前記被加工物の表面位置での前記砥石の断面において、前記第2砥粒層が、前記砥石の送り方向側に位置することを特徴とする請求項1に記載の研削加工用砥石。
  3. 前記砥石の先端部は、少なくとも1つの曲面を有することを特徴とする請求項1または2に記載の研削加工用砥石。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の砥石を用いた研削加工方法であって、前記砥石を送り方向側へ傾斜させ、前記砥石の軸線を加工表面へ正射影した直線の向きが、前記砥石の送り方向と同一となるように砥石の向きを定め、研削加工することを特徴とする研削加工方法。
  5. 前記砥石が前記被加工物に加工深さまで切り込んでいる状態で、前記砥石の最先端部の第1砥粒層と前記砥粒層に隣接する第2砥粒層の境界面と、前記砥石の軸線との交点が、被加工物の表面もしくは外部に位置していることを特徴とする請求項4に記載の研削加工方法。
  6. 請求項4または5に記載の研削加工方法により加工された微細加工ガラス。
  7. 請求項4または5に記載の研削加工方法により加工された光学部品。
  8. 請求項4または5に記載の研削加工方法により加工された反応チップ。
  9. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の砥石を用いたことを特徴とする研削加工装置。
  10. 請求項4または5に記載の研削加工方法を用いたことを特徴とする研削加工装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011083842A (ja) * 2009-10-14 2011-04-28 Takahashi Kikai:Kk 溝加工方法及びその装置

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