JP2006074380A - 周波数混合器 - Google Patents
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Abstract
【課題】 抵抗3の製造ばらつきに対して利得および雑音指数の特性を一定にする周波数混合器を得る。
【解決手段】 局部発振差動対2、抵抗3およびRFトランスコンダクタ4の複製回路からなり、抵抗3に流れる電流がRFトランスコンダクタ4に流れる電流に比例するように、局部発振差動対2のトランジスタ2a,2bにバイアス電圧を供給するバイアス電圧発生回路5を備えたので、抵抗3に製造ばらつきが生じても、抵抗3に流れる電流を一定にすることができ、よって、抵抗3の製造ばらつきに対して利得および雑音指数の特性を一定にすることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】 局部発振差動対2、抵抗3およびRFトランスコンダクタ4の複製回路からなり、抵抗3に流れる電流がRFトランスコンダクタ4に流れる電流に比例するように、局部発振差動対2のトランジスタ2a,2bにバイアス電圧を供給するバイアス電圧発生回路5を備えたので、抵抗3に製造ばらつきが生じても、抵抗3に流れる電流を一定にすることができ、よって、抵抗3の製造ばらつきに対して利得および雑音指数の特性を一定にすることができる。
【選択図】 図1
Description
この発明は、半導体集積回路により構成された周波数混合器に関するものである。
従来例として、例えば、特許文献1では、シングルバランス型ギルバートセル周波数混合器は、RFトランスコンダクタおよび局部発振差動対により構成される。この回路において、特性改善のために局部発振差動対のテール電流、すなわち、RFトランスコンダクタの出力電流の一部を、抵抗に流す電流により除去する手法がある。
この手法によれば、局部発振信号の小さい振幅で大きい利得、並びに、小さい雑音指数が得られる。なぜなら、一般のシングルバランス型ギルバートセル周波数混合器に比較して、局部発振信号のより小さい振幅で局部発振差動対が完全に切り替わるからである。
この手法によれば、局部発振信号の小さい振幅で大きい利得、並びに、小さい雑音指数が得られる。なぜなら、一般のシングルバランス型ギルバートセル周波数混合器に比較して、局部発振信号のより小さい振幅で局部発振差動対が完全に切り替わるからである。
ここで、「局部発振差動対が完全に切り替わる」意味、「局部発振差動対が完全に切り替わると、局部発振信号のより小さい振幅で大きい利得が得られる」理由、「局部発振差動対が完全に切り替わると、局部発振信号のより小さい振幅で小さい雑音指数が得られる」理由を順に説明する。
「局部発振差動対が完全に切り替わる」意味
図5は従来のシングルバランス型ギルバートセル周波数混合器を示す回路図であり、図5(a)に示すように、通常の周波数混合器は、負荷抵抗1a,1b、トランジスタ2a,2bからなる局部発振差動対2、およびRFトランスコンダクタ4から構成され、局部発振差動対2が局部発振信号LO+,LO−に応じて動作すると共に、RFトランスコンダクタ4が高周波信号RFに応じて動作することにより、それら局部発振信号LO+,LO−および高周波信号RFが混合された中間周波出力信号IFOUT−,IFOUT+が出力されるものである。
この図5(a)に示した周波数混合器の理想動作は、図5(b)に示すように、局部発振差動対2におけるトランジスタ2a,2bを、局部発振信号LO+,LO−に同期して動作するスイッチ2c,2dに置換したものである。
図6は局部発振差動対のゲート入力電圧−ドレイン出力電流特性を示す特性図である。このように、図5(a)が図5(b)と等価になるには、局部発振差動対2のゲート入力電圧−ドレイン出力電流特性が図6(a)のようになる必要がある。すなわち、局部発振信号入力交流振幅に対して局部発振差動対出力電流が伝達関数の最大値から最小値まで変化することである。この状態が完全に切り替わるという状態である。これに対して、図6(b)の状態が不完全に切り替わる状態である。すなわち、局部発振信号入力交流振幅に対して局部発振差動対出力電流が伝達関数の最大値から最小値まで変化しないことである。この状態が不完全に切り替わるという状態である。
図5は従来のシングルバランス型ギルバートセル周波数混合器を示す回路図であり、図5(a)に示すように、通常の周波数混合器は、負荷抵抗1a,1b、トランジスタ2a,2bからなる局部発振差動対2、およびRFトランスコンダクタ4から構成され、局部発振差動対2が局部発振信号LO+,LO−に応じて動作すると共に、RFトランスコンダクタ4が高周波信号RFに応じて動作することにより、それら局部発振信号LO+,LO−および高周波信号RFが混合された中間周波出力信号IFOUT−,IFOUT+が出力されるものである。
この図5(a)に示した周波数混合器の理想動作は、図5(b)に示すように、局部発振差動対2におけるトランジスタ2a,2bを、局部発振信号LO+,LO−に同期して動作するスイッチ2c,2dに置換したものである。
図6は局部発振差動対のゲート入力電圧−ドレイン出力電流特性を示す特性図である。このように、図5(a)が図5(b)と等価になるには、局部発振差動対2のゲート入力電圧−ドレイン出力電流特性が図6(a)のようになる必要がある。すなわち、局部発振信号入力交流振幅に対して局部発振差動対出力電流が伝達関数の最大値から最小値まで変化することである。この状態が完全に切り替わるという状態である。これに対して、図6(b)の状態が不完全に切り替わる状態である。すなわち、局部発振信号入力交流振幅に対して局部発振差動対出力電流が伝達関数の最大値から最小値まで変化しないことである。この状態が不完全に切り替わるという状態である。
「局部発振差動対が完全に切り替わると、局部発振信号のより小さい振幅で大きい利得が得られる」理由
周波数混合器の高周波信号RFの入力電圧→中間周波出力信号IFの出力電圧への変換利得AV,Cは、次式(1)で与えられる。
AV,C=Gm,RFAi,CZL (1)
但し、
Gm,RF RFトランスコンダクタ4のトランスコンダクタンス値
Ai,C 局部発振差動対2のソース−ドレイン間変換電流利得
VLO 局部発振信号振幅値
VLO,sat Ai,C=2/πとなる最小の局部発振信号振幅値
ZL 負荷抵抗1a,1bの抵抗値
である。
図7は局部発振差動対のソース−ドレイン間変換電流利得の局部発振信号振幅に対する特性を示す特性図である。上式(1)および図7により、局部発振差動対2が完全に切り替わると利得が大きくなり、局部発振信号のより小さい振幅VLO,satで大きい利得が得られることが分かる。
周波数混合器の高周波信号RFの入力電圧→中間周波出力信号IFの出力電圧への変換利得AV,Cは、次式(1)で与えられる。
AV,C=Gm,RFAi,CZL (1)
但し、
Gm,RF RFトランスコンダクタ4のトランスコンダクタンス値
Ai,C 局部発振差動対2のソース−ドレイン間変換電流利得
VLO 局部発振信号振幅値
VLO,sat Ai,C=2/πとなる最小の局部発振信号振幅値
ZL 負荷抵抗1a,1bの抵抗値
である。
図7は局部発振差動対のソース−ドレイン間変換電流利得の局部発振信号振幅に対する特性を示す特性図である。上式(1)および図7により、局部発振差動対2が完全に切り替わると利得が大きくなり、局部発振信号のより小さい振幅VLO,satで大きい利得が得られることが分かる。
「局部発振差動対が完全に切り替わると、局部発振信号のより小さい振幅で小さい雑音指数が得られる」理由
上述のように、局部発振差動対2が完全に切り替わると変換利得が大きくなる。変換利得が大きくなると、負荷抵抗1a,1bおよびその後段の回路から発生する雑音の雑音指数への寄与率が小さくなる。
図8は局部発振信号振幅に対する雑音指数の特性を示す特性図であり、例えば、局部発振信号振幅に対する雑音指数の特性は、一般にこの図8に示すような特性である。したがって、局部発振差動対2が完全に切り替わると、局部発振信号のより小さい振幅で小さい雑音指数が得られる。
上述のように、局部発振差動対2が完全に切り替わると変換利得が大きくなる。変換利得が大きくなると、負荷抵抗1a,1bおよびその後段の回路から発生する雑音の雑音指数への寄与率が小さくなる。
図8は局部発振信号振幅に対する雑音指数の特性を示す特性図であり、例えば、局部発振信号振幅に対する雑音指数の特性は、一般にこの図8に示すような特性である。したがって、局部発振差動対2が完全に切り替わると、局部発振信号のより小さい振幅で小さい雑音指数が得られる。
ところで、局部発振差動対2を完全に切り替えるには、次の2つの方法が考えられる。
1.局部発振差動対2の入力範囲を小さくする。すなわち、オーバドライブ電圧を小さくする。
2.局部発振信号振幅を大きくする。
特許文献1は、この内、1.を実現するものである。
図9は従来のシングルバランス型ギルバートセル周波数混合器を示す回路図であり、特許文献1に示された他の回路である。この図9の回路では図5(a)に示された回路に加えて、抵抗3が接続されている。
この図9に示された回路によれば、抵抗3が接続されていない図5(a)に示された回路に比較して、局部発振差動対2のトランジスタ2a,2bのオーバドライブ電圧を小さくすることができる。なぜなら、オーバドライブ電圧VeffはMOSトランジスタの二乗則モデルによれば、次式(2)にしたがうからである。
Veff∝(Id)1/2=(Ia,DC−If)1/2 (2)
但し、
Ia,DC RFトランスコンダクタ4の直流出力ドレイン電流値
If 抵抗3に流れる電流値
である。
1.局部発振差動対2の入力範囲を小さくする。すなわち、オーバドライブ電圧を小さくする。
2.局部発振信号振幅を大きくする。
特許文献1は、この内、1.を実現するものである。
図9は従来のシングルバランス型ギルバートセル周波数混合器を示す回路図であり、特許文献1に示された他の回路である。この図9の回路では図5(a)に示された回路に加えて、抵抗3が接続されている。
この図9に示された回路によれば、抵抗3が接続されていない図5(a)に示された回路に比較して、局部発振差動対2のトランジスタ2a,2bのオーバドライブ電圧を小さくすることができる。なぜなら、オーバドライブ電圧VeffはMOSトランジスタの二乗則モデルによれば、次式(2)にしたがうからである。
Veff∝(Id)1/2=(Ia,DC−If)1/2 (2)
但し、
Ia,DC RFトランスコンダクタ4の直流出力ドレイン電流値
If 抵抗3に流れる電流値
である。
抵抗3に流れる電流値Ifは、次式(3)により決まる。
If=(Vdd−Vp)/Rf (3)
但し、
Vdd 電源電位
Vp 局部発振差動対2の共通ソース電位
Rf 抵抗3の抵抗値
である。
局部発振差動対2のゲート直流電圧VLO,DCは、電源Vddから一定値に決めるのが普通である。この場合、電源Vddが決まることによってゲート直流電圧VLO,DCが決まり、さらに、ゲート直流電圧VLO,DCから局部発振差動対2のゲート−ソース間電圧Vgsdcを差し引くことで共通ソース電位Vpが決まり、よって、Vdd−VpからIfが決まることから、抵抗3に流れる電流値Ifはゲート直流電圧VLO,DCにより決まる。
If=(Vdd−Vp)/Rf (3)
但し、
Vdd 電源電位
Vp 局部発振差動対2の共通ソース電位
Rf 抵抗3の抵抗値
である。
局部発振差動対2のゲート直流電圧VLO,DCは、電源Vddから一定値に決めるのが普通である。この場合、電源Vddが決まることによってゲート直流電圧VLO,DCが決まり、さらに、ゲート直流電圧VLO,DCから局部発振差動対2のゲート−ソース間電圧Vgsdcを差し引くことで共通ソース電位Vpが決まり、よって、Vdd−VpからIfが決まることから、抵抗3に流れる電流値Ifはゲート直流電圧VLO,DCにより決まる。
また、例えば、非特許文献1では、抵抗3を付加することで、より小さい局部発振信号振幅において局部発振差動対2が完全に切り替わり、雑音特性および変換利得の改善が期待できることが示されている。なぜなら、変換利得は上式(1)にしたがい、且つ変換電流利得のオーバドライブ電圧Veffの依存性は次式(4)にしたがうからである。
Ai,C =2/π 局部発振信号振幅が大きく、局部発振差動対2が
完全に切り替わっている場合
∝vLO/Veff 局部発振信号振幅が小さく、局部発振差動対2の
切り替わりが不完全な場合 (4)
Ai,C =2/π 局部発振信号振幅が大きく、局部発振差動対2が
完全に切り替わっている場合
∝vLO/Veff 局部発振信号振幅が小さく、局部発振差動対2の
切り替わりが不完全な場合 (4)
従来の周波数混合器は以上のように構成されているので、以下の2つの課題があった。
a.抵抗3の製造ばらつきにより、利得および雑音指数の特性が変動する。
b.入力される高周波信号RFに対する利得の線形性が劣化する。
a.抵抗3の製造ばらつきにより、利得および雑音指数の特性が変動する。
b.入力される高周波信号RFに対する利得の線形性が劣化する。
抵抗3の製造ばらつきにより、利得および雑音指数の特性が変動する理由
抵抗3の製造ばらつきにより、抵抗3に流れる電流Ifが変動するが、抵抗3に流れる電流Ifが変動することにより、上式(2),(4)より、利得が変動するからである。また、利得が変動すると負荷抵抗1a,1bの後段の雑音寄与が変動し、雑音指数が変動するからである。
抵抗3の製造ばらつきにより、抵抗3に流れる電流Ifが変動するが、抵抗3に流れる電流Ifが変動することにより、上式(2),(4)より、利得が変動するからである。また、利得が変動すると負荷抵抗1a,1bの後段の雑音寄与が変動し、雑音指数が変動するからである。
入力される高周波信号RFに対する利得の線形性が劣化する理由
図10はRFトランスコンダクタ4に流れる基準電流Iaと抵抗3に流れる電流Ifとの差(Ia−If)の関係を模式的に示した模式図である。
ここで、RFトランスコンダクタ単独の出力電流は、RFトランスコンダクタ4のゲートに、高周波信号RFに直流のバイアス電圧が加えられた電圧が入力された場合に、そのRFトランスコンダクタ4に流れる基準電流Iaである。
また、RF無信号時に抵抗に流れる電流は、RFトランスコンダクタ4のゲートに、高周波信号RFの振幅を0とし、直流のバイアス電圧のみが入力された場合に、抵抗3に流れる電流If0である。
さらに、差は、RFトランスコンダクタ4のゲートに、高周波信号RFの振幅を0とし、直流のバイアス電圧のみが入力された場合に、局部発振差動対2に流れる電流(Ia−If0)である。
さらに、RFトランスコンダクタと抵抗を接続した場合の差は、RFトランスコンダクタ4のゲートに、高周波信号RFに直流のバイアス電圧が加えられた電圧が入力された場合に、局部発振差動対2に流れる電流(Ia−If)である。
これらを、(a)高周波信号RFの振幅が小さい場合と、(b)高周波信号RFの振幅が大きい場合とに分けて示したものである。
図10はRFトランスコンダクタ4に流れる基準電流Iaと抵抗3に流れる電流Ifとの差(Ia−If)の関係を模式的に示した模式図である。
ここで、RFトランスコンダクタ単独の出力電流は、RFトランスコンダクタ4のゲートに、高周波信号RFに直流のバイアス電圧が加えられた電圧が入力された場合に、そのRFトランスコンダクタ4に流れる基準電流Iaである。
また、RF無信号時に抵抗に流れる電流は、RFトランスコンダクタ4のゲートに、高周波信号RFの振幅を0とし、直流のバイアス電圧のみが入力された場合に、抵抗3に流れる電流If0である。
さらに、差は、RFトランスコンダクタ4のゲートに、高周波信号RFの振幅を0とし、直流のバイアス電圧のみが入力された場合に、局部発振差動対2に流れる電流(Ia−If0)である。
さらに、RFトランスコンダクタと抵抗を接続した場合の差は、RFトランスコンダクタ4のゲートに、高周波信号RFに直流のバイアス電圧が加えられた電圧が入力された場合に、局部発振差動対2に流れる電流(Ia−If)である。
これらを、(a)高周波信号RFの振幅が小さい場合と、(b)高周波信号RFの振幅が大きい場合とに分けて示したものである。
(a)高周波信号RFの振幅が小さい場合では、局部発振差動対2の共通ソース電位Vpは、RFトランスコンダクタ4の基準電流Iaに対してほぼ線形に変動する。例えば、RFトランスコンダクタ4の基準電流Iaが正弦波である場合には、局部発振差動対2の共通ソース電位Vpもほぼ正弦波となる。したがって、抵抗3に流れる電流Ifは一定である。
(b)高周波信号RFの振幅が大きい場合では、RFトランスコンダクタ4が完全に切り替わり、その出力電流は周期的に0になる。これは図10中に○で示した箇所である。この時、局部発振差動対2の共通ソース電位Vpは、RFトランスコンダクタ4の基準電流Iaに対して強い歪を持って変動する。例えば、RFトランスコンダクタ4の基準電流Iaが正弦波である場合には、局部発振差動対2の共通ソース電位Vpは純粋な正弦波から形が大きく崩れた波形となる。したがって、抵抗3に流れる電流Ifは入力される高周波信号RFに対して非線形性を示す。ゆえに、上式(2),(4)より、変換利得も入力される高周波信号RFに対して非線形性を示す。
(b)高周波信号RFの振幅が大きい場合では、RFトランスコンダクタ4が完全に切り替わり、その出力電流は周期的に0になる。これは図10中に○で示した箇所である。この時、局部発振差動対2の共通ソース電位Vpは、RFトランスコンダクタ4の基準電流Iaに対して強い歪を持って変動する。例えば、RFトランスコンダクタ4の基準電流Iaが正弦波である場合には、局部発振差動対2の共通ソース電位Vpは純粋な正弦波から形が大きく崩れた波形となる。したがって、抵抗3に流れる電流Ifは入力される高周波信号RFに対して非線形性を示す。ゆえに、上式(2),(4)より、変換利得も入力される高周波信号RFに対して非線形性を示す。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、抵抗の製造ばらつきに対して利得および雑音指数の特性を一定にする周波数混合器を得ることを目的とする。
この発明に係る周波数混合器は、局部発振差動対、第1の抵抗および第1のトランスコンダクタの複製回路からなり、第1の抵抗に流れる電流が第1のトランスコンダクタに流れる電流に比例するように、局部発振差動対の第1および第2のトランジスタにバイアス電圧を供給するバイアス電圧発生回路を備えたものである。
この発明によれば、第1の抵抗に製造ばらつきが生じても、第1の抵抗に流れる電流を一定にすることができ、よって、第1の抵抗の製造ばらつきに対して利得および雑音指数の特性を一定にすることができる効果がある。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1によるシングルバランス型ギルバートセル周波数混合器を示す回路図であり、図において、負荷抵抗1a,1bは、それぞれの一端が電源(第1の高電位電源)Vddに接続され、互いに並列接続されたものである。
局部発振差動対2は、ドレインが負荷抵抗1aの他端に接続されたトランジスタ(第1のトランジスタ)2a、およびドレインが負荷抵抗1bの他端に接続されたトランジスタ(第2のトランジスタ)2bからなり、それぞれゲートに入力される局部発振信号LO+,LO−に応じて動作するものである。なお、負荷抵抗1aおよびトランジスタ2a間から中間周波出力信号IFOUT−が、負荷抵抗1bおよびトランジスタ2b間から中間周波出力信号IFOUT+が取り出されるように構成されている。
抵抗(第1の抵抗)3は、一端が電源Vddに接続されると共に他端が局部発振差動対2の共通ソースに接続されたものである。
RFトランスコンダクタ(第1のトランスコンダクタ)4は、ドレインが局部発振差動対2の共通ソースに接続されると共にソースがグランド(低電位電源)に接続され、ゲートに入力される高周波信号(入力信号)RFに応じて動作するものである。
図1はこの発明の実施の形態1によるシングルバランス型ギルバートセル周波数混合器を示す回路図であり、図において、負荷抵抗1a,1bは、それぞれの一端が電源(第1の高電位電源)Vddに接続され、互いに並列接続されたものである。
局部発振差動対2は、ドレインが負荷抵抗1aの他端に接続されたトランジスタ(第1のトランジスタ)2a、およびドレインが負荷抵抗1bの他端に接続されたトランジスタ(第2のトランジスタ)2bからなり、それぞれゲートに入力される局部発振信号LO+,LO−に応じて動作するものである。なお、負荷抵抗1aおよびトランジスタ2a間から中間周波出力信号IFOUT−が、負荷抵抗1bおよびトランジスタ2b間から中間周波出力信号IFOUT+が取り出されるように構成されている。
抵抗(第1の抵抗)3は、一端が電源Vddに接続されると共に他端が局部発振差動対2の共通ソースに接続されたものである。
RFトランスコンダクタ(第1のトランスコンダクタ)4は、ドレインが局部発振差動対2の共通ソースに接続されると共にソースがグランド(低電位電源)に接続され、ゲートに入力される高周波信号(入力信号)RFに応じて動作するものである。
局部発振差動対ゲートバイアス電圧発生回路(以下、バイアス電圧発生回路と言う)5は、局部発振差動対2、抵抗3およびRFトランスコンダクタ4の複製回路からなり、抵抗3に流れる電流IfがRFトランスコンダクタ4に流れる基準電流Iaに比例するように、局部発振差動対2のトランジスタ2a,2bのゲートにバイアス電圧を供給するものである。
そのバイアス電圧発生回路5において、トランジスタ(第3のトランジスタ)6は、局部発振差動対2のトランジスタ2a,2bと種類が同じでドレイン電流密度も同じな複製回路からなり、ドレインが電源Vddに接続され、ゲートに入力される抵抗7を通じた局部発振信号に応じて動作するものである。電流源トランジスタ(第1の電流源トランジスタ)8は、RFトランスコンダクタ4と種類が同じでドレイン電流密度も同じな複製回路からなり、ドレインがトランジスタ6のソースに接続されると共にソースがグランドに接続され、ゲートに入力される抵抗9を通じた高周波信号RFに応じて動作するものである。抵抗(第2の抵抗)10は、半導体製造において抵抗3の近傍で製造された複製回路からなり、一端が電源Vddに接続されたものである。電流源トランジスタ(第2の電流源トランジスタ)11は、ドレインが抵抗10の他端に接続されると共にソースがグランドに接続され、ゲートに入力される抵抗9を通じた高周波信号RFに応じて動作するものである。なお、電流源トランジスタ8,11は、RFトランスコンダクタ4と共にカレントミラー回路を構成する。また、それらRFトランスコンダクタ4および電流源トランジスタ8,11のゲートには、高周波信号RFと共にバイアス電圧Vbias1が供給される。演算増幅器12は、+入力が抵抗10および電流源トランジスタ11の接続部に接続されると共に−入力がトランジスタ6および電流源トランジスタ8の接続部に接続され、出力がトランジスタ6のゲートに接続され、それら2つの入力部の電位が等しくなるようにトランジスタ6にバイアス電圧を供給すると共に抵抗7を通じて局部発振差動対2のトランジスタ2a,2bにバイアス電圧を供給するものである。なお、トランジスタ6および演算増幅器12により、ボルテージフォロア13を構成する。
次に動作について説明する。
図1において、局部発振差動対2が局部発振信号LO+,LO−に応じて動作すると共に、RFトランスコンダクタ4が高周波信号RFに応じて動作することにより、それら局部発振信号LO+,LO−および高周波信号RFが混合された中間周波出力信号IFOUT−,IFOUT+が出力されるものである。また、抵抗3を付加することで、より小さい局部発振信号振幅において局部発振差動対2が完全に切り替わり、雑音特性および変換利得の改善が期待できる。
しかしながら、従来例では、抵抗3の製造ばらつきにより、抵抗3に流れる電流Ifが変動し、抵抗3に流れる電流Ifが変動することにより、利得および雑音指数の特性が変動する課題があった。
図1において、局部発振差動対2が局部発振信号LO+,LO−に応じて動作すると共に、RFトランスコンダクタ4が高周波信号RFに応じて動作することにより、それら局部発振信号LO+,LO−および高周波信号RFが混合された中間周波出力信号IFOUT−,IFOUT+が出力されるものである。また、抵抗3を付加することで、より小さい局部発振信号振幅において局部発振差動対2が完全に切り替わり、雑音特性および変換利得の改善が期待できる。
しかしながら、従来例では、抵抗3の製造ばらつきにより、抵抗3に流れる電流Ifが変動し、抵抗3に流れる電流Ifが変動することにより、利得および雑音指数の特性が変動する課題があった。
そこで、この実施の形態1では、局部発振差動対2、抵抗3およびRFトランスコンダクタ4の複製回路からなるバイアス電圧発生回路5を設け、バイアス電圧発生回路5内のボルテージフォロア13は、+入力と−入力との両電位が等しくなるようにトランジスタ6にバイアス電圧を供給すると共に局部発振差動対2のトランジスタ2a,2bにバイアス電圧を供給する。
ここで、ボルテージフォロア13は、+入力と−入力との両電位が等しくなるように動作するので、
Vdd−RbIb=Vpp (5)
但し、
Rb 抵抗10の抵抗値
Ib 抵抗10に流れる電流値
Vpp トランジスタ6および電流源トランジスタ8の接続部の電圧値
である。
一方、トランジスタ6および電流源トランジスタ8の接続部、トランジスタ6および局部発振差動対2のループにより、
Vpp+Vgsref=Vp+VgsLO (6)
但し、
Vgsref トランジスタ6のゲート−ソース間電圧値
VgsLO トランジスタ2a,2bのゲート−ソース間電圧値
である。ここで、トランジスタ6は、トランジスタ2a,2bの複製回路であるから、
Vgsref=VgsLO (7)
ゆえに、
Vpp=Vp (8)
よって、
Vdd−Vp=RbIb (9)
が成立する。すなわち、
Vdd−Vp=Vdd−Vpp+Vgsref−VgsLO
=RbIb=Rb(1/m)Ia (10)
但し、
Ia RFトランスコンダクタ4に流れる基準電流(=mIb,mは定数)
Vdd−RbIb=Vpp (5)
但し、
Rb 抵抗10の抵抗値
Ib 抵抗10に流れる電流値
Vpp トランジスタ6および電流源トランジスタ8の接続部の電圧値
である。
一方、トランジスタ6および電流源トランジスタ8の接続部、トランジスタ6および局部発振差動対2のループにより、
Vpp+Vgsref=Vp+VgsLO (6)
但し、
Vgsref トランジスタ6のゲート−ソース間電圧値
VgsLO トランジスタ2a,2bのゲート−ソース間電圧値
である。ここで、トランジスタ6は、トランジスタ2a,2bの複製回路であるから、
Vgsref=VgsLO (7)
ゆえに、
Vpp=Vp (8)
よって、
Vdd−Vp=RbIb (9)
が成立する。すなわち、
Vdd−Vp=Vdd−Vpp+Vgsref−VgsLO
=RbIb=Rb(1/m)Ia (10)
但し、
Ia RFトランスコンダクタ4に流れる基準電流(=mIb,mは定数)
上式(10)を上式(3)に代入すると、次式(11)が得られる。
If=(Rb/Rf)Ib=(Rb/Rf)(1/m)Ia (11)
このように、抵抗3に流れる電流Ifは、抵抗3の抵抗値Rfと抵抗10の抵抗値Rbとの抵抗比と、定数mと、基準電流Iaとにより決まる。
ここで、抵抗10は、半導体製造において抵抗3の近傍で製造された複製回路からなることから、抵抗3の抵抗値Rfに製造ばらつきがあっても、抵抗10の抵抗値Rbは、その抵抗3の抵抗値Rfの製造ばらつきと同じようにばらつく。したがって、Rb/Rfは一定値となるので、抵抗3に製造ばらつきが生じても、抵抗3に流れる電流Ifを一定にすることができ、よって、抵抗3の製造ばらつきに対して利得および雑音指数の特性を一定にすることができる。
If=(Rb/Rf)Ib=(Rb/Rf)(1/m)Ia (11)
このように、抵抗3に流れる電流Ifは、抵抗3の抵抗値Rfと抵抗10の抵抗値Rbとの抵抗比と、定数mと、基準電流Iaとにより決まる。
ここで、抵抗10は、半導体製造において抵抗3の近傍で製造された複製回路からなることから、抵抗3の抵抗値Rfに製造ばらつきがあっても、抵抗10の抵抗値Rbは、その抵抗3の抵抗値Rfの製造ばらつきと同じようにばらつく。したがって、Rb/Rfは一定値となるので、抵抗3に製造ばらつきが生じても、抵抗3に流れる電流Ifを一定にすることができ、よって、抵抗3の製造ばらつきに対して利得および雑音指数の特性を一定にすることができる。
実施の形態2.
図2はこの発明の実施の形態2によるシングルバランス型ギルバートセル周波数混合器を示す回路図であり、図において、振幅電圧変換器21は、入力される高周波信号RFの振幅に反比例した直流電圧を発生するものである。
その振幅電圧変換器21において、抵抗22および容量23は、一端が電源Vddに接続され、互いに並列接続されたものである。これら抵抗22および容量23により、一端が電源Vddに接続されると共に他端が抵抗3の一端に接続された低域通過フィルタ24を構成する。
トランジスタ(第4のトランジスタ)25は、ドレインが低域通過フィルタ24の他端に接続され、容量27を通じてゲートに入力される高周波信号RFおよび抵抗28を通じてゲートに入力されるバイアス電圧(第1のバイアス電圧)Vbias2に応じて動作するものである。トランジスタ(第5のトランジスタ)26は、ドレインが電源Vddに接続され、ゲートに入力されるバイアス電圧(第2のバイアス電圧)Vbias3に応じて動作するものである。なお、バイアス電圧Vbias2よりもバイアス電圧Vbias3が大きいものとする。また、トランジスタ25,26のソース同士は接続され、これらトランジスタ25,26により、振幅電圧変換器差動対を構成する。
RFトランスコンダクタ(第2のトランスコンダクタ)29は、ドレインが振幅電圧変換器差動対の共通ソースに接続されると共にソースがグランドに接続され、ゲートに入力される高周波信号RFに応じて動作するものである。容量30は、RF入力端子およびRFトランスコンダクタ4間に接続されたものである。
その他の構成については、図1と同一である。
図2はこの発明の実施の形態2によるシングルバランス型ギルバートセル周波数混合器を示す回路図であり、図において、振幅電圧変換器21は、入力される高周波信号RFの振幅に反比例した直流電圧を発生するものである。
その振幅電圧変換器21において、抵抗22および容量23は、一端が電源Vddに接続され、互いに並列接続されたものである。これら抵抗22および容量23により、一端が電源Vddに接続されると共に他端が抵抗3の一端に接続された低域通過フィルタ24を構成する。
トランジスタ(第4のトランジスタ)25は、ドレインが低域通過フィルタ24の他端に接続され、容量27を通じてゲートに入力される高周波信号RFおよび抵抗28を通じてゲートに入力されるバイアス電圧(第1のバイアス電圧)Vbias2に応じて動作するものである。トランジスタ(第5のトランジスタ)26は、ドレインが電源Vddに接続され、ゲートに入力されるバイアス電圧(第2のバイアス電圧)Vbias3に応じて動作するものである。なお、バイアス電圧Vbias2よりもバイアス電圧Vbias3が大きいものとする。また、トランジスタ25,26のソース同士は接続され、これらトランジスタ25,26により、振幅電圧変換器差動対を構成する。
RFトランスコンダクタ(第2のトランスコンダクタ)29は、ドレインが振幅電圧変換器差動対の共通ソースに接続されると共にソースがグランドに接続され、ゲートに入力される高周波信号RFに応じて動作するものである。容量30は、RF入力端子およびRFトランスコンダクタ4間に接続されたものである。
その他の構成については、図1と同一である。
次に動作について説明する。
図2において、抵抗22および容量23は、低域通過フィルタ24を構成する。例えば、高周波信号RFの周波数において、1/2πRcCcが十分小さくなるように、すなわち、インピーダンスが十分小さくなるように、抵抗22の抵抗値Rcおよび容量23の容量値Ccを定める。また、バイアス電圧Vbias2よりもバイアス電圧Vbias3が大きくなるように設定する。
振幅電圧変換器21から抵抗3に供給される出力電圧をVoutとすれば、以下のようなVoutが出力される。
高周波信号RFの振幅が十分に小さい場合、振幅電圧変換器差動対において、トランジスタ26のみがオンし、トランジスタ25はオンすることなく、トランジスタ25のドレイン電流は0となる。したがって、出力電圧Voutは一定で、Vout=Vddとなる。
高周波信号RFの振幅が中程度になると、振幅電圧変換器差動対において、トランジスタ25は周期的にオンし、出力電圧Voutは次第に低下する。
高周波信号RFの振幅が十分に大きくなると、振幅電圧変換器差動対において、トランジスタ25,26が同じ割合でオンし、この状態になると高周波信号RFの振幅に関わらず、出力電圧Voutは再び一定となる。
図2において、抵抗22および容量23は、低域通過フィルタ24を構成する。例えば、高周波信号RFの周波数において、1/2πRcCcが十分小さくなるように、すなわち、インピーダンスが十分小さくなるように、抵抗22の抵抗値Rcおよび容量23の容量値Ccを定める。また、バイアス電圧Vbias2よりもバイアス電圧Vbias3が大きくなるように設定する。
振幅電圧変換器21から抵抗3に供給される出力電圧をVoutとすれば、以下のようなVoutが出力される。
高周波信号RFの振幅が十分に小さい場合、振幅電圧変換器差動対において、トランジスタ26のみがオンし、トランジスタ25はオンすることなく、トランジスタ25のドレイン電流は0となる。したがって、出力電圧Voutは一定で、Vout=Vddとなる。
高周波信号RFの振幅が中程度になると、振幅電圧変換器差動対において、トランジスタ25は周期的にオンし、出力電圧Voutは次第に低下する。
高周波信号RFの振幅が十分に大きくなると、振幅電圧変換器差動対において、トランジスタ25,26が同じ割合でオンし、この状態になると高周波信号RFの振幅に関わらず、出力電圧Voutは再び一定となる。
このように、高周波信号RFの振幅が大きくなれば、振幅電圧変換器21から抵抗3に供給される出力電圧Voutは小さくなり、その結果、抵抗3に流れる電流Ifは小さくなる。すなわち、抵抗3に流れる電流Ifは、高周波信号RFの振幅に対して単調減少する特性が得られる。
従来例で高周波信号RFの振幅が大きい場合では、図10(b)に示したように、抵抗3に流れる電流Ifは入力される高周波信号RFに対して非線形性を示したが、この実施の形態2では、抵抗3に流れる電流Ifが、高周波信号RFの振幅に対して単調減少するようにしたので、高周波信号RFの振幅が大きい場合でも、抵抗3に流れる電流Ifは入力される高周波信号RFに対して線形性を維持し、変換利得も入力される高周波信号RFに対して線形性を維持することができる。
従来例で高周波信号RFの振幅が大きい場合では、図10(b)に示したように、抵抗3に流れる電流Ifは入力される高周波信号RFに対して非線形性を示したが、この実施の形態2では、抵抗3に流れる電流Ifが、高周波信号RFの振幅に対して単調減少するようにしたので、高周波信号RFの振幅が大きい場合でも、抵抗3に流れる電流Ifは入力される高周波信号RFに対して線形性を維持し、変換利得も入力される高周波信号RFに対して線形性を維持することができる。
次に、抵抗3に流れる電流IfがRFトランスコンダクタ4の基準電流Iaに比例する理由を示す。次式(12)が成立する。
If=(Vdd−Rc(Ic+If)−Vp)/Rf
=(Vdd−Rc((1/n)Ia+If)−Vp)/Rf (12)
但し、
Ic トランジスタ25のドレイン電流
とする。Ic=(1/n)Iaを適用した。
一方、上式(10)が成立する。この式(10)を上式(12)に代入すると次式(13)が得られる。
If=(1/(Rf+Rc))((Rb/m)−(Rc/n))Ia (13)
よって、抵抗3に流れる電流IfがRFトランスコンダクタ4の基準電流Iaに比例する。
If=(Vdd−Rc(Ic+If)−Vp)/Rf
=(Vdd−Rc((1/n)Ia+If)−Vp)/Rf (12)
但し、
Ic トランジスタ25のドレイン電流
とする。Ic=(1/n)Iaを適用した。
一方、上式(10)が成立する。この式(10)を上式(12)に代入すると次式(13)が得られる。
If=(1/(Rf+Rc))((Rb/m)−(Rc/n))Ia (13)
よって、抵抗3に流れる電流IfがRFトランスコンダクタ4の基準電流Iaに比例する。
実施の形態3.
図3はこの発明の実施の形態3によるシングルバランス型ギルバートセル周波数混合器を示す回路図であり、図において、振幅電圧変換器31は、入力される高周波信号RFの振幅に反比例した直流電圧を発生するものである。
その振幅電圧変換器31において、抵抗32および容量33は、一端が電源Vddに接続され、互いに並列接続されたものである。これら抵抗32および容量33により、一端が電源Vddに接続されると共に他端が抵抗3の一端に接続された低域通過フィルタ34を構成する。
RFトランスコンダクタ(第3のトランスコンダクタ)35は、ドレインが低域通過フィルタ34の他端に接続されると共にソースがグランドに接続され、ゲートに入力される高周波信号RFに応じて動作するものである。
その他の構成については、図1と同一である。
図3はこの発明の実施の形態3によるシングルバランス型ギルバートセル周波数混合器を示す回路図であり、図において、振幅電圧変換器31は、入力される高周波信号RFの振幅に反比例した直流電圧を発生するものである。
その振幅電圧変換器31において、抵抗32および容量33は、一端が電源Vddに接続され、互いに並列接続されたものである。これら抵抗32および容量33により、一端が電源Vddに接続されると共に他端が抵抗3の一端に接続された低域通過フィルタ34を構成する。
RFトランスコンダクタ(第3のトランスコンダクタ)35は、ドレインが低域通過フィルタ34の他端に接続されると共にソースがグランドに接続され、ゲートに入力される高周波信号RFに応じて動作するものである。
その他の構成については、図1と同一である。
次に動作について説明する。
図3に示した振幅電圧変換器31は、図2に示した振幅電圧変換器21構成と同等な効果が生じる回路を別の回路で示したものである。
図4はRFトランスコンダクタに入力される高周波信号RFの振幅と直流出力電流との関係を模式的に示した模式図である。図に示すように、入力される高周波信号RFの振幅が大きくなれば、RFトランスコンダクタ35の直流出力電流は増大し、振幅電圧変換器31から抵抗3に供給される出力電圧Voutは小さくなり、その結果、抵抗3に流れる電流Ifは小さくなる。すなわち、抵抗3に流れる電流Ifは、高周波信号RFの振幅に対して単調減少する特性が得られる。
したがって、この実施の形態3でも、抵抗3に流れる電流Ifが、高周波信号RFの振幅に対して単調減少するようにしたので、高周波信号RFの振幅が大きい場合でも、抵抗3に流れる電流Ifは入力される高周波信号RFに対して線形性を維持し、変換利得も入力される高周波信号RFに対して線形性を維持することができる。
さらに、実施の形態2に対して、振幅電圧変換器31の回路構成を簡単にすることができる。
図3に示した振幅電圧変換器31は、図2に示した振幅電圧変換器21構成と同等な効果が生じる回路を別の回路で示したものである。
図4はRFトランスコンダクタに入力される高周波信号RFの振幅と直流出力電流との関係を模式的に示した模式図である。図に示すように、入力される高周波信号RFの振幅が大きくなれば、RFトランスコンダクタ35の直流出力電流は増大し、振幅電圧変換器31から抵抗3に供給される出力電圧Voutは小さくなり、その結果、抵抗3に流れる電流Ifは小さくなる。すなわち、抵抗3に流れる電流Ifは、高周波信号RFの振幅に対して単調減少する特性が得られる。
したがって、この実施の形態3でも、抵抗3に流れる電流Ifが、高周波信号RFの振幅に対して単調減少するようにしたので、高周波信号RFの振幅が大きい場合でも、抵抗3に流れる電流Ifは入力される高周波信号RFに対して線形性を維持し、変換利得も入力される高周波信号RFに対して線形性を維持することができる。
さらに、実施の形態2に対して、振幅電圧変換器31の回路構成を簡単にすることができる。
1a,1b 負荷抵抗、2 局部発振差動対、2a トランジスタ(第1のトランジスタ)、2b トランジスタ(第2のトランジスタ)、2c,2d スイッチ、3 抵抗(第1の抵抗)、4 RFトランスコンダクタ(第1のトランスコンダクタ)、5 局部発振差動対ゲートバイアス電圧発生回路(バイアス電圧発生回路)、6 トランジスタ(第3のトランジスタ)、7,9,22,28,32 抵抗、8 電流源トランジスタ(第1の電流源トランジスタ)、10 抵抗(第2の抵抗)、11 電流源トランジスタ(第2の電流源トランジスタ)、12 演算増幅器、13 ボルテージフォロア、21,31 振幅電圧変換器、23,27,30,33 容量、24,34 低域通過フィルタ、25 トランジスタ(第4のトランジスタ)、26 トランジスタ(第5のトランジスタ)、29 RFトランスコンダクタ(第2のトランスコンダクタ)、35 RFトランスコンダクタ(第3のトランスコンダクタ)。
Claims (5)
- 第1および第2のトランジスタからなり、それぞれ入力される局部発振信号に応じて動作する局部発振差動対と、
一端が第1の高電位電源に接続されると共に他端が上記局部発振差動対の共通接続部に接続された第1の抵抗と、
一端が上記局部発振差動対の共通接続部に接続されると共に他端が低電位電源に接続され、入力信号に応じて動作する第1のトランスコンダクタと、
上記局部発振差動対、上記第1の抵抗および上記第1のトランスコンダクタの複製回路からなり、その第1の抵抗に流れる電流がその第1のトランスコンダクタに流れる電流に比例するように、その局部発振差動対の第1および第2のトランジスタにバイアス電圧を供給するバイアス電圧発生回路とを備えた周波数混合器。 - 入力信号の振幅に対して減少した直流電圧を発生する振幅電圧変換器と、
第1および第2のトランジスタからなり、それぞれ入力される局部発振信号に応じて動作する局部発振差動対と、
一端が上記振幅電圧変換器の直流電圧出力部に接続されると共に他端が上記局部発振差動対の共通接続部に接続された第1の抵抗と、
一端が上記局部発振差動対の共通接続部に接続されると共に他端が低電位電源に接続され、入力信号に応じて動作する第1のトランスコンダクタと、
上記局部発振差動対、上記第1の抵抗および上記第1のトランスコンダクタの複製回路からなり、その第1の抵抗に流れる電流がその第1のトランスコンダクタに流れる電流に比例するように、その局部発振差動対の第1および第2のトランジスタにバイアス電圧を供給するバイアス電圧発生回路とを備えた周波数混合器。 - バイアス電圧発生回路は、
局部発振差動対の第1または第2のトランジスタの複製回路からなり、入力される局部発振信号に応じて動作する第3のトランジスタと、
第1のトランスコンダクタの複製回路からなり、一端が上記第3のトランジスタに接続されると共に他端が低電位電源に接続され、入力信号に応じて動作する第1の電流源トランジスタと、
半導体製造において上記第1の抵抗の近傍で製造され、一端が第1の高電位電源に接続された第2の抵抗と、
一端が上記第2の抵抗の他端に接続されると共に他端が低電位電源に接続され、入力信号に応じて動作する第2の電流源トランジスタと、
2つの入力が上記第2の抵抗および上記第2の電流源トランジスタの接続部と上記第3のトランジスタおよび上記第1の電流源トランジスタの接続部とに接続され、それら2つの接続部の電位が等しくなるように上記局部発振差動対の第1および第2のトランジスタ、およびその第3のトランジスタにバイアス電圧を供給する演算増幅器とを備えたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の周波数混合器。 - 振幅電圧変換器は、
一端が第1の高電位電源に接続されると共に他端が第1の抵抗の一端に接続された低域通過フィルタと、
一端が上記低域通過フィルタの他端に接続され、入力信号および第1のバイアス電圧に応じて動作する第4のトランジスタと、
一端が上記第1の高電位電源に接続され、上記第4のトランジスタと共に振幅電圧変換器差動対を構成し、第1のバイアス電圧よりも大きな第2のバイアス電圧に応じて動作する第5のトランジスタと、
一端が上記振幅電圧変換器差動対の共通接続部に接続されると共に他端が低電位電源に接続され、入力信号に応じて動作する第2のトランスコンダクタとを備えたことを特徴とする請求項2記載の周波数混合器。 - 振幅電圧変換器は、
一端が第1の高電位電源に接続されると共に他端が第1の抵抗の一端に接続された低域通過フィルタと、
一端が上記低域通過フィルタの他端に接続されると共に他端が低電位電源に接続され、入力信号に応じて動作する第3のトランスコンダクタとを備えたことを特徴とする請求項2記載の周波数混合器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004254530A JP2006074380A (ja) | 2004-09-01 | 2004-09-01 | 周波数混合器 |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP2004254530A JP2006074380A (ja) | 2004-09-01 | 2004-09-01 | 周波数混合器 |
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Publication Number | Publication Date |
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Family Applications (1)
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Country | Link |
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009100155A (ja) * | 2007-10-16 | 2009-05-07 | Sanyo Electric Co Ltd | 周波数変換回路 |
JP2009105810A (ja) * | 2007-10-25 | 2009-05-14 | Fujitsu Ltd | 増幅装置及びバイアス回路 |
JP2011124693A (ja) * | 2009-12-09 | 2011-06-23 | Asahi Kasei Electronics Co Ltd | 周波数変換回路 |
WO2014066691A3 (en) * | 2012-10-24 | 2014-07-03 | Qualcomm Incorporated | Threshold tracking bias voltage for mixers |
CN116996026A (zh) * | 2023-09-26 | 2023-11-03 | 中国科学技术大学 | 滤波自混频器 |
-
2004
- 2004-09-01 JP JP2004254530A patent/JP2006074380A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US9154079B2 (en) | 2012-10-24 | 2015-10-06 | Qualcomm Incorporated | Threshold tracking bias voltage for mixers |
CN116996026A (zh) * | 2023-09-26 | 2023-11-03 | 中国科学技术大学 | 滤波自混频器 |
CN116996026B (zh) * | 2023-09-26 | 2023-12-22 | 中国科学技术大学 | 滤波自混频器 |
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