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JP2006034782A - 電子内視鏡装置と電子スコープ - Google Patents

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JP2006034782A JP2004222038A JP2004222038A JP2006034782A JP 2006034782 A JP2006034782 A JP 2006034782A JP 2004222038 A JP2004222038 A JP 2004222038A JP 2004222038 A JP2004222038 A JP 2004222038A JP 2006034782 A JP2006034782 A JP 2006034782A
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Abstract

【課題】 電子内視鏡において静止画の撮影における被写体のぶれを防止する。
【解決手段】 被写体の1フィールドを所定の9つの領域に分割し、それぞれの領域毎の平均輝度レベルを算出する(ステップS100)。電子スコープの挿入先端に配設された検出素子の出力をチェックし、鉗子等の処置具が電子スコープに使用されているか否かをチェックする。処置具が使用されていない場合、各領域の面積に応じた輝度値の通常の重み付け処理を実行する(S104)。処置具の使用が確認されたら、処置具が写し込まれる領域を考慮した輝度値の特別な重み付け処理を実行する(S106)。重み付けが行われた輝度値を参照値と比較し(S108)、電子シャッタ機能のシャッタースピードを制御する(S110)。
【選択図】 図5

Description

本発明は、電子内視鏡装置において電子スコープから得られる被写体像の明るさを調節する自動調光に関する。
電子内視鏡装置において、電子スコープ(電子内視鏡)内には、光ファイバー束から成るライトガイドが挿通しており、鉗子等の処置具を挿通する処置具挿通路が設けられてる。また、電子スコープの挿入部先端にはCCD等の固体撮像素子が設けられている。電子スコープが接続される画像処理プロセッサ内には、キセノンランプ等の白色光源が設けられている。この白色光源から出射された白色光はライトガイドにより電子スコープの挿入部先端まで導かれ、挿入部先端においてライトガイドの出射端に配置された配光光学系を介して、前方に照明光として照射される。
こうして照明光が被写体に照射されると、その反射光は固体撮像素子と組合わせて設けられる対物光学系により固体撮像素子の受光面に結像される。被写体の光学像は固体撮像素子において光電変換され、固体撮像素子から画像信号が出力される。この画像信号は画像処理プロセッサにおいて、所定の画像信号処理が施され、TVモニタに出力される。その結果、被観察体がTVモニタに映し出される。施術者は、TVモニタを視認しながら、電子スコープの挿入部先端においての処置具挿通路の開口部から突出する処置具を操作し、病変部位の切除等の施術を行う。
このような電子内視鏡装置では、TVモニタにおいて常に良好な画像が得られるよう、自動調光、すなわち、白色光源の出射光の光路上に設けられる絞りの制御が行われる。具体的には、画像処理プロセッサにおいて、画像信号に含まれる輝度成分に基づいて平均測光やピーク測光等により1フレーム若しくは1フィールド分の画像データの輝度レベルが算出され、その輝度レベルを所定の基準値(参照値)と比較し、比較結果に基づいて絞りの開度が制御される。その結果、白色光源からの出射光の光量が適宜調節される。
特開平7−171098号公報
電子スコープによる観察中、被写体である体内器官の内壁面は静止しているわけではなく、絶えず動いている。また、電子スコープの挿入部先端も施術に応じて絶えず変位している。すなわち、被写体と挿入部先端の固体撮像素子との相対的位置関係は常に変化している。このような状況において静止画の撮影を行う場合、上述の光量制御では固体撮像素子が備えた電子シャッタ機能における高速のシャッターが利用できなかった。その結果、撮影される被写体画像にぶれが生じるという問題があった。また、処置具が使用されている場合においては、その処置具による反射光に影響され、自動調光が適切に行われず、適正露光でない静止画が得られる場合があった。
本発明は、以上の問題を解決するものであり、撮影される被写体のぶれを生じさせずに静止画の撮影を行なうと同時に、処置具が使用されている場合においても自動調光を適切に行うことを目的とする。
本発明に係る電子内視鏡装置は、挿入部先端に対物光学系と、固体撮像素子と、照明光を被写体に照射するための配光光学系と、処置具を挿通する処置具挿通路の鉗子口とが設けられた電子スコープと、電子スコープが着脱自在に接続される画像処理プロセッサとを備える電子内視鏡装置であって、固体撮像素子により取得される被写体画像を複数の領域に分割し、それぞれの領域毎の領域輝度値を算出する領域輝度値算出手段と、処置具挿通路に挿通させられる処置具の使用を検出する処置具検出手段と、処置具検出手段の検出結果に応じて領域輝度値を調整し、調整された領域輝度値に基づいて被写体画像の全体の全体輝度値を算出する全体輝度値算出手段と、全体輝度値算出手段により算出された全体輝度値を所定の参照値と比較し、全体輝度値が所定の参照値に近似するよう固体撮像素子の電荷蓄積時間を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする。好ましくは、上述の所定の参照値は使用者により設定される。
好ましくは、全体輝度値算出手段は、複数の領域毎にそれぞれの領域輝度値の重み付けを行う。
処置具検出手段により処置具の使用が検出された場合、全体輝度値算出手段は、被写体画像において処置具が写し込まれる領域の領域輝度値の重み付けの値を相対的に小さく設定し、全体輝度値を算出してもよい。
処置具検出手段により処置具の使用が検出された場合、全体輝度値算出手段は、被写体画像において処置具が写し込まれる領域の領域輝度値を除いて、全体輝度値を算出してもよい。
好ましくは、処置具が写し込まれる領域は、挿入部先端における対物光学系と鉗子口との相対的位置関係に基づいて判断される。
処置具検出手段により処置具の使用が検出された場合、全体輝度値算出手段は、被写体画像の中心部の領域の重み付けの値を相対的に大きく設定し、全体輝度値を算出してもよい。
処置具検出手段により処置具の使用が検出された場合、全体輝度値算出手段は、被写体画像の中心部の領域の領域輝度値にのみ基づいて全体輝度値を算出してもよい。
また、本発明に係る電子スコープは、挿入部先端に対物光学系と、固体撮像素子と、照明光を被写体に照射するための配光光学系と、処置具を挿通する処置具挿通路の鉗子口とが設けられ、電子内視鏡装置において組合わせて使用される画像処理プロセッサに着脱自在に接続される電子スコープであって、固体撮像素子により取得される被写体画像を複数の領域に分割し、それぞれの領域毎の領域輝度値を算出する領域輝度値算出手段と、処置具挿通路に挿通させられる処置具の使用を検出する処置具検出手段と、処置具検出手段の検出結果に応じて領域輝度値を調整し、調整された領域輝度値に基づいて被写体画像の全体の全体輝度値を算出する全体輝度値算出手段と、全体輝度値算出手段により算出された全体輝度値を所定の参照値と比較し、全体輝度値が所定の参照値に近似するよう固体撮像素子の電荷蓄積時間を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする。
以上のように、本発明によれば、処置具の使用の有無に応じて固体撮像素子の電荷蓄積時間を制御することにより被写体画像の全体の輝度値を調節している。その結果、撮影画像はぶれることがなく、処置具の使用の有無にかかわらず、常に良好な被写体像を撮影することができる。
図1は、本発明に係る実施形態が適用される電子内視鏡装置のブロック図である。電子スコープ10には多数の光ファイバーから成るライトガイド11が挿通しており、ライトガイド11は電子スコープ10の挿入部12の先端12Aまで延びている。挿入部先端12Aにおいてライトガイド11の出射端は2つに分岐しており、後述するように、それぞれの出射端に対応して一対の配光レンズ13A、13Bが配置されている。また、電子スコープ10には鉗子等の処置具が挿入される処置具挿通路14が設けられている。
画像処理プロセッサ30のシステムコントローラ31は、電子内視鏡システム全体をコントロールする例えばマイクロプロセッサであり、CPU31A、ROM31B、RAM31Cを備える。画像処理プロセッサ30内には、白色光を出射する例えばキセノンランプ等であるランプ32が設けられる。ランプ32はランプ駆動回路33からの出力に基づいて点灯駆動させられる。
電子スコープ10を画像処理プロセッサ30に接続すると、ライトガイド11はランプ32に光学的に接続される。使用者によるランプ点灯操作が行われると、CPU31Aからの制御信号に基づいてランプ駆動回路33からランプ32へ駆動信号が出力され、ランプ32から白色光が出射される。白色光は集光レンズ34を介してライトガイド11の入射端に入射する。入射した白色光はライトガイド11により挿入部先端12Aまで導かれ、一対の配光レンズ13A、13Bを介して被観察体に照明光として照射される。
被観察体からの反射光は、電子スコープ10の挿入部先端12Aに配設された対物レンズ15を介してCCD16に入射する。これにより、CCD16の受光面に被観察体の光学像が結像される。電子スコープ10内のスコープCPU17は、画像処理プロセッサ30のシステムコントローラ31のCPU31Aとの間でSCI(Serial Communication Interface)により制御情報等の送受信を行う。また、スコープCPU17からの制御信号に基づいて画像処理IC18からCCD駆動信号が出力され、CCD16の電荷蓄積時間が制御される。換言すると、スコープCPU17によりCCD16の電子シャッタ機能のシャッタースピードが制御される。CCD16では電荷蓄積時間中、被観察体の光学像が光電変換される。その結果、CCD16から被観察体のアナログ画像信号が1フィールド毎に出力される。
CCD16から出力された1フィールド分のアナログ画像信号はAGC(Auto Gain Controller)19を経て画像処理IC18へ入力される。画像処理IC18に入力された画像信号は所定の画像信号処理が施された後、画像処理プロセッサ30のプロセッサ信号処理回路35へ伝送される。
プロセッサ信号処理回路35では入力された画像信号に増幅処理、ガンマ補正、輪郭強調等の所定の画像信号処理が施され、プロセッサ信号処理回路35に設けられた画像メモリ(図示せず)に画像データとして格納される。画像メモリ内の画像データは、適時読み出されて所定のビデオ信号の仕様に準拠したビデオ信号変換処理が施され、TVモニタ50へ出力される。その結果、TVモニタ50に被観察体像が表示される。
また、画像処理IC18では、図2に示すように、1フィールド分の画像データを9つの領域に分割し、各領域を構成する画素の画像信号から輝度信号を抽出し、各領域毎の輝度値を算出する処理が行われる。
画像処理プロセッサ30のフロントパネル36には、TVモニタ50に表示される映像のブライトネスレベルを調整する調整スイッチ36Aが設けられている。ブライトネスレベルは8ビットデータであり、0レベル〜255レベルの範囲にわたる。電子スコープ10のEEPROM20には、ブライトネスレベルと実際の輝度値との対応を示す輝度テーブルが格納されている。使用者が調整スイッチ36Aを操作しブライトネスレベルを設定すると、設定されたブライトネスレベルがシステムコントローラ31のCPU31AからスコープCPU17へ伝送される。スコープCPU17では、設定されたブライトネスレベルに対応する輝度値が輝度テーブルから検索され、参照値として設定される。この参照値は、後述する自動調光処理において用いられる。尚、本実施形態において、使用者により調整可能なブライトネスレベルの範囲は、70レベル〜170レベルの範囲である。
また、画像処理プロセッサ30にはキーボード37が接続されており、各種制御信号の入力が可能である。
図3は挿入部先端12Aにおいて処置具挿通路14が形成された部分を拡大して示す図である。処置具挿通路14には、鉗子等の処置具40を検出するためのフォトインタラプタ41が設けられる。フォトインタラプタ41は発光ダイオード等からなる発光部41Aとフォトトランジスタ等からなる受光部41Bとを有する。発光部41Aには抵抗R1を介して所定の電圧が印加され、これにより発光部41Aから検出光が受光部41Bに向けて射出される。一方、受光部41Bにも抵抗R2を介して所定の電圧が印加され、抵抗R2と受光部41Bとの間の配線から延びた検出端子42がスコープCPU17に接続される。
受光部41Bが発光部41Aから検出光を受光している間、受光部41Bは通電状態にあり、このときの検出端子42の電位は低レベルとなる。一方、発光部41Aと受光部41Bとの間に鉗子等の処置具40が介在すると、受光部41Bへの検出光の受光が遮られ、このとき受光部41Bは非通電状態となり、検出端子42の電位は高レベルとなる。従って、検出端子42の電位レベルを検出することにより、鉗子等の処置具40が使用されCCD16により撮られているか否かを判別できる。
尚、本実施形態では、フォトインタラプタ41により処置具40の使用の有無を判別しているがこれに限るものではない。例えば、フォトインタラプタ41の代わりに処置具挿通路14に介在する処置具40に接触可能な様態でマイクロスイッチを設けてもよい。また、フォトインタラプタやマイクロスイッチのような検出装置を設ける代わりに、処置具40の使用の有無を判別するソフトウエアを搭載する構成としてもよい。すなわち、電子スコープ10により得られた画像において、処置具40が映しこまれる領域の輝度値を所定の閾値と比較することにより、処置具40の使用の有無を判別してもよい。
図4は、挿入部先端12Aの正面図である。上述のように対物レンズ15は挿入部先端12Aに設けられたCCD16(図4中、破線で図示)と組合わせて配置される。一対の配光レンズ13A、13Bは対物レンズ15を挟むように配置される。挿入部先端12Aにおける処置具挿通路14の開口部である鉗子口14Pは、図4において、対物レンズ15の左上に相当する位置に配置される。尚、図4中の開口部21は空気や洗浄水が噴出する送気送水路口である。
図5は、自動調光ルーチンの処理手順を示すフローチャートである。この自動調光ルーチンは、スコープCPU17の制御に基づいて1フィールド分の画像信号を処理する度に1回実行される割込み処理である。ステップS100において、1フィールドを図2に示すように9つの領域に分割し、それぞれの領域毎の平均輝度レベルが算出される。次いでステップS102へ進み、検出端子42の電位がチェックされ、処置具40が使用されているか否かがチェックされる。ステップS102において、処置具40が使用されていないことが確認されたらステップS104へ進み、輝度値の通常の重み付け処理(以下、通常処理)が実行される。また、ステップS102において、処置具40が使用されていることが確認されたらステップS106へ進み、輝度値の特別な重み付け処理(以下、特別処理)が実行される。
ここで、輝度値の重み付け処理について表1を参照しながら説明する。ステップS100で算出された各領域の輝度値に所定の重み付け値を掛け合わせることにより、輝度値の重み付け処理が行われる。表1は、電子スコープ10のEEPROM20に格納される。表1には、通常処理及び特別処理において用いられる各領域毎の重み付け値が示される。表1において、最終行は各処理における重み付け値の総計を示す。
Figure 2006034782
ステップS104で実行される通常処理では、画面の領域1〜領域9に対し、表1の「通常処理」のカラムに示される重み付け値がそれぞれ割当てられる。通常処理では、領域の面積の大小に応じて重み付け値が定まる。例えば、左上隅の領域1とその右隣の領域2を比較すると、領域2の面積は領域1の面積の約2倍の大きさを有する。通常処理における領域2の重み付け値は「2」、領域1の重み付け値は「1」である。また、画面中央の領域5の面積は、領域2の面積の約2倍、領域1の面積の約4倍の大きさを有する。領域5の重み付け値は「4」である。すなわち、通常処理では、実質的に均一の重み付け値が用いられる。
画像全体の輝度値の算出は、式(1)に基づいて算出される。
Figure 2006034782
本実施形態では、ステップS106で実行される特別処理において、画面の領域1〜領域9に対し、表1の「ケース1」のカラムに示される重み付け値がそれぞれ割当てられる。上述のように、本実施形態において、挿入部先端12Aにおいて、鉗子口14Pは対物レンズ15(CCD16)の左上に設けられている。従って、処置具40が使用される場合、TVモニタ50に再現される映像において処置具40が写し込まれる主な領域は、領域5、領域8、及び領域9である。これらの領域に対して割当てられる重み付け値を、通常処理と比較すると、通常処理における領域5の重み付け値は「4」であるのに対し、特別処理における領域5の重み付け値は「2」であり、通常処理における領域8の重み付け値は「2」であるのに対し、特別処理における領域8の重み付け値は「1」であり、通常処理における領域9の重み付け値は「1」であるのに対し、特別処理における領域9の重み付け値は「0」である。そして、これらの領域以外の領域の重み付け値は、通常処理、ケース1の特別処理共に同一である。すなわち、「ケース1」に基づく特別処理は、処置具40が存在する領域の重み付けの値を相対的に小さくして画面全体の輝度値が算出される。尚、特別処理においても、上述の式(1)に基づいて画面全体の輝度値が算出される。
ステップS104若しくはS106において画面全体の輝度値が算出されたら、ステップS108へ進む。ステップS108では、画面全体の輝度値が上述の輝度テーブルを検索して得た参照値と比較される。次いでステップS110へ進む。
ステップS110では、ステップS108における比較処理の結果に基づいて、CCD16の電子シャッタのシャッタースピードの設定が行われる。画面全体の輝度値が参照値より低いとき、輝度値を上げるべく、CCD16の電荷蓄積時間をより長くとらなければならない。従って、ステップS110では、より長い電荷蓄積時間に対応したシャッタースピードが設定される。また、画面全体の輝度値が参照値より高いとき、輝度値を下げるべく、CCD16の電荷蓄積時間をより短くしなければならない。従って、ステップS110では、より短い電荷蓄積時間に対応したシャッタースピードが設定される。
以上のように本実施形態においては、電子シャッタ機能におけるシャッタースピードを制御することにより、すなわちCCD16の電荷蓄積時間を調節することにより自動調光を行っている。従って、ランプ32からの出射光の光量を調節する絞りを駆動する場合と比べ、高速のシャッタースピードを用いることができる。その結果、被写体と電子スコープの挿入先端との相対的位置関係が極めて短時間のうちに変化する状況において静止画の撮影をしても、撮影画像がぶれることがない。
さらに、本実施形態では、処置具40の有無に応じて輝度値の算出の重み付けを変えている。従って、画像の明るさが常に適切で見やすいレベルに維持され、使用者は画像処理プロセッサ30のブライトネスレベルの調節に煩わされることなく、電子スコープ10の操作に専念することができる。
本実施形態において、ステップS106で実行される特別処理では、画面の各領域に対して表1の「ケース1」のカラムに示される重み付け値を割当て、処置具40の存在する領域の重み付けを相対的に小さくしている。しかしながら、特別処理における重み付けの態様はこれに限るものではない。以下、特別処理における変形例について説明する。
表1の「ケース2」のカラムに示される重み付けは、処置具40が存在する領域を除外して、画面全体の輝度値を算出する処理である。TVモニタ50に再現される映像において処置具40が写し込まれる領域8及び領域9の重み付け値は「0」である。領域5に関して、通常、施術の対象となる部分が常に領域5に位置づけられることを考慮し、重み付け値は「4」である。このように、ケース2はケース1と同様、処置具40の存在する領域が重み付けの決定の重要なパラメータである。尚、処置具40の存在する領域は、挿入部先端12Aにおける対物レンズ15と鉗子口14Pとの相対的位置関係により定まる。従って、ケース1及びケース2の各重み付け値も、この相対的位置関係により決定される。
表1の「ケース3」のカラムに示される重み付け値を通常処理の重み付け値と比較すると、画面中心部の領域5の重み付け値が「10」に設定されている以外は、通常処理の重み付けと同一である。すなわち、「ケース3」による重み付け処理は、処置具40が画面内のどの領域に存在するかにかかわらず、画面中心部の重み付けの値を相対的に大きくし、画面全体の輝度値を算出する処理である。
また、表1の「ケース4」のカラムに示される重み付けは、画面中心部の領域5の重み付け値が「1」に設定されている以外は、他の領域の重み付け値は全て「0」である。すなわち、「ケース4」による重み付け処理は、処置具40が画面内のどの領域に存在するかにかかわらず、画面中心部の輝度値のみに基づいて参照値との比較が行われる。
すなわち、「ケース3」及び「ケース4」による重み付け処理を採用すれば、接続される電子スコープ10の挿入部先端12Aにおける鉗子口14Pと対物レンズ15との相対的位置関係によらず、処置具使用時も常に、適切な自動調光が行われる。すなわち、実際に処置具を用いて何らかの処置を行なう場合、それは通常画像中心部で行なわれるので、この領域のみの情報で調光することで、処置に適切な明るさが得られることになる。
本発明に係る実施形態が適用される電子内視鏡装置のブロック図である。 輝度値算出における領域分割の態様を示す図である。 電子スコープの挿入部先端を処置具挿通路を中心に拡大して示す図である。 電子スコープの挿入部先端の正面図である。 自動調光ルーチンの処理手順を示すフローチャートである。
符号の説明
10 電子スコープ
13A、13B 配光レンズ
14 処置具挿通路
14P 鉗子口
15 対物レンズ
16 CCD
17 スコープCPU
18 画像処理IC
20 EEPROM
50 TVモニタ

Claims (9)

  1. 挿入部先端に対物光学系と、固体撮像素子と、照明光を被写体に照射するための配光光学系と、処置具を挿通する処置具挿通路の鉗子口とが設けられた電子スコープと、
    前記電子スコープが着脱自在に接続される画像処理プロセッサとを備える電子内視鏡装置であって、
    前記固体撮像素子により取得される被写体画像を複数の領域に分割し、それぞれの領域毎の領域輝度値を算出する領域輝度値算出手段と、
    前記処置具挿通路に挿通させられる処置具の使用を検出する処置具検出手段と、
    前記処置具検出手段の検出結果に応じて前記領域輝度値を調整し、調整された前記領域輝度値に基づいて前記被写体画像の全体の全体輝度値を算出する全体輝度値算出手段と、
    前記全体輝度値算出手段により算出された前記全体輝度値を所定の参照値と比較し、前記全体輝度値が前記所定の参照値に近似するよう前記固体撮像素子の電荷蓄積時間を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする電子内視鏡装置。
  2. 前記全体輝度値算出手段は、前記複数の領域毎にそれぞれの前記領域輝度値の重み付けを行うことを特徴とする請求項1に記載の電子内視鏡装置。
  3. 前記処置具検出手段により前記処置具の使用が検出された場合、
    前記全体輝度値算出手段は、前記被写体画像において前記処置具が写し込まれる前記領域の前記領域輝度値の重み付けの値を相対的に小さく設定し、前記全体輝度値を算出することを特徴とする請求項2に記載の電子内視鏡装置。
  4. 前記処置具検出手段により前記処置具の使用が検出された場合、
    前記全体輝度値算出手段は、前記被写体画像において前記処置具が写し込まれる前記領域の前記領域輝度値を除いて、前記全体輝度値を算出することを特徴とする請求項2に記載の電子内視鏡装置。
  5. 前記処置具が写し込まれる前記領域は、前記挿入部先端における前記対物光学系と前記鉗子口との相対的位置関係に基づいて判断されることを特徴とする請求項3または4のいずれかに記載の電子内視鏡装置。
  6. 前記処置具検出手段により前記処置具の使用が検出された場合、
    前記全体輝度値算出手段は、前記被写体画像の中心部の領域の重み付けの値を相対的に大きく設定し、前記全体輝度値を算出することを特徴とする請求項2に記載の電子内視鏡装置。
  7. 前記処置具検出手段により前記処置具の使用が検出された場合、
    前記全体輝度値算出手段は、前記被写体画像の中心部の領域の前記領域輝度値にのみ基づいて前記全体輝度値を算出することを特徴とする請求項2に記載の電子内視鏡装置。
  8. 前記参照値は使用者により設定されることを特徴とする請求項1に記載の電子内視鏡装置。
  9. 挿入部先端に対物光学系と、固体撮像素子と、照明光を被写体に照射するための配光光学系と、処置具を挿通する処置具挿通路の鉗子口とが設けられ、電子内視鏡装置において組合わせて使用される画像処理プロセッサに着脱自在に接続される電子スコープであって、
    前記固体撮像素子により取得される被写体画像を複数の領域に分割し、それぞれの領域毎の領域輝度値を算出する領域輝度値算出手段と、
    前記処置具挿通路に挿通させられる処置具の使用を検出する処置具検出手段と、
    前記処置具検出手段の検出結果に応じて前記領域輝度値を調整し、調整された前記領域輝度値に基づいて前記被写体画像の全体の全体輝度値を算出する全体輝度値算出手段と、
    前記全体輝度値算出手段により算出された前記全体輝度値を所定の参照値と比較し、前記全体輝度値が前記所定の参照値に近似するよう前記固体撮像素子の電荷蓄積時間を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする電子スコープ。

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