[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/

JP2006076223A - インクジェット記録装置、そのヘッド温度制御方法、及びそのヘッド温度制御プログラム - Google Patents

インクジェット記録装置、そのヘッド温度制御方法、及びそのヘッド温度制御プログラム Download PDF

Info

Publication number
JP2006076223A
JP2006076223A JP2004264829A JP2004264829A JP2006076223A JP 2006076223 A JP2006076223 A JP 2006076223A JP 2004264829 A JP2004264829 A JP 2004264829A JP 2004264829 A JP2004264829 A JP 2004264829A JP 2006076223 A JP2006076223 A JP 2006076223A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
recording
head
temperature
temperature control
head temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004264829A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsushi Hara
勝志 原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2004264829A priority Critical patent/JP2006076223A/ja
Publication of JP2006076223A publication Critical patent/JP2006076223A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)

Abstract

【課題】複数の記録ヘッドで記録を行うインクジェット記録装置で比較的簡単なヘッド温度制御により記録動作の途中の一時停止の前後での記録画像の濃度差を微小でも発生しないように効果的に抑えられるようにする。
【解決手段】記録動作中に12個の記録ヘッドの温度Ta1〜Ta12を検出し、記録動作を一時停止して行う吸引回復動作が起動されたら、一時停止直前のヘッド温度Tb1〜Tb12の平均値Taveを求める(S101〜104)。吸引回復動作が終了したら、各ヘッドの温度を目標温度(平均値Tave+所定温度T℃)と比較し、目標温度より低いヘッドは目標温度になるまで加熱する(S105〜107)。その後、追加時間Nだけ目標温度を維持するように加熱し(S108〜S111)、記録動作を再開する(S112)。こうして記録動作再開時の各ヘッドの温度を平均値Taveとほぼ同じにして、上記濃度差の発生を効果的に抑えることができる。
【選択図】図6

Description

本発明は、複数の記録ヘッドから記録媒体にインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置、その記録ヘッドの温度を制御するヘッド温度制御方法、及びそのヘッド温度制御プログラムに関するものである。
プリンタ、複写機、ファクシミリ等における記録装置として、あるいはコンピューターやワードプロセッサ等を含む複合型電子機器やワークステーションなどで処理した情報を出力する機器として用いられる記録装置として、比較的簡単な構成で紙、布、プラスチックシート、OHP用シートなどの種々の記録媒体に対して記録を行えるインクジェット方式の記録装置が普及している。インクジェット方式は基本的に非接触記録方式であり、記録媒体の種類を問わないことから、上記のような通常用いられる記録媒体の他に、布、皮革、不織布、さらには金属等を記録媒体として用いる記録装置も提案されている。インクジェット記録装置では、記録媒体の搬送方向(副走査方向)と交差する方向(主走査方向)に記録ヘッドを走査させながら画像を記録する、いわゆるシリアル方式が主流であり、この方式では、簡単な構成で比較的再現性、一様性などに優れた画像の記録を行なうことができる。インクジェット方式の内で、特に、電気熱変換素子が発生する熱エネルギーを利用してインクに気泡を生じさせ、この気泡の圧力によってインクを吐出する、いわゆるバブルジェット(商標名)方式は、比較的高密度に吐出口を配列でき、また、記録動作に伴って発生する騒音が小さいなど、種々の利点を有し、近年広く用いられている。
ところで、インクジェット記録装置では、必要に応じて記録動作中に記録動作を一時的に停止させる一時停止を行う場合がある。例えばコンピュータで処理した情報を出力する場合には、コンピュータの処理能力により、インクジェット記録装置への情報入力の遅延が発生して、インクジェット記録装置が記録動作を一時停止する場合がある。また、ユーザーの都合による一時停止が可能なように、一時停止機能が設けられているインクジェット記録装置も多い。更に、インクジェット記録装置では、その記録ヘッドのインク吐出状態を良好に保つためのワイピング、予備吐出、あるいは吸引回復などのインク吐出回復動作(以下、単に「回復動作」ないし「吐出回復動作」ともいう)を行うために、記録動作を一時停止する場合がある。
例えば、記録ヘッドからのインク吐出に伴ってインクミストが発生したり、あるいは吐出されたインクが記録媒体に着弾したときの衝撃でスプラッシュが発生し、これらのインクが記録ヘッドのインク吐出口を配列した吐出口面に付着して吐出口を塞ぐなどして吐出不良を生じることがある。これに対して、ゴム等の弾性材からなるブレードを吐出口面に当接させた状態で記録ヘッドを移動させることにより、吐出口周辺に付着したインクなどを拭き取り除去するワイピングが行なわれる。
また、記録時には記録データに応じて記録ヘッドの複数の吐出口から選択的にインクが吐出されるが、ある時間インク吐出を行なわない吐出口が存在し、その吐出口ではその近傍のインクが外気に晒されたままの状態が続いて粘度が増大し、吐出されるインクの量や速度の減少や、吐出方向の偏向などの吐出不良を生ずることがある。これに対して、これらの増粘したインクを除去するために、装置の所定箇所で記録に無関係なインク吐出である予備吐出が行われる。
また、連続したインク吐出や長期間の装置の不使用などを原因として、記録ヘッドの液路内や共通液室等に気泡が混入もしくは発生し、その気泡が液路へのインクの供給や吐出動作の妨げとなって吐出不良を生じることがある。このような吐出不良を未然に防止するために、吐出口面にゴム等の材料で形成されたキャップを当接させ、そのキャップを介して吐出口近傍のインクを負圧で吸引することにより除去する吸引回復が行なわれる。
これらの回復動作は、画像形成(記録)前、画像形成終了後、あるいは1ページの画像形成の途中で1回の走査と次の走査の間に行う。これにより、記録ヘッドのインク吐出状態を常に適切に保ち、画像品位の低下を防いで、良好な品位の記録を行うことが可能となる。特に、バナー印字等のように、連続して比較的大きな面積の記録を行う場合には、1ページの記録の途中で各走査の間に回復動作を行うことが重要となる。
ところで、記録動作中の記録ヘッドにおけるインクの温度(記録ヘッドの内部の温度と同じなので、以下、単に「ヘッド温度」ないし「記録ヘッドの温度」という)は、吐出のために加えるエネルギーによって記録開始直後と比較して高くなるのが一般的である。この場合、1ページの記録動作の途中で走査と走査の間に上述の一時停止を行なうと、この停止の間にヘッド温度が下がり、その結果、吐出量が減少し、1ページの途中から濃度が変化した画像が記録されることがある。
このようなヘッド温度の低下は、走査と走査との間に一時停止が行われて比較的長い放熱時間が存在することになり、単に走査を連続的に行なう場合の各走査の間に放熱される量よりも多くの熱が放熱されることによるものである。特に回復動作のために一時停止した場合には、一時停止の間のヘッド温度の低下は、入力データの遅延やユーザーによる一時停止よりも顕著となる場合が多い。
具体的には、回復動作としてワイピングを行う場合は、ワイピング動作のために一定の時間を要し、この間には記録ヘッドに対して熱エネルギーなどの吐出エネルギーは供給されずに専ら放熱が行なわれるため、記録を再開した時のヘッド温度は、一時停止前より低くなることが多い。同様に、記録の途中で予備吐出を行うと、予備吐出のための熱エネルギーなどの吐出エネルギーがインクにもたらされるものの、記録中にインクにもたらされる吐出エネルギーに比べて少なく、予備吐出を行なう間の放熱の影響がより大きいため、記録濃度の変化が目立つほどの温度低下を生ずることがある。また、吸引回復動作の場合、同様に、その動作のための時間に放熱される量が大きいことと、上述のように、熱エネルギー等はもたらされずに温度が高くなったインクが専ら排出されると同時に比較的温度の低いインクが供給されることを原因として、比較的顕著なヘッド温度の低下を生ずる。
以上のようなヘッド温度の低下をもたらす一時停止が記録の途中で行なわれ、特に、これによって低くなった記録濃度とそれまでの記録濃度との差が記録画像における隣接した領域で生じると、わずかな濃度差でも目立ち、記録品位を低下させることになる。
これに対し、本出願人は、下記の特許文献1により、記録の途中で記録ヘッドの吐出口面に付着したインク滴による汚染を解消するため、加圧または吸引により吐出口面に吐出口内のインクを溢れ出させて吐出口面を清掃する回復動作を行なった後に、ヘッド温度をその回復動作直前の温度まで回復させる技術を提案した。具体的には、複数の記録へッドのそれぞれについて、温度センサと加熱ヒータを備え、記録ヘッド毎に回復動作直前のヘッド温度を検出しておき、回復動作後に、検出したヘッド温度に基づいてそれぞれの加熱ヒータを駆動してそれぞれのヘッド温度が回復動作直前のそれぞれのヘッド温度となるよう制御するものである。
特開平6−328723号
しかしながら、特許文献1による技術では、回復動作前後(一時停止前後)での記録画像の濃度差を改善することはできるものの、十分でなく、微小な濃度差が発生してしまう場合がある。すなわち、回復動作直前のヘッド温度を検出し、回復動作後に加熱ヒータを駆動して回復動作直前のヘッド温度となるよう制御した後、記録を再開するために記録ヘッドを記録領域へ移動する間に放熱によりヘッド温度が僅かに低下してしまい、これによる微小な吐出量の低下から微小な濃度差が発生する場合があり、その濃度差が隣接する領域で発生するために問題となる。
また、特許文献1の技術では、記録ヘッドのそれぞれについて回復動作直前のそれぞれのヘッド温度を目標温度としてそれぞれのヘッド温度を制御するので、記録ヘッドの数が多くなるほどヘッド温度制御が複雑になってしまう。例えば、通常用いられるイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のインクの他、これらの色について染料など色材の濃度が異なるインクあるいは特別な色のインクについても記録ヘッドを備えるような記録装置では、その多くの記録ヘッドのそれぞれについて上記のような制御を行うことになり、制御が複雑となる。
一方、各記録ヘッドのインクの温度低下は、それぞれの吐出インク量の減少、従って、形成されるドットサイズの減少として現れるが、記録される画像は各インクドットの集合により形成されるため、各インクの温度低下に応じた濃度変化は平均化されたものとして現れる。従って、特許文献1のように複雑な制御を行なっても、それに見合った効果が得られない場合がある。
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたもので、複数の記録ヘッドで記録を行うインクジェット記録装置において、比較的簡単なヘッド温度制御によって、記録動作の一時停止の前後で記録画像に微小な濃度差も発生しないように濃度差の発生を効果的に抑えられるようにすることを課題としている。
上記の課題を解決するため、本発明では、
複数の記録ヘッドから記録媒体にインクを吐出して記録を行ない、必要に応じて前記記録ヘッドによる記録動作中に記録動作を一時的に停止させる一時停止と、一時停止の状態から記録動作を再開させる動作とが可能なインクジェット記録装置、並びにその記録ヘッドの温度を制御するヘッド温度制御方法及びヘッド温度制御プログラムにおいて、
記録動作中に前記複数の記録ヘッドの温度を検出し、記録動作を途中で一時停止したときに、一時停止を終了して記録動作を再開する前に、一時停止直前に検出した複数の記録ヘッドの温度の平均値より所定温度高い温度をヘッド温度制御の目標温度として、複数の記録ヘッドの内で温度が目標温度より低い記録ヘッドを加熱して該記録ヘッドの温度を目標温度に制御することを特徴とする。
さらに、本発明では、
前記一時停止終了後に記録動作を再開する前に、複数の記録ヘッドの内で温度が目標温度より低い記録ヘッドを加熱して該記録ヘッドの温度を目標温度に制御した後、さらに所定の追加時間だけ目標温度に維持するように制御することを特徴とする。
本発明によれば、上記のヘッド温度制御により、記録動作を一時停止した後に再開するときの各記録ヘッドの温度が一時停止直前の各記録ヘッドの温度の平均値とほぼ同じになるので、一時停止前後で記録画像に微小な濃度差も発生しないように濃度差の発生を効果的に抑えて画像記録を高品位に行うことができ、しかもヘッド温度制御の目標温度が各記録ヘッドで共通であって1つだけであるので、ヘッド温度制御を簡単、容易に行なうことができるという優れた効果が得られる。
以下、添付した図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。ここでは、バブルジェット(商標名)方式でカラー記録を行えるインクジェット記録装置における実施形態を示す。
図1は本発明の実施例1によるインクジェット記録装置の記録部のハードウェアを示す上面図である。本装置は比較的大判の記録用紙(記録媒体)に記録を行うものである。
図1において、インクジェット記録装置の紙搬送系ユニットを含む装置本体1にはキャリッジ2が設けられており、12個の記録ヘッド5を搭載して移動し、これにより記録ヘッド5の記録用紙に対する主走査がなされる。すなわち、キャリッジ2は、ガイド軸11によりこれに沿って移動可能に案内支持されており、ベルト13を介して伝達される駆動力によって図中左右方向に往復移動する。なお、ここでは使用インクとして、例えばシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの他に、更に粒状感の低減を目的とした淡シアン、淡マゼンタを加えた計6色のインクを用いるものとし、また、記録スピードの向上を目的として、1色のインク毎に2個の記録ヘッドを使用するものとする。
30A、30B、30Cおよび30Dは、各記録ヘッド5のインク吐出状態を良好に保つための回復機構であり、詳しく図示していないがそれぞれキャップを備えてポンプを駆動源として各記録ヘッド5からのインク吸引動作を行ない、また、各記録ヘッド5の不使用時にキャッピングして各記録ヘッド5を保護する。31は各記録ヘッド5の予備吐出動作によって吐出されるインクを受容するインク受容箱、32は各記録ヘッド5の吐出口面のワイピング動作を行うためのワイピング機構である。
以上の装置構成において、ホスト装置から記録データを受け取ると、不図示の紙搬送ユニットによって送られる記録用紙に記録するために、キャリッジ2がガイド軸11に沿った主走査方向に移動するように制御され、さらに各記録ヘッド5が駆動されてインクを吐出することにより、主走査が行なわれ、記録用紙に1バンド分の画像が記録される。1回の主走査が終了すると、紙搬送ユニットによって記録用紙がガイド軸11と直交する副走査方向に1バンド分だけ搬送される。
なお、キャリッジ2の移動経路に沿ってキャリッジ2の移動位置を検出するためのエンコーダフィルム12が配設されており、キャリッジ2に搭載された不図示のエンコーダセンサがこれを検出する信号に基づいてキャリッジ2の位置を知ることができ、これにより、例えばキャリッジ2の回復機構30A〜30Dに対向するホームポジションへの移動が制御される。
各記録ヘッド5には、副走査方向に例えば600dpi(ドット/インチ)の密度で256個の吐出口が配列されており、各吐出口に連通したインク液路内には、インクを局所的に加熱して膜沸騰を起こさせ、その圧力によってインクを吐出させるための電気熱変換体が設けられている。また、各記録ヘッド5には、前記電気熱変換体が設けられた基板上に、前述した記録ヘッドの内部ないしインクの温度であるヘッド温度を検知するための温度センサ50(図2参照)が設けられている。
図2は、本実施例のインクジェット記録装置における制御系の構成を示すブロック図である。
同図において、800は本記録装置の全体を制御する主制御部であるコントローラであり、図6等で後述する制御を実行する例えばマイクロコンピュータからなるCPU801、その制御手順に対応したプログラムやテーブル、ヒートパルスの電圧値、パルス幅その他の固定データを格納したROM802、および記録データを展開する領域や作業用の領域等として使用されるRAM803からなる。
また、805は記録データの供給源であるパーソナルコンピュータなどのホスト装置であり、このホスト装置805からの記録データ、その他コマンド、ステータス信号等がインターフェース(I/F)804を介してコントローラ800に受信される。
806は、記録や予備吐出の際に記録データ等に応じて記録ヘッド5の電気熱変換体(吐出用ヒータ)を駆動するヘッドドライバである。また、前述したように各記録ヘッド5は温度センサ50を備え、これによって検出されたヘッド温度の検出値がコントローラ800に入力され、これにより、図6等で後述するヘッド温度の制御を行なうことができる。なお、本記録装置が使用される環境の温度を検出する環境温度センサ811も設けられ、環境温度の検出値もコントローラ800に入力される。
809はキャリッジ2を主走査方向に移動させるための駆動源である主走査モータ、807はそのドライバである。また、810は記録用紙を搬送(副走査)するための駆動源である副走査モータ、808はそのドライバである。
以上のハードウェアを有するインクジェット記録装置において、記録動作を途中で一時停止して記録ヘッドのインク吐出回復動作として吸引回復動作を行った場合のヘッド温度の制御について、以下に説明する。
まず、本実施例のヘッド温度制御に対する比較例として、記録動作を途中で一時停止して吸引回復動作を行った後にヘッド温度制御を行わなかった場合のヘッド温度の推移の一例を図3に示す。なお、図3は、横軸に記録用紙上の記録位置、縦軸にヘッド温度をとって記録用紙に記録がなされて行くに従ってヘッド温度が変化する様子を示したものである。
図3において、A点は吸引回復動作を行った記録位置であり、A点より以前のヘッド温度は、記録データに応じて比較的連続したインク吐出のための熱エネルギー供給が行なわれるため、記録開始直後から徐々に高くなる。一方、A点以後、記録を再開した直後のヘッド温度は、吐出回復動作直前と比較して顕著に低くなる。吸引回復動作中は熱エネルギーがインクに供給されずに専ら放熱が行なわれ、さらに、記録ヘッドのインク液路には新たに比較的温度の低いインクが流入するためである。
そして、ヘッド温度とインク吐出量の間には、図4に示すようにヘッド温度が高くなるほど吐出量が多くなる関係があるため、特に、上記A点で吐出量が顕著に低下する。その結果、記録途中で吸引回復処理を行った後にヘッド温度制御を行わない場合、図5に示すようにA点の前後で比較的大きな濃度変化が発生する。この濃度変化は記録画像において隣接した領域で発生するため、微小な(例えばOD差で0.02程度)濃度変化でもよく目立ち、記録品位を低下させてしまう。なお、記録動作の途中で吐出回復動作として吸引動作以外のワイピング動作や予備吐出動作を行なった場合についても、また、吐出回復動作だけでなく、入力データの遅延による一時停止、ユーザーによる一時停止を行った場合についても、その程度の差はあるものの図5に示す濃度変化と同様の濃度変化が発生する。
これに対し本実施例では、記録動作を一時停止して吐出回復動作として吸引回復動作を行った後、記録動作を再開する前に、吸引回復動作によって低下した複数の記録ヘッドの温度を、一時停止直前の複数の記録ヘッドの温度の平均値よりも所定温度だけ高い目標温度に制御し、さらに、所定時間だけ前記目標温度を維持するようにヘッド温度制御を行う。
このヘッド温度制御は、図6のフローチャートに示す制御手順に従って以下のように行われる。なお、この制御手順に対応したヘッド温度制御プログラムがROM802に格納され、CPU801により実行される。後述する実施例2の図11の制御手順についても同様とする。
図6の処理は画像形成(記録)の開始と共に開始され、まず所定の周期的なタイミング、例えば記録ヘッドの一回の主走査が終了して次の走査が始まるまでの待機時に、ヘッド温度をモニタすると共に吸引回復動作が起動されたか否かをチェックする(ステップS101、S102)。すなわち、12個の記録ヘッド5のそれぞれのヘッド温度Ta1〜Ta12を温度センサ50により検出し、検出値のデータをコントローラ800のRAM803に格納し(S101)、その後、待機時間中に吸引動作が起動されたかどうかを判断する(S102)。吸引動作が起動されていない場合には、ステップS101、S102を繰り返し、順次1回の走査毎に検出されるヘッド温度Ta1〜Ta12の値を前回の走査で格納された値に上書きして格納する。
また、ステップS102で吸引回復動作が起動されたと判断したら、その時点でRAM803に格納されているヘッド温度Ta1〜Ta12を吸引回復動作の直前(記録動作の一時停止の直前)の各記録ヘッド5のヘッド温度Tb1〜Tb12として確定し、RAM803に格納する(S103)。そして、この確定したヘッド温度Tb1〜Tb12の平均値Taveを算出してRAM803に格納する(S104)。図7は、各記録ヘッド5の確定したヘッド温度Tb1〜Tb12の一例を示しており、この例では平均値Taveは43℃となる。
次に、吸引回復動作が終了したか否か判断して終了を待ち(S105)、終了したら平均温度Taveよりも所定温度T℃(例えば3℃)高い温度を目標温度とするヘッド温度制御を行う(S106、S107)。すなわち、各記録ヘッド5についてその温度センサ50によって検出される現時点のヘッド温度を目標温度(Tave+T℃)と比較し(S106)、目標温度より低い場合には目標温度に到達するまで、図8に示すパルスを各記録ヘッド5の電気熱変換体に供給してヘッド内部の加熱(インクの加熱)を行う(S107)。このパルスは、インク吐出には至らない程度の熱エネルギーを記録ヘッド5内のインクに与えるものである。
ヘッド温度が目標温度(Tave+T℃)に到達したら、あるいは元から目標温度より高かったら、ヘッド温度制御の追加時間N(例えば5秒)の測定を開始し(S108)、追加時間Nだけヘッド温度制御を追加して行う(S109〜S111)。すなわち、追加時間Nの経過が判断される(S111)まで、各記録ヘッド5について検出されるヘッド温度を目標温度(Tave+T℃)と比較し(S109)、目標温度より低くなった場合には目標温度に到達するまで図8のパルスを各記録ヘッド5の電気熱変換体に供給してヘッド内部の加熱(インクの加熱)を行う(S110)。そして追加時間Nが経過したら(S111)、画像形成を再開する(S112)。
なお、元々ヘッド温度が目標温度(Tave+T℃)より高かった記録ヘッド5については、ステップS107での加熱はなされないが、追加時間Nの間に放熱で目標温度より低くなればステップS110で加熱され目標温度に制御される。また、追加時間Nの間中、目標温度より高くても、その間の放熱により目標温度に近づくことになる。
以上のようにヘッド温度制御の目標温度として、吸引回復動作直前(記録動作の一時停止直前)の12個の記録ヘッド5の温度の平均値Taveよりも所定温度T℃高い温度を用い、各記録ヘッド5の内でヘッド温度が目標温度より低いものについては目標温度に制御した後、更に目標温度を維持する温度制御を追加して行うことにより、ヘッド温度制御終了後に各記録ヘッド5が画像形成領域へ移動する間の放熱によりヘッド温度が低下しても、微小な濃度差や色味差の発生を防ぐことができる。この様子を図9及び図10に示してある。
図9は、記録途中で吸引回復動作を行った後に、上述した図6のヘッド温度制御を行った場合のヘッド温度(全ヘッドの平均値)の変化を図3と同様の形式で示している。同図に示すように、記録位置のA点より以前の記録中のヘッド温度は、図3に示した例と同様であり、A点で下がるが、上述のように吸引回復動作終了の直後で画像形成を再開する前にパルス加熱によるヘッド温度制御を行うので、記録領域に記録ヘッドが到達して画像形成を再開するA点直後のヘッド温度はA点直前(吸引回復動作直前)のヘッド温度と略等しくなる。
図10は、本実施例のヘッド温度制御を行った場合の画像形成濃度の変化を示しており、この図に示すように、吸引回復動作を行った記録位置のA点の前後で殆ど濃度変化が発生しない。
なお、上記の所定温度T℃は1℃以上で5℃以下の範囲内とするのが好ましい。1℃より低いと、画像形成領域へ移動する間の放熱の影響が相対的に大きくなり、微小な濃度低下が発生してしまう。また、5℃より高いと、画像形成領域へ移動する間の放熱の影響が小さくなりすぎて、逆に吐出量の増加を招き、濃度差が発生してしまう。
また、追加時間Nは5秒以上で20秒以下の範囲内とするのが好ましい。5秒より短いと、記録ヘッド内部のごく一部分のみしか目標温度に制御されないため、画像形成領域へ移動する間の温度低下が大きくなってしまい、微小な濃度差が発生してしまう場合がある。また、20秒より長いと、記録ヘッド内が一様に目標温度に温度制御されるものの、スループットが大きく低下してしまう。
また、本実施例では、12個の記録ヘッド5のそれぞれについて吸引回復動作の直前に検出されたヘッド温度の平均値Taveよりも所定温度T℃高い温度を目標温度としてヘッド温度制御を行い、全ての記録ヘッド5について目標温度を同じものとするので、ヘッド温度制御に用いるパラメータを少くでき、制御を簡単、容易にすることができる。
なお、ヘッド温度制御後、記録を再開するときの各記録ヘッドのヘッド温度は、個々の記録へッドについてみれば吸引回復動作を行なう直前のヘッド温度と異なるが、記録される画像は12個の記録ヘッドから吐出される各インクによるドットの集合として表わされるため、各インク毎のドットサイズのばらつきは記録画像によっては平均化されたものとなり、上記のような程度の個々の記録ヘッドのヘッド温度の違いが記録画像の濃度に与える影響は少ない。
なお、インク吐出回復動作として、上述の吸引回復動作の他、ワイピング動作や予備吐出動作を行なう場合については勿論、入力データの遅延による一時停止や、ユーザーの都合による一時停止、その他の理由による一時停止を行う場合にも、同様のヘッド温度制御を行うことができ、それによって図10に示したのと同様に、一時停止の前後で画像の濃度変化を殆どなくすことができる。以上のように、本実施例によれば、簡単、容易なヘッド温度制御により、記録動作の一時停止前後での画像の濃度変化を殆どなくすことができる。
上述した実施例1では、ヘッド温度制御の目標温度を得るためのヘッド温度の平均値Taveは全ての記録ヘッド5のヘッド温度の平均値としたが、そうすると記録データによって以下の2つの問題が生じる場合がある。
まず、例えば、記録データによってインク吐出頻度が著しく低い(全く吐出しない或いは頻度が低い)記録ヘッドが存在する場合、その記録ヘッドの温度はそれほど上昇しない。この場合に、一律に全ての記録ヘッドのヘッド温度の平均値Taveを求め、これに基づいて上述したヘッド温度制御を行うと、記録画像の全体的な濃度に大きな影響を与えているインク吐出頻度の高い記録ヘッド、すなわち記録濃度が高く記録動作の一時停止直前までにヘッド温度が高くなっている記録ヘッドについては、一時停止後にヘッド温度が著しく低い温度に制御されるので、濃度の変化(低下)が大きくなってしまう。一方、インク吐出頻度が著しく低くて記録濃度が低く、ヘッド温度が低い記録ヘッドについては、著しく高い温度に制御されるが、一時停止後も全くインク吐出しないか吐出頻度が少ないままであるので、記録画像の全体的な濃度への影響が小さく、吐出頻度の高い記録ヘッドによる記録濃度の変化が相殺されることはない。すなわち、インク吐出頻度が著しく低い記録ヘッドの温度によって平均値Taveが低めに設定されることにより、一時停止直前の記録画像の全体的な濃度がヘッド温度制御に反映されなくなる場合があるという問題がある。
また、記録データによって、全ての記録ヘッドのインク吐出頻度が著しく低くて記録濃度が低い場合、上述したヘッド温度制御を行わなくても、一時停止中のヘッド温度の低下による記録濃度の低下が僅かであって一時停止前後での記録画像の濃度変化が問題にならない程度に僅かなものになる場合がある。このような場合に上述したヘッド温度制御を行うことは無駄であり、インクジェット記録装置のスループットが低下してしまうという問題がある。
このような問題を解決するために、本発明の実施例2によるインクジェット記録装置のヘッド温度制御では、適当なヘッド温度の閾値温度Tsを設定し、ヘッド温度の平均値Taveとして、全記録ヘッドの内でヘッド温度が閾値温度Tsより高い記録ヘッドのヘッド温度の平均値を用いるようにし、また、全記録ヘッドのヘッド温度が閾値温度Tsより低い場合はヘッド温度制御を回避するようにする。なお、実施例2の装置のハードウェアの構成は実施例1の装置と共通とする。
図11は、実施例2によるインクジェット記録装置のヘッド温度制御の制御手順を示すフローチャートである。ステップS201〜S203及びS206〜S213は、実施例1の図6のステップS101〜S103及びS105〜S112と共通である。
図11の処理では、画像形成開始後、まず実施例1と同様に、所定の周期的なタイミング、例えば一回の主走査が終了して次の走査が始まるまでの待機時に、12個の全ての記録ヘッドのヘッド温度Ta1〜Ta12を検出すると共に記録動作の一時停止が開始されたか否か(吸引回復動作が起動されたか否か)をチェックし(S201、S202)、一時停止が開始されたら、その直前に検出されたヘッド温度Ta1〜Ta12を一時停止直前のヘッド温度Tb1〜Tb12として確定する(S203)。
次に、ヘッド温度Tb1〜Tb12をそれぞれ閾値温度Tsと比較し、閾値温度Tsより高いものがあるか否か判断する(S204)。なお、閾値温度Tsは、例えば環境温度センサ811により検出されるインクジェット記録装置の環境温度と、副走査1回当たりの記録媒体の搬送長さ(紙送り量)に応じて図15のように設定するが、その設定方法の詳細は後述する。
ステップS204でヘッド温度Tb1〜Tb12のうちで閾値温度Tsより高いものが一つでもあれば、その閾値温度Tsより高いヘッド温度のみの平均値をヘッド温度制御の目標温度を設定するためのヘッド温度の平均値Taveとして計算し、RAM803に格納する(S205)。例えば、図12はヘッド温度Tb1〜Tb12の一例を示しており、ここで閾値温度Ts=35℃とすると、この温度Tsより高いヘッド温度はTb2、Tb5、Tb6、Tb7、Tb8、Tb11であり、それらの平均値Taveは48℃となる。
一方、ステップS204でヘッド温度Tb1〜Tb12が全て閾値温度Tsより低かった場合には、ヘッド温度の平均値Taveを実際のヘッド温度Tb1〜Tb12に関係なく、通常の記録中のヘッド温度より極端に低い温度、例えば15℃に設定し(S214)、更に、先述したヘッド温度制御の追加時間Nを0に設定する(S215)。
ステップS205の後、或いはS215の後は、ステップS206〜S212で実施例1のステップS105〜S111と全く同様にヘッド温度制御を行う。
すなわち、記録動作の一時停止の終了(吸引回復動作の終了)を待ち(S206)、終了したら、全ての記録ヘッド5について平均温度Taveよりも所定温度T℃(例えば3℃)だけ高い温度を目標温度とするヘッド温度制御を行う(S207、S208)。すなわち、各記録ヘッド5についてそのヘッド温度を目標温度(Tave+T℃)と比較し(S207)、目標温度より低い場合には目標温度に到達するまで、インク吐出に到らない短いパルスを各記録ヘッド5の電気熱変換体に供給してヘッド内部の加熱を行う(S208)。
ヘッド温度が目標温度(Tave+T℃)に到達したら、あるいは元から目標温度より高かったら、ヘッド温度制御の追加時間N(例えば5秒)の測定を開始し(S209)、追加時間Nだけ上記のヘッド温度制御を追加して行い(S210〜S212)、その後、画像形成を再開する(S213)。
以上のようにして、一時停止直前のヘッド温度Tb1〜Tb12の内で閾値温度Tsより高いものがあった場合には、その高いもののみの平均値をヘッド温度制御のための平均値Taveに設定し、これに基づいて全記録ヘッドのヘッド温度制御を行なうことにより、前述したようにインク吐出頻度が著しく低い記録ヘッドの低いヘッド温度の影響によって、ヘッド温度の平均値Taveが低くなり、一時停止直前の記録画像の全体的な濃度がヘッド温度制御に反映されなくなることを未然に防止することが可能となる。すなわち、記録濃度が著しく低くヘッド温度が低い記録ヘッドの影響を排除したヘッド温度制御を行うことで、一時停止前後での濃度差を精度良く解消することができる。
また、ヘッド温度Tb1〜Tb12の全てが閾値温度Tsより低かった場合には、平均値Taveを著しく低い温度(例えば15℃)に設定し、さらに追加時間Nを0に設定することにより、一時停止終了(S206)後の各ヘッド温度と目標温度(Tave+T℃)との比較(S207)の処理、及び追加のヘッド温度制御の処理(S209〜212)のループを直ちに抜けて、不必要な温度制御を回避して画像形成を直ちに再開することができる。
すなわち、ヘッド温度Tb1〜Tb12の全てが閾値温度Tsより低いということは、記録ヘッド5の全てのインク吐出頻度が著しく低い(吐出がないか或いは頻度が低い)ことを示し、記録される画像の濃度が非常に低い場合である。このため、一時停止の間にへッド温度の低下があっても、それによる濃度低下は記録結果において認識できない程度のものと想定されるので、一時停止後にヘッド温度の制御を行なわなくても問題とはならない。
図13は、一時停止直前の各記録ヘッド5の温度Tb1〜Tb12が全て閾値温度Tsより小さい場合、すなわち、温度制御を行なわない場合の温度変化を示している。一時停止を行った記録位置の地点Aの前後ではヘッド温度変化が微小ではあるが発生する。しかし、その変化が微小であることと、ヘッド温度が非常に低いことから、それによるインク吐出量の変化も微小であり、一時停止後の記録でも図14に示すように濃度変化はごく僅かなものとなり、A点の前後で発生する濃度変化は、人間にとって濃度、色味の変化として認識できないほどに小さいものとなる。
したがって、このように複数の記録ヘッド全体として一時停止によって濃度変化が殆ど生じそうにないときに、不必要なヘッド温度制御を回避して直ちに記録動作を再開することにより、インクジェット記録装置のスループットを向上することができる。
なお、ステップS204でヘッド温度Tb1〜Tb12が全て閾値温度Tsより低かった場合に、ステップS214、S215の処理を行う代わりに、他の処理を行ってヘッド温度制御を回避するようにしてもよい。例えば、その場合にヘッド温度Tb1〜Tb12が全て閾値温度Tsより低いことを示すフラグをRAM803内などに立てておき、ステップS206で一時停止が終了したら、上記フラグが立っているか否か確認し、立っていたらステップS213にジャンプしてヘッド温度制御を回避し、立っていなければステップS207〜S212のヘッド温度制御を行うようにしてもよい。
次に、上述したヘッド温度制御に用いる閾値温度Tsの設定方法の詳細を説明する。
図15は、インクジェット記録装置の環境温度と、副走査1回当たりの記録媒体の搬送長さ(紙送り量)に応じて閾値温度Tsを設定したテーブルの内容を示している。このテーブルのデータをROM802に格納しておき、CPU801がヘッド温度制御を行うときに、環境温度センサ811により検出される環境温度と、そのとき設定されている副走査一回当たりの搬送長さに対応する閾値温度Tsのデータをテーブルから求めて閾値温度Tsを設定する。なお、図15において、Nは各記録ヘッド5において副走査方向に配列されるインク吐出口の数を示し、紙送り量がこのN(又はN/2又はN/4)×吐出口ピッチであることを示している。
図15に示すように、副走査一回当たりの搬送長さが長いほど閾値温度Tsを高く設定する。これは、副走査一回当たりの搬送長さが長いほど一回の主走査で記録するバンド(行)の幅が大きくなり、記録ヘッド5から吐出されるインク量が多くなり、記録ヘッド5内で連続的にインクに供給される熱エネルギーも多くなり、ヘッド温度も高くなるからである。この様子を図16に示す。つまり、濃度が等しい画像の形成において、副走査一回当たりの搬送長さが長いほど同じ記録位置でのヘッド温度が高くなり、同じ記録位置で吐出回復動作を行うものとすると、副走査一回当たりの搬送長さが長いほど吐出回復動作直前のヘッド温度が高くなる。言い換えれば、記録される画像の濃度が非常に低く、ヘッド温度制御を行わなくても問題とならないような、一時停止直前のヘッド温度は、副走査一回当りの搬送長さが長いほど高くなる。したがって、副走査一回当たりの搬送長さが長いほど閾値温度Tsを高くすることによって、不必要なヘッド温度制御を回避し、不必要なヘッド温度制御を実行することによる全体的な記録時間の増加を防ぐことができる。
また、図15に示すように、環境温度が高いほど閾値温度Tsを高くする。これは、環境温度が高い場合は記録中のヘッド温度の上昇が大きくなるからである。この様子を図17に示す。つまり、濃度が等しい画像の形成において、環境温度が高いほど一時停止直前のヘッド温度は高くなる。したがって、環境温度が高いほど、閾値温度Tsも高くすることにより、紙送り量の場合と同様に不必要なヘッド温度制御を回避して、記録時間の増加を防ぐことができる。
なお、以上に説明した実施例1,2のインクジェット記録装置は、カラー記録を行う装置としたが、複数の記録ヘッドによりインクジェット記録を行う装置であれば、同一色彩で異なる濃度で階調記録を行う装置、或いはカラー記録と階調記録の両方を行う装置にも同様に本発明を適用して同様の効果が得られる。さらに、本発明は、複数の記録ヘッドによりインクジェット記録を行う装置であれば、記録ヘッドとインクタンクを一体化した交換可能なインクジェットカートリッジを用いる構成や、記録ヘッドとインクタンクを別体にし、その間をインク供給用のチューブ等で接続する構成など、記録ヘッドとインクタンクの配置構成がどのような場合にも同様に適用することができ、同様の効果が得られる。
また、本発明は、特にインクジェット記録方式の中でも、熱エネルギーを利用してインクを吐出する方式の記録ヘッドを使用するインクジェット記録装置において優れた効果をもたらすものであるが、他のインクジェット記録方式の装置にも適用できることは勿論である。
本発明の実施例1,2におけるインクジェット記録装置の記録部の機械的構成を示す上面図である。 同インクジェット記録装置の制御系の構成を示すブロック図である。 記録動作を一時停止しヘッド温度制御を行わなかった場合の記録位置とヘッド温度の関係を示す線図である。 ヘッド温度とインク吐出量の関係を示す線図である。 記録動作を一時停止しヘッド温度制御を行わなかった場合の記録画像の濃度変化を示す線図である。 実施例1によるヘッド温度制御の制御手順を示すフローチャート図である。 実施例1のヘッド温度制御における一時停止直前の各記録ヘッドの温度の一例を示す表図である。 同ヘッド温度制御で記録ヘッドの加熱に用いる短い記録ヘッド駆動パルスを示す信号波形図である。 実施例1で吸引回復動作を行った後にヘッド温度制御を行った場合のヘッド温度の変化を示す線図である。 実施例1のヘッド温度制御を行った場合の記録画像濃度の変化を示す線図である。 実施例2によるヘッド温度制御の制御手順を示すフローチャート図である。 実施例2における一時停止直前の各記録ヘッドの温度の一例を示す表図である。 実施例2のヘッド温度制御において一時停止直前の各記録ヘッドの温度が全て閾値温度より小さい場合の温度変化を示す線図である。 図13の温度変化に応じた記録画像の濃度変化を示す線図である。 実施例2のヘッド温度制御に用いる閾値温度を環境温度と紙送り量に応じて設定するためのデータテーブルの内容を示す表図である。 副走査一回あたりの搬送長さが異なる場合のそれぞれのヘッド温度の変化を示す線図である。 環境温度が異なる場合のそれぞれのヘッド温度の変化を示す線図である。
符号の説明
1 インクジェット記録装置本体
2 キャリッジ
5 記録ヘッド
11 ガイド軸
12 エンコーダフィルム
13 ベルト
30A、30B、30C、30D 回復機構
31 インク受容箱
32 ワイピング機構
50 温度センサ
800 コントローラ
801 CPU
802 ROM
803 RAM
804 インターフェース
805 ホスト装置
806 ヘッドドライバ
807、808 モータドライバ
809 主走査モータ
810 副走査モータ
811 環境温度センサ

Claims (12)

  1. 複数の記録ヘッドから記録媒体にインクを吐出して記録を行ない、必要に応じて前記記録ヘッドによる記録動作中に記録動作を一時的に停止させる一時停止と、一時停止の状態から記録動作を再開させる動作とが可能なインクジェット記録装置の記録ヘッドの温度を制御するヘッド温度制御方法であって、
    記録動作中に前記複数の記録ヘッドの温度を検出する工程と、
    記録動作を途中で一時停止したときに、一時停止を終了して記録動作を再開する前に、一時停止直前に検出した複数の記録ヘッドの温度の平均値より所定温度高い温度をヘッド温度制御の目標温度として、複数の記録ヘッドの内で温度が目標温度より低い記録ヘッドを加熱して該記録ヘッドの温度を目標温度に制御する温度制御工程と、
    からなることを特徴とするインクジェット記録装置のヘッド温度制御方法。
  2. 前記温度制御工程は、前記一時停止終了後に記録動作を再開する前に、複数の記録ヘッドの内で温度が目標温度より低い記録ヘッドを加熱して該記録ヘッドの温度を目標温度に制御した後、さらに所定の追加時間だけ目標温度に維持するように制御することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置のヘッド温度制御方法。
  3. 前記所定温度は、1℃以上で5℃以下の範囲内の温度であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置のヘッド温度制御方法。
  4. 前記追加時間は、5秒以上で20秒以下の範囲内の時間であることを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録装置のヘッド温度制御方法。
  5. 前記一時停止直前に検出した複数の記録ヘッドの温度の平均値は、全ての記録ヘッドの内で温度が所定の閾値温度より高い記録ヘッドの温度の平均値であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置のヘッド温度制御方法。
  6. 前記一時停止直前に検出した複数の記録ヘッドの全ての温度が前記閾値温度より低かった場合はヘッド温度制御を回避することを特徴とする請求項5に記載のインクジェット記録装置のヘッド温度制御方法。
  7. 前記閾値温度は、インクジェット記録装置の環境温度に応じて異なる値に設定することを特徴とする請求項5または6に記載のインクジェット記録装置のヘッド温度制御方法。
  8. インクジェット記録装置は、前記記録ヘッドを主走査方向へ走査しながら記録を行う記録走査と、記録媒体を副走査方向へ搬送する副走査とを繰り返して記録媒体に対して記録を行うものであり、
    前記閾値温度は、インクジェット記録装置の副走査1回当たりの記録媒体の搬送長さに応じて異なる値に設定することを特徴とする請求項5から7までのいずれか1項に記載のインクジェット記録装置のヘッド温度制御方法。
  9. 前記一時停止は、記録ヘッドのインク吐出回復動作を行うための一時停止であることを特徴とする請求項1から8までのいずれか1項に記載のインクジェット記録装置のヘッド温度制御方法。
  10. 請求項1から9までのいずれか1項に記載のインクジェット記録装置のヘッド温度制御方法でヘッド温度制御を行うための制御手順を含むことを特徴とするインクジェット記録装置のヘッド温度制御プログラム。
  11. 複数の記録ヘッドから記録媒体にインクを吐出して記録を行ない、必要に応じて前記記録ヘッドによる記録動作中に記録動作を一時的に停止させる一時停止と、一時停止の状態から記録動作を再開させる動作とが可能なインクジェット記録装置において、
    前記複数の記録ヘッドの温度を検出する温度検出手段と、
    前記複数の記録ヘッドを加熱する加熱手段と、
    記録動作を途中で一時停止したときに、前記温度検出手段の検出結果に応じて前記加熱手段を駆動して、請求項1から9までのいずれか1項に記載のインクジェット記録装置のヘッド温度制御方法で記録ヘッドの温度を制御するヘッド温度制御手段を有することを特徴とするインクジェット記録装置。
  12. 前記複数の記録ヘッドのそれぞれにインクを吐出するための熱を発生する電気熱変換体が設けられ、前記ヘッド温度制御手段は、前記電気熱変換体を前記加熱手段として用いてヘッド温度制御を行うことを特徴とする請求項11に記載のインクジェット記録装置。
JP2004264829A 2004-09-13 2004-09-13 インクジェット記録装置、そのヘッド温度制御方法、及びそのヘッド温度制御プログラム Pending JP2006076223A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004264829A JP2006076223A (ja) 2004-09-13 2004-09-13 インクジェット記録装置、そのヘッド温度制御方法、及びそのヘッド温度制御プログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004264829A JP2006076223A (ja) 2004-09-13 2004-09-13 インクジェット記録装置、そのヘッド温度制御方法、及びそのヘッド温度制御プログラム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006076223A true JP2006076223A (ja) 2006-03-23

Family

ID=36156071

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004264829A Pending JP2006076223A (ja) 2004-09-13 2004-09-13 インクジェット記録装置、そのヘッド温度制御方法、及びそのヘッド温度制御プログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006076223A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008195027A (ja) * 2007-02-15 2008-08-28 Canon Inc インクジェット記録装置及びその記録方法
JP2011079277A (ja) * 2009-10-09 2011-04-21 Canon Inc インクジェット記録装置および記録ヘッドの温度制御方法
JP2013049256A (ja) * 2011-08-31 2013-03-14 Brother Industries Ltd 液体吐出ヘッドの電源装置、液体吐出装置およびプログラム
JP2013136178A (ja) * 2011-12-28 2013-07-11 Seiko Epson Corp 液体噴射装置及びメンテナンス方法
CN115320253A (zh) * 2021-05-11 2022-11-11 京瓷办公信息系统株式会社 图像形成装置

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003200596A (ja) * 2002-01-09 2003-07-15 Canon Inc インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法
JP2004148680A (ja) * 2002-10-30 2004-05-27 Canon Inc インクジェット記録装置

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003200596A (ja) * 2002-01-09 2003-07-15 Canon Inc インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法
JP2004148680A (ja) * 2002-10-30 2004-05-27 Canon Inc インクジェット記録装置

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008195027A (ja) * 2007-02-15 2008-08-28 Canon Inc インクジェット記録装置及びその記録方法
JP2011079277A (ja) * 2009-10-09 2011-04-21 Canon Inc インクジェット記録装置および記録ヘッドの温度制御方法
US8888223B2 (en) 2009-10-09 2014-11-18 Canon Kabushiki Kaisha Ink jet printing apparatus and print head temperature control method
US9545791B2 (en) 2009-10-09 2017-01-17 Canon Kabushiki Kaisha Ink jet printing apparatus and print head temperature control method
JP2013049256A (ja) * 2011-08-31 2013-03-14 Brother Industries Ltd 液体吐出ヘッドの電源装置、液体吐出装置およびプログラム
JP2013136178A (ja) * 2011-12-28 2013-07-11 Seiko Epson Corp 液体噴射装置及びメンテナンス方法
CN115320253A (zh) * 2021-05-11 2022-11-11 京瓷办公信息系统株式会社 图像形成装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4086590B2 (ja) 記録装置及び予備吐出制御方法
JP4155532B2 (ja) インクジェット記録装置及びクリーニング制御方法
JP2005246643A (ja) インクジェット記録装置及び該装置の予備吐出制御方法
JP2010214865A (ja) インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法
JP5241145B2 (ja) インクジェット記録装置
JP2009023259A (ja) インクジェット記録装置及び記録ヘッドの駆動方法
JP2007268762A (ja) インクジェット記録装置およびその温度制御方法
JP2006142840A (ja) インクジェット記録装置及び予備吐出制御方法
JP2004148596A (ja) インクジェット記録装置
JP2006076223A (ja) インクジェット記録装置、そのヘッド温度制御方法、及びそのヘッド温度制御プログラム
JP2003165231A (ja) クリーニング装置、インクジェットプリンタ、コンピュータプログラム、コンピュータシステム、及び、クリーニング方法
JP4850670B2 (ja) 記録装置
JP5159443B2 (ja) インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法
JP3913062B2 (ja) インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法
JP2007015217A (ja) インクジェット記録装置、インクジェット記録方法および予備吐出制御方法
JP2005254709A (ja) 液体噴射装置、及びその制御方法
JP4630558B2 (ja) 記録装置及び回復制御方法
JP2002187293A (ja) インクジェット式記録装置及びインク滴の吐出検査方法
JP2004090264A (ja) インクジェット記録装置及びその制御方法、プログラム
JP2004351766A (ja) クリーニング装置、インクジェットプリンタ、コンピュータプログラム、コンピュータシステム、及び、クリーニング方法
JP2009262404A (ja) 記録装置及び記録方法
JP2008049562A (ja) インクジェット記録装置
JP2005225115A (ja) インクジェット記録方法、インクジェット記録装置及びプリンタドライバ
JP2001121717A (ja) インクジェット記録装置
JP4011934B2 (ja) インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Effective date: 20070209

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

A621 Written request for application examination

Effective date: 20070913

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Effective date: 20100201

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100520

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100525

RD01 Notification of change of attorney

Effective date: 20100630

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100726

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101012

A02 Decision of refusal

Effective date: 20110308

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02