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JP2006085920A - 有機el背面キャップ - Google Patents

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JP2006085920A
JP2006085920A JP2004266541A JP2004266541A JP2006085920A JP 2006085920 A JP2006085920 A JP 2006085920A JP 2004266541 A JP2004266541 A JP 2004266541A JP 2004266541 A JP2004266541 A JP 2004266541A JP 2006085920 A JP2006085920 A JP 2006085920A
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Yukiteru Inada
幸輝 稲田
Hiroki Kobayashi
浩樹 小林
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Nippon Steel Corp
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Abstract

【課題】 従来の液晶表示装置よりも薄型化するのに適した有機エレクトロルミネッセンス表示装置用の薄型背面キャップを提供する。
【解決手段】 10〜100μmの厚さのプレス加工性に優れたステンレス箔を一段の凸型断面形状になるようにプレス成形したものを用いてなることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス表示装置用の薄型背面キャップ。
【選択図】 図1

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス(以下、単に有機ELとも称する。)表示装置用の薄型の背面キャップおよびこれを用いてなる有機エレクトロルミネッセンス表示装置(以下、有機ELDとも称する。)に関するものである。
有機ELDは、自己発光の素子であるため、液晶表示装置(LCD)のようにバックライトを必要とせず、発光に必要な電圧が10V程度と低く、低消費電力で高輝度、薄型化が可能であり、さらに応答時間が数μ秒と短く動画の再生に向いている、視野角の制限もなく170度以上と広く、どの角度からも鮮やかな映像を楽しむことができるといった特徴を有する。また、プラズマディスプレイパネル(PDP)のような真空構造も不要で、軽量化、薄型化に適していると言われている。
しかしながら、図3に示すように、水分に弱い有機EL素子32を湿気から守る乾燥剤35を収納できるように、有機ELD31の形状は、背面キャップ34に2段凸型断面形状(かかる断面形状は、背面を図面の上側とし、前面を図面の下側とした場合に凸型となる。本明細書中では、同様の視点で断面形状をいうものとする。)のステンレス鋼板製のメタル缶を用いているため、決してスマートとは言い難いものであった(例えば、特許文献1、非特許文献1参照。)。そのため、2段凸型断面形状の背面キャップ34では、有機ELD31の全高は、前面のガラス基板33の厚さにもよるが、通常2〜2.5mmを要するものであり、有機ELD31の薄型化を阻害する原因になっている。これは、例えば、携帯電話、PDA、携帯ゲーム機などの携帯機器や、薄型で壁掛け用に適した大型テレビやフラットディスプレイパネル(FDP)などの機器等に用いられている従来のLCDやPDPよりも厚くなる(壁掛け用の大型テレビやFDP等では、さらに重くもなる)ため、機器全体の厚さや画面のインチサイズを制約することにもつながるという問題があった。なお、図中の符号38は背面キャップ34と前面のガラス基板33との接合部である接着剤層を表わす。
そこで、背面キャップの薄型化を図るべく、SUS製メタル缶に代えて、前面のガラス基板と同じ材質のガラス基板を用いたガラス板製の背面キャップを用いた有機ELDが提案されている(例えば、特許文献2、上記非特許文献1参照。)。
図4に示すように、かかる有機ELD41では、背面キャップ44の中央部に掘り込み部分を形成した中空構造のガラス板を用い、該掘り込み部分に乾燥剤45を設置する構造としている。かかる有機ELD41の全高は、前面のガラス基板43の厚さにもよるが、通常1.4mm程度にまで薄型化できる。そのため、従来のLCDと略同等の厚さにすることができる。なお、図4(a)は、2段掘り込みタイプのガラス板製の背面キャップを用いた有機ELDの断面概略図であり、図4(b)は2段掘り込みタイプのガラス板製の背面キャップを用いた有機ELDの断面概略図である。図中の符号48は、背面キャップ44と前面のガラス基板43との接合部である接着剤層を表わし、符号42は、前面のガラス基板43上に設けられた有機EL素子を表わす。
しかしながら、バックライトが不要なため、LCDよりも薄型化が可能であるとする、装置構成上の利点を生かしきれていないものであった。さらに、ガラス板製の背面キャップでは、その製造上、高コストとなる問題があった。すなわち、ガラス板に掘り込み部を形成し、背面キャップを作製する方法としては、サンドブラスト法、ウェットエッチング法、加工成形法がある。ウェットエッチング法では、その製造工程数が多く、複雑で製造時間も長く要するため、生産効率が悪く、生産コストもかかるほか、比較的高濃度のフッ酸などの化学薬品を用いるために安全性および環境破壊等の問題がある。また、サイドエッチングが生じる問題もあり、メタル膜を成膜してからレジストをフォトリソしメタル膜をエッチングするという余分な工程が必要となるため、メタル膜成膜、エッチングコストが上乗せされるため、より一層、高コストになるという問題があった。サンドブラスト法でも、その製造工程数が多く、複雑で製造時間も長く要するため、生産効率が悪く、生産コストもかかるほか、乾燥剤充填部を確保する必要上、0.5mm程度をブラストするためマスキングの役割を果たすDFR(ドライフィルムフォトレジスト)の耐ブラストが極めて高い必要があり、厚さ50μm以上のDFRを使用する必要があるため、材料コストがかさみ製品コストも上昇するという問題があった。加工成形法は、製造工数は短くてよい反面、ガラス板を連続炉で再加熱し、軟化点(720〜830℃)前後で、セラミックス製の金型を用いてプレスし、1時間程度保持して加工する必要があり、耐熱性および寸法精度に優れた特殊でセラミックス金型が必要であり、極めて高価であり、一般に販売されておらず、簡単に入手するのが困難であるなどその実施が制限されるおそれがある。また炉長数十メートルの連続炉も必要であるなど、製造設備が高価で多大な投資が必要となり、連続炉を長持間運転するためのランニングコストも掛かるなど製品コストの上昇を招くものであった。
さらに、ガラス板製の背面キャップでは、乾燥剤を内設するために設ける掘り込み部分のガラス板の肉厚は、0.7mmのガラス板で0.5mm掘り込むことで0.2mm程度であり、これが略限界である。さらに薄型化することは可能であるが、強度的に弱くなり衝撃などにより破損を招き易くなる。特に携帯電話などの携帯機器では、鞄や胸ポケットなどに入れて持ち運ぶことが一般的であり、持ち運ぶ際や取り出す際に落としたり、硬いものにぶつけたりすることもある。こうした際の衝撃等によりガラス板製の背面キャップが破損した場合には該破損部分からの水分(湿気)の浸入を防止することができず、接着剤層からの水分浸透を予定して設けられている乾燥剤だけでは、すぐに水分吸着能力を超えることになり、有機EL素子を急速に劣化させるという重大な問題(欠点)があった。
従って、現在までに開発されている有機ELDでは、背面キャップの構造上の制約から、バックライトを必要としないという特徴を生かしきれておらず、LCDよりも薄型化することができていないのが現状であり、より一層の薄型化が強く嘱望されている。特に、有機ELDを採用した最初の量産化製品となる携帯電話においては、現在、折り畳み式のものが、持ち運ぶ際や取り出す際に表示パネルが傷付き難いという特徴があるため、広く普及してきている。かかる折り畳み式携帯電話では、折り畳み時の厚さがストレートタイプの場合に比して2倍近く厚くなる。そのため、有機ELDの採用により従来のLCDよりも薄型化することがより強く嘱望されている。
また、SUS製やガラス板製の背面キャップを用いた有機ELDでは、有機EL素子と背面キャップとの間に中空(空間)部分がある。そのため使用時の発光現象等に伴い発生する熱に対する放熱性が悪くなる。さらにガラス板製の背面キャップでは、放熱性がSUS製のものに比べて低いため、より内部に熱がこもり易い。そのため、外部環境により外気温が低下しても内部温度が高いままとなるため、内外温度差が大きくなり接着剤層にストレスがかかるため、剥がれや歪を生じ易くなる問題もあった。従って、携帯機器の軽量・薄型化、生産性、コスト面からは未だ十分な有機ELD用薄型背面キャップとは言えず、さらなる改善が求められている。
特開2002−56969号公報 Semiconductor FPD World 2002.4,p100−103 特開2001−185349号公報
そこで、本発明の目的は、従来のLCDよりも薄型化するのに適した有機ELD用背面キャップおよびこれを用いた有機ELDを提供するものである。
また、本発明は、上記目的に加え、接着剤との密着性に優れてなる新規な有機ELD用薄型背面キャップおよびこれを用いた有機ELDを提供するものである。
さらに、本発明は、上記諸目的に加え、プレス成形性(生産性)に優れ、工業的に大量かつ安価に生産し得る新規な有機ELD用薄型背面キャップおよびこれを用いた有機ELDを提供するものである。
本発明者らは、上記目的を達成すべく、新規な有機ELD用薄型背面キャップおよびこれを用いた有機ELDにつき、鋭意検討した結果、薄く軽量化に適しており、なおかつ衝撃などに対する機械的強度に優れるステンレス箔を、複雑な加工処理を施すことなく、前面ガラス基板上の有機EL素子と、乾燥剤シートと、接着剤層との合計厚さに相当する200〜300μm程度の深さになるように一度に大量にプレス成形することができ、従来のSUS製メタル缶や掘り込みガラス板のように凸型形状にして中空構造を設けることなく、前面ガラス基板上の有機EL素子と、乾燥剤シートと、背面キャップが積層された構造とし得ることを知得し、これにより有機ELDの全高がSUS製メタル缶の半分以下で、既存のLCDやガラス製の有機ELDよりもさらに35%程度まで薄く小型化できることを見出し、かかる知見に基づき本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明の目的は、下記(1)〜(21)に記載の新規な有機ELD用薄型背面キャップおよびこれを用いた有機ELDにより達成されるものである。
(1) ステンレス箔を用いてなることを特徴とする有機ELD用薄型背面キャップ。
(2) 前記ステンレス箔の厚さが、10〜100μmの範囲であることを特徴とする上記(1)に記載の薄型背面キャップ。
(3) 前記ステンレス箔の材質が、オーステナイト系ステンレス鋼であって、圧延を行って得られたものであることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の薄型背面キャップ。
(4) 前記ステンレス箔の材質が、オーステナイト系ステンレス鋼であって、圧延後、さらに焼鈍を行って得られたものであることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の薄型背面キャップ。
(5) 前記ステンレス箔の引張強さが700N/mm以下および/またはビッカース硬さ(HV)が180以下であることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれか1つに記載の薄型背面キャップ。
(6) ステンレス箔全体での窒素元素の含有量が、0.06質量%以下であることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれか1つに記載の薄型背面キャップ。
(7) 前記ステンレス箔の表面に接着剤との密着性に優れた被膜を設けてなることを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれか1つに記載の薄型背面キャップ。
(8) 前記被膜が、SiOおよび/またはTiO被膜であることを特徴とする上記(7)に記載の薄型背面キャップ。
(9) 前記ステンレス箔の表面に放熱性のよい被膜を設けてなることを特徴とする上記(1)〜(8)のいずれか1つに記載の薄型背面キャップ。
(10) 前記ステンレス箔の表面に絶縁性被膜を設けてなることを特徴とする上記(1)〜(9)のいずれか1つに記載の薄型背面キャップ。
(11) 薄型背面キャップの内部に、乾燥剤が充填保持または乾燥剤シートが固着されてなることを特徴とする上記(1)〜(10)のいずれか1つに記載の薄型背面キャップ。
(12) 前記乾燥剤の充填保持部または乾燥剤シートの厚さが、0.10〜0.30mmの厚さであることを特徴とする上記(1)〜(11)のいずれか1つに記載の薄型背面キャップ。
(13) 外周縁部に接合部が設けられてなる略矩形形状のものであることを特徴とする上記(1)〜(12)のいずれか1つに記載の薄型背面キャップ。
(14) 断面形状が、一段の凸型形状であることを特徴とする上記(1)〜(13)のいずれか1つに記載の薄型背面キャップ。
(15) 外周縁部と中央部との段差が、乾燥剤充填部または乾燥剤シートの厚さ+0〜0.1mmの範囲であることを特徴とする上記(1)〜(14)のいずれか1つに記載の薄型背面キャップ。
(16) 上記(1)〜(15)のいずれか1つに記載の薄型背面キャップを用いてなることを特徴とする有機ELD。
(17) 有機EL素子が形成された透明基板と、
該透明基板に対向して配置され、外周縁部の接合部を介して該透明基板に接着されてなる前記薄型背面キャップと、を有することを特徴とする上記(16)に記載の有機ELD。
(18) 0.4〜1.0mmの厚さを有することを特徴とする上記(16)または(17)に記載の有機ELD。
(19) 薄型背面キャップと透明基板との接合部における接合が、紫外線硬化型エポキシ系接着剤または紫外線硬化型アクリル系接着剤によりなされてなることを特徴とする上記(16)〜(18)のいずれか1つに記載の有機ELD。
(20) 前記接合部における接着剤層の厚さが、1〜10μmであることを特徴とする上記(19)に記載の有機ELD。
(21) 有機エレクトロルミネッセンス上に保護膜および/または絶縁被覆層が設けられてなることを特徴とする上記(16)〜(20)のいずれか1つに記載の有機ELD。
本発明の有機ELD用薄型背面キャップおよびこれを用いてなる有機ELDは、有機ELD用薄型背面キャップの背面キャップに、ステンレス箔を採用することで、従来のSUS板製やガラス製を用いたものに比べて薄型、軽量化を図ることができる。そのため、有機ELDの採用が期待されている携帯電話などの小型携帯機器では、より一層の薄型軽量化を達成することができる。また、大型の壁掛けテレビでも、より一層の薄型軽量化によりその実現に大きく寄与し得るものである。また、本発明の有機ELDでは、液晶表示装置のように透明基板にプラスチック基板を採用することで、湾曲させたりすることも可能であるが、こうした曲面形状に対応したステンレス箔の背面キャップもプレス成形により容易に形成することができるため、ガラス板製の背面キャップでは到底なし得ない、薄型でかつ自由自在な形状の有機ELDを提供することもできる。
本発明の有機ELD用薄型背面キャップは、ステンレス箔を用いてなることを特徴とするものである。好ましくは5〜100μmの厚さのプレス加工性に優れたステンレス箔を一段の凸型断面形状になるようにプレス成形したものを用いてなることを特徴とする有機ELD用の薄型背面キャップである。これにより、従来のLCDよりも薄く小型軽量化できる点で有利である。またガラス板では解消し得ない耐衝撃性等に優れ、いくら薄くても衝撃などの外圧によりひび割れる心配もない。さらにプレス加工性に優れ、プレス成形により一度に数多く背面キャップを量産することができ、生産性に極めて優れており、低コスト化が可能である。加えて有機ELDの透明基板(前面基板)にプラスチック基板を用いることで曲面形状などにした場合にも、これに対応した形状をプレス加工により容易に形成することができるなど形状の自由度に優れるものである。また、プレスに用いる金型も、薄くて成形性に優れるステンレス箔を均一な深さにプレスするだけなので、凸型形状などに特殊な金型を必要とせず、構造もシンプルなため極めて安価に調達できる点でも有利である。また、従来の考え方では、従来のステンレス鋼板製のメタル缶や掘り込みガラス板のように中空構造による空間部分を設けておくことで、内部空間に透湿してきた水分等を該空間部分を通じて素早く乾燥剤に吸着させることができるとされていたが、むしろ放熱性の点からは該空間部分を有することは好ましくないことから、従来の考えに反して、有機素子上に余分な空間部分を形成することなく、例えば、プレス面の略全体に乾燥剤を有する背面キャップを接合することにより、放熱性を高めることができる。そして放熱性が改善されることで接着剤層の歪等を抑制できることから、プレス面に貼り付けた乾燥剤シートだけで接着剤層を透湿してくる湿気(水分)を十分に吸収することもできる。また、中空構造による空間部分がないため、背面キャップに外部から衝撃などの負荷がかかって割れたり、空間部分が凹む際に背面キャップの接着剤層部分に剥離する方向にストレスが加わり気密性を損なうこともなく気密保持性に優れる。
ここで、本発明に用いることのできるステンレス箔は、薄くて丈夫(例えば、衝撃等により気密保持性を損なわない十分な耐衝撃性や剛性等を有するもの)であれば、特に制限されるべきものではない。好ましくは、プレス成形での易加工性を有することが望ましい。
上記ステンレス箔の厚さは、ステンレス箔の種類等によっても異なるが、通常10〜100μm、好ましくは10〜50μm、より好ましくは20〜30μmの範囲であることが望ましい。ステンレス箔の厚さが100μmを超える場合には、重量が増し、箔が肉厚化することで、薄型化、小型軽量化を達成するのが困難となる。その結果、薄型で小型軽量化を指向する利用者やメーカーの要望に十分に応えることができなくなるおそれがある。一方、ステンレス箔の厚さは薄ればれ薄いほど望ましいが10μm未満の場合には、ステンレス箔の圧延による加工硬化により、プレス成形性が低下するおそれがある。また、成形後の強度が十分でなくなるおそれもある。さらに、圧延加工により工業的にステンレス薄板をかかる厚さの箔にまで引き伸ばすのが極めて困難となりはじめる領域でもある。
上記ステンレス箔の材質は、例えば、JISステンレス鋼で分類されるオーステナイト系ステンレス鋼のSUS302、302B、303、303Se、304、304L、304N1、304N2、304LN、304J1、304J2、304J3、305、305J1、309S、310S、316、316L、316N、316LN、316Ti、316J1、316J1L、317、317L、317LN,317J1、317J2、317J3L、317J4L、317J5L、321、347、348、XM7、XM15J1などのステンレス鋼を原板とし、その後に圧延加工を行って得られたものが使用可能であるが、これらに制限されるべきものではない。
ステンレス鋼として最も広く使用されており、圧延処理に用いるステンレス薄板として既に安定かつ安価に市販されており、圧延によるステンレス箔への加工技術が確立されており、さらに高強度を有してなる、SUS304系、SUS316系などのステンレス鋼を原板とし、その後に圧延加工を行って得られたものがより望ましいといえる。
さらに、ステンレス箔のプレス加工性を向上してなるものが好ましい。具体的には、材質が、オーステナイト系ステンレス鋼であって、圧延後にさらに焼鈍を行って得られたものが好ましい。さらに、ステンレス薄板を圧延し、その後、希ガスないし非酸化性ガス雰囲気中で焼鈍を行いかつ該焼鈍炉の雰囲気ガスとシールガスが実質的に窒素を含まないようにして得られたステンレス箔がより好ましいものである。
また、本発明のステンレス箔では、上記焼鈍条件を調整することによりプレス加工性により優れたステンレス箔とすることもできる。これによりプレス成形が容易でシワやひび割れ、クラックなどを生じさせない等の利点を有するものである。特に壁掛けテレビのようなに大型である程度のプレス深さを有する場合に適している。一方、携帯電話などの小型の有機ELD用薄型背面キャップでも、同様に易加工性を向上させたものが望ましいといえる。
本発明では、上述したようなステンレス箔をプレス成形するだけで所望の薄型背面キャップを量産可能であり、部品点数の低減、組立て工数の低減を図ることができる。そのため、大幅に生産性を高め、生産コストを大幅に低減することができ、ひいては製品コストの低減を図ることもできる。
上記ステンレス箔は、有機ELDの使用用途にもよるが、例えば、大型壁掛けテレビ等大型表示装置や寸法等に高精密さが要求される携帯電話などの小型表示装置に用いるような場合には、展延性に優れ、プレス加工性に優れたものであって、プレス加工後の形状を保つ強度を有していることが望ましく、ビッカース硬さ(HV)が180以下、引張強さが700N/mm以下、伸びが30%以上であることが望ましい。ステンレス鋼箔のビッカース硬さ(HV)が180を超えたり、引張強さが700N/mmを超え、また伸びが30%未満では、プレス成形の過程で表面ワレからクラックに発展したり、またシワが出たりして、プレス加工性が十分でなくなるおそれがある。その結果、薄型背面キャップの気密保持性や製品の品質に影響するおそれがある。ステンレス箔のビッカース硬さ(HV)の測定方法は、箔材を樹脂に埋め込み、断面研磨した後、マイクロビッカース硬度計により測定することができる。
上記ステンレス箔では、プレス成形してもシワやひび割れ(クラック)などを生じさせないために、さらにステンレス鋼箔全体(バルク)での窒素元素の含有量が、0.06質量%以下であることが望ましい。また、同時にステンレス箔表層の最大窒素濃度が3質量%以下であることが望ましい。ここで、ステンレス鋼箔表層とは、焼鈍処理により表面に形成された酸化皮膜のことを意味する。一般的に、酸化皮膜は、最表層より、酸素濃度のピークから50%になるまでの深さの部分を指す。ステンレス鋼箔の窒素含有量が0.06質量%を超える場合には、ステンレス鋼箔が硬くなるため、プレス成形の際に割れやすく、クラックが生じ易くなるおそれがある。これは、通常のステンレス薄板を圧延しただけのステンレス鋼箔では、窒素分が著しく増加することはないが、本発明のステンレス鋼箔の1種である、圧延後に焼鈍を行ったものでは、焼鈍の際に雰囲気中のNガスがステンレス鋼箔に取り込まれ、顕著な窒化が生じる。そのため、バルクの窒素含有量が増加すると同時に、表層の酸化皮膜中の窒素含有量も著しく増加する。表層部の窒素含有量はバルク内部に対して相対的に増加するので、バルク内部よりもさらに高硬度化する。その結果、プレス成形の際に表層部に浅いクラックが生じ、厚さ方向に進行してひび割れにつながるものと言える。したがって、本発明では、焼鈍炉の雰囲気ガスとシールガスが実質的に窒素を含まないとした条件下で製造して得られた、上記要件を満足するステンレス箔が望ましいといえる。
上記ステンレス箔は、さらにコロナ処理、易接着処理等の公知の手段を用いて片側、もしくは両側の表面処理し、接着剤ないし粘着剤の投錨性の改良を行なうことができる。
上記易接着処理としては、特に制限されるべきものではなく、従来公知のものが利用できるほか、ステンレス箔の表面に接着剤との密着性に優れた被膜を設けてなることが望ましい。具体的には、SiO、TiO、ZrOなどの金属酸化物被膜を設けてなることが好ましい。これらは、有機ELDの前面の透明基板(ガラス基板)と背面キャップとの接着に用いられるエポキシ系接着剤やフェノール系接着剤との接着性を向上することができるほか、表面平坦化ができるため熱膨張による歪の発生を抑えることができるためである。特に薄型背面キャップのステンレス箔とエポキシ系接着剤等との接着力が大幅に改善することができる点で優れている。
上記接着剤との密着性に優れた被膜の厚さは、有機ELDの薄型化の観点から接着剤との密着性を損なわない範囲内で極力薄い方が好ましく、通常1〜10μm、好ましくは3〜5μmの範囲である。該接着剤との密着性に優れた被膜の厚さが1μm未満の場合には、ごみなどの存在によって密閉性を確保しにくいほか、接着効果が十分得られないおそれがある。一方、該接着剤との密着性に優れた被膜の厚さが10μmを超える場合には、接着剤層からの水分の浸入が増えるために有機ELDの寿命に悪影響を及ぼす可能性が高くなるほか、有機ELDの薄型化、軽量化を達成するのが困難となる。その結果、薄型、軽量化を指向する利用者やメーカーの要望に十分に応えることができなくなるおそれがある。
上記接着剤との密着性に優れた被膜を設ける部分は、上述したように有機ELDの前面の透明基板(ガラス基板)と背面キャップとの接合部である背面キャップの外周縁部に相当する位置にのみ設けてもよいが、被膜の塗工性、製造工数、汎用性(背面キャップの外周縁部に相当する位置とした場合、使用機器ごとに、被膜材料コストなどを勘案して、他の部分に設けてもよく、ステンレス箔の接着面側の全面に設けてもよい。全面に設けることで、乾燥剤シートを固着する際に用いる粘着剤との粘着性の改良を行なうこともできるためである。
また、本発明では、上記ステンレス箔の表面に、放熱性のよい被膜を設けてもよい。これにより、有機ELDの放熱性の改良を行なうことができるためである。
上記放熱性のよい被膜(高吸熱性の被膜ないし赤外線放射率を高める被膜ともいえる)としては、例えば、カーボンブラックなどのカーボン系の被膜、SiCなどのセラミックス系の被膜が挙げられる。放熱性のよい被膜の製造方法は、例えば、本出願人が既に提案しているところの特開2004−27064号公報に詳しく開示してある通りである。
上記放熱性のよい被膜の厚さは、有機ELDの薄型化の観点から放熱機能を損なわない範囲内で極力薄い方が好ましく、通常10〜30μm、好ましくは10〜20μmの範囲である。該放熱性のよい被膜の厚さが10μm未満の場合には、放熱効果が十分得られないおそれがある。一方、該放熱性のよい被膜の厚さが30μmを超える場合には、被膜の密着性が悪くなり剥離しやすくなるほか、有機ELDの薄型化、軽量化を達成するのが困難となる。その結果、薄型、軽量化を指向する利用者やメーカーの要望に十分に応えることができなくなるおそれがある。
上記放熱性のよい被膜を設ける部分は、放熱性を高める観点からは、発光により発熱する有機EL素子に対向する位置である背面キャップの内側中央部に設けるのが望ましいが、被膜の塗工性、製造工数、被膜材料コストなどを勘案して、他の部分に設けてもよく、ステンレス箔の片面または両面全体に設けてもよい。全面に設けることで、放熱性をより高めることができるためである。また、放熱性のよい被膜と接着剤との密着性に優れた被膜とを併用する場合には、放熱性のよい被膜を下層にし、その上に接着剤との密着性に優れた被膜を設けるのが望ましい。
上記ステンレス箔の表面には、さらに絶縁性被膜を設けてもよい。ただし、耐食性や絶縁性に優れたステンレス箔を適当に選択することにより、他の材料をコーティングして被膜を形成しなくてもよく、いずれを用いるかは、耐食性や絶縁性に優れたステンレス箔の調達コストと、絶縁性被膜の製造コストなどを勘案して適宜決定すればよいといえる。
上記絶縁性被膜の厚さは、外側表面および内側表面のいずれにおいても、有機ELDの薄型、軽量化の観点から絶縁性を損なわない範囲内で極力薄い方が好ましく、通常0.3〜10μm、好ましくは0.5〜5μmの範囲である。該絶縁性被膜の厚さが0.3μm未満の場合には、初期の絶縁性が劣る可能性があるほか、十分な絶縁性を長期間保持できないおそれがある。一方、該絶縁性被膜の厚さが10μmを超える場合には、製造プロセス中の熱によって絶縁被膜のヒビワレなどの不具合が生じ易くなる他、十分な絶縁性を長期間保持できたとしても、有機ELDの薄型、軽量化に反することにもなる。
上記絶縁性被膜は、薄型背面キャップの外側表面に形成してもよいし、内側表面に形成してもよい。上記絶縁性被膜を設ける部分は、背面キャップの外側及び/または内側表面の全体に設けてもよいし、絶縁性が要求される部分にのみ設けてもよい。薄型背面キャップの外側表面に絶縁性被膜を形成するのは、主に有機ELDを搭載する携帯電話等の機器では、電子部品等が薄型軽量化でかつ高性能化を図るため高性能部品の超高密度化、超高集積化が促進される傾向にあり、殆ど隙間なく数多くの部品が集積されているため、有機ELDの背面キャップにも高絶縁性が求められる場合があるためである。特に携帯用小型機器では、振動衝撃、静電気、浸水などに対して、より高い絶縁性を付与することが望まれるためである。同様に薄型背面キャップの内側表面に絶縁性被膜を形成するのは、有機ELD内部の構成部材、特に有機EL素子も、より高容積化、高密度化されてきており、有機ELD内部短絡防止の観点から高絶縁性が求められる場合があるためである。こうした絶縁性被膜は、機器内または有機ELD内部の部品や構成部材に対する薄型背面キャップの絶縁性を保持することができるものであればよく、絶縁性の樹脂組成物あるいは塗料組成物をコーティングして樹脂膜または塗膜することにより形成することができる。かかる絶縁性の樹脂組成物あるいは塗料組成物としては、例えば、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられるが、これらに制限されるべきものではない。
上記ステンレス箔の製造方法としては、特に制限されるべきものではない。すなわち、ステンレス鋼の持つ優れた硬度(強度)に加えて、プレス成形の際に加わる応力に対して、最適な伸び(展延性)を発現することができるプレス成形性を付与しえるように、圧延加工すればよい。
尚、圧延加工に用いることのできるステンレス薄板の材質は、上記ステンレス箔の材質と同様のものを用いることができる。
ステンレス薄板の圧延条件は、所望の厚さ、強度のステンレス箔を形成することができるものであればよく、特に制限されるべきものではない。
また、圧延後に、ステンレス鋼材の種類や使用用途に応じて適宜行われるステンレス箔の焼鈍では、上述したようにステンレス箔の表層部に窒素ガスが取り込まれることがないように、焼鈍雰囲気としては、水素ガスのみ、水素ガスと希ガスの混合ガス、または希ガスのみを用いるとよい。上記希ガスは、周期表第0族の元素、すなわちヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドンをいう。これらは常温でガスであり、焼鈍の温度条件下でも気体として存在する。安全性、調達コストなどの点から、アルゴンガスが望ましい。なお、焼鈍の際に排出される熱やガスは、有効に熱循環システムや廃ガス循環処理システム等を利用して、資源の有効利用(再利用を含む)を図るのが望ましい。
圧延後のステンレス箔の焼鈍条件としては、まず、所定の温度まで加熱する。具体的には1000〜1200℃、好ましくは1050〜1150℃の範囲に加熱する。ここで、加熱温度が1000℃未満の場合には、焼鈍が不十分になり、展延性を十分に増すことができず、ステンレス鋼材の種類等によってはプレス成形性を発現するのが困難な場合がある。また、加熱温度が1200℃を超える場合には、結晶粒が粗大化するおそれがあるほか、高温になりすぎ溶融軟化するおそれがある。
以上が、本発明に係るステンレス箔の製造方法についての説明であるが、本発明に係るステンレス箔は、かかる製造方法によって得られるものに何ら制限されるべきものではなく、上記特性を有するステンレス箔であれば、他の製造方法によって得られたものであってもよく、本発明の技術範囲に含まれるものであることは言うまでもない。
上記ステンレス箔への接着剤との密着性に優れた被膜、例えば、SiO、TiO等の被膜(薄膜)を製造する方法としては、物理蒸着(PVD)法、化学蒸着法(CVD;詳しくは、熱CVD、光CVD,プラズマCVDなどがある。)、LPD法(液相析出法)、ゾルゲル法など従来公知の酸化被膜(薄膜)の形成技術を利用することができるものである。
次に、本発明に係る薄型背面キャップでは、従来と同様に上記背面キャップの内部に透湿する水分を吸着し得るために、上記背面キャップの内部に乾燥剤が充填保持または乾燥剤シートが固着されてなることを特徴とするものである。ただし、本発明においては、これら乾燥剤または乾燥剤シートを有機ELD用薄型背面キャップの構成要件の一つとして記載したが、かかる有機ELD用薄型背面キャップの構成要件とは別に、有機ELDの構成要件の1つとして捉えてもよいことはいうまでもない。以下、これら乾燥剤または乾燥剤シートに関しては、説明の重複を避けるため有機ELD用薄型背面キャップの構成要件の1つとして説明し、有機ELDの構成要件としての説明は省略する。
上記乾燥剤としては、特に制限されるべきものではなく、従来公知の乾燥剤を用いることができるものであり、例えば、BaO、CaO、SrOなどのほか、シート状のZr−Al−BaOゲッター、パウダー分散型ソリッドなどを用いることができる。
上記乾燥剤の水分吸着率は、例えば、BaOシートや後述するジャパンゴアテックス株式会社製のシート状吸湿剤DESICCANT(商品名)などでは、水分濃度が1500ppmで800時間経過後に、82〜83%程度を有することが確認されており、本発明に用いることのできる乾燥剤においては、これら市販のものを用いることができるほか、同程度の水分吸収率を有するものであればよいといえる。
上記乾燥剤シートとしては、上記乾燥剤の微粉末を適当なバインダーを用いて担持させてなる透湿性の繊維材料を不織布化または編、織あるいはこれらを組合せてシート状に形成したものなどが挙げられるが、これらに何ら制限されるべきものではなく、従来公知のものを利用することができる。例えば、ジャパンゴアテックス株式会社製のシート状吸湿剤DESICCANT(商品名)などが挙げられる。
上記乾燥剤充填部(充填保持フィルムまたは接着剤ないし粘着剤の厚みを含む)または乾燥剤シート(接着剤ないし粘着剤の厚みを含む)の厚みは、水分吸着能力を損なわない範囲で薄型化の要請に適用し得ることが好ましく、0.10〜0.30mmの範囲である。乾燥剤シートの厚みが0.10mm未満の場合には、乾燥剤シートの水分吸着容量が小さくなり、有機ELDの耐用年数である5000〜10000時間経過時までに透湿する水分を十分に吸着するだけの能力を確保するのが困難となるおそれがある。一方、乾燥剤シートの厚みが0.3mmを超える場合には、有機ELDの耐用年数である5千〜1万時間を経過するまでに透湿する水分量に対して十分すぎる水分吸着容量を備えることになり不経済であるばかりか、有機ELDの薄型化、軽量化の要請に反することにもなる。
また、上記乾燥剤を背面キャップの内部に充填保持する方法としては、特に制限されるべきものではなく、従来公知の乾燥剤固定化技術を適用することができるものであり、例えば、透湿フィルムを用いて粉末状の乾燥剤を背面キャップの内部に充填保持する方法、予めシートに分散する方法などが挙げられるが、これらに制限されるべきものではない。
上記透湿フィルムとしては、背面キャップ内部の水分濃度範囲において素早く透湿し得るものであれば特に制限されるべきものではなく、従来公知のものを用いることができる。なお、背面キャップ内部の水分濃度は、有機ELDの外部環境にもよるが、携帯電話など梅雨など高温多湿状態下に晒された場合であっても、数十ppm程度である。
上記透湿フィルムの厚さは、乾燥剤を充填保持し、水分透湿能力を維持し、薄型化の要請に適うものであればよく、通常0.10〜0.30mm、好ましくは0.10〜0.20mmの範囲である。透湿フィルムの厚みが0.10mm未満の場合には、透湿フィルムの強度が十分でなく乾燥剤を充填保持するのが困難な場合がある。一方、透湿フィルムまたはシートの厚みが0.30mmを超える場合には、水分透湿能力が低下し、残存水分により有機EL素子が劣化するおそれがあるため、有機EL素子表面に保護膜を設ける必要が生じ、余分な構成部材が増え、それに伴い製造工数も増えるため、製造コストおよび製品コストの上昇につながるほか、有機ELDの薄型化、軽量化の要請に反することにもなる。
また、上記乾燥剤シートを背面キャップの内部に固着する方法としては、特に制限されるべきものではなく、従来公知の固着方法を適用することができるものであるが、好ましくは、図2に示すように、1回のプレスにより大量の背面キャップ部分21を成形したステンレス箔シート22(個々の背面キャップに切断前の状態)に、ロール状離型紙24上に背面キャップ部分21同士の間隔に対応し得る間隔をあけて配置された粘着剤付きの接着剤シート23を連続的に貼り付けるようにするのが望ましい。例えば、図4(a)(b)に示すように、ステンレス箔シート22の横1列の端の背面キャップ部分21に、ロール状離型紙24上の先端の接着剤シート23を位置合せし、あとはロール状離型紙24を回転させて順次背面キャップ部分21部分の内部に接着剤シート23を貼り付けていってもよい。図2では、離型紙24上には、接着剤シート23が1列に並んだものの例を示したが、ステンレス箔シート22の背面キャップ部分21と同じ配列をした離型紙24を用いて、一度にまとめて接着剤シート23を背面キャップの内部に貼り付けるようにしても良いなど、本発明の背面キャップのプレス成形による大量生産技術を生かすことができるようにするのが望ましい。なお、上記粘着剤付きの接着剤シートとしては、例えば、乾燥剤シートの片面に粘着剤を予め被覆するなどして複合化した乾燥剤シート(例えば、ジャパンゴアテックス株式会社製のシート状吸湿剤DESICCANT(商品名)で粘着剤付きのものが既に市販されている)などが挙げられる。たたし、本発明は、これらに何ら制限されるべきものではなく、例えば、背面キャップ側に粘着剤を被覆しておき、これに接着剤シートを貼り付けるなどしても良い。好ましくは、非劇物吸着剤を使用し、ガスコンタミネーションが有機ガス系で0.005μg/cm以下であり、吸湿特性も吸湿剤の性能(吸収容量、速度)を維持したシートであって、幅広い温度、水分濃度領域で安定した水分吸着特性を有する(BaOと同等以上である)ものであるが、これらに何ら制限されるべきものではない。
上記乾燥剤または乾燥剤シートを設ける部分は、上述したように有機ELDの前面の透明基板(ガラス基板)上の発光部に対向する、背面キャップの内側プレス面である凸型形状全面に設けるのが、一定量(一定の水分吸着容量)の乾燥剤または乾燥剤シートを広く薄く設置することができ、乾燥剤充填保持部または乾燥剤シートを薄型化させることができる点で優れている。また、こうした構造とすることで、背面キャップ内部の空間部分をなくすことができるため、有機ELDの放熱性、強度の面でも優れたものとすることができる。ただし、上記乾燥剤または乾燥剤シートを設ける部分は、必ずしも背面キャップの内側プレス面である凸型形状全面に設ける必要はなく、前面基板と背面キャップとの接合部である接着剤層から水分が透湿してくることから、背面キャップの内側プレス面である凸型形状の内周縁部に沿って形成してもよいなど、特に制限されるべきものではない。
上述したように本発明の有機ELD用薄型背面キャップは、SUS箔製の背面キャップと、これの内部に固定されてなる乾燥剤または乾燥剤シートからなるものであればよいが、薄型化の観点から、該背面キャップの形状は、外周縁部に接合部が設けられてなる略矩形形状であり、背面キャップの断面形状は、一段の凸型形状である。
そして、後述する図1に示すように、上記背面キャップ4の外周縁部(非プレス面)6と中央部(プレス面)7との内面段差(図1中のhで表わされる高さをいう;ステンレス箔のプレスの深さ)は、薄型化、放熱性、強度等の観点から、乾燥剤充填部または乾燥剤シートの厚み(A)+0〜0.1mm、好ましくはA+0〜0.01mmの範囲であることが望ましい。内面段差をこのように設定することで、透明基板上の有機EL素子と、乾燥剤透湿フィルムまたは乾燥剤シートとの間にほとんど空間部分を有しない有機ELDとすることができ、薄型化、放熱性および強度の面で優れたものとすることができる。なお、乾燥剤充填部または乾燥剤シートの厚みは、使用中に水分を吸収することにより最大で10%程度膨らむことから、ここでは使用前の状態での厚さとする。上記内面段差が、A+0mm未満の場合には、使用期間中に該乾燥剤充填部または乾燥剤シートが有機EL素子を圧迫するおそれがある。また、乾燥剤充填部または乾燥剤シートは水分吸着により膨らむが、有機EL素子の寿命に影響を及ぼさない程度の水分では、ほとんど膨張は起こらない。一方、上記内面段差が、A+0.1mmを超える場合には、有機ELD中央部の内部空間が大きくなり、薄型化の要請に反するばかりが、該内部空間の存在により放熱性や強度も低下するおそれがある。
次に、本発明に係る有機ELDは、上述してなる本発明に薄型背面キャップを用いてなることを特徴とするものである。これにより、有機ELDを薄型,軽量化できかつ放熱性や強度に優れたものとすることができ、一般的な金型成形により一度のプレスにより大量生産することができるなど量産化が容易である。そのため、かかる薄型背面キャップの採用により有機ELDの製品コストを下げることもできる。
本発明に係る有機ELDの用途としては、特に制限されるべきものではないが、携帯性に優れ薄型で軽量化によるメリットを十分に享受し得る小型の有機ELDを有する携帯機器、例えば、携帯電話、PDA、携帯ゲーム機など、同様に、薄型、軽量で省スペース化によるメリットを十分に享受し得る大型の有機ELDを有する大型壁掛けテレビ、広告宣伝用等にビル外壁や特設会場等に設けられる巨大表示装置などにも好適に適用し得るものである。
以下、本発明に係る有機ELDおよびこれに用いられてなる薄型背面キャップにつき、図面を用いて説明する。
図1に示すように、本発明の有機ELD1は、有機EL素子2が形成された透明基板3と、該透明基板3に対向して配置され、薄型背面キャップの外周縁部(非プレス面)6の接合部(接着剤層)8を介して該透明基板3に接合されてなる前記薄型背面キャップ4と、を有するものである。該薄型背面キャップ4は、所望の硬度等の物性及び厚さを有するプレス成形性に優れたステンレス箔をプレス成形して得られた1段凸型断面形状を有し、中央部7のプレス面である凸型上部の内側全面に粘着剤シート付きの乾燥剤シート5が該粘着剤によって固着されてなるものである。そして、薄型背面キャップ4の断面形状は、一段の凸型形状であり、この中央部(プレス面)7に当る凸型の上部空間部全体に乾燥剤シート5が収納されている構造となっている。
すなわち、上記ステンレス箔のプレス成形により形成された薄型背面キャップ4の凸部の高さと粘着剤シート付きの乾燥剤シート5の厚さが略一致するものである。そのため薄型背面キャップ4の外周縁部(非プレス面)6と粘着剤シート付きの乾燥剤シート5は、略面一になっている。この薄型背面キャップ4を透明基板3に適当な接着剤を用いて接合して接合部(接着剤層)を形成し、封止(気密)にすることで、本発明の有機ELD1では、内部空間がほとんど形成されない構造にすることができる。かかる構造とすることにより、薄型化が達成できる。
具体的には、有機ELDの厚さは、0.4〜1.0mm、好ましくは0.4〜0.6mmの範囲である。これは、従来技術で説明したSUS板製背面キャップを用いた有機ELDの2〜2.5mmの厚さ、ガラス板製の背面キャップを用いた有機ELDの1.4mm程度の厚さに対して、大幅な薄型化を達してなるものである。さらに、図1に示すように内部空間がほとんど形成されない構造にすることで、有機EL素子2の発光による発熱による有機ELD1の温度上昇を抑えることができる。これは、放熱性は、空間(空気中)が最も悪く、ガラス、ステンレス箔の順に良くなっていくことからも、本発明のステンレス箔を用いた薄型構造が最も優れてなるものである。殊に、該ステンレス箔表面に放熱性のよい被膜を設けてなるものがより放熱性に優れ、有機ELD1の温度上昇を抑えることができる。これにより、接合部(接着剤層)8に使われている接着剤とステンレス箔との熱膨張係数の違いによる剥がれやひずみの発生を抑えることができ、有機EL素子2の長寿命化を図ることができる。さらに、ステンレス箔の表面に密着性に優れた被膜を設けてなるものでは、かかる接合部での接着強度を格段に高めることができるため、熱膨張係数の違いによる剥がれやひずみを防止する上でより有効である。有機ELDの厚さが0.4mm未満の場合には、薄型化の観点からは望ましいものであるが、ガラス基板の強度が低くなるために、実使用時に有機ELDに何らかの保護となる部材が必要である。一方、有機ELDの厚さが1.0mmを超える場合には、本発明の薄型背面キャップを用いた利点を十分に生かすことができないばかりか、LCDのようなガラス基板2枚分の厚さに対する優位性が発揮できないおそれがある。ただし、本発明の有機ELDでは、上記厚さ範囲を外れたものも含まれるものである。例えば、本発明の薄型背面キャップを用いて薄くできた厚み分を、他の高付加価値部材の積載または積層に用いて有機ELDの厚みを厚くすることなく、より高付加価値な製品を提供するのに寄与することができるためである。
また、本発明の有機ELDでは、図1に示すように、有機EL素子を有する透明基板と薄型背面キャップとの接合部における接着には、従来公知の接着剤、例えば、エポキシ系接着剤やフェノール系接着剤を用いることができるなど、特に制限されるべきものではないが、好ましくは、紫外線硬化型エポキシ系接着剤または紫外線硬化型アクリル系接着剤を用いてなることが望ましく、特に紫外線硬化型エポキシ系接着剤である。これは、有機ELが液晶と根本的に違うのは、材料自体の耐湿性が非常に弱く、1万時間の寿命を保証するためには、有機ELD内部の水分、酸素濃度ともに1ppm以下にコントロールする必要がある。つまりは、ディスプレイの性能を左右する要素の1つとして、接合部の封止技術が重要であり、上記要件をクリアするために、硬化収縮が小さく、熱硬化型接着剤などに比して低温での高速硬化が可能で、膜厚5μm程度の極薄膜でも優れたシール性能を示し、耐熱性、耐湿性、接着強度のいずれにおいても高性能である点で有利なためである。上記紫外線硬化型エポキシ系接着剤または紫外線硬化型アクリル系接着剤としては、例えば、ナガセケムテックス株式会社(Nagase−CHEMTEX Ltd.)製のHigh performance UV adhesive XNR5516、XNR5516HV、有機EL向けカチオンUV硬化型エポキシ樹脂シール材料(接着剤)、ラジカルUV硬化型アクリル樹脂シール材料(接着剤)などを利用することができるが、これらに何ら制限されるべきものではない。
上記接合部における接着剤層の厚さは、1μm〜10μm、好ましくは3〜5μmである。接着剤層の厚さが1μm未満の場合には、極薄に均一塗工するのが困難になる場合があり、ごみなどの存在によりシール性が低下するおそれがある。一方、接着剤層の厚さが10μmを超える場合には、耐湿性などの性能が低下する。なお、接着剤層の厚さが1μm以上あれば、有機EL素子の厚さは1000Å(0.1μm)程度であるため、該接着剤層の方が若干高くなる。そのため、かかる該接着剤層の高さとの差分程度であれば、さらに必要に応じて、以下に説明するような保護膜や絶縁被服槽を形成してもよいし、有機ELD内部に透湿してきた水分を中心部の乾燥剤にも吸着させるための隙間として利用してもよい。ただし、こうした僅かな隙間がなくても外周縁部近傍の乾燥剤に水分が吸着し取り込まれることで、乾燥剤の外周縁部から中心部に向けて水分濃度の傾斜ができるため、乾燥剤中心部に向けて水分の拡散、浸透が起こるため問題はない。
また、本発明の有機ELDでは、必要があれば、有機EL素子上に保護膜および/または絶縁被覆層が設けられていてもよい。これら保護膜および/または絶縁被覆層は、透明基板側に設けてもよいし、背面キャップ側に設けてもよい。これらは有機EL素子に乾燥剤シートが接することで、有機EL素子(画素)が機能障害を起こすのを防止する上で好適である。
上記保護膜としては、特に制限されるべきものではなく従来公知のものを利用することができるものであり、透明基板側に設ける場合には、例えば、ガス(水分を含む)バリア性の被膜など、背面キャップ側に設ける場合には、例えば、透湿性の被膜が利用できる。こうした保護膜は、有機EL素子(画素)が機能障害を起こすのを防止することができるものであればよく、ガスバリア性ないし透湿性の樹脂組成物あるいは塗料組成物をコーティングして樹脂膜または塗膜することにより形成することができる。
また、上記絶縁被覆層としては、特に制限されるべきものではなく従来公知のものを利用することができるものであり、例えば、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、アルリル樹脂などの樹脂組成物や、SiO、TiO、ZrOなどの金属酸化物が挙げられる。こうした絶縁被覆層は、有機ELD内部の構成部材に対する絶縁性を保持することができるものであればよく、絶縁性の樹脂組成物あるいは塗料組成物をコーティングして樹脂膜または塗膜することにより形成することができる。
これらの厚さは、保護機能または電気絶縁機能を十分に発現できるものであれば、より薄い方が望ましく、通常0.3〜10μm、好ましくは0.5〜5μmの範囲である。これらの厚さが0.3μm未満の場合には、保護機能または電気絶縁機能を十分に発現できないおそれがある。一方、10μmを超える場合には、薄型化の要請に反するものであり、また、更なる効果が期待できず不経済である。
以下、本発明の実施例により具体的に説明する。SUS316Lのステンレス薄板を厚さ0.03mmに圧延し、アルゴン雰囲気中で1100℃で焼鈍を行った。当該ステンレス箔の引張強さは、680N/mm、ビッカース硬さ(HV)は170であった。また、伸びは32%であった。さらに、ステンレス箔全体での窒素元素の含有量は、0.05質量%であった。
次にこのステンレス箔を1.5cm角に切断し、凹部の深さが0.21mm、凹部の大きさが1.2cm角になるような金型を用いてプレス機で成形を行い、本発明のメタルキャップを作製した。
一方、厚さ0.7mm、2cm角の無アルカリガラス基板の片面に、厚さ0.2μmのITO膜をスパッタリングによって作製し、メタルマスクを介して1cm角の範囲にAlQ3(アルミ−キノリン錯体)を蒸着で形成した。膜厚は0.11μmであった。次にその上に対向電極としてアルミニウムを0.8cm角の範囲に蒸着で形成し、有機ELDを試作した。ITO電極と対向電極のパターンは、図5に示すように中央の0.8cm角の部分のみがITO電極、有機EL層、対向電極の3つの層が重なるようにし、周辺部分でITO電極と対向電極が短絡しないように配置した。なお、図5中の符号51はITO電極パターンを表わし、符号52は有機ELパターンを表わし、符号53は対向電極パターンを表す。
先にプレス成形した本発明のメタルキャップに、厚さ0.2mmの粘着剤付き乾燥剤シート(ジャパンゴアテックス株式会社製DESICCANT)を1.2cm角の凹部全体をカバーするように貼り付け、周辺部分に紫外線硬化型エポキシ系接着剤であるナガセケムテックス株式会社(Nagase−CHEMTEX Ltd.)製のHigh performance UV adhesive XNR5516HVを塗布した後に、前述の有機ELDに貼り付け、ガラス面から紫外線を照射してシールを行った。このとき、有機EL層の紫外線による劣化を防ぐため、中央1cm角の部分は遮光した。また、カバーとガラス面との接合部における接着剤層の厚さは5μmであった。
上記のように作製した有機ELDのITO電極と対向電極に10Vの電圧を印加したところ、緑色の発光を確認できた。
以上のことから、薄く軽量化に適しており、なおかつ衝撃などに対する機械的強度に優れるステンレス箔を、複雑な加工処理を施すことなく、前面ガラス基板上の有機EL素子と、乾燥剤シートと、接着剤層との合計厚さに相当する200〜300μm程度の深さになるように一度に大量にプレス成形することができ、従来のSUS製メタル缶や掘り込みガラス板のように凸型形状にして中空構造を設けることなく、前面ガラス基板上の有機EL素子と、乾燥剤シートと、背面キャップが積層された構造を得ることが確認できた。このことから有機ELDの全高が既存のSUS製メタル缶の半分以下で、既存のLCDやガラス製の有機ELDよりもさらに35%程度まで薄く小型化できることも確認でき、本発明の所期の目的が達成できたことが実証できた。
本発明に係る薄型背面キャップを用いてなる有機ELDの一実施形態を模式的に表わす断面概略図である。 本発明に係る薄型背面キャップにおいて、乾燥剤シートを背面キャップの内部に固着する方法の一実施形態を図解した図面であって、図2(a)は、貼り付け前の乾燥剤シートのみの様子を表わす図面であり、図2(b)は、背面キャップをプレス成形により形成した状態を表わす図面であり、図2(c)は、図2(b)のC−C線断面図であり、図2(d)は、背面キャップの内部に乾燥剤シートを貼り付けた状態を表わす図面であり、図2(e)は、図2(d)のE−E線断面図である。 従来の背面キャップの1例として、中空構造、すなわち2段凸型断面形状のステンレス鋼板製のメタル缶を用いてなる有機ELDを模式的に表わす断面概略図である。 従来の背面キャップの他の1例として、中央部に掘り込み部分を形成した中空構造のガラス板を用いてなる有機ELDを模式的に表わす断面概略図である。図4(a)は、2段掘り込みタイプのガラス板製の背面キャップを用いた有機ELDの断面概略図であり、図4(b)は2段掘り込みタイプのガラス板製の背面キャップを用いた有機ELDの断面概略図である。 本実施例で作製した有機ELDのITO電極、有機EL層、対向電極のパターンを示した平面図である。
符号の説明
1、31、41 有機ELD、
2、32、42 有機EL素子(部)、
3 透明基板、
4 ステンレス箔を用いた薄型背面キャップ、
5 粘着剤シート付きの乾燥剤シート、
6 薄型背面キャップの外周縁部(非プレス面)、
7 薄型背面キャップの中央部(プレス面)、
8、38、48 接合部(接着剤層)、
h 薄型背面キャップの外周縁部と中央部との内面段差(ステンレス箔のプレスの深さ)、
21 背面キャップ部分、
22 ステンレス箔シート、
23 粘着剤付きの接着剤シート、
24 ロール状離型紙、
33、43 前面のガラス基板、
34 ステンレス鋼板製のSUS缶を用いた背面キャップ、
44 掘り込みタイプのガラス板を用いた背面キャップ、
35、45 乾燥剤、
51 ITO電極パターン、
52 有機EL層パターン、
53 対向電極パターン。

Claims (21)

  1. ステンレス箔を用いてなることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス表示装置用薄型背面キャップ。
  2. 前記ステンレス箔の厚さが、10〜100μmの範囲であることを特徴とする請求項1に記載の薄型背面キャップ。
  3. 前記ステンレス箔の材質が、オーステナイト系ステンレス鋼であって、圧延を行って得られたものであることを特徴とする請求項1または2に記載の薄型背面キャップ。
  4. 前記ステンレス箔の材質が、オーステナイト系ステンレス鋼であって、圧延後、さらに焼鈍を行って得られたものであることを特徴とする請求項1または2に記載の薄型背面キャップ。
  5. 前記ステンレス箔の引張強さが700N/mm以下および/またはビッカース硬さ(HV)が180以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の薄型背面キャップ。
  6. ステンレス箔全体での窒素元素の含有量が、0.06質量%以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の薄型背面キャップ。
  7. 前記ステンレス箔の表面に接着剤との密着性に優れた被膜を設けてなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の薄型背面キャップ。
  8. 前記被膜が、SiOおよび/またはTiO被膜であることを特徴とする請求項7に記載の薄型背面キャップ。
  9. 前記ステンレス箔の表面に放熱性のよい被膜を設けてなることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の薄型背面キャップ。
  10. 前記ステンレス箔の表面に絶縁性被膜を設けてなることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の薄型背面キャップ。
  11. 薄型背面キャップの内部に、乾燥剤が充填保持または乾燥剤シートが固着されてなることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の薄型背面キャップ。
  12. 前記乾燥剤の充填保持部または乾燥剤シートの厚さが、0.10〜0.30mmの厚さであることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の薄型背面キャップ。
  13. 外周縁部に接合部が設けられてなる略矩形形状のものであることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の薄型背面キャップ。
  14. 断面形状が、一段の凸型形状であることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の薄型背面キャップ。
  15. 外周縁部と中央部との段差が、乾燥剤充填部または乾燥剤シートの厚さ+0〜0.1mmの範囲であることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の薄型背面キャップ。
  16. 請求項1〜15のいずれか1項に記載の薄型背面キャップを用いてなることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
  17. 有機エレクトロルミネッセンス素子が形成された透明基板と、該透明基板に対向して配置され、外周縁部の接合部を介して該透明基板に接着されてなる前記薄型背面キャップと、を有することを特徴とする請求項16に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
  18. 0.4〜1.0mmの厚さを有することを特徴とする請求項16または17に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
  19. 薄型背面キャップと透明基板との接合部における接合が、紫外線硬化型エポキシ系接着剤または紫外線硬化型アクリル系接着剤によりなされてなることを特徴とする請求項16〜18のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
  20. 前記接合部における接着剤層の厚さが、1〜10μmであることを特徴とする請求項19に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
  21. 有機エレクトロルミネッセンス上に保護膜および/または絶縁被覆層が設けられてなることを特徴とする請求項16〜20のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
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