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JP2006034578A - 医療用カテーテルチューブならびにその製造方法 - Google Patents

医療用カテーテルチューブならびにその製造方法 Download PDF

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JP2006034578A
JP2006034578A JP2004218565A JP2004218565A JP2006034578A JP 2006034578 A JP2006034578 A JP 2006034578A JP 2004218565 A JP2004218565 A JP 2004218565A JP 2004218565 A JP2004218565 A JP 2004218565A JP 2006034578 A JP2006034578 A JP 2006034578A
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tube
reinforcing material
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catheter tube
shore
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Takahiro Murata
貴洋 村田
Takeshi Obayashi
毅 御林
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Kaneka Corp
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Kaneka Corp
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Abstract

【課題】 剛性と柔軟性の傾斜制御の高い調節自由度を有すると同時に、多様なアクセス経路に応じた調子の設定が可能な医療用カテーテルチューブと、その製造方法を提供する。
【解決手段】 滑性を呈しかつ柔軟性を有する樹脂管からなる内層管、柔軟性を調整しさらに耐キンク性、トルク伝達性、押し込み性等を付与する線条体を内層管上に巻回してなる補強材層、補強材層を覆い柔軟性を有する樹脂管からなる外層管が一体となった医療用カテーテルチューブであって、該チューブが基部と先端部を有し、線条体を内層管上に螺旋状を以て基部から先端部にかけて巻回して補強層を形成し、外層管は基部から先端部にかけてそれを形成する樹脂管が一段階以上のショアD硬度を有するものが配され、補強材層が存在しない先端部を有し、該補強材層と該外層管の存在により、基部から先端部にかけての曲げ剛性が段階的または連続的に小さくなるように構成したことを特徴とする。
【選択図】 図12

Description

本発明は、優れた位置調整性、トルク伝達性、耐キンク性、剛性と柔軟性の傾斜制御の高い調節自由度、多様なアクセス経路に応じた調子設定性等を有する医療用カテーテルチューブならびにその製造方法に関する。
カテーテルチューブは体内の腔、管、血管等に挿入する中空状の医療器具であり、例えば選択的血管造影剤等の液体の注入、血栓の吸引、閉塞状態にある血管の通路確保、血管拡張術等に用いられるもので、通常チューブ体からなっている。このようなカテーテルでは、細く複雑なパターンの血管系などに迅速かつ確実な選択性をもって挿入しうるような優れた操作性が要求される。
このようなカテーテルチューブの操作性について詳しく述べると、血管内等を挿入、引き出しなど、術者の操作が基部から先端部に確実に伝達されるための位置調整性や、内部に薬液等を流通させる際の耐圧性が必要とされる。また、カテーテルチューブの基部で加えられた回転力が確実に伝達されるためのトルク伝達性、血管内を前進させるために施術者の押し込み力が基端側から先端側に確実に伝達されうる押し込み性も必要となる。さらに複雑な形状に曲がった血管等を先行するガイドワイヤーに沿って円滑かつ血管内壁等を損傷することなく挿入、引き出しが行えるよう、カテーテルチューブの内面が滑性を呈するガイドワイヤー追随性とカテーテル外面の血液や組織に対する親和性が必要となる。加えて、目的とする位置までカテーテルチューブ先端が到達し、ガイドワイヤーを引き抜いた状態でも、血管の湾曲部、屈曲部でカテーテルチューブに折れ曲がりが生じない耐キンク性と、血管形状に応じた形状を保つ先端部の柔軟性が必要となる。
このような要求に応じた特性を付与するために一般的には、基部が比較的剛直で、先端部にかけて次第に柔軟性を有する構造、構成とするのがよいことが知られている。
上述のような特性のカテーテルチューブを得るために、内層管に補強材層として線条体をコイル状に巻き付けたり、編組を施した上で、外層を被覆してカテーテルチューブを構成する方法が知られている。
内層管に補強材層として線条体をコイル状に巻き付けるものとして、特許文献1では可撓性を有する内管および外管が補強材層を介して接合された部分を有するカテーテル本体を有し、前記補強材層は、線条体を格子状に形成したものであり、前記カテーテル本体の軸方向に沿って、前記線条体のカテーテル本体の軸に対する傾斜角度が連続的または段階的に変化するか、あるいは前記線条体の格子点のカテーテル本体軸方向の間隔が連続的または段階的に変化することによって曲げ剛性が大なる領域と曲げ剛性が小なる領域を形成するカテーテルチューブが開示されている。
しかしながら、このカテーテルチューブでは剛性の高い基部と柔軟性が高い先端部を形成することはできるが、その剛性と柔軟性の傾斜制御の自由度が低く、さらにこの柔軟性の傾斜を発現させるには比較的大きな内外径を有するカテーテルチューブとする必要性があり、カテーテルチューブ壁厚を薄くしようとした際に耐キンク性に劣る。さらに多様なアクセス経路に応じてカテーテルチューブの調子を設定するという思想はない。
また、内層管に補強材層として線条体をコイル状に巻き付けるものとして、特許文献2のように、近位端、遠位端、およびこれら端部間を伸びる内腔を規定する通路を有する細長い管状部材を備えたカテーテルチューブであって、該細長い管状部材は、第1のカバー材料を有する外部管状カバーと同軸関係にある第1のライナー材料よりなる内部管状ライナーと、1つの回りを有し、該内部管状ライナーの外側にらせん状および同軸状に巻かれ、該外部管状カバーによって覆われる少なくとも1つの第1のリボン補強材とを備えるカテーテルチューブが開示されている。
しかしながら、この構成でもその剛性と柔軟性の傾斜制御の自由度が低く、さらにその製造上、リボン補強材の弾性力により切断端が内部管状ライナーや外部管状カバーを突き破るなどの不具合が生じて生産性に劣る。さらに多様なアクセス経路に応じてカテーテルチューブの調子を設定するという思想はない。
さらに特許文献3では各々可撓性を有する略円筒状の内管と外管とを、内管が外管の内側となるように補強材層を介して固着してなる補強材層介在部を備える可撓性チューブであって、前記補強材層は、引張強さ500MPa〜2000MPaの一または複数本の平角線条体が網状に編組されてなりかつ該内管の軸線方向に対して各平角線条体の成す角度が該軸線方向に概ね沿って段階的にまたは連続的に変化するような補強材を有することを特徴とする可撓性チューブが開示されている。
しかしながらこのカテーテルチューブでも剛性の高い基部と柔軟性が高い先端部を形成することはできるが、その剛性と柔軟性の傾斜制御の自由度が低く、さらにこの柔軟性の傾斜を発現させるには比較的大きな内外径を有するカテーテルチューブとする必要性があり、カテーテルチューブ壁厚を薄くしようとした際に耐キンク性に劣る。さらに多様なアクセス経路に応じてカテーテルチューブの調子を設定するという思想はない。
加えて、特許文献4のように、可撓性を有する管状のカテーテル本体と、該カテーテル本体の壁内に埋設された、補強効果を有するコイルとを備えたカテーテルであって、前記カテーテル本体は、前記カテーテルの最も先端側に位置する第1領域と、該第1領域よりも基端側に位置する第2領域とを備えており、前記コイルは、前記第1領域から前記第2領域にわたって延在しており、前記第2領域では、前記コイルが全長にわたって相対的に大きい巻きピッチで巻かれており、前記第1領域では、前記コイルが全長にわたって隣接する巻回同士が隔たりをなす相対的に小さい巻きピッチで巻かれており、かつ、該コイルの巻きピッチは先端側に向かって徐々に小さくなっており、前記第2領域に比べて前記第1領域でのカテーテルの剛性が小さくなるように構成したことを特徴とするカテーテルチューブが開示されている。
しかしながら、このカテーテルチューブは剛性の高い基部と柔軟性が高い先端部を形成することは可能であり、曲げ剛性のバランスを保つことはできるが、多様なアクセス経路に応じてカテーテルチューブの調子を設定するという思想はない。
また、内層管に補強材層として線条体を編組するものとして、特許文献5では、金属芯線が挿入された熱可塑性樹脂からなるチューブ体の外周全体に亘って金属編組を連続的に被覆形成してトルク伝達部を連続的に形成した後、その外側から波長1.06μmのレーザー光を照射して上記編組の一部をその長さ方向に亘って間欠的に除去してそのチューブ体の長さ方向に亘って一定幅の挿入先端部を所定の間隔を隔てて複数形成し、その後、上記金属芯線を抜き取った後、上記各挿入先端部の端部で上記チューブ体を複数に分割して上記トルク伝達部の先端部に上記挿入先端部を連続的に形成するようにしたことを特徴とするカテーテルチューブの製造方法が開示されている。
しかしながら、波長1.06μmのレーザー光を照射して上記編組の一部をその長さ方向に亘って間欠的に除去する工程が非常に煩瑣なものとなる。さらにその後工程の金属芯線が挿入された熱可塑性樹脂からなるチューブ体の外周全体に亘って金属編組を連続的に被覆形成した後、このチューブ体を加熱軟化してその外面に上記編組をその厚さの1/2〜1/5程度食い込ませて固定化させてトルク伝達部を連続的に形成する際にも、チューブ体を加熱軟化して編組を食い込ませる際に金属編組の弾性力により、切断端が反ることによりチューブ表面に金属編組が飛び出すなどの不具合を生じ生産性に劣る。さらに剛性と柔軟性の傾斜制御も充分なものが得られない。さらに多様なアクセス経路に応じてカテーテルチューブの調子を設定するという思想はない。
特許3310031号 特許2672714号 特開2001−299922号公報 特開2001−218851号公報 特開2000−225194号公報
本発明は、優れた位置調整性、トルク伝達性、柔軟性、耐キンク性、耐圧性、押し込み性等を有する医療用カテーテルチューブを提供し、その製造方法を開示することにある。
特に本発明の医療用カテーテルチューブは、種々の患部に使用されるゆえ、その対象部位へのアクセス経路も多様であるがために、剛性と柔軟性の傾斜制御の高い調節自由度を有すると同時に、多様なアクセス経路に応じた調子の設定が可能な医療用カテーテルチューブを提供し、その製造方法を開示することにある。
本発明は、滑性を呈しかつ柔軟性を有する樹脂管からなる内層管、柔軟性を調整しさらに耐キンク性、トルク伝達性、押し込み性等を付与する線条体を内層管上に巻回してなる補強材層、および補強材層を覆い柔軟性を有する樹脂管からなる外層管が一体となった医療用カテーテルチューブであって、該カテーテルチューブが基部と先端部を有し、線条体を内層管上に螺旋状を以て基部から先端部にかけて巻回して補強層を形成し、該内層管先端部における線条体の巻回開始端部は該線条体を巻き覆うことによって、線条体を内層管に固定し、外層管は基部から先端部にかけてそれを形成する樹脂管が一段階以上のショアD硬度を有するものが配され、補強材層が存在しない先端部を有し、該補強材層と該外層管の存在により、基部から先端部にかけての曲げ剛性が段階的または連続的に小さくなるように構成したことを特徴とする医療用カテーテルチューブに関する。
また本発明の医療用カテーテルチューブは補強材層を形成する線条体の巻回が、その端部が素線自身により内層管に対して固定され、その巻回が等傾斜角度および/または等間隔、および/または連続的および/または段階的に傾斜角度および/または間隔が変化するものである。
また本発明の前記医療用カテーテルチューブは、基部から先端部にかけて、外層管を形成する樹脂管のショアD硬度の配列が段階的に小さくなるものである。
さらに本発明の医療用カテーテルチューブは前記補強材層を形成する素線の巻回と、前記基部から先端部にかけて外層管を形成する樹脂管のショアD硬度の配列が段階的に小さくなることによって、多様な調子が設定できることを特徴とする。
また、本発明の前記医療用カテーテルチューブの 先端部が、補強材層が存在せず内層管と外層管のみが接合された最先端部分と、該最先端部よりも基部寄りの位置に、内層管と外層管との間に存在しX線不透過性のマーカーを有するものである。
さらに、本発明の前記医療用カテーテルチューブは内層管と外層管とが補強材層を介して接合されていることに特徴がある。
本発明の前記医療用カテーテルチューブは内層管がその中を通るガイドワイヤー等に対して滑性を呈する樹脂からなるものである。
また、本発明の前記医療用カテーテルチューブの最先端部において、外層管の外径が変化しアール形状またはテーパー状に成形され、および/または内層管の内外径が変化するものである。
本発明の前記医療用カテーテルチューブは、外層管が親水性コーティングされてなるものである。
また、本発明の前記医療用カテーテルの製造方法であって、内層管の外周に補強材層を形成した後、外層管を被覆してカテーテルチューブを製造するに際し、補強材層の形成は、前記内層管の外周に線条体供給部から供給される線条体を螺旋状に巻回し、前記内層管と前記線条体供給部との相対移動速度および/または相対回転速度を変えること、および/または前記内層管と前記線条体供給部の相対移動方向を変化させることにより、カテーテルチューブの軸方向に沿って、前記線条体のカテーテルチューブ軸に対する傾斜角度と間隔を連続的および/または段階的に変化させることを特徴とする。
加えて、本発明の前記医療用カテーテルチューブの製造方法であって、内層管の外周に補強材層を形成した後、外層管を被覆してカテーテルチューブを製造するに際し、外層管はそれを形成する樹脂管のショアD硬度の配列が一段階以上となるように配置し、および該樹脂管のショアD硬度を多段階とする際には該ショアD硬度の配列が基部から先端部にかけて段階的に小さくなるように配置し、多様な調子が設定できることを特徴としている。
さらに、前記医療用カテーテルチューブの製造方法であって、内層管の外周に補強材層を形成した後、外層管を被覆してカテーテルチューブを製造するに際し、外層管はそれを形成する樹脂管のショアD硬度が一段階以上となるように配置し、および該樹脂管のショアD硬度を多段階とする際には該ショアD硬度が基部から先端部にかけて次第に小さくなるように配置し、その全体をシュリンクチューブで被覆、加熱し、内層管、補強材層、外層管を一体化せしめ、さらに最先端部をアール形状またはテーパー形状に成形された上で、該シュリンクチューブが冷却された後にこれを剥がして医療用カテーテルチューブを得る方法を特徴としている。
また、本発明の医療用カテーテルチューブの製造方法であって、内層管の外周に補強材層を形成した後、外層管を被覆してカテーテルチューブを製造するに際し、外層管はそれを形成する樹脂管のショアD硬度が一段階以上となるように配置し、および該樹脂管のショアD硬度を多段階とする際には該ショアD硬度が基部から先端部にかけて次第に小さくなるように配置し、電熱ヒーターおよび/または高周波誘導によって加熱される金型内を通過させて、内層管、補強材層、外層管を一体化せしめ、さらに最先端部をアール形状またはテーパー形状に成形して医療用カテーテルチューブを得る製造方法を特徴としている。
さらに、本発明の医療用カテーテルチューブの製造方法であって、内層管の外周に補強材層を形成した後、外層管を被覆してカテーテルチューブを製造するに際し、被覆押出成形により内層管の外周に補強材層を形成した構造体にショアD硬度が一段階以上となるように外層管を被覆押出して形成し、およびショアD硬度を多段階とする際には該ショアD硬度が基部から先端部にかけて次第に小さくなるように外層管を被覆押出して形成し、内層管、補強材層、外層管を一体化せしめ、さらに最先端をアール形状またはテーパー形状に成形して医療用カテーテルを得る製造方法を特徴としている。
上述した課題を解決するための手段によって、本発明は優れたガイドワイヤー追随性を伴う位置調整性、術者が回転力を与えた際のトルク伝達性、基部から先端部にかけて連続的な柔軟性の変化があり、剛性と柔軟性の高い調節自由度、多様なアクセス経路に応じた調子設定性、また複雑な屈曲が生じた際にも折れ曲がりが生じない耐キンク性、ガイドワイヤー追随性、生産性等を有する医療用カテーテルチューブを提供できる効果がある。
以下に本発明の医療用カテーテルチューブの最良の形態および製造方法を図面を使って説明する。これらの図は本発明の構成の特徴を模式的に示したものであり、各部分の長さや径に関しては、医療用カテーテルチューブとして好適に用いることができるものであれば、任意のものとなっている。
まず、図1のように金属芯線に被覆された内層管を準備する。また図1では便宜上、左側を基部とし、右側を先端部としている。
この内層管の構成材料として、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体等のフッ素系樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン系樹脂、ポリイミド等の樹脂、およびその混合物が挙げられるが、完成後の製品が内層管を通るガイドワイヤー等に対して優れた滑性を呈し、ガイドワイヤー追随性を伴う位置調整性を得る観点からは、ポリテトラフルオロエチレンまたはテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体で構成することが好ましい。
金属芯線に被覆された内層管は金属芯線に対して、充分な被着力を有していることが好ましい。さらに後の外層管を被覆する工程で、内層管と外層管との被着力を高める目的で、内層管表面に機械的な方法(軸方向とは直角な方向にサンドペーパーなどで内層管表面を擦るなどの手段)および/または化学的な方法(ナトリウムナフタリン+ジメチルエーテル等の薬剤の使用)、および/またはプラズマなどの電気的な方法でで凹凸を形成したり、表面改質したりしてもよい。
また、内層管の先端部はその外径が最先端部に向かうにしたがって次第に小さくなるよう、機械的、化学的な手段を以て加工してもよい。
ついで図2のように断面が円形の線条体を線条体端部を線条体自身で巻き覆うことにより固定し、内層管の基部から線条体がほどけないようにして巻回を開始する。このような内層管に対して線条体がほどけず、緩まないように巻回することによって、空回りやズレなどの不具合が生じず、線条体を内層管に対して強く巻回することができる。
さらに、図3のように先端部より基部にかけて線条体を巻回する。この巻回は等傾斜角度および/または等間隔、および/または連続的および/または段階的に傾斜角度および/または間隔が変化するものである。ここでの線条体の間隔はaで示し、線条体の傾斜角度はθで示されるものである。線条体の間隔aおよび線条体の傾斜角度θは、先端部に近いほどaが小さく、θは大きな角度をとることが好ましい。
この補強層を構成する線条体の構成材料としては十分な補強効果が得られる程度の剛性を有するものであればいかなるものでもよく、例えば、ステンレス鋼、銅、タングステン、白金(Pt)、金、Pt−Ir合金、Pt−W合金、Pt−Ni合金、ニッケル、チタン、ピアノ線、Ni−Ti合金、Ni−Ti−Co合金、Ni−Al合金、Cu−Zn合金、Cu−Zn−X合金(例えば、X=Be、Si、Sn、Al、Ga)のような超弾性合金、アモルファス合金等の各種金属材料や、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリメチレンテレフタレート(PPT)のようなポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレンのようなポリオレフィン、硬質ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリイミド、ポリスチレン、熱可塑性ポリウレタン、ポリカーボネート、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリアセタール(PA)、ポリアリレート、ポリオキシメチレン(POM)、高張力ポリビニルアルコール、フッ素樹脂、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン、エチレン−酢酸ビニルケン化物(EVOH)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンスルフィド、ケブラーに代表される芳香族ポリアラミドなど、これらのうちのいずれかを含むポリマーアロイ、カーボンファイバー、グラスファイバーが挙げられる。これらの材料のうち、加工性、経済性、毒性がないこと等の理由からは、ステンレス鋼が好ましい。
なお、線条体は、上記材料等による単繊維または繊維の集合体(例えば単繊維を縒ったもの)のいずれでもよい。また、線条体の太さは、その構成材料との関係で必要かつ十分な補強効果が得られる程度のものとされ、例えば上記金属材料による場合は、直径5〜50μm程度とするのが好ましい。なお、線条体は、単一で用いても、複数本を束ねた状態で用いてもよい。
ここで、十分な補強効果が得られる程度の剛性を有する線条体は、同時に弾性を有することがあるので、この終端は巻回がほどけるのを防止するためにアルミなどの塑性金属素線を巻回して固定した後に線条体を切断したり、シュリンクチューブを被覆後、加熱して収縮せしめ、固定した後に線条体を切断することが好ましい。
かかる補強層を形成するための線条体の巻回方法は、内層管の外周に線条体供給部から供給される線条体を螺旋状に巻回し、前記内層管と前記線状体供給部の相対的位置を左右に変化させること、前記内層管と前記線条体供給部との相対移動速度および/または相対回転速度を変えることにより、カテーテルチューブの軸方向に沿って、前記線条体のカテーテルチューブ軸に対する傾斜角度および/または間隔を連続的および/または段階的に変化させることによってなされる。
また、上記の線条体の巻回は、線条体の供給部を固定し金属芯金に被覆された内層管を回転させることによっても達成し得るし、逆に金属芯金に被覆された内層管を固定し線条体の供給部を回転させることによっても達成しうる。さらに、巻回を行う際、内層管に巻回された線条体のずれを防止する観点から、線条体と内層管の間には一定の張力が保持され続けることが好ましい。
続いて図4のようにX線不透過性のマーカーを配する。補強材層を形成する線条体が既にX線不透過性を有する場合は、その先端部分をX線不透過性のマーカーとすることができる。また、補強材層とは別にX線不透過性のマーカーを設置する際には、位置としては補強材層に接して、その材質と形状、手段については、白金(Pt)、Pt−Ir合金、Pt−W合金、Pt−Ni合金、金、銀などの素線を巻き付けたり、白金(Pt)、金、Pt−Ir合金、Pt−W合金、Pt−Ni合金、銀などの管を配置したり、白金(Pt)、Pt−Ir合金、Pt−W合金、Pt−Ni合金、金、銀などの板を円筒形にして配置したり、硫酸バリウム、酸化ビスマス、次炭酸ビスマス、タングステン酸ビスマス、ビスマス−オキシクロライド等の粉体を混練した樹脂チューブを配置してもよい。
次いで補強材層を形成する線条体がX線不透過性を有しないものを使用する場合には、図5のようにX線不透過性のマーカーを固定するために、これをかしめるか、および/または前記内層管と接着するか、前記補強材層と接着、溶着、溶接するか、および/またはX線不透過性のマーカーに接してアルミなどの塑性金属素線(丸線または角線)を巻回して固定し構造体を形成することが好ましい。
さらに図6のように外層管を基部から先端部にかけてそれを形成する樹脂管が一段階以上のショアD硬度の有するものを配置する。図6では四種類のショアD硬度を有するものを密接させて配置した状態を示したが、基部から先端部にかけて徐々にショアD硬度が低くなるように配置する必要がある。ショアD硬度は20〜80程度であるものが好適に用いられる。一種類のショアD硬度を有する外層管のみを配置する際には、前記一種類のショアD硬度を有する外層管を複数本に分割して密接させて配置してもよい。
このように前記補強材の巻回の長さと間隔、傾斜角度と、ショアDの異なる樹脂管の配置とその長さの設定とが相まって、剛性と柔軟性の傾斜制御の高い調節自由度、多様なアクセス経路に応じた調子設定性が発揮される。ここでいう調子とは図7のように先端部の高い柔軟性を有する領域の位置が異なっていることである。この図7において直線部分は先端部に比較して剛性は高いが柔軟性も同時に確保されていることを示している。多様な調子を設定できることによって、図7において、1号調に近いほど先端部の状況をダイレクトに感度よく伝えると同時にトルクの伝達能が高く、5号調に近いほど複雑な経路への侵入、深奥部への到達が行いやすくなるなどの使用上の事項に加え、多様な患部に対して施術者の手術方法の意図が反映され、かつ選択できるといった利点がある。
外層管を形成する樹脂管の材質としてはポリアミドエラストマー、ポリエステルエラストマー、ポリウレタンエラストマー、ポリスチレンエラストマー、フッ素系エラストマー、シリコーンゴム、ラテックスゴム等の各種エラストマー、またはこれらのうちの2以上を組み合わせたものが使用可能である。
ここで、ポリアミドエラストマーとは、例えば、ナイロン6、ナイロン64、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン46、ナイロン9、ナイロン11、ナイロン12、N−アルコキシメチル変性ナイロン、ヘキサメチレンジアミン−イソフタル酸縮重合体、メタキシロイルジアミン−アジピン酸縮重合体のような各種脂肪族または芳香族ポリアミドをハードセグメントとし、ポリエステル、ポリエーテル等のポリマーをソフトセグメントとするブロック共重合体が代表的であり、その他、前記ポリアミドと柔軟性に富む樹脂とのポリマーアロイ(ポリマーブレンド、グラフト重合、ランダム重合等)や、前記ポリアミドを可塑剤等で軟質化したもの、さらには、これらの混合物をも含む概念である。
また、ポリエステルエラストマーとは、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の飽和ポリエステルと、ポリエーテルまたはポリエステルとのブロック共重合体が代表的であり、その他、これらのポリマーアロイや前記飽和ポリエステルを可塑剤等で軟質化したもの、さらには、これらの混合物をも含む概念である。
好適に用いられる材料としては、その加工性、柔軟性の観点からポリアミドエラストマーが好ましく、例えばelf atochem社製のPEBAXなどがその代表として挙げられる。
続いて、外層管の内周面が内層管の外周面、および補強層を形成する線条体、加えて隣接しショアD硬度の異なる外層管同士を密着接合し、一体化させる方法としては、たとえば次のものが挙げられる。図8のように構成体全体を、加熱することによりその径が縮小する性質を有するシュリンクチューブで覆い、ヒーターで加熱融着させるか、および/または高周波電磁波を加えて加熱融着、一体化する方法が好適に用いうる方法である。これにより内層管、補強材層、外層管が相互に密着一体化し、さらに軟質の外層管最先端部が樹脂の軟化とシュリンクチューブの収縮によりアール状に賦形される。また、この賦形により後述の金属芯金引き抜き時に内層管の内外径が小さくなる場合もある。
この外層管形成に際しては図6のように外層管を基部から先端部にかけてそれを形成する樹脂管が一段階以上のショアD硬度の有するものを配置し、および該樹脂管のショアD硬度を多段階とする際には該ショアD硬度が基部から先端部にかけて次第に小さくなるように配置した上で、その全体を電熱ヒーターおよび/または高周波誘導により加熱できる金型内を通過させることにより、内層管、補強材層、外層管を一体化せしめる方法をとることができる(図示せず)。
また、図5の状態にある構造体にショアD硬度が一段階以上となるように外層管を被覆押出し、およびショアD硬度を多段階とする際には該ショアD硬度が基部から先端部にかけて次第に小さくなるように外層管を被覆押出して形成し、内層管、補強材層、外層管を一体化せしめる方法を採ることもできる(図示せず)。この際、多段階、たとえば3段階のショアD硬度の樹脂を被覆する際には、一つの押出金型に3台の押出機をつなぎ、目標外径になるように制御しながら、順次この3台の押出機を運転・停止させて外層管を形成することができる。また、弁機構を有する金型に3台の押出機をつなぎ、連続的に押出をしながら、順次ショアD硬度の異なる樹脂を押出流路内に導入・排出を切り替えながら被覆して外層管を形成することもできる。このように被覆押出を行う際には、図5の状態にある構造体の金属芯金部分を多数本、直列に溶接などの方法で連結してもよい。
さらに外層管最先端部をテーパー形状またはテーパー状に成形に形成する必要があるときには図9のように内面がポリテトラフルオロエチレンに代表される非着性コーティングで被覆され、ヒーターで加熱できるような金型を用意し、図10のように該金型内に外層管最先端部を挿入して、その形状をテーパー形状とすることができる。図9、10では図8のシュリンクチューブが被覆された状態での成形となっているが、上述した内層管、補強材層、外層管を電熱ヒータおよび/または高周波誘導により加熱できる金型内を通過させて一体化せしめたもの、または図5の状態にある構造体にショアD硬度が一段階以上となるように外層管を被覆押出し、およびショアD硬度を多段階とする際には該ショアD硬度が基部から先端部にかけて次第に小さくなるように外層管を被覆押出して形成し、内層管、補強材層、外層管を一体化せしめたものの外層管最先端部を図9のような金型を用いてテーパー形状またはテーパー状に成形に賦形することも可能である。
次いで図11のようにシュリンクチューブを剥がし、図12のように金属芯金を引き抜くとカテーテルチューブが得られる。ここで基部端はその整形のために高速回転する円盤状のダイヤモンドカッターなどの手段で内層、補強層、外層を切断し、基部端断面を単一平面に仕上げることができる(図示しない)。
さらにここでは図示しないがカテーテルチューブ表面を親水性(または水溶性)高分子物質で覆われていることが好ましい。これにより、カテーテルチューブの外表面が血液または生理食塩水等に接触したときに、摩擦係数が減少して潤滑性が付与され、カテーテルチューブの摺動性が一段と向上し、その結果、押し込み性、追随性、耐キンク性および安全性が一段と高まる。親水性高分子物質としては、たとえば以下のような天然または合成の高分子物質、あるいはその誘導体が挙げられる。特に、セルロース系高分子物質(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース)、ポリエチレンオキサイド系高分子物質(ポリエチレングリコール)、無水マレイン酸系高分子物質(例えば、メチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体のような無水マレイン酸共重合体)、アクリルアミド系高分子物質(例えば、ポリアクリルアミド)、水溶性ナイロンは、低い摩擦係数が安定的に得られるので好ましい。
加えてここでは図示しないが、基部端に適切な形状のハブを取り付けて、目的とする最良の形態の医療用カテーテルチューブが得られる。
なお、その使用に際しては上述のまま使用してもよいし、必要があるならば、予め医療用カテーテルチューブの一部をヒーターなどで加熱し、湾曲部を形成しておくこともできる。
以下、本発明の医療用カテーテルチューブの具体例について説明する。
(実施例1)
図1〜8、11、12にに示したように、医療用カテーテルチューブを製造した。なお補強材層の製造は巻回機を用いて作成した。外層管はシュリンクチューブを用いて一体化させた。
カテーテルチューブ全体長:カテーテル先端部より1000mm。
内層管と外層管のみからなる部分:先端より0mm〜1mm、領域長さ1.0mm
マーカー部分:先端より1mm〜2mm、領域長さ1.0mm
補強材の直径:13μm、補強材の材質:SUS304製
補強材の巻回ピッチと長さ:
先端より2mm〜4mm:巻きピッチ100μm、領域長さ2mm
先端より4mm〜6mm:巻きピッチ120μm、領域長さ2mm
先端より6mm〜8mm:巻きピッチ150μm、領域長さ2mm
先端より8mm〜10mm:巻きピッチ180μm、領域長さ2mm
先端より10mm〜60mm:巻きピッチ200μm、領域長さ50mm
先端より60mm〜120mm:巻きピッチ220μm、領域長さ60mm
先端より120mm〜180mm:巻きピッチ250μm、領域長さ60mm
先端より180mm〜300mm:巻きピッチ300μm、領域長さ120mm
先端より300mm〜1000mm:巻きピッチ350μm、領域長さ700mm
内層管の内直径:0.42mm
内層管の外直径:0.47mm
内層管を構成する材料:ポリテトラフルオロエチレン
カテーテルチューブ完成後の外層管外直径:0.57mm
外層管を構成する材料と長さ
先端部0〜100mmの領域:elf atochem社製Pebax2533(ショアD硬度25D)
基端部より100mm〜300mmの領域:elf atochem社製Pebax4033(ショアD硬度40D)
基端部より300mm〜1000mmの領域:elf atochem社製Pebax6333(ショアD硬度63D)
このように構成したカテーテルチューブの基端部にハブを取り付けて、先端部より5mmの位置から直径3mmの金属棒に5回巻き付けて固定し、基端部にハブを取り付けそのカテーテルチューブ全体を37℃の体温付近に設定した恒温下の温水中に没し、ハブより注射器を用いて食紅で染色した生理食塩水を0.2cc/minの速度で注入した。
この結果、生理食塩水は連続的に安定して先端部より放出されて、温水中から取り出した際にも5回巻き付け部分にはキンクが生じていないことが確認された。
(実施例2)
図1〜8、11、12にに示したように、医療用カテーテルチューブを製造した。なお補強材層の製造は巻回機を用いて作成した。外層管はシュリンクチューブを用いて一体化させた。
カテーテルチューブ全体長:カテーテル先端部より1300mm。
内層管と外層管のみからなる部分:先端より0mm〜1mm、領域長さ1.0mm
マーカー部分:先端より1mm〜2mm、領域長さ1.0mm
補強材の直径:13μm、補強材の材質:SUS304製
補強材の巻回ピッチと長さ:
先端より2mm〜4mm:巻きピッチ90μm、領域長さ2mm
先端より4mm〜6mm:巻きピッチ100μm、領域長さ2mm
先端より6mm〜8mm:巻きピッチ120μm、領域長さ2mm
先端より8mm〜10mm:巻きピッチ150μm、領域長さ2mm
先端より10mm〜60mm:巻きピッチ180μm、領域長さ50mm
先端より60mm〜120mm:巻きピッチ200μm、領域長さ60mm
先端より120mm〜180mm:巻きピッチ250μm、領域長さ60mm
先端より180mm〜300mm:巻きピッチ300μm、領域長さ120mm
先端より300mm〜1300mm:巻きピッチ350μm、領域長さ700mm
内層管の内直径:0.45mm
内層管の外直径:0.49mm
内層管を構成する材料:ポリテトラフルオロエチレン
カテーテルチューブ完成後の外層管外直径:0.59mm
外層管を構成する材料と長さ
先端部0〜100mmの領域:elf atochem社製Pebax2533(ショアD硬度25D)
基端部より100mm〜300mmの領域:elf atochem社製Pebax4033(ショアD硬度40D)
基端部より300mm〜1300mmの領域:elf atochem社製Pebax6333(ショアD硬度63D)
このように構成したカテーテルチューブの基端部にハブを取り付けて、先端部より5mmの位置から直径3mmの金属棒に5回巻き付けて固定し、基端部にハブを取り付けそのカテーテルチューブ全体を37℃の体温付近に設定した恒温下の温水中に没し、ハブより注射器を用いて食紅で染色した生理食塩水を0.2cc/minの速度で注入した。
この結果、生理食塩水は連続的に安定して先端部より放出されて、温水中から取り出した際にも5回巻き付け部分にはキンクが生じていないことが確認された。
(比較例1)
実施例1で内層管、外層管の構成は変えずに線条体の巻回による補強材層を設けないチューブを作成した。
このカテーテルチューブの基端部にハブを取り付けて、先端部より5mmの位置から直径3mmの金属棒に5回巻き付けて固定し、基端部にハブを取り付けそのカテーテルチューブ全体を37℃の体温付近に設定した恒温下の温水中に没し、ハブより注射器を用いて食紅で染色した生理食塩水を0.2cc/minの速度で注入した。
この結果、生理食塩水は断続的に不安定にしか先端部より放出されず、温水中から取り出した際にも5回巻き付け部分にはキンクが生じいることが確認された。
(比較例2)
実施例2で内層管、外層管の構成は変えずに線条体の巻回による補強材層を設けないチューブを作成した。
このカテーテルチューブの基端部にハブを取り付けて、先端部より5mmの位置から直径5mmの金属棒に5回巻き付けて固定し、基端部にハブを取り付けそのカテーテルチューブ全体を37℃の体温付近に設定した恒温下の温水中に没し、ハブより注射器を用いて食紅で染色した生理食塩水を0.8cc/minの速度で注入した。
この結果、生理食塩水は断続的に不安定にしか先端部より放出されず、温水中から取り出した際にも5回巻き付け部分にはキンクが生じいることが確認された。
金属芯金に被覆されたPTFEチューブの模式図 内層管の先端部から線条体の巻回を開始する際の模式図 線条体を基部まで巻回した際の模式図 補強材層に接してX線不透過性のマーカーを配置したことを示す模式図 X線不透過性のマーカーを固定するために、これをかしめるか、あるいは/さらに、X線不透過性のマーカーに接してアルミなどの塑性金属素線を巻回して固定することを示す模式図 外層管を基部から先端部にかけてそれを形成する樹脂管が一段階以上のショアD硬度の有するものを配置することを示す模式図。 本発明の医療用カテーテルチューブの調子の概念図 加熱することによりその径が縮小する性質を有するシュリンクチューブで覆い、その構成体全体を、加熱融着させるか、あるいは/かつ高周波電磁波を加えて加熱融着することを示す模式図。 最先端部賦形金型と医療用チューブの最先端部 賦形金型によってテーパー形状に成形される医療用チューブの最先端部 シュリンクチューブを剥がし、構造体が一体化され、最先端部がアール形状に整形されていることを示す模式図。 金属芯金を引き抜き、目的とするカテーテルチューブが完成したことを示す模式図。
符号の説明
a 線条体の間隔
θ 線条体の傾斜角度
1 X線不透過性のマーカー
2 X線不透過性のマーカーを固定するためのアルミなどの塑性金属素線の巻回部
3 構成する外層管のうち最高ショアD硬度を有する外層樹脂管
4 構成する外層管のうち高ショアD硬度を有する外層樹脂管
5 構成する外層管のうち低ショアD硬度を有する外層樹脂管
6 構成する外層管のうち最低ショアD硬度を有する外層樹脂管

Claims (14)

  1. 滑性を呈しかつ柔軟性を有する樹脂管からなる内層管、柔軟性を調整しさらに耐キンク性、トルク伝達性、押し込み性等を付与する線条体を内層管上に巻回してなる補強材層、および補強材層を覆い柔軟性を有する樹脂管からなる外層管が一体となった医療用カテーテルチューブであって、
    該カテーテルチューブが基部と先端部を有し、
    線条体を内層管上に螺旋状を以て基部から先端部にかけて巻回して補強層を形成し、
    該内層管先端部における線条体の巻回開始端部は該線条体を巻き覆うことによって、線条体を内層管に固定し、
    外層管は基部から先端部にかけてそれを形成する樹脂管が一段階以上のショアD硬度を有するものが配され、
    補強材層が存在しない先端部を有し、
    該補強材層と該外層管の存在により、基部から先端部にかけての曲げ剛性が段階的または連続的に小さくなるように構成したことを特徴とする
    医療用カテーテルチューブ。
  2. 補強材層を形成する線条体の巻回が、その端部が素線自身により内層管に対して固定され、その巻回が等傾斜角度および/または等間隔、および/または連続的および/または段階的に傾斜角度および/または間隔が変化するものである請求項1の医療用カテーテルチューブ。
  3. 基部から先端部にかけて、外層管を形成する樹脂管のショアD硬度の配列が段階的に小さくなる請求項1、2記載の医療用カテーテルチューブ。
  4. 前記補強材層を形成する素線の巻回と、前記基部から先端部にかけて外層管を形成する樹脂管のショアD硬度の配列が段階的に小さくなることによって、多様な調子が設定できることを特徴とする請求項1、2、3記載の医療用カテーテルチューブ。
  5. 先端部が、補強材層が存在せず内層管と外層管のみが接合された最先端部分と、該最先端部よりも基部寄りの位置に、内層管と外層管との間に存在しX線不透過性のマーカーを有する請求項1、2、3、4記載の医療用カテーテルチューブ。
  6. 内層管と外層管とが補強材層を介して接合されている請求項1、2、3、4、5記載の医療用カテーテルチューブ。
  7. 内層管がその中を通るガイドワイヤー等に対して滑性を呈する樹脂からなる請求項1、2、3、4、5、6記載の医療用カテーテルチューブ。
  8. 最先端部において、外層管の外径が変化しアール形状またはテーパー状に成形され、および/または内層管の内外径が変化する請求項1、2、3、4、5、6、7記載の医療用カテーテルチューブ。
  9. 外層管が親水性コーティングされてなる請求項1、2、3、4、5、6、7、8記載の医療用カテーテルチューブ。
  10. 請求項1〜9に記載のカテーテルチューブの製造方法であって、内層管の外周に補強材層を形成した後、外層管を被覆してカテーテルチューブを製造するに際し、補強材層の形成は、前記内層管の外周に線条体供給部から供給される線条体を螺旋状に巻回し、前記内層管と前記線条体供給部との相対移動速度および/または相対回転速度を変えること、および/または前記内層管と前記線条体供給部の相対移動方向を変化させることにより、カテーテルチューブの軸方向に沿って、前記線条体のカテーテルチューブ軸に対する傾斜角度と間隔を連続的および/または段階的に変化させることを特徴とする医療用カテーテルチューブの製造方法。
  11. 請求項1〜9に記載のカテーテルチューブの製造方法であって、内層管の外周に補強材層を形成した後、外層管を被覆してカテーテルチューブを製造するに際し、外層管はそれを形成する樹脂管のショアD硬度の配列が一段階以上となるように配置し、および該樹脂管のショアD硬度を多段階とする際には該ショアD硬度の配列が基部から先端部にかけて段階的に小さくなるように配置し、多様な調子が設定できることを特徴とする医療用カテーテルチューブの製造方法。
  12. 請求項1〜9に記載のカテーテルチューブの製造方法であって、内層管の外周に補強材層を形成した後、外層管を被覆してカテーテルチューブを製造するに際し、外層管はそれを形成する樹脂管のショアD硬度が一段階以上となるように配置し、および該樹脂管のショアD硬度を多段階とする際には該ショアD硬度が基部から先端部にかけて次第に小さくなるように配置し、その全体をシュリンクチューブで被覆、加熱し、内層管、補強材層、外層管を一体化せしめ、さらに最先端部をアール形状またはテーパー形状に成形された上で、該シュリンクチューブが冷却された後にこれを剥がして医療用カテーテルチューブを得る製造方法。
  13. 請求項1〜9に記載のカテーテルチューブの製造方法であって、内層管の外周に補強材層を形成した後、外層管を被覆してカテーテルチューブを製造するに際し、外層管はそれを形成する樹脂管のショアD硬度が一段階以上となるように配置し、および該樹脂管のショアD硬度を多段階とする際には該ショアD硬度が基部から先端部にかけて次第に小さくなるように配置し、電熱ヒーターおよび/または高周波誘導によって加熱される金型内を通過させて、内層管、補強材層、外層管を一体化せしめ、さらに最先端部をアール形状またはテーパー形状に成形して医療用カテーテルチューブを得る製造方法。
  14. 請求項1〜9に記載のカテーテルチューブの製造方法であって、内層管の外周に補強材層を形成した後、外層管を被覆してカテーテルチューブを製造するに際し、被覆押出成形により内層管の外周に補強材層を形成した構造体にショアD硬度が一段階以上となるように外層管を被覆押出して形成し、およびショアD硬度を多段階とする際には該ショアD硬度が基部から先端部にかけて次第に小さくなるように外層管を被覆押出して形成し、内層管、補強材層、外層管を一体化せしめ、さらに最先端をアール形状またはテーパー形状に成形して医療用カテーテルを得る製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011010787A (ja) * 2009-07-01 2011-01-20 Kaneka Corp カテーテル
CN109999317A (zh) * 2019-05-21 2019-07-12 心凯诺医疗科技(上海)有限公司 一种可调节硬度的导管及介入装置
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